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第23回用ノンストップ問題-その1web介護福祉士会編集)

第23回ノンストップ問題その2
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医学一般・形態別介護技術・精神疾患等を出題基準別にまとめたものです。


介護と医療に関する問題

問題
1 厚生労働省通知が介護職に認めている医療行為は血圧測定、ガーゼの交換、軟膏塗布、点眼、服薬管理である。

2 厚生労働省通知で特別養護老人ホームの介護職員が、たんの吸引など医師や看護師にしか認められていない医療行為の一部を行うことを特例として認められることになった。

3 一次救命処置(BSL)ガイドラインでは、倒れている人に遭遇した場合、まず周囲の安全と意識の確認→出血等の有無→意識の確認→応援を呼ぶ→気道確保→人工呼吸→心臓マッサージ→AEDの順で行う。

4 緊急時、介護者一人で対応できないと判断した場合は,すぐに協力者を求めて応急手当や連絡・移送等に協力を得る。

5 食事のときに気道に食事が入りむせたので,頭部を低くして背部をたたいた。

6 喘息発作を起こしたので,座位を保たせ枕を抱くような姿勢で深呼吸をさせた。

7 火傷・熱傷の処置では、直ちに新しい食用油を塗って包帯を巻いて医師の治療を受けた。

8 火傷・熱傷の場合に、5分間ほど冷水で冷やし,常備の消毒薬で消毒し,消毒ガーゼで覆って医師の治療を受ける。

9 慢性疾患のある利用者については平素から疾病の特徴や服用薬を知っておき,かかりつけの医療機関と連絡が取れるようにしておく。

10 慢性疾患のある利用者の病状急変時には,必ず救急車を呼び,救急病院へ入院させる。

11 緊急時の対応の場合,気道確保は介護職であっても実施できる。

12 医療行為に関する援助は,介護従事者の業務範囲ではないが,医師や看護婦からの指示があれば行ってもよい。

13 体調不良を訴える利用者の医療機関受診に当たり、把握している排泄,食事,睡眠,体重の増減,脈拍などの情報は,医師に報告した方がよい。

14 体調不良を訴える利用者の医療機関受診に当たり、事態が危惧されるような緊急な状況でも,救急車の要請をするか否かの判断は,看護職員又は医師の指示に従うべきである。

15 事故対応策としてのマニュアルに「救急処置は医療職の業務なので,介護福祉士は関与しない。」を明記した

16 事故対応策マニュアルでは「吸引器は医療器具なので,介護従事者はいかなるときでも使用できない。」とした。

17 熱傷の程度が1度のときは,すぐに消毒液や軟膏を塗る。

18  一人暮らしの高齢者が発熱し「風邪気味なので,風邪薬を買ってきて欲しい」と頼まれたが,病気についての判断ができないので,かかりつけの医師に受診するよう勧めた。

19 体温を測定したところ37.5度あったが,元気そうだったので,かかりつけの医師に連絡せず様子をみることにした。

20 一人暮らしの高齢者が発熱し、微熱及びのどの痛みを訴えていたため,ホームヘルパーはかかりつけの医師に連絡したが不在だったので,訪問看護婦に援助を依頼した。

21 一人暮らしの高齢者が発熱し、家にあった風邪薬をのませた後で,検温したところ平熱になったので介護者は帰宅した。

22 医療機関への搬送時、嘔吐物の中に血液が混入していたが、少量だったので、水分をとらせた。

23 医療機関への搬送時、鼻出血が止まらないので、頸部を後屈させ後頭部を軽く叩いた。

24 医療機関への搬送時、転倒して腕が腫れ上がり変形したので、変形を正常な位置に戻して固定した。

25 衣服の上から熱湯を浴びたので、すぐに衣服を脱がせて水で冷やした。

26 介護従事者は利用者の症状に変化がみられる場合には,医療従事者に連絡し方針を話し合う必要がある。
27 レクリエーションに参加する場合でも,必要に応じて医師及び他の医療従事者との連携を密にしなければならないと考えている。

28 介護従事者の家庭訪問は,要援護者を援助するためのものであって,同居家族は支援の対象にはならない。

29 介護福祉士は医師や看護婦からの指示があれば,医療行為であっても行ってよい。

解答・解説

1:○

2:○平成22年4月に都道府県にたいして通知がなされました。

3:○気道確保後、自発的呼吸の有無の判断に迷う場合は、人工呼吸を行わずに様子を見ることが大切です。また自動体外式除細動器(AED)を使用できる者は、市民救助者(ごくふつうの一般人)も含まれます
4:○
5:○背中をたたく方法は誤嚥の時に実施されている方法です。

6:○喘息発作が起きたときは、横の姿勢よりも座った状態が最も楽な姿勢です。

7:×民間療法で馬の脂を塗ったり、食用油を塗ったりする人もいるようですが、大事なことはまず水で冷やすことです。

8:○まず、水で冷やす。消毒→医師の治療という順序になります。

9:○

10:×救急車に頼らない場合もありますから必ず救急車ということにはなりません。

11:○緊急時は介護員でも気道確保しなければいけません。「看護師のみできる」などという問題が過去に出されていますが、惑わされないように。

12:×指示があっても医療行為はおこなってはなりません。

13:○介護職が最もる排泄,食事,睡眠,体重の増減,脈拍などの情報をしっているのですから、医療機関を受診するときには的確に情報をつたえなければいけません。

14:×緊急の場合には医療職の判断をまたないで救急車の要請をおこなう場合があります。

15:×緊急時では介護職でもおこなわなければならないケースもあるので間違いです。

16:×ALS患者で吸引器は介護従事者でも使用できるケースがあるので間違いです。

17:×直ぐに水で冷やすが正解です.。熱傷の1度は障害が表皮レベルに留まったときで, 表面が赤くなってヒリヒリするくらいの症状がありますが, 水疱を形成することはなく,数日で治癒します。

18:○たとえ誰でも購入できる市販薬であっても、頼まれたからといって介護者の判断で薬を購入してはいけません。

19:×微熱でも、熱があればかかりつけの医師に連絡をとるのが原則です。

20:○かかりつけの医師がいないときには医療職である看護師に連絡をとることが大切です。

21:×このような問題に引っかからないように注意しましょう。家にあった風邪薬であっても、医師に相談するのが原則です。

22:×このときの処置として大事なのは、まだ残ってる吐物をはき出させることです。

23:×頸部を後屈させ後頭部を軽く叩いたりすると、その血によって誤嚥を引き起こすことがあるので注意してください

24:×骨折している可能性があるので絶対無理に戻してはいけません。

25:×服を脱がせないで水で冷やすのが原則です。

26:○施設に勤務の介護職の皆さんなら常識として知っていることと思いますが、症状の変化時は必ず医療従事者に連絡が必要です。
27:○レクレーションでは身体活動をする場面がありますから、健康面では注意が必要です。ですからどうしても医療関係者との連携を密にしておく必要があります。

28:×利用者、家族共に援助の対象になります。

29:×医師・看護士からの指示があっても医用行為はできない。ただし医療関係者がいない場合で救急事態での気道確保等は行うことはできます。

神経・筋疾患に関する問題1(パーキンソン病)


問題
1 パーキンソン病は厚生省の指定をうけた特定疾患(難病)であり、身体の運動機能をコントロールする大脳基底核の黒質線条体の病変で、身体の動きが正常でなくなるものである。原因は、神経伝達組織のドーパミンの不足で、神経間の連絡障害を起こすためでその原因は不明である。

2 パーキンソン病は、筋強剛、振戦(しんせん)、寡動(かどう)の3症状を呈することが多い

3 パーキンソン病の患者の特徴として急に歩きを止められい、便秘傾向になる、顔面の表情が乏しくなるなどがある。

 

解答
1:○日本では10万人に50人の発症と言われてます。中年、高齢者に多い疾患です。
2:○筋強剛とは筋肉の緊張が高まっている状態のこと=筋肉のこわばり、振戦(しんせん)とは、不随意のリズミカルなふるえのこと、寡動(かどう)とは、動作の速度が遅くなることをいいます。なお、振戦(しんせん)は運動時より安静時のほうが強いことを覚えておいてください。

3:○「顔面の表情が乏しくなる」これを医学的にいうと仮面様顔豹(かめんようがんぼう)という表現になります。

神経・筋疾患に関する問題2(脊髄小脳変性症)


問題
1 脊髄小脳変成症とは、主として小脳と脊髄およびこれらに関係する神経路が障害され,緩徐・進行性に言語障害,酔っ払いのようなふらつき歩行,手足のふるえ,複視などをきたす疾患群の総称である。厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されている。

2 脊髄小脳変性症と運動失調には関連があるが失語や対麻痺には関連がない。脊髄小脳変性症は緩やかに進行していく疾患である。


解答

1:○原因については不明です。これには遺伝する疾患と遺伝しない疾患がありますが,後者の方が多いようです.現在,国内での患者数はおよそ2万人程度といわれています。

2:○脊髄小脳変性症は小脳および脳幹から脊髄にかけての神経細胞が徐々に破壊、消失していく病気ですが運動失調を主な症状とする神経疾患です。失語や対麻痺のような症状はありません。

 

参考

脊髄小脳変成症の主な症状
・言語障害:ろれつが回らなくなり,聞き取りにくくなる.
・手足の動きが不器用になる.
・ 歩き方が,酔っ払いのようになり,足を広げてふらふら歩く.ひどくなると,座っていてもふらふらする。
その他,次のような症状も伴うことがあります.
・パーキンソン症状:動作がゆっくりとなり,手足の筋肉がこわばる。
・不随意運動:手足が勝手に動いてしまう.
・手足の力が弱くなる.
・ 立ちくらみ,発汗低下,便秘,尿失禁など 

食中毒に関する問題


問題
1 動物性自然毒による食中毒はほとんどが魚介類が原因であり「ふぐ」のように常に有毒物質があるものと、二枚貝・巻き貝などのように産地、年次、季節などによって異なるものがある。また植物性自然毒による食中毒では、毒キノコによるものがかなりの部分を占める。

2 アキサキス(回虫)はサバ、タラ、イカ、ニシンなどの魚にアニサキスの幼虫が寄生していることがあり、これらを生で食べることで感染する。アニサキス感染症の予防は,低温・冷凍処理が原則である。

3 サルモネラは生卵や自家製マヨネーズによる食中毒発生に関係する。サルモネラは熱に弱いので、食前の十分な加熱が予防に有効である。

4 腸炎ビブリオ菌は食塩水に強い菌であるので、調理前に水道水などの流水で十分に洗浄するとよい。

5 べロ毒素を産生する病原性大腸菌(O−157等)による食中毒の予防は,高温処理が有益であり冷温・冷凍では効果がない。

6 ブドウ球菌は,飲食物中で増殖するとエンテロトキシンという毒素を産生する。この毒素は,普通の調理加熱程度では不活性化(無毒化)されない。

7 黄色ぶどう球菌は皮膚の化膿そうなどに検出されるので、化膿そうのある者は調理に従事させないことなどで予防する。

8 カンピロバクターによる食中毒の主たる原因食品は肉類である。(例 加熱不十分な「鶏肉のホイル焼き」が原因食品と推定される食中毒はカンピロバクターである。)

9 ノロウイルス(小型球形ウイルス)による食中毒の主たる原因食品は牡蠣(かき)である。

10 ノロウイルス感染症は、感染症法で5類感染症に位置づけられた「感染性胃腸炎」の一つである。このウイルスの消毒・殺菌は逆性石けんやエタノールでは効果がないが最も有効なのは次亜塩素酸ナトリウム(塩素系消毒剤)である。

11 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は手指や食品などを介して経口感染するものであり特に冬季に流行する。このウイルスの潜伏期間(感染から発症までの時間)は24〜48時間で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり発熱は軽度である

解答
1:○細菌性が原因によるものと違い自然毒による食中毒は加熱処理をしても毒素は残るので注意が必要です。毒キノコなどを食べての食中毒の大部分は採取したキノコを自己流で鑑定して食べた結果、発生したものです。
2:○日本人は魚を生で食べる習慣があるので、他の国の人に比べて、感染率が高くなっています。アニサキスは低温に弱いですから覚えておいてください。
3:○卵製品でサルモネラの食中毒はおきやすいです。タマゴサラダ・シュークリームなどは要注意です。大腸菌、サルモネラ菌は熱に弱いので。熱に強いのは毒素をだすブドウ球菌やウエルシュ菌ですから覚えておいてください。
4:○ビブリオ菌は塩分には強く普通の水には大変弱い細菌です。ですから調理する前には水道水などで十分に洗浄することが必要です。
5:○
6:○ブドウ球菌からでるこの毒素が悪さをします。毒素名「エンテロトキシン」は覚えておきましょう。
7:○皮膚の化膿部分とか、目やになんかにもこの細菌がいます。
8:○肉類が原因となるのはカンピロバクター以外にもサルモネラ・ウエルシュなども原因となります。カンピロバクターの食中毒は特に鶏肉が多いです。
9:○牡蠣、それも冬の牡蠣は弱っていますから、ノロウイルスがとりつきやすいのです。ノロウイルスときたら何と言っても「牡蠣」です。
10:○ノロウイルスは感染症法で第5類に分類されています。食中毒の原因菌としてもノロウイルスは有名ですね。何と言っても効果のあるのは次亜塩素酸ナトリウムです。
11:○ノロウイルスの特徴は冬に流行することです。手指などを介しておこるので、しつこいくらい手を洗うことが大切です。急激な吐き気・嘔吐・下痢がこのウイルスの特徴ですが、脱水しないように水分の補給が必要です

感染症に関する問題

問題
1 
高機能(N 95タイプ)マスクは新型インフルエンザや結核、SARSに対して使われる
2 インフルエンザウイルスは大きく分けて、A型・B型・C型の3種類があり、このうちヒトの世界で流行を起こし問題となるのは、A型とB型である。またインフルエンザは通常のかぜと比べ、症状が重く、全身症状も顕著に現れる。そのため、高齢者がかかると肺炎を併発したり、持病を悪化させたりして重篤になり、最悪の場合は死に至ることもある。

3 平成13年の予防接種法改正により、インフルエンザは二類疾病に分類され、市町村長はインフルエンザの予防接種を行わなければならないこととなった。インフルエンザの定期の予防接種を行う対象者は、65歳以上の者、および、60歳以上65歳未満であって、心臓、じん臓若しくは呼吸器の機能又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害を有するものである。

4 結核による死亡率は減少傾向にある。また、現在の日本の結核死亡率は65歳以上にピークが見られる。

5 結核対策では医療費の公費負担制度が実施されている

6 非結核性(否定型)抗酸菌感染症は結核菌以外の抗酸菌で引き起こされる病気のことでありヒトからヒトへ感染(伝染)しない。7 結核は飛沫感染し肺結核になると微熱が続く,咳嗽(がいそう)=咳(せき)がずっと止まらない,全身倦怠感、寝汗といった風邪と同じ様な症状がでてくる。

8 感染症新法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)の制定により、結核予防法は廃止された

9 結核菌に対する免疫能の有無を調べるツベルクリンテストが行われなくなり、現在は予防接種法に基づき生後6ヶ月に至るまでの定期接種時にある乳幼児に対してのみ、ツベルクリン反応検査をせずに直接にBCG接種を行う形となっている。

10 日和見感染症とは通常の免疫能を持つ人には感染しないような弱毒微生物による感染症のことをいう。日和見感染の中には、カリニ肺炎や単純ヘルペス、MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)が含まれる。

11 HIV(ヒト免疫不全ウイルス)はセックスや輸血で感染するが多い。現在エイズ予防のためのワクチンは開発されていない。

12 性感染症では、淋病、クラミジアなどの性感染症が増加傾向にある。

13 破傷風は、破傷風菌が産生する毒素のひとつである神経毒素の破傷風により強直性痙攣をひき起こす感染症である。

14 ポリオウイルスによる感染症は、特に抵抗力(免疫力)の弱い乳幼児に好発する。現在ではその予防のためにワクチン接種が実施されている。

15 疥癬(かいせん)は、ダニ、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症である。

16 角化型(ノルウェー)疥癬患者は、個室管理が必要である。

解答

1:○ちなみに、「N」は耐油性が無いことを表し(Not resistant to oil)、「95」は試験粒子を 95% 以上捕集できることを表しています。
2:○インフルエンザは風邪と似ていますが風邪とは違います。潜伏期間が短く感染力が強いことが特徴で、毎年、流行期の12月下旬から3月上旬にかけて流行します。
3:○二類疾病とは個人予防目的に比重を置いた疾病です。個人の発病・重症化防止など集団予防を図る必要がある疾病のことを言います。
4:
○平成1418年では、罹患率は25%17%に下がっています。70歳代以降になると急に罹患率が増えて,全体の患者に対する割合は75%弱になっています。ちなみに,平成9年から3年連続で結核の患者数が増えて問題になり,国が対策を施したため,平成11年を境に患者数は減る傾向にあることにも注意が必要です。

5:○結核と診断された患者が安心して適正な医療を受けられるよう法律で医療費の 一部あるいは全額を公費で負担できると定められています。
6:○非結核性(否定型)抗酸菌感染症と結核との大きな違いは、ヒトからヒトへ感染(伝染)しないこと、病気の進行が緩やかなことです。
7:○飛沫感染(空気感染)とは病原体が患者の咳・くしゃみ・会話などによって空気中に飛び散り、他者がこれを吸入することにより感染することをいいます。結核菌は飛沫感染(空気感染)の代表的なものですが、このほかにもインフルエンザ・麻疹・猩紅熱(しようこうねつ)などが飛沫感染をする病原体です。

8:○結核予防法がなくなり平成19年度から感染症法に組み込まれました。

9:○

10:○カリニ肺炎の「カリニ」はカビの一種でどこにでも存在するものです。ですから全くの健康人はカリニ肺炎にはなりません。でも、癌(がん)や癌の治療、エイズなどのために体の防御機能が低下した人がこのカリニ肺炎を引き起こすことがあります。単純ヘルペスウイルスは、初感染後体内に終生潜伏感染し、体力(免疫力)が低下した時など、口唇ヘルペス、アフタ性口内炎などとして、再発します。MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)は院内感染菌として有名ですが多種類の抗生物質が効かない多剤耐性黄色ブドウ球菌です。.ですから当然内服薬を飲んで完治できるものではありません。

11:○

12:○現在、最も感染者が多いと言われている性感染症はクラミジアです。このクラミジアを放置しておくと炎症がひろがり子供ができにくくなることもあります。

13:○土壌中に棲息する嫌気性の破傷風菌は土壌中に存在していますが、傷口から体内に侵入することで感染を起こす菌です。

14:○現在、経口によるポリオ生ワクチンの一斉投与が行われています。

15:○高齢者福祉施設などにおいてしばしば集団発生を起こし、大きな問.題となっています。
16:○角化型(ノルウェー)疥癬は非常に感染力が強いですから個室管理が必要になってきます。


人体の構造と機能に関する問題

問題
1 アドレナリン、ノルアドレナリンは副腎髄質から分泌される。また副腎皮質からアルドステロンが分泌される。 このアルドステリンはストレスなどが加わったときにそのストレスに対応してくれるホルモンである。
2 下垂体前葉から成長ホルモンが分泌され、下垂体後葉から抗利尿ホルモン、オキシトシン(子宮筋の収縮)が分泌される。

3 下垂体は体の状態を維持、調節するホルモンを分泌される。下垂体に障害を生じるとホルモンの分泌異常が起こり様々な症状が現れる。

4 バゾプレッシン(抗利尿ホルモン)は脳の下垂体後葉で分泌され、体内の水分量と血液中のナトリウム濃度を調整する働きがある。この量が大きくなると脱水が心配される。

5 甲状腺から分泌されるサイロキシンやカルシトニンは発育や成長に必要不可欠なホルモンである。

6 女性ホルモンとは女性の卵巣から分泌されるホルモンで、卵巣から分泌される卵巣ホルモン(エストロゲン)と、排卵後に卵胞から変化した黄体から分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類がある。女性ホルモンの機能が低下して尿道粘膜萎縮がおこることがある

7 膵臓のランゲルハンス島からインシュリンが分泌されがこのホルモンには血糖値を下げる効果がある。一方グルカゴンはインスリンと同じく膵臓から分泌される成分であるが、インスリンと反対に血糖値をあげる効果がある。

8 インスリンとグルカゴンというホルモンは血糖値を好ましく維持するために休むことなく膵臓から分泌されるが、グルカゴンは血糖値が下がった時に分泌が促進され、インスリンは血糖値が上がったときに分泌される。

9 視床下部の機能は自律神経機能や内分泌機能を制御し、生命維持機能に関る中枢の役割をする。
10 自律神経は交感神経と副交感神経の2つにわかれているが交感神経は活動している時、ストレス・緊張している時に働き、副交感神経は休息・体の修復をしている時、リラックスしている時 に働く。

11 交感神経が興奮した場合、心拍数や脈拍や血圧は上昇、瞳孔が拡大し、脈拍は増加し気管支は拡張する。

12 副交感神経が興奮した場合、消化活動の活発化、血圧の低下、毛細血管の拡張などがおこる。

13 頸骨神経は座骨神経の枝で下腿以下の運動・知覚をつかさどる神経である。

14 延髄は大脳や小脳と脊髄をつなぐ中継地点でありあらゆる身体の感覚情報や大脳の命令伝達が通過する神経回路の大動脈ともいえる部分である。

15 血液は約45%が赤血球・白血球・血小板などの有形成分で、残りが無形成分の血漿である。また、血漿の約90%は水で,それに蛋白質,糖質,脂質,電解質,無機質,酵素,ビタミン,ホルモンなどが溶解している。

16 白血球には好中球やリンパ球などの種類があり、これらはあらゆる異物に対して攻撃したり、ウイルスなどの小さな 異物に対して防御する働きをする。

17 通常,一日の成人の排尿回数は57回で,尿量は1,0002,000mlである。 また、一日の尿量は,正常な場合,経口的に摂取した水分と同量である。
18 肺は心臓をはさんで左右に1個ずつあり、心臓がやや左に片寄っているため左肺は右肺より小さくなっている。肺は、右が上葉、中葉、下葉の3つに、左は上葉、下葉の2つに分かれている。

19 誤嚥した異物は、一般的に右肺の下葉に入りやすい

20 胃は消化管で食道につながる入口付近を噴門部、十二指腸につながる出口付近を幽門部、それ以外の部位を胃体部と言う。

21 肝臓の働きは胆汁を作ることであるが、胆汁は肝細胞と肝細胞の間に毛細血管で集められ、胆嚢(たんのう)に運ばれる。胆嚢で濃縮された胆汁は、十二指腸へ分泌されて、脂肪を分解する。

22 小腸は十二指腸、空腸、回腸の順で構成されている。また、小腸のはたらきは食物の消化と吸収であり、栄養素の約90%は小腸で吸収される。

23 盲腸,結腸(上行結腸,横行結腸,下行結腸,S状結腸),直腸に分けられる。大腸の働きとしては水分の吸収と便の運搬と貯蓄などがある。

24 便意は,直腸内圧が高まり,その刺激が仙髄を介して小脳に伝わることにより起こる。

解答
1〜5:○ こちらを参考としてください。→http://health.goo.ne.jp/medical/mame/karada/jin035.html →

6:○女性ホルモンが欠乏すると、膀胱炎に罹りやすく、感染がなくても正常の排尿機能が衰え、頻尿、尿道灼熱感、尿意切迫、尿失禁などの症状が出ます。

7:○グルカゴンについても頭に入れておいてください。このホルモンは血糖値が下がった時に肝細胞に作用して、血糖を上昇させます。

8:○正解です。私たちの体の血糖値は、インスリンやグルカゴンの働きで許容範囲内に収められていますがこれが、長年の悪い生活習慣でこのバランスを崩すと糖尿病になってしまいます。
9:○

10:○交感神経と副交感神経は、体の同じ器官に対して、正反対のはたらきをすることで、体の機能を調節しています。交感神経は、活動・緊張・ストレスの神経として活動している時や、怒り、不安、恐怖、緊張している時にはたらきます。血管がちぢんで、心拍数が増え、筋肉が緊張して、状況の変化にサッと対応できるよう、体が準備をしています。副交感神経は、反対に、修復・休息・リラックスの神経で睡眠中や、安定している時、ゆったりと落ち着いている時にはたらきます。血管がひろがり、心拍数が少なくなり、筋肉もゆるんで、体の疲労や故障の修復をおこないます。
11:○

12:○

13:○

14:○

15:○赤血球は全身の細胞に酸素を運ぶという大変重要な働きを担っています。赤血球は、酸素と結合できるたくさんのヘモグロビンをもっていますが、赤血球数が減るとヘモグロビンも減少することから貧血の原因になります。白血球には好中球やリンパ球などの種類があり、これらはあらゆる異物に対して攻撃したり、ウイルスなどの小さな異物に対して防御する働きをします。

血小板は血液を凝固させる働き(出血を止める働き)があります。

16:○
17:○文献により多少違いますが成人の排尿回数は57回で,尿量は1,0002,000mlと覚えておくのが無難のようです。排尿するとその分体の水分が減りますがその分だけ水分を補給しバランスを保ちます。
18:○
19:○何故右肺の下葉に入りやすいのか??心臓や大動脈との位置関係で、気管支は身体のやや右側にあります。そのため気管支は右側がメインで、左側はそこからかか横向きに分岐するような構造になります。漢字の「人」のような形です。そのため、嚥下されたものがまっすぐ素直に流れると、自然に右側の肺に流れ込むようにできています。

20:○胃体部の胃壁からは塩酸(胃酸)が分泌されますが、そのことで食べたものは酸性に保たれ殺菌され腐敗が防止されます。また、胃内で分泌されるタンパク質分解酵素のペプシンによって、タンパク質をペプトンと呼ばれるどろどろした水溶性の分解産物に消化します。

21:○この時腸内に分泌された胆汁酸の殆どは小腸で再吸収され、肝臓に戻ってきて、また脂肪を分解する働きを繰り返します。

22:○

23:○大腸の主な働きは水分の吸収ですが右側結腸を吸水部結腸ということがあります。また、大腸の左側は糞便を送る役目を持っているので,送便部結腸ということがあります。

24:○

参考

内分泌官とホルモンのまとめ

下垂体前葉・・・・・・・・・成長ホルモン(他の内分泌器官への刺激ホルモン)

下垂体中葉・・・・・・・・・メラニン細胞刺激ホルモン

下垂体後葉・・・・・・・・・抗利尿ホルモン、オキシトシン(子宮筋の収縮)

甲状腺・・・・・・・・・・・サイロキシンとカルシトニン

すい臓のランゲルハンス島・・インスリン(血糖値を下げる)、グルカゴン(血糖値を上げる)

副腎皮質・・・・・・・・・・副腎皮質ホルモン=コルチコステロイド(電解代謝、糖代謝、抗ストレス)

副腎髄質・・・・・・・・・・アドレナリン、ノルアドレナリン(交感神経と同じ作用)

性腺(精巣)・・・・・・・・精巣ホルモン=テストステロン

  (卵巣)・・・・・・・・卵胞ホルモン=エストロゲン、黄体ホルモン=プロゲステロン


消化器疾患に関する問題(胃・十二指腸潰瘍、肝炎・肝硬変)


問題
1 
胃潰瘍の原因のほとんどが「ピロリ菌」とされているが、ピロリ菌にかかると、まず、慢性胃炎となり、そのごく一部が慢性胃潰瘍などになる。胃潰瘍になると腹痛を感じるがその部位としては心窩部(みぞおち)が多い。なお胃潰瘍の治療としては薬物療法が一般的である。

2 A型肝炎は、井戸水や魚介類を介して感染し高齢者に多く見られる。またB型ウイルス肝炎、C型肝炎ウイルスは性行為や血液を介してで感染する。

3 A型肝炎に対してはHAワクチンが、B型肝炎に対してはHBワクチンがあるがC型肝炎対策としてのワクチンは開発されていない。

4 B型肝炎の利用者が使用する食器は、必ずしも使い捨てする必要はない

5 肝機能検査でのGOTGPT検査は、肝細胞の破壊を反映する。 具体的には、肝炎、肝硬変、脂肪肝などでGOTGPTが上昇する。

6 脂肪肝とは飲酒や高栄養食品の過剰摂取で肝臓に脂肪が蓄積した状態をいうが、慢性的にこの状態が続くと肝炎や肝硬変になりやすくなるので注意が必要である。


解答
1:○腹痛については空腹時よりも、食事をした後に痛みがおこります。これは胃酸が爛れた胃壁を刺激するためです。胃潰瘍で便に血が混じる場合はどす黒い便が出ますが併せて覚えておきましょう。

2:○B型、C型肝炎の感染経路は主に三つにしぼられます。性行為・血液感染(輸血・麻薬の注射)・母子感染の三つは覚えておいてください。なおB型及びC型肝炎は、血液を介して感染することから血清肝炎とも言われています。

3:○A型肝炎はワクチンで抗体を獲得する方法と、免疫グロブリンにて一時的に感染を予防する方法があります。C型肝炎のワクチンは現在開発中です。

4:○B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスはくしゃみ、せき、抱擁、食べ物、飲み物)などでは感染しません。

5:○GOTは「AST」と、またGPTは「ALT」と改称されつつありますので、頭の隅に入れておいてください。その他、肝機能検査で有名なのがγ-GTPです。γ-GTPは肝胆道系疾患により、異常高値を示します。また、お酒の飲み過ぎて肝臓をやられている人などは高い数値となります。

6:○ 脂肪肝の主な原因は、「肥満」「アルコール」「糖尿病」の三つとなります。生活習慣病の一つとも言えます。

 

腎・泌尿器疾患に関する問題(尿路感染症)

 

1 尿路感染症は男性に比べて老年の女性に多く発症する。また急性尿路感染症では尿失禁をおこしやすい。

2 尿路感染症の誘因となるものに糖尿病、膀胱留置カテーテルの使用、前立腺肥大などによる尿路の通過障害、女性ホルモン機能低下による尿道粘膜萎縮などがある。

3 細菌が膀胱から腎臓に入り腎盂腎炎(じんううんえん)をおこすと発熱の原因になる。

4 高齢者の合併症予防で尿路感染については水分摂取に注意が必要である

5 尿路ストマは尿路感染予防の観点から入浴時に適切な装具の着装が必要である。
6 尿に混濁がみられたり,排尿時痛や不快感がある場合には,膀胱炎であることを利用者に伝え,水分補給をすすめる。

解答

1:○女性の方が尿道が短いために細菌が入りやすいので女性に多い。

2:○尿路感染症は糖尿病がある場合、糖尿病がない人に比べ数倍の頻度でみられると言われています。

3:○発熱以外にも血尿、混濁尿、膿尿、細菌尿などの症状がでます。

4:○尿量の少ないと尿中の細菌数が多くなるので、水分摂取は細菌を洗い流すという意味で重要な感染予防ケアとなります。

5:○尿路ストーマの場合は、尿がストーマから絶えず流れているため基本的には装具を装着して入浴します。

6:×膀胱炎等の診断をするのは医師の業務なので介護職は膀胱炎であると利用者に伝えてはいけません。

 

参考

@尿路感染症とは

尿路とは文字通り、尿の通る道です。腎臓でつくられた尿は腎盂、尿管、膀胱、尿道を通って外に出ます。それら全部をひっくるめて尿路と呼びます。細菌がこの尿路の中に入って増えた状態を尿路感染症と呼びます。

A尿路感染症の原因

細菌は例外的に血液の中を回って腎盂に直接入ることもありますが、普通は尿の通る方向とは反対に、おしっこの出る尿道口から入って、上へ上へと腎盂の方に登ってきます。特に乳幼児では便の中にたくさんいる大腸菌が尿路に入ることが多いのです。女の子の方が尿道が短いために細菌が入りやすいのですが、まだおちんちんの皮がむけていない男の子の場合も包皮と亀頭の間に垢がたまって細菌が入り易い状態になっています。おちんちんをさわる癖があるとよく尿路感染を起こします。

B尿路感染症の症状

乳幼児では原因のはっきりしない発熱だけが症状のことが多く、突発性発疹やカゼと紛らわしいことがあります。不機嫌で嘔吐や下痢を伴うこともあり、嘔吐下痢症と紛らわしいこともあります。訴えのできるこどもでは、発熱以外に腰の痛みや排尿時痛、残尿感を訴え、何度もトイレに行くようになります。


尿失禁に関する問題

問題
1 尿失禁を起こしやすい原因として、脳卒中など脳の障害、膀胱に出入りする神経に影響を及ぼす病気、尿路下部の問題、精神機能や体の動きを損なう状態などがある。

2 持続性の尿失禁は症状のパターンに基づいて、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、溢流(いつりゅう)性尿失禁、機能性尿失禁、混合型尿失禁という5つの基本的な型に分類される。

3 尿失禁が進み尿意がない場合は,排尿コントロールを行っても効果は望めないので,おむつを当てた方がよい。

4 尿失禁を繰り返す場合は,尿路感染を起こしている可能性があるので,発熱,尿の色に注意する。

5 尿失禁を繰り返す場合は,留置カテーテルに換えるように助言する。


解答
1:○

2:○

3:×おむつをしたほうが排尿のコントロールをとりにくくなるので安易におむつを当ててはいけません。
4:○尿路感染症を疑うときは発熱や尿の色に注意します。尿路感染症では尿の色は普段より濃く、濁っている場合もありますし、 症状がひどくなると、血尿が出て激しい痛みがでることもあります。発熱については風邪の症状をともなわない発熱の時に尿路感染症を疑うことがあります。
5:×安易に留置カテーテルを使用するのではなく、腹圧性尿失禁の場合には骨盤底筋を鍛えることによって改善する場合もあるので尿失禁の種類を把握し、それらに対処する方法をさぐることから始めた方がよい。

腎・泌尿器疾患に関する問題(排尿障害・腎不全)


問題

1 膀胱に尿が貯留しているのに尿がまったくでないことを「尿閉」といい、膀胱に尿がたまっていなくて尿がでないことを「無尿」という。

2 乏尿(ぼうにょう)とは、尿の排泄量が低下し、一日の尿量が400mL以下となった病態1日尿量が400ml/日以下をいう。

3 膀胱に尿が150mlから200mlたまると尿意を生ずる。
4 腎臓の糸球体で、血液中の血球やタンパク質以外の成分が濾過されて尿がつくられる。このほかに腎臓の働きとして、老廃物の排出、血圧の調節、ホルモンの分泌などがあり肝臓とともに重要な臓器の一つである。

5 腎臓の機能が低下すると慢性腎不全となりやすくなり老廃物が体内に蓄積し、進行して尿毒症になると、肺水腫、中枢神経や消化管の出血がおこる。この状態にいたると、人工透析治療や腎臓移植をしなければならなくなる。

6 慢性腎不全で浮腫(むくみ)がある場合には水分制限をしたほうがよい。

7 摂取する水分量が少なくなると脱水がおきないように腎臓は水分の再吸収を始めて尿を濃くします。反対に体の水分が必要以上の時は薄い尿をたくさん出して体の水分を調整する。

8 尿細管は腎臓における糸球体より集合管にいたるまでの原尿が通り、再吸収・分泌などを受ける組織であるが、ここで水や電解質(塩分、酸、アルカリなど)の再吸収が行われている。

9 水は人体の60%を占め,正常な出納が行われることでバランスを保っている。また、成人は,飲料水として1日1500ml程度の摂取が必要である。
10 老人は,脱水状態が生じると,必ず口渇を訴えてくる。


解答
1:○無尿の定義としては1日尿量が50100ml/日以下のときをいいます。

参考

頻尿→一日の排尿回数には個人差があるが、昼間7回から8回以上、夜間に3回以上あると、頻尿という。

乏尿(稀尿)→1日の排尿回数が、1から2回と極端に少なくなる。中枢神経障害によるものが多い。

残尿→排尿困難が進行し膀胱内の尿の全部を排泄できなくなり、膀胱内に尿が残るようになってくる。尿路に疾患がある場合は、残尿の量が少ない場合でも残尿感を訴えることもある。

無尿→膀胱まで尿が来ないか、腎臓で尿が生産されないものを無尿

閉尿→尿は生産されるが膀胱より尿が排出されないものを閉尿という。

2:○

3:○資料によっては尿意を感じるのは200ml程度というのもありますが、この問題にある150mlから200mlたまると尿意を感じるを覚えておきましょう。
4:○腎臓や肝臓は臓器の中でも大事な部分です。血液や老廃物が腎臓でろ過されたものが尿ですが、この尿の量は一日に約1L(リットル)から1.5L(リットル)くらい作られます。このことも試験にはよくでてきますので頭に入れておいてください。

5:○その通りです。「人工透析」という言葉は日本では一般的な呼称ですが血液透析、または人工腎臓ともいいますね。この治療法は簡単にいうと「血液を浄化する治療」です。

人工透析には血液透析と腹膜透析の2種類がありますが実際日本では人工透析を行う患者の約96%が血液透析両方を受けています。血液透析は一般的に一般的に週3回専門の施設に通い、14時間かけて治療します。
6:○

7:○高齢者は尿の濃縮力が低下して脱水症・夜間多尿などがおこりやすくなります。この脱水が原因で急性腎不全の原因となることもあります。

8:○

9:○水分は幼児が最も多くて約70%、成人が約60%、老人は約50%・・お年寄りほど水分が必要です。1日に必要な水分補給の目安は、15リットル。脱水症状を起こさない為には、身体から排出される水分量と補給する量のバランスを保つことが大切です。
10:×お年寄りは、むしろその自覚が無いことが多いので注意が必要です。

悪性腫瘍に関する問題
 

問題
1 B型及びC型肝炎ウイルスは、肝がんの発生に関与する。しかしA型肝炎は急性がほとんどで慢性化、癌化することは少ない。

2 乳ガンは、乳房の外側上部に最も多く発生する。また乳ガンは女性だけでなく男性にもみられる。

3 乳ガンの危険因子としては、出産未経験(含む未婚)、高齢出産経験がある

4 膵がん(膵臓癌)は、他の癌よりも予後が悪い。

5 子宮ガンには子宮頸癌と子宮体癌があるが発生率は圧倒的に子宮頸癌の方が多い。子宮頸がんの原因は、ほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染であるが、200
9年10月に子宮頸がん予防ワクチンが承認された。子宮がんの自覚症状としては、不正出血が多い。
6 大腸癌とは、大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生する癌腫である。大腸癌が進行すると結腸壁や直腸壁に浸潤するが特に直腸壁からの血液は肝臓へ流れるため肝臓へ転移しやすい。

7 前立腺がんの診断には、腫瘍マーカーが有用である。

8 前立腺は、男性だけが持っている生殖器官の一部で膀胱のほぼ真下にあり、尿道を取り囲んでいる。そこにできる前立腺癌は、特に男性の高齢者に多く排尿障害をおこしやすい。

9 この20年間前立腺癌の罹患率は、徐々に増加している。


解答
1:○肝炎ウイルスはA型・B型・C型の3種類があります。A型に感染した場合には黄疸が出る程度で、ほとんど後に影響が残ることがないのに対して、B型やC型に感染すると、激しい症状のもとに数日で命を失うこともあります。何とか乗り切っても、再発を繰り返して肝硬変に徐々に移行してゆきます。肝硬変の約40%は肝臓ガンになります。

2:○

3:○乳癌の危険因子. 年齢. 加齢は重要な危険因子です。乳癌の約60%は60歳を過ぎた女性に発生しています。75歳を過ぎるとリスクは最大となります。

4:○「予後」とは治療を行った後、病状がどのような経過をたどるかの見通しのことです。膵臓癌の予後は悪いのですが、1つは症状の進行が早く、転移も起こりやすいこと、そしてもう1つは早期発見が難しいことです。
5:○子宮頸がんは20〜30代の女性がかかるがんの中で最も発症率が高く国内では毎年約約3500人が死亡しています。ニュースで多く取り上げられていますので、試験問題として出る可能性は大きいかもしれません。
6:○
大腸癌は盲腸、結腸、直腸にできる癌の総称ですが直腸よりも結腸癌が多いです。結腸癌は女性に多く 直腸癌は男性多いのであわせて覚えておいてください。大腸癌が肝臓に転移しやすいのは、癌細胞がその門脈を通る血流に乗って肝臓の中に入るからです。
7:○前立腺がんになるとがんから特殊なタンパクが出てきます。腫瘍マーカーの検査ではこのタンパク質を測定します。
8:○
前立腺癌も前立腺肥大症と同様に尿道を圧迫し排尿障害をおこします

9:○生活慣習の欧米化にともない日本でも増加傾向の著しい癌のひとつとなっています

 

内分泌・代謝疾患に関する問題(甲状腺疾患・糖尿病・脂質異常症・痛風)

問題
1 
甲状腺機能低下がひどくなると、衰弱や反応が遅くなる、抑鬱感、不活発、寒気、疲れなどを感じ始め、日常活動に興味を失うこともある。

2 甲状腺機能亢進症は、甲状腺が働きすぎる状態であるが甲状腺機能亢進症の原因で有名なものにバセドウ病(グレーヴス病)がある。バセドウ病では眼球突出がみられる。

3 甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの分泌が低下して活動性が低下する圧倒的に女性に多い病気である。

4 慢性甲状腺炎(別名:橋本病)は自己免疫疾患の一つである。

5 糖尿病にはインスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型糖尿病がある。インスリン依存型糖尿病は若年者に多く、また進行が早くインスリン注射を必要とする。非インスリン依存型糖尿病は、中年過ぎに発症することが多く、進行は遅く肥満を伴うものが多い。非インスリン依存型糖尿病は食事療法と運動療法で治療は可能である。

6 糖尿病には1型糖尿病(インスリン依存型)とU型糖尿病(インスリン非依存型)がある。日本では1型は糖尿者全体の5%程度、U型は圧倒的に多く95%程度を占める。2型と比べると発症の頻度も少ないが、子供などに発症することが多いのがその特徴である。U型糖尿病は成人に多く以前は成人型糖尿病といわれていた。
7 1型糖尿病(インスリン依存型)の原因は何かしらのきっかけでインスリンを分泌する膵臓にあるランゲルハンス島のB細胞が破壊されることと考えられている。また
U型糖尿病(インスリン非依存型)分泌されるインスリンの量は必ずしも少なくはないのになんらかの原因で十分に作用しないために起こる糖尿病である。この原因は栄養の取りすぎや運動不足、肥満などで生活習慣からの原因が多い。
8 糖尿病は初期では自覚症状がでないことが多い。糖尿病の特徴的な症状としては「のどの渇き」「急激な体重減」「倦怠感(疲れやすくなる)」「目のかすみ」などがある。

9 糖尿病ではインスリンが発症早期には投与しない。
10 糖尿病検査における血糖値の検査では比較的短期間の血糖の状態を把握できるが、HbA1c(グリコヘモグロビン)検査では長期的に見た血糖状態が把握できるという利点がある。

11 糖尿病の3大合併症といわれているものに糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害があるがこれ以外にも重要な合併症として「動脈硬化」がある。

12 2007年に日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドラインの改訂版が発表され「高脂血症の診断基準」が「脂質異常の診断基準」とされ、「高脂血症」という記載が「脂質異常症」と変更された

13 高尿酸血症により痛風になる。そして痛風は、急性の関節炎を引き起こし、疼痛をもたらす。痛風は女性に比べて男性が多い。拇趾基関節が炎症をおこすために痛みは親指の付け根でおきる。


解答
1:○ただし、ごく軽い甲状腺機能低下症では、何の症状もないことがあります。

2:○甲状腺機能亢進症の原因がバセドウ病(グレーヴス病)の場合は、眼の周囲がふくれる、涙が出やすい、炎症、光過敏といった眼の症状が現れます。眼球が突き出る(眼球突出)、ものが二重に見える(複視)という2つの特有な症状が追加されることもあります。

3:○甲状腺機能低下がひどくなると、衰弱や反応が遅くなる、粘液水腫(むくみ)、抑鬱感、不活発、寒気、疲れなどを感じ始め、日常活動に興味を失うこともあります。

4:○この病気は、血液中に甲状腺に対する自己抗体が存在するため、甲状腺が正常に機能できなくなり、新陳代謝を司る甲状腺ホルモンの分泌が損なわれ、様々な症状が出てきます
5:○糖尿病にはインスリン依存型糖尿病とインスリン非依存型糖尿病があります。インスリン依存型糖尿病は若年型糖尿病と言われていますが非インスリン型は中年に多いです。

6:○

7:○T型の場合は、絶対的にインスリンが不足しているため、一生涯にわたってのインスリン注射と、食事療法、運動療法を併用していくことが必要となってきます。 U型糖尿病(インスリン非依存型)は運動療法、食事療法をまず行いそれでも血糖が下がらない場合は、薬物療法(血糖を下げる薬)も併用しておこないます。
8:○糖尿病になると喉が渇きやすくなるのはたくさんのブドウ糖を出そうとするため尿の量が増えてしまい水分が失われるためです。体重が減るのは、正常にブドウ糖が利用されないので慢性的にエネルギー不足におちいるからえす。また疲れやすくなるのはインスリンの作用不足でブドウ糖を利用できないので、活動エネルギーが不足するからです。

9:×早期からのインスリン療法を行う方が長期的な治療効果が高い、というのが最近の流れです。同じぐらいの血糖コントロールだったとしても、経口糖尿病薬を使った人よりも、インスリン療法を行った人の方が高い治療効果が得られます。

10:○血糖の検査は比較的最近の状態を把握することができる検査です。ですがHbA1c検査は食事などに影響されることもなく数ヶ月の血糖状態が数値としてでてきます。いままでは検査の前に食事が禁じられていましたが、食事をしいても検査に影響されることなく適切な診断ができるのですから今後はこの検査が主流となってくるでしょう。
11:○糖尿病の合併症といえば糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害が有名ですが糖尿病の人はそうでない人にくらべ何倍も動脈硬化をおこしやすく脳血管障害や心臓疾患を起こしやすいので注意が必要です。
12:○ガイドラインの改訂版では従来の指標だった「総コレステロール値」が診断基準から除外され、代わりに「LDLコレステロール値」が採用されましたので記憶しておいてください。

13:○高尿酸で針状の尿酸結晶ができますが、それが神経をチクリとします。


感覚器疾患に関する問題(白内障・緑内障)

問題
1 白内障は、目の「水晶体」が濁る病気で、大きく分けると「先天性白内障」 と 「老人性白内障」 があります。 白内障は老人の眼疾患の中では最も多いものであるが原因としては老化によるものが多い。

2 白内障では,暗さにすぐに慣れることができない者が多いので,移動の介助の際には注意する。

3 緑内障は、眼圧(眼球内圧)によって、眼球の後ろにある視神経が圧迫されて障害を起こし、次第に視野が狭くなり、最終的には失明の危険性もある眼病である。

4 網膜色素変性症〈もうまくしきそへんせいしょう〉は、眼底に位置する網膜の細胞が、徐々に萎縮して、視力や視野の障害が進行していく遺伝性の病気である。また、詳しい原因がまだわかっていないため、有効な治療法はまだ確立されていない。

5 日本において緑内障、糖尿病網膜症、網膜色素変性症が中途失明の三大原因と呼ばれている。

6 黄斑変性症は見ようとするものがゆがんだり、中心部がぼやけてしまったり、視界が狭くなったりする病気である。


解答
1:○白内障は、水晶体の白濁が周辺から少しずつ始まるので初期には中央部分は透明でものが見えます。ですから自覚しないことが多いです。)

2:×水晶体が白濁してものがみえにくくなる障害ですが明暗についてはよく順応できます。従って間違い。
3:○緑内障は治療薬なども開発されておらず、視神経は一度障害を受けると回復しませんので、とても怖い病気の一つです。

4:○この病気では文字を拡大しても文字を確認出来ません。網膜色素変性症は中途失明の3大原因の一つでもあります。
5:○中途失明で一番多いのが緑内障、2番目に多いのは糖尿病網膜症、三番目に多いのが網膜色素変性症です。(テキストによっては糖尿病性網膜症が中途失明の第一位となっているものもありますが医学評論社のQ&Aでは糖尿病性網膜症を抜いて緑内障が第一位となっています)

6:○このこの黄斑変性症は文字を大きくしたからといってよく見えるわけではありません。アメリカで失明率No1の目の病気で、 日本においても着々と黄斑変性症の患者数が増えています。これは、生活環境や食生活の欧米化などが原因ではないかと指摘されています。

 

感覚器疾患に関する問題(老人性難聴等)


問題
1 老人性難聴では、高音域での聴力低下が顕著である。聴力の低下は高音域から発生し、徐々に会話音域、低音域へと広がっていく。

2 高齢者の難聴は伝音性難聴が多く,補聴器を使用しても効果がない。

3 難聴には大きく分けると伝音性難聴、感音性難聴、混合性難聴の3つあるが、伝音性難聴とは音を伝える器官である外耳や中耳が傷害をおこすことによる難聴、感音声難聴とは聴覚神経に障害がある難聴、混合性難聴とは伝音性難聴と感音性難聴の両方の特徴を併せ持った難聴である。


解答
1:○老人性難聴は突然発症するのではなく徐々に進行していく難聴です。症状が現れるのは両側性で左右にあまり差がないのが特徴です。

2:×高齢者による難聴で最も多いのは伝音声難聴ではなく感音声難聴です。感音性難聴は補聴器の効果があまり期待できません。

3:○伝音性難聴の場合は補聴器で改善も出来るのですが感音性難聴は補聴器の効果があまり期待できません。

 

参考

伝音性難聴(伝音難聴)
伝音声難聴とは外耳(耳介&外耳)と鼓膜及び中耳、つまり音を伝える器官の障害による難聴です。これは音を聞くための神経には異常がないので治療できる可能性が有るし補聴器で音を大きくすることによりかなり聞こえるようになります。中耳炎などによる難聴はこれに当たります。
感音性難聴(感音難聴)
感音性難聴は内耳か又は聴覚神経に障害がある難聴で医学的な治療が困難です。また、大きな音は健聴者並に煩く感じるのに、小さな音はあまり聞こえません。そのため、補聴器には高度な機能が要求されます(感音性難聴にはグッドイヤーが大変適しています)。また、感音性難聴は周波数により聞こえ難さが非常に異なることが多く、特に幼児期から高い音が聞こえない場合は発音の修得が難しい問題もあります。 
混合性難聴(混合難聴)
伝音性難聴と感音性難聴の両方の特徴を併せ持った難聴です。老人性難聴は多くの場合 混合性難聴ですが、どちらの度合いが強いかは個人差が大変大きいと言えます。


運動器疾患に関する問題(骨粗鬆症・骨折・変形性関節症・慢性関節リウマチ・脊柱管狭窄症)


問題
1 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨形成速度が追いつかず骨に小さな穴が多発する症状をいう。このことにより骨の変形、骨性の痛み、さらに骨折の原因となる。

2 骨粗鬆症は,閉経後の女性に特に多くみられるが,閉経後の食事管理のみでなく,若いころからのカルシウムの摂取、運動、日光浴などに注意する必要がある。

3 高齢者の骨の疾患として変形性関節症がある。部位によって変形性膝関節症、変形性肘関節症、変形性股関節症などがある。変形性関節症の中で特に多いのは女性の変形性膝関節症であるが、高齢者の女性は関節を支える筋肉が弱いため、関節が変形しやいのが原因の一つとしてあげられる。
4 慢性関節リウマチとは、関節の痛み・腫れ・炎症が全身に広がり、これらの症状が続くと関節の変形・破壊が進み、最終的には手指の運動や歩行が困難になるなどの障害がおこる病気である。.

5 慢性関節リウマチは医療費が公費負担となる特定疾患(難病)である
6 慢性関節リウマチは関節滑膜の炎症を主体とする女性に多い多関節炎である。この原因は不明であるが自己免疫疾患ではないかと考えられている。
7 慢性関節リウマチに使われる薬として消炎鎮痛剤があるまた、慢性関節リウマチの医学的検査としてROM検査がある。

8 慢性関節リウマチは、朝起きたときに手足のこわばり、全身の倦怠感や発熱、しびれ、などの症状が出る病気である。
9 関節リウマチなどにより関節に拘縮や痛みがある場合には、消炎鎮痛剤を服用したり、便座の上に置く補高便座を用いると楽に行動できる。


解答
1:○骨折は一般に強い外力が加わった場合に起きますが骨粗鬆症においては、日常生活程度の負荷だけで骨折を引き起こしてしまいます。骨折による痛みや障害はもちろん、大腿骨や股関節の骨折はいわゆる高齢者の寝たきりにつながり、生活の質 (QOL) を著しく低します。骨粗鬆症は、中年以降に見られ、患者の8割は女性です。

2:○若いときからのカルシウム摂取は大切です。

3:○ 変形性膝関節症、変形性肘関節症、変形性股関節症はどはいずれも関節の老化や摩擦により軟骨がすり減ることから生じるものです。ところで訓読みで膝は「ひざ」、股は「また」、肘は「ひじ」と発音します。これが音読みだと膝は「しつ」、股は「こ」、肘は「ちゅう」と発音します。たまに間違えて読まれるかたがいるので注意してください。

変形性膝関節症→へんけいせいしつかんせつしょう

変形性股関節症→へんけいせいこかんせつしょう

変形性肘関節症→へんけいせいちゅうかんせつしょう

と発音しますのでお間違えのないように。

4:○

5:×引っかけ問題ですから注意してください。特定疾患に指定されているのは「悪性関節リウマチ」。慢性関節リウマチが、心臓や消化器などで血管炎を起こし、心筋梗塞や重い肺炎を引き起こすようなことになると「悪性関節リウマチ」へ進展します。
6:○自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)とは、本来は細菌・ウイルスや腫瘍などの自己と異なる異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称です。

7:○ROM検査とは、肩、肘、股、膝など体の各関節について、無理なく動かせる範囲を調べることです。
8:○

9:○補高便座は便座からの立ち座りを補助するため座面を高くする用具です。便座の硬さを和らげる意味で、素材の柔らかい補高便座を使うケースも多いです。

運動器疾患に関する問題(骨折)


問題
1 橈骨(とうこつ)末端骨折は手をついて転倒したときにおこりやすい。

2 高齢者におこりやすい骨折として上腕骨頸部骨折、橈骨(とうこつ)遠位端骨折、大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折などがある。 大腿骨頸部骨折は転倒して腰部をうったときにおこりやすい。

脊椎圧迫骨折は重いものを持ち上げたときにおこりやすく、この骨折は寝たきりの原因、になることが多い。

3 高齢者がつまづいて転倒し立つことができなくなった。大腿骨頸部等の骨折が疑われる場合があるので,介護者は痛まない姿勢で寝かせたまま,医師の指示を待つ。

4 高齢者がつまづいて転倒し立つことができなくなったので、介護者は転倒時に打った部位の確認,痛み等の自覚症状や出血などを観察する。


解答

1:○橈骨が体の遠方の端(手首に近い方)で骨折するので橈骨遠位端骨折(または橈骨末端骨折ともいう)といいます。転んで地面などに手をついた際におこる骨折でお年寄の骨折に多いです

2:○

 

3:○骨折の疑いがあるので、安楽な姿勢にしたのち医師に連絡し処置について指示をうけたほうがよい。

4:○

 

神経・筋疾患に関する問題(筋萎縮性側索硬化症・筋ジストロフィー症)


問題
1 筋萎縮性側索硬化症(通称ALS)は脊髄、脳幹や大脳皮質の運動神経細胞が障害される病気で、手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく病気である。

2 筋ジストロフィー症とは筋肉の活動が徐々に低下または萎縮して筋力が弱くり、歩行など体を動かすことが困難な状態になってしまう病気である。


解答

1:○難病に指定されていて原因がわかっていない病気の一つです。有病率は10万人に5人程度で女性よりやや男性に多く、中年以降に発症します。

2:○筋ジストロフィー症にはいろいろなタイプがありますが、最も頻度の高いのはデュシェンヌ型です。このデュシェンヌ型は、伴性劣性遺伝(X染色体短腕のジストロフィン遺伝子欠損)で基本的に男性のみに発病します。

 

脳血管障害に関する障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)


問題
1 脳血管障害(脳卒中)の危険因子のうち、最も重要なものは高コレステロール血症である

2 脳血管障害(脳卒中)では運動障害・感覚麻痺・失語症・意識障害などを生じる。
3 脳梗塞の危険因子として,高血圧,糖尿病,心房細動などが挙げられる。
4 脳卒中(脳血管障害)の起こる原因として、脳出血、くも膜下出血、そして脳梗塞(脳血栓と脳塞栓)がある。

5 脳血栓は脳の動脈硬化が進行し、血管が狭くなり、血液の流れが悪くなってつまり、そこから先の脳組織に血液が送られなくなった状態をいう。また脳塞栓は心臓などでできた血液や脂肪等のかたまりが、脳に運ばれ脳血管がつまる状態をいう。

6 脳血管障害(脳卒中)での右大脳半球の障害では,左半身の麻痺をきたすことが多い。反対に左大脳半球の障害では右半身の麻痺をきたすことが多い。

7 脳血管障害(脳卒中)で左片麻痺のある者は,一般的に,左側の対象物を見落としたり,患側の手足のあることを忘れたり、食事のときに、右隣にいる人の分に手を出することがある。

8 脳血管障害(脳卒中)の失語症は,左大脳半球の障害でおこることが多い。

9 脳梗塞による失語症には思ったことが言葉にならないという「運動性失語」、他人の言うことが理解できなくなる「感覚性失語」などがある。

10 脳梗塞(脳血栓・脳塞栓)では一般に意識障害は軽度である。
11 脳出血は,高血圧のある患者におこることが多い。また就寝中よりも日中の活動中におきやすい。

12 脳出血(脳内出血)は,基底核部に好発する。また脳出血の発症は50歳以上に多い。

13 脳出血では意識障害を伴う。また昏睡状態にいたることもある。

14 脳出血は40〜50歳代に発症年齢のピークがある。

15 くも膜下出血は,突然の激烈な頭痛で発症することが多い。

16 我が国では近年,脳血管障害(脳卒中)の患者実数は減少傾向にある。

17 我が国の寝たきり老人の原因の第1位は,脳血管障害(脳卒中)の後遺症である

18 脳梗塞は脳血管障害の中で脳出血に次いで頻度が高い
19 脳血管障害(脳卒中)での頭部外傷は,慢性硬膜下血腫の原因となることがある

20 脳のMRI検査では,多発性の脳梗塞を認めることが多い

21 脳血管疾患は介護保険法で、第2号被保険者の要介護認定の要件である特定疾病の一つである


解答
1:×脳血管疾患の危険因子で大事なのは高血圧。心臓疾患の危険因子は高コレステロールと覚えましょう
2:○脳血管障害は脳梗塞と脳出血、クモ膜下出血に代表される脳の病気の総称です。この障害により運動障害・感覚麻痺・失語症・意識障害などを生じます。

3:○脳梗塞の危険因子をまとめると次のようになります。高脂血症、糖尿病、喫煙、不整脈、高血圧、肥満運動不足、多量の 飲酒、ストレス、睡眠不足、加齢等、これらはすべて脳梗塞の危険因子なので覚えておいてください。
4:○脳梗塞は脳の血管がつまり、脳の組織がこわれた状態をいい、脳血栓と脳塞栓のふたつの種類があることもあわせて覚えておきましょう。

5:○脳塞栓は,心房細動に合併することが多いです。心房細動(しんぼうさいどう)がおきると心臓の心室が小刻みに震えて全身に血液を送ることができなくなります。この時、心房内の血液の流れが乱れ遅くなり血液が澱み、血栓ができやすくなりその血栓が脳まで運ばれ脳動脈がつまり脳塞栓をおこす可能性が高くなります。

6:○左大脳半球、麻痺が伴う時は右片麻痺で失語症を伴うことがあります。右大脳半球の障害では,左半身の麻痺があり左空間無視を伴うことがあります。

7:○脳の右半球の障害で左空間無視がおこります。ですから左側の対象物を見落としたりするので注意が必要です。

8:○大脳は左右二つの半球にわかれており、左大脳半球には言語野と呼ばれる 領域があります。失語症とはこの言語領域が種々の原因で損傷を受け、それまで正常に働いていた言語活動が障害されます。
9:○

10:×下記の説明にもありますが、急に意識を失って倒れ、昏睡状態がしばらく続くのが普通です。脳梗塞では意識障害は重いと覚えましょう。

11:○最大の高リスクは高血圧です。

12:○大脳基底核部は大脳皮質と視床、脳幹を結びつけている神経核の集まっている部分ですがここで出血しやすいです。

13:○

14:×50歳過ぎてから多くなります。

15:○くも膜下出血の特徴としては激しい頭痛のほかに嘔吐、けいれんなどがあります。クモ膜と軟膜の間の空間「クモ膜下腔」に出血が生じ、脳脊髄液中に血液が混入した状態をいいます。くも膜下出血を発症した日本人の約8割から9割は、脳動脈瘤と呼ばれる動脈のコブからの出血と考えられています。
16:×減少傾向どころか増えてきています。食生活習慣の変動、運動不足等が原因と考えられています。

17:○寝たきりの原因のトップは脳血管障害です。この傾向は今後も続くでしょう。

18:×脳梗塞患者数は脳出血の2倍も多いです。

19:○慢性硬膜下血腫というのは、硬膜とくも膜のあいだに、頭部外傷が起こったときなどにじわじわと出血した血液がかたまり大きくなる状態のことをいいます。ちなみに急性硬膜下血腫はドッと出血した血液がかたまり大きくなるものです。
20:○MRIとは磁気共鳴断層装置ですが多発性脳梗塞がこれで見つかることがあります。
21:○介護保険法での特定疾病の一つです。です。平成18年度からは末期癌が追加されました。

参考
脳梗塞とは  
梗塞とは血管が詰まってしまい、血液の行かなくなった部分が死んでしまった状態のことです。脳へ血液を送る血管が詰まって脳の組織が死んでしまった状態を脳梗塞といいます。脳血栓、脳塞栓、という言葉を御存知でしょうか?いずれも脳の血管がつまったり細くなったりする状態なのですが、つまり方が少々違います。

脳血栓→脳の血管に動脈硬化なの変化が起こり、そのような部分に血液が固まって血管が細くなったり、つまってしまった状態です。

脳塞栓→心臓や心臓を出てから脳に至る前の血管の中で血液が固まった血が出来て、これが血液の流れに乗って脳の血管に入り込んで脳の血管をつめてしまう状態です。

 脳梗塞では下記のような症状がおきます。
@顔面の麻痺――片方の顔面が反対側に比べて動きが悪い
A腕や手の異常―― 一方の手があがらないか、あげても下方に変位する
B言語の異常――不明瞭な発語、間違った言葉を使う。全くしゃべれない
上記の中で一つでも急速に起こったものであれば脳卒中が疑われます。
初期症状としては
・顔の半分や片方の手足がしびれる、力が抜ける(片麻痺)
・突然、しゃべり難くなる(構音障害)、思ったことが言葉にならない(運動性失語)、他人の言うことが理解できなくなる(感覚性失語)などの言語障害
・急に片方の眼が見えなくなる(一過性黒内症)、視野が狭くなる(半盲)、物が二つに見える(複視)などの視覚障害
・身体がふらつく、バランスが取れない、力はあるのに立てない、歩けない(失調)などの平衡障害
・意識が薄れる、意識が無くなる、などの意識障害

脳出血とは
脳の細い血管が破れ、脳の組織の中に直接血が流れ出ること。 出血した血液は固まって、血腫(けっしゅ)と呼ばれ、この血腫は、直接、脳の細胞を破壊したり、周囲の脳を圧迫
たりして、その部分の脳の働きを傷つける、突発的で死亡率の高い疾患のこと。 高血圧や、年をとって脳の血管が弱く(もろく)なり、血管が破れることが原因となる場合が多い。日中、活動しているときに、頭痛やめまい、半身マヒ、意識障害などが起こる。脳卒中死亡の約25%。

クモ膜下出血とは
脳をおおっている3層の膜(内側から、軟膜、くも膜、硬膜)のうち、くも膜と軟膜のあいだにある動脈瘤が破れ、膜と膜の間にあふれた血液が脳全体を圧迫する。動静脈奇形が出
の原因の場合もある。 突然激しい頭痛、嘔吐、けいれんなどが起こりやすく、意識がなくなり急死することもある。脳卒中死亡の10%強。

循環器・血液疾患に関する問題‘(高血圧症)

問題
1 心臓から送り出された血液が動脈壁を押し広げる圧力を血圧というが、心臓が収縮したとき(血液を押し出してる状態)の血圧が最高血圧(=収縮期血圧)で、弛緩したとき(圧力がかかってない状態)が最低血圧(拡張期血圧)である。

2 交感神経が刺激されると血圧は上昇する。また過度の緊張やストレスも、血管を収縮させて血圧を上げる要因となる。

3 200412月に改訂された日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン」では血圧の正常値は収縮血圧が130mmHg未満、拡張期血圧が85mmHg未満となっている。

4 高血圧の測定では、高めに出たときは気持が落ち着いてから再度計測すし評価することが必要である。

5 高血圧の時にはカルシウム拮抗剤(かるしうむきっこうざい)を使用するが、心筋や血管を収縮させる作用(血圧を上げる)のあるカルシウムの働きをおさえて血圧を下げる薬である。

6 心臓から肺へ血液を送るのは肺動脈であり、この血液は酸素をあまりふくんでない静脈血が流れている。また肺から心臓へ血液を送るのは肺静脈であり酸素をたっぷり含んでいる動脈血が流れている。

7 左心房と左心室の間に僧帽弁があり、右心房と右心室の間には三尖弁がある。また右心室と肺動脈の間には肺動脈弁、左心室と大動脈の間にある弁を大動脈弁という。

8 大動脈は左心室から全身に血液を送り出しているが、心臓から一回に送り出される血液量は70〜80ミリリットルである

9 心臓の収縮は,自律神経によって支配される

10 心筋自体に栄養を与えているの血管が冠状動脈であるが、ここに動脈硬化が起こると冠状動脈硬化症となる。冠状動脈が細くなると狭心症をおこし、つまると心筋梗塞を起こす。(22回)

11 虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞の両者)は長年続く高血圧が原因となる合併症であるが、この予防のためには,動物性脂肪と植物性脂肪の摂取比率を1:2とし,植物性脂肪の方を多〈摂ることが望ましい。

12 労作性狭心症、安静狭心症共に冠動脈硬化が関与している。狭心症では胸内苦悶感の症状がある

13 心筋梗塞とは冠(状)動脈の血液が途絶え,心筋が壊死することである。胸痛,顔面蒼白,冷や汗・脂汗などの症状がみられる。ただし高齢者では,心筋梗塞がおきても胸痛を訴えない場合がある

14 うっ血性心不全では浮腫があらわれるが、その治療薬として利尿剤が使われる。うっ血性心不全のときは起座呼吸するとよい

 

解答

1:○心臓が収縮したときは血液を押し出してる状態、つまり血管壁に圧力が加わって血圧が最高に上がりますから最高血圧といいます。弛緩したときは圧がかかってない状態ですから血圧は最低血圧となります。高齢者に収縮期高血圧が多いことも併せて覚えてください。

2:○

3:○

4:○気の弱い人は医者の前だけで血圧が高くなることがありますがこれを白衣性高血圧といいます。ですから高めに出たときは気持が落ち着いてから再度計測すし評価することが必要です

5:○

6:○

7:○暗記してください。

.右心房と右心室の間にある弁を三尖弁

 .右心室と肺動脈の間にある弁を肺動脈弁

 .左心房と左心室の間にある弁を僧帽弁

 .左心室と大動脈の間にある弁を大動脈弁

8:○血液の流れを図をみながら確認してください。大循環は全身に血液を送り末梢で酸素を消費して,心臓に返ってくる循環です。左心室ー>大動脈ー>小動脈ー>末梢ー>小静脈ー>大静脈ー>右心房

 

図をみながら問題を解いてみてください。


9:○心臓は自律神経によって支配され、血圧や脈拍等を調節しています

10:○この4大危険因子といわれているものが、高血圧、喫煙、糖尿病、脂質異常症です。糖尿病は4大危険因子から外れますが動脈硬化の危険因子であることには変わりないので覚えておきましょう。

11:○

12:○労作性狭心症とは運動したり興奮したりすることで心臓に負担がかかると胸痛が起こる狭心症です。これは心臓が激しく動いて血液を多く必要としても、冠動脈の内部が細くなっているために血液を思うように送れず胸痛が起こるものです。一方、安静狭心症は寝ている時などの安静時に突然発作が起きるものをいいます。これは冠動脈が急に痙攣(けいれん)して細くなり、心臓への血流が不足するために起こります。

13:○無痛心筋梗塞というのも心筋梗塞ありますので頭に入れておいてください。

14:○心不全では全身の浮腫(むくみ)ができます。その時は利尿剤を用いて過剰な水分を体外へ排泄し,浮腫(むくみ)を軽減します。心不全における呼吸困難は、横になっているよりも座っているときの方が楽です。(起座呼吸)

 

参考

虚血性心疾患とは

@虚血性心疾患とは狭心症,心筋梗塞の両者を総称するのもです

心臓の筋肉(心筋)に血液を送る3本の動脈(冠状動脈)が狭くなったり、塞がったりして、そこから先の心筋が酸素不足に陥る状態を虚血性心疾患と呼びます。冠状動脈が細くなり(狭窄)心筋が一時的に酸素不足に陥るのが狭心症で、冠状動脈が完全に詰まってしまう(閉塞)のが心筋梗塞です。現在治療中の患者数は14万人いるといわれています。

A虚血性心疾患の原因

1.動脈硬化 虚血性心疾患の原因で一番多いものは冠状動脈の動脈硬化です。動脈硬化による場合は労作時に起こることが多いのが特徴です。

2.れん縮 冠状動脈が異常に収縮(れん縮)することによっても狭心症や心筋梗塞が起こります。れん縮による場合は安静時に起こり、喫煙によって誘発されることがあります。

(危険因子)

三大危険因子 高コレステロール血症、高血圧症、喫煙

B虚血性心疾患の症状

1.狭心症: 胸痛、胸内苦悶、息切れが数分〜10数分持続します。安静によって改善することが特徴です。

2.心筋梗塞: 前胸部の激しい痛みが長時間持続します。顔面は蒼白になり、冷や汗が出ます。安静によって改善することはありません。

 

狭心症

・冠状動脈の一部が狭くなり、血流が悪くなることで、必要な血液を得るのが困難になる箇所ができ、その部分が酸素不足に陥り、胸痛、胸内苦悶、息切れ、動悸などの症状を起こす病気

・労作性狭心症・・・昼間、階段を駆け上がるなど何かの動作に伴って痛みが起こる 

・一般的には胸の中央が痛みますが、人によってはのどや下顎、歯、耳などが痛むことも

・痛みは「ぎゅっと締めつけられるような」「圧迫するような」「焼き火箸で胸をかき回されるような」

  などと表現されます

・発作は110分程度でおさまることが多いようです 

・まずニトログリセリンやニトロールなどを舌下頓服すると、1分くらいで効き目が現れる

 

心筋梗塞 

・冠状動脈の一部が極端に狭くなったり完全に詰まってしまった場合に起こる病気

・詰まった先の部分には、血液が行かなくなり、心臓の筋肉が死んでしまう=心筋壊死

・原因は、血管壁に付着したアテローム(粥状硬化)

 ( 付着したアテロームによって血管が狭くなったり、アテロームの破裂による血栓の形成など) 

・何の前ぶれもなく急に発作が起き、胸が焼けるような激しい痛みに襲われ、その痛みは30分以上

・あぶら汗、呼吸困難、冷や汗が出て、死ぬかもしれないという恐怖感を伴うことも少なくありません

・痛みは狭心症よりも長く続き、痛みの程度も一般的に狭心症より強い 

・ニトログリセリンやニトロールは無効か、効果があっても十分ではありません

うっ血性心不全

うっ血性心不全とは、心臓ポンプ機能が低下し、全身の臓器に十分な血液を供給できなくなる病態。

心不全により、肺循環系にうっ血を生じたものを左心不全、対循環系にうっ血を生じたものを右不心不全という。体静脈や肺静脈にうっ血〈血液が溜まった状態〉を起こすため、うっ血性心不全とよばれる。呼吸困難、全身の浮腫(むくみ)や胸・腹水などといった症状のほか、胸部レントゲンで心拡大や肺うっ血、肺水腫などをみとめる。

 

貧血に関する問題


問題
1 貧血は赤血球中のヘモグロビン濃度、赤血球数、ヘマトクリット値が減少することにより、体中に運搬される酸素の量やブドウ糖などの栄養分の供給が減っておこる。

2 全貧血のほとんどを占める鉄欠乏貧血の原因は栄養不足、消化機能の低下による鉄分接収不足、妊娠・出産・月経多過などによる鉄需要の増大などがあげられる。高齢者については低栄養に貧血が多い。


解答
1:○

2:○

 

寝たきり・褥瘡等・廃用症候群に関する問題

問題
1 寝たきりになると尿路感染、起立性低血圧、足のむくみ等の合併症を起こしやすくなる

2 長期間の臥床(がしょう)によって,関節の拘縮が生じると,動きに痛みが伴うためにますます動かさなくなるといった悪循環が生じる。

3 寝たきりから回復させるために,足底を床につけた端座位を保持することは効果的である。また寝たきりを防止するためには,メリハリのある生活を心がけることが大切で,寝食分離が基本である。

4 寝たきりでは脳への剌激が少なくなり,思考力も衰えてくるので,体位を変え,視界を広げることも重要である。また体位変換は褥瘡や肺炎の予防効果もある。体位を変える場合には、皮膚に摩擦を起こさないように配慮することが大切である。

5 寝たきりになると消化や吸収の機能の低下があるので便秘になりがちになる。  

6 寝たままの状態で排泄を続けた場合,尿路感染症を引き起こしやすくなることを,介護従事者は,常に念頭に置く必要がある。その尿路感染症の対策としては水分摂取は有効である。

7 寝たきり高齢者は,無気力な状態やうつ的な状態となり,睡眠障害をきたすなど精神活動が低下する傾向がある。

8 廃用症候群(生活不活発病)とは、安静状態が長期に続く事によって起こる心身のさまざまな低下等を指すものをいうが、静脈血栓症、筋萎縮 、関節拘縮 、褥瘡(床ずれ) 、骨粗鬆症 、起立性低血圧 、精神的合併症 、括約筋障害(便秘・尿便失禁) などが挙げられる。
9 廃用症候群を防ぐためには,早期からのりハビリテーションに加えて,臥床時間の短縮,適当な運動,環境の改善による感覚器官も含めた生活全体の活性化が必要である。
10 褥瘡は仙尾骨・踵骨部などに好発する。この他に
肘や踵(かかと)、肩甲骨周辺などにも褥瘡(じょくそう)ができるので、注意して観察する。

11 褥瘡の発生が疑われるような発赤があるときは,その部位のマッサージは禁止する。

12 褥瘡を予防するためには,除圧,清潔,栄養(高カロリー食)、体位変換などが大切である。体位変換は約2時間おきを目安とすると有効である。


解答

1:○

2:○

3:○

4:○寝たきり高齢者は,無気力な状態やうつ的な状態となり,睡眠障害をきたすなど精神活動が低下する傾向があるので注意が必要ですね。

5:○

6:○尿路感染症を防ぐには、適度な水分摂取を行うことと、尿意を感じたら我慢せずに排尿することとが大切です。

7:○

8:○廃用症候群を一つにまとめるとこんな感じになります。しっかり覚えておけば廃用症候群にかんする問題は大丈夫です。

9:○

10:○

11:○褥瘡のない健常部分をマッサージすることには全く問題ありませんが褥瘡のできている部分はマッサージにより再生中の皮膚がダメージを受けますのでマッサージは控えましょう。

12:○

 

脳性麻痺に関する問題

問題
1 脳性麻痺とは胎児のときから生後1ヶ月(約4週間)までに起きた脳障害の後遺症で運動発達や姿勢に異常を起こす病気である。脳の損傷部位によってアテトーゼ型、痙直型がある。


解答
1:○以前は「アテトーゼ型」(筋肉が不随意に動き、正常に制御ができない。また、これらの子供たちの精神発達は正常で、けいれんはめったにありません。)が多かったのですが、医療技術の進歩により、低出生体重児の生存が可能になったこともあり、「痙直型」が主体となっています。脳性麻痺の子供の多くに言語障害、運動障害、精神遅滞、視力障害、聴力障害、てんかんなどの障害がみられます。


腎・泌尿器疾患に関する問題(前立腺肥大症)↓

 

問題
1 前立腺肥大症では頻尿がおきやすい

2 前立腺肥大症が進行すると無尿になる。

3 前立腺肥大症では尿路結石がつくられやすい。


解答
1:○前立腺は、膀胱のすぐ下にあり、ちょうどクルミほどの大きさで、内部を尿道が通っている器官です。この前立腺が年齢とともに肥大することにより、尿道が圧迫されて頻尿や排尿障害をおこします。ちなみに頻尿とは頻繁におしっこしたくなる症状です。

2:×無尿は腎臓が尿を作らないことですから、前立腺肥大症とは関係ありません。閉尿=尿が出にくくなる・・これは前立腺肥大症の症状としてありますから区別して覚えてください

3:○前立腺結石というのがあります。つまり前立腺のなかに結石を生じる病気ですが前立腺肥大症などにより前立腺液の排泄管内へ尿が逆流したり停滞したりして結石ができやすくなります。

 

参考

前立腺肥大症の一般的説明
前立腺の中の尿道を取り巻く部分が加齢に伴い大きくなることによって引き起こされる症状です老化現象 の一種ではありますが、原因は今のところ不明(男性ホルモンのバランスの変化、遺伝子 要因、食生活などのライフスタイルの変化などが指摘されておりますが)。この症状には「尿の出が悪くなった」「尿が出始めるまで時間がかかる」「夜中に何度もトイレに起きる」「尿を我慢するのがつらい」などといったさまざまなものがあります。前立腺肥大症自体は命にかかわるような悪い病気ではありませんが、日常生活を快適に過ごす上で大きな障害になります。また、重症になると尿が膀胱にたまって出なくなる尿閉という状態になることがあります。

公衆衛生の動向に関する問題

問題
1 国民の三大死因は多い順に、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患である。

2 肺がんは生活習慣病に含まれているが、近年肺がんが著しく増加している。肺ガンのうち扁平上皮がんは、喫煙との関係が深い。

3 部位別の癌の死亡数(平成20年)の順位は男性が1 ***  2 ***  3 ***、女性は1 ***  2 ***  3 ***である。

解答
1:○平成21の最新データでは総死亡に占める三大死因は1位:悪性新生物、2位:心疾患、3位:脳血管疾患でその割合は約6割を占めています。この傾向は当面変わらないと思われます。

2:○日本人の肺がんは増加の一途をたどっています。男性ではがん死亡のトップです。肺ガンの扁平上皮がんは、喫煙と相関がありますのであわせて覚えておきましょう。

3:○試験直前に平成20年の最新データーを記入したいと思います。

保健医療対策に関する問題


問題
1 地域保健法で、保健所の事業として難病対策が位置づけられている。また、難病の活動拠点として、都道府県に 各1か所難病相談・支援センターが整備されている。(22回)

2 「難病対策要網」はスモンという薬害病に対する研究体制の整備が契機となっている。その他に薬害による難病としては「サリドマイド」がある。最近ではエイズなどがあげられる。(22回)

3 特定疾患治療研究対象疾患については医療費の全額が公費で負担される。(22回)

 

解答
1:○地域保健法の第6条で保健所の事業として「治療法の確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健に関する事項」が定められています。
2:○

3:×所得に応じた患者一部負担額を除いた額を公費負担します。そして対象となる医療は認定された疾患の治療として受けた医療に限られます。


精神疾患(統合失調症・躁うつ病・神経症・アルコール依存症) 

問題

1 精神病の原因には、内因・外因・心因があるが、外因性精神疾患は脳などの身体器官がダメージを受けた事が原因となって生じるもの。心因性精神疾患は、ストレスによって生じるもの。内因性精神疾患は、原因がはっきりしないもの、と分類することができる。

2 統合失調症は青年期に発病しやすく約100人に1人の割合でかかる病気である。統合失調症の症状は、幻覚、妄想を主とした陽性症状と、感情の平板化、意欲の欠如などを主とした陰性症状とに大きく分けられる。

3 統合失調症と操うつ病(気分障害・感情障害)とを合わせて二大精神病と呼ぶ。

4 統合失調症では知能の低下を伴う。この病気は今日では,原因が解明され,完治できる病気となった。

5 統合失調症で終日何もしたがらない人に対して作業や対人交流をするように働きかけた。

6 気分障害とは、気分が沈んだり、「ハイ」になったりする病気であるが、この障害は大きく分けて「うつ病」、「双極性障害(躁うつ病)」がある。

7 うつ病は悲しい出来事や困難な状況が誘因となることが知られている。

8 うつ病の患者は,仕事や対人関係が重い負担となるので心身の休養が必要である。

9 双極性障害(躁うつ病)はいったん治っても、放っておくとほとんどの人が数年以内に再発するので、生涯にわたる予防療法が必要になる。

10:うつ病になると食欲不振,倦怠感,性欲低下など身体的訴えが多くなったりする。

11 うつ病の人は「自責の念」や「焦慮」が強かったりするので、励ましなどは、かえって負担になり、容易に自殺に追いやることにもなりかねないので注意が必要である。

12 うつ病患者の訴えのうち、自殺に至る危険信号としては「家族に迷惑をかけている」という思いがある

13 抑うつ気分は,夕方よりも朝の方が強い。(類似過去問題:うつ病では午後より午前の方がうつ気分が強い。)

14 初老期・老年期うつ病では幻聴がしばしばみられる。

15 初老期・老年期うつ病では不安,焦燥感・悲観的,自責的・罪業妄想が生じやすい。

16 老年期のうつ病では青年期に比べ病気の周期が短く,再発することが少ない。

17:うつ病の中には気分の落ち込みがあまり目立たず、代わりに、頭痛、肩凝りといった身体症状が目立つものがあるが、それを仮面うつ病と呼ぶ。

18 老年期のうつ病では貧困妄想や心気妄想がみられる。

19 思春期のやせ願望から、無理なダイエットをしたり、食べても吐いたりするなどの異常な食行動を続けることを「思春期やせ症」という。

20 神経症とは、精神医学用語で、主に統合失調症や躁うつ病などよりも軽症であり、病因が器質的なものによらない精神疾患のことをさす。

21 強迫神経症(神経症の一つ)では,無意味と分かっているのに,ある考えが頭に浮かび悩むことがある前例えば、戸締まりをしてなかったのではないかと,何度も見て廻らないと気がすまないのは強迫神経症の症状であるということができる。

22 不安神経症(神経症の一つ)のうち,特定の原因が見当たらなくて,「パニック」とよばれる不安発作を繰り返し起こすものを,パニック障害(恐慌性障害)という。

23 心気症(神経症の一つ)の人の多くは,検査結果が正常であることを伝えると安心する。

24 離人症(神経症の一つ)では,「実感がわかない」とか「まわりがピンとこない」などと訴えることが多い。

25 神経症では原則として幻覚や妄想が出現することはない。

26 日常生活の障害は,精神病の方が軽く,神経症の方が重い。

27 覚醒剤中毒では,使用をやめると,離脱症状(禁断症状)が生じる。

28 覚醒剤を注射すると間もなく気分が高揚してくる。また覚醒剤の長期使用により妄想、幻覚、幻聴などのような統合失調症に類似した症状がでてくる。
29 モルヒネ型依存では,中止により激しい離脱症状(禁断症状)がみられる。

30 最近,女性のアルコール依存症者が増加してきている。

31 長期間の大量の飲酒の結果、,認知症となったり振戦せん妄を引き起こすことがある。また、飲酒を中止した際には,幻覚が生じることがある。

32 周期的または持続的にアルコールを摂取することによっておこる慢性中毒のことをアルコール依存症という。

33 シンナーなどの有機溶剤を乱用すると、初回者は陶酔感や幻覚の体験とともに苦痛感を味わう。しかし常習者になると苦痛感は減少し、陶酔感、移動感幻覚などが増幅されてくる。

解答

1:○外因性精神疾患は痴呆症やアルツハイマーがこれに入ります。心因性精神疾患は、ストレスによって生じるものですが神経症は典型的なものです。内因性精神疾患は、原因がいまいちはっきりしないものですが鬱病や統合失調症がこれにあてはまります。
2:○統合失調症は、その症状によって「破瓜型」「緊張型」「妄想型」「残遺型」に分けられています。 破瓜型は、解体型とよばれ思春期に発症するケースが多いです。統合失調症の症状には、陽性、陰性の2つのタイプがります。陽性症状は実際には存在しない声や音が聞こえる幻聴やあり得ないことを信じ込んでしまう妄想、頭の中が混乱して考えがまとまらなくなる思考障害、興奮症状等があるもの。陰性症状は意欲の低下、閉じこもり、感情の鈍磨などエネルギーが無くなったような状態。陽性症状は病気の急性期に現れ、陰性症状は病気の発症後、徐々に目立ってくることが多いですね。
3:○

4:×統合失調症は知能にまで影響が及ぶことがありません。また統合失調症は未だにその原因が不明の病気であることも覚えておいてください。

5:○統合失調症は症状によって仕事や学校等の社会生活ができなくなり何もしたがらないことが多くなるので、作業や集団でのスポーツやゲーム、対人交流の練習等を行うことが有効です。
6:○うつ病は、ストレスにさらされれば誰でもなる可能性があります。うつ病になると、とるに足らない自分の行動を取り上げ,過ちを犯したと悔やんだりします。また双極性障害(躁うつ病)はうつ状態と躁状態が出現する病気です。

7:○うつ病の原因ランキングのようなものがありますから参考にしてください。男性→1位 仕事の過労 2位 職場の異動 3位 精神的な打撃 4位 経済的な問題 5位 近親者の病

8:○うつ病の人には「頑張れ」と励まさないで休養を勧めるのが一番の薬です。それを行うことで心身の休養となります。

9:○双極性障害(躁うつ病)はうつ状態と躁状態が出現する病気です。躁状態だけの人も、いずれうつ状態が出てくることが多いので、双極性障害とほぼ同じ病気といえます。誰でもなりうる「うつ病」とは違い生涯にわたる予防療法が必要になります。
10:○食欲不振,倦怠感,性欲低下以外の身体症状としては、眠れない、頭痛や頭重、 肩こり、体重減少などもあるのであわせて覚えておきましょう。

11:○うつ病患者の多くが自殺願望を持っています。またうつ病はひどい時に自殺するのではなく、良くなってきた頃にいきなり自殺してしまう場合が多いそうです。

12:○家族に迷惑をかけているというのは、他の設問にくらべ、悲観的な内容を含んでいるので、自殺の危険信号としてはおおきいです。

13:○経験あるでしょうが、仕事に出る前に・・「今日仕事に行きたくない・・」なんて気分になるのは朝ですね。

14:×幻聴は、統合失調症、アルコール依存症における離脱症状、脳腫瘍などを原因として現れることが多いのです。うつ病でも急性期に見られることもありますが、本文にあるようにしばしば見られる・・というのは間違いです。

15:○

16:× 老年期のうつ病は青年期に比べると周期は長く再発も多いです。

17:○

18:○老年期のうつ病では「お金がない・・心配だ〜」といった貧困妄想、「自分は○○の病気かもしれない」といった心気妄想が見られます。

19:○ 思春期やせ症では,ときに偏食や過食がみられます。

20:○ニック障害や強迫性障害などがこれにあたります。

21:○強迫神経症では自分では考えまいとしても、繰り返しその考えが浮かんできて、打ち消すことが出来ずに、打ち消そうと努力すればするほど余計に不安になる

22:○パニック障害は、特別な理由もないのに襲ってくるパニック発作(ドキドキする。冷や汗が出る)で発症する病気です。この発作は1回で終わることはなく、何度も繰り返されます。そして、「また、あのパニック発作が襲ってくるのではないか……」という強い不安がおそいます。

23:×検査結果が正常でも心配するのが心気症の特徴なんです

24:○

25:○
26:×神経症より精神病の方が日常生活上での障害は重いです。

27:○離脱状態とは、要するに禁断症状がでるということです。覚醒剤中毒で、それを中断したときには疲労感、過眠、不眠、食欲亢進、興奮などの禁断症状がでてきます

28:○妄想というのは被害妄想、関係妄想、嫉妬妄想、注察妄想(自分が誰かに監視されている) 、追跡妄想(誰かに追いかけられている)などのようなものをいいます。

29:○離脱症状=禁断症状・・モルヒネ依存症で現れてくる症状です。

30:○

31:○「振戦せん妄」とは長期の大量飲酒中断や減量後に、不眠、不安など の前駆症状に続いて手足や頭舌などの全身に振戦やせん妄状態となることをいいます。

32:○「毎日23合の晩酌をしている」といっても慢性中毒をおこしていないなら「アルコール依存症」とはいいません。

33:○


参考

A ヒステリー

不快な感情体験を経験したときに引き続いて起こることが多い。小児から若年性人にかけて多いが、中年以降にも見られます。昔から子宮の病気と言われ、女性特有の病気に見られてきましたが、男性にも時として見られます。未熟な性格、依存性の高いヒステリー性格の人がなりやすい病気です。症状は多種多彩です。精神分析的には、無意識的な自我の防衛機制として、抑圧のみで無く転換、解離と言う病的な形で防衛機能が働いていると理解されております。強い恐怖に直面したとき、叫ぼうと思っても声が出なかったり(失声)、逃げようにも足が立たず(失立・失歩)と言う場合もあります。

B 神経衰弱

慢性的な精神的緊張が続き、神経が疲弊したときに起こります。作業能力の低下、精神的疲労などの亢進、注意散乱、思考散漫、物忘れ、いらつき、決断力低下、集中力低下、全身の疲労感、脱力、不眠、頭重感、頭痛、幻暈、耳鳴り、しびれ、発汗、振戦、消化不良、性欲減退などの自覚症状があります。

C 不安神経症

不安とは漠然とした対象の無い恐怖感で、不安が前景に出る神経症を言います。不安は、不安発作の形、あるいは持続的不安の形を取り、強い不安発作では恐慌状態となります。
D
強迫神経症

強迫観念(意思に反して強迫的に意識に出現する観念で、自分では考えまいとしても、繰り返しその考えが浮かんできて、打ち消すことが出来ずに、打ち消そうと努力すればするほど余計に不安、苦痛を覚える)を主として、強迫行為をしばしば伴うものを言います。強迫行為は強迫観念に伴う不安を取り除くために自分では馬鹿らしい、何にもならないと解っていながらも行わずに入られない状態を言います。不潔恐怖症の人が、一日中何回でも手を洗わずにいられないなどです。不潔ではない、ちょっと洗っても何にもならないと解りながらも洗わないときがすまないわけです。強迫観念と強迫行為とによって日常生活が制限され妨げられるようになります。

E 心気症

自分の健康について必要い上にとらわれから、生理的現症や細微な異常に気がついて、自分は病気ではないかと思い煩う状態を言います。全身疲労感、不眠、頭痛、健忘など症状は多種多様です。しかし自覚症状はほとんどすべてと言って良いくらい、主観的、気分的なもので、不眠の訴えがあっても不眠による障害は認められません。そのため患者は正常と診断されると不満で、次々と医師を変えて診察を求めることが多く、医学書を読み漁り、売薬、通信販売などあれこれを試みる傾向が強く見られます。心気症状も心気症意外にも、精神分裂病、うつ病の一部として認められることもあります。

F 離人神経症

離人症状と言うのは自我感情の消失を言いますが、自分自身が存在しないような感じがする(存在感の消失、自己消失感)とか、以前の自分で無いような気がする(同一感の消失、自己変化感)、自分の肉体ではないような気がする、自分の手足ではないようだと言う感じ、自分が行動していると言う実感がしない(能動意識の消失)などと言う事を指します。生き生きとした実感が湧かず、現実感に乏しくなります。きれいな花を見ても実感が湧かずに、ただ眺めていると言う感じでいたり、自分が見ているものだという実感が感じられない状態です。

離人症を唯一の症状とする神経症を離人神経症と言いますが、離人症は精神分裂病、うつ病、他の神経症の部分症状としても現れます。


認知症の基礎に関する問題

問題
1 認知症は、後天的な脳の器質的障害によりいったん正常に発達した「知能が低下」した状態をいう。また認知病は「記憶障害」、「見当識障害」や「人格障害」を伴った症候群として定義される。

2 認知症の原因で特に多いのが脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症であるが、この二つと混合型を合わせると、認知症全体の8割から9割を占めると考えられる。
3 脳血管性認知症の病状の進行は 良くなったり悪くなったりしながら階段状に進むが、アルツハイマー型認知症の場合は ゆっくり単調に進行する。

4 脳血管性認知症の人格はある程度保たれる事が多いが、アルツハイマー型認知症では人格が変化することが多い。

5 ピック病は若年性認知症のひとつで、アルツハイマー型認知症でも脳血管性認知症でもない認知症であり、性格の変化や理解不能な行動を特徴とする。
6 アルツハイマー型認知症、ピック病、レビー小体型認知症は原因がつかめていない認知症であるが、脳血管型認知症、アルコール性認知症は原因がつかめている認知症である。


解答
1:○見当識障害とは、人や周囲の状況、時間、場所など自分自身が置かれている状況などが正しく認識できない障害を指しています。

2:○混合型認知症と認知症になる原因が2つ以上と考えられる場合のことをいいます。
3:○

4:○この問題はたまにでてきますから要注意。

5:○ピック病はかわった病名ですがピック病という病名は発見者の名前に由来しています。、原因がつかめていないのでピック病を防ぐ予防策が見つかっていません。

6:○ついでに覚えてください。認知症の中で脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症が圧倒的に多いのですが次ぎに多いのがレビー小体型認知症でこれらは3大認知症と言われています。



医学一般−その他の問題 (平成22年7月16日に追加しました)

問題

1 2006年に結核予防法が感染症法に統合されて、20074月より施行された。このの改正により、結核は二類感染症に定義され、病原体の種類では、四種病原体に定義された。

2 我が国の保健医療対策とし平成15年に「健康増進法」が施行されたが、この中で公共機関や施設等のでので「受動喫煙を防止するための努力義務」が規定された。

3 主に若年者にみられる腸の難病であるクローン病(Crohn病)は大腸や小腸の粘膜に潰瘍をひきおこす原因不明の疾患で厚生労働省から特定疾患として指定されている。

4 自己免疫疾患とは本来異物に対して自分を守ってくれるはずの免疫系が、正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称である。
5 飛沫感染とは、直径5μmより大きい飛沫粒子で感染を起こすもので、咳やくしゃみなど、約1mの距離内で感染を受ける可能性があるものである。飛沫感染を起こす微生物はとしては、インフルエンザ菌などがある。

6 空気感染は、病原微生物を含む飛沫核が直径5μm以下と飛沫感染のものに比べて小さく、そのため長時間空中を浮遊し、空気の流れにより広く伝播されるのが特徴であある。空気感染を起こす代表的な菌として結核菌がある。

7 薬の投与時間については、食前服用の場合には食事の前、おおよそ30分まえに、食後服用の場合には食事の後、おおよそ30分あとに、食間服用の場合には食後約2時間後の空腹時に行うことが原則となる。

8 舌下錠(ぜっかじょう)とは舌の裏側に薬をいれ粘膜から薬を吸収させる用途で使用するものであるが舌下錠で有名なものにニトログリセリン舌下錠がある。このときは必ず水と一緒に服用してもらう。

9 内服薬は、お茶やグレープフルーツ飲料、炭酸飲料などと一緒に飲むと、薬効が得られないものもあるので確認が必要である。一般的には、水、ぬるま湯などを用いて服用を行う。

10 カプセルや錠剤が飲みにくい場合は,中身を出したり,つぶしたりして服薬してもよい。

11 メタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)は動脈硬化性疾患のリスクファクターが存在している状態である。
12 メタボリックシンドローム (内臓脂肪症候群)の治療ではまず薬物療法が用いられる。
13 「平成19年国民健康・栄養調査結果」によると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況については4074歳でみると、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドロームが強く疑われる者又は予備群と考えられる者である。

14 「平成19年国民健康・栄養調査結果」によると、在習慣的に喫煙している者の割合は、男性では減少傾向にあるものの依然として約4割であり、女性は横ばいで約1割である。

15 「平成19年国民健康・栄養調査結果」によると、塩摂取量の平均値は、男性で12.0g、女性で10.3gとなっており、食塩摂取の目標量である男性10g未満、女性8g未満に達していない。

16 糖尿病を有する者は、メタボリックシンドロームの診断から除外される。

17 老人の場合は、夜間尿量が多いので,夕方からの水分を極端に制限することが必要である。

解答
1:○結核予防法がなくなり「感染症法」に統合されたこと再確認してください。最近では薬が効かない結核菌もあるようですから、まだまだ油断大敵です。
2:○「受動喫煙」とは、自分がタバコを吸わないのに、他人のタバコの煙を吸わされることをいいます。
3:○このクローン病は難病という言葉がついているように再燃、再発を繰り返し、完全に治ることは困難です。脂肪の食事は避けなければならないので食事の楽しみが半減するちょっと辛い病気です。

4:○簡単に説明すると、本来自分を守る自分がつくった抗体や細胞が、守る側ではなく自分自身の組織を攻撃するという病気です。
5:○ インフルエンザ菌以外にも飛沫感染をおこすものは髄膜炎菌、ジフテリア菌、百日咳、ペスト菌、溶連菌、マイコプラズマ、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルスなどがあります。

6:○
7:○このほかに食直後は食事のすぐ後、 就寝前は 寝るおよそ30分前ですからついでに覚えておきましょう

8:×狭心症発作の時に使用されるのがニトログリセリン舌下錠です。速効性があるので、発作時もしくは発作予感のしたときに直ちに用います。ニトログリセリンが口の粘膜からすばやく吸収されるので数分で効果を発揮します。粘膜から吸収させるので、水を飲んでは効果がなくなってしまいます。

9:○グレープフルーツと降圧剤であるカルシウム拮抗剤との併用は薬物の血中濃度が上昇するために、血圧低下や心拍数の増加が起こり、頭痛、顔面紅潮、めまいなどの副作用をおこすので注意が必要です。

10:×カプセルや錠剤は薬の成分が適度に溶け出るように工夫されたものです。錠剤をつぶしたり、カプセルの中身を出して服用してしまっては一度に成分が放出されてしまい、薬の効き目が強く出過ぎたり、思わぬ副作用が起こる可能性があるので間違いです。
11:○メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積により糖代謝異常(耐糖能異常、糖尿病)、脂質代謝異常(高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症)、高血圧などの動脈硬化の危険因子が、一個人に集積している状態です。ですから正解!
12:×メタボリックシンドロームは日頃の食生活と運動でほぼ改善できます。症状が進み、内臓を始め血管などに脂肪が張りつく事で、いずれ脳卒中や心筋梗塞を引き起こす動脈硬化になってからでは、個人で対策していくのは困難ですからその時には薬物療法になりますね。まずすべきことは食事・運動療法!
14:○20歳以上で疑いのある男性は22.4%。予備軍は22.9%・・・合計したら約45%も・・・アンビリボーですね。ちなみに女性は?疑い10% 予備群9%です。
14:○

15:○

16:×メタボリックシンドロームには、内臓脂肪の蓄積により糖代謝異常(耐糖能異常、糖尿病)のある人も含まれますから間違い!

inserted by FC2 system17:×お年寄りについては脱水にならないように十分に水分を補給することが大切です。




ノンストップ問題の追加や訂正があれば、その日付をつけて再掲載しますので、たまにチェックをお願いいたします。(平成22年7月8日 管理人)



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