人間の尊厳と自立(2問)1-2

問題1.利用者の生活の質(QOL) を高めるための介護実践に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1日常生活動作の向上を必須とする。

2 利用者の主観的評価では、介護福祉職の意向を重視する。

3 介護実践は、 家族のニーズに応じて行う。

4 福祉用具の活用は、利用者と相談しながら進める

5 価値の基準は、全ての利用者に同じものを用いる。

解答

×ADLQOLは深くつながっていますが、ADLが向上したからといって必ずQOLが向上するとは限りません。一人ひとりの思いや状態によっても変わるため、バランスを上手く取りながら、状況を判断することが大切です。従って日常生活動作の向上を必須とするというのは間違い

2×介護職の評価ではなく、利用者の評価が優先される

×家族のニーズを優先するのではなく、原則として利用者本人のニーズを優先する

5×価値の基準は利用者によって異なるので価値の基準は同じではない

 

問題2 Aさん (25歳男性, 障害支援区分3) , 網膜色素変性症(retnitispigmentosa) , 移動と外出先での排泄時に介助が必要である。同行援護を利用しながら、 自宅で母親と暮らしている。 音楽が好きなAさんは合唱サークルに入会していて、月1回の練習に参加している。 合唱コンクールが遠方で行われることになった。 同行援護を担当する介護福祉職は、Aさんから,「コンクールに出演したいが,初めての場所に行くことが心配である」 と相談を受けた。 介護福祉職のAさんへの対応として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1合唱コンクールへの参加を諦めるように話す。

2合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼するように伝える。

3一緒に交通経路や会場内の状況を確認する。

4 合唱コンクールに参加するかどうかは、母親に判断してもらうように促す。

5 日常生活自立支援事業の利用を勧める。

解答

1×Aさんの意向を尊重すべき

2×移動と外出先での排泄時に介助が必要なので、ヘルパー等の介助者が必要。合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼するのは不適切

3〇

4×Aさんが行きたいという意欲を表明しているので本人の気持ちを尊重

×日常生活自立支援事業の対象外。日常生活自立支援事業は、福祉サービスを利用する際のさまざまな手続きや契約、預金の出し入れ、生活 に必要な利用料などの支払い手続きや、年金や預金通帳など大切な書類の管理などをお手伝いするものです

参考 網膜色素変性症で最初に現れる主な症状は、暗いところでものが見えにくくなる「夜盲(やもう)」です。その後、視野が狭くなって見えない部分が出てくる「視野狭窄(しやきょうさく)」が少しずつ進行します。

 

人間関係とコミュニケーション(4問)3-6

問題3. ストレス対処行動の一つである問題焦点型コーピングに当てはまる行動として、 適切なものを1つ選びなさい。

1 趣味の活動をして気分転換する。

2 トラブルの原因に働きかけて解決しようとする。

3 運動して身体を動かしストレスを発散する。

4 好きな音楽を聴いてリラックスする。

5 「トラブルも良い経験だ」 と自己の意味づけを変える。

解答

1×ストレス解消コーピング

問題焦点型コーピング

×ストレス解消型コーピング

4×ストレス解消型コーピング

5×情動焦点型コーピング

参考 ストレス対処行動の種類

@問題焦点型コーピング

ストレッサーそのものに働きかけて、それ自体を変化させて解決を図ろうとする方法。例えば「長時間労働がつらい」と感じた場合、業務効率を改善する方法を考え取り入れることや、上司に訴え担当業務を振り分けてもらうなどの行動が挙げられます。 

A情動焦点型コーピング

ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、それに対する考え方や感じ方を変えようとする方法

Bストレス解消型コーピング

ストレッサーを感じたときではなく、感じてしまった後に、ストレスを身体の外へ追い出したり、発散させたりする方法

 

問題4 Bさん (80歳女性) , 介護老人保健施設に入所が決まった。 今日はBさんが施設に入所する日であり,C介護福祉職が担当者になった。 C介護福祉職は,初対面のBさんとの信頼関係の形成に向けて取り組んだ。 C介護福祉職のBさんへの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1自発的な関わりをもつことを控えた。

2真正面に座って面談をした。

3 自分から進んで自己紹介をした。

4終始, 手を握りながら話をした。

5孫のような口調で語りかけた。

解答

1×信頼関係という関りを切ってしまう行為なので間違い

2×真正面に座っての面談は相手に緊張感を与えてしまう

3〇

4×初対面でのスキンシップでは信頼関係を築けない

×孫のような口調ではBさんに不快感を与える

 

問題 5 介護老人福祉施設は, 利用者とその家族、地域住民等との交流を目的とした夏祭りを開催した。 夏祭りには、予想を超えた来客があり、 「違法駐車が邪魔で困る」という苦情が近隣の住民から寄せられた。 そこで、次の夏祭りの運営上の改善に向けて職員間で話し合い,対応案を作成した。

次の対応案のうち, PDCAサイクルのアクション (Action) に当たるものとして,

最も適切なものを1つ選びなさい。

1 近隣への騒音の影響について調べる。

2 苦情を寄せた住民に話を聞きに行く。

3 夏祭りの感想を利用者から聞く。

4 来客者用の駐車スペースを確保する。

5 周辺の交通量を調べる。

解答

×

2×Check(評価)

3×Check(評価)

4〇「違法駐車が邪魔で困る」という苦情が近隣の住民から寄せられた。とあるので対応案としては駐車スペースの確保がPDCAサイクルのAction(改善)

5×Check(評価)

参考 PDCAサイクルとは、「Plan(計画)→Do(実行)Check(評価)Action(改善)のサイクル」を繰り返し回すことを指します。

 

問題6 D介護福祉職は,利用者に対して行っている移乗の介護がうまくできず, 技術向上を目的としたOJTを希望している。 次のうち, D介護福祉職に対して行うOJTとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1専門書の購入を勧める。

2外部研修の受講を提案する。

3先輩職員が移乗の介護に同行して指導する。

4 職場外の専門家に相談するように助言する。

5苦手な移乗の介護は控えるように指示する。

解答

×

2×

移乗の介護がうまくできず, 技術向上を目的としたOJTを希望と問題文にあるので、OJTとして「移乗の介護に同行して指導」が最も適当

4×

5×

参考 OJTとは「On the Job Training(職場内訓練)」のこと。 実際に働く現場で、上司や先輩に指導されながら業務を行っていく研修制度

 

社会の理解(12問)7-18

問題7 社会福祉法に基づく,都道府県や市町村において地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として,正しいものを1つ選びなさい。

1特定非営利活動法人(NPO法人)

2 隣保館

3地域包括支援センター

4基幹相談支援センター

5 社会福祉協議会

解答

1×特定非営利活動促進法に基づく

2×隣保館は、地域における生活上の課題の解決に向けた地域福祉の推進や様々な人権課題の解決のための各種事業を実施する施設であって団体ではない

3×介護保険法に基づくセンター

4×地域における相談支援の中核的な役割を担う機関である。障害者相談支援事業及び成年後見制度利用支援事業並びに身体障害者、知的障害者及び精神 障害者に対する相談等の業務を総合的に行う。

5〇社会福祉法に基づく,都道府県や市町村において地域福祉の推進を図ることを目的とする団体

 

問題8 近年,人と人、人と社会とがつながり, 一人ひとりが生きがいや役割をもち, 助け合いながら暮らしていくことのできる、包摂的なコミュニティ, 地域や社会を創るという考え方が示されている。この考え方を表すものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1ナショナルミニマム (national minimum)

2 バリアフリー社会

3介護の社会化

4生涯現役社会

5 地域共生社会

解答

×国家が国民に保障する最低限度の生活を営むために必要な基準のこと

2×バリアフリー社会とは、理想のビジョン達成の道程にあるバリアー(障害)が全て取り除かれた社会という意味

3×介護の社会化とは、家庭内・家族が担ってきた介護を、広く社会共通の課題として認識し、実際の介護(ケア)を担う社会資源(サービス)を、税と保険料を中心に拠出された財源によって、社会全体が担っていくということ

4×生涯現役社会とは人生100年時代を見据え、就労意欲のある高齢者がこれまでの経験などを生かし、年齢に関係なく生涯現役で活躍していける社会のこと

地域共生社会とは 世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会のこと

 

問題 9 我が国の社会保障制度の基本となる, 1950 (昭和25) の社会保障制度審議会による 「社会保障制度に関する勧告」 の内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生活困窮者自立支援法の制定の提言

2 社会保障制度を, 社会保険、国家扶助, 公衆衛生及び医療, 社会福祉で構成

3 介護保険制度の創設の提言

4 保育所の待機児童ゼロ作戦の提言

5 介護分野におけるICT等の活用とビッグデータの整備

解答

1×

2〇1950年勧告では社会保障制度の体系化が図られたが,ここでは社会保険,公的扶助,公衆衛生および医療,社会福祉をもって狭義の社会保障とし,これに恩給と戦争犠牲者援護を加えたものを広義の社会保障と定義した

3×

4×

5×

 

問題10 Eさん(75歳 女性, 要介護2) ,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。 最近, Eさんの認知症 (dementia) が進行して, 家での介護が困難になり、介護老人福祉施設の申込みをすることにした。 家族が訪問介護員(ホームヘルパー) に相談したところ、 まだ要介護認定の有効期間が残っていたが,要介護状態区分の変更の申請ができることがわかった。 家族が区分変更するときの申請先として, 正しいものを1つ選びなさい。

1介護保険の保険者

2 後期高齢者医療広域連合

3介護保険審査会

4国民健康保険団体連合会

5 運営適正化委員会

解答

1〇区分変更の申請は介護保険の保険者、つまり全国の市町村および特別区(東京23区)となる。

×

×

4×

5×

 

問題 11 Fさん (19,女性, 身体障害者手帳2) ,先天性の聴覚障害がある。Fさんは大学生で, 授業のときは手話通訳者が配置されている。Fさんは筆記による定期試験を受けることになり、 試験実施に関する配慮を大学に申し出た。次の記述のうち、Fさんの申し出を踏まえた合理的配慮として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 受験時間を延長する。

2 試験問題の文字を拡大する。

3テキストの持ち込みを許可する。

4 試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡す。

5 問題を読み上げる。

解答

1×先天性の聴覚障害があっても受験には影響ないので時間を延長する必要なない

2×Fさんは,先天性の聴覚障害なので試験問題の文字を拡大する必要はない

3×テキストの持ち込みがなくとも試験に支障をうけることはない

4〇合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のことである。Fさんは,先天性の聴覚障害なので試験監督者が口頭で説明する内容を書面で渡すことは道理的配慮といえる

5×先天性の聴覚障害があり問題の読み上げは意味がない

 

問題 12 我が国の 「障害者権利条約」の批准(2014 (平成26))に向けて行われた障害者基本法の改正 (2011 (平成23)) で新たに法律上に規定されたものとして,適切なものを1つ選びなさい。

1 自立支援医療(精神通院医療) の開始

2 共同生活援助(グループホーム) の制度化

3 成年後見制度の創設

4 社会的障壁の除去

5 東京2020 パラリンピック競技大会の開催

() 「障害者権利条約」とは, 国際連合の 「障害者の権利に関する条約」のことである。

解答

1×

2×

3×

4〇下記参考のこと

5×

() 「障害者権利条約」とは, 国際連合の 「障害者の権利に関する条約」のことである。

参考 改正障碍者基本法の第2条

社会的障壁(社会のかべ)とは、障害のある人を暮らしにくく、生きにくくする社会にあるもの全部で、つぎのようなものです。

ことがら(たとえば、早口で分かりにくく、あいまいな案内や説明)

物(たとえば、段差、むずかしい言葉、手話通訳のない講演、字幕のないテレビ番組、音のならない信号)

制度(たとえば、納得していないのに入院させられる・医療費が高くて必要な医療が受けられない・近所のともだちと一緒の学校に行くことが認められないことがあること)

習慣(たとえば、障害のある人が結婚式や葬式に呼ばれないこと、障害のある人が子ども扱いされること)

考え方(たとえば、障害のある人は施設や病院で暮らしたほうが幸せだ、障害のある人は施設や病院に閉じ込めるべきだ、障害のある人は結婚や子育てができない)

 

問題 13 次のうち, 「障害者総合支援法」の介護給付を利用するときに,利用者が最初に市町村に行う手続きとして,適切なものを1つ選びなさい。

1 支給申請

2 認定調査

3 審査会の開催

4 障害支援区分認定

5 サービス等利用計画の作成

() 「障害者総合支援法」とは, 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

解答

1〇下記参考

2×

3×

4×

5×

参考 障害者総合支援法(障害者自立支援法)の支給決定までの流れ  (ちょっと大雑把です)

介護給付の支給申請→認定調査→医師意見書→一次判定(コンピューター)→審査会の開催→障害支援区分認定→支給決定→サービス開始(サービス等利用計画の作成等)

 

問題 14 「障害者総合支援法」の居宅介護を利用したときの利用者負担の考え方として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用したサービスの種類や量に応じて負担する。

2 利用者の負担能力に応じて負担する。

3 利用したサービス費用の一定の割合を負担する。

4 利用したサービス費用の全額を負担する。

5 利用者は負担しない。

() 「障害者総合支援法」とは, 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

解答

1×

2〇障害者総合支援法では、自立支援給付を利用した場合、原則としてサービスの提供に要した費用の1割を負担することになる(応能負担)。 また、食費・光熱水費も、在宅で生活する人との公平を図るため、実費負担となる。

3×

4×

5×

 

問題 15 「個人情報保護法」に基づくプライバシー保護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 電磁的記録は、 個人情報には含まれない。

2 マイナンバーなどの個人識別符号は,個人情報ではない。

3 施設職員は, 実習生に利用者の生活歴などを教えることは一切できない。

4 個人情報を第三者に提供するときは, 原則として本人の同意が必要である。

5 自治会長は,本人の同意がなくても個人情報を入手できる。

() 「個人情報保護法」とは, 「個人情報の保護に関する法律」のことである。

解答

1×電磁的記録は、 個人情報に含まれる

2×マイナンバーなどの個人識別符号は,個人情報に含まれる

3×介護や介助に必要な情報については実習生であっても共有されなければならない

4〇

5×本人の同意は必要である

 

問題16 「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 虐待が起こる場として, 家庭, 施設,病院の3つが規定されている。

2 対象は,介護保険制度の施設サービス利用者とされている。

3 徘徊しないように車いすに固定することは, 身体拘束には当たらない。

4 虐待を発見した養介護施設従事者には, 通報する義務がある。

5 虐待の認定は, 警察署長が行う。

() 「高齢者虐待防止法」とは, 「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援「等に関する法律」のことである。

解答

1×「高齢者虐待防止法」の中にこれら特定施設の規定はない

2×介護保険制度の施設サービス利用者が対象ではなく、すべての高齢者が対象となる

3×身体拘束は虐待の一つである

4〇通報義務がある

5×認定は市町村がおこなう

 

問題 17 発達障害のGさん (38, 男性) , 高校生の頃に不登校になり、ずっとアルバイトをしながら, 統合失調症 (schizophrenia) の母親 (65, 精神保健福祉手帳2) を介護してきた。母親に認知症 (dementia) が疑われるようになったが,これからも二人で暮らし続けたいと考えたGさんは、相談支援事業所の介護福祉職に相談した。

Gさんに対する介護福祉職の助言として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 地域包括支援センターで, 介護保険サービスの情報を得ることを勧める。

2 Gさんが正規に雇用されるように、ハローワークに相談に行くことを勧める。

3 Gさんの発達障害について, クリニックで適切な治療を受けることを勧める。

4 母親に, 介護老人福祉施設を紹介する

5 母親に, 精神科病院への入院を勧める。

解答

1〇母親は65歳以上なので介護サービスを受けることができる可能性もある。地域包括支援センターは、介護保険制度の利用サポートや自治体が提供する福祉サービスなどの紹介も受け付ける機関なので介護福祉職の助言として最もふさわしい。

2×Gさんの雇用が相談ではないので間違い

3×Gさんの発達障害についての相談ではないので間違い

4×

5×

 

問題 18 生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者が対象になる。

2 自立を図るために, 就労自立給付金が支給される。

3 疾病がある者には, 医療費が支給される。

4 子どもへの学習支援は、必須事業とされている。

5 最終的な, 「第3のセーフティーネット」と位置づけられている。

解答

1〇「就労の状況、心身の状況、地域社会との関係性その他の事情により、現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」が対象となる

2×生活困窮者自立支援法での支給はなし。就労自立給付金の給付は生活保護法

3×疾病がある者への 医療費が支給は「医療費助成制度」に基づく。生活困窮者自立支援法にこの規定はない

4×生活困窮者自立支援法にこの規定はない

5×「第3のセーフティネット」となっているのは生活保護法

 

こころとからだのしくみ(12問)19-30

問題 19 Hさん (75, 男性) , 一人暮らしであるが, 隣人と共に社会活動にも積極的に参加し, ゲートボールや詩吟, 芸術活動など多くの趣味をもっている。また、多くの友人から,Hさんは, 毎日を有意義に生活している」と評価されている。Hさん自身も友人関係に満足しているライチャード (Reichard, S.) による老齢期の性格類型のうち, Hさんに相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 自責型

2 防衛型 (装甲型)

3 憤慨型

4 円熟

5 依存型 (安楽いす型)

解答

1×下記参照

2×下記参照

3×下記参照

4〇下記参照

5×下記参照

参考1968年にS.ライチャードが発表した、高齢者の5つの人格特性。

@円熟型

自分および自分の過去現在を受容しつつ、未来志向。日常生活に対して建設的に接しようとする。引退後も積極的に社会参加し、いろいろな趣味に関心を持つ。人間関係についての満足感が強く、且つそのための努力をする。

A安楽椅子型

他者に依存するという受身的、消極的な姿勢で現在を受容。仕事に対する野心はなく、引退しているという現在の状況に甘んじて、楽に暮そうとしている。

B自己防衛型

強い防衛体制を敷くことにより、老化の不安に対処。引退後、いつまでも活動することにより、適応できると考える。

C外罰型(憤慨型)

今までの自分の失敗等に対して敵意を示し、その対処として他者を非難し攻撃しようとする。趣味もなく、特に死に対して不安、恐れを抱いている。

D内罰型(自責型)

自分の不幸、失敗に対して外罰型と異なり、自責的態度をとる。意欲は少なく、受動的である。他者への関心も少なく、孤立し、死は耐えられない存在からの解放と受け取り、恐れない。

 

問題 20 大脳の後頭葉にある機能局在として, 適切なものを1つ選びなさい。

1 視覚野

2 聴覚野

3 運動野

4 体性感覚野

5 感覚性言語野 (ウェルニッケ野)

解答

1〇後頭葉は視覚野,具体的には色,形,奥行き,動きの部分を 受け持っている

2×側頭葉機能

3×前頭葉機能

4×頭頂葉機能

5×側頭葉機能

 

問題 21 立位姿勢を維持するための筋肉 (抗重力筋) として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 上腕二頭筋

2 大胸筋

3 大腿四頭筋

4 僧帽筋

5 三角筋

解答

1×

2×

3〇

4×

5×

参考 抗重力筋を大別すると5箇所            

背中:脊柱起立筋、広背筋

腹筋:腹直筋、腸腰筋

お尻:大臀筋

太もも:大腿四頭筋

ふくらはぎ:下腿三頭筋

 

問題 22 廃用症候群 (disuse syndrome) で起こる可能性があるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 うつ状態

2 高血圧

3 関節炎

4 徘徊

5 下痢

解答

1〇廃用症候群はうつ状態のほか、筋力低下や関節が固くなる、床ずれなどたくさんの症状が引き起こされる

2×

3×

4×

5×

 

問題 23 褥瘡の好発部位として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 側頭部

2 頸部

3 腹部

4 仙骨部

5 足趾部

解答

1×

2×

3×

4〇好発部位 褥瘡は骨が突出し、体圧の集中する部位に多く発生する。 仰臥位で最も多いのは仙骨部で、次いで後頭部、踵骨部。

5×

 

問題 24 次のうち、口臭の原因になりやすい状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 唾液の増加

2 義歯の装着

3 歯周病 (periodontal disease)

4 顎関節症 (temporomandibular joint disorder)

5 低栄養状態

解答

1×

2×

3〇歯周病によって口臭が発生するのは、「メチルメルカプタン」と呼ばれるガスが原因。歯周病菌は、食べかすなどに含まれるたんぱく質を分解する過程でこのガスを作り出す

4×

5×

 

問題 25 さん (82,女性) , 施設に入所している。 Jさんは車いすで食堂に来て、箸やスプーンを使って、 自分で食事をしている。主食は普通食、おかずは刻み食で全量摂取している。 最近, 車いすからずり落ちる傾向があり, 首が後屈した姿勢で食事をし、 むせることが多くなった。Jさんが誤嚥をしないようにするための最初の対応として、最も適切なものを 1つ選びなさい。

1 食事回数の調整

2 座位姿勢の調整

3 使用食器の変更

4 食事の量の調整

5 食事場所の変更

解答

1×「最近, 車いすからずり落ちる傾向があり, 首が後屈した姿勢で食事をし、 むせることが多くなった。」との記述があるので食事回数は最優先ではない

2〇正しい座位姿勢は誤嚥を防ぐためにも大切である。また正しい姿勢は褥瘡を予防することに繋がる。頭部を安定させ、肘、体幹、膝、足底のアライメントを整えることが重要。

3×「最近, 車いすからずり落ちる傾向があり, 首が後屈した姿勢で食事をし、 むせることが多くなった。」との記述があるので最優先ではない

4×「最近, 車いすからずり落ちる傾向があり, 首が後屈した姿勢で食事をし、 むせることが多くなった。」との記述があるので最優先ではない

5×「最近, 車いすからずり落ちる傾向があり, 首が後屈した姿勢で食事をし、 むせることが多くなった。」との記述があるので最優先ではない

 

問題 26 次のうち、誤嚥しやすい高齢者の脱水予防のために確認することとして,最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 義歯の装着状態

2 上肢の関節可動域

3 睡眠時間

4 夜間の咳込みの有無

5 摂取している水分の形状

解答

1×

2×

3×

4×

5〇高齢者は誤嚥を恐れ水分摂取量が減ってしまう傾向にあるので、凝固剤を使って固形化(ゼリー化)することや、とろみをつけることで水分の流動性を低下させる。

そうすることで、いったん口の中にとどまり、意に反して咽頭に流れ込むことが防げるため、むせ込みにくくなり誤嚥の防止にもなる。

 

問題 27 健康な成人の便の生成で,上行結腸の次に内容物が通過する部位として,正しいものを1つ選びなさい。

1 S状結腸

2 回腸

3 直腸

4 下行結腸

5 横行結腸

解答

1×下記参照

2×下記参照

3×下記参照

4×下記参照

5〇

参考 上行結腸では水分が吸収されて液状の消化物が半流動状→横行結腸で粥状→下行結腸で半粥状→S状結腸では半固形まで水分が吸収→直腸で適度な固さのかたまり

 

問題 28 高齢者の睡眠薬の使用に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 依存性は生じにくい。

2 翌朝まで作用が残ることがある。

3 食事後すぐの服用が望ましい。

4 アルコールと一緒に飲んでも効果は変わらない。

5 転倒の原因にはならない。

解答

1×睡眠薬の種類によっては依存性を生じやすいものもある

2〇高齢者の場合 体内に薬が残りやすいので翌朝まで作用が残ることもある

3×食後すぐではなく数時間時間を置いた後が有効

4×副作用が生じやすいのでお酒を飲んだ時には睡眠薬は服用しないことが原則

5×転倒、骨折それによる骨折事故などおこすことがある

 

問題 29 大切な人を亡くした後にみられる, 寂しさやむなしさ、無力感などの精神的反応や, 睡眠障害, 食欲不振, 疲労感などの身体的反応を表すものとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症 (dementia)

2 グリーフ(grief)

3 リビングウィル (living will)

4 スピリチュアル (spiritual)

5 パニック障害 (panic disorder)

解答

1×

2〇下記参照

3×

4×

5×

参考 大切な人を亡くした後のグリーフ状態

ショック、否定、怒り、後悔、深い悲しみ、不安、孤独感など、グリーフにはさまざまな感情がともなう。また、グリーフは体や思考にも影響を与えます。物忘れが激しくなったり、物事に集中できなくなったり、体がだるく疲れやすくなったり、食欲の変化が現れたりする場合もある。

 

問題 30 死が近づいているときの身体の変化として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 瞳孔の縮小

2 筋肉の硬直

3 発汗

4 結膜の充血

5 喘鳴(ぜんめい)

解答

1×

2×

3×

4×

5〇一般的にこのことを死前喘鳴という。死前喘鳴とは、死亡直前に生じる症状の一つで、気道内分泌物の貯留により生じる「ゼィゼィ」「ゴロゴロ」という呼吸音のこと

 

発達と老化の理解(8問)31-38

問題 31 , 発達の実験のために, 図のようなテーブル (テーブル表面の左半分が格子柄, 右半分が透明な板で床の格子柄が透けて見える) の左端に, Kさん (11か月)を座らせた。 テーブルの反対側には母親が立っている。 Kさんは, 格子柄と透明な板との境目でいったん動くのをやめて、 怖がった表情で母親の顔を見た。 母親が穏やかにほほ笑むと、Kさんは母親の方に近づいていった。Kさんの行動を説明する用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自己中心性

2 愛着理論

3 社会的行動

4 社会的参照

5 原始反射

解答

1×自己中心性とは、自分以外の視点を持っていないことを言う。自己中心性は「自己中心性」は7歳から11歳ごろなので不適切

2×愛着理論とは、不安や不快などストレスを感じている状況で、自分の親など周囲の養育者に対して泣いて訴える、あるいは接触を求めて甘えるなどして、親密なきずなを形成しようとすること。愛着行動は 生後3か月から6か月が最も顕著とされるので不適切

3×社会性の発達は45歳から徐々に獲得すると言われているので不適切

4〇社会的参照とは、自分だけで決められない事柄に対して「周りの反応をヒントに行動決定する現象」のこと。 意志や行動を決めなければならないとき、情報が少なければ不安を感じるが、人の表情や態度を見ることで、安心して物事を決定できること。1歳前後でみられる行動なので正解。

5×原始反射の出現期間は、生後すぐから34か月が基本なので不適切

 

問題 32 コールバーグ (Kohlberg, L.) による道徳性判断に関する次の記述のうち,最も高い発達の段階を示すものとして, 適切なものを1つ選びなさい。

1 権威に服従する。

2 罰を回避する。

3 多数意見を重視して判断する。

4 損得で判断する。

5 人間の権利や平等性などの倫理に従って判断する。

解答

1×@ 罪と服従の段階

2×C 法と秩序の段階

3×B 対人的同調の段階(良い子の段階)

4×A 報酬と取引の段階

5〇普遍的倫理原理の段階

参考 コールバーグの発達段階

前習慣レベル

@ 罪と服従の段階

A 報酬と取引の段階

習慣的レベル

B 対人的同調の段階(良い子の段階)

C 法と秩序の段階

脱習慣的レベル

D 社会契約と個人の権利段階

E 普遍的倫理原理の段階

 

問題 33 標準的な発育をしている子どもの体重が, 出生時の約2倍になる時期として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生後3か月

2 生後6か月

3 生後9か月

4 1

5 2

解答

1〇成熟児では生後34か月で、体重は出生時のおよそ2倍になる

2×

3×

4×1歳では体重が出生時の3倍になる

5×

 

問題 34 ストローブ (Stroebe, M.S.) とシュト (Schut, H.) による悲嘆のモデルでは、死別へのコーピングには喪失志向と回復志向の2種類があるとされる。喪失志向のコーピングとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 しばらく連絡していなかった旧友との交流を深める。

2 悲しい気持ちを語る。

3 新たにサークル活動に参加を申し込む。

4 ボランティア活動に励む。

5 新しい生活に慣れようとする。

解答

1×回復志向. (今後の人生を考える)

2〇喪失志向. (悲嘆反応).

3×回復志向. (今後の人生を考える)

4×回復志向. (今後の人生を考える)

5×回復志向. (今後の人生を考える)

参考 コーピングとは、ストレスを感じた時に生じるストレス反応への対処法のこと

 

問題 35 加齢の影響を受けにくい認知機能として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 エピソード記憶

2 作業記憶

3 選択的注意

4 流動性知能

5 意味記憶

解答

1×自分が過去に体験したできごとの記憶は加齢の影響を受けやすい

2×作業記憶とは、何かの作業をするときに必要な情報を記憶から取り出して、情報を一時的に保つ能力であるが加齢による影響をうけやすい

3×選択的注意とは, 処理すべき情報を選択する際. に働く注意で, 加齢による影響をうけやすい

4×流動性知能は、若いときにピークとなり、年齢を重ねるにしたがって衰える

5〇動物・植物の名前や言葉の意味などの意味記憶は加齢の影響を受けにくい

 

問題 36 高齢期の腎・泌尿器系の状態や変化に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 尿路感染症 (urinary tract infections) を起こすことは非常に少ない。

2 腎盂腎炎(じんうじんえん) (pyelonephritis) の主な症状は, 頭痛である。

3 尿の濃縮力が低下する。

4 前立腺肥大症 (prostatic hypertrophy) では, 尿道の痛みがある。

5 薬物が排出される時間は, 短くなる。

解答

1×高齢者の尿路感染症は多い。症状としては高熱や腰背部痛、排尿時痛、頻尿、吐き気

2×軽度の腎盂腎炎は微熱を呈するが、重度の腎盂腎炎は高熱、悪寒、悪心、嘔吐、側腹部痛や腰背部痛を認める

3〇

4×痛みは会陰部、腰、しばしば陰茎と精巣に起こる

5×薬物が排出される時間は,長くなる

 

問題 37 老年期の変形性膝関節症 (knee osteoarthritis) に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 外反型の脚の変形を伴うことが多い。

2 女性のほうが男性より罹患率が高い。

3 積極的に患部を冷やすことを勧める。

4 正座の生活習慣を勧める。

5 肥満のある人には積極的に階段を利用するように勧める。

解答

1×変形性膝関節症が進行するとO脚(内反変形)またはX脚(外反変形)に変形する。老年期ではO脚(内反変形)を伴うことが多い

2〇

3×関節を冷やすと、周囲の筋肉や腱がこわばって固くなったり、血行が悪くなったりすることで筋肉疲労が起る。 関節は冷やすことなく、温める

4×正座は姿勢が良くなるなどのメリットがあるが、ひざへの負担がかかる生活を続けると軟骨や半月板の弾力性が損なわれ、軟骨同士がこすれてすり減り、変形性膝関節症になりやすい

5×老年期の変形性膝関節症では肥満などで膝に負担がよりかかり痛みを伴うので積極的な階段利用は控えたほうがいい

 

問題 38 高齢者の下痢に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 若年者よりも口渇感を感じやすい。

2 体内水分量は若年者よりも多い。

3 起立時に血圧が上がりやすくなる。

4 下痢が原因となることはまれである。

5 体重が減ることがある。

解答

1×高齢者は喉の渇きを感じる「口渇中枢」が減退するため、実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなる

2×高齢者は若年者よりも体内水分量が少ない

3×高齢者は起立により起立性低血圧を起こすことがある

4×下痢が原因で脱水を起こすことがある

5〇

 

認知症の理解 39-48

問題 39 次のうち, 2019 (令和元年) の認知症施策推進大綱の5つの柱に示されているものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 市民後見人の活動推進への体制整備

2 普及啓発本人発信支援

3 若年性認知症支援ハンドブックの配布

4 認知症初期集中支援チームの設置

5 認知症カフェ等を全市町村に普及

解答

1×

2〇下記参照

3×

4×

5×

参考 認知症施策推進大綱の5つの柱

@ 普及啓発・本人発信支援

・認知症に関する理解促進(認知症サポーター養成の推進/子ども・学生への理解促進など)

・相談先の周知

・認知症の人本人からの発信支援(「認知症とともに生きる希望宣言」の展開など)

A 予防

・認知症予防に資する可能性のある活動の推進

・予防に関するエビデンス収集の推進

・民間の商品やサービスの評価・認証の仕組みの検討

B 医療・ケア・介護サービス・介護者への支援

・早期発見・早期対応、医療体制の整備

・医療従事者・介護従事者等の認知症対応力向上の促進

・介護サービス基盤整備、介護人材確保

・医療・介護の手法の普及・開発

・介護者の負担軽減の推進

C 認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援

・バリアフリーのまちづくり推進

・移動手段の確保の推進

・地域支援体制の強化

・認知症に関する取り組みを実施している企業等の認証制度や表彰

・商品・サービス開発の推進

・成年後見制度の利用促進

・認知症に関するさまざまな民間保険の推進

・若年性認知症支援コーディネーター配置の推進

・社会参加活動や社会貢献の促進          など

D 研究開発・産業促進・国際展開

 

問題 40 次の記述のうち, 見当識障害に関する質問として,最も適切なものを1

選びなさい。

1 「私たちが今いるところはどこですか」

2 100から7を順番に引いてください」

3 「先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください」

4 「次の図形を写してください」

5 「この紙を左手で取り、両手で半分に折って、私に返してください」

解答

1〇見当識障害とは「今がいつか(時間)」「ここがどこか(場所)」がわからなくなる状態

2×

3×

4×

5×

 

問題 41 アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) , もの盗られ妄想に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 説明をすれば自身の考えの誤りに気づくことが多い。

2 本人の不安から生じることが多い。

3 現実に存在しない人が犯人とされる。

4 主に幻視が原因である。

5 症状の予防には抗精神病薬が有効である。

解答

1×説明しても自身の考えの誤りに気づくことは少ない

2〇認知機能に障害が起こることで、記憶力や思考力が低下していくと、だんだん思い通りに行動することができなくなり、不満がつのる。このような不満がたまると怒りや不安感につながり、八つ当たりをするかのように人を疑うような言動をしてしまうことが多くなり身の回りの方への疑いが物盗られ妄想に発展する。

3×

4×

5×

 

問題 42 慢性硬膜下血腫 (chronic subdural hematoma) に関する次の記述のうち,

最も適切なものを1つ選びなさい。

1 運動機能障害が起こることは非常に少ない。

2 頭蓋骨骨折を伴い発症する。

3 抗凝固薬の使用はリスクとなる。

4 転倒の後, 23日で発症することが多い。

5 保存的治療が第一選択である。

解答

1×運動機能障害がおこる可能性がある

2×転倒や頭をぶつけることなどが原因となる

3〇高齢者の慢性硬膜下血腫の再発に抗凝固療法の再開が関連することがある

4×2週間から3ヵ月の期間に起こることが多い

5×保存的治療が第一選択とは限らない(保存的治療:無症状で、血腫量が少なければ、止血剤を処方して経過を見る。)症候性で血腫量が多い場合は外科的手術を行う

 

問題 43 Lさん (83,女性, 要介護1) , アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) である。 一人暮らしで, 2, 訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると, 息子が来ていて, 「最近,母が年金の引き出しや、 水道代の支払いを忘れるようだ。 日常生活自立支援事業というものがあると聞いたことがあるが,どのような制度なのか」と質問があった。

訪問介護員(ホームヘルパー)の説明として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「申込みをしたい場合は,家庭裁判所が受付窓口です」

2 「年金の振込口座を, 息子さん名義の口座に変更することができます」

3 Lさんが契約内容を理解できない場合は,息子さんが契約できます」

4 「生活支援員が、 水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」

5 「利用後に苦情がある場合は, 国民健康保険団体連合会が受付窓口です」

解答

1×

2×

3×

4〇下記参照

5×

参考 日常生活自立支援事業の援助の内容

@  本事業に基づく援助の内容は、次に掲げるものを基準とします。

・福祉サービスの利用援助

・苦情解決制度の利用援助

・住宅改造、預金の解約、預金の預け入れの手続等利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)定、居住家屋の貸借、日常生活上の消費契約及び住民票の届出等の行政手続に関する援助等

A  上記に伴う援助の内容は、次に掲げるものを基準とします。

・預金の払い戻

・期的な訪問による生活変化の察知

 

問題 44 認知症ケアの技法であるユマニチュードに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 「見る」とは,離れた位置からさりげなく見守ることである。

2 「話す」とは,意識的に高いトーンの大きな声で話しかけることである。

3 「触れる」とは, 指先で軽く触れることである。

4 「立つ」とは,立位をとる機会を作ることである。

5 「オートフィードバック」とは, ケアを評価することである。

解答

1×見るとは→同じ高さから目線を合わせることで平等な関係性であることを、正面から見つめることで相手への誠実さを伝えること

2×話すとは→話すときは、ゆっくりと穏やかに話すように心がけること

3×触れるとは→愛しい人に触れるときのように、優しく包み込むような動作で触れること

4〇

5×オートフィードバックとは→相手から返事がないか、意図した反応がない場合は自分の動き(ケアの内容)を実況中継すること

 

問題 45 現行の認知症サポーターに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ステップアップ講座を受講した認知症サポーターには、チームオレンジへの参加が期待されている。

2 100万人を目標に養成されている。

3 認知症介護実践者等養成事業の一環である。

4 認知症ケア専門の介護福祉職である。

5 国が実施主体となって養成講座を行っている。

解答

1〇正解。チームオレンジは、近隣の認知症サポーターがチームを組み、認知症の人や家族に対する生活面の早期からの支援等を行う取り組みを行う

2×平成 17 年度の事業開始時には、5 年間に全国で 100 万人のサポーターを養成することを目指としていたが、2016年までに400 万人誕生させるという目標が掲げられていた。

3×この認知症介護実践者等養成事業は国が定めたもので認知症介護の専門職を養成することを目的とした研修。認知症サポーターとは関係がない。

4×

認知症介護指導者養成研修修了者

認知症介護実践リーダー研修(認知症介護実務研修専門課程)修了者

介護相談員

認知症の人を対象とする家族の会

上記に準ずると自治体等が認めた者

5×事業の実施主体は次のいずれかとする。

(1)都道府県、指定都市、市区町村

(2)全国的組織を持つ職域団体及び企業

 

問題46. 認知症ケアパスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 都道府県ごとに作られるものである。

2介護保険制度の地域密着型サービスの1つである。

3認知症の人の状態に応じた適切なサービス提供の流れをまとめたものである。

4レスパイトケアとも呼ばれるものである。

5 介護支援専門員(ケアマネジャー)が中心になって作成す

解答

1×市町村ごと

2×介護保険制度の地域密着型サービスではない

3〇下記参照

4×間違いである。レスパイトケアとは、介護にあたるご家族様が一時的に介護から解放されるよう、代理の機関や公的サービスなどが一時的に介護等をおこなうこと

5×市町村が作成

参考 認知症ケアパスとは→認知症発症予防から人生の最終段階まで、認知症の容態に応じ、相談先や、いつ、どこで、どのような医療・介護 サービスを受ければいいのか、これらの流れをあらかじめ標準的に示したもの。

 

問題 47 認知症ライフサポートモデルに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 各職種がそれぞれで目標を設定する。

2 終末期に行う介入モデルである。

3 認知症 (dementia) の人本人の自己決定を支える。

4 生活を介護サービスに任せるプランを策定する。

5 認知症 (dementia) の人に施設入所を促す。

解答

1×

2×

3〇認知症ライフサポートモデルとは医療介護を含む統合的な生活支援であり、その人の生命、生活、人生の全体を支えること。このモデルの大切な視点として「自己決定を支える」「自らの力を最大限に使って暮らすことを支える」「住み慣れた地域での継続性のある暮らしを支える」という3つがある

4×

5×

 

問題 48Mさん (88歳 女性) , アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) と診断された。 夫と二人暮らしで、 訪問介護 (ホームヘルプサービス)を利用している。 訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに夫から, 「最近,日中することがなく寝てしまい, 夜眠れていないようだ」と相談を受けた。 訪問介護員(ホームヘルパー),Mさんが長年していた裁縫を日中にしてみることを勧めた。 早速、裁縫をしてみるとMさんは,短時間で雑巾を縫うことができた。

Mさんの裁縫についての記憶として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 作業記憶

2 展望的記憶

3 短期記憶

4 陳述記憶

5 手続き記憶

解答

1×何かの作業をするときに必要な情報を記憶から取り出して、情報を一時的に保つ能力

2×これから先の未来に予定されていることについて、“いつ何をするのか”を覚えておくこと

3×比較的短い期間、頭の中に保持される記憶のこと

4×記憶を具体的に言語やイメージで表現できる記憶

5〇手続き記憶というのは、たとえばピアノの演奏や自転車の乗り方、スキーの技術、けん玉のコツなど、からだで覚えた「動作や技能の記憶」のことを言うが、Mさんが長年していた裁縫で雑巾を縫うことができたのは、この手続き記憶によるもの

 

障害の理解 49-58

問題 49 ストレングス (strength)の視点に基づく利用者支援の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 個人の特性や強さを見つけて、それを生かす支援を行うこと。

2日常生活の条件をできるだけ, 障害のない人と同じにすること。

3全人間的復権を目標とすること。

4 権利を代弁・ 擁護して, 権利の実現を支援すること。

5 抑圧された権利や能力を取り戻して、力をつけること。

解答

1〇個人の特性や強み(=ストレングス)を活かした「できること」を大切に支援していくことなので これが正解

2×

3×

4×

5×

 

問題 50 1960年代のアメリカにおける自立生活運動 (IL運動)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 障害があっても障害のない人々と同じ生活を送る。

2 一度失った地位、名誉, 特権などを回復する。

3 自分で意思決定をして生活する。

4 医療職が機能回復訓練を行う。

5 障害者の社会への完全参加と平等を促進する。

解答

1×

2×

3〇障害者が自立生活(自分で意思決定をして生活する)の権利を主張した社会運動のこと

4×

5×世界人権宣言

 

問題 51 「障害者虐待防止法」における, 障害者に対する著しい暴言が当てはまる障害者虐待の類型として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 身体的虐待

2 放棄・放置

3 性的虐待

4 心理的虐待

5 経済的虐待

() 「障害者虐待防止法」とは, 「障害者虐待の防止, 障害者の養護者に対する支援「等に関する法律」のことである。

解答

1×

2×

3×

4〇暴言は心理的虐待に相当する

5×

 

問題 52 上田敏の障害受容のモデルにおける受容期の説明として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 受傷直後である。

2 障害の状態を否認する。

3 リハビリテーションによって機能回復に取り組む。

4 障害のため何もできないと捉える。

5 障害に対する価値観を転換し、 積極的な生活態度になる。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇下記参照

参考 上田敏の障害受容の定義

「障害の受容とはあきらめでもなく居直りでもなく、障害に対する価値観(感)の転換であり障害をもつことが自己の全体としての人間的価値を低下させるものではないことの認識と体得を通じて、恥の意識や劣等感を克服し、積極的な生活態度に転ずることである」。

 

問題 53 次のうち, 四肢麻痺を伴う疾患や外傷として、適切なものを1つ選びなさい。

1 右脳梗塞 (right cerebral infarction)

2 左脳梗塞 (left cerebral infarction)

3 頸髄損傷 (cervical cord injury)

4 腰髄損傷 (lumbar spinal cord injury)

5 末梢神経損傷 (peripheral nerve injury)

解答

1×右脳が障害を受けてしまうと本能的に色々なものごとに固執してしまうようになり

2×左脳が障害を受けてしまうと、言語障害(失語症)や失計算、失書などが起こる

3〇頸髄損傷では軽い損傷の場合には手足がしびれる程度であるが、強く損傷すると手足が動かなくなるような四肢麻痺を起こす。

4×足や臀部(尻)のしびれ、痛み、脱力(まひ)

5×

・運動神経の障害:手足の筋力が低下したり、筋肉が痩せてきたりする。

・感覚神経の障害:しびれや痛みが生じたり、逆に感覚が鈍くなったり、消失したりする。

・自律神経の障害:手足の発汗障害や異常知覚などがみられる。

 

問題 54 学習障害の特徴に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 読む・書く計算するなどの習得に困難がある。

2 注意力が欠如している。

3 じっとしているのが難しい。

4 脳の機能に障害はない。

5 親のしつけ方や愛情不足によるものである。

解答

1〇「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態

2×ADHD(注意欠如・多動性障害)

3×ADHD(注意欠如・多動性障害)

4×学習障害は、何らかの脳機能の障害が想定されているが、脳の部位や原因は特定されていない

5×これが学習障害の特徴にはならない

 

問題 55 Aさん (60, 男性) ,脊髄小脳変性症 (spinocerebellar degeneration)のため、物をつかもうとすると手が震え, 起立時や歩行時に身体がふらつき, ろれつが回らないため発語が不明瞭である。次のうち, Aさんの現在の症状に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 運動麻痺

2 運動失調

3 関節拘縮

4 筋萎縮

5 筋固縮

解答

1×

2〇「物をつかもうとすると手が震え, 起立時や歩行時に身体がふらつき, ろれつが回らない」などの記述がある。脊髄小脳変性症の主な症状は、起立や歩行がふらつく、手がうまく使えない、喋る時に口や舌がもつれるなどの運動失調があるので これが正解となる

3×

4×

5×

 

問題 56 B さん (21, 男性) , 統合失調症 (schizophrenia) を発症し, 継続した内服によって幻覚や妄想などの症状は改善しているが, 意欲や自発性が低下して引きこもりがちである。 現在, Bさんは、 外来に通院しながら自宅で生活していて,就労を考えるようになってきた。介護福祉職が就労に向けて支援するにあたり留意すべきこととして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 あいまいな言葉で説明する。

2 代理で手続きを進める

3 介護福祉職が正しいと考える支援を行う。

4 Bさんに意欲をもつように強く指示する。

5 Bさん自身が物事を決め, 実行できるように関わる。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇自己決定ができるように働きかけることが原則

 

問題 57 Cさん (3) , 24時間の人工呼吸器管理, 栄養管理と体温管理が必要であり, 母親(32) が生活全般を支えている。 Cさんの母親は、 「発達支援やショートステイを活用したいのに、市内に事業所がない。 ほかにも困っている家族がいる」とD相談支援専門員に伝えた。D相談支援専門員が、課題の解決に向けて市 (自立支援) 協議会に働きかけたところ、市内に該当する事業所がないことが明らかになった。

この事例で,地域におけるサービスの不足を解決するために, (自立支援) 協議会に期待される機能・役割として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 困難な事例や資源不足についての情報の発信

2 権利擁護に関する取り組みの展開

3 地域の社会資源の開発

4 構成員の資質向上

5 基幹相談支援センターの運営評価

解答

1×

2×

3〇地域自立支援協議会の目的・機能の中に「社会資源の開発・改善」が明記されている

4×

5×

 

問題 58 さん (38, 男性) , 脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し, 病院に入院していた。 退院時に、 右片麻痺と言語障害があったため、 身体障害者手帳2級の交付を受けた。 現在、Eさんと家族の希望によって, 自宅で生活しているが,少しずつ生活に支障が出てきている。 Eさんの今後の生活を支えるために, 障害福祉サービスの利用を前提に多職種連携による支援が行われることになった。

Eさんに関わる関係者が果たす役割として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護支援専門員(ケアマネジャー), 介護サービス計画を作成する。

2 医師が,要介護認定を受けるための意見書を作成する。

3 基幹相談支援センターの職員が, 障害福祉計画を立てる。

4 地域包括支援センターの職員が、認定調査を行う。

5 相談支援専門員が、サービス担当者会議を開催する。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇相談支援専門員は、障害のある人がサービスを活用できるように支援する仕事であるが、障害者福祉支援や、生活、住居など暮らしにおける悩みの相談支援を行い、障害を持つ人と家族を支えのが目的であることから、相談支援専門員が先頭にたちサービス担当者会議を開催することが必要となる

 

医療的ケア 59-63

問題 59 消毒と滅菌に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 消毒は, すべての微生物を死滅させることである。

2 複数の消毒液を混ぜると効果的である。

3 滅菌物には, 有効期限がある。

4 家庭では,熱水で滅菌する。

5 手指消毒は, 次亜塩素酸ナトリウムを用いる。

解答

1×消毒の意味→「消毒」とは微生物の数を減らし、感染症を惹起し得ない水準にまで病原微生物を殺菌または減少させることなのですべての微生物を死滅させることではない

2×次亜塩素酸ナトリウム液を酸性洗剤やエタノール等(アルコール類)と混ぜると有毒ガスが発生することもあるので、種類の違う消毒液を混ぜて使うことは危険

3〇滅菌物. の経時的な材質劣化が生じることや、在庫管理の観点から、使用期限を 6 カ月間などと決めて対. 応することが推奨されている

4×家庭での滅菌処理は不可能。熱での滅菌には沸騰熱水でも不十分

5×皮膚への刺激が強いため、手指の消毒は避けたほうがいい

 

問題 60 次の記述のうち、 成人の正常な呼吸状態として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている

2 ゴロゴロとした音がする。

3 爪の色が紫色になっている。

4 呼吸数が1分間に40回である。

5 下顎を上下させて呼吸している

解答

1〇

2×異常な呼吸状態

3×爪の色が紫色だとチアノーゼが疑われるので酸素不足がうかがえ正常な呼吸状態とはいえない

4×成人の場合1分間に1220回の数が正常

5×異常な呼吸状態

 

問題 61 喀痰吸引を行う前の準備に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1

つ選びなさい。

1 医師の指示書の確認は, 初回に一度行う。

2 利用者への吸引の説明は,吸引のたびに行う。

3 腹臥位の姿勢にする。

4 同室の利用者から見える状態にする。

5利用者に手指消毒をしてもらう。

解答

1×1人に対して3ヶ月(最長6ヶ月)

2〇

3×側臥位

4×プライバシーを尊重し見えない状態にする

5×

 

問題 62 胃ろうによる経管栄養での生活上の留意点の説明として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「日中は, ベッド上で過ごします」

2 「夜寝るときは, 上半身を起こした姿勢で寝ます」

3 「便秘の心配はなくなります」

4 「口から食べなくても口腔ケアは必要です」

5 「入浴は清拭に変更します」

解答

1×車いすでの日常生活も可能

2×上半身を起こした姿勢が姿勢が必要なのは食前、食中、食後。寝るときは通常の姿勢でよし

3×胃ろうのトラブルとして、便秘、下痢、嘔吐、胃食道逆流、下痢、便秘、栄養剤の漏れなどが挙げられる

4〇

5×胃ろうは特に保護して入浴する必要はなし。

 

問題 63 F さん (87,女性) , 介護老人福祉施設に入所している。嚥下機能が低下したため、胃ろうによる経管栄養が行われている。 担当の介護福祉士は,Fさんの経管栄養を開始して、 しばらく観察した。 その後, 15分後に訪室すると,Fさんが嘔吐して, 意識はあるが苦しそうな表情をしていた。 介護福祉士は, すぐに経管栄養を中止して看護職員を呼んだ。

看護職員が来るまでの介護福祉士の対応として, 最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 室内の換気を行った。

2 ベッド上の嘔吐物を片付けた。

3 酸素吸入を行った。

4 心臓マッサージを行った。

5 誤嚥を防ぐために顔を横に向けた。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇嘔吐した物の誤飲がないよ うに顔を横に向け、口腔内の吸引を行う

 

介護の基本 64-73

問題 64 利用者主体の考えに基づいた訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 トイレの窓は換気が必要であると判断し、開けたままにしておいた。

2 認知症 (dementia) の人が包丁を持つのは危険だと判断し、 訪問介護員(ホームへルパー) が調理した。

3 煮物を調理するとき, 利用者に好みの切り方を確認してもらった。

4 糖尿病 (diabetes mellitus) のある利用者には, 買い物代行で菓子の購入はしないことにした。

5 次回の掃除のために, 訪問介護員(ホームヘルパー)が使いやすい場所に掃除機を置いた。

解答

1×利用者主体の考えに基づいたものではない

2×認知症であっても包丁を扱うことは可能。ヘルパーが調理するのは利用者主体の考えに基づいたものではない

3〇

4×本人の了解をとっていないので利用者主体の考えに基づいた行為ではない

5×本人の了解をとっていないので利用者主体の考えに基づいた行為ではない

 

問題 65 「求められる介護福祉士像」 で示された内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 地域や社会のニーズにかかわらず, 利用者を導く。

2 利用者の身体的な支援よりも,心理的社会的支援を重視する。

3 施設か在宅かに関係なく,家族が望む生活を支える。

4 専門職として他律的に介護過程を展開する。

5 介護職の中で中核的な役割を担う。

() 「求められる介護福祉士像」とは, 社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会 「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」 (2017 (平成29) 104) の中で示されたものを指す。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇下記参照

参考 社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会

1. 尊厳と自立を支えるケアを実践する

2. 専門職として自律的に介護過程の展開ができる

3. 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる

4. 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる

5. QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる

6. 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる

7. 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する

8. 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる

9. 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる

10. 介護職の中で中核的な役割を担う

.

問題 66 社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 地域生活支援事業その他の支援を総合的に行う。

2 介護等に関する知識及び技能の向上に努める。

3 肢体の不自由な利用者に対して必要な訓練を行う。

4 介護保険事業に要する費用を公平に負担する。

5 常に心身の健康を保持して, 社会的活動に参加するように努める。

解答

1×

2〇資質向上の責務

3×

4×

5×

参考 「社会福祉及び介護福祉士法」によって守らなければならない義務

誠実義務

信用失墜行為の禁止

秘密保持義務

連携

資質向上の責務

名称の使用制限

 

問題 67 A さん (85,女性, 要介護1) と二人暮らしで、 訪問介護(ホームへルプサービス)を利用している。 Aさんは認知症 (dementia) の進行によって理解力の低下がみられる。ある日, Aさんが訪問介護員(ホームヘルパー) , 「受けているサービスをほかのものに変更したい」 「夫とは仲が悪いので話したくない」.不安な様子で話した。

意思決定支援を意識した訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Aさんとの話し合いの場に初めから夫に同席してもらった。

2 Aさんにサービス変更の決断を急ぐように伝えた。

3 Aさんと話す前に相談内容を夫に話した。

4 サービスを変更したい理由についてAさんに確認した。

5 訪問介護員(ホームヘルパー)がサービス変更をすることを判断した。

解答

1×「夫とは仲が悪いので話したくない」とあるので不適切

2×「Aさんは認知症 (dementia) の進行によって理解力の低下がある」とあるので決断を急がせてはならない

3×夫に相談内容を話していいかどうかの了解が必要ではないか

4〇変更したい意思の再確認は重要

5×本人の意思を無視し勝手にサービス変更することは不適切

 

問題 68 すべての人が暮らしやすい社会の実現に向けて,どこでも、だれでも、自由に使いやすくという考え方を表す用語として, 適切なものを1つ選びなさい。

1 ユニバーサルデザイン (universal design)

2 インフォームドコンセント (informed consent)

3 アドバンス・ケアプランニング (advance care planning)

4 リビングウィル (living will)

5 エンパワメント (empowerment)

解答

1〇ユニバーサルデザインの意味は「すべての人のためのデザイン」を意味し、年齢や障がいの有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすること

2×医療行為を受ける前に、医師および看護師からわかりやすく十分な説明を受け、内容について十分納得した上で、その医療行為に同意すること

3×将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、 本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援するプロセスのこと

4×回復の見込みがなく死期が間近に迫った人生の最終段階において、延命治療をしてほしいか、してほしくないか等について、主治医や家族に知らせるために、判断能力が十分なうちに示される意思」のこと

5×一人ひとりが本来持っている力を発揮し、自らの意思決定により自発的に行動できるようにすること

 

問題 69 Bさん (82,女性, 要介護2) , 若いときに夫を亡くし、家で仕事をしながら子どもを一人で育てた。夫や子どもと過ごした家の手入れは毎日欠かさず行っていた。 数年前に、アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) と診断され, 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。夕方になると,「私, 家に帰らないといけない」 と介護福祉職に何度も訴えている。Bさんに対する介護福祉職の声かけとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「仕事はないですよ」

2 「ここが家ですよ」

3 「外に散歩に行きますか」

4 「家のことが気になるんですね」

5 「子どもさんが「ここにいてください』 と言っていますよ」

解答

1×本人の心情を無視するような言動

2×本人の心情を無視するような言動

3×「私, 家に帰らないといけない」という訴えに無視するような言動

4〇

5×本人の気持ちに寄り添っていない言動

 

問題 70 介護保険施設の駐車場で、 下記のマークを付けた車の運転手が困った様子で手助けを求めていた。 介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 手話や筆談を用いて話しかける。

2 杖を用意する。

3 拡大読書器を使用する。

4 移動用リフトを用意する。

5 携帯用点字器を用意する。

 

解答

1〇この図は聴覚障碍者の標識であるので正解

2×

3×

4×

5×

 

問題 72 介護の現場におけるチームアプローチ (team approach) に関する次の記述

のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 チームメンバーが得た情報は, メンバー間であっても秘密にする。

2 チームメンバーの役割分担を明確にする。

3 利用者を外してチームを構成する。

4 医師がチームの方針を決定する。

5 チームメンバーを家族が指名する。

解答

1×メンバー間で情報を秘密にしてはチームワークが成り立たない

2〇役割分担を明確にすることで効率的な援助が可能になる

3×利用者もチームの一員としてとらえる

4×最終的なチーム方針決定は利用者

5×家屋がチームメンバーを指定することはない

 

問題 73 利用者の危険を回避するための介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 スプーンを拾おうとして前傾姿勢になった車いすの利用者, 目視で確認した。

2 廊下をふらつきながら歩いていた利用者の横を、黙って通り過ぎた。

3 食事介助をしていた利用者の姿勢が傾いてきたので, 姿勢を直した。

4 下肢筋力が低下している利用者が, 靴下で歩いていたので, スリッパを履いてもらった。

5 車いすの利用者が, フットサポートを下げたまま立ち上がろうとしたので,またいでもらった。

解答

1×車いすの利用者が前傾姿勢になると転倒のおそれがあるので目線だけの確認だけでなく転倒を防ぐための対処が必要

2×転倒の危険性があるので黙って通り過ぎるのは不適切

3〇

4×下肢筋力が低下している利用者がスリッパを履くことは滑る危険性がある

5×フットサポートを上げてもらい立ち上がってもらう

 

コミュニケーション技術 74-49

問題 74 次のうち, 閉じられた質問として, 適切なものを1つ選びなさい。

1「この本は好きですか」

2「午後はどのように過ごしますか」

3「困っていることは何ですか」

4 「どのような歌が好きですか」

5 「なぜそう思いますか」

解答

1〇「閉じられた質問」は、相手が「はい・いいえ」で答えられる質問や、数値などを端的に聞き出すための質問です。短時間で必要な情報を得たいときに用いる。

2×開かれた質問

3×開かれた質問

4×開かれた質問

5×開かれた質問

参考 開かれた質問→質問された相手が、「はい」「いいえ」だけでは答えが済まない質問のこと。

 

問題 75 利用者の家族と信頼関係を形成するための留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 家族の希望を優先する。

2 話し合いの機会を丁寧にもつ。

3 一度形成した信頼関係は、変わらずに継続すると考える。

4 家族に対して, 「こうすれば良い」と指示を出す。

5 介護は全面的に介護福祉職に任せてもらう。

解答

1×利用者本人の意思が最優先なので不適切

2〇

3×信頼関係は不変のものではないので 常に改善しながら信頼関係を築いていく

4×家族の意見も尊重しながら聞いて信頼関係を築いていく

5×介護は家族と介護職の連携が望ましく、このことにより信頼関係も築かれていく

 

問題 76 Cさん(75, 男性), 老人性難聴 (presbycusis) があり. 右耳は中等度難聴,左耳は高度難聴である。 耳かけ型補聴器を両耳で使用して静かな場所で話せば,なんとか相手の話を聞き取ることができる。

Cさんとの11のコミュニケーションの方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 正面で向き合って話しかける。

2 高音域の声を使って話しかける。

3 耳元で,できるだけ大きな声で話しかける。

4 手話で会話をする。

5 からだに触れてから話しかける。

解答

1〇相手の顔を見ながらコミュニケーションをとることが望ましいので正面で向き合って話しかける

2×老人性難聴の場合低音域の声のほうが聞き取りやすい

3×大きな声だとかえって聞きにくいので不適切

4×難聴なので手話は必要なし

5×

 

問題 77 D さん (90,女性, 要介護5),重度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type) である。 介護福祉職は, Dさんに声かけをして会話をしているが,最近, 自発的な発語が少なくなり、会話中に視線が合わないことも増えてきたことが気になっている。

Dさんとのコミュニケーションをとるための介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 引き続き, 言語を中心にコミュニケーションをとる。

2 Dさんが緊張しているので,からだに触れないようにする。

3 表情やしぐさを確認しながら, 感情の理解に努める。

4 視線が合わないときは、会話を控える。

5 自発的な発語がないため、会話の機会を減らしていく。

解答

1×認知症なので言語だけのコミュニケーションではなく身振り手振りなどもとりいれる

2×スキンシップをとり触れることで安心感を与えることができる

3〇

4×

5×コミュニケーション回数を減らすことで認知症の進行が進むことがあるので不適切

 

問題 78 介護実践の場で行われる, 勤務交代時の申し送りの目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 翌月の介護福祉職の勤務表を検討する。

2 利用者のレクリエーション活動を計画する。

3 利用者の問題解決に向けた事例検討を行う。

4 利用者へのケアの継続性を保つ。

5 利用者とケアの方針を共有する。

解答

1×

2×

3×

4〇勤務交代時最も必要なのは次の勤務者に利用者の正しい情報が引き継がれること。これがなければケアの継続性に支障がでてしまう

5×

 

問題 79 Eさん (87,女性, 要介護3), 介護老人福祉施設に入所していて、認知症 (dementia) がある。 ある日、担当のF介護福祉職がEさんの居室を訪問すると,Eさんは, イライラした様子で, 「私の財布が盗まれた」 と言ってベッドの周りをうろうろしていた。 一緒に探すと, タンスの引き出しの奥から財布が見つかった。F介護福祉職は,Eさんのケアカンファレンス (care conference) に出席して,この出来事について情報共有することにした。

Eさんの状況に関する報告として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Eさんの認知機能が低下しました」

2 Eさんは、誰かに怒っていました」

3 Eさんには, もの盗られ妄想があります」

4 Eさんは,財布が見つかって、安心していると思います」

5 Eさんは,財布が盗まれたと言って、ベッドの周りをうろうろしていました」

解答

1×医師が判断することなので不適切

2×イライラした様子でうろついていたのに「誰かに怒っていました」は状況説明として不適切

3×このことで「もの盗られ妄想」と判断できないので不適切

4×あくまで自分の主観だけなので不適切

5〇

 

生活援助技術 80-105

問題 80 Gさん (79,女性, 要介護3), 介護老人福祉施設に入所して, 3週間が経過した。 施設での生活には慣れてきているが, 居室でテレビを見て過ごす時間が長くなった。 ある時, Gさんが、 「気分転換に台所を借りて,自分でおやつを「作ってみたい」 と介護福祉職に話した。

Gさんのレクリエーション活動の計画作成にあたり, 介護福祉職が留意すべきことして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Gさんの居室で行うようにする。

2 おやつのメニューは, 介護福祉職が選ぶ。

3 施設のレクリエーション財を優先する。

4 集団で行うことを優先する。

5 おやつ作りをきっかけに, 施設生活に楽しみがもてるようにする。

解答

1×「気分転換に台所を借りて,自分でおやつを「作ってみたい」とあるのでGさんの居室でのはレクリエーション活動の場として不適切

2×本人が選べるように配慮する

3×施設外のレクリエーション財の活用があってもいい

4×集団だけなく個別のレクがあってもよい

5〇

 

問題 81 高齢者の安全な移動に配慮した階段の要件として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 手すりを設置している。

2 階段の一段の高さは, 25cm 以上である。

3 階段の足をのせる板の奥行は, 15cm 未満である。

4 階段の照明は、足元の間接照明にする。

5 毛の長いじゅうたんを敷く。

解答

1〇手すりがあることて安全に上り下りができる

2×バリアフリー階段として蹴上げの高さは16cm以下

3×足をのせる板の奥行は, 30cm以上

4×足元の間接照明では暗すぎて危険

5×毛の長いじゅうたんでは足を引っかけ転倒のおそれがある

 

問題 82 介護予防教室で介護福祉職が行う安定した歩行に関する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「歩幅を狭くしましょう」

2 「腕の振りを小さくしましょう」

3 「足元を見ながら歩きましょう」

4 「後ろ足のつま先で地面を蹴って踏み出しましょう」

5 「つま先から足をつきましょう」

解答

1×

2×

3×足元を見ながらの歩行では安定した歩行にならない

4〇安定した歩行となる

5×かかとから足をつくと安定した歩行

 

問題 83 T字杖を用いて歩行する左片麻痺の利用者が, 20cm幅の溝をまたぐときの介護方法として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 杖は、左手に持ちかえてもらう。

2 杖は、溝の手前に突いてもらう。

3 溝は,右足からまたいでもらう。

4 遠い方向を見てもらう。

5 またいだ後は、両足をそろえてもらう。

解答

1×左片麻痺の利用者なので左手に持ちかえることはできない

2×溝の向こう側に杖をおく

3×悪い方の左足から先にまたぐ。

4×足元をみてもらう

5〇

 

問題 84 総義歯の取扱いに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 上顎から先に外す。

2 毎食後に洗う。

3 スポンジブラシで洗う。

4 熱湯につけてから洗う

5 乾燥させて保管する。

解答

1×通常は下の顎の入れ歯から外す。入れるときは通常は上の顎の入れ歯から入れる

2〇

3×スポンジブラシは口腔内の粘膜を清拭するための器具

4×熱で変形するおそれ

5×割れやすくなる

 

問題 85 Hさん (82, 男性, 要介護2) , 一人暮らしで、 週1, 訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。 訪問時に、 「足の爪が伸びているので、切って「ほしい」と依頼された。 爪を切ろうとしたところ, 両足とも親指の爪が伸びて両端が皮膚に食い込んで赤くなっていて, 触ると熱感があった。親指の状態を確認した訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 親指に絆創膏を巻く。

2 Hさんの家にある軟膏を親指に塗る。

3 蒸しタオルで爪を軟らかくしてから切る。

4 爪が伸びている部分に爪やすりをかける。

5爪は切らずに, 親指の状態をサービス提供責任者に報告する。

解答

1×訪問介護員が処置することは不適切

2×訪問介護員は独断で軟膏を塗ってはいけない

3×爪に異常がある場合介護員が爪を切るのは不適切

4×爪に異常がある場合介護員が爪やすりをかけるのは不適切

5〇

 

問題 86 左片麻痺の利用者が、 前開きの上着をベッド上で臥床したまま交換するときの介護の基本に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護福祉職は利用者の左側に立つ。

2 新しい上着は利用者の右側に置く。

3 脱ぐときは,着ている上着の左上肢の肩口を広げておく。

4 左側の袖を脱ぎ脱いだ上着は丸めて, からだの下に入れる。

5 利用者を左側臥位にし、 脱いだ上着を引き出す。

解答

1×介護福祉職は健側である利用者の右側にたつ

2×

3〇上着の左上肢の肩口を広げていくと、着替えしやすい状態となる

4×

5×左片麻痺の利用者の場合、右側臥位にし、脱いだ上着を引き出す

 

問題 87 利用者が食事中にむせ込んだときの介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 上を向いてもらう。

2 お茶を飲んでもらう。

3 深呼吸をしてもらう。

4 口の中のものを飲み込んでもらう。

5 しっかりと咳を続けてもらう。

解答

1×誤嚥をまねくことがある

2×誤嚥をまねくことがある

3×誤嚥をまねくことがある

4×誤嚥をまねくことがある

5〇気管に入った異物を咳をしてしっかり出すことが大事

 

問題 88 テーブルで食事の介護を行うときの留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 車いすで食事をするときは、 足をフットサポートから下ろして床につける。

2 片麻痺があるときは,患側の上肢を膝の上にのせる。

3 スプーンを使うときは,下顎を上げた姿勢にして食べ物を口に入れる。

4 利用者に声をかけるときは, 食べ物を口に入れてから行う。

5 食事をしているときは, 大きな音でテレビをつけておく。

解答

1〇足をフットサポートから下ろして床につけることで姿勢が安定する

2×

3×誤嚥の危険性

4×誤嚥の危険性

5×食事に集中できるようテレビを消しておく

 

問題 89 逆流性食道炎 (reflux esophagitis) の症状がある利用者への助言として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 脂肪を多く含む食品を食べるように勧める。

2 酸味の強い果物を食べるように勧める。

3 1日の食事は回数を分けて少量ずつ食べるように勧める。

4 食事のときは,腹圧をかけるような前かがみの姿勢をとるように勧める。

5 食後すぐに仰臥位 (背臥位) をとるように勧める。

解答

1×脂肪分が多いと消化に悪く逆流性食道炎になりやすくなる

2×胃酸を増やすことになり不適切

3〇

4×この姿勢だと胃を圧迫し胃液が逆流しやすくなる

5×食後すぐの仰臥位は胃酸が逆流しやすくなる

 

問題 90 ベッド上で臥床している利用者の洗髪の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者のからだ全体をベッドの端に移動する。

2 利用者の両下肢は、まっすぐに伸ばした状態にする。

3 洗うときは,頭頂部から生え際に向かって洗う。

4 シャンプー後は, タオルで泡を拭き取ってからすすぐ

5 ドライヤーの温風は、頭皮に直接当たるようにする。

解答

1×ベッドの中央に移動

2×

3×

4〇シャンプー後は, タオルで泡を拭き取ってからすすぐことで効率性がよくなる

5×ドライヤーの温風はを頭皮に直接当てると火傷の危険性がある

 

問題 91 目の周囲の清拭の方法を図に示す。矢印は拭く方向を表している。次のAEのうち基本的な清拭の方法として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 A

2 B

3 C

4 D

5 E

解答

1〇目元から目尻へと清拭が原則。このほうが目元の汚染が防げる

2×

3×

4×

5×

 

問題 92 J さん (85,女性, 要介護2) , アルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) である。 時間をかければ一人で洗身、洗髪もできるが,ズボンの上に下着を着る行為がみられたため、 訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。

Jさんの入浴時における訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 脱いだ衣服は,着る衣服の隣に並べて置く。

2 洗身と洗髪は訪問介護員(ホームヘルパー)が行う。

3 入浴中の利用者に声をかけることは控える。

4 衣服の着る順番に応じて声をかける。

5 ズボンの着脱は訪問介護員(ホームヘルパー)が行う。

解答

1×着衣失行があるので脱いだ衣服を着る衣服の隣に並べて置いても意味がない

2×「時間をかければ一人で洗身、洗髪もできる」とあるのでJ さんにやってもらう

3×入浴中の声かけは必要

4〇

5×着脱はJ さん自身ができるので訪問介護員(ホームヘルパー)の関与は不要

 

問題 93 胃結腸反射を利用して、 生理的排便を促すための介護福祉職の支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 歩行を促す。

2 起床後に冷水を飲んでもらう。

3 腹部のマッサージをする

4 便座に誘導する。

5 離床する時間を増やす。

解答

1×

2〇胃結腸反射は睡眠の後の朝食後に起こる。 まず朝起き抜けに水をコップ2杯ぐらい飲んで水分を補給し胃を刺激することで排便が促される

3×

4×

5×

参考 胃結腸反射とは→食べ物が胃の中に入り、胃が膨らむと、胃から大腸に信号が送られ、信号を受けた大腸が反射的に収縮し、便を直腸に送り出そうする動き

 

問題 94 利用者の便失禁を改善するための介護福祉職の対応として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 トイレの場所がわからない認知症 (dementia) の人には, ポータブルトイレを設置する。

2 移動に時間がかかる人には,おむつを使用する。

3便意がはっきりしない人には, 朝食後に時間を決めてトイレへ誘導する。

4 下剤を内服している人には、下剤の内服を中止する。

5 便失禁の回数が多い人には, 食事の提供量を減らす。

解答

1×

2×

3〇便意がはっきりしない人には時間を決めトイレ・ポータブルトイレ誘導を行なうと便失禁の改善につながる

4×

5×

 

問題 95 女性利用者のおむつ交換をするときに行う陰部洗浄の基本に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 湯温は, 介護福祉職の手のひらで確認する。

2 おむつを交換するたびに, 石鹸を使って洗う。

3 タオルで汚れをこすり取るように洗う。

4 尿道口から洗い, 最後に肛門部を洗う

5 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。

解答

1×

2×

3×

4〇女性の場合は、尿路感染や膣炎を予防するため、拭いたり洗ったりする場合は必ず尿道口から洗い, 最後に肛門部を洗う

5×

 

問題 97 ノロウイルス (Norovirus) による感染症の予防のための介護福祉職の対応として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食品は,中心部温度 50℃1分間加熱する。

2 嘔吐物は、乾燥後に処理をする。

3 マスクと手袋を着用して, 嘔吐物を処理する。

4 手すりの消毒は,エタノール消毒液を使用する。

5 嘔吐物のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。

解答

1×食中毒の対応としてのこの処置は不適切

2×すぐに処理することが原則

3〇

4×ノロウイルスに対する消毒は塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)が有効

5×次亜塩素酸ナトリウムに浸すこと

 

問題 98 弱視で物の区別がつきにくい人の調理と買い物の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 買い物は,ガイドヘルバーに任せるように勧める。

2.財布は, 貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。

3 包丁は, 調理台の手前に置くように勧める。

4 まな板は、食材と同じ色にするように勧める。

5 よく使う調理器具は、いつも同じ場所に収納するように勧める。

解答

1×ガイドヘルパーに任せてしまっては利用者の自己決定を損ねてしまう。ガイドヘルパーに商品を手に取ってもらい確認してもらうなどの援助が必要

2×貨幣と紙幣を別々に収納できるタイプのほうが弱視者は使用しやすい

3×調理台の手前に置くと見分けがつきにくい

4×同色だと食材を誤認するおそれがある

5〇

 

問題 99 次の記述のうち, 関節リウマチ (rheumatoid arthritis) のある人が少な負担で家事をするための介護福祉職の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 部屋の掃除をするときは、 早朝に行うように勧める。

2 食器を洗うときは、水を使うように勧める。

3 テーブルを拭くときは、 手掌基部を使うように勧める。

4 瓶のふたを開けるときは, 指先を使うように勧める。

5 洗濯かごを運ぶときは、片手で持つように勧める。

解答

1×関節リウマチは朝にこわばりが出やすいので朝の掃除は勧めない

2×冷たい水は関節リウマチを悪化させる可能性あり

3〇

4×指先などは使いずらいので蓋を開ける便利グッズなどを勧める

5×片手で持つことは握力の低下などの症状があるので不適切

 

問題 100 睡眠の環境を整える介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 マットレスは、腰が深く沈む柔らかさのものにする。

2 枕は,頸部が前屈する高さにする。

3 寝床内の温度を20℃に調整する。

4 臭気がこもらないように、 寝室の換気をする。

5 睡眠状態を観察できるように,寝室のドアは開けておく。

解答

1×腰が深く沈む柔らかいと寝返りがスムーズに行われないので寝心地が悪い

2×頸部が前屈する高さであると気道が狭くなりいびきなどの原因となる

3×32〜34度

4〇

5×プライバシーを尊重するためドアは閉めておく

 

問題 101 利用者の入眠に向けた介護福祉職の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「足をお湯につけて温めてから寝ましょう」

2 「寝室の照明を,昼光色の蛍光灯に変えましょう」

3 「布団に入ってから、 短く浅い呼吸を繰り返しましょう」

4 「入眠への習慣は控えましょう」

5 「寝る前に、汗をかく運動をしましょう」

解答

1〇

2×「昼光色」「昼白色」は、昼間の太陽に似ている色合いで、脳を活性化するという特徴があり就寝時リラックスできない

3×深くゆっくりした呼吸が望ましい

4×安眠できる習慣はむしろ勧める

5×寝る前の激しい運動は睡眠の妨げとなる

 

問題 102 終末期で終日臥床している利用者に対する介護福祉職の対応として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入浴時は,肩までお湯につかるように勧める。

2 息苦しさを訴えたときは, 半座位にする。

3 終日、窓を閉めたままにする。

4 会話をしないように勧める。

5 排便時は,息を止めて腹に力を入れるように勧める。

解答

×肩までお湯につかると水圧で体に負担がかかる

2〇

3×窓を閉めたままだと換気不足

4×最後のぎりぎりまで会話を楽しめるよう配慮する

5×終末期は全身が衰弱しているので適切な緩下薬を投与する。摘便や浣腸も必要に応じて行い、便秘が続かないよう調整する。

 

問題 103 介護老人福祉施設に入所している利用者の看取りにおける, 介護福祉職による家族への支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の介護は、介護福祉職が最期まで行い、 家族には控えてもらう。

2 利用者の反応がないときには,声をかけることを控えるように伝える。

3 利用者の死後は、毎日電話をして, 家族の状況を確認する。

4 利用者の死後は、気分を切り替えるように家族を励ます。

5 家族が悔いが残ると言ったときは、話を聴く。

解答

1×介護福祉職だけが最期まで行うのではなく家族と共に協力しながら行うのが望ましい

2×人間の聴覚は最期まで機能しているといわれているので声かけは必要

3×利用者様が亡くなることで精神的なストレスを家族は受けているので毎日の電話は控えたほうがいい

4×

5〇

 

問題 104 利用者の障害特性に適した福祉用具の選択に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 言語機能障害の利用者には,ストッキングエイドの使用を勧める。

2 全盲の利用者には, 音声ガイド付き電磁調理器の使用を勧める。

3 聴覚障害の利用者には, 床置き式手すりの使用を勧める。

4 右片麻痺の利用者には, 交互型歩行器の使用を勧める

5 肘関節拘縮の利用者には, 座位時に体圧分散クッションの使用を勧める

解答

1×ストッキングエイド(ソックスエイドともいう)これは 自助具のひとつで、股関節疾患や膝関節疾患などが原因で脚を曲げられず手がつま先まで届きにくい人が、自分で靴下を履くために用いるもの。従って言語機能障害の利用者には必要ない

2〇

3×床置き式手すりはベッドや布団からの起き上がり(離床)時などの助けに使うもの。従って聴覚障害の利用者には使用しない

4×交互型歩行器は左右のフレームが個々に動かせる歩行器。 歩くときは、左右交互に歩行器を動かして進む。右片麻痺の利用者よりも四肢の筋力低下の方に向いている

5×体圧分散クッションは体圧をうまく分散してくれるものであり肘関節拘縮の利用者に使用するものではない

 

問題 105 福祉用具等を安全に使用するための方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 車いすをたたむときは, ブレーキをかけてから行う。

2 入浴用介助ベルトは、 利用者の腰部を真上に持ち上げて使用する。

3 差し込み便器は、 端座位で使用する。

4 移動用リフトで吊り上げるときは,利用者のからだから手を離して行う。

5 簡易スロープは、 埋め込み工事をして使用する。

解答

1〇ブレーキをかけないと倒れたりする危険性

2×入浴用介助ベルトは 入浴の際の起立時や、移乗の介助負担を軽減させるベルト

3×差し込み便器はベッドなどでお尻の下に置いて使う便器

4×不安定なので吊り上げるときは体から手を離さない

5×簡易スロープは段差に置いてそれを傾斜面に変えるもの。臨機応変的に使うものであり埋め込み工事などはしない

 

介護過程 106-113

問題 106 介護過程を展開する目的として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 業務効率を優先する。

2 医師と連携する。

3 ケアプランを作成する。

4 画一的な介護を実現する。

5 根拠のある介護を実践する。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇介護過程の展開は利用者が望む生活を実現するために取り組む、科学的思考と実践のプロセスのことであり、介護実践の根拠となるものです。利用者が望む生活を実現することでQOL(生活の質)を向上させることを目的としています。

 

問題 107 次のうち, 介護過程を展開した結果を評価する項目として, 最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 実施に要した日数

2 情報収集に要した時間

3 評価に要した時間

4 介護福祉職チームの満足度

5 短期目標の達成度

解答

1×

2×

3×

4×

5〇短期目標は、長期目標を達成するために段階的に目指す目標をいう。長期目標の達成までに、短期目標をいくつか用意し、短期目標をすべてクリアすると最終的に長期目標も達成できるような形なので介護過程を展開した結果を評価するには まずは短期目標の達成度が優先されることになる

 

問題 108 次の記述のうち、居宅サービス計画と訪問介護計画の関係として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 訪問介護計画を根拠に、居宅サービス計画を作成する。

2 居宅サービス計画の目標が変更されても、訪問介護計画は見直しをせず継続する。

3 居宅サービス計画と同じ内容を, 訪問介護計画に転記する。

4 居宅サービス計画の方針に沿って、 訪問介護計画を作成する。

5 訪問介護計画の終了後に, 居宅サービス計画を作成する。

解答

1×

2×

3×

4〇下記参照

5×

参考

居宅サービス計画書(ケアプラン)→介護保険の被保険者が要介護認定を受けたのち、介護保険サービスのうちの主に居宅サービスを利用する際に必要な書類。

訪問介護計画書→訪問介護サービスの提供に当たって、サービス提供責任者が作成する書類。ケアプランの内容(利用者の日常生活全般のや希望など)に沿って、サービスを提供するうえでの目標や、それを達成するための具体的なサービスの内容や手順、提供方法などを記載する。

 

次の事例を読んで、 問題 109, 問題110について答えなさい。

〔事例〕

Lさん (76歳 女性, 要介護1) , 自宅で娘と暮らしている。 軽度の認知症(dementia) と診断されたが,身体機能に問題はなく, 友人との外出を楽しんでいる。ある日、外食の後、自宅近くで保護されたとき、 「ここはどこなの」と言った。 その後,自宅から出ようとしなくなった。 心配した娘が本人と相談して, 小規模多機能型居宅介護を利用することになった。利用開始時に, Lさんの短期目標を, 「外出を楽しめる」と設定した。 2週間が過ぎた頃,Lさんから、近くのスーパーへの買い物ツアーに参加したいと申し出があった。当日、他の利用者や介護福祉職と笑顔で買い物をする様子が見られた。 買い物が終わり 歩いて戻り始めると, 笑顔が消え、 急に立ち止まった。

介護福祉職が声をかけると, 「ここはどこなの。 どこに行くの」 と不安そうに言った。

 

問題 109 Lさんが急に立ち止まった行動の解釈として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 買い物ツアー時間の延長の要求

2 自分のいる場所がわからない不安

3 休憩したいという訴え

4 店での介護福祉職の支援に対する不満

5 一人で帰りたいという訴え

解答

1×

2〇「ここはどこなの。 どこに行くの」 と不安そうに言った。とあるので自分のいる場所がわからない不安

3×

4×

5×

 

問題 110 Lさんの状況から、短期目標と支援内容を見直すためのカンファレンス(conference) が開かれた。

担当する介護福祉職の提案として,最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 外出先から帰れなくなる不安への対応が必要である。

2 表情がかたくなったときは帰り道を変更する。

3 外出する意欲を持つ必要がある。

4 歩くために身体機能の改善が必要である。

5 事業所をなじみの生活空間にする。

解答

1〇外出先から帰れなくなる不安への対応が最も優先される

2×帰り道を変更しても問題は解決しない

3×「買い物ツアーに参加したいと申し出があった」との記述から外出する意欲はあるので間違い

4×「軽度の認知症(dementia) と診断されたが,身体機能に問題はなく」との記述から身体機能の改善は必要ない

5×事業所以外のところで問題がおきているので間違い

 

次の事例を読んで,問題 111, 問題112 について答えなさい。

〔事例〕

Mさん (35,男性, 障害支援区分5) ,脳性麻痺 (cerebral palsy) による四肢麻痺で筋緊張がある。 日常生活動作は全般に介護が必要であり、 電動車いすを使用している。これまで、本人と母親(70)の希望で、 自宅で二人暮らしを続けてきた。Mさんは3年前から, 重度訪問介護を利用している。 軽度の知的障害があるが, 自分の意思を介護者と母親に伝えることができる。 相談支援専門員が作成したサービス等利用計画の総合目標は、「やりたいことに挑戦し,生活を充実させる」 となっている。Mさん自身もやりたいことを見つけたいと介護福祉職に話していたことから、次の個別支援会議で検討する予定になっていた。ある日、重度訪問介護の利用時, パラリンピックのテレビ中継を見ていたMさんが,介護福祉職に, 「ボール投げるの, おもしろそう」と話した。

 

問題 111 次のうち,Mさんの発言から、個別支援計画を立案するために, 介護福祉職が把握すべき情報として, 最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 競技で使われるボールの種類

2話を聞いた介護福祉職の感想

3 競技に対するMさんの意向

4 母親のパラリンピックへの関心

5 テレビ中継を見ていた時間

解答

1×

2×介護福祉職の感想よりも,Mさんの意向などが優先

3〇

4×母親のパラリンピックへの関心よりも、当事者,Mさんのパラリンピックへの関心

5×テレビ中継を見ていた時間に何の意味もない

 

問題 112 いくつかのスポーツクラブを見学後, 介護福祉職はMさんから,「このスポーツクラブが近いから、入会前に体験したい」 と伝えられた。

Mさんへの介護福祉職の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 筋緊張から回復する訓練を行うように伝える。

2 母親が決めたスポーツクラブを選ぶように勧める

3 スポーツクラブにすぐに入会するように勧める。

4 意思決定に必要な情報を提供する。

5 相談支援専門員の許可を得るように勧める。

解答

1×

2×本人に決めてもらう

3×入会前に体験したいとあるので不適切

4〇優先すべきは本人の意向なので意思決定に必要な情報を提供する

5×相談支援専門員の許可は不必要

 

問題 113 介護福祉職が事例研究を行う目的として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 事業所の介護の理念の確認

2 介護福祉職の能力を調べること

3 介護過程から介護実践を振り返ること

4 介護報酬の獲得

5 介護福祉職自身の満足度の充足

解答

1×

2×

3〇事例研究の目的は介護過程から介護実践を振り返ることである

4×

5×

 

総合問題 114-123

( 総合問題1)

次の事例を読んで、 問題 114 から問題116までについて答えなさい。

〔事例〕

Aさん (80歳 女性), 自宅で一人暮らしをしている。 同じ県内に住む娘が, 月に一度Aさんの自宅を訪れている。最近,Aさんの物忘れが多くなってきたため、不安になった娘が, Aさんと一緒に病院を受診したところ、医師から, 脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症 (dementia of the Alzheimer's type) であると診断された。Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し、 介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。ある日、娘からサービス提供責任者に,今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。 そこで、サービス提供責任者が, Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、 近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。

 

問題 114 図は脳を模式的に示したものである。

Aさんの脳に萎縮が顕著にみられる部位として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 A

2 B

3 C

4 D

5 E

解答

1×

2×

3×

4〇海馬。アルツハイマー型認知症とは,脳の神経細胞が次第に衰えて死んで減少してしまい、脳全体が萎縮(小さくなること)してしまう疾患である。特に記憶に重要な“海馬”という部位が早期に障害される。

5×

 

問題 115 地域包括ケアシステムにおいて, Aさんの雪かきの課題への対応を示すものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自助

2 互助

3 介助

4 扶助

5 公助

解答

1×自助とは他人の力を借りることなく、自分の力で切り抜けること。

2〇Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、 近所の人たちが雪かきをしてくれることになった→互助とは家族・友人・近隣住民など、個人的な関係性を持つ人間同士が助け合い、それぞれが抱える生活課題をお互いが解決し合う力のこと

3×介助とは日常生活を支援する行為そのもの

4×扶助とは力添えをして助けること

5×公助とは公的な支援のこと

 

問題 116 ある日, 訪問介護員(ホームヘルパー)Aさんの自宅を訪れ, 一包化された薬の服薬状況を確認したところ, 残薬があった。 Aさんに服薬状況を確認すると,薬を飲んだかどうかわからなくなることがあるという返答があった。 訪問介護員(ホームヘルパー) , Aさんとの会話から, 日時に関する見当識に問題はないことを確認した。Aさんの薬の飲み忘れを防止するための対応として最も適切なものを1つ選びなさい。

1 一包化を中止する。

2 インフォーマルな社会資源の活用は避ける。

3 お薬カレンダーの使用を提案する。

4 一人では薬を服用しないように伝える。

5 薬の飲み忘れに気がついたとき, 2回分を服用するように伝える。

解答

1×

2×

3〇薬を入れるタイプのポケットカレンダーなどは、飲み忘れの防止に役立つ

4×

5×

 

( 総合問題2)

次の事例を読んで,問題 117 から問題119 までについて答えなさい。

〔事例〕

Bさん (75,男性, 要介護3), 1年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し,右片麻痺がある。 自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し, 外出時は車いすを使用していた。 うまく話すことができないこともあるが,他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて, 介護保険サービスを利用しながら,一人で暮らしていた。 数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり, 在宅生活が難しくなったため、 1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。入所時の面談でBさんは、 自分の力で歩きたいという意思を示した。 U介護老人福祉施設では, C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。 C介護福祉士は, カンファレンス (conference) での意見に基づいて、Bさんが, 四点杖を使用して、 安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。

 

問題 117 入所から2か月が経過した。 C介護福祉士は, Bさんの四点杖歩行の様子を観察したところ, 左立脚相と比べて、 右立脚相が短いことが気になった。Bさんの短期目標を達成するために, 理学療法士と相談して、転倒予防の観点から, 見守り歩行をするときの介護福祉職の位置について、改めて周知することにした。

Bさんの四点杖歩行を見守るときに介護福祉職が立つ位置として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Bさんの右側前方

2 Bさんの右側後方

3 Bさんの真後ろ

4 Bさんの左側前方

5 Bさんの左側後方

解答

1×転倒防止の観点から本人の後方が原則

2〇

3×右麻痺なので真後ろは不適切

4×転倒防止の観点から本人の後方が原則

5×麻痺のある右側後方が原則なので不適切

 

問題 118 C介護福祉士がBさんとコミュニケーションをとるための方法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 補聴器を使用する。

2 五十音表を使用する。

3 手話を使う。

4 大きな声で話しかける。

5 「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。

解答

1×他者の話を聞き取って理解することは、問題なくとあるので補聴器使用は不適切

2×

3×

4×声は聞き取れる状態なので大きな声は不必要

5〇うまく話すことができないこともあるが,他者の話を聞き取って理解することは、問題なくとあるので「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる

 

( 総合問題3)

次の事例を読んで,問題 120 から問題 122 までについて答えなさい。

〔事例〕

Dさん (38歳 男性, 障害支援区分3) , 1年前に脳梗塞 (cerebral infarction) をひだりかたまひ発症し左片麻痺となった。 後遺症として左同名半盲, 失行もみられる。 現在は週3,居宅介護を利用しながら妻と二人で生活している。ある日、上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると,「どうすればよいかわからない」と答えた。 普段は妻がDさんの着替えを手伝っている。食事はスプーンを使用して自分で食べるが, 左側にある食べ物を残すことがある。 Dさんは、「左側が見づらい。 動いているものにもすぐに反応ができない」と話した。最近は, 日常生活の中で、 少しずつできることが増えてきた。 Dさんは、 「人と交流する機会を増やしたい。 また、簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と介護福祉職に相談した。

 

問題 119 入所から3か月後, C介護福祉士は, Bさんの四点杖歩行が安定してきたことを確認して介護計画を見直すことにした。

C介護福祉士がBさんに、今後の生活について確認したところ、 居室から食堂まで, 四点杖で一人で歩けるようになりたいと思っていることがわかった。

Bさんの現在の希望に沿って介護計画を見直すときに, 最も優先すべきものを 1つ選びなさい。

1 生活場面の中で歩行する機会を増やす。

2 評価日は設定しない。

3 ほかの利用者と一緒に実施できる内容にする。

4 他者との交流を目標にする。

5 歩行練習を行う時間は, 出勤している職員が決めるようにする。

解答

1〇「居室から食堂まで, 四点杖で一人で歩けるようになりたいと思っている」という希望があるので、それにのっとり介護計画を見直す

2×

3×

4×

5×Bさん本人の意見をまず尊重する

 

問題 120 Dさんにみられた失行として, 適切なものを1つ選びなさい。

1 構成失行

2 観念失行

3 着衣失行

4 顔面失行

5 観念運動失行

解答

1×眼で捉えた形から空間を把握できない失行を構成失行。従って該当しない

2×行為の全体的な概念を理解していない、課題の考えを保持できない、または必要な運動パターンを形成できないために、目的のある運動行為を自動的または指示によって行うことができないこと

3〇上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると,「どうすればよいかわからない」と答えた。とあるので着衣失行

×口を開けたり、舌を出したりする動作が意識的にできなくなること

5×一口で言うと,パントマイムの失行は,サヨナラなど身振り,道具使用の身振りができなくなる症候

 

問題 121 Dさんへの食事の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食事の量を少なくする。

2 テーブルを高くする。

3 スプーンを持つ手を介助する。

4 バネつき箸に替える。

5 食事を本人から見て右寄りに配膳する。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇脳梗塞で左片麻痺となり、後遺症として「左同名性半盲」つまり、まっすぐ前を見つめていると,左半分の視野が見えない状態になった。したがって、食事を本人から見て右寄りに配膳する。というのが正解

 

問題 122 介護福祉職は, Dさんに生産活動ができるサービスの利用を提案したいと考えている。

次のうち、Dさんの発言内容に合う障害福祉サービスとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 就労継続支援A型での活動

2 地域活動支援センターの利用

3 療養介護

4 就労定着支援

5 相談支援事業の利用

解答

1×カフェやレストランなど一般的な労働が中心となる機関なので不正解

2〇創作、生産活動、地域交流など、地域生活を支える多様なサービスを行っているのでこれが正解

3×生産活動ができるサービスはなし

4×障害者が就労先の労働環境や業務内容に順応し、長く働き続けられるように支援することが目的であるので間違い

5×障害者や保護者などの相談に対応したり、必要な情報を提供したり、福祉サービスの利用をサポートしたり、権利擁護のための必要な援助をしたりする事業

 

(総合問題4 )

次の事例を読んで、 問題 123 から問題 125までについて答えなさい。

〔事例〕

Eさん (35,男性)は、自閉症スペクトラム障害 (autism spectrum disorder) があり V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは, 毎日のスケジュールを決め, 規則や時間を守ってプログラムに参加しているが、 周りの人や物事に関心が向かず, 予定外の行動や集団行動はとりづらい。 コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。Eさんが利用する V障害者支援施設では、 就労継続支援事業も行っている。 災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため, 施設として防災対策に力を入れている。 また, 通所している利用者も多いので, V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。

 

問題 123 Eさんのストレングス (strength) に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 行動力があり、 すぐに動く。

2 自分で決めたことを継続する。

3 新しいことを思いつく。

4 コミュニケーション力が高い。

5 いろいろなことに興味がもてる。

解答

1×

2〇「Eさんは, 毎日のスケジュールを決め, 規則や時間を守ってプログラムに参加している」とあるので これが正解

3×「予定外の行動はとりにくい」とあるので新しいことを思いつくは間違い

4×「コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。」とあるのでコミュニケーション力は低い

5×「周りの人や物事に関心が向かず」とあるのでいろいろなことに興味がもてるわけではない

 

問題 124 V障害者支援施設では定期的に災害に備えた避難訓練を行っている。Eさんの特性を考慮して実施する避難訓練に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 災害時に使用する意思伝達のイラストを用意する。

2 避難生活を想定して、食事等の日課を集団で行えるようにする。

3 予告せずに避難訓練を行う。

4 Eさんの避難訓練は単独で行う。

5 避難を援助する人によってEさんへの対応を変える。

解答

1〇「コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。」とあるのでこれが正解となる

2×

3×

4×

5×

 

問題 125 V障害者支援施設が, 災害発生に備えて取り組む活動として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 事前に受け入れ対象者を確認しておく。

2 災害派遣医療チーム (DMAT) と支援人員確保契約を結ぶ。

3 職員の役割分担は、状況に応じてその場で決める。

4 要配慮者のサービス等利用計画を作成する。

5 要配慮者に自分で避難するように促す。

解答

1〇通所している利用者も多いことから、事前の受け入れ対象者の把握は必要となる

2×災害派遣医療チーム (DMAT)は大規模災害や多数傷病者が発生した事故などの現場で活動を行うもので支援人員確保契約を結ぶことはない

3×あらかじめ職員の役割分担は決めておくこと

4×

5×

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