第33回介護福祉士筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

 問題1 過去問あり(リッチモンド以外は介護福祉士テキスト等には出てこないがリッチモンドのケースワークの母というキーワード知っていれば解ける問題か)

人権や福祉の考え方に影響を与えた人物に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 リッチモンド(Richmond.M.)は「ソーシャル・ケース・ワークとは何か」をまとめ、現在の社会福祉、介護福祉に影響を及ぼした。

2 フロイト(Freud.S.)がまとめた「種の起源」の考え方は、後の「優性思想」につながった。

3 マルサス(Malthus.T.)は人間の無意識の研究を行って、「精神分析学入門」をまとめた。

4 ヘレンケラー(Keller.H.)は「看護覚え書」の中で「療養上の世話」を看護の役割として示した。

5 ダーウィン(Darwin.C.)は、「人口論」の中で貧困原因を個人の人格の問題とした。

解答

1〇リッチモンドはケースワークを体系化した人です。

2×フロイトといえば精神分析の研究者。種の起源は ダーウイン。

3×マルサスといえば人口論

4×ヘレンケラーはアメリカの社会福祉活動家で 見えない、聞こえない、話せない、の三重苦で有名です。「看護覚え書」はナイチンゲール。

5×ダーウィンは「種の起源」

参考:リッチモンドについてはケースワークを体系化した人として覚えて思いてもいいですが、その他については介護福祉士の試験の勉強としては覚えなくてもいいです。

 

問題2 過去に類似問題あり

自宅で生活しているAさん(87歳、男性、要介護3)は、7年前に脳梗塞で左片麻痺となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用していた。Aさんは食べることを楽しみにしていたが、最近、食事中にむせることが多くなり、誤嚥を繰り返していた誤嚥による緊急搬送の後、医師は妻に、「今後も自宅で生活を続けるならば胃ろうを勧める」と話した。妻は仕方がないと諦めていたが、別に暮らしている長男は胃ろうの造設について納得していなかった。長男は実家を訪れるたびに、Aさんの今後の生活をめぐって口論が繰り返されていた。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にどうしたらよいか相談した。

介護福祉職お職業倫理に基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「医療的なことについては発言できません」

2 「医師の判断なら、それに従うのが良いと思います」

3 「Aさん自身は、どのようにお考えなのでしょうか」

4 「息子さんの気持ちより、一緒に暮らす奥さんの気持ちが優先されますよ」

5 「息子さんと一緒に、医師の話を聞きに行ってみてください」

解答

1×

2×

3〇妻よりも、息子よりも、何より利用者ニーズを受け止め、そして代弁することが福祉職に求められます。

4×

5×

参考

日本介護福祉士会倫理綱領

1.利用者本位、自立支援

介護福祉士はすべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。

2.専門的サービスの提供

介護福祉士は、常に専門的知識・技術の研鑚に励むとともに、豊かな感性と的確な判断力 を培い、深い洞察力をもって専門的サービスの提供に努めます。

また、介護福祉士は、介護福 祉サービスの質的向上に努め、自己の実施した介護福祉サービスについては、常に専門職として の責任を負います。

3.プライバシーの保護

介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た個人の情報を守ります。

4.総合的サービスの提供と積極的な連携、協力

介護福祉士は、利用者に最適なサービスを総合的に提供していくため、福祉、医療、保健その他関連する業務に従事する者と積極的な連携を図り、協力して行動します。

5.利用者ニーズの代弁

介護福祉士は、暮らしを支える視点から利用者の真のニーズを受けとめ、それを代弁していくことも重要な役割であると確認したうえで、考え、行動します。

6.地域福祉の推進

介護福祉士は、地域において生じる介護問題を解決していくために、専門職として常に積極的な 態度で住民と接し、介護問題に対する深い理解が得られるよう努めるとともに、その介護力の強化に協力していきます。

7.後継者の育成

介護福祉士は、すべての人々が将来にわたり安心して質の高い介護を受ける権利を享受で きるよう、介護福祉士に関する教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぎます。

 

人間関係とコミュニケーション】(2問) 3〜4問題 【人間関係とコミュニケーション】、【コミュニケーション技術】は同一科目試験群です。

問題3 新出問題 →役割葛藤

人間関係における役割葛藤お例として、適切なものを1つ選びなさい。

1 就労継続支援B型の利用者が、生活支援員に期待に応えようとして作業態度をまねる。

2 家族介護者が、仕事と介護の両立への期待に応えられるかどうか悩む。

3 通所介護(デイサービス)の利用者が、レクリエーションを楽しんでいる利用者の役を演じる。

4 就労移行支援の利用者が、採用面接の模擬講習中にふざけて冗談を言ってしまう。

5 高齢者が、家事を行う家族に代わり、孫の遊び相手の役割を担う。

解答

1×

2〇下記参照

3×

4×

5×

参考 社会福祉士の過去問題に出題されたことがあります。介護福祉士試験としては難問かもしれません。次回の試験対策としては覚えなくてもいいと思います。

役割葛藤とは役割に対して葛藤することです。

役割葛藤を細かく分けると役割内葛藤と役割間葛藤があります。

役割内葛藤とは,一つの役割の中で葛藤すること。

例としては,子どもが,父親からスポーツに力を入れること,母親から学業に力を入れることをそれぞれ期待されて,葛藤することなどがあります。

役割間葛藤とは,複数の役割に対して葛藤すること。

例としては,

母親が仕事と子育ての役割の間で葛藤することなどがあります。

 

問題4 過去に類似問題あり

Bさん(80歳、男性)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら自宅で一人暮らしをしている。最近、自宅で転倒してから、一人で生活をしていくことに不安を持つこともある。訪問介護員(ホームヘルパー)がBさんに、「お一人での生活は大丈夫ですか。何か困っていることはありませんか」と尋ねたところ、Bさんは「大丈夫」と不安そうな表情で答えた。

Bさんが伝えようとしたメッセージに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 言語メッセージと同じ内容を非言語メッセージとして協調している。

2 言語で伝えた内容を非言語メッセージで補強している。

3 言語の代わりに非言語だけを用いてメッセージを伝えている。

4 言語メッセージと矛盾する内容を非言語メッセージで伝えている。

5 非言語メッセージを用いて言葉の流れを調整している。

解答

1×

2×

3×

4〇言語メッセージは「大丈夫」。非言語メッセージは「不安そうな表情」で「大丈夫ではない」という言語メッセージとは矛盾する非言語メッセージ。

5×

参考 言語メッセージとは、言葉で伝えるメッセージのことです。口から伝えることもできるし、文字として伝えることもできます。 一方、非言語メッセージとは、言語以外のメッセージのことで、例えば、身体・表情・視線・声の調子など。

 

【社会の理解】(12問) 5〜16問題

 問題5 過去に類似問題あり

家族の変容に関する2015年(平成27年)以降の動向として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 1世帯当たりの人数は、全国平均で3.5人を超えている。

2 核家族の中で「ひとり親と未婚の子」の世帯が増加している。

3 50歳時の未婚割合は、男性よりも女性のほうが高い。

4 65歳以上の人がいる世帯では、単独世帯が最も多い

5 結婚して20年以上お夫婦の離婚は、減少している。

(注)「50歳時の未婚割合」とは、4549歳の未婚率と5054歳の未婚率の平均であり、「生涯未婚率」とも呼ばれる。

解答

1×

2〇核家族世帯(夫婦のみ世帯、夫婦と子世帯、ひとり親と子世帯)の占める割合は一貫して増加しており、今後も増加を続けることが見込まれているので、この手の問題が今後でてもこの点を頭にいれておいてください。

3×

4×

5×

参考 今の日本の家族形態がどうなっているのかは、テキストや政府統計情報から学ぶことも一つですが、マスコミ情報から得られることも多々あります。普段から時事問題等について関心を持つことで、問題を解きやすくなるかと思います。

 

問題6 過去に類似問題あり。

次のうち、セルフヘルプグループ(self-help group)に該当するもとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 町内会

2 学生自治会

3 患者会

4 専門職団体

5 ボランティア団体

解答

1×

2×

3〇セルフヘルプグループとは、なんらかの障害・困難や問題、悩みを抱えた人が同様な問題を抱えている個人や家族と共に当事者同士の自発的なつながりで結びついた集団のことをいいます。 その問題の専門家の手にグループの運営を委ねず、あくまで当事者たちが独立しているというのが特徴的です。この問題では、患者会が最も適切。

4×

5×

 

問題7 過去に類似問題あり

次のうち、福祉三法に続いて制定され、福祉六法に含まれるようになった法律として、正しいものを1つ選びなさい。

1 社会福祉法

2 地域保険法

3 介護保険法

4 老人福祉法

5 障害者基本法

解答

1×

2×

3×

4〇下記参照

5×

参考 福祉三法とは、

@1946年:生活保護法

A1947年:児童福祉法

B1949年:身体障害者福祉法

福祉六法とは、

C1960年:知的障害者福祉法

D1963年:老人福祉法

E1964年:母子及び父子並びに寡婦福祉法

上記の@〜BにC〜Eの3つを加えた法律を言います。

 

問題8 過去に類似問題あり 34回試験用の2017年資料についてはブログに掲載予定。

2017年度(平成29年度)の社会保障給付費に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 国の一般会計当初予算は、社会保障費を上回っている。

2 介護対策の給付費は、全体の30%を超えている。

3 年金関係の給付費は、全体の40%を超えている。

4 医療関係の給付費は、前年度より減少している。

5 福祉その他の給付費は、前年度より減少している。

解答

1×

2×

3〇

4×

5×

参考

 

問題9 過去に類似問題あり

介護保険法の保険者として、正しいものを1つ選びなさい。

1 社会保険診療報酬支払基金

2 市町村及び特別区

3 国民健康保険団体連合会

4 厚生労働省

5 日本年金機構

解答

1×

2〇介護保険の保険者とは、介護保険制度の運営を行っている全国の市町村および特別区(東京23区)のことです。 保険者は、その地域に住む40歳以上の方々を介護保険の加入者(被保険者)とし、納付を受けた保険料を財源として、被保険者に介護が必要になったとき介護サービスを行うなど、介護保険制度を運営しています。

3×

4×

5×

 

問題10 過去に類似問題あり

介護保険制度の利用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 要介護認定は、介護保険被保険者証の交付の前に行う。

2 要介護認定には、主治医の意見書は不要である。

3 要介護認定に審査・判定は、市町村の委託を受けた医療機関が行う。

4 居宅サービス計画の作成は、原則として要介護認定の後に行う。

5 要介護者の施設サービス計画の作成は、地域包括支援センターが行う。

解答

1×介護保険被保険者証の交付の後に要介護認定

2×主治医意見書は必須

3×医療・保険・福祉の学識経験者で構成される介護認定審査会が判定

4〇

5×施設のケアマネが作成。地域包括支援センターは要支援認定を受けた高齢者に対する介護予防ケアプランの作成等を行います。

 

問題11 新出問題→認知症対応型共同生活介護計画

Cさん(75歳、男性、要支援2)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用して一人暮らしをしていた。最近脳梗塞(cerebral infarction)を起こして入院した。入院中に認知症(demential)と診断された。退院時の要介護度は2で、自宅での生活継続に不安があったため、Uグループホームに入居することになった。

Uグループホームの介護支援専門員(ケアマネージャー)が行うこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 訪問介護(ホームヘルプサービス)を継続して受けるために、Cさんを担当していた地域包括支援センターに連絡する。

2 Uグループホームに入居するときに、認知症対応型共同生活介護計画を作成する。

3 地域の居宅介護支援事業所に、Cさんのケアプランを作成するように依頼する。

4 認知症対応型共同生活介護計画の作成をするときに、認知症(demential)があるCさんへの説明と同意を省略する。

5 日中の活動を充実するために、地域の通所介護(デイサービス)の利用をケアプランに入れる。

(注)ここでいう「グループホーム」とは、「認知症対応型共同生活介護事業所」のことである。

解答

1×

2〇グループホームのケアマネが行う業務の中に認知症対応型共同生活介護計画の作成があります。この計画の中には通所介護の活用や、地域活動への参加、利用者の活動の確保などを盛り込み、Cさんの状況にともない、ニーズを考慮したサービスを提供することになります。

3×

4×

5×

 

問題12 過去に類似問題あり

ノーマライゼーション(normalization)を説明する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 福祉・保健・医療などのサービスを総合的に利用できるように計画すること。

2 家族、近隣、ボランティアなどによる支援ネットワークのこと。

3 利用者自身が問題を解決していく力を獲得してくこと。

4 障害があっても地域社会の一員として生活が送れるように条件整備をしていくこと。

5 利用者の心身の状態やニーズを把握すること。

解答

1×

2×

3×ストレングス→利用者がもっているプラス面の強みを獲得していくこと

4〇障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指すというのが理念です。

5×

 

問題13 過去に類似問題あり

Dさん(64歳、女性、障害支給区分4、身体障害者手帳2級)は、「障害者総合支援法」の居宅介護を利用して生活している。この居宅介護事業所は共生型サービスの対象となっている。

Dさんは65歳になった後のサービスについて心配になり、担当の居宅介護職員に、「65歳になっても今利用しているサービスは使えるのか」と尋ねてきた。

居宅介護事業所の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Dさんは障害者なので介護保険サービスを利用することはないと伝える。

2 障害者の場合は75歳になると介護保険サービスに移行すると伝える。

3 現在利用しているサービスを継続して利用することができると伝える。

4 継続して利用できるかどうか65歳になった後で検討すると伝える。

5 介護予防のための通所介護(デイサービス)を利用することになると伝える。

(注)「障害者総合支援法」とは「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

解答

1×障害者でも共生型サービスの対象施設であれば介護保険サービスは利用できます。

2×

3〇「共生型サービス」は、介護保険又は障害福祉のいずれかの指定を受けた事業所がもう一方の制度における指定を受けやすくする制度です。そのことからDさんには現在のサービスを継続できることを伝えます。

4×

5×

 

問題14 過去に類似問題あり

「障害者総合支援法」の障害者の定義に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 18歳以上の者である。

2 65歳未満の者である。

3 難病患者は除外されている。

4 発達障害者は除外されている。

5 精神作用物質による依存症の者は除外されている。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

解答

1〇下記参照

2×

3×

4×

5×

参考 障害者総合支援法における障害者の定義

第4条 この法律において「障害者」とは、身体障害者福祉法に規定する身体障害者、知的障害者福祉法にいう知的障害者のうち 18 歳以上である者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定する精神障害者(発達障害者支援法に規定する発達障害者を含み、知的障害者福祉法にいう知的障害者を除く。以下「精神障害者」という。)のうち 18 歳以上である者並びに治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣が定める程度である者であって 18 歳以上であるもの(注1)をいう。

2 この法律において「障害児」とは、児童福祉法第4条第2項に規定する障害児をいう。

 

問題15 過去に類似問題あり

「障害者総合支援法」のサービスを利用するための障害支援区分を判定する組織として、正しいものを1つ選びなさい。

1 身体障害者更生相談所

2 協議会

3 基幹相談支援センター

4 居宅介護事業所

5 市町村審査会

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇障害支援区分認定審査会とは、主に、障害者等の障害福祉サービスの必要性を明らかにするために、障害者等の心身の状態を総合的に示す指標である障害支援区分を審査判定する市町村の附属機関です。

 

問題16 過去に類似問題あり

「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 養護者及び要介護施設従事者が行う行為が対象である。

2 虐待の類型は、身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待の三つである。

3 虐待を発見した場合は、施設長に通報しなければならない。

4 立ち入り検査を行う場合は、警察官の同行が義務づけられている。

5 通報には、虐待の事実確認が必要である。

(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

解答

1〇「高齢者虐待防止法」の第2条で規定されています。「高齢者虐待とは、養護者による高齢者虐待及び養介護施設従事者等による高齢者虐待をいう」

2×虐待の種別

@身体的虐待

A介護・世話の放棄・放任(ネグレクト)

B心理的虐待

C性的虐待

D経済的虐待

3×市町村

4×義務付けはありません

5×事実確認不必要

 

【介護の基本】(10問) 17〜26問題

問題17 過去に類似問題あり 34回試験用の2017年資料についてはブログに掲載予定。

2016年(平成28年)国民生活基礎調査(厚生労働省)における、同居の主な介護者の悩みやストレスの原因として、最も多いものを1つ選びなさい。

1 家族の病気や介護

2 自分の病気や介護

3 家族との人間関係

4 収入・家計・借金等

5 自由にできる時間がない

解答

1〇

2×

3×

4×

5×

参考 このたぐいの問題では何年度の資料を参考にするか?ということかもしれません。国民生活基礎調査は過去にもけっこう出題されています。すでに2018年もでていますが、勉強する場合はなるべく最新の福祉に関するところを重点にするしかありませんね。

 

問題18  過去に類似問題あり

「価値のある社会的役割の獲得」目指すソーシャルロール・バロりゼーション(Social Role Valorozation)を提唱した人物として正しいものを1つ選びなさい。

1 バンクーミッケルセン(Bank-Nikkelsen.N.

2 ヴォルフェンスペルガー(Wolfenberger.W.

3 メイヤロフ(Mayerff.M.

4 キットウッド(Kitword.T.

5 ニィリエ(Nirje.B.

解答

1×ノーマライゼーションの生みの父

2〇アメリカ人ですが、ニィリエが広めたノーマライゼーションの概念を、アメリカで進化させた人物です。ソーシャルロール・バロりゼーション提唱した人物ですが、この問題は精神保健福祉士の試験に過去に出たことがあります。介護福祉士の問題としては今回限りでしょうから、無理して覚える必要はありません。

3×「ケアの本質:生きることの意味」の著書

4×「パーソン・センタード・ケア」の提唱者

5×「ノーマライゼーション」の育ての親

参考 ノーマライゼーションの生みの親→バンクーミッケルセン  ノーマライゼーションの育ての親→ニィリエ

これだけ覚えておけばいいでしょう。

 

問題19 過去に類似問題あり

ICF(International Classification of Functioning.Disability and Health:国際生活分類)における環境因子を表す記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症である。

2 糖尿病があるため服薬している。

3 医者嫌いである。

4 町内会の会長を務めてた。

5 娘が近隣に住み、毎日訪問してくれる。

解答

1×個人因子 個人因子には年齢、性別、生活歴、価値観、パーソナリティなどが含まれます。

2×個人因子 個人因子には年齢、性別、生活歴、価値観、パーソナリティなどが含まれます。

3×個人因子 個人因子には年齢、性別、生活歴、価値観、パーソナリティなどが含まれます。

4×個人因子 個人因子には年齢、性別、生活歴、価値観、パーソナリティなどが含まれます。

5〇環境因子 環境因子には物的環境、人的環境、社会的環境が含まれる。 

参考 この図の理解は必ず役にたちます。

 

問題20 新出問題→「見守り的援助」の定義

利用者の自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ごみの分別がわからない利用者だったので、その場でごみを分別した。

2 利用者の自宅の冷蔵庫の中が片づいていないので、整理整頓した。

3 トイレ誘導した利用者の尿パッドを、本人に配慮して無言で取り替えた。

4 服薬時に、薬を飲むように促して、そばで確認した。

5 利用者が居間でテレビを見ているそばで、洗濯ものを畳んだ。

解答

1×

2×

3×

4〇「見守り的援助」とは 単に「やってあげる」のではなく、利用者の自立を後押しする観点から安全に配慮しつつ寄り添って「共に行う」支援を指します。

5×

 

問題21

高齢者のリハビリテーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 機能訓練は、1回の量を少なくして複数回に分けて行う。

2 基本的な動作を行う訓練は、物理療法である。

3 関節障害のある人の筋力訓練は、関節を積極的に動かすことが効果的である。

4 パーキンソン病(Parkinson desease)の人の訓練では、体幹をひねることは避ける。

5 関節リウマチ(Rheumatioid arthritis)の人の訓練は、朝に行うことが効果的である。

解答

1〇

2×理学療法

3×関節障害があるのに積極的に動かすと逆効果

4×体幹のねじり運動はパーキンソン病の人には有効です。

5×朝に指の曲げ伸ばしの障害(こわばり)が起こるので朝の訓練は避けます。

参考 高齢者リハビリテーションでは、第一に寝たきりや要介護状態を予防する予防的リハビリテーション、第二に疾病の治療とともに早期に開始される急性期リハビリテーション、第三に急性期から機能回復を目指した回復期リハビリテーションへのスムーズな移行、第四に地域との連携が重要で、維持期リハビリテーションが必要となります。

 

問題22

施設利用者お多様な生活に配慮した介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 夜型の生活習慣がある人に、施設の就寝時間に合わせてもらった。

2 化粧を毎日していた人に、シーツが汚れるため、化粧をやめてもらった。

3 本に囲まれた生活をしてきた人に、散乱いている本を捨ててもらった。

4 自宅で畳に布団を敷いて寝ていた人に、ベッドで寝てもらった。

5 自宅で夜間に入浴をしていた人に、夕食後に入浴してもらった。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇

 

問題23

介護医療院に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入所できるのは要介護3以上である。

2 介護医療院の開設は市町村から許可を受けなければならない。

3 入所のためのレクリエーション行事を行うように努める

4 入所者一人当たりの床面積、は介護老人福祉施設と同じ基準である。

5 サービス管理責任者を1名以上置かなければならない。

解答

1×要介護者が対象となります。

2×都道府県知事の許可

3〇

4×床面積基準は異なる。

5×サービス管理責任者の配置規定なし

 

問題24 

Eさん(女性82歳、要介護1)は、夫(80歳)と二人暮らしである。膝の痛みはあるが、夫の介助があれば外出は可能である。最近 Eさん宅は、玄関、トイレ、浴室に手すりを設置している。Eさんは料理が趣味で、近所のスーパーで食材を自分で選び、購入し、食事の用意をしたいと思っている。こうした中、Eさん宅で介護支援専門員(ケアマネージャー)が関係職種を招集してサービス担当者会議を開くことになった。

Eさんの思いに沿ったサービスの提案として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の生活援助の利用

2 介護支援専門員(ケアマネージャー)の手配による配食サービスの利用

3 社会福祉協議会の生活支援員による日常生活自立支援事業の活用

4 福祉用具専門相談員の助言による四輪歩行車の利用

5 通所介護(デイサービス)の職員による入浴サービスの利用

解答

1×調理の生活援助は、調理食材の買い物から料理の下ごしらえ、利用者の好みの味付けに合わせ、栄養面を考えた料理作りや片付けまでを行うことです。「Eさんは料理が趣味で、近所のスーパーで食材を自分で選び、購入し、食事の用意をしたいと思っている」とあるので調理の生活援助はEさんの思いに沿ったサービスの提案としては不適当になります。

2×自力で食事の用意をしたいと思っているので配食サービス利用の提案は不要です。

3×日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うものです。Eさんについては判断能力について問題があるとの記述がないことから日常生活自立支援事業の活用は不要と思われます。

4Eさんは膝の痛みがある。料理が趣味で近所のスーパーで食材を選んで購入したいと思っているので、四輪歩行車があれば歩行の補助になるとともに買い物も可能となるのでEさんの思いに沿ったサービスとなる。

<img src= https://blog-imgs-139.fc2.com/t/e/c/tecchan/yonri29.jpg>

5×最近、浴室に手すりの設置をしているとあるので、入浴サービス利用までは不必要と思われます。

 

問題25

介護施設におけるプライパシーの保護として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ユニット型施設は個室化が推進されているため,各居室で食事をしてもらった。

2 個々の利用者の生活歴の情報を,ルールに従って介護職員間で共有した。

3 個人情報記録のファイルを,閲覧しやすいように机の上に置いたままにした。

4 着衣失行があるため,トイレのドアを開けたままで排泄の介護を行った。

5 家庭内の出来事や会話の内容は,情報に含まれないため記録しなかった。

解答

1×ユニットケアでは、ユニットごとに家庭的な雰囲気のなかでお食事が提供されます。

2〇

3×職員間で情報共有は必要だとしても、外部の人に情報が洩れるおそれがあるので情報管理の徹底は必要です。

4×プライバシー尊重や尊厳の保持は必要です。

5×家庭内の出来事や会話の内容は,介護上の情報に含まれます。

 

問題26

ハインリッヒ(Heinrich, H.)の法則に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 機能障害,能力カ障害,社会的不利という障害をとらえるための分類である。

2 人間の自己実現に向けた欲求を5つの階層で示したものである。

3 一つの重大事故の背景には, 多くの軽徴な事故とヒヤリハットが存在する。

4 患者が余命を知らされてから死を受容するまでの心理的プロセスである。

5 生活課題を抱えた人の支援をする上で必要な7つの原則である。

解答

1×

2×

3〇下記の参考を参照

4×

5×

参考 ハインリッヒの法則とは、「1件の重大な事故・災害の背後には、29件の軽微な事故・災害があり、その背景には300件の異常がある」という労働災害における経験則です。 

 

【コミュニケーション技術】8問 27〜34問

 問題27

介護福祉職が利用者と信頼関係を形成するためのコミュニケーション技術として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の意見に賛成できなくても同意する。

2「○○ちゃん」と親しみを込めてお互いを呼び合う。

3 介護福祉職からは質問をせずに受け身の姿勢で聞く。

4 介護福祉職の価値判断に従ってもらう。

5 介護福祉職自身の感情の動きも意識しながら関わる。

解答

1×「同意」するのではなく「共感」することが大切です。「同意」とはただ相手が言ったことを支持することで、「共感」とは、自分の立ち位置を明確にし、相手の感情を理解して受け止めることです。

2×「ちゃん」づけは失礼です。基本的には名字に「さん」、あるいは名前に「さん」を。

3×コミュニケーションがより円滑になるよう質問することも必要になってきます。

4×介護福祉職の価値感の押しつけは不適当

5〇

 

次の事例を読んで,問題 28, 問題29 について答えなさい。

(事 例)

Fさん(85,女性),中等度の認知症(dementia) がある。同居していた娘の支援を受けて生活してきたが、症状が進行してきたために,介護老人福祉施設への入所が決まった。入所当日,介護福祉職はFさんの付き添いで来た娘に初めて会った。介護福祉戦が「はじめまして。よろしくお願いします」と挨拶をすると,娘は少し緊張した様子で、「お願いします」とだけ答えた。娘は,介護福祉職の問いかけに応えるまで時間がかかり,また,あまり多くを語ることはなかった。持参した荷物の整理を終えて帰宅するとき, 娘が寂しそうに, 「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた。

 

問題28

初対面の娘と関係を構築するために介護福祉職がとる対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 友人のような口調で話す。

2 相手のペースに合わせて, 表情を確認しながら話す。

3 会話が途切れないように積極的に話す。

4 密接距離を確保してから話す。

5 スキンシップを用いながら話す。

解答

1×

2〇相手のペースを合わせることで、心理的な距離が縮まります。それにより不要な警戒心や壁がなくなるので信頼関係が築きやすくなります。

3×会話では間を取ること、話のスピード、リズムも必要です。

4×ある程度の距離感があったほうが相手も安心できるので密接距離は避けます。

5×初対面でのスキンシップはかえって緊張感をうみコミュニケーションがうまくいきません。

 

問題29

帰宅するときの娘の発言に対する, 介護福祉職の共感的な言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1「心配しなくても大丈夫ですよ」

2「私も寂しい気持ちは一緒です」

3「元気を出して,お母さんの前では明るく笑顔でいましょう」

4「お母さんに毎日会いに来てください」

5「お母さんと離れて暮らすと寂しくなりますね」

解答

1×

2×

3×

4×

5〇娘が寂しそうに, 「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた…とあるので、相手の気持ちを理解して、心を込めて関わる言葉かけとしてはこれが最も適切と思われます。

 

問題30

Gさん(55 , 男性)は父親と二人で暮らしている。 父親は週2回通所介護(デイサービス)を利用している。 Gさんは, 父親が夜に何度も起きるために睡眠不足となり,仕事でミスが続き退職を決意した。ある日,Gさんが介護福祉職に,「今後の生活が不安だ。通所介護(デイサービス)の利用をやめたいと考えている」と話した。

Gさんが、「利用をやめたい」と言った背景にある理由を知るためのコミュニケーションとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 開かれた質問をする。

2「はい」「いいえ」で答えられる質問をする。

3 介護福祉職のペースに合わせて話してもらう。

4 事実と異なることは, 訂正しながら聞く。

5 相手が話したくないことは, 推測して判断する。

解答

1〇利用をやめたい背景にはいろいろなことが予想されるので、多くの情報がほしい時は「開かれた質問」が有効です。

2×はい」「いいえ」で答えられる質問は閉じた質問にあたりますが、これは物事をはっきりさせたい時に有効です。今回は「利用をやめたい」背景を知るコミュニケーションなので不適当。

3×相手のペースを尊重します。

4×途中で訂正などしないで、思いのままに話してもらうことが大切。

5×

 

問題31

利用者と家族の意向が対立する場面で,介護福祉職が両者の意向を調整するときの留意点として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 両者が話し合いを始めるまで発言しない。

2 利用者に従うように家族を説得する。

3 利用者と家族のそれぞれの意見を聞く。

4 家族の介護負担の軽減を目的にして調整する。

5 他職種には相談せずに解決する。

解答

1×

2×家族と利用者の思いが一致の方向に向かうよう調整します。

3〇家族個々の思いは違うことが多いので家族か抱える不安・不満を共有できるように調整役を果たします

4×

5×多職種とも家族の問題を共有していきます。

 

問題32

運動性失語症(motor aphasia)のある人とコミュニケーションを図るときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 絵や写真を使って反応を引き出す。

2 大きな声で1音ずつ区切って話す。

3 手話を使うようにする。

4 五十音表でひらがなを指してもらう。

5 閉ざされた質問は控える。

解答

1〇下記参考を参照

2×不必要

3×手話の必要性なし。

4×コミュニケーションボード(50音表)は、失語症の方には向いていません。

5×「はい」「いいえ」というような閉ざされた質問は有効です。

参考

・運動性失語(ブローカ失語):言葉は理解できるものの、文の構造をうまく組み立てられず、単語や短文でしか言葉が出てこない

・感覚性失語(ウェルニッケ失語):言葉の理解が難しく、発話はなめらかだが意味の通らない言葉を話す

 

問題33

介護記録を書くときの留意点として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 数日後に書く。

2 客観的事実と主観的情報は区別せずに書く。

3 ほかから得た情報は情報源も書く。

4 利用者の気持ちだけを推測して書く。

5 介護福祉職の意見を中心に書く。

解答

1×記録はその日のうちに

2×分けて書きます

3〇

4×推測ではなく言った事実を書くのが基本

5×利用者の意見が中心

 

問題34

報告者と聞き手の理解の相違をなくすための聞き手の留意点として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 受け身の姿勢で聞く。

2 腕組みをしながら聞く。

3 同調しながら聞く。

4 不明な点を確認しながら聞く。

5 ほかの業務をしながら聞く。

解答

1×受け身ではなく、積極的な姿勢で聞きます。

2×腕組みは威圧感を与えてしまいます。

3×疑問点に対しては論じる姿勢で

4〇

5×他の業務をやめ報告に集中します。

 

【生活支援技術】26問 35〜60問題

問題35

次の記述のうち,古い住宅で暮らす高齢者が、 ヒートショックを防ぐために必要な環境整備の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居室の室温を低くする。

2 脱衣室の照明を明るくする。

3 トイレに床置き式の小型のパネルヒーターを置く。

4 入浴直前に浴槽の湯温を 60℃にし、蒸気を立てる。

24時間換気システムを導入する。

解答

1×居室の温度は高めに

2×脱衣室の照明とヒートショックは無関係

3〇暖かい部屋から寒い部屋に移動した時など温度の急な変化が体に与えるショックのことをヒートショックといいます。こうした変動は心臓に負担がかかるため、心筋梗塞や脳卒中につながる恐れがあり危険です。

4×

5×

参考 お風呂場でヒートショックを起こさないための予防法

@入浴前と入浴後に水分を補給する 入浴すると汗をかき、体内の水分が減って、血液がドロドロになります。 ...

A食後1時間以上空けてから入浴する .

Bお酒を飲むなら入浴後に .

C部屋間の温度差をなくす .

Dゆっくり温まる

E浴槽の湯温を低めにする

F長湯をしない ..

G浴槽から急に立ち上がらない

 

問題36

高齢者にとって安全で使いやすい扉の工夫として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 トイレの扉は内開きにする。

2 開き戸は杖の使用者が移動しやすい。

3 引き戸は開閉の速度が速くなる。

4 アコーディオンドアは気密性が高い。

5 引き戸の取っ手は棒型にする。

解答

1×外開きにします。トイレ内で事故があったときに救出の妨げになります。

2×

3×

4×

5〇

 

問題37

下肢の筋力が低下して, つまずきやすくなった高齢者に適した靴として、

最も適切なものを1つ選びなさい。

1 靴底の溝が浅い靴

2 靴底が薄く硬い靴

3 足の指が固定される靴

4 足背をしっかり覆う靴

5 重い靴

解答

1×

2×

3×

4〇

5×

 

問題38

介護が必要な利用者の口腔ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 うがいができる場合には,プラッシング前にうがいをする。

2 歯磨きは、頭部を後屈させて行う。

3 部分床義歯のクラスプ部分は,流水で軽く洗う。

4 全部の歯がない利用者には, 硬い毛の歯ブラシを使用する。

5 舌の清拭は,手前から奥に向かって行う。

解答

1〇うがいをすると、食べ物のカスやたまった粘液などを洗い流されるので、その後にブラッシングをすることで歯磨きがより効果的になります。

2×

3×

4×歯茎を傷めない柔らかい歯ブラシ

5×奥から手前

 

問題39

口腔内が乾燥している人への助言に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 苦味の強い食べ物を勧める。

2 臥床時は仰臥位(背臥位)で枕を使用しないように勧める。

3 水分は控えるように勧める。

4 唾液腺マッサージをするように勧める。

5 ジェルタイプの保湿剤は, 前回塗った上に重ねて塗るように勧める。

解答

1×

2×

3×

4〇下記参考を参照

5×前回塗ったものを除去後。保湿剤を塗ります。

参考 唾液腺マッサージの効果 

@お口の自浄作用が働きます。(口臭予防)

A口腔乾燥の方の口腔ケアがしやすくなります。

Bお口の周りの筋肉の緊張がほぐれお口が開きやすくなります。

C痛みなどの症状が和らぎます。

D食べること、飲み込むことや、会話がしやすくなります

 

問題40

介護福祉職が利用者を仰臥位(背臥位)から側臥位へ体位変換するとき, 図に示された力点の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

AC

AD

BC

BD

BE

解答

1〇

2×

3×

4×

5×

 

問題41

標準型車いすを用いた移動の介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 急な上り坂は、すばやく進む。

2 急な下り坂は,前向きで進む。

3 踏切を渡るときは、前輪を上げて駆動輪でレールを越えて進む。

4 段差を上がるときは,前輪を上げて進み駆動輪が段差に接する前に前輪を下ろす。

5 砂利道では,駆動輪を持ち上げて進む。

解答

1×ゆっくり

2×後ろ向きで進む。 緩やかな下り坂は前向きでもよし。

3〇

4×

5×前輪を上げて進みます。

 

問題42 

Hさん(35歳、男性)は6か月前、高作業中に転落し、第6胸髄節(Th6)を損傷した。リハビリテーション後、車いすを利用すれば日常生活を送ることができる状態になっている。

Hさんの身体機能に応じた車いすの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ヘッドサポートを装着している。

2 ハンドリムがないタイヤを装着している。

3 レバーが長いブレーキを装着している。

4 片手で駆動できるハンドリムを装着している。

5 腰部までのバックサポートを装着している。

解答

1×第6胸髄節(Th6)損傷なのでヘッドサポート不要

2×第6胸髄節(Th6)損傷なのでハンドリム有のタイヤ装着可

3×

4×

5〇胸・腰髄損傷の場合は、第6胸髄までの場合(高位胸損)は腹筋も背筋も効かないので体幹の保持が困難となるので腰部までのバックサポートが有効です。

 

問題43

 Jさん(80 ,女性,要介護3), 介護老人福祉施設に入所している。

食事の後,Jさんから,「最近,飲み込みにくくなって時間がかかる」と相談された。

受診の結果,加齢による機能低下が疑われると診断された。

次の記述のうち、Jさんが食事をするときの介護福祉職の対応として,最も適切

なものを1つ選びなさい。

1 リクライニングのいすを用意する。

2 栄養価の高い食事を準備する。

3 食前に嚥下体操を勧める。

4 自力で全量を摂取できるように促す。

5 細かく刻んだ食事を提供する。

解答

1×

2×

3〇「最近,飲み込みにくくなって時間がかかる」と相談されたとあるので、嚥下機能が弱くなっているので嚥下体操が有効となります。

4×

5×ムース状の食事の提供

 

問題44

慢性閉塞性肺疾患(chlonic obstructive pulmonary sisease)のある利用者の食事に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 繊維質の多い芋類を食事に取り入れる。

2 炭酸飲料で水分を補給する。

3 たんぱく質の多い食事は控える。

4 高カロリーお食事は控える。

5 1回の食事量を減らし、回数を増やす。

解答

1×イモ類は、おなかにガスがたまりやすいので、横隔膜が圧迫され、息苦しくなります。

2×炭酸飲料は、おなかにガスがたまりやすいので、横隔膜が圧迫され、息苦しくなります。

3×高たんぱくの食事は必要。

4×高カロリー食が必要です。

5〇この疾患はエネルギーを十分に採ることが必要なので13回の食事に2回の間食を加えるなど、食事の回数を多くすることが必要です。

参考 慢性閉塞性肺疾患とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。 タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。以前は「肺気腫」と「慢性気管支炎」に分けられていた病気を、まとめてCOPDと呼ぶようになりました。

 

問題45 

 入浴の身体への作用を踏まえた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 浮力作用があるため、食後すぐの入浴は避ける。

2 浮力作用があるため、入浴中に関節運動を促す。

3 静水圧作用があるため、入浴後に水分補給する。

4 静水圧作用があるため、入浴前にトイレに誘導する。

5 温熱作用があるため、お湯につかる時間を短くする。

解答

1×

2〇浮力作用により体重等が軽くなるので入浴中の関節運動が容易になります。

3×静水圧作用は適度な水圧で血管が圧迫されることで血液やリンパの循環を促してくれる効果のことです。従ってこの作用と入浴後の水分補給とは関係ありません。

4×入浴前トイレと静水圧作用は関係ありません。

5×入浴の温熱作用とは入浴で体温が上がり、皮膚の毛細血管が広がって血流が 良くなることをいいます。それにより、新陳代謝が高まって体内の老廃物や疲 労物質が取り除かれ、疲労回復やコリ・痛みがやわらぎます。

 

問題46

四肢麻揮の利用者の手浴に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1

選びなさい。

1 仰臥位(背臥位)で行う。

2 手指は,30分以上お湯に浸す。

3 手関節を支えながら洗う。

4 指間は,強く洗う。

5 指間は、自然乾燥させる。

解答

1×左側臥位で右手、右側臥位で左手を洗う。

2×はじめにお湯につける時間は、手浴が3分から5

3〇

4×

5×タオルで念入りに水分を拭き取ります。

 

問題47

利用者の状態に応じた清潔の介護に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 乾燥性皮膚疾患がある場合,弱アルカリ性の石鹸で洗う。

2人工透析をしている場合,柔らかいタオルでからだを洗う。

3 褥瘡がある場合,石鹸をつけた指で褥瘡部をこすって洗う。

4 糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy) がある場合, 足の指の間はナイロンたわしで洗う。

5 浮腫のある部位は,タオルを強く押し当てて洗う。

解答

1×弱酸性石鹸が望ましい

2〇

3×褥瘡部をこすって洗わない。

4×神経障害で痛さに敏感になっているので、やわらかいタオルやスポンジで、足の裏やゆびの間もていねいに洗う

5×柔らかいタオル等でやさしく押し当てて洗います。

 

問題48

 Kさん(72 ,女性、要介護2),脳梗塞 (cerebral infarction)で入院したが回復し、自宅への退院に向けてリハビリテーションに取り組んでいる。 トイレへは手ずりを使って移動し,トイレ動作は自立している。 退院後も自宅のトイレでの排池を希望している。

Kさんが自宅のトイレで排池を実現するために必要な情報として,最も優先されるものを1つ選びなさい。

1 便意·尿意の有無

2 飲食の状況

3 衣服の着脱の様子

4 家族介護者の有無

5 トイレまでの通路の状況

解答

1×

2×

3×

4×

5〇トイレまで行くことが最大の課題だとすれば通路までの状況の情報が最も大切となる。

 

問題49

自己導尿を行っている利用者に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 座位が不安定な場合は,体を支える。

2 利用者が自己導尿を行っている間は, そばで見守る。

3 利用者と一緒にカテーテルを持ち,挿入する。

4 再利用のカテーテルは水道水で洗い, 乾燥させる。

5 尿の観察は利用者自身で行うように伝える。

解答

1〇どのような姿勢であっても尿道口を指で触れることが可能であれば、寝たままであっても、車椅子に座ったままでも導尿. は可能ですが座位で不安定であれば体を支えます。

2×

3×

4×原則、カテーテルはディスポーザブルのため、水道水で洗い, 乾燥させることはありません。

5×介護福祉職が確認

 

問題50

下肢筋力の低下により立位に一部介助が必要な車いすの利用者が、トイレで排泄するときの介護として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 便座の高さは,利用者の膝よりも低くなるように調整する。

2 便座に移乗する前に,車いすのバックサポートに寄りかかってもらう。

3 車いすから便座に移乗するときは,利用者の上腕を支える。

4 利用者が便座に移乗したら, 座位が安定していることを確認する。

5 立ち上がる前に,下着とズボンを下腿部まで下げておく。

解答

1×膝と同じくらいの高さにします。

2×車いすのバックサポートとは、車いすの背もたれのことですが、そこに寄りかかってもらっては移動が難しくなるので浅座りしてもらいます。

3×

4〇

5×立ち上がってから

 

問題51

図の洗濯表示の記号の意味として, 正しいものを1つ選びなさい。

<img src="https://blog-imgs-136.fc2.com/k/a/i/kaifuku1950/51z.png">

1 液温は30℃以上とし, 洗濯機で洗濯ができる。

2 液温は30℃以上とし,洗濯機で弱い洗濯ができる。

3 液温は 30℃以上とし,洗濯機で非常に弱い洗濯ができる。

4 液温は 30℃を上限とし, 洗濯機で弱い洗濯ができる。

5 液温は30℃を上限とし, 洗濯機で非常に弱い洗濯ができる。

解答

1×

2×

3×

4〇

5×

参考


 

問題52

衣服についたバターのしみを取るための処理方法に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 水で洗い流す。

2 しみに洗剤を浸み込ませて、布の上に置いて叩く。

3 乾かした後,ブラッシングする。

4 氷で冷やしてもむ。

5 歯磨き粉をつけてもむ。

解答

1×

2〇下記参考を参照

3×

4×

5×

参考 バターのしみ抜きに使うもの

@「台所用洗剤」

普段の食器洗いで使っているものでOK

A「液体タイプ酸素系漂白剤」

塩素系は× 酸素系を使います。

Bさん「セスキ炭酸ソーダ」

アルカリ剤です。これでパワーアップ!

C「クエン酸」

最後に酸性でアルカリを中和します。

 

問題53

食中毒の予防に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 鮮魚や精肉は,買物の最初に購入する。

2 冷蔵庫の食品は,隙間なく詰める。

3 作って保存しておく食品は,広く浅い容器に入れてすばやく冷ます。

4 再加熱するときは, 中心部温度が60℃で1分間行う。

5 使い終わった器具は, 微温湯をかけて消毒する。

解答

1×生ものは最後に

2×感覚を開ける

3〇

4×再加熱は冷蔵から取り出した後30分以内に開始。 再加熱では中心温度は安全と食味のために70℃で2分以上にしなければなりません。

5×熱湯処理

 

問題54

瑞息のある利用者の自宅の掃除に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。

1 掃除機をかける前に吸着率の高いモップで床を拭く。

2 掃除は低い所から高い所へ進める。

3 拭き掃除は往復拭きをする。

4 掃除機の吸い込み口はすばやく動かす。

5 掃除は部屋の出入口から奥へ向かって進める。

解答

1〇

2×高い所から低い所へのほうがダストを効率よく捕集します。

3×再汚染しないように一方拭き

4×ゆっくり動かした方がダストを効率よく捕集します。

5×出入り口から奥の方にダストが多いので、それが拡散しないよう奥から出入り口に向かって掃除します。

 

問題55

ベッドに比べて畳の部屋に布団を敷いて寝る場合の利点について,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 布団に湿気がこもらない。

2 立ち上がりの動作がしやすい。

3 介護者の負担が少ない。

4 床からの音や振動が伝わりにくい。

5 転落の不安がない。

解答

1×湿気がこもりにくのはベッド

2×立ち上がり動作が容易なのはベッド

3×負担が少ないのはベッド

4×音や振動が伝わりにくいのはベッド

5〇

 

問題56

睡眠の環境を整える介護として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 寝具を選ぶときは, 保湿性を最優先する。

2 湯たんぽを使用するときは, 皮膚に直接触れないようにする。

3 寝室の温度は,1年を通して15℃前後が望ましい。

4 枕は,顎が類部につくぐらいの高さにする。

5 就寝中の電気毛布は,スイッチを切る必要がない。

解答

1×

2〇体温より少し高めの温度のものに長時間触れ続けると低温やけどの恐れがあるので、皮膚に直接触れないようにします。

3×夏で28℃以下、冬で10℃といわれています。

4×

5×利用する場合はあらかじめ寝床を温め、寝る時はスイッチを切ります。

 

問題57

Lさん (78 ,男性),脳梗塞後遺症による右片麻碑がある。妻の介護疲れで、3日前から介護老人保健施設の短期入所療養介護(ショートステイ)を利用している。入所以降,Lさんは日中もベッドで横になっていることが多かったため、介護福祉職がLさんに話を聞くと,「夜,眠れなくて医因っている」と訴えた。

介護福祉職のLさんへの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 施設の起床時間や消灯時間をわかりやすく伝える。

2 眠ろうとする意志が大切だと説明する。

3 自宅での睡眠の状況について詳しく尋ねる。

4 日中の睡眠の必要性を伝える。

5 睡眠薬の服用について提案する。

解答

1×

2×

3〇睡眠の習慣は個人差があるので、まずは本人い自宅での状況いついて情報を得ることにします。

4×

5×

 

問題58

「人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018(平成 30)改訂(厚生労働省))において, アドバンス·ケア.プランニング(ACP)が重要視されている。このアドバンス·ケア·ブランニング(ACP)を踏まえた、人生の最終段階を迎えようとする人への介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1「生活上の悩みごとは, 近くの地域包括支援センターに相談できます」

2「今後の医療とケアについては, 家族が代わりに決めるので安心です」

3「今後の生活について, 家族や医療 介護職員と一緒に,その都度話し合っていきましょう」

4「口から食べることができなくなったら, 介護職員に相談してください」

5「意思を伝えられなくなったら、成年後見制度を利用しましょう」

解答

1×

2×

3〇アドバンス·ケア.プランニング(ACP)とは、今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセスのことをいいます。従って介護職の言葉かけとしてこれが最も適切です。

4×

5×

 

問題59

死期が近づいたときの介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食事量が減少したときは,高カロリーの食事を用意する。

2 チアノーゼ(cyanosis) が出現したときは,冷罨法を行う。

3 全身倦怠感が強いときは、全身清拭から部分清拭に切り替える。

4 傾眠傾向があるときは, 話しかけないようにする。

5 口腔内乾燥があるときは,アイスマッサージを行う。

解答

1×食事量が減っても本人が食べたいものを提供するように心がけます。

2×温罨法が有効です。

3〇

4× たとえ患者に意識がなくても、介護者は話しかけ続けましょう。

5×アイスマッサージは、嚥下障害の人に対して行う嚥下訓練の手段として有効です。

 

問題60

高齢者施設で利用者の死後に行うデスカンファレンス(death conference)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ボランティアに参加を求める。

2 ケアを振り返り, 悲しみを共有する。

3 利用者の死亡直後に行う。

4 個人の責任や反省点を追及する。

5 自分の感情は抑える。

解答

1×

2〇デスカンファは看取りに関わったスタッフの、今後のケアの質の向上、ひとりひとりの成長の支援、患者・ご家族への理解を深めることを主な目標として行われます。また、担当してきたスタッフたちの気持ちの整理を助け、喪失感の棚卸しをする役割もあります。

3×

4×

5×

 

【介護過程】8問 61〜68問題

 問題61

介護程過程の目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の健康状態の改善

2 介護福祉職の介護観の変容

3 他職種との役割の分化

4 家族の介護負担の軽減

5 利用者の生活の質の向上

解答

1×

2×

3×

4×

5〇介護過程を展開することで客観的で科学的な根拠にもとづいた介護実践が可能になります。さらに、利用者一人ひとりについて尊厳の保持や自立支援の視点にもとづくため、利用者を主体とした個別ケアの実践が可能になり、しいては生活の質の向上につながっていきます。

参考 「介護過程」には、思考と実践の七つの段階(順序)があります。この段階に従って考え進めていくことが一つ目のルールになります。この七つの段階は、以下の通りです。

1. 情報の収集

2. 情報の分析(解釈・関連付け・統合)

3. 課題の明確化

4. 目標の設定

5. 介護内容の決定

6. 介護内容の実施

7. 評価

 

問題62

介護福祉職の情報収集に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 五感を活用した観察を通して情報を集める。

2 一つの場面に限定して得られる情報を集める。

3 初対面のときから踏み込んで情報を集める。

4 興味のある個人情報を集める。

5 実践したい支援に沿った情報を集める。

解答

1〇多面的に観察し、情報を集め、アセスメント(情報分析)に繋げます

2×

3×まずは信頼関係を築き上げることが大切です。

4×多面的に情報収集します。

5×

 

問題63

次の記述のうち, 介護過程の展開におけるアセスメント(assessment) の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 支援内容を説明して同意を得ること。

2 具体的な支援計画を検討すること。

3 達成できる目標を設定すること。

4 支援の経過を評価すること。

5 利用者の生活課題を明確にすること。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇アセスメントは、利用者の現在の状態をよく知り、利用者が何を求めているのか、生活課題は何か、そして希望・要望を掴むために行われます。

 

問題64

短期目標の設定に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護福祉職の視点で目標を設定する。

2 多様な解釈ができる言葉を用いて設定する。

3 実現可能な目標を段階的に設定する。

4 長期目標とは切り離して設定する。

5 最終的に実現したい生活像を設定する。

解答

1×利用者の視点で

2×

3〇

4×長期目標をみすえて設定

5×これは 長期目標のことです。

参考

@長期目標

利用者さんの望む生活に関するニーズや抱えている課題が解決した時に、その望んでいる生活の姿が長期目標となります。

A短期目標

利用者さんの望む姿が長期目標としたら、短期目標は長期目標を達成するための段階的な計画と言えます。分かりやすく言えば長期目標を達成するためのステップとなる具体的な計画です。

 

次の事例を読んで,問題 65, 問題66 について答えなさい。

(事 例)

Mさん(78 ,女性,要介護2),認知症対応型共同生活介護(グルーブホーム)に入居している。楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を,「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し,順調に経過していた。1か月が過ぎた頃,朝の申し送りで,Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方, 介護福祉職が入浴に誘うと,「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、 Mさんは,「怖いか

ら」と小声で言った。

 

問題65

Mさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 順調に経過していたときの状況を分析する。

2「怖いから」という思いを解釈する。

3 入浴を断られた介護福祉職の思いを理解する。

4 入浴時間の変更を検討する必要があると判断する。

5 入浴を面倒に思っていると判断する。

解答

1×

2〇再アセスメントとは、状況や課題を再検討することです。Mさんは当初はお風呂を楽しみにしていたのに、浴室で足を滑らせ「怖い」と言い出しお風呂に入るのを嫌がっていることから、それを改善するために思いを解釈し改善してくことが大切になります。

3×

4×

5×

 

問題66

再アセスメントによって見直した支援の方向性として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 湯船につかる自信を取り戻す支援

2 浴室内の移動の不安を取り除く支援

3 浴室まで安全に移動できる支援

4 足浴で満足感を得ることができる支援

5 身体機能を改善する支援

解答

1×

2〇Mさんの不安を取り除くためには、どうしたら安全に風呂場まで行けるようになるのが大切な支援になります。

3×

4×

5×

 

次の事例を読んで, 問題 67, 問題68 について答えなさい。

(事 例)

Aさん(80 ,女性,要介護3),パーキンソン病(Parkinson disease) と診断されている。診断後も家業を手伝いながら, 地域の活動に参加していた。半年前からパーキンソン病(Parkinson disease)が悪化し, 動作は不安定となったが、「家族に迷惑をかけたくない」と,できることは自分で取り組んでいた。また,主となる介護者である娘に服薬を管理してもらいながら、通所介護(デイサービス)を週3回利用し、なじみの友人と話すことを楽しみにしていた。最近,通所介護(デイサービス)の職員から娘に,昼食時にむせることが多く食事を残していること,午後になると,「レクリエーションには参加したくない」と落ち着かない様子になることが報告された。

 

問題67

介護福祉職がAさんについて, 主観的に記録したものを1つ選びなさい。

1 パーキンソン病 (Parkinson disease)と診断されている。

2 帰宅願望から,レクリエーションの参加を拒否した。

3「家族に迷惑をかけたくない」と話し, できることは自分で行っていた。

4 週3,通所介護(デイサービス)を利用している。

5 昼食時にむせることが多く,食事を残していることを娘に報告した。

解答

1×

2〇下記参考を参照

3×

4×

5×

参考

 

問題68

その後,娘が腰痛を発症し, Aさんは短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。

次の記述のうち,短期入所生活介護(ショートステイ)におけるAさんの生活課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 食事を安全に摂取できること。

2 服薬の管理ができること。

3 通所介護(デイサービス)の利用を再開できること。

4 なじみの友人ができること。

5 地域の活動に参加できること。

解答

1〇事例分に「昼食時にむせることが多く食事を

残していること」とあるので、食事の安全が生活課題となります。

2×

3×

4×

5×

 

【発達と老化の理解】8問 69〜76問題

問題69

 Aさん(小学4年生,男性), 思いやりがあり友人も多い。図画工作や音楽が得意で落ち着いて熱心に取り組むが,苦手な科目がある。特に国語の授業のノートを見ると,黒板を書き写そうとしているが、 文字の大きさもふぞろいで、部の漢字で左右が入れ替わっているなどの誤りが多く見られ, 途中で諦めた様子である。親子関係や家庭生活,身体機能,就学時健康診断などには問題がない。

 Aさんに当てはまる状態として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

 1 自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)

 2 愛着障害

 3 注意欠陥多動性障害

 4 学習障害

 5 知的障害

 解答

1×自閉症スペクトラム障害は、対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害の一つです。

2×愛着障害とは、養育者との愛着が何らかの理由で形成されず、子供の情緒や対人関係に問題が生じる状態です。

3×注意欠陥多動性障害

の特徴的な症状として、年齢に見合わない「不注意さ」、好きなこと以外に対する集中力がなくほとんど関心や興味を示さない「多動性」、思いついたことをよく考えずに即座に行動に移してしまう「衝動性」が見られます。

4〇学習障害は「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。「文字の大きさもふぞろいで、

部の漢字で左右が入れ替わっているなどの誤りが多く見られ」とあるので学習障害が当てはまる。

5×知的障害は、知的能力の水準が同年代の平均的水準と比べて著しく未熟であることを特徴とする障害です。

 

問題70

医療や福祉の法律での年齢に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

35 歳の人は,老人福祉施設に入所できる。

50 歳の人は,介護保険の第一号被保険者である。

60歳の人は,医療保険の前期高齢者である。

70 歳の人は,介護保険の第二号被保険者である。

75歳の人は,後期高齢者医療の被保険者である。

解答

1×原則として65歳以上

2×65 歳以上の方

3×65歳〜74歳の方を対象

4×65歳以上

5〇

 

問題71 

高齢期の喪失体験と悲嘆に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 喪失体験とは,加齢に伴う身体機能の低下のことである。

2 悲嘆過程とは,病的な心のプロセスのことである。

3 死別後の悲嘆からの回復には,喪失に対する心理的対処だけでなく生活の立て直しへの対処も必要である。

4 ボウルビィ(Bowlby, J.)によれば,悲嘆過程には順序性はない。

5 身近な人との死別後に生じる病的悲嘆への支援では, 亡くなった人への愛着をほかに向けることを目標にする。

解答

1×喪失体験とは自分が大切にしてきた対象を失う体験のことです。 配偶者との死別、別居、離婚のほか、家族、親友との別れ、失恋など人間関係の喪失であることが多いのですが、対象は人間だけではありません。

2×悲嘆過程は病的な心のプロセスではなく正常人に発生する正常反応過程と考えられています。

3〇

4×悲嘆は段階的なプロセスによって構成されているとしています。

5×亡くなった人への愛着をほかに向けることを目標にするのではなく、心を整理し喪失から立ち直ることを目標とします。

 

問題72

加齢による味覚の変化に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 味蕾の数に年齢による違いはない。

2 服用する薬剤で味覚が変化することはない。

3 唾液が増加して味覚が敏感になる。

4 濃い味を好むようになる。

5 口腔ケアは関係ない

解答

1×年を取るにつれて、味蕾の数が減少

2×薬剤の種類によっては味覚が変化することがあります。

3×加齢により唾液が減少し味覚が鈍くなります。

4〇

5×

 

問題73

意欲が低下した高齢者の動機づけに関する次の記述のうち、 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 高い目標を他者が掲げると、 動機づけが強まる。

2 本人が具体的に何をすべきかがわかると, 動機づけが強まる。

3 本人にとって興味がある目標を掲げると, 動機づけが弱まる。

4 小さな目標の達成を積み重ねていくと, 動機づけが弱まる。

5 本人が自分にもできそうだと思う目標を掲げると, 動機づけが弱まる。

解答

1×

2〇

3×

4×

5×

 

問題74

高齢者の便秘に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 大腸がん(colorectal cancer)は、器質性便秘の原因になる。

2 弛緩性便秘はまれである。

3 けいれん性便秘では,大きく柔らかい便がでる。

4 直腸性便秘は,便が直腸に送られてこないために起こる。

5 薬剤で,便秘になることはまれである。

解答

1〇器質性便秘は 腸管に基礎疾患が存在することで起こり、重篤かつ緊急を要することもあります。 原因としては大腸癌などの腫瘍性病変、腸閉塞などがあります。

2×弛緩性便秘の便は「硬い」「太い」「コロコロ」の3つが特徴です。高齢者でよく見られます。

3×けいれん性便秘では自律神経の過度の緊張により大腸がけいれんし、便の通過が障害されます。 直腸性便秘は直腸の排便の働きが弱いため、直腸に便が詰まった状態になります。

4×直腸性便秘は、便が肛門近くまで下りてきているのに力めば力むほど出せないという症状があります。

5×薬剤が原因の便秘あり。

 

問題75

高齢者の転倒に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 介護が必要になる原因は, 転倒による骨折 (fracture)が最も多い。

2 服用する薬剤と転倒は, 関連がある。

3 転倒による骨折(fracture)の部位は, 足首が最も多い。

4 転倒の場所は,屋内では浴室が最も多い。

5 過去に転倒したことがあると,再度の転倒の危険性は低くなる。

解答

1×介護が必要となる主な原因は、脳卒中→認知症→運動器の障害(骨折・転倒、関節疾患)です。

2〇高齢者は 多剤処方が多く薬物有害事象および転倒の発生リスクが多い。

3×大腿骨頸部

4×第1位は居室、第2位は階段

5×高くなる

 

問題76

高齢者の糖尿病 (diabetes melitus)に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。

1 アミラーゼ(amylase)の作用不足が原因である。

2 ヘモグロビンAlc (HbAlc)の目標値は,若年者に比べて低めが推奨される。

3 若年者に比べて高血糖の持続による口渇感が強い。

4 運動療法は避けたほうがよい。

5 若年者に比べて低血糖の自覚症状に乏しい。

解答

1×加齢とともにインスリンの分泌が減るのが原因

2×若年者に比べて高めが推奨

3×高齢者は若年者に比べ、高血糖時に口渇・多飲・多尿などの自覚症状に乏しいため、気がつかないうちに高血糖は進行し脱水を引き起こし容易に糖尿病昏睡となることがあり注意が必要です。

4×運動療法は有効

5〇高齢者は自律神経や認知機能が低下するため典型的な低血糖症状が出ずに見逃されることがあります。

 

【認知症の理解】10問 77〜86問題

 問題77

うつ病 (depression)による仮性認知症(pseudodementia)と比べて認知症(dementia) に特徴的な事柄として、適切なものを1つ選びなさい。

1 判断障害がみられることが多い。

2 不眠を訴えることが多い。

3 誇張して訴えることが多い。

4 希死念慮がみられることが多い。

5 抗うつ薬が効果的であることが多い。

解答

1〇仮性認知症は脳器質性障害である認知症とは異なり、うつ病の軽快とともに改善する治療可能な一過性の認知機能障害です。認知症では中核症状の判断力障害がみられますが仮性認知症ではありません。

2×

3×

4×

5×

 

問題78

日本における認知症(dementia) の原因のうち,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)の次に多い疾患として、 正しいものを1つ選びなさい。

1 血管性認知症(vascular dementia)

2 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)

3 混合型認知症(mixed type dementia)

4 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)

5 アルコール性認知症(alcoholic dementia)

解答

1〇

2×

3×

4×

5×

参考

 

問題79

日本での認知症(dementia) に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type) 以外の認知症

(dementia)の患者数が増加している。

2 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)の有病率は,男性

より女性が高い。

3 年齢が若いほど, 認知症発症のリスクが高い。

4 生活習慣病(life-style related disease)と認知症発症には関連がない。

5 運動は認知症予防に無効である。

解答

1×高齢化と共にアルツハイマー型認知症が増加

2〇

3×年齢が上がると、認知症の頻 度はぐんぐん上昇します。 わが国では、65歳以上高齢者の約15%に認知症があると報告されています。

4×関連あり

5×適度の運動は全身の血流を改善し、脳の細胞を活性化する効果が期待でき認知症予防に有効です。

 

問題80

認知症初期集中支援チームに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症(dementia)の人は病院への入院や施設への入所をすべきであるという考えに基づいている。

2 既に認知症(dementia)の診断を受けている人への支援は含まれない。

3 家族への支援は含まれない。

4 支援期間は23年である。

5 チーム員会議を開催してケア方針を決定する。

解答

1×

2×すでに診断を受けていても支援対象

3×家族支援も含まれる

4×期間は決められていない

5〇

参考 認知症初期集中支援チームとは、専門職が家族などの訴えにより認知症が疑われる人・家族などを訪問し、適切な医療や介護を受けられるように支援を行います。支援チームの目的は「認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる『認知症初期集中支援チーム』を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築する」こと。

 

問題81

クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 有病率は1万人に1人である。

2 ブリオン病である。

3 認知症(dementia)の症状は緩やかに進行する場合が多い。

4 致死率は低い。

5 不随意運動は伴わない

解答

1×1年間に100万人に1人程度の割合で発症

2〇 クロイツフェルト・ヤコブ病とはプリオン病という病気の一つです。脳にある「プリオン蛋白」と呼ばれる物質がなんらかの原因によって「異常プリオン蛋白」に変わり、蓄積することで、機能障害を起こす病気です。

3×急速に進行し認知症に

4×致死率は高い

5×機能障害である不随意運動をひきおこす

 

問題82

レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 脳梗塞(cerebral infarction)が原因である。

2 初発症状は記憶障害である。

3 けいれんがみられる。

4 人格変化がみられる。

5 誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の合併が多い。

解答

1×大脳の皮質の神経細胞内に「レビー小体」と呼ばれるタンパク質が溜まることによって起こります。

2×記憶障害で初期発症はアルツハイマーで、レビー小体型認知症の記憶障害は後から発症

3×

4×アルツハイマー型に多い

5〇抗精神薬への過敏性による誤嚥性肺炎のリスクあり

幻視・見まちがい・妄想

認知機能の変動(頭がはっきりしているときとそうでないときの差が激しい)

自律神経症状(起立性低血圧・体温調節障害・頻尿・めまい)

パーキンソン症状(歩行などに障害があらわれる)

レム睡眠行動障害(悪夢で大きな寝言)

抑うつ症状(意欲や気力の低下)

 

問題83

Bさん (80 ,女性,要介護2),1年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)の診断を受け, 服菜を継続している。同居の息子は日中不在のため, 週に3, 訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し,訪問介護員(ホームヘルパー) と共に活発に会話や家事をしていた。 不眠を強く訴えることが増えたため,1週間前に病院を受診したときに息子が主治医に相談した。 その後,午前中うとうとしていることが多くなり,飲水時にむせることがあった。歩くとき,ふらつくようになったが、麻痺はみられない。バイタルサイン (vital signs)に変化はなく、食欲 水分摂取量も保たれている。

訪問介護員(ホームヘルパー)Bさんと息子への言葉かけとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1「日中は横になって過ごしたほうがよいでしょう」

2「歩行機能を保つためにリハビリを始めませんか」

3「熊下障害が起きてますね」

4「処方薬が変更されていませんか」

5「認知症(dementia) が進行したのでしょう」

解答

1×

2×

3×

4〇主治医に不眠のことで受診しているが、医師から睡眠剤を処方された可能性もある。この薬では 眠気、ふらつき、 頭痛、倦怠感、の症状がでることがあるので処方薬お変更がどうかあったかの声かけは適切。

5×

 

問題84

認知症(dementia)の原因疾患を鑑別するときに、慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)の診断に有効な検査として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 血液検査

2 脳血流検査

3 頭部CT検査

4 脳波検査

5 認知機能検査

解答

3〇慢性硬膜下血腫の疑いが強いと判断されれば頭部CT検査やMRI検査などの画像検査を用います。

 

問題85

認知症(dementia) に伴う注意障害に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 周囲から物音が聞こえてくると,食事を中断したままになる。

2 毎日,同じ時間に同じ行動をする。

3 旅行の計画を立てることが難しい。

4 話そうとすることを言い間違える。

5 介護職員から説明を受けたことを覚えていない。

解答

1〇下記参考を参照

2×

3×

4×

5×

参考 注意障害とは「注意散漫で他の刺激に気が移りやすく、一つのことに集中出来なくなる」高次脳機能障害の一つです。 高次脳機能とは、知覚、記憶、判断など、人間が人間らしくあるための脳の認知機能の総称で、五感からの情報を記憶や言語と結びつけ、実際に自身の行動に変換するための高度な脳の機能です。

 

問題86

Cさん(87歳、男性、要介護3)は、重度のアルツハイマー型認知症(dimentia of the Alzheimer's type)である。現在、介護老人福祉施設に入所しているが終末期の状態にある。できる限り経口摂取を続けてきたが、誤嚥性肺炎(aspiration pneumotia)を繰り返し、経口摂取が困難となった。臥床状態が続き、声かけに対する反応も少なくなっている。医師から「死が極めて近い状態である」と伝えられた。

施設で看取ることになっているCさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 離床している時間をつくる。

2 会話によって本人の希望を聞く

3 事前指示書を作成する。

4 苦痛があるかないか、状態を観察する。

5 本人の好きな食事を用意する。

解答

1×

2×「声かけに対する反応も少なくなっている」とあるので会話によって本人の希望を聞くのは不可能か

3×事前指示書とは、ご自分で意思を伝えたり判断したりすることが難しくなった時に備えて、お元気なうちから医療やケアについての意思や希望を示したものなのでCさんの現在状況では不適当

4〇

5×誤嚥性肺炎を繰り返しているので、本人が好きな食事というより傾向摂取が可能なものを優先

 

【障害の理解】10問 87〜96問題

問題87

ICF (International Classification of Functioning. Disability and Health:)国際生活機能分類)の社会モデルに基づく障害のとらえ方に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 個人の問題としてとらえる。

2 病気 外傷から直接的に生じる。

3 さまざまな環境との相互作用によって生じる。

4 治療してできるだけ回復させることを目的とする。

5 医療などによる援助を必要とする。

解答

1×

2×

3〇社会モデルとは障害者が味わう社会的不利は社会の問題だとする考え方です。障害者とは、社会の障壁の相互作用によって能力を発揮する機会を奪われた人々と考えます。

4×

5×

 

問題88

リハビリテーションに関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。

1 語源は,「再び適したものにすること」である。

2 ニイリエ(Nirje, B.)によって定義された。

3 医療の領域に限定されている。

4 自立生活運動とは関係がない。

5 機能回復訓練は社会的リハビリテーションである。

解答

1〇リハビリテーションは直訳すると「再び適合させる」ということになります。

2×ニィリエはノーマライゼーションの概念を作った人

3×医学、職業、教育、社会のリハビリテーションがあります。

4×

5×機能回復訓練は医学的リハビリテーション

 

問題89

Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)の考え方のもとに、障害者が作成の段階から関わり、その意見が反映されて成立したものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 優生保護法

2 国際障害者年

3 知的障害者福祉法

4 身体障碍者福祉法

5 障害者お権利に関する条約

 

解答

1×

2×

3×

4×

5〇「障害者権利条約」策定の過程において、すべての障害者の共通の思いを示すものとして使用されました。

 

問題90

Dさん(31歳、男性)は、脊髄損傷(spinal cord injury)による対麻痺で、リハビリテーションのため入院中である。車いすでの日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)は自立したが、退院後自宅で生活するときに、褥瘡が生じないか心配している。

Dさんの褥瘡が発生しやすい部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 頭部

2 上腕部

3 背部

4 腹部

5 座骨結節部

解答

1×

2×

3×

4×

5〇座位では坐骨結節部に褥瘡ができます。その他、臥位では仙骨部、側臥位では大転子部に褥瘡ができます。

 

問題91

脊髄の完全障害で、ブッシュアップが可能となる最上位のレベルとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 頚髄(C1C3

2 頚髄(C7

3 胸髄

4 腰髄

5 仙髄

解答

1×C13が損傷すると、四肢の麻痺が生じるだけでなく、横隔膜が麻痺することによって呼吸困難に陥ります。

2〇C7の損傷では、横隔膜の機能が残っているので自力で呼吸することができます(ただし、四肢には麻痺が現れます)

3×胸髄を損傷すると、胴体や下半身の感覚がなくなったり、体が動かなくなったり、自律神経のコントロール(排尿の調節など)ができなくなります。

4×腰髄を損傷すると、下半身の感覚がなくなったり、体が動かなくなったり、自律神経のコントロール(排尿の調節など)ができなくなります。

5×性機能障害

 

問題92

筋ジストロフィー(musclar dystrophy)の病態いついて、適切なものを1つ選びなさい。

1 網膜が変性する。

2 運動神経が変性する。

3 自己免疫が原因である。

4 中脳の黒質が病変部位となる。

5 筋線維に変性が生じる。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇筋ジストロフィーとは骨格筋の 壊死 ・再生を主病変とする遺伝性筋疾患の総称です。筋ジストロフィーの中には多数の疾患が含まれますが、いずれも筋肉の機能に不可欠なタンパク質の設計図となる遺伝子に 変異 が生じたためにおきる病気です。

 

問題93

「障害者虐待防止法」の心理的虐待に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 身体に外傷が生じるおそれのある暴行を加えること。

2 わいせつな行為をすること。

3 著しい暴言、または著しく拒絶的な対応を行うこと。

4 衰弱させるような著しい減食、または長時間の放置を行うこと。

5 財産を不当に処分すること

(注)「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待防止、障害者の養護者い対する支援等い関する法律」のことである。

解答

1×身体的虐待

2×性的虐待

3〇心理的虐待

4×介護・世話の放棄・放任

5×経済的虐待

 

問題94

心臓機能障害のある人に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 塩分の制限は必要ない。

2 呼吸困難や息切れなどの症状がみられることが多い。

3 日常生活で外出を避けるべきである。

4 ペースメーカーの装着者は、身体障害者手帳の交付対象から除外される。

5 精神的なストレスお影響は少ない。

解答

1×塩分をとりすぎると循環血液量が増え、心臓の負担が増すために息切れやむくみやすくなります。

2〇

3×

4×ペースメーカーの装着者は、身体障害者手帳の交付対象

5×精神的なストレスお影響は大きい

 

問題95

発達障害のEさん(5歳、男性)の母親(28歳)は、Eさんのことを一生懸命に理解しようと頑張っている。しかし、うまくいかないことも多く子育てに、自信をなくし、どうしたらよいのかわからずに一人で悩んでいる様子が見られる。

母親への支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 現状を受け入れるように説得する。

2 一時的な息抜きのために、レスパイトケアを紹介する。

3 同じ立場にあるペアレント・メンターを紹介する。

4 Eさんへの発達支援を強化するように勧める。

5 介護支援専門員(ケアマネージャー)を紹介する。

解答

1×

2×

3〇ペアレント・メンターとは、自らも発達障害のある子育てを経験し、かつ相談支援に関する一定のトレーニングを受けた親を指すものです。母親へのペアレント・メンター紹介は有効

4×

5×

 

問題96

2016年(平成28年)生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」(厚生労働省)における身体障害者手帳所持者の日常的な情報入手手段として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 家族・友人・介助者

2 パソコン

3 携帯電話

4 テレビ

5 ラジオ

解答

1×

2×

3×

4〇65歳未満、65歳以上の者ともに「テレビ(一般放送)」と答えた者の割合が最も高い。次いで、「家族・友人・介助者」と答えた者の割合が高い。

5×

 

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

問題97

心的外傷後ストレス障害(postraumatic stress disorder:PTDS)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 原因となった体験が繰り返し思い起こされる

2 1か月以内で症状は治まる。

3 小さな出来事が原因となる。

4 被害妄想を生じる。

5 気分が高ぶる。

解答

1〇PTDSは強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。

2×

3×

4×

5×

 

問題98

健康な人の体温に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者の体温は小児より高い。

2 早朝の体温が最も高い。

3 腋窩温は口腔温より高い。

4 体温調整中枢は視床下部にある。

5 環境の影響を受けない。

解答

1×低い

2×低い

3×低い

4〇

5×環境の変化を受ける

 

問題99

義歯を使用した時の影響として、適切なものを1つ選びなさい。

1 唾液分泌量が増加する。

2 話す言葉が明瞭になる。

3 舌の動きが悪くなる。

4 口のまわりのしわが増える。

5 味覚が低下する。

解答

1×

2〇義歯を使用しなかった時と比べれば義歯により言葉が明瞭になる。

3×

4×

5×

 

問題100

1週間の安静臥床で筋力は何%程度低下するか, 次のうちから最も適切なものを1つ選びなさい。

1%

5%

15%

30%

50%

解答

1×

2×

3〇人間は1週間寝たきり状態になると15%の筋力が低下し、35週間で50%もの筋力が落ちるといわれています。

4×

5×

 

問題101

栄養素の働きに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 たんぱく質は、最大のエネルギー源となる。

2 ビタミンD(vitamin D) , 糖質をエネルギーに変える。

3 カリウム(K),骨の形成に関わる。

4 ビタミンB1 (vitamin B1),カルシウム(Ca)の吸収に関わる。

5 ナトリウム(Na),血圧の調節に関わる。

解答

1×たんぱく質       4kcal/g 脂質     9kcal/g  

2×ビタミンDは、身体が食料品やサプリメントからカルシウム(骨の主要成分のひとつ)を吸収するのを助けることによって、強い骨を作ります

3×カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。

4×ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。

5〇

 

問題102

Fさん(80 ,女性), 普段の食事は自立している。 日常生活では眼鏡がないと不自由である。ある日, いつもより食事に時間がかかっていた。介護福祉職が確認したところ, Fさんは,「眼鏡が壊れて使えなくなってしまった」と答えた。

食事をとるプロセスで,Fさんが最も影響を受ける段階として,正しいものを1つ選びなさい。

1 先行期

2 準備期

3 口腔期

4 咽頭期

5 食道期

解答

1〇食べ物を食べる時、先行期では、食物を見て、硬さ・味・温度・におい・口へ運ぶ量や速さ・噛む力などを認識する。しかし、Fさんは眼鏡が壊れたと訴えているので、先行期で影響を受けることになります。

2×

3×

4×

5×

参考 食べ物を食べるまで、食べてからのプロセス(摂食嚥下)

@先行期(認知期)

先行期では、食物を見て、硬さ・味・温度・におい・口へ運ぶ量や速さ・噛む力などを認識する。

A準備期(咀嚼期)

準備期では、食物を口に取り込み(捕食)、唾液とよく混和しながら咀嚼をしたり、舌と口蓋で食物を押しつぶしたりする。

B口腔期

口腔期では、咀嚼により口腔内にばらけた食物を舌でまとめて食塊形成したり、咽頭に送り込む動きがみられる。舌の動きが大きく影響。

C咽頭期

咽頭期では物を飲み込む時の「ごっくん」という反射が起こる。意識的な反射惹起も可能だが、トリガーに食物が達すると自然に嚥下反射が起こる。  反射が起こる時は一時的に呼吸が停止し、鼻咽腔が閉鎖し食物が鼻に抜けないようになっており、咽頭収縮や舌骨・喉頭の挙上が起こり食道入口部が開大する。

D食道期

食道期では、食物を食道の蠕動運動によって胃へと送る。自分でコントロールすることはできない

 

問題103

入浴(中温浴、3841℃)の効果に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 脳が興奮する。

2 筋肉が収縮する。

3 血圧が上昇する。

4 腎臓の働きを促進する。

5 腸の動きを抑制する。

解答

1×

2×

3×

4〇中温浴の効果

●腎臓の働き、促進

●副交感神経優位

●心臓の動き、抑制

●血圧、低下

●膀胱の働き、排尿促進

●腸の動き、活発

●筋肉、弛緩

●脳、沈静、リラックス

5×

 

問題104

Gさん(83歳、女性)は、認知機能は正常で日常生活は杖歩行で自立して外出もしていた。最近、外出が減ったため理由を尋ねたところ、咳やくしゃみで尿が漏れることが多いため外出を控えていると言った

Gさんの尿失禁として、適切なものを1つ選びなさい。

1 機能性尿失禁

2 腹圧性尿失禁

3 溢流尿失禁

4 反射性尿失禁

5 切迫性尿失禁

解答

1×

2〇

3×

4×

5×

 

問題105

次のうち、便秘の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease

2 経管栄養

3 消化管切除

4 感性性腸炎(infectious enterritis

5 長期臥床

解答

1×

2×

3×

4×

5〇長期臥床により消化管の運動機能の低下がおきて腸内容物が停滞し腸管全体の動きが悪くなることで機能性便秘がおきやすくなります。

 

問題106

高齢者の睡眠の特徴に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 熟睡感が増加する。

2 深睡眠が増加する。

3 夜間の睡眠時間が増加する。

4 睡眠周期が不規則になる。

5 入眠までの時間が短縮する。

解答

1×熟睡感→減

2×深睡眠→減

3×昼間の睡眠時間が増加する。

4〇体内時計はおよそ25時間で決まっており、朝起きて、夜眠るというサイクルが体に刷り込まれています。しかし、高齢期になるとこのサイクルが乱れやすくなります。

5×入眠までの時間が長くなる

 

問題107

睡眠に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 レム睡眠のときに夢を見る。

2 レム睡眠から入眠が始まる。

3 ノンレム睡眠では筋緊張が消失する。

4 ノンレム睡眠では速い眼球運動がみられる。

5 高齢者ではレム睡眠の時間が増加する。

解答

1〇「夢」は浅い眠りに入ったレム睡眠中に見ると言われています。したがって、朝起きて覚えている夢は、明け方、眠りが浅くなった時に見た夢が多いです。

2×

3×

4×

5×

 

問題108

死斑が出現し始める時間として、正しいものを1つ選びなさい。

1 死後5分以内

2 死後2030

3 死後3時間

4 死後812時間

5 死後48時間

解答

1×

2〇

3×死亡後2030分で点状の斑点が出現し、死亡後23時間で斑点が融合。 死後10時間くらいまでは死斑は固定しないが、20時間以上経過すると固定。

4×

5×

 

【医療的ケア】5問 109〜113問

 問題109

介護福祉職が経管栄養を実施するときに、注入量を指示する者として、適切なものを1つ選びなさい。

1 医師

2 看護師

3 訪問看護事業所の管理者

4 訪問介護事業所の管理者

5 介護支援専門員(ケアマネージャー)

 

解答

1〇経管栄養 (胃ろう・腸ろう,経鼻経管栄養)については「医師の指示書」がなければなりません。

2×

3×

4×

5×

 

問題110

気管粘膜のせん毛運動に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 痰の粘度が高いほうが動きがよい。

2 空気中の異物をとらえる運動である。

3 反射的に咳を誘発する。

4 気管内部が乾燥しているほうが動きがよい。

5 痰を口腔のほうへ移動させる。

解答

1×痰の粘度が低いほうが動きがよい

2×気管支に入ってきた異物を、粘膜の粘液産生細胞から分泌される粘液がキャッチすると線毛が働き、粘液と異物を喉の方へ押し出します。

3×

4×気管内部が湿潤しているほうが動きがよい

5〇

 

問題111

介護福祉職が実施する喀痰吸引で、口腔内と気管カニューレ内部の吸引に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 気管カニューレ内部の吸引では、カニューレ内部の3分の2程度の太さの吸引チューブを使用する。

2 気管カニューレ内部の吸引では、滅菌された洗浄水を使用する。

3 気管カニューレ内部の吸引では、頸部を前屈した姿勢にして行う。

4 吸引時間は、口腔内より気管カニューレ内部の吸引のほうを長くする。

5 吸引圧は、口腔内より気管カニューレ内部のほうを高くする。

解答

1×

2〇水道水で洗浄後、さらに滅菌された洗浄水で洗います。

3×

4×

5×

 

問題112

Hさん(80歳、男性)は嚥下機能の低下があり、胃ろうを1か月前に造設して、自宅に退院した。現在、胃ろう周囲の皮膚のトラブルはなく、1日の3回の経管栄養は妻と介護福祉職が分担して行っている。経管栄養を始めてから下肢の筋力が低下して、妻の介助を受けながらトイレは歩いて行っている。最近、「便が硬くて出にくい」との訴えがある。

Hさんに対して介護福祉職が行う日常生活支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入浴時は、胃ろう部を湯につけないように注意する。

2 排泄時は、胃ろう部を圧迫するように促す。

3 排便は、ベッド上で行うように勧める。

4 経管栄養を行っていないときの歩行運動を勧める。

5 栄養剤の注入量を増やすように促す。

解答

1×入浴はそのまま行い、石けんで良く洗い、清潔に保つことが大切です。

2×圧迫しない

3×通常の排泄が可能

4〇医師の許可があれば、散歩など軽い運動は有効です。ただし、注後すぐの激しい運動は避けなければなりません。。

5×指示された種類・量・. 時間は順守しなければなりません。

 

問題113

経管栄養の実施に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 経管栄養の準備は、石鹸と流水で丁寧に手を洗ってから行う。

2 栄養剤は、消費期限の新しいものから使用する。

3 胃ろうや腸ろう周囲の皮膚は、注入開始前にアルコール消毒を行う。

4 カテーテルチップシリンジは、1回使用したら廃棄する。

5 口腔ケアは、数日に1回行う。

解答

1〇

2×消費期限の古いものから

3×

4×

5×毎日

 

【総合問題】12問 114〜125問題

(総合問題1)

次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。

(事例)

Jさん(83歳、女性)は一人暮らしである。人との付き合うのが苦手で、近所付き合いもあまりなく、一人で静かに生活していた。80歳を過ぎた頃から右膝に痛みが出て、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断されたが、近くのスーパーへの買物や、近所の散歩に出かけていた。1か月ほど前から膝の痛みが悪化し、散歩にも行かなくなった。食事量が減って痩せてきてしまい、一日中、座ってテレビを見て過ごしている。

 

問題114

現在のJさんに心配される病態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 フレイル(frailty

2 不定愁訴

3 寛解

4 不穏

5 せん妄(delirium

解答

1〇フレイルとは「加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態」を示しており、いわゆる「虚弱」です。 言い換えると、介護が必要になる前段階とも表現できます。Jさんはこの状態に該当します。

2×不定愁訴は明確な原因がないのに、肩こり・目まい・腰痛など体の不調を訴えること。Jさんには変形性膝関節症による痛みが診断されています。

3×寛解は、全治とまでは言えないが、病状が治まっておだやかであること。

4×不穏とは、周囲への警戒心が強く、落ち着きがなく興奮している状態です。

5×せん妄とは、時間や場所が急にわからなくなる見当識障害から始まる場合が多く、注意力や思考力が低下して様々な症状を引き起こします。

 

問題115

Jさんは、食事量は回復したが、膝に痛みがあり、家の中ではつかまり歩きをしていた。要介護認定を受けたところ要介護2と判定され、家の近くの第一号通所事業(通所型サービス)を利用することになった。

通所初日、車で迎えに行くと、Jさんは、「心配だからやっぱり行くのはやめようかしら」と介護福祉職に言い、玄関の前からなかなか動かなかった。

このときの介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「急ぎましょう。すぐに車に乗ってください」

2 「心配なようですから、お休みにしましょう」

3 「歩けないようでしたら、車いすを用意しましょうか」

4 「初めてだから心配ですね。私もそばにいるので一緒に行きませんか」

5 「Jさんが行かないと、皆さん困ってしまいますよ」

解答

1×

2×

3×

4〇Jさんの気持ちに寄り添いペースに合わせる。

5×

 

問題116

その後、Jさんは少しずつ回復し、膝の痛みもなく、家の中では何もつかまらず歩くことができている。一人で散歩に出ようという意欲もでてきた。

Jさんは、介護福祉職にもっと安定して歩けるように練習をしていきたいことや、外出するときは膝の負担を減らすために杖を使用したいと思っていることを話した。

Jさんに合った、杖を使った歩き方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 杖(左手で持つ)を出す→右足を出す→左足を出す

2 杖(右手で持つ)を出す→左足を出す→右足を出す

3 杖(左手で持つ)と右足を出す→左足を出す

4 杖(右手で持つ)と左足を出す→右足を出す

5 杖(左手で持つ)と左足を出す→右足を出す

解答

1〇足に痛みがある場合は、杖を痛みのない側の手で持ちます。 杖を最初に前に出して、次に痛いほうの足を前に出し、最後に良いほうの足を前に出します。

2×

3×

4×

5×

参考

 

(総合問題2)

次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。

(事例)

Kさん(80歳、女性)は夫が亡くなった後、自宅で一人暮らしをしていたが、ある日、一人娘のLさんが訪れると、ごみが散乱しており、冷蔵庫の中には古くなった食材がたくさん入っていた。変化に驚いたLさんは、Kさんに家庭的な雰囲気の中で生活をしてほしいと考えた。その結果、Kさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用することになった。入居して1週間が経過し、Kさんと関わったM介護福祉職は、Kさんは短期記憶の低下により、最近の出来事については話すことは難しいが、自分が学校に通っていた頃の話や、子供の頃に歌っていた歌については生き生きと話すことを確認した。

 

問題117

M介護福祉職は、Kさんが今持っている認知能力を活用して、ほかの利用者と交流する機会を作りたいと考え、Kさんとほかの利用者に参加してもらう活動を企画することにした。

M介護福祉職が企画した活動の手法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 リアリティ・オリエンテーション(reallity orientation

2 ピアカウンセリング(peer counseling

3 スーパービジョン(supervision

4 回想法

5 社会生活技能訓練

解答

1×リアリティ・オリエンテーションは、今は、何月何日なのかとか、季節はいつなのかといった時間や今いる場所等が判らないなどの見当識障害(けんとうしきしょうがい)を解消するための訓練

2×ピアカウンセリングとは、同じ背景を持つ人同士が対等な立場で話を聞きあうことです。

3×スーパービジョンは介護業界において対人援助職者(スーパーバイジー)が指導者(スーパーバイザー)から教育を受ける過程を指します。

4〇回想法は過去の体験を自ら話すことで脳の活性化を促すと言われているもので、「自分が学校に通っていた頃の話や、子供の頃に歌っていた歌については生き生きと話すことを確認した。」との記述があることからKさんに有効です。

5×介護福祉職が「認知能力を活用して、ほかの利用者と交流する機会を作りたい」との記述があるので社会生活技能訓練は不適当

 

問題118

ある日、M介護福祉職がKさんの入浴介護を行っていたところ、手のひらや指の間に赤い丘疹を確認した。M介護福祉職がKさんに、「かゆくないですか」と聞くと、「かゆい」と答えた。そのため、病院を受診したところ。角化型疥癬(hyperkeratotic scabies)と診断された。

Kさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入浴後の洗濯物は、ビニール袋に入れて運ぶ。

2 マスクを着けてもらう。

3 個室に隔離する必要はない。

4 介護は素手で行う。

5 ほかの利用者よりも先に入浴してもらう。

解答

1〇角化型疥癬は感染力が非常に強いので、洗濯物などについては他に感染しないようにビニール袋などに入れ運びます。

2×ダニには効果なし

3×隔離したほうがよい

4×

5×他の利用者の後に入浴

 

問題119

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用するKさんの要介護度に変更があった場合に影響があるものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 介護保険料

2 認知症対応型共同生活介護費

3 介護サービスの利用者負担割合

4 食費

5 居住費

解答

1×影響なし

2〇短期利用認知症対応型共同生活介護費は、区分支給限度基準額に含まれます。つまり月々に利用できる介護サービス費用は介護度か変わればそれに応じで費用は変わってきます。

3×要介護度の変更でもサービスの利用者負担割合は変わりません。

4×要介護度の変更でも食費は変わらない。

5×住居費は、地域や設備、居室の大きさなどによって決まっていて 要介護度の変更では決まりません。

 

(総合問題3)

次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。

(事例)

Aさん(10歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)であり、多動で発語は少ない。毎日のように道路に飛び出してしまったり、高い所に登ったりするなど、危険の判断ができない。また、感情の起伏が激しく、パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ、気持ちが高ぶると騒ぎ出す。お金の使い方がわからないため好きなものをたくさん買おうとする。

現在は、特別支援学校に通っており、普段の介護は母親が1人で担っている。

 

問題120

Aさんのこのような状態に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 注意障害

2 遂行機能障害

3 強度行動障害

4 記憶障害

5 気分障害

解答

1×

2×

3〇強度行動障害とは、自傷行為や物を壊すなど周囲の人に影響を及ぼす行動が多く、家庭でかなり努力をして養育しても難しい状態が続き、特別な支援が必要な状態を言います。「パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ、気持ちが高ぶると騒ぎ出す」との記述から強度行動障害。

4×

5×

 

問題121

Aさんの将来を考え、家族以外の支援者と行動できるようにすることを目標に障害福祉サービスを利用することになった。介護福祉職と一緒に散歩に行き、外出時のルールを覚えたり、移動中の危険回避などの支援を受けている。

Aさんが利用しているサービスとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 同行援護

2 自立生活援助

3 自立訓練

4 生活介護

5 行動援護

解答

1×

2×

3×

4×

5〇行動に著しい困難を有する知的障害や精神障害のある方が、行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護、排せつ、食事等の介護のほか、行動する際に必要な援助を行います。

 

問題122

Aさんのサービス利用開始から6か月が経ち,支援の見直しをすることになった。Aさんの現状は,散歩では周囲を気にせず走り出すなど, まだ危険認知ができていない。介護福祉職はルールを守ることや周りに注意するように声かけをするが、注意されるとイライラし, バニックになることがある。一方で、スーパーではお菓子のパッケージを見て, 硬貨を出し, 長時間その場から動こうとしない。 介護福祉職は, Aさんがお菓子とお金に注目している様子から、その力を引き出支援を特別支援学校に提案した。

介護福祉職が特別支援学校に提案した支援の背景となる考え方として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 エンパワメント(empowerment)

2 アドボカシー (advocacy)

3 ビアサポート(peer support)

4 ノーマライゼーション (normalization)

5 インクルージョン(inclusion)

解答

1〇「Aさんがお菓子とお金に注目している様子から、

その力を引き出

支援を特別支援学校に提案した。」との記述からエンパワメントが正解。エンパワメントとは、本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させることを意味しています。

2×

3×

4×

5×

 

(総合問題4)

次の事例を読んで, 問題 123 から問題 125 までについて答えなさい。

(事 例)

Bさん(45 ,女性)はアパートで一人暮らしをしていた。家族や親戚との付き合いはなかったが,趣味も多く,充実した生活を送っていた。ある日,車で買物に行く途中,交通事故を起こし、U病院に救急搬送され手術を受

けた。手術の数日後,医師から, 頸髄損傷(cervical cord injury)があり,5頸髄節まで機能残存するための手術をしたこと,今後の治療方針,リハビリテーションによって今後の生活がどこまで可能になるかについて,丁寧に説明を受けた。

 

問題123

Bさんの今後の生活に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自力歩行ができる。

2 自走式標準型車いすを自分で操作して,一人で外出することができる。

3 自発呼吸が困難になり,人工呼吸器が必要な生活になる。

4 電動車いすを自分で操作することが可能になる。

5 指を使った細かい作業が可能になる。

解答

1×歩行は不可

2×平坦な場所では自走式は可能であるが坂道などは不可

3×人工呼吸器が必要な生活になることはない

4〇

5×細かい作業は不可

 

問題124

Bさんは, 入院当初は落ち込んでいたが、 徐々に表情が明るくなり, U病院でのリハビリテーションにも積極的に取り組むようになった。 現在はVリハビリテーション病院に転院して, 退院後の生活に向けて身体障害者手帳を取得し, 準備を進めている。Bさんは, 以前のようなアパートでの一人暮らしはすぐには難しいと考え,障害者支援施設への入所を考えている。

障害者支援施設に入所するために,Bさんがこの時期に行う手続きとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居宅サービス計画を作成するために,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する。

2 要介護認定を受けるために,市町村の窓口に申請する。

3 施設サービス計画を作成するために,介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する。

4 サービス等利用計画を作成するために, 相談支援専門員に相談する。

5 障害支援区分の認定を受けるために, 市町村の窓口に申請する。

解答

1×

2×

3×

4×

5〇Bさんがサービスの利用を希望する場合は、市町村の窓口に申請し障害支援区分の認定を受けることになります。

 

問題125

その後,Bさんは希望どおり障害者支援施設に入所した。入所した施設では、C介護福祉職がBさんの担当になった。C介護福祉職は,Bさんから、「日常生活で、もっと自分でできることを増やし、いずれは地域で生活したい」と言われた。そこでC介護福祉職は,施設内の他職種と連携して支援を行う必要があると考えた。

C介護福祉職が連携する他職種とその業務内容に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 工作などの作業を行いながら身体機能の回復を図るために,看護師と連携する。

2 運動機能の維持·改善を図るために,理学療法士と連携する。

3 趣味活動を増やすことを目的に,管理栄養士と連携する。

4 活用できる地域のインフォーマルサービスを検討するために,義肢装具士と連携

する。

5 栄養状態の面から健康増進を図るために, 社会福祉士と連携する。

解答

1×

2〇Bさんは「日常

生活で、もっと自分でできることを増やし、いずれは地域で生活したい」という希望がある。そのためには運動機能の維持・改善を図る必要があることから理学療法士との連携が最も適切。

3×

4×

5×

 

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