第31回介護福祉士筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

問題1(過去に類似問題あり)

Aさん(82歳、女性、要介護2)は、夫を7年前に看取り、その後は一人暮らしをしている。夜中にトイレに行った時に転倒し、大腿骨頸部を骨折(fracture)して3か月入院した。自宅に手すりをつけ、段差をなくす住宅改修をした後、退院した。何かにつかまれば、いすからの立ち上がりや歩行ができる。人と関わるのは苦手なため自宅での生活が中心である。遠方に一人息子が住んでおり、月に1度は様子を見に帰ってくる。週3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)の買物代行や部屋の掃除などの生活援助を利用している。Aさんはできるだけ自分のことは自分で行い、このまま自宅での生活を維持したいと希望している。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに、Aさんは一人暮らしを続けることが不安であると告げた。
Aさんに対する訪問介護員(ホームヘルパー)の応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「訪問介護(ホームサービス)を毎日利用したらどうですか」

2 「一人暮らしは大変なので息子さんと同居したらどうですか」

3 「また転ぶかもしれないと思っているのですか」

4 「グループホームに入居することを考えたらどうですか」

5 「手すりをつけたし、段差もなくしたので転びませんよ」

 

解答

1:×週3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)の買物代行や部屋の掃除などの生活援助を利用しているとあるので、毎日のサービス利用は不要と思われます。

2:×自宅での生活を維持したいと希望しているので不適切。

3:〇Aさんは転倒により大腿骨頸部を骨折しましたが、それでも、これからも自分のことは自分で行う生活を望んでいます。しかし、一人暮らしを続ける不安を持っているので、訪問介護員が、まず 「また転倒することに不安をもっているのですか」と問いかけ思いやることが何より大切となります。

4:×このまま自宅での生活を維持したいと希望しているので不適切です。

5:×住宅改修を行ったことで「転びませんよ」と返答されも Aさんの不安に答えることにはなりません。

 

問題2 (新出問題)
「夜と霧」や「死と愛」の著作があるフランクルFrankl,V)が提唱した価値の説明として、適切なものを1つ選びなさい。

1 公民権運動により差別を解消すること。

2 生命が制限される状況において、いかなる態度をとるかということ。

3 最低生活水準を保障すること。

4 ライフサイクル(life cycle)を通じたノーマルな発達的経験をすること。

5 アパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃すること。

 

解答

1:×

2:〇下記の態度価値を参照してください。

3:×

4:×

5:×南アフリカ共和国で行われていた人種隔離政策。約2割の白人支配層が非白人を差別し、居住地区を定め、異人種間の結婚を禁じたもの。参政権も認めなませんでした。1960年代から反対闘争が激化。91年にアパルトヘイト関連法が廃止されました。


参考

フランクルの3つの価値
1)創造価値
たとえば、自分自身で絵や彫刻など、ものを作った時に感じる充実感で、世の中に何かを与えることに生きる意味を見出す。

2)体験価値
たとえば、美しいものにふれたり、いい景色を見る、美しい絵を見る、楽しいことをするなどによって感動する気持ち。世の中から何かを受け取るときに伴う体験に生きる意味を見出す。

3)態度価値
自己の死や不治の病、障害、愛する人の死など避けることのできない運命に対して、それを受け容れる際に、苦難にあっても、どんな態度をとるか という人間の尊厳の価値。これに生きる意味を見出す。

 

人間関係とコミュニケーション】(2問) 3〜4問題 【人間関係とコミュニケーション】、【コミュニケーション技術】は同一科目試験群です。

問題3(過去に類似問題あり)

Bさん(90歳、男性)は、介護老人福祉施設に入所することになった。一人暮らしが長かったBさんは、入所当日、人と会話することに戸惑っている様子で、自分から話そうとはしなかった。

介護福祉職は、Bさんとコミュニケーションをとるとき、一方的な働きかけにならないように、あいづちを打ちながらBさんの発話を引き出すように心がけた。
このときの介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 双方向のやり取り

2 感覚機能低下への配慮

3 生活史の尊重

4 認知機能の改善

5 互いの自己開示

 

解答

1:〇コミュニケーションが双方向になるように、傾聴するとともに 、非言語コミュケーションである、あいづちをうちながら傾聴することが大切です。

2:×問題文書には 感覚機能低下の記述はないので対応のしようがありません。

3:×

4:×一人暮らしが長かったBさんが 人との会話に戸惑っているので、認知機能の改善とは関係ありません。

5:×、一方的な働きかけにならないように、あいづちを打ちながらBさんの発話を引き出すように…とあるのでお互いの自己開示は不適切。

 

問題4(新出問題→筆談)

聴覚障害のある利用者と介護福祉職との間での筆談に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 中途失聴者が用いることは少ない。

2 空中に字を書くことは控える。

3 多人数での双方向のコミュニケーションに用いる。

4 図や絵よりも文字を多用する。

5 キーワードを活用して内容を伝達する。

 

解答

1:×中途失聴者でも 筆談はコミュケーション手段として用いられています。

2:×紙上に書くだけが 筆談ではありません。

3:×対個人で用いられることが多いです。

4:×文字だけではなく図や絵を自由に使用してもかまいません。

5:〇キーワードを活用し要点をまとめ的確に伝えます。

参照

 

 

【社会の理解】(12問) 5〜16問題

問題5(新出問題)
家族の機能に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 衣食住などの生活水準を維持しようとする機能は、生命維持機能である。

2 個人の生存に関わる食欲や性欲の充足、安全を求める機能は、生活維持機能である。

3 子育てにより子どもを社会化する機能は、パーソナリティの安定化機能である。

4 家族だけが共有するくつろぎの機能は、パーソナリティの形成機能である。

5 介護が必要な構成員を家族で支える機能は、ケア機能である。

 

解答

1:×食欲、性欲、安全や保護を求める欲求などを生活維持機能

2:× 食欲、性欲、安全や保護を求める欲求などで、最も基礎的な機能は生命維持機能

3:×子どもの基礎的な社会化(パーソナリティの形成)と成人のパーソナリティの安定化をパーソナリティの安定化機能

4:×

5:〇

参考 

@生命維持機能

 食欲、性欲、安全や保護を求める欲求などで、最も基礎的な機能と考えられます。

A生活維持機能

 社会の中で一定の基準に照らして満足のいくような生活を営みたいという欲求です。

Bパーソナリティ機能

 T.パーソンズは、家族にとって本質的な機能として、子どもの基礎的な社会化(パーソナリティの形成)と成人のパーソナリティの安定化をあげています。

Cケア機能

 自らの力では生活を営むことのできない乳幼児・病人・障害者・高齢者等に対する援助機能です。

 

問題6(新出問題)

 「地域共生社会」が、目指すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 育児・介護のダブルケアへの対応

2 すべての住民が支え合い、自分らしく活躍できる地域コミュニティの創出

3 高齢者分野の相談支援体制の強化

4 公的サービスに重点を置いた地域福祉の充実

5 専門職主体の地域包括支援体制の構築

 

解答

1:×個人や世帯が抱える問題に包括的に対応します。

2:〇下記の参考を参照してください

3:×高齢者のみではなく幅広い年代が対象となります。

4:×公的サービス以外にも焦点をあてます。

5:×専門職主体ではなく 幅広く人材を活用します。

参考 地域共生社会とは

医療・介護・障害福祉制度ごとに「縦割り」で整備された公的な支援体制を見直し、個人や世帯が抱える問題に包括的に対応する(=「丸ごと」)支援体制へ転換することを掲げています。

相談・支援の窓口が一本化され、病気、生活、家庭環境など、複数の悩みを抱える住民であっても気軽に相談しやすくなります。また自治体においては、地域が抱える問題や住民ニーズをより的確に把握しやすくなったり、医療・介護・障害福祉、それぞれの分野をこえた支援を提供しやすくなったりする等のメリットが生じます。

 

問題7(過去に類似問題あり)

特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 社会福祉法に基づいて法人格を取得した法人である。

2 収益を上げることを禁じられている。

3 社会教育の推進を図る活動を行うものが最も多い。

4 認定特定非営利活動法人は、税制上の優遇措置を受けることができる。

5 災害救援は対象外の活動である。

 

解答

1:×社会福祉法ではなく、特定非営利活動促進法に基づいて特定非営利活動を行うことを主たる目的に設立される法人です。

2:×NPO法では余ったお金を社員(従業員のことではなく会員のことをこういいます)で分けてはいけない、と規定されています。このルールを守っていれば、事業収入を得てもいいし、職員が給料をもらえこともできます

3:×高齢者福祉や障害者福 祉など福祉・医療の分野が多いです。

4:〇下記の参考を参照してください7.

5:×災害分野も対象内です。

 

参考:NPO法人と認定NPO法人の違い

NPO法人と認定NPO法人はどちらも行政にも企業にも属さず、自由な社会貢献活動を行うものとして内閣府から認められた市民団体です。両者の一番の違いは、寄付に関する税制。国税局に認定された認定NPO法人に寄付した場合、寄付した側は税額控除や所得控除といった税制上の優遇が受けられる一方、NPO法人の場合はそれが大幅に少なくなっています。
NPO法人が認定NPO法人になるには、その活動がある程度以上社会から必要とされていることを証明する基準(パブリック・サポート・テスト:略称PST)をクリアする必要があります。

 

問題8(過去に類似問題あり)

「育児・介護休業法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 契約社員は、育児休業を取得できない。

2 介護休業は、対象家族一人につき連続して取得しなければならない。

3 介護休業は、育児休業よりも先に制度化された。

4 雇用主には、育児休業中の給与支給が義務づけられている。

5 配偶者、父母、子、配偶者の父母は、介護休業の対象家族である。

(注)「育児・休業法」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。

 

解答

1:×「育児・介護休業法」とは、簡単にいえば、「正社員や契約社員として働いている人に子どもが生まれて育児のための時間が必要になったり、自分の家族に介護が必要になったときに、受給条件さえ満たせば、仕事と育児・介護を両立できるようにするために受けられる申請制の公的な福祉サービス・資格を定めた法律」のことです。したがって契約社員でも育児休業の取得はできます。

2:×分割取得が可能です。対象家族1人につき、3回を上限として、通算93日まで…

3:×介護休業は育児休業の後に制度化されました。

4:×育児休業中の給与支給は義務づけられていません。

5:〇配偶者、父母、子、配偶者の父母は、介護休業の対象家族です。

 

問題9(過去に類似問題あり)

Cさん(71歳、女性、要介護1)は、軽度の認知症(dementia)がある。週1回通所介護(デイサービス)を利用している。娘が離婚して、常勤で就労するようになり、孫を連れてCさん宅へ転入した。孫が保育所に入所できなかったため、Cさんが日中面倒をみることになった。そのため、楽しみにしていた通所介護(デイサービス)の利用が困難になり困っているという相談が、指定通所介護事業所のD管理者(介護福祉士)にあった。
D
管理者の対応として最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用が困難ということなので、通所介護計画を変更する。

2 通所介護(デイサービス)の利用日は会社を休むように、娘に言う。

3 担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)に、再調整を依頼する。

4 児童相談所に相談するよう、Cさんに助言する。

5 娘に転職をしてもらうように、Cさんに助言する。

 

解答

1:×D管理者(介護福祉士)の業務とはならない。

2:×D管理者(介護福祉士)の業務とはならない。

3:〇ケアマネージャーの仕事には、介護サービスの調整役の役割も求められます。D管理者の対応としてケアマネに再調整の依頼をすることが最も適切です。

4:×D管理者(介護福祉士)の業務とはならない。

5:×D管理者(介護福祉士)の業務とはならない。

 

問題10(過去に類似問題あり)

労働者災害補償保険制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 パートやアルバイトは、保険給付の対象である。

2 保険料は、雇用主と労働者がそれぞれ負担する。

3 通勤途上の事故は、保険給付の対象外である。

4 業務上の心理的負荷による精神障害は、保険給付の対象である。

5 従業員がいない自営業者は、保険給付の対象である。

 

解答

1:〇正社員やパートタイマー、臨時雇いなど賃金の支払いを受ける人はすべて労災保険の適用を受けることになります。

2:×保険料は雇用主負担です。

3:×通勤途上の事故も保険給付の対象となります。

4:×

5:×対象となりません。

 

問題11(介護保険法改正については類似問題あり)

2018(平成30年)に施行された介護保険制度の改正内容として、正しいものを1つ選びなさい。

1 介護医療院の創設

2 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の創設

3 在宅医療・介護連携推進事業の地域支援事業への位置づけ

4 地域包括支援センターへの認知病連携担当者の配置

5 法令遵守等の業務管理体制整備の義務づけ

 

解答

1:〇下記を参照してください。

2:×改正なし

3:×改正なし

4:×改正なし

5:×改正なし

参考  平成30年介護保険法改正
〇自己負担額の見直し

3割負担の導入

世代間等の公平性を保ち、介護保険制度を持続させていくという観点から、一部のサービス利用者の自己負担を2割から3割に引き上げることになりました。ただし、月額44,000円の負担上限が設定されています。【平成30年(2018年)8月〜】

〇福祉用具貸与価格の見直し

現行の福祉用具貸与については、同じ商品であっても貸与を行う業者によって価格に差があるのが実情です。これは、業者によって仕入れ価格や点検費用などが異なるために起こります。今改正ではこうした貸与価格の見直しを行い、利用者が適正な価格でサービスを受けられるようにします。【平成30年(2018年)10月〜】

〇新しい介護保険施設「介護医療院」の創設

今後も要介護者の増加が懸念されるということは、慢性的な医療や介護ニーズが増えることにも繋がります。こうしたニーズに対応できる新しい介護保険施設として、平成30年(2018年)4月に誕生するのが「介護医療院」です。これは、長期にわたって療養するための医療と、日常生活を送る上での介護を一体的に受けられる施設となります。

〇新たに「共生型サービス」を位置づけ

平成30年(2018年)4月から、介護保険と障害福祉の両制度に新しく「共生型サービス」が位置づけられます。このサービスの目的は、高齢者と障害児者が同一の事業所でサービスを受けやすくすることです。

 

問題12(介護保険法改正については類似問題あり)

2018年(平成30年)に施行された介護保険制度の利用者負担に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 施設の食費は、材料費等の実費を新たに全額自己負担することとなった。

2 補足給付の支給要件から資産が除かれた。

3 居宅介護サービス計画費について自己負担が導入された。

4 施設の居住費は、新たに保険給付の対象外とされた。

5 一定以上の所得のある利用者に対して3割負担が導入された。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:〇世代間等の公平性を保ち、介護保険制度を持続させていくという観点から、一部のサービス利用者の自己負担を2割から3割に引き上げることになりました。

参考 平成30年介護保険法改正(利用者負担)

自己負担額の見直し

3割負担の導入

世代間等の公平性を保ち、介護保険制度を持続させていくという観点から、一部のサービス利用者の自己負担を2割から3割に引き上げることになりました。ただし、月額44,000円の負担上限が設定されています。【平成30年(2018年)8月〜】

・所得段階が「一般」の人の自己負担限度額の引き上げ

3割負担導入に先がけて、所得区分「一般」の高額介護サービス費の自己負担上限(月額)が引き上げられます。【平成29(2017)8月〜】

 

問題13(法改正のポイント問題として類似問題あり)

2016(平成28)の「障害者総合支援法」の改正内容として,適切なものを1つ選びなさい。

1 放課後や休日に児童・生徒の活動を支援する放課後等デイサービスが創設された。

2 一人暮らしを希望する障害者に対して,地域生活を支援する自立生活援助が創設された。

3 障害者の1年間以上の雇用継続を義務づける就労定着支援が創設された。

4 保育所等を訪問して,障害児に発達支援を提供する保育所等訪問支援が創設された。

5 医療的ケアを必要とする障害児への支援として,医療型障害児入所施設が創設された。

()「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

 

解答

1:×なし

2:〇改正ポイント概要の2を参照してください。

3:×就労定着支援とは、就業に伴う課題に取り組めるよう事業所・家族との連絡調整支援サービスのこと。

4:×なし

5:×医療的ケアを必要とする障害児への支援は関連機関の連携促進が柱となっています。

参考

 

問題14(過去に類似問題あり)

障害者を支援する専門職の主たる業務に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 社会福祉士は,福祉関連法に定められた援護、措置の事務を行う。

2 精神保健福祉士は、心理検査を実施して精神面の判定を行う。

3 理学療法士は、手芸や工作の作業、家事の訓練を行う。
4
 言語聴覚士は、聴覚検査や言語訓練、嚥下訓練を行う。

5 栄養士は、摂食の訓練や摂食のための自助具の作成を行う。

 

解答

1:×病気や障害、生活状況などさまざまな理由によって、日常生活を送ることが困難になった人の相談を受け、安定した生活ができるようにサポートします。

2:×精神上の障害がある人たちやその家族の人たちの相談を受け、日常生活訓練をする施設を紹介したり、就職に対するアドバイスを行ったりして、よりよい生活を送ることができるように援助します。

3:×理学療法士の仕事は、病気や事故によって身体機能が低下した患者のリハビリテーションを行います。

4:〇

5:×栄養士は栄養バランスのとれた献立を作成する食事管理など栄養指導を通して、健康保持・増進、疾病の予防、疾病を持つ人にはその治療をすすめます。

 

問題15(過去に類似問題あり)

Eさん(75)はU事業所の訪問介護(ホームヘルプサービス)とV事業所の通所介護(デイサービス)を利用している。Eさんは通所介護(デイサービス)の職員の対応に不満があり、苦情を申し出たいがどうすればよいかとU事業所の訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。

訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 通所介護(デイサービス)の職員に注意しておくと伝える。

2 介護保険審査会に申し出るように助言する。

3 介護保険・事業所の苦情対応・仕組みを説明して、担当者に相談するように助言する。

4 しばらく様子を見てから、改めて相談に応じると伝える。

5 日常生活自立支援事業を契約して、苦情解決を援助してもらうように助言する。

 

解答

1:×

2:×介護保険審査会は、市町村での要介護認定に対する不服申請に対応するものなので、職員対応の不満を受けつけるという業務はありません。

3:〇介護保険法では、介護保険の事業者は、提供したサービスに係る利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置するなど必要な措置を講じることが求められています。 また、ケアマネジャーは、自ら提供した指定居宅介護支援又は自らが居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス等に対する利用者及びその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応しなければならないとされています。(指定居宅サービス等の各運営基準第36条、指定居宅介護支援等の運営基準第26条)したがって、担当者に相談するように助言することが最も適切です。

4:×介護保険法での苦情処理は迅速にという規定があります。

5:×日常生活自立支援事業.は高齢や障がいのため判断能力が低下している方の日常生活の心配ごと、困りごとの相談を受けながら、福祉サービスを利用する手続きのお手伝いや、日常生活費の管理のお手伝いをするもので、苦情に関する処理は行いません。

 

問題16(過去に類似問題あり)

社会福祉法人に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 設立にあたっては、所在地の都道府県知事が厚生労働大臣に届出を行う。

2 収益事業は実施することができない。

3 事業運営の透明性を高めるために、財務諸表を公表することとされている。

4 評議員会の設置は任意である。

5 福祉人材確保に関する指針を策定する責務がある。

 

解答

1:×設立は原則として法人の主たる事務所が所在する、都道府県で、法人が行う事業が法人の主たる事務所の所在する、市の区域を越えない場合は当該市となります。

2:×収益事業は可能

3:〇平成26年度より社会福祉法人は、現況報告書並びに添付書類である財務諸表(貸借対照表及び収支計算書)について、インターネットを活用し、公表することが義務付けられました

4:×評議委員会は設置する必要があります。

5:×責務なし。

 

【介護の基本】(10問) 17〜26問題

問題17(過去に類似問題あり)

2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果」(内閣府)の介護を受けたい場所に関する次の選択肢のうち、最も多かったものを1つ選びなさい。

1 「子どもの家で介護してほしい」

2 「介護老人福祉施設に入所したい」

3 「自宅で介護してほしい」

4 「病院などの医療機関に入院したい」

5 「民間の有料老人ホームなどを利用したい」

 

解答

1:×下記参照

2:×下記参照

3:〇最も多いのは「自宅で介護してほしい」で 34.9

4:×下記参照

5:×下記参照

参考:2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果」(内閣府)

最も多いのは「自宅で介護してほしい」で 34.9である。次いで「病院などの医療機関に入院し たい」の 20.0%と「介護老人福祉施設に入所したい」が 19.2%,「介護老人保健施設を利用した い」が 11.8%などの順となっている。 ・ 性別にみると,「自宅で介護してほしい」は,女性の 29.1%よりも男性の 42.0%の方が高い。一 方,「病院などの医療機関に入院したい」では男性の 16.4%よりも女性の 23.0%の方が高い。

 

問題18(過去に類似問題あり)

社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として、適切なものを1つ選びなさい。

1 家族介護者の介護離職の防止

2 医学的管理

3 日常生活への適応のために必要な訓練

4 福祉サービス関係者等との連携

5 子育て支援

 

 解答

1:×業務規程なし

2:×業務規程なし

3:×業務規程なし

4:〇法の第47条で「 介護福祉士は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に、認知症(介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第16項に規定する 認知症をいう。)であること等の心身の状況その他の状況に応じて、福祉サービス等が総合的かつ適切に提供されるよう、福祉サービス関係者等 との連携を保たなければならない。」と規定されています

5:×業務規程なし

参考 介護福祉士は、同法第2条第2項において『介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。』と位置づけられています。

 

問題19(過去に類似問題あり)

茶道の師範だったFさん(87歳、女性、要介護3)は、70歳の時に夫を亡くし、それ以降は一人暮らしを続けていた。79歳の頃、定期的に実家を訪ねていた長男が、物忘れが目立つようになった母親に気づいた。精神科を受診したところ、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimers type)と診断された。昨年から小規模多機能型居宅介護を利用しているが、最近は、宿泊サービスの利用が次第に多くなってきている。Fさんは来所しても寝ていることが多く、以前に比べると表情の乏しい時間が増えてきている。
介護福祉職がFさんの生活を支えるための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Fさんが安心して暮らせるように、長男に施設入所を勧める。

2 夜間に熟睡できるよう、日中は宿泊室に入らないように説明する。

3 長く茶道を続けてきたので、水分補給は緑茶に変更する。

4 心を落ち着かせるために、読書を勧める。

5 茶道の師範だったので、お茶のたて方を話題にする。

 

解答

1:×

2:×宿泊サービスの利用をしているが、問題文に「寝ていることが多く」とある。これでは夜間に熟睡することが難しくなります。

3:×

4:×読書に興味がなければ ストレスを与えるだけになります。

5:〇Fさんが関心のある茶道に関することを話題にすることは 気持ちも穏やかになり、認知症に対するコミュニケーションとして大きな効果があります。

 

問題20(過去に類似問題あり)

Gさん(68歳、女性、要介護2)は、小学校の教員として定年まで働いた。Gさんは. 3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimers type)と診断された。夫は既に亡くなっており、長男(30)と一緒に暮らしている。週に2回通所介護(デイサービス)に通い、レクリエーションでは歌の伴奏をよくしている。その他の日は、近所の人や民生委員、小学校の教え子たちがGさん宅を訪問し、話し相手になっている。
最近、Gさんは食事をとることを忘れていたり、トイレの場所がわからず失敗したりすることが多くなった。
介護福祉職が, Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health : 国際生活機能分類)の構成要素の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimers type)は、「心身機能・身体構造」にあたる。

2 レクリエーションで歌の伴奏をすることは、「参加」にあたる。

3 近所の人や民生委員、小学校の教え子は、「個人因子」にあたる。

4 小学校の教員をしていたことは、「環境因子」にあたる。

5 トイレの場所がわからなくなることは、「健康状態」にあたる。

 

 解答

1:×機能障害

2:〇

3:×環境因子

4:×個人因子

5:×活動制限

参考:

ICFの構成要素は、健康との関連において以下のように定義されます。
■心身機能
身体系の生理的機能(心理的機能を含む)
■身体構造
器官・肢体とその構成部分などの、身体の解剖学的部分
■機能障害(構造障害を含む)
著しい変異や喪失などといった、心身機能または身体構造上の問題
■活動
課題や行為の個人による遂行のこと
■参加
生活・人生場面への関わりのこと
■活動制限
個人が活動を行うときに生じる難しさのこと
■参加制約
個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのこと
■環境因子
人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子のこと
■個人因子
個人の人生や生活の特別な背景で、健康状態や健康状況以外のその人の特徴

 

問題21(新出問題)

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 このサービスのオペレーターは、サービス提供責任者のことである。

2 利用者の状態の変化に応じて、随時訪問サービスを利用することができる。

3 介護・看護一体型では、訪問看護サービスを利用しても介護報酬は同一分ある。

4 日常生活上の緊急時の対応は行っていない。

5 要支援者、要介護者のどちらも利用できる。

 

解答

1:×オペレーターの要件は看護師、准看護師、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、サービス提供責任者として1年以上従事した経験を持つ者となっています。

2:〇

3:×介護・看護一体型では、訪問看護サービスを利用する場合、利用しない場合で介護報酬は異なります。

4:×緊急時にも対応します。

5:×要支援1,2の方は、「介護予防訪問リハビリテーション」の対象となり、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスは受けることができません。

参考:定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、定期的な巡回や随時通報への対応など、利用者の心身の状況に応じて、24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供するものです。

 

 定期巡回・随時対応型訪問介護看護には、次の3つのサービスがあります。

A.定期巡回サービス

一日に複数回、定期的に利用者宅を訪問してサービスを提供します。

入浴やトイレの介助、食事のサポート、寝返りの介助、投薬の確認などを行います。

B.随時対応・随時訪問サービス

ご利用者やご家族の通報を受けて、サービス提供者のオペレーターが対応を行ったり(随時対応)、必要に応じてご利用者の自宅にスタッフが訪問し、入浴やトイレの介助、食事のサポートなどのサービスを提供(随時訪問)したりします。

C.訪問看護サービス

ご利用者の心身の状態に応じて、看護師がご自宅を訪問し、必要な医療ケアを行います。

 

サービスの提供には、次の2つのタイプがあります。

・一体型

訪問介護と訪問看護の両方を、一つの事業所が一体的に提供します。

上記A?Cのサービスのすべてを提供することができます。

・連携型

訪問介護を提供する事業者が、その地域にある訪問看護を提供する事業者と連携を取りながら、サービスを提供します。

上記A?Cのうち、AおよびBを訪問介護事業者が提供し、Cについては連携している訪問看護事業者が対応します。

 

問題22(新出問題)

防災に関する次の図記号が意味している内容として、正しいものを1つ選びなさい。

1 避難所

2 避難場所

3 土石流注意

4 地滑り注意

5 津波注意

 

解答

1:×屋根マークがついていると避難所

2:〇広域避難場所

3:×下記参考を参照

4:×下記参考を参照

5:×下記参考を参照

参考 その他防災記号

 

問題23(過去に類似問題あり)

介護福祉職の職務上の倫理に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 おむつ交換をスムーズに行うために、利用者の居室(個室)のドアを開けておいた。

2 訪問介護(ホームヘルプサービス)中に携帯電話が鳴ったので、電話で話しながら介護した。

3 ベッドから転落した利用者が「大丈夫」と言ったので、そのままベッドに寝かせた。

4 利用者から、入院している他の利用者の病状を聞かれたが話さなかった。

5 利用者が車いすから立ち上がらないように、腰ベルトをつけた。

 

解答

1:×プライバシー保護の配慮に欠けます。

2:×専門的サービスの配慮に欠けます。

3:×

4:〇プライバシー保護に配慮

5:×拘束は虐待にあたります。
参考:日本介護福祉士会倫理綱領

1.利用者本位、自立支援

介護福祉士はすべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。

2.専門的サービスの提供

介護福祉士は、常に専門的知識・技術の研鑚に励むとともに、豊かな感性と的確な判断力 を培い、深い洞察力をもって専門的サービスの提供に努めます。

また、介護福祉士は、介護福 祉サービスの質的向上に努め、自己の実施した介護福祉サービスについては、常に専門職として の責任を負います。

3.プライバシーの保護

介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た個人の情報を守ります。

4.総合的サービスの提供と積極的な連携、協力

介護福祉士は、利用者に最適なサービスを総合的に提供していくため、福祉、医療、保健その他関連する業務に従事する者と積極的な連携を図り、協力して行動します。

5.利用者ニーズの代弁

介護福祉士は、暮らしを支える視点から利用者の真のニーズを受けとめ、それを代弁していくことも重要な役割であると確認したうえで、考え、行動します。

6.地域福祉の推進

介護福祉士は、地域において生じる介護問題を解決していくために、専門職として常に積極的な 態度で住民と接し、介護問題に対する深い理解が得られるよう努めるとともに、その介護力の強化に協力していきます。

7.後継者の育成

介護福祉士は、すべての人々が将来にわたり安心して質の高い介護を受ける権利を享受で きるよう、介護福祉士に関する教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぎます。

 

問題24(過去に類似問題あり)

施設の介護における安全の確保に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 職員に対して安全に関する研修を定期的に行う。

2 施設管理者の安全を第一に考える。

3 利用者の社会的な活動を制限する。

4 利用者に画一的なサービスを提供する。

5 安全対策は事故後に行う。

 

解答

1:〇職員全体で定期的な研修会を行うことは有効です。

2:×利用者の安全が第一

3:×利用者の社会的な活動をなるべく保障するなかで安全確保に努めることが大切

4:×利用者には 個々の事情を考慮し 個々に適切なサービスを提供します。

5:×事故が起きる前に安全対策を行います。

 

問題25(過去に類似問題あり)

介護老人福祉施設の感染対策に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 感染対策のための委員会を開催することは任意である。

2 手洗いは,消毒液に手を浸して行う。

3 洗面所のタオルは共用にする。

4 入所者の健康状態の異常を発見したら,すぐに生活相談員に報告する。

5 おむつ交換は,使い捨て手袋を着用して行うことが基本である。

 

解答

1:×施設内の感染症(食中毒を含む)の発生や発生時の感染拡大を防止するために、感染対策委員会を設置する必要があります。

2:×正しい手洗い方法

1 流水で十分に両手をぬらし手首の上5cmくらいまでぬらす

2 石鹸を適量取り出し

3 両手のひらをよくこする

4 手の甲もよくこすり洗いする

5 指先は特に入念に洗う

6 指の間もくまなく洗う

7 親指と手のひらも丁寧に

8 手首も忘れずに

9 指先を上に向けて流水で流す

 

3:×共有すると感染が拡大してしまいます。

4:×施設の管理者等にすみやかに報告すること

5:〇素手で触らず、必ず手袋を着用して取り扱います。ま た、手袋を脱いだ後は、手洗い、手指消毒が必要です。

 

問題26(過去に類似問題あり)

燃え尽き症候群(バーンアウト(burnout))の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 首から肩、腕にかけて凝りや痛みが生じる。

2 人格・行動変化や失語がみられる。

3 無気力感、疲労感や無感動がみられる。

4 身体機能の低下がみられる。

5 日中に耐え難い眠気が生じる。

 

解答

1:×

2:×

3:〇下記参照

4:×

5:×

参考 :燃え尽き症候群とは

燃え尽き症候群は、一定の生き方や関心に対して献身的に努力した人が期待した結果が得られなかった結果感じる徒労感または欲求不満。0慢性的で絶え間ないストレスが持続すると、意欲を無くし、社会的に機能しなくなってしまう症状。一種の心因性(反応性)うつ病とも説明される。

極度のストレスがかかる職種や、一定の期間に過度の緊張とストレスの下に置かれた場合に発生することが多いと言われている。

 

燃え尽き症候群の症状(byウィキペディア)

朝起きられない、会社または職場に行きたくない、アルコールの量が増える、イライラが募るなどから始まり、突然の辞職、無関心、過度の消費などにはけ口を見い出したり、最後は仕事からの逃避、家庭生活の崩壊、対人関係の忌避、最悪の場合、自殺や犯罪や過労死や突然死などに終わるという

 

【コミュニケーション技術】8問 27〜34問

問題27(新出問題)

利用者とのコミュニケーションにおいて逆転移が起きている事例に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自分か利用者を嫌いなのに、利用者が自分を嫌っていると思い込む。

2 亡くなった祖母と似ている利用者に、無意識に頻繁に関わる。

3 利用者に対する不満を直接ぶつけずに、机を強くたたいて発散する。

4 敬意を抱いている利用者の口癖を、自分もまねて用いる。

5 利用者に対する嫌悪の感情を抑え、過剰に優しく利用者に接する。

 

解答

1:×

2:〇このように利用者とのコミュニケーションのやり取りをする中で、何らかの感情や感覚が生じることを逆転移といいます。

3:×

4:×

5:×

参考:転移と逆転移

相談者がカウンセラーに対して起こす感情を転移

カウンセラーが相談者に対して起こす感情を逆転移

 

問題28(過去に類似問題あり)

介護福祉職が行う傾聴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者が抱いている感情を推察する。

2 利用者が話す内容を介護福祉職の価値観で判断する。

3 対話の話題を介護福祉職の関心で展開する。

4 利用者が体験した客観的事実の把握を目的とする。

5 利用者が沈黙しないように対話する。

 

 解答

1:〇「傾聴」とは、相手の話を注意深く、正確に、真摯に耳を傾け、いだいている感情を推察します。

2:×傾聴するにあたり介護福祉職の価値観や関心で判断することは不適切

3:×傾聴するにあたり介護福祉職の価値観や関心で判断することは不適切

4:×

5:×

参考:カウンセリングの基本的態度

@ 受容 相手をそのまま、否定も肯定もせず、評価を加 えず、受け入れること

A 傾聴 相手の話をただ聴くのではなく、注意深く、正 確に、真摯に耳を傾けること

B 共感的理解 他人である自分が、価値観の違う相手とその 世界を、相手の立場にたって、理解しようとする 態度

 

問題29(過去に類似問題あり)
H
さん(75歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症して入院し、後遺症として左片麻輝か残った。退院後、介護老人保健施設に入所し、在宅復帰を目指してリハビリテーションに取り組んでいる。ある日, HさんはJ介護福祉職に「リハビリを頑張っているけれど、なかなかうまくいかない。このままで自宅に戻れるようになるのか…」と暗い表情で話しかけてきた。
このときの、Hさんに対するJ介護福祉職の共感的な応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「不安な気持ちに負けてはいけません」

2 「きっと自宅に戻れますよ」

3 [Hさんが不安に思う必要はありません]

4 「不安に思っているHさんがかわいそうです」

5 「リハビリがうまくいかなくて不安なのですね」

 

 解答

1:×励ましでは 相手の気持ちを理解するということになりません。

2:×憶測意見では、相手の気持ちを理解するということになりません。

3:×介護職の個人的な意見を述べては、相手の気持ちを理解するということにはなりません。

4:×共感ではなく同情

5:〇

参考:共感とは

相手の気持ちや立場に立って気持ちを理解することであり、同情とは違います。

 

次の事例を読んで、問題30、問題31について答えなさい。
〔事例〕
Kさん(75歳、女性)は、小学校教諭を定年退職した後、しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが、認知症(dementia)を発症し、介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後、初めて息子夫婦が面会に来た。
Kさんは息子に向かって、「ここで、国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて、介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から、「母が、学校で教えていると言った時、どうしたらよいでしょうか」と質問があった。

 

問題30(過去に類似問題あり)

このときの、息子に対する応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「ここは学校ではないので、息子さんから直してあげてください」

2 「お母さんの教員としての誇りを大切にしてあげてください」

3 「お母さんの認識を改めるための何か良い知恵はありますか」

4 「認知症(dementia)が進行しているので仕方ありません」

5 「私たちも息子さんと同じように困っているんです」

  

解答

1:×これでは利用者にとって、もっともよいサービス提供をしなければならない立場を放棄するものです。

2:〇本にとっての生きがいや、尊厳を守ってあげるような提言は適切です。

3:×

4:×介護職として、認知症のかたに対しての接し方について提言が必要です。

5:×これでは、介護職として業務放棄ですよね。

 

問題31(過去に類似問題あり)

Kさんの病状は進み、自分から話すことはほとんどなくなり、こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり、という状況になった。
このようなKさんとコミュニケーションをとる方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 沈黙を守る。

2 表情を一定に保つ。

3 開かれた質問を使う。

4 ボディタッチを増やす。

5 コミュニケーションノートを使う。

 

 解答

1:×

2:×

3:×開かれた質問とは、「何が〜?」「なぜ〜?」「どのように〜?」などで始まる質問であり、一言二言では答えられず、対象者が主体的に話しをする形で展開するものですが、Kさんの病状は進み、こちらの問いかけにも応じない状況なので不適切。

4:〇kさんにとって、ボディタッチは安心感をあたえ、人間関係を親密にする非言語コミュニケーションとして最適と思われます。

5:×コミュニケーションノートは主に失語症者に用いられます。

 

問題32(過去に類似問題あり)

Lさん(30歳、女性)は、パートタイムで仕事をしながら、自宅で母の介護をしてきた。ある日、母の訪問介護(ホームヘルプサービス)で訪れたM訪問介護員(ホームヘルパー)に対して、Lさんは、「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて、行動を監視されている」と興奮気味に訴えた。
このときのM訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 それは現実のことではないと説明する。

2 気にしなくてもよいと話をそらす。

3 Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。

4 監視されているのは間違いないと肯定する。

5 Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。

 

解答

1:×受容となっていません

2:×傾聴となっていません

3:〇受容・共感・傾聴を理解しておくと容易に問題を解くことができます。

受容とは

相手の言葉・感情などを、自分の価値観で判断や評価をせず、ありのままに受け入れること。相手が自分の感情を受け止めたことを認知することが大事です。

共感とは

相手の考えていることや感じていることを、自分も同じように感じていくこと。

傾聴とは

相手の話しに耳を傾け、深く理解していこうとする姿勢で聴くこと

4:×受容となっていません

5:×

 

問題33(過去に類似問題あり)

叙述体を用いて介護記録を作成するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 情報を項目別に整理する。

2 問題のポイントを明確にする。

3 介護福祉職の解釈を記録する。

4 論点を明確にする。

5 利用者に起こったことをそのまま記録する。

  

 解答

1:×要約体

2:×要約体

3:×説明体

4:×要約体

5:〇下記参照

参考:

・叙述体

客観的事実や起こった出来事をそのまま記録するときに使われる文体。

時系列順に記録する経過記録などは、全体を短く圧縮した「圧縮叙述体」が使われることが多い。

・逐語体

介護従事者と利用者のやりとりを加工せず、そのまま記録した文体。

・要約体

要点を整理してまとめるときに用いる文体。生活歴の記録、アセスメントの要約、事例検討や各種報告書などによく用いられます。

・説明体

出来事に対する介護従事者を解し、説明するときに用いる文体。「事実」と「事実に対する解釈・意見」とは区別して書くことが重要です。

 

問題34(過去に類似問題あり)

介護福祉職が行う報告の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 報告するときは、自分の意見を最初に述べる。

2 予定より時間がかかる業務であっても、完了後に報告する。

3 起こった事実は、抽象的な言葉で報告する。

4 指示を受けた業務の報告は、指示者に行う。

5 自分の推測を、事実であるとみなして伝える。

  

 解答

1:×自分の意見より事実を客観的に報告

2:×速やかに報告します

3:×躯体的に報告

4:〇

5:×推測で報告しない

 

【生活支援技術】26問 35〜60問

問題35(マーク問題について過去に類似問題あり)

下記のマークが表しているものとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 肢体不自由のある人が運転する自動車

2 障害者が利用できる建物、施設

3 義肢や義足などで援助や配慮を必要としている人

4 オストメイトであること、オストメイトのための設備があるトイレ

5 障害者の就労支援に取り組んでいる企業

 

 解答

1:×

2:×

3:×

4:〇オストメイトとは、癌や事故などにより消化管や尿管が損なわれたため、腹部などに排泄のための開口部(ストーマ(人工肛門・人工膀胱))を造設した人のことをいいます。

5:×

 

問題36(新出問題)

Aさん(38)は、共同生活援助(グループホーム)に入居している。料理が得意で、普段はエプロンを身に着けて揚げ物料理をガスコンロで作っている。
防火を意識した調理支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 調理材料は、ガスコンロの周辺に置く。

2 調理をするときは、袖口を絞った衣類を着てもらう。

3 調理に時間がかかるときは、鍋から離れてもらう。

4 火災警報器は、床に近い部分に設置する。

5 強い火力で調理してもらう。

 

解答

1:×燃えやすい食材もあるので ガスコンロから離しておきます

2:〇

3:×調理中はカスコンロから離れてはいけません

4:×床に近い場所ではなく、壁であれば警報器の中心が天井から15cm50cm以内に入るようなところで

5:×中火や弱火で調理をしてもらいます。

 

問題37(過去に類似問題あり)

歩行が可能な脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)の高齢者の転倒予防に留意した環境整備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 弾力性が高い床材を使用する。

2 洋式トイレの予備のトイレットペーパーは足元に置く。

3 頻繁に移動する場所には手すりを取りつける。

4 調理用具は、頭上のつり棚に収納する。

5 いすにキャスターをつける。

 

解答

1:×転倒のおそれがあります。下記参考を参照

2:×下記参考を参照

3:〇

4:×

5:×ふらつき症状があるのでキャスターを付けることにより危険が増大します

参考:脊髄小脳変性症

歩行時のふらつきや、手の震え、ろれつが回らない等を症状とする神経の病気です。動かすことは出来るのに、上手に動かすことが出来ないという症状です。

生活上の注意

起立や歩行の際にふらついて転倒してしまうことがあり、注意が必要です。特に、歩き出したり、向きを変えたりするときにバランスを崩すことが多いです。廊下・お風呂・トイレなど、日常生活で頻繁に移動する場所には、手すりなどを設置して、つかまることの出来る固定した場所を確保することにより、転倒のリスクを少なくすることが大事です。

 

問題38(過去に類似問題あり)

介護福祉職が行う身じたく・整容の支援と使用する道具の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ベッド上での口腔ケア     ・・・・・・ガーグルペースン

2 浴室での洗髪               ・・・・・・  ドライシャンプー

3 総義歯の洗浄               ・・・・・・・歯磨剤

4 耳垢(耳あか)の除去   ・・・・・・・ピンセット

5 ベッド上での洗顔     ・・・・・・・・  冷水で絞ったタオル

 

 解答

1:〇うがいした水などを受けるのに使うカーブした洗面器のようなものをガーグルベースンと言います。

2:×水や湯を使わないシャンプーなので浴室以外での使用か可能です。

3:×入れ歯に付着したプラーク等の汚れは,入れ歯専用ブラシで機械的に除去するのが基本です。入れ歯の中に侵入した真菌などの細菌の除去には酵素系義歯洗浄剤(入れ歯洗浄剤)が用いられます.

4:×綿棒の使用が望ましいです。

5:×温水で絞ったタオル

 

問題39(過去に類似問題あり)

ベッド上で臥床したままの利用者に行う和式寝衣の交換の介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい

1 袖を抜くときは手→肘→肩の順で行う。

2 脱いだ寝衣を広げ、その上に新しい寝衣を重ねて広げる。

3 利用者の脊柱と新しい寝衣の背縫いの部分を合わせる。

4 左前身頃の上に、右前身頃を重ねる。

5 腰紐は結び目が背中に回るように結ぶ。

  

解答(過去に類似問題あり)

1:×肩→肘→手(腕)

2:×

3:〇

4:×着物は右前にします。右前進頃の上に左前進頃を重ねます。(右利きが多いので、右手で懐に手を入れることができるようになっています)

5:×お腹に回るように結びます。

 

問題40(新出問題)

入居施設で生活する利用者が車いすを使用しで外出するときに、介護福祉職が計画、準備することとして、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 長時間の外出を企画する。

2 家族に同行を依頼する。

3 外出先の経路情報を集める。

4 折り畳み傘を用意する。

5 介助ベルトを用意する。

 

解答

1:×利用者の希望など、まず優先しなければなりません。

2:×

3:〇バリアフリーの施設はあるか、段差やこう配の場所はあるか、トイレの利用場所はあるかなど、あらかじめ情報を収集しておきます。

4:×準備の優先順序としては低い

5:×介助ベルトは、歩行補助、 立ち上がり、車いすへの乗り降りを補助するものですが、優先順序としては低いです。

 

問題41(過去に類似問題あり)

選択肢1から5の順で、ベッドから車いすへ全介助で移乗するときの、利用者の動作と、介護福祉職の身体の使い方の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 上半身を起こす一手首で持ち上げる

2 ベッドの端に座る一躍を浮かせて、低くかがむ

3 立ち上がる一前腕で真上に引き上げる

4 車いすに移る一重心を安定させて、車いすへ足先と身体を向ける

5 深く座り直す一座り直す方向に向けて、上下の重心移動をする

 

 解答

1:×

2:×

3:×

4:〇動画参照してください

5:×

 

問題42(過去に類似問題あり)

Bさん(84歳、男性)は、生活全般に介護を必要としている。ベッド上に仰臥位でいるBさんは、喘息があり、咳込みが続き呼吸が苦しくなり、「楽な姿勢にしてほしい」と訴えた。

介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 枕を外して、顔を横に向けて腹臥位にする。

2 枕を重ねて、頭を高くする。
3
 左側臥位にして、背中にクッションを当てる。

4 半座位(ファーラー位)にする。

5 オーバーベッドテーブルの上に枕を置いて、上半身を伏せる。

 

 解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:〇このような時は、上体を起こして何かにもたれかかる姿勢にして、大きく息を吸ったり吐いたりを繰り返します。

 

問題43(過去に類似問題あり)

手首に変形や痛みがみられる関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の利用者が、歩行時に使用する杖として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 前腕固定型杖(ロフストランドクラッチ(Lofstrand crutch))

2 前腕支持型杖(プラットホームクラッチ(Platform crutch))

3 松葉杖

4 多点杖

5 歩行器型杖

 

 解答

1:×

2:〇

3:×

4:×

5:×

 

問題44(過去に類似問題あり)

身体機能の変化に応じた食事の提供と対応方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 咀嚼力(そしゃくりょく)の低下に対しては、麺類を中心とした食事で栄養を補う。

2 味覚の低下に対しては、塩分を増やして味付けを濃くする。

3 腸の嬬動(ぜんどう)運動(うんどう)の低下に対しては、食物繊維の多い食品を取り入れる。

4 口渇感の低下に対しては、脱水予防のために酸味のある味付けにする。

5 唾液分泌の低下に対しては、食後にアイスマッサージをする。

  

解答

1:×長い麺類などは噛みにくいので要注意です、

2:×香辛料・香味野菜を使う 等の工夫が必要です。

3:〇胃腸内で不溶性食物繊維のカサ(量)が増大する事により、胃腸の蠕動運動が活発になるので、特に便秘予防には不溶性食物繊維を多く取り入れます。

4:×お水やお茶を飲んで口を潤すことが大切です。

5:×アイスマッサージで冷やすのではなく食後は水分補給などしてドライマウスを予防します。

 

問題45(過去に類似問題あり)

いすに座っている右片麻痺の利用者の食事介護時の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 口の右側に食物を入れる。

2 利用者の左腕はテーブルの上にのせたままにしておく。

3 刻み食にする。

4 上唇にスプーンを運ぶ。

5 一口ごとに、飲み込みを確認する。

  

 解答

1:×口の右側はマヒがあるので左側に食物を入れます。

2:×

3:×刻み食は飲み込む力はあるが噛む力が弱くなった方に適した食事ですが、この利用者は右片麻痺だけなので噛む能力には問題ないので刻み食にはしません。

4:×下唇にスプーンを運びます。

5:〇むせたり、誤嚥をしなように一口ごとに飲み込みを確認します。

 

問題46(新出問題)

たんぱく質・エネルギー低栄養状態(PE M: Protein Energy Malnutrition)が疑われる状況として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 要介護度が改善した。

2 1か月に3 %以上の体重減少があった。

3 体格指数(BMI)25.0以上になった。

4 低血圧症状が現れた。

5 声が枯れるようになった。

 

 解答

1:×要介護度の改善はなし。

2:〇下記 表を参照

3:×たんぱく質・エネルギー低栄養状態では体重が急激にへります。体格指数(BMI)25.0以上だと体重増加なので間違い。

4:×

5:×

参考

 

問題47(新出問題)

ベッド上で足浴を実施するときの基本的な手順や方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 ベッドの足元をギャッジアップする。

2 お湯の温度の確認は、利用者、介護福祉職の順に行う。

3 ズボンを脱がせて、下肢を露出する。

4 洗う側の足関節を保持しながら洗う。

5 両足を一度に持ち上げて、すすぐ。

 

解答

1:×ギャッジダウンして動かないように固定します。

2:×まずは温度の確認は介護職が行います。

3:×尊厳尊重保持の観点から好ましくありません。

4:〇

5:×片方ずつすすぎます。

参考 you  tube 動画    ベッド上での足浴

 

問題48(新出問題)

長期臥床している高齢者に、ケリーパッドを使用して行うベッド上での洗髪に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 膝を伸ばした仰臥位で行う。

2 頭皮に直接お湯をかけて、生え際を濡らす。

3 後頭部を洗う時は、頭部を前屈させる。

4 すすぐ前に、タオルで余分な泡を拭き取る。

5 すすぎは高い位置からお湯をかける。

  

解答

1:×

2:×

3:×

4:〇

5:×

 

問題49(過去に類似問題あり)

皮膚の乾燥が強くなった高齢者の入浴介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 アルカリ性の石鹸で洗う。

2 こすらないように洗う。

3 硫黄を含む入浴剤を使用する。

4 42°C以上のお湯で入浴する。

5 保湿剤は、皮膚が十分に乾いてから塗る。

 

 解答

1:×石鹸はアルカリ性です。皮膚にやさしい洗浄剤には低刺激性で弱酸性のものが望ましいです。

2:〇

3:×刺激性のない入浴剤が適しています。

4:×42℃はかなり熱めの温度なので不適切

5:×肌が湿潤しているときが効果的です。

 

問題50(過去に類似問題あり)

ベッド上で腰上げが可能な高齢者への、差し込み便器による排泄介護の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい

1 使用前の便器は温めておく。

2 便器を差し込むときは両脚を伸ばしてもらう。

3 男性の場合は、トイレットペーパーを陰茎の先端に当てておく。

4 便器の位置を確認したらベッドを水平にする。

5 排泄中はベッドサイドで待機する。

 

解答

1:〇

2:×脚をたてて腰を浮かしてもらいます。

3:×尿が飛び散るのを防ぐため、ティッシュを尿道口部分に当てる

4:×ギャッチベッドの背上げを行うと、排泄が多少やりやすくなる

5:×ベッドからはなれ 利用者の尊厳に配慮する。

 

問題51(過去に類似問題あり)

Cさん(81歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。腹圧性尿失禁があり、トイレでの排泄や下着の交換には介護が必要だが、遠慮して下着の交換を申し出ないことがある。食堂で昼食をとっている最中に激しくむせ込んでいたので背中をさすったところ、むせ込みは収まったが失禁をしたらしく、周囲に尿臭が漂った。
このときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

 

1 尿臭がすることを伝える。

2 下着が濡れていないかと尋ねる。

3 むせた時に尿が漏れなかったかと尋ねる。

4 トイレに誘導して、下着を交換する。

5 Cさんが下着を替えてほしいと言うまで待つ。

 

解答

1:×尊厳を傷つける対応

2:×尊厳を傷つける対応

3:×尊厳を傷つける対応

4:〇

5:×失禁した時は速やかに下着を替えるようにします。

 

問題52(過去に類似問題あり)

数日前から下痢を繰り返している在宅の高齢者について、訪問介護員(ホームヘルパー)が入手すべき次の情報のうち、最も緊急度の高いものを1つ選びなさい。

1 意識の状態

2 食事の内容

3 下痢の回数

4 水分の摂取量

5 肛門部の皮膚の状態

 

 解答

1:〇下痢を繰り返していると脱水になりやすくなります。重度の脱水になりと意識障害や体の痙攣が見られることもあり、命の危険もあるので点滴などの医療処置を受ける必要もでてくることから意識状態などを確認し、病院での診断につなげていく必要があります。

2:×緊急度は 意識状態把握よりも低い。

3:×緊急度は 意識状態把握よりも低い。

4:×緊急度は 意識状態把握よりも低い。

5:×緊急度は 意識状態把握よりも低い。

 

問題53(新出問題)

調理環境を清潔に保つための方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 布巾を使った後は、流水で洗う。

2 食器を洗ったスポンジは、軽く絞って洗剤の泡を残す。

3 魚や肉を切ったまな板の汚れは、熱湯で洗い流す。

4 金属製のスプーンの消毒は、塩素系漂白剤に1時間以上つけ置きする。

5 包丁は、刃と持ち手の境目の部分も洗浄して消毒する。

 

 解答

1:×流水で洗うだけでは不十分なので洗剤で洗い乾燥しておきます。

2:×下記参考を参照

3:×肉や魚を切った直後のまな板に熱湯をかけてしまうということがあるようです。熱湯でタンパク質が固まって、汚れが落ちにくくなるので、必ず、汚れを水で落としてすすいでから殺菌消毒し洗ってください。

4:×金属に塩素系漂白剤を用いると錆の原因となります。

5:〇

参考:スポンジの取り扱い

食器洗い用洗剤を使って除菌する方法

1. スポンジをよく洗った後に、よく絞って水気をとる

2. 除菌ができる食器洗い用洗剤を、スポンジ全体に浸透させる

3. 次にスポンジを使うときまでそのまま置いておく

台所用漂白剤を使った方法

1. スポンジをよく洗い、すすいでおく

2. 水に台所用漂白剤を入れて、数分間つけ置きをする

3. 水でよくすすぎ乾燥させる

 

問題54(新出問題)

Dさん(84歳、女性、要介護3)は認知症(dementia)があり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。ある日, Dさんが、訪問介護員(ホームヘルパー)と一緒に衣装ケースを開けたところ、防虫剤がなくなっていた。Dさんは、新しいものを補充してほしいと訪問介護員(ホームヘルパー)に依頼したが、防虫剤の種類や名前はわからないという。
この衣装ケースに補充する防虫剤の種類として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 しょうのう

2 ナフタリン(naphthalene)

3 パラジクロルベンゼン(paradichlorobenzene)

4 シリカゲル(silica gel)

5 ピレスロイド系

 

 解答

1:×ニオイが強烈ですぐには着られないでデメリットがあります。

2:×ニオイが強烈ですぐには着られないでデメリットがあります。

3:×臭いがある点でデメリット

4:×防虫効果よりも脱水効果

5:〇現在は、無臭のピレスロイド系の防虫剤が主流です

 

問題55(過去に関連類似問題あり)

利用者から洗濯を依頼された。以下に示す取扱い表示がある場合、乾燥の方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 日当たりのよい場所でつり干しする。

2 日陰でつり干しする。

3 日当たりのよい場所で平干しする。

4 日陰で平干しする。

5 乾燥機を使って高温で乾燥する。

 

 解答

1:×

2:×

3:×

4:〇下記 図参照してください。

5:×

 参考:自然乾燥マーク

 

問題56(過去に類似問題あり)

杖歩行している高齢者の寝室の環境整備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 足元灯を用意する。

2 ベッドの高さは6065 cmにする。

3 マットレスは柔らかいものにする。

4 布団は床に敷く。

5 特殊寝台(介護ベッド)に変更する。

 

解答

1:〇

2:×転倒防止の観点からもベッドの高さは3540cmとします。

3:×杖歩行の場合 柔らかいマットレスは転倒の原因となります。

4:×杖歩行されてとあるので、足に負担のかからないベッドが妥当です。

5:×

 

問題57(過去に類似問題あり)

Eさん(78 歳、女性)は、30年前に夫を亡くした。姑の介護を8年間一人で行い, 1年前に自宅で看取った。隣県に住む息子に促されて介護付有料老人ホームに入居した。入居して間もないEさんは、「何をしてよいかわからない」と日中は部屋で一人で過ごしている。

ホームでの暮らしに戸惑っているEさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 規則正しい生活を送るように話す。

2 入居前の生活の様子を聞く。

3 ホームの日課を伝える。

4 介護福祉職がホームでの役割を決める。

5 長男に面会に来てもらえるように、生活相談員に依頼する。

 

解答

1:×

2:〇家族構成、家族関係、日常生活の様子、既往症、服薬歴、心理状態などを知ることで、今後のケアの方向や方法、どうサポートしていくかの手立てになります

3:×

4:×

5:×

 

問題58(過去に類似問題あり)

介護老人福祉施設で最期まで過ごすことを希望する利用者への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 終末期の介護方針を伝えて、意思確認を行う。

2 入所後に意思が変わっても、入所時の意思を優先する。

3 本人の意思よりも家族の意向を優先する。

4 本人の意思確認ができないときは、医師に任せる。

5 意思確認の合意内容は、介護福祉職間で口頭で共有する。

 

解答

1:〇

2:×利用者の現在の意思を尊重します。

3:×家族の意思よりも、まず本人の意思を尊重します。

4:×本人の意思を最優先します。

5:×書面にて共有します。

 

問題59(過去に類似問題あり)

終末期で終日臥床している利用者への便秘予防の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 水分摂取量を減らす。

2 腹部に冷罨法を行う。

3 下剤を用いて直腸を定期的に刺激する。

4 座位姿勢を保持する機会を作る。

5 小腸に沿って腹部マッサージを行う。

 

解答

1:×水分量を減らしすぎると、便秘を促進することになります。

2:×

3:×便秘の予防という観点から不適切

4:〇背もたれに寄りかかる状態で(あるいは介護者に支えてもらって)起き上がることで、腸が重力によって伸長され刺激を受け活性化されます。寝たきりの状態になっても、排泄の際にはできるだけ身体を起こして座った状態にすることで自然な排便を促しやすくなります。

5:×便秘時の対処療法となりますが、便秘予防としては不適切。

 

問題60(過去に類似問題あり)
F
さん(80歳、女性)は、認知症(dementia)で高齢者施設に10年間入所していたが、死去した。夫(85)はFさんが入所中、毎日面会して, Fさんと共通の趣味である詩吟を楽しみ、時間を共に過ごしていた。
夫はFさんが亡くなって1週間後、施設にお礼に訪れて、「毎日通うのは大変だったが、今は話し相手もいなくなり寂しい。自分で料理をする気もなくなり眠れない」と涙を流しながら話をした。
Fさんの夫に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 気遣いの言葉をかけて、話を聴く。

2 良眠できる方法を助言する。

3 外食を勧める。

4 趣味に打ち込むように勧める。

5 元気を出すように励ます。

 

解答

1:〇傾聴が最も適切(傾聴とは相手の方の話を相手が感じたこととして「受け止めながら話を聴くことです。」

2:×

3:×

4:×

5:×

 

【介護過程】8問 61〜68問題

問題61(過去に類似問題あり)

介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の自立を支援する。

2 画一的に介護を実践する。

3 介護福祉職の尊厳を保持する。

4 家族介護者の自己実現を図る。

5 経験則に基づいて介護を実践する。

 

解答

1:〇

2:×個々の特性に見合った介護を実践します。

3:×介護職ではなく、利用者の尊厳を保持します。

4:×利用者の自己実現が第一。

5:×

 

問題62(過去に類似問題あり)

利用者の情報収集における留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生活歴は、介護福祉職の主観的判断を優先する。

2 生活機能は、他職種からの情報も活用する。

3 発言内容は、介護福祉職の解釈を加える。

4 経済状況は、近隣住民の情報から推測する。

5 心身機能は、利用者への聞き取りによって判断する。

 

解答

1:×情報収集にあたっては介護職の客観的判断うぃ優先します。

2:〇

3:×利用者のありのままの発言内容に留意する。

4:×個人保護の観点から望ましくありません。

5:×主治医の意見により判断します。

 

問題63(過去に類似問題あり)

生活課題の優先順位を決定する上で、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者が要望する頻度の多いものから決定する。

2 介護福祉職が評価しやすいものから決定する。

3 家族の負担が大きく軽減するものから決定する。

4 緊急性が高いものから決定する。

5 課題に取り組む準備期間が短いものから決定する。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:〇何よりも優先すべきことは緊急性のあることから

5:×

 

問題64(過去に類似問題あり)

介護計画を実施するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護計画の遂行自体を目的にする。

2 実施内容は個々の介護福祉職に任せる。

3 介護福祉職の満足度を基に継続を判断する。

4 介護計画の変更内容の説明は省略する。

5 利用者の反応や変化を観察する。

 

解答

1:×

2:×実施内容については情報を共有し各職種の連携をはかります。

3:×サービスを受ける利用者の満足度を基に継続を判断します。

4:×介護計画に変更があれば、その都度利用者に説明を行います。

5:○

 

問題65(過去に類似問題あり)

Gさん(79歳、男性)は認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。短期目標を「なじみの店で買物ができる(2か月)」として、月3回の買物を計画し実施した。初回は順調であったが, 2回目にレジで後ろに並ぶ人から、「遅い、早くして」と言われて. H介護福祉職が支払った。GさんはH介護福祉職に、「ほしい物を選んでも、自分で支払わないと買った気にならん」と言い、その後、楽しみにしていた買物に行かなくなった。

I C F (International Classification of Functioning, Disability and Health : 国際生活機能分類)の視点に基づいて介護計画の内容を見直すにあたり、最も配慮すべき構成要素を1つ選びなさい。

1 身体構造

2 個人因子

3 心身機能

4 環境因子

5 活動

 

解答

1:×

2:×個人因子は価値観や個性などを示します。

3:×

4:〇 活動とは主に家の中の活動を示し、参加は社会参加を意味します。環境因子をバリアフリー、人的環境、社会の意識(偏見・差別)、制度環境など幅広くとらえるとするとこれが最も配慮すべき構成となります。

5:×活動とは家の中の活動を示すので、Gさんにとって対応を迫られる買い物達成と別扱いとなります。

参考



 

次の事例を読んで、問題66,問題67について答えなさい。

 〔事例〕

 Jさん(71歳、男性)20歳から造園業を営んでいた。2か月前に脚立から転落して、右大腿骨頚部骨折(femoral neck fracture)で入院した。骨折部位は順調に回復し、下肢機能訓練により杖歩行も可能であると診断されている。しかし、訓練への参加は消極的であり、入院中は車いすで過ごしていた。退院後は自宅で過ごしたいという希望から、下肢筋力に対する機能訓練で5日前に介護老人保健施設に入所した。

 入所後のJさんは、日中のほとんどをベッド上でテレビを見て過ごしている。排泄に関する移乗を依頼する以外に職員に話しかけることはなく、食事をしていても他者との会話はみられない。Jさんの表情が穏やかなときに歩行訓練に参加を促すが、ああ、うん…と言うだけで訓練に参加していない。面会に来た妻によると、Jさんは、施設で訓練しても歩けるようになるはずはないと話していたということだった。また、妻は、仕事が大好きで、仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだと話した。

 

問題66(過去に類似問題あり)

Jさんに対する長期目標の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 病院で機能訓練をすること

2 施設での生活に慣れること

3 造園業に再び携わること

4 話し相手を見つけること

5 新しい趣味を見つけること

 

解答

1:×

2:×

3:〇妻の話では、仕事が大好きで、造園の仕事ができないことに相当落ち込んでいるようだと話したとあるので、それに復帰できるような長期目標が適切です。

4:×

5:×

 

問題67(過去に類似問題あり)

在宅復帰を目指すJさんに対する短期目標を、「外出することができる(1週間)」とした
短期目標に基づく支援内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 車いすで2030分過ごしてもらう。

2 歩行器の使用を促す。

3 下肢を11回外転する。

4 トイレへの移乗訓練を行う。

5 骨折部位の回復を確認する。

 

解答

1:〇

2:×

3:×

4:×

5:×「骨折部位は順調に回復」と問題文にあるのでF短期目標にはなりません。

 

問題68(過去に類似問題あり)

Kさん(82歳、女性)は、身寄りがなく自宅で一人暮らしをしている。週1回利用している通所介護(デイサービス)で送迎を担当しているL介護福祉職は,Kさんから、「この間、いつもより膝の痛みが強くなって玄関で立てなくなった。ちょうど民生委員さんが来てくれて、一緒に受診して痛みは治まったの。医師から膝は痛むことがあるが生活に支障はないと言われたけど、いつまでこの家にいられるかしら」と打ち明けられた。その日の夕方、自宅へ送った時にKさんは、「施設の生活はにぎやかで、さぞ楽しいでしょうね」と話して、涙ぐんだ。発言を受けて、その場で本人の同意を取り、翌日、事業所内のカンファレンス(conference)が行われた。
L介護福祉職が話す内容として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

1 膝の痛みがなくならない理由

2 身寄りがないこと

3 施設に入所するタイミング

4 玄関で活用できる福祉用具

5  在宅生活の継続への不安

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:〇Kさんが「医師から膝は痛むことがあるが生活に支障はないと言われたけど、いつまでこの家にいられるかしら」と打ち明けられた。そして施設での生活に関心があるかのような、「施設の生活はにぎやかで、さぞ楽しいでしょうね」という言葉から在宅生活の継続の不安が感じられるので、このことを最優先で話したほうがいいかと…

 

【発達と老化の理解】8問 69〜76問題

問題69(新出問題)

乳幼児の標準的な心身の発達に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 生後3か月頃、指を使って積み木がつかめるようになる。

2 生後6か月頃、つかまり立ちができるようになる。

3 1歳頃、喃語(なんご)が現れ始める。

4 2歳頃、二語文を話すようになる。

5 3歳頃、愛着(アタッチメント(attachment))が形成され始める。

 

解答

1:×

2:×生後9か月頃

3:×喃語(なんご)とは、子どもが、はっきりとした言葉を喋る前に話す言葉のことです。 バブバブ、マンマンマンなどのような言葉です。生後23か月ごろに出てきます。

4:〇

5:×愛着形成は生後6〜8ヵ月頃に赤ちゃんの心に愛着が形成されます

 

問題70(新出問題)

高齢者に対する次の見方のうち、エイジズム(ageism)に該当するものを1つ選びなさい。

1 心身機能の個人差が大きくなる。

2 視覚機能が低下する。

3 流動性知能が低下する。

4 認知機能が低下する。

5 頑固な性格になる。

 

解答

1:×そのとおりなのでエイジズムにはあたらない。

2:×そのとおりなのでエイジズムにはあたらない。

3:×そのとおりなのでエイジズムにはあたらない。

4:×そのとおりなのでエイジズムにはあたらない。

5:〇エイジズムとは、年齢を理由に、個人や集団を不当に扱うなどの差別をすることです。高齢者だから頑固な性格となるというのは、誰もがそうなるとはいえないので不当な見方といえます。

 

問題71(過去に類似問題あり)

加齢に伴う身体機能の変化として、適切なものを1つ選びなさい。

1 周辺視野が広くなる。

2 低周波の音から聞こえにくくなる。

3 味覚の感受性が低下する。

4 振動に敏感になる。

5 嗅覚が敏感になる。

 

解答

1:×周辺視野が狭くなる。

2:×高周波の音から聞こえにくくなる。

3:〇

4:×振動に鈍感になる。

5:×嗅覚が鈍感になる。

 

問題72(過去に類似問題あり)

尿失禁に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 認知症(dementia)で尿を漏らすのを、腹圧性尿失禁という。

2 トイレまで我慢できずに尿を漏らすのを、切迫性尿失禁という。

3 重い物を持った時に尿を漏らすのを、混合性尿失禁という。

4 いろいろな原因が重なって尿を漏らすのを、溢流性尿失禁という。

5 前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)で尿を漏らすのを、機能性尿失禁という。

 

解答

1:×腹圧性尿失禁は、おなかに力が入った時に不意に尿が漏れてしまうタイプの尿失禁であり認知症とは関係ありません。

2:〇

3:×混合性尿失禁とは腹圧性と切迫性の両方を併発するものです。

4:×膀胱(ぼうこう)に大量の尿がたまって尿道からあふれ出てしまう状態の失禁を溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

5:×機能性尿失禁は、排尿機能の異常が原因ではなく身体運動機能の低下や認知症などが原因で起こる尿失禁

 

問題73(学習性無力感 これに関しては新出問題。その他については類似問題あり)

Aさん(95歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所して6か月になる。入所間もない頃は、「買物に行きたい」「友達に会いに行きたい」と、いろいろ介護福祉職に要望したが、それらの要望には応えてもらえなかった。現在Aさんは、認知機能障害はなく、身体的にも大きな変化や異常は認められない。しかし、ほとんどの時間をベッドで過ごしていて、「どこか行きたいところはないですか」と介護福祉職が聞いても、「ない」と答えるだけである。
Aさんの現在の状態を説明するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 学習性無力感

2 反動形成

3 統合失調症(schizophrenia)の陰性症状

4 せん妄(delirium)

5 パーソナリティの変化

 

解答

1:〇学習性無力感とは、努力を重ねても望む結果が得られない経験・状況が続いた結果、何をしても無意味だと思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなること。

2:×反動形成:攻撃とは逆で、本当は相手が悪いと思っている人が、それを意識できずに自分自身を責め、抑うつ的になる場合のこと

3:×統合失調症の症状は主に4種類に分かれます。陽性症状は幻覚・妄想、陰性症状は抑うつ、認知機能障害は集中力の低下、病識の障害は自分は病気ではないという思い込みです。Aさんには抑うつの症状はうかがえないので間違い。

4:×せん妄とは、意識障害が起こって頭が混乱した状態を示します。従ってAさんはせん妄に該当しません。

5:×

 

問題74(過去に類似問題あり)

高齢者の疾患と治療に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 複数の慢性疾患を持つことは、まれである。

2 服用する薬剤の種類は、若年者より少ない。

3 服用する薬剤の種類が増えると、薬の副作用は出にくくなる。

4 高血圧症(hypertension)の治療目標は、若年者と同じにする。

5 薬剤の効果が強く出ることがある。

 

解答

1:×高齢者は複数の慢性疾患をもつことが一般的。

2:×薬剤の種類は若年者に比べ断然多い。

3:×副作用がおきる確率は高くなります。

4:×日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインでは、高血圧患者のうち60歳以上の高齢者を「高齢者高血圧」として別枠で扱い、若年者より一段緩やかな降圧目標値を設定しています。

5:〇

 

問題75(過去に類似問題あり)

高齢者の便秘に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 1日に1回、排便がない状態をいう。

2 病気が原因となることは、まれである。

3 腹筋の筋力低下は、原因となる。

4 薬剤が原因となることは、まれである。

5 下剤の服用を優先する。

 

解答

1:×便秘の定義としては以下のものがあります。

・排便が3日以上つづけてない

 ・排便をするときに固くて不快感がある

 ・下剤を使用している

 ・排便後に残尿感がある

 この4つの定義にひとつでも当てはまると

便秘の危険性が高いと言えます。

2:×病気が原因となることはまれではありません。

3:〇

4:×薬などからくる副作用によって起こる薬物性便秘があります。

5:×下剤服用は最後の手段

 

問題76(過去に類似問題あり)

Bさん(68歳、女性)は、3か月前から、自宅の階段を昇り降りするときに、両膝の痛みが強くなってきた。整形外科を受診したところ、変形性膝関節症(knee osteo arthritis)と診断された。Bさんの身長は153 cm、 体重は75 kg である。

Bさんの日常生活の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 歩行を控える。

2 正座で座る。

3 膝を冷やす。

4 体重を減らす。

5 杖は使わない。

 

解答

1:×歩くことは全身の血行が良くなり関節液の状態を良好に保ち、筋力アップや体重を減らすことになるので膝の負担の軽減につながります。

2:×正座では膝に大きな負担をかけてしまいます。

3:×冷やす、温める 両説がありますが、炎症が起きていて腫れている場合は冷やしたほうがよく、炎症がないなら温めることで症状が改善することが多いようです。

4:〇BMI=32 であり「肥満」であること、また、それが変形性膝関節症の原因の一つになっていると考えられます。

5:×正しく使えると、杖は武器となります。

 

【認知症の理解】10問 77〜86問題

問題77(過去に類似問題出題)

介護老人保健施設に入所した認知症高齢者が、夜中に荷物を持って部屋から出てきて、介護福祉職に、「出口はどこか」と聞いてきた。介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「今日はここにお泊りになることになっています」と伝える。

2 「もうすぐご家族が迎えに来るので、お部屋で待っていましょう」と居室に誘う。

3 「トイレですよね」と手を取って案内する。

4 「どちらに行きたいのですか」と声をかけて並んで歩く。

5 「部屋に戻って寝ましょう」と荷物を持って腕を取る。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:〇行為を否定せずに、相手の意思を受け止めて汲み取るようにして、穏やかな声で対応します。

5:×

 

問題78(国民生活基礎調査については例年問出題)

図は、2016(平成28)国民生活基礎調査(厚生労働省)を基に、介護保険制度における要介護者と要支援者の介護が必要となった主な原因の構成割合を作図したものである。

AからEには、
・「関節疾患「」oint disease)
・「高齢による衰弱」
・「骨折(fracture)・転倒」
・「認知症(dementia)
・「脳血管疾患(cerebro vascular disease) (脳卒中(stroke))
のいずれかが該当する。
「認知症(dementia)」に該当するものとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 A

2 B

3 C

4 D

5 E

 

解答

1:×

2:×

3:〇

4:×

5:×

 

問題79(過去に類似問題あり)

認知症(dementia)の人を支援する施策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症サポーターは、認知症(dementia)に対する正しい知識と理解を持ち、認知症(dementia)の人を支援する。

2 介護保険制度では、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、居宅サービスに位置づけられている。

3 認知症(dementia)と診断された39歳の人は、介護保険制度を利用できる。

4 介護保険制度では、認知症対応型通所介護は施設サービスに位置づけられている。

5 成年後見制度では、地域包括支援センターの社会福祉士が補助人、保佐人、成年後見人を選定する。

 

解答

1:〇認知症サポーターとは、認知症に関する正しい知識と理解をもち、地域や職域で、認知症の人や家族に対してできる範囲で手助けをする人のことです。

2:×地域密着型サービス

3:×特定疾病の初老期における認知症では4064歳までの「第2号被保険者」は介護保険制度を利用できますが、39歳の人は、介護保険制度を利用できません。

4:×地域密着型サービス

5:×家庭裁判所が選定します。

 

問題80(過去に類似問題あり)

加齢による物忘れと比べたときの、認知症(dementia)による物忘れの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 見当識障害はない。

2 物忘れの自覚はない。

3 物忘れが進行しない。

4 日常生活に明らかな支障はない。

5 体験の一部分だけを思い出せない。

 

解答

1:×見当識障害はあります。(見当識障害とは「今がいつか(時間)」「ここがどこか(場所)」がわからなくなる状態です。)

2:〇認知症の場合は認知症の人は物忘れの自覚があまりなく、忘れていることをとりつくろおうとしたり、失くした物を「誰かが盗った」と疑うような妄想が見られることも あります。

3:×確実に進行していきます。

4:×物忘れによる生活上の支障は大きいです。

5:×一部ではなく ほぼ全てを忘れてしまいます。

 

問題81(過去に類似問題あり)

認知機能障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 記憶障害では、初期から手続き記憶が障害される。

2 見当識障害では、人物の認識は障害されない。

3 失行では、洋服をうまく着られなくなる。

4 失認は、視覚や聴覚の障害が原因である。

5 実行機能の障害では、A D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)は障害されない。

 

解答

1:×体で覚えた 手続き記憶(例えば自転車に乗るとか…)は初期から障害されることはありません。

2:×見当識障害は、今日が何月何日であるか、いま何時であるか、自分がいる場所はどこなのか、誰と話しているかなどがわからなくなります。すなわち自分が置かれている環境・状況を認識する能力が障害された状態をいいます。

3:〇失行とは、洋服を上手く着られないとか、道具の使い方など、適切な手順で目的を達成する動作が難しくなることをいいます。

4:×感覚器に異常がないのに、目や耳などの五感を通じて、まわりの状況を把握する機能が低下することを失認(しつにん)といいます。

5:×実行機能障害(遂行機能障害)は、認知症の中核症状の1つで、以下のような症状があります。
・自分で計画を立てて行動することができない

・優先順位がつけられない

・人に指示してもらわないと何もできない

・いきあたりばったりの行動をする など

 

問題82(新出問題)

軽度認知障害(mild cognitive impairment)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 記憶力の低下の訴えがある。

2 日常生活に支障がある。

3 認知症(dementia)の一種である。

4 C D R (Clinical Dementia Rating)のスコアが2である。

5 全般的な認知機能が低下している。

 

解答

1:〇

2:×日常生活に支障はありません。

3:×認知症ではありません。

4:×健康がCDR0、認知症の疑いがCDR0.5、軽度認知症がCDR1、中等度認知症CDR2、高度認知症CDR3と判定します。

5:×認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。以下が軽度認知障害の定義になります。

参考:軽度認知障害

軽度認知障害は認知機能(記憶、決定、理由づけ、実行など)のうち1つの機能に問題が生じてはいますが、日常生活には支障がない状態のことです。

MCI5つの定義

1.記憶障害の訴えが本人または家族から認められている

2.日常生活動作は正常

3.全般的な認知機能は正常

4.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する

5.認知症ではない

 

問題83(新出問題)

抗認知症薬に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 貼付剤はない。

2 非薬物療法との併用はしない。

3 段階的に投与量を減量していく。

4 副作用として悪心や下痢が生じることがある。

5 A D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)が改善することはない。

 

解答

1:×イクセロン・リバスタッチパッチという抗認知症薬がありますが、「パッチ」という名がついている通り貼り薬です。

2:×他の療法との併用があります。

3:×必要に応じての投与量なので、段階的に減量ということはありません。

4:〇https://www.minnanokaigo.com/guide/dementia/medicine/  ←こちらを参照してください

5:×意欲を高める作用もあるので「日常生活動作)が改善することはない。」というのは不適当

  

問題84(過去に類似問題あり) 

認知症(dementia)の原因となる疾患と、特徴的な行動・心理症状(BPSD)の組合せとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimers type)一幻視

2 血管性認知症(vascular dementia)→抑うつ

3 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)→人格変化

4 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)→もの盗られ妄想

5 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)→徘徊

 

解答

1:×無関心、妄想、徘徊、抑うつ、興奮や暴力

2:〇抑うつ

3:×幻視→実際には見えないものが本人にはありありと見える症状ですy

4:×身勝手な行動

5:×物忘れ

 

問題85(過去に類似問題あり)

重度の認知症高齢者の胃ろう栄養法に関する支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 主治医が導入するかしないかを決定する。

2 家族が導入するかしないかを決定する。

3 本人の意向や価値観の把握に努め、本人にとっての最善を関係者で判断する。

4 成年後見人がいる場合、成年後見人が導入するかしないかを決定する。

5 看取り期には、介護福祉職の判断で胃ろう栄養法を中止する。

 

解答

1:×

2:×

3:〇

4:×

5:×

 

問題86(過去に類似問題あり)

認知症(dementia)の母親を献身的に介護している息子が、母親に怒鳴られてたたきそうになった。それを見ていた介護福祉職の息子への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「孝行息子のあなたが手を上げるなんて…」と注意する。

2 「行政に通報します」と告げる。

3 「認知症(dementia)だから怒鳴るのは仕方がない」と慰める。

4 「地域にある認知症(dementia)の人と家族の会を紹介します」と伝える。

5 「懸命に介護をして疲れていませんか」と話を聴く。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:〇

参考 家族介護者支援のポイント

○傾聴(話を聴く姿勢、あいづちなど)に努めましょう。

○ケア(介護)するあなたに焦点をあてていることを伝えましょう。

○話すことへの抵抗感があるケアラー(介護者)がいることも理解して接しましょう。

○ケア(介護)に関する”認めてほしい“と思う気持ちを理解しましょう。

○ケア(介護)を必要とする人(要介護者)にかかわる悩みとケアラー(介護者)自身の悩み があることを理解しましょう。

○無理に一度に全てを把握しよう項目を埋めようとしないようにしましょう。

○「ケア(介護)を始めたことが、ケアラー(介護者)の生活や人生にどのような影響を与え ていると思っていますか」ということを聞くようにこころがけてください。

○個人情報の保護についても説明して、徹底しましょう。

 

 

【障害の理解】10問 87〜96問題

問題87(過去に類似問題あり)

ノーマライゼーション(normalization)の理念を8つの原理にまとめた人物として、正しいものを1つ選びなさい。

1 ニイリエ(NirjeB.)

2 バンクーミケルセン(Bank-MikkelsenN.)

3 ヴォルフェンスべルガー(WolfensbergerW.)

4 ロバーツ(RobertsE.)

5 ソロモン(SolomonB.)

 

解答

1:〇ベンクト・ニィリエは、ノーマライゼーションを実現するためには、8つの原理が必要である。ということを言っています。この8つを実現できればノーマライゼーションが成り立つということを示しました

2:×ノーマリゼーションを提唱

3:×ノーマライゼーションの理念をアメリカに導入

4:×

5:×ソロモンは、エンパワメント概念をソーシャルワーク理論に導入

参考:ニイリエ(NirjeB.)8原理

@1日の適切なリズム

11日の生活リズムが一般的な人たちと同じように朝起きて、夜寝るというリズムなどを指します。

A1週間の適切なリズム

1週間の生活リズムが適切に行われていること

B1年間の適切なリズム

1年の生活リズムが適切に行われていること

Cライフサイクルの体験

一般の方が経験するような体験を多くすることができるのかということ

D自己の要求と自己決定の尊重

自分が要求することと自己で決定できることなどが尊重されているということ

E異性と関わり

同棲ばかりではなく、異性と適度に接することができる生活環境であるかどうか

F経済水準

一般的な方と同じような経済水準を確保できているかということ

G環境水準

劣悪な環境などではなく、一般的な方と同じような生活環境を確保できているのかということ

 

問題88(利き手交換問題については新出問題)

世界保健機関(WHO)によるリハビリテーションの定義で、「利き手の交換」が該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 職業的リハビリテーション

2 医学的リハビリテーション

3 経済的リハビリテーション

4 教育的リハビリテーション

5 社会的リハビリテーション

 

解答

1:×

2:〇利き手交換のリハビリは作業療法士が利き手交換の練習を始めます。作業療法士が関与するリハビリですから これは医学的リハビリテーションの範疇になります。

3:×

4:×

5:×

参考:利き手交換

利き手交換(ききてこうかん)とは、脳卒中で半身不随になったり、交通事故、工場事故などで腕を切断するなどのケースで、利き手が、実用手までに回復できない時に、実用手ではなかった方の手を実用手とするためにリハビリ訓練をすること。残された機能の向上で、生活の質の維持を図ることです。

 

問題89(対麻痺にかかわる問題については新出問題)

対麻痺を生じる疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis : A L S)

2 腰髄損傷(lumbar spinal cord injury)

3 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis)

4 パーキンソン病(Parkinson disease)

5 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)

 

解答

1:×対麻痺なし

2:〇損傷が頸髄レベルであれば四肢麻痺をきたし,体幹機能障害や呼吸機能障害ができます。胸髄レベル以下の損傷では両下肢の麻痺(対麻痺)を生じます。

3:×対麻痺はなし

4:×対麻痺はなし

5:×対麻痺はなし

 

問題90(過去に類似問題あり)

統合失調症(schizophrenia)の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 妄想

2 噪うつ

3 強迫観念

4 振戦せん妄

5 見捨てられ不安

 

解答

1:〇陽性症状:幻覚、妄想、自我障害など、患者さんが体験するもの; 陰性症状:意欲・自発性の低下、感情の表出の低下など、

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題91(新出問題)

知的障害の特徴に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 成人期に出現する。

2 てんかん(epilepsy)の合併率が高い。

3 有病率は女性が高い。

4 重度・最重度が大半を占める。

5 遺伝性の障害が大半を占める。

 

 解答

1:×知的障害は、おおむね幼少期までに脳がなんらかの障害を受けたために、知的発達が遅れることで起こるとされています。

2:〇

3:×男性の割合が高いです。

4:×知的障害は、症状の程度により「軽度」「中等度」「重度」「最重度」の4段階に分類されますが特に「重度」「最重度が大半を占めてはいません。

5:×知的障害の原因は様々です。まれに遺伝子や染色体の異変などにより知的障害が起きることもありますが、その全てが遺伝的要因が原因ではありません。

 

問題92(新出問題)

発達障害者が一般就労に向けて利用するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 行動援護

2 就労定着支援

3 職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援

4 同行援護

5 就労継続支援B型

 

解答

1:×就労とは関係なし。行動援護は行動に著しい困難を有する知的障害や精神障害のある方が、行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護、排せつ、食事等の介護のほか、行動する際に必要な援助を行います。

2:×障害のある方の就労や、就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートする福祉サービスです。

3:〇ジョブコーチとは、障害者の就労に当たり、出来ることと出来ないことを事業所に伝達するなど、障害者が円滑に就労できるように、職場内外の支援環境を整える者を指す。

4:×就労に関係なし。同行援護は移動に著しい困難を有する視覚障害のある方が外出する際、ご本人に同行し、移動に必要な情報の提供や、移動の援護、排せつ、食事等の介護のほか、ご本人が外出する際に必要な援助を適切かつ効果的に行います。

5:×就労継続支援B型は、年齢や体力などの面で雇用契約を結んで働くことが困難な方が、軽作業などの就労訓練を行うことができる福祉サービスです。

 

問題93(網膜色素変性症としては新出問題)

網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)の初期の症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 硝子体出血

2 口内炎

3 眼圧上昇

4 夜盲

5 水晶体の白濁

 

解答

1:×さまざまな部位からの出血が、硝子体腔のなかにたまった状態を硝子体出血といいます。

2:×口の中や舌の粘膜に起きる炎症の総称

3:×緑内障

4:〇網膜色素変性症で最初に現れる症状は、夜や薄暗い屋内でものが見えにくくなる「夜盲〈やもう〉(鳥目〈とりめ〉)」です。その後、「視野狭窄〈しやきょうさく〉」が少しずつ進行し、見える範囲が周辺部分から中心に向かい狭くなっていきます

5:×白内障

 

問題95(過去に類似問題あり)

上田敏による障害受容のステージ理論の5つの心理過程のうち、最初の段階として、正しいものを1つ選びなさい。

1 受容期

2 否定期

3 ショック期

4 混乱期

5 解決への努力期

 

解答

1:×

2:×

3:〇受傷してすぐの段階で、障害が残る可能性などが分かっていないことから、比較的平穏な心理状態

4:×

5:×

参考:障害受容過程

 【ショック期】

・受傷してすぐの段階で、障害が残る可能性などが分かっていないことから、比較的平穏な心理状態。

【否認期】

・治療が一段落して、自分の身体状況などにも目が向くようになってくるが、自分に障害が残ることを認めていない時期。

【混乱期】

・障害を受け止めることができず、他人に感情をぶつけたり、他人を責めたりする。抑うつ反応を示し、自殺を考えることもある、混乱を示す段階。

【努力期】

・怒りをぶつけたり、絶望しても問題解決にはならない、自ら努力することも必要と気づきはじめる時期。

【受容期】

・現実を受け止め、残された機能の活用や価値の転換がはかられていく時期。

 

問題95(過去に類似問題あり)

関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の日常生活上の留意点として適切なものを1つ選びなさい。

1 いすは低いものを使う。

2 膝を曲げて寝る。

3 かばんの持ち手を手で握る。

4 ドアの取っ手は丸いものを使う。

5 身体を洗うときはループ付きタオルを使う。

 

 解答

1:×椅子の高さが低いと、手をひじ掛けなどについて身体を支えて立ち上がってしまいます。そうすると手の指の付け根の関節などに大きく負担をかけてしまいます。椅子の高さが低い場合は、椅子の足を高くしたり、座る面に補高マットなどを置いて高くします。

2:×寝るときの姿勢は肩の力を抜き、背中や足を自然に伸ばします。

3:×

4:×丸型のノブからレバーハンドルへ取り替えることで、ドアの開け閉めの動作が簡便になります

5:〇洗体で不自由になりやすい部位は、足と背中です。長柄ブラシやループ付タオルを使用すると良いです。

 

問題96(過去に類似問題あり)

右利きのCさん(73歳、男性)は脳梗塞(cerebral infarction)を発症して回復期リハビリテーション病棟に入院中である。左片麻疹のため、歩行は困難である。他の患者とも交流せず、病室に閉じこもりがちであったため、多職種チームによるカンファレンス(conference)が開かれた。

現時点のCさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利き手の交換

2 階段昇降訓練

3 義足の製作

4 プッシュアップ訓練

5 心理カウンセリング

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:〇「他の患者とも交流せず、病室に閉じこもりがち」とあるので、対話を通じて自分の抱える悩みやつらさの解消を目指すことが最も適切です。

 

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

問題97(過去に類似問題あり)

ライチャード(ReichardS.)による老年期の性格類型において、円熟型に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 自分の過去に対して自責の念を抱く。

2 年を取ることをありのまま受け入れていく。

3 若いときの積極的な活動を維持する。

4 他者の援助に依存する。

5 責任から解放されることを好む。

 

解答

1:×不適応型;自責型(内罰型)

2:〇適応型;円熟型

3:×適応型;装甲型(自己防衛型)

4:×適応型;安楽椅子型(依存型)

5:×適応型;安楽椅子型(依存型)

参考:ライチャード(ReichardS.)による老年期の性格類型

1. 適応型;円熟型

自らの老いを自覚しながらも、それによって活動意欲を低下させることがないタイプ。過去の自分を後悔することなく受け入れ、未来に対しても現実的な展望を持っている。老いによってできなくなることも、それはそれとして、新しい現実の中で満足を得られるタイプ。周囲が無理にアレンジしなくても、自分で自分の人生を進めようとするので、性格的な部分で、周囲が対応する負担が少ない。スマホのような新しい技術も、面白がって使えるようになる。

2. 適応型;安楽椅子型(依存型)

受身的に、消極的に老いを受け入れるタイプ。後は皆にまかせて、自分はのんびりという具合に、他人に依存しながら「気楽な隠居」であることを求める。積極的に新しいことには取り組まないが、誘われれば、新しい環境への適応もできる。性格的な背景から、生活不活性病にならないように、活動的な物事への取り組みをうながす必要がある。スマホのような新しい技術も、それが自分を楽にさせる便利なものであることが理解できれば、使いこなせる。

3. 適応型;装甲型(自己防衛型)

老いへの不安と恐怖から、トレーニングなどを積極的に行い、強い防衛的態度をとるタイプ。なんとか若い時の生活水準を守ろうとする。スマホのような新しい技術も、使いこなせないと恥ずかしいという心理から、受け入れようとする。責任感が強く、様々な活動を続けようとする。結果として無理をおし進めるリスクもあり、怪我などをしてしまうことも。性格的な背景から、本人の「まだまだ、現役だ」という自尊心を傷つけることなく、無理はしすぎないように注意する必要がある。

4. 不適応型;自責型(内罰型)

過去の人生全体を失敗とみなし、その原因が自分にあると考え、愚痴と後悔を繰り返すタイプ。典型的には、仕事に一生懸命だった反面、家族をかえりみず、現在は家族から相手にされない状況にあることを嘆くような高齢者。うつ病になりやすい。新しい技術にも適応しようとしない。いつまでも過去にとらわれることなく、反省すべきは反省しつつも、なんとか新しい関係性などを築いていく必要がある。

5. 不適応型;攻撃憤慨型(外罰型)

自分の過去のみならず、老化そのものも受け入れることができないタイプ。過去を失敗とみなし、その原因を自分ではなく、環境や他者のせいとして責任転嫁する。不平や不満が多く、周囲に対しても攻撃的にあたり散らすため、トラブルを起こす。高齢者として他者から親切をされても、それをポジティブに受け入れられない。周囲としては、どこまで献身的に対応しても感謝されることもないため、サポートすること自体が困難。

 

問題98(新出問題)

臓器とその機能の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 肝臓→グリコーゲン(glycogen)の貯蔵

2 膀胱→尿の濃縮

3 小脳→呼吸中枢

4 副腎→インスリン(insulin)の分泌

5 心臓一ガス交換

 

解答

1:〇脳は24時間休みなく栄養を必要としています。そこで肝臓では、いつでもブドウ糖の供給ができるように、グリコーゲンとして貯蔵しています。

2:×膀胱は腎臓でつくられた尿が腎盂(じんう)、尿管を経由して運ばれたあとに、一時的に貯留する一種の袋の役割をもっています。尿と腎臓の働きは関係がありますが、尿をつくる働きのほかに、血液をろ過する働き、体内の水分量を調節するなどの働きがあります。

3:×小脳は運動の調節や熟練に関係する部分です。出血や梗塞、腫瘍などで小脳が機能しなくなると、運動調節の指示を出せなくなります

4:×副腎は、 副腎皮質 ホルモンやカテコラミンと呼ばれる、生命や血圧を維 持するために欠かせない、重要なホルモンを分泌して いる臓器です。

5:×簡単にいえば心臓は心臓は全身に血液を送り出すポンプの役目をしています。ガス交換は肺の働きです。

 

問題99(新出問題)

唾液腺と唾液に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 副交感神経は唾液分泌を抑制する。

2 唾液分泌は食事摂取時に限られる。

3 耳下腺の導管は口腔底に開口する。

4 唾液には抗菌作用がある。

5 舌下腺は小唾液腺である。

 

解答

1:×交感神経が優位なときは、ネバネバした粘液性の唾液、副交感神経ではサラサラ唾液になります。つまり交感神経が優位な時でも副交感神経が優位な時でも唾液は分泌します。

2:×常時でて口腔内を潤してくれます。

3:×耳下腺は上の奥歯の根元のあたりにあります。

4:〇唾液は、99%以上が水分、残りの1%ほどに抗菌、免疫、消化などに関わる重要な成分を含みます。 唾液のはたらき :抗菌作用. 抗菌作用をもつ成分が口の中の細菌の増殖を抑える。 pH緩衝作用. 飲食により酸性に傾いた口内のpHを中和させ虫歯を防ぐ。

5:×大唾液腺

参考:唾液腺はそれぞれの大きさや分泌量の違いなどから大唾液腺と小唾液腺に分けられます。大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下線の3つで、小唾液腺は口唇腺、頬腺、口蓋腺、臼歯腺、舌腺の5つです。小唾液腺は口の中の粘膜の下にあります。大唾液腺のうち耳下腺は上の奥歯の根元のあたりにあり、顎下腺は顎のうら、舌下腺は舌の付け根の部分にあります。

 

問題100(新出問題)

良肢位に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 A D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)に最も支障が少ない姿勢である。

2 肘関節を伸ばした姿勢である。

3 つま先が下を向いた姿勢である。

4 拘縮を起こしやすい姿勢である。

5 クッションを用いた保持は避ける。

 

解答

1:〇関節が動かなくなった場合に、日常生活動作において支障の少ない関節の角度のことです。

2:×

3:×

4:×

5:×

参考:良肢位(りょうしい).

同一体位を続けていても安楽に過ごせる体位として“良肢位”があります。良肢位とは、関節が動かなくなった場合でも、日常生活において支障の少ない肢位のことです。

 

問題101(過去に類似問題あり) 

胃ろうに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ろう孔周囲のびらんは、放置してよい。

2 ろう孔は、カテーテルの抜去後、およそ1時間で自然に閉鎖する。

3 カテーテルの交換は不要である。

4 ミキサー食の注入は禁止されている。

5 経口摂取も併用できる。

 

解答

1:×放置してはいけません。

対処法

本人やご家庭で出来る処置

●赤くただれている部分を水道水で洗い流し、清潔な乾いたタオルなどでやさしく水気を拭取ります。消毒は不要です。

医師や看護師が行う処置

●皮膚保護パウダーを用いることもあります。

●カビ菌などが繁殖して皮膚炎を起こしている場合は、清潔管理に加え、その菌に適した抗菌剤を使用します。

2:×胃瘻カテーテルを抜くと、通常1週間ほどで瘻孔が閉鎖します。

3:×交換はしなければいけません。

胃ろうカテーテルは、バルーン型とバンパー型で交換時期が異なります

バルーン型:耐久性に乏しく、1か月に1

バンパー型:6か月に1

4:×禁止されていません。

5:〇

 

問題102(過去に類似問題あり)

Dさん(75歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。糖尿病(diabetes mellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が朝食をDさんに渡そうとしたところ、顔色が悪く、「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。

1 発熱

2 脱水

3 低血糖

4 貧血

5 意識障害

 

解答

1:×

2:×

3:〇低血糖とは血糖値が正常範囲以下にまで下がった状態のことをいいます。その時には、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状があらわれます。

4:×

5:×

 

問題103(過去に類似問題あり)

皮膚の乾燥に伴うかゆみに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者では、まれである。

2 水分摂取を控える。

3 顔面に好発する。

4 利用者の爪は短く切る。

5 皮膚をかくことで軽快する。

 

解答

1:×高齢者の皮膚の変化の特徴に、汗や皮脂の分泌の減少があります。これにより皮膚のもつバリア機能が低下し、乾燥が引き起こされます。

2:×皮膚乾燥は水分補給で予防することができます。

3:×好発部位は、頭部、膝、肘、腰まわり.などこすれる部分に多いです。

4:〇爪がながいとかゆみ部分を痛めてしまいがちになります。

5:×皮膚をかくことで悪化します。

 

問題104(新出問題)

入浴介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 家庭内での不慮の事故死のうち、入浴関連はまれである。

2 心臓に疾患のある人には、全身浴を勧める。

3 浴槽からの立ち上がりは、ゆっくり行う。

4 食後すぐの入浴を勧める。

5 入浴後、水分摂取は控える。

 

解答

1:×火事、転倒・転落、中毒などよりも多く、入浴での不慮事故死はまれではありません。

2:×心臓疾患がある場合には半身浴が適しています。

3:〇心臓等に負担をかけないため。

4:×入浴は全身の血のめぐりをよくするので、食後に入浴すると消化器に集まらなければいけない血液が分散されてします。そこで、消化不良が起こってしまいます。さらには、入浴による水圧で消化器を圧迫します。

これに加えて、熱いお風呂なら交感神経を刺激し、胃の働きを抑制します。このことから、食事の直後は入浴しない方がいいです。

5:×脱水にならないように水分接収はしっかりとります。

 

問題105(新出問題)

排便の仕組みに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 仰臥位は、排便しやすい姿勢である。

2 交感神経は、直腸の嬬動運動を促進させる。

3 食事をとると、便意はおさまる。

4 息を吐きながら腹圧を低下させると、排便は促される。

5 排便時には、外肛門括約筋を意識的に弛緩させる。

 

解答

1:×「ロダンの考える人」の姿勢が排便に最も適した姿勢といえます。

2:×便意が生まれやすいのは副感神経が優位なとき。つまりリラックしているときです。

3:×

4:×息を吐止めながら腹圧を上げると、排便は促されます。

5:〇外肛門括約筋は自分の意志で動かせる随意筋で、肛門を閉じる働きをしますが、排便時はその筋を意識的に弛緩させます。

 

問題106(新出問題)

睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 加齢に伴って睡眠時間は短くなる。

2 睡眠障害の多くは遺伝性である。

3 過眠は睡眠時間が長くなることをいう。

4 睡眠中は体温が上昇する。

5 睡眠周期は約60分である。

 

解答

1:〇加齢により睡眠時間は短くなります。

2:×夢を見る浅い眠りの「レム睡眠」を起こす遺伝子は発見されていますが、睡眠障害の多くが遺伝性ということはありません。

3:×十分な時間眠ってもまだ眠気が強く寝てしまうことを過眠といいます。

4:×体温は下がります。

5:×睡眠の睡眠周期のサイクルは約90分といわれています。

 

問題107(新出問題)

睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者の中途覚醒は、水分の摂りすぎが原因である。

2 レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は、下肢を動かすと症状が軽快する。

3 仰臥位で眠ると、いびきが改善する。

4 睡眠時間の確保には、寝だめが有効である。中途覚醒の原因は

5 熟睡するには、就寝前の飲酒が有効である。

 

解答

1:×水分の取りすぎは問題あるが、中途覚醒の原因はいろいろあり、水分だけが原因とはなりません。

2:〇レストレスレッグス症候群は「むずむず脚症候群」「下肢静止不能症候群」「とも呼ばれ、主に下肢に不快な症状を感じる病気です。夜眠ろうとベッドに入ったときや、新幹線や飛行機、あるいは映画館などでじっと座っているときに、脚の内側から不快感が起こり、脚を動かすと和らぐ…といった特徴があります。「レストレス」とは「そわそわした」、「絶え間なく動く」という意味があります。

3:×基本的には側臥位で舌根沈下が改善されるように体位をとります。

4:×睡眠は寝だめができません。

5:×毎日寝酒をするという人は、睡眠の質が低下してしまう可能性があります。

 

問題108(過去に類似問題あり)

Eさん(75歳、男性)は、2年前に肺がん(lung cancer)と診断されて、抗がん剤治療を受けていたが、効果がなく1か月前に治療を中止した。その後、日常生活に支援が必要となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。訪問介護員(ホームヘルパー)は初回訪問を終えて帰ろうとした時に、いきなりEさんから、「もう来なくてもいい」と厳しい口調で言われた。また、「どうして私だけが、がん(cancer)にならなければならないのか」という言葉も聞かれた。
Eさんの心理状態について、キューフラー・ロス(Kiibler-RossE.が提唱した心理過程の段階として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 否認

2 怒り

3 取り引き

4 抑うつ

5 受容

 

解答

1:×

2:〇下記 参考を参照してください。

3:×

4:×

5:×

参考:キューブラー・ロスの死の受容過程

1段階:否認(否認と孤立)

死の運命の事実を拒否し否定する段階です。周囲から距離をおくようになります

2段階:怒り

死を否定しきれない事実だと自覚したとき、「なぜ私が死ななければならないのか」と問い、怒りを感じます

3段階:取引

死の現実を避けられないかと、「神」と取引をします

4段階:抑うつ

何をしても「死は避けられない」とわかり、気持ちが滅入り、抑うつ状態になります

5段階:受容

死を受容し、心にある平安が訪れます

 

【医療的ケア】5問 109〜113問

問題109(新出問題)

次のうち、スタンダードプリコーション(standard precautions : 標準予防策)において、感染する危険性のあるものとして取り扱う対象を1つ選びなさい。

1 汗

2 唾液

3 経管栄養剤

4 傷のない皮膚

5 未使用の吸引チューブ

 

解答

1:×

2:〇下記参照

3:×

4:×

5:×

参考

スタンダードプリコーションとは、感染症の有無にかかわらず全ての患者を対象に、以下のものを感染の可能性のある物質としてみなし、対応する予防策のことです。

@血液

A傷のある皮膚

B粘膜

Cすべての体液(汗を除く) 喀痰、排泄物(尿、糞便、吐物等)、膿、胸水・腹水 等

 

問題110(新出問題)

喀痰吸引の実施が必要と判断された利用者に対して、喀痰吸引を行うことに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 日中は、1時間おきに吸引を行う。

2 食後の吸引は避ける。

3 入浴時は、その前後に吸引を行う。

4 就寝後は吸引を控える。

5 仰臥位を2時間保ってから行う。

 

解答

1:×

2:×

3:〇

4:×

5:×

 

問題111(新出問題)

気管切開をして人工呼吸器を使用している人の喀痰吸引に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 気管カニューレを抜いて、吸引を行う。

2 頚部を前屈した姿勢にして、吸引を行う。

3 1回の吸引時間は、2030秒とする。

4 吸引チューブの挿入の深さは、気管分岐部の手前までである。

5 吸引を終了した後は、人工呼吸器の作動状況を確認する。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:〇

参考:動画参照

 

問題112(新出問題)

胃ろうによる経管栄養の実施手順として、栄養剤を利用者のところに運んだ後の最初の行為として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 体位の確認

2 物品の劣化状況の確認

3 栄養剤の指示内容の確認

4 本人であることの確認

5 経管栄養チューブの固定状況の確認

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:〇何よりも先に行うべきことは、本人確認

5:×

参考:動画参照

 

問題113(過去に類似問題あり)

イルリガートル(注入ボトル)を用いた経鼻経管栄養に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 栄養剤は、半固形化栄養剤を用いる。

2 嘔気があるときは、注入速度を遅くして滴下する。

3 イルリガートルに栄養剤を入れてから、2時間後に滴下する。

4 栄養剤の液面は、胃から50 cm 程度高くする。

5 使用した物品は、消毒用エタノールにつけて消毒をする。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:〇

5:×

参考:動画参照

 

【総合問題】12問 114〜125問題

(総合問題1)

次の事例を読んで、問題114から問題116までについて答えなさい。
〔事例〕
Fさん(78歳、男性)は、妻(75)と二人で暮らしていた。1か月前に脳出血(cerebral hemorrhage)で入院して、左半身の不全麻痺がある。立ち上がりや歩行に介助が必要なため、杖や手すりを使用した歩行訓練をして、杖歩行が可能になった。病院のソーシャルワーカーの勧めで、Fさんは介護保険の申請をして結果を待っていた。
ある日、「医師から退院の許可が出た」と、妻から介護求援専門員(ケアマネジャー)に連絡があった。介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「Fさんの退院後の在宅サービスを検討したいので病院に集まってほしい」と、在宅支援の関係者に会議への参加を依頼した。訪問介護員(ホームヘルパー)は、ケアプランの検討のために病院に行って、会議に参加した。会議には、主治医、病棟看護師、理学療法士も参加した。トイレで転ぶのではないかというFさんの心配について話し合った結果、トイレに手すりが必要だということになった。また、左足指に白癬(tinea)があり、薬が処方されていることも確認された。

問題114

介護支援専門員(ケアマネジャー)が招集した会議として、正しいものを1つ選びなさい。

1 退院前カンファレンス

2 サービス担当者会議

3 支援調整会議

4 地域ケア会議

5 介護・医療連携推進会議

 

解答

1:×退院前カンファレンスは入院加療を終え、今後自宅にて療養を希望される場合に、病院の主治医と在宅療養を担当する医師との間で患者さんの病態や状況について情報を共有することです・。これには病院の医師、病棟の看護師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなどの院内スタッフと、地域のかかりつけ医、訪問看護師、ケアマネジャーなど地域の関係者が参加して行われます。

2:〇サービス担当者会議とはケアマネジャーが作成したケアプランを、利用者に関わるサービス機関の担当者を集め、ケアプランの内容を検討する会議のことです。

3:×支援調整会議は、プラン案を共有をしたり、プラン案の適切性を協議する場であり、支援終結時に はプラン(支援)の評価を行うところです。

4:×地域ケア会議とは、地域包括ケア実現のため、地域の実情にそって、地域資源をどのように構築していくべきか、課題を的確に把握し、解決していく手段を導き出すための会議です。

5:×地域密着型サービス事業者に設置・開催が義務付けられている協議会であり、利用者・利用者の家族・地域住民の代表者・地域密着型サービスについて知見を有する者等で構成されます。

各会議では、事業者が活動(サービスの提供)状況等を報告し、構成員から評価を受け、必要な要望や助言等を聴くことが必要となります。

このことにより、事業者は「利用者の抱え込み」を防止し、事業運営の透明性及び地域との連携・交流の確保、サービスの質の確保・向上、認知症・高齢者ケアの理解促進・地域づくり等に努めることになります。

 

問題115(新出問題)

図はFさん宅のトイレである。手すりを設置する位置として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 A

2 B

3 C

4 D

5 E

 

解答

1:〇左半身の不全麻痺があるのでABということになりますが、一般的には 横移動には 横手すり、立ち・座りには 縦手すりですから 立ち上がりに介助が必要なFさんにはAが適切となります。

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題116(皮膚疾患・日常生活の留意点 新出問題)

訪問介護員(ホームヘルパー)が、自宅に戻ったFさんの皮膚疾患に関する日常生活上の留意点を妻に指導する内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 からだを温める。

2 足を乾燥させる。

3 着衣や寝具は熱処理する。

4 足にワセリンを塗る。

5 処方された塗り薬は気がついたときに塗る。

 

解答

1:×意味なし

2:〇、左足指に白癬とあるので、高温多湿の環境下で増殖しやいので、予防としては足を乾燥させるようにします。

3:×意味なし

4:×すでに水虫の薬が処方されているのでワセリンは必要ないと思われます。

5:×薬については気が付いたときに塗るのではなく使用方法を順守します。

 

(総合問題2)

次の事例を読んで、問題117から問題119までについて答えなさい。

〔事例〕

Gさん(84歳、女性)は、8年前に経済的な理由から養護老人ホームに入所した。

Gさんは、「自分のことは、自分でやりたい」といつも話しており、毎朝の体操が日課であった。施設のプログラムである健康体操にも他の利用者と楽しみながら毎週参加していた。しかし、最近は、足がすくんだようになり、始めの一歩をうまく出せず、歩行に不安を抱えるようになった。

Gさんは、物忘れなどの症状が以前からみられていたこと、また他の症状もみられるようになったことから、医師の診察を受けたところ、レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)と診断された。

Gさんは、居室の前にあるトイレに行くとき、転倒してけがをするのではないかと不安になっている。Gさんが入所している施設は、N県から介護保険サービス事業者の指定を受けている。この施設で生活を続けたいというGさんの意向を受けて、本人を交えて施設職員と介護支援専門員(ケアマネジャー)が支援の内容を検討した。

 

問題117(過去に類似問題あり)

Gさんが診察を受けるきっかけとなった他の症状とは、発症した認知症(dementia)の特徴的な症状の一つである。

他の症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 片麻痺

2 脱抑制

3 幻視

4 常同行動

5 感情失禁

 

解答

1:×

2:×

3:〇下記参考を参照のこと

4:×

5:×

参考:レビー小体型認知症

レビー小体型認知症の主な症状として、注意力の低下や視覚認知の障害、記憶障害などの認知機能障害がみられますが、初期から中期にかけては記憶障害が目立たない場合も多くアルツハイマー型認知症のような一般的な認知症だとは認識されにくい面があります。実際には見えないものが見えたり(幻視)、その時々による理解や感情の変化(認知機能の変動)、歩行など動作の障害( パーキンソン症状)、大声での寝言や行動化(レム睡眠行動障害)など特徴的な症状があらわれます。


レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の違いも覚えておきましょう

 

問題11(過去に類似問題あり)

Gさんの移動に関する支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 床にある目印をまたぐように声かけをする。

2 車いすで移動する。

3 居室にカーペットを敷く。

4 歩幅を小さくするように声かけをする。

5 四点杖の使用を勧める。

 

解答

1:〇最初の一歩が踏み出せなくてじっとしている時は(寡動症)床にある目印をまたぐように声かけをすることが有効です。

2:×歩行は可能なので 車いすは不必要

3:×カーペットはつまずきの原因となります。

4:×

5:×L字杖を使うと一歩目が出しやすい

 

 

問題119(新出問題)

Gさんの意向を踏まえた介護保険サービスとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 看護小規模多機能型居宅介護

2 小規模多機能型居宅介護

3 短期入所療養介護

4 特定施設入居者生活介護

5 認知症対応型共同生活介護

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:〇特定施設入居者生活介護とは、介護保険の指定を受けた介護付有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などが、入居している利用者に対して入浴・排せつ・食事等の介護、その他必要な日常生活上の支援を行います。Gさんの意向は[この施設で生活を続けたい]ということなので、正しいものは4番ということになります。

5:×

 

(総合問題3)

次の事例を読んで、問題120から問題122までについて答えなさい。
〔事例〕
Hさん(26歳、女性)は、(よう)(ずい)損傷(そんしょう)(lumbar spinal cord injury)で両下肢麻痺の障害があり、車いすを使用してA D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)は自立
している。銀行で働きながら一人暮らしをして、休日は、友人とスキューバダイビングを楽しんでいた。
Hさんは、こだわりや責任感が強く真面目で、悩みごとを打ち明けられない性格であった。ある日、友人が表情の暗いHさんを心配して話を聞いてみると、「食事が喉を通らず、頭痛や思考力低下があり、寝つきは良いが、すぐに目が覚めて眠れず、仕事上のミスが続き仕事に行けない日がある」と話した。友人の勧めで専門医を受診した結果、Hさんはうつ病(depression)と診断された。その後、治療を受けながら仕事を続けていたが、激しい動悸、息苦しさ、めまいを伴うパニック発作が繰り返し起こり、仕事を休職して治療に専念することにした。

 

問題120(新出問題)

Hさんの睡眠障害として、正しいものを1つ選びなさい。

1 レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)

2 (がい)(じつ)リズム睡眠障害(circadian rhythm sleep disorder)

3 レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)

4 環境因性睡眠障害

5 中途覚醒

 

解答

1:×レストレスレッグス(むずむず脚)症候群)には,様々な症状がありますが、入眠時に、足が火照る、足がムズムズ、イライラ、チクチク、ピリピリなど、不快な症状がでます。

2:×時差ぼけや交代勤務は、通常の睡眠-覚醒リズムを乱すことがよくあります。概日リズム睡眠障害があると、必要なときや望むときに目を覚ましたり眠ったりすることができません。

3:×REMレム睡眠行動障害の特徴は、睡眠中に突然はっきりとしゃべりだす。腕や足を振り回す。ときには立って動き出すというものです。レム睡眠中は通常は夢の内容に体が連動して大きく動くことはありませんが、この睡眠行動障害の人はレム睡眠時にも体の筋肉がゆるまず、脳の見ている夢に合わせて口や体がしっかりと動いてしまいます。

4:×騒音や気温などの環境が原因の睡眠障害です。

5:〇普段は一般的な眠りは妨げないが、不規則な生活が続いたり、精神的ストレスがたまったりすると、働き方に異常が起きて中途覚醒をもたらすようになります。また、 病気が原因で中途覚醒が起きることもあります。

 

問題121(過去に類似問題あり)

Hさんの食欲不振や睡眠障害は改善せず、日常生活に介護が必要になり居宅介護を利用し始めた。半年ほど経過した頃、「早く良くなりたい」と介護福祉職に話した。
介護福祉職が、Hさんのつらい思いを受容した上でかける言葉として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「早く良くなってくださいね」

2 「すぐに治りますよ」

3 「ゆっくり休むことも必要ですよ」

4 「治療、頑張ってくださいね」

5 「気分転換に旅行に行くといいですよ」

 

解答

1:×

2:×

3:〇受容とは、あるがままを受け入れること… となれば余計な励ましや、アドバイス、根拠ない説明などは不要ということになります。

4:×

5:×

 

問題122(新出問題)

Hさんは仕事を休職して治療に専念した結果、趣味のスキューバダイビングが楽しめるまでに回復した。介護福祉職に、「仕事に復帰しようと思っている皿話した。
介護福祉職が紹介するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 リワークプログラム

2 レスパイトサービス(respite service)

3 ピアカウンセリング(peer counseling)

4 セルフヘルプグループ(self-help group)

5 ガイドヘルプサービス

 

解答

1:〇リーワークプログラムは気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムです。

2:×レスパイトサービスとは、障害児者をもつ親・家族を一時的に、一定の期間、その障害児者の介護から解放することによって、日頃の心身の疲れを回復し、ほっと一息つけるようにする援助です。

3:×ピアカウンセリングは、同じ職業や障害を持っているなど、同じ立場にある仲間どうしによって行われるカウンセリング。

4:×セルフヘルプ・グループとは. 共通の悩みや問題を抱える人やその家族が、自主的に活動を行うグループです。 仲間と出会い、気持・情報などをわかちあうことで悩みをひとりで抱えている状態から抜け出すことを互いに支え合う活動をしています。

5:×移動介護従業者(通称ガイドヘルパー)とは、全身性障害を持つ方、視覚障害を持つ方、知的障害を持つ方など一人で外出するのが困難な方について必要なサポートや介助を行う人のことです。

 

(総合問題4)

次の事例を読んで、問題123から問題125までについて答えなさい。

〔事例〕

Jさん(女性)は、介護福祉士養成施設の学生である。Jさんは、希望していた障害児入所施設で実習をすることになった。この実習では、障害特性を理解して、介護実践の在り方を学ぶだけではなく、個別支援計画(介護計画)作成と実施、評価までの介護過程の展開を学ぶことになっていた。Jさんは、対象となる利用者としてK君(15歳、男性)を担当することになった。K君は重度の脳性麻輝(cerebral palsy)がある。K君が2歳の時に両親は離婚して、母親が一人でK君を育てていた。母子の生活は困窮していた。K君が9歳の時に、母親はK君を施設に入所させることを希望し、この施設に入所することになった。現在K君は、言語による意思の疎通は困難であり、座位が保持できる程度である。また、てんかん(epilepsy)の発作(強直間代発作)が時々みられるが、重積発作ではない。

 

問題123 (障害児入所施設については新出問題)

K君が入所している施設の根拠となる法律として、正しいものを1つ選びなさい。

1 母子及び父子並びに寡婦福祉法

2 「障害者総合支援法」

3 生活保護法

4 児童虐待の防止等に関する法律

5 児童福祉法

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:〇児童福祉法の障害児入所施設(第42条)

障害児入所施設は、障害児を入所させて、支援を行うことを目的とする施設。支援の内容により、福祉型と医療型に分かれます。かつての知的障害児施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設は2012年の児童福祉法改正により障害児入所施設に統合されました。

 

 

問題124(児童発達支援管理責任者については新出問題)

Jさんは、K君の支援計画作成に責任を持つ職員に計画作成の注意点などを聞きたいと、実習指導者に相談した。
K君の支援計画作成に責任を持つ職員として、正しいものを1つ選びなさい。

1 生活支援員

2 児童自立支援専門員

3 サービス提供責任者

4 児童発達支援管理責任者

5 相談支援専門員

 

解答

1:×生活支援員.は身の回りの支援から創作・生産活動まで、生活に密着しながら. 障害者の自立をサポートします。

2:×児童自立支援専門員は児童の生活学習・職業指導を行い、社会的な自立を支援します。

3:×サービス提供責任者とは、介護サービス提供におけて「ケアマネ・ヘルパーとの連絡・調整」をするコーディネーター業務を行う人のことを言います。

4:〇メインの業務は子どもたちの成長に合わせた「個別支援計画の作成」です。この個別支援計画はアセスメントやモニタリングをしっかりと行いながら、子ども自身の希望やその家族のニーズなどもくみ取り、短期・長期の目標や支援内容、援助の方針などを作っていくという、現場での知識が試される業務です。

5:×相談支援専門員の仕事内容は、障害をもつ方やそのご家族の相談にのることです。要望をうかがい、各種サービスを紹介し、必要に応じて連絡調整を行います。

 

問題125(新出問題)

Jさんは個別支援計画作成にあたって、昼食後にK君と向き合う時間を多くとった。ある日、K君に話しかけていると、突然両上下肢を硬直させ、がたがた震わせた後、意識を失ってしまった。慌てたJさんはすぐに、近くの職員に連絡をした。
K君の発作が落ち着いた後、実習指導者がJさんに、K君の発作時の対応について教える内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 大声で名前を呼ぶ。

2 タオルを口にくわえさせる。

3 顔を横にして顎を上げる。

4 救急車を呼ぶ。

5 からだを押さえて発作を止める。

 

解答

1:×

2:×口にタオルをくわえさせたりすると窒息のおそれがあります。

3:〇顔を横にし、吐物による窒息を避けます。また顎をあげて気道の確保をおこないます。

4:×救急車を呼ぶのは 緊急処置をしてから

5:×体をおさえただけで発作はとまりません。

 

inserted by FC2 system