正解については、各サイトからでている模範解答の最大公約解答を基にしました。
参考⇒「限りなく正解」→限りなく正解 第27回介護福祉士筆記:発達と老化の理解

 

第27回筆記試験(平成27年1月25日)

【発達と老化の理解】8問 69〜76問題

 

問題69 A君は、積み木を飛行機に見立ててB君と遊んでいた。大人がA君とB君の目の前で、おやつのジュースを一人150mlずつになるように計った。しかし、同じ大きさのコップがなかったので、それぞれ形の違うコップに入れて与えた。A君にジュースを入れがコップを渡したところ、A君は「B君のほうが量が多い」と言って泣き出した。

ピアジュ(Piaget,J.)によるA君の認知発達段階として、適切なものを1選びなさい。

1 形式的操作期

2 感覚運動期

3 前操作機期

4 再接近期

5 具体的操作期 

 

解答

1:×

2:×

3:○下記参考を参照

4:×

5:×

(参考)ピアジェの発達段階
○感覚運動期(誕生から約2歳まで):感覚運動期の最初の頃は目の前にあるものを隠しても子どもはそれを探そうとしないが、後半になると探そうとします。

○前操作期(子どもが話し始めてから約7歳まで):頭の中で表象して考えることはできるが、論理をまだ把握できず、見かけに引きずられる。
○具体的操作期(小学1年生から青年前期):前操作期と違いイメージやシンボルを論理的に変化させ、再構成することができます。

○形式的操作期(子供の認知発達の最終段階):、「抽象概念および仮説上の出来事に関して合理的、系統的に考える」能力を持っている子どもと定義されています。

 

 (参考)ピアジェに関する過去問題(社会福祉士)
問題

発達理論に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 ヴィゴツキー(Vygotsky,L.)によれば,子どもの知的発達には,独力で問題解決できる水準と,他者からの援助などによって達成が可能な水準があると考えられる。

2 ピアジェ(Piaget,J.)によれば,感覚運動期→前操作期→具体的操作期→形式的操作期という段階を経て,運動能力は発達すると考えられる。

3 ゲゼル(Gesell,A.)によれば,個体の行動や能力などの発達は,個体内の神経生理学的成長よりも環境の影響を強く受けると考えられる。

4 ボウルビィ(Bowlby,J.)によれば,乳児の成人への接近や接触要求の行動は生得的なものではなく,学習による行動であると考えられる。

5 エリクソン(Erikson,E.)によれば,各発達段階で生じる欲求には階層性があり,各階層の欲求が順に満たされることで自己実現が可能になると考えられる。

解答1


問題70  プロダクティブ・エイジング(productive aging)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1選びなさい。

1 バルテス(Baltes,P.)が最初に提唱した。

2 高齢者の経済的自立を目指した概念である。

3 エイジズム(ageism)による高齢者のとらえ方を肯定した概念である。

4 主観的幸福感とは無関係である。

5 プロダクティブ(productive)な活動には、セルフケア(self-care)が含まれる。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○プロダクティブ・エイジングとは生産的な高齢者の意味です。アメリカの老年学の権威であるバトラー(Butler, R. N.) によって提唱されたプロダクティブ・エイジングは高齢者に自立を求め、更に様々な生産的なものに寄与するべきであるという意味が含まれています。高齢者が自立していくには、当然セルフケア(体調や心の自己管理)も必要になってきます。

 

問題71  老年期の精神疾患(mental disease)と精神症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 老年期うつ病(senile depression)は、若年者のうつ病(depression)と比べて抑うつ気分が軽い。

2 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimers type)は、脳の器質的変化を伴わない。

3 うつ病(depression)等で自殺を試みた高齢者が死に至る率は、若年者の場合と比べて低い。

4 せん妄(delirium)は夜間よりも昼間に生じやすい。

5 老年期に発病した統合失調症(schizophrenia)は、妄想型が少ない。

 

解答

1:○高齢期のうつは若年者に比べ症状がそろっていないうつ病の頻度が高く見逃されやすいこと、そして、悲哀の訴えが少なく、気分低下やうつ思考が目立たないのが特徴です。

2:×組織や細胞が変形、変性あるいは破壊され、元の形に戻らなくなるように変化することを器質的変化といいますが、アルツハイマー型認知症では器質的変化をもたらします。

3:×自殺を試みた高齢者が死に至る率(完遂率)は若年に比べ高齢者のほうが高いです。http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/clinical_practice_geriatrics_49_547.pdf

4:×意識レベルが低下する夜に起きやすいです。

5:×高齢者の統合失調症は妄想型が特徴です。

 

(参考1)高齢者のうつ病等に関する過去問題

24回試験問題

問題74 高齢者の気分障害(mood disorder)に関する次の表記のうち,正しいもの を一つ選びなさい。

 

1 双極性感情障害(bipolar affective disorder)は老年期に初発することが多い

2 抑うつ気分は若年者と比べ重度であることが多い

3 感情失禁を伴うことは少ない

4 老年期うつ病(senile depression)は身体症状と関連することが多い

5 年齢が高くなるほど自殺率も高い

 

解答

1:×双極性障害は躁病の極とうつ病の極の両方をもつ気分障害が発症年齢は20代〜30歳代がピークです。 ...

2:×抑うつ気分が重度なのは若年者です。高齢者の特徴としては著しい抑うつ気分などは少ないといえます。

3:×高齢者の気分障害ではちょっとしたことで泣いたり、笑ったり、怒ったりするように感情の調節が傷害れることがあります。

4:○

5:×50〜60歳でピーク。70歳以降から自殺率は低下します。

 

(参考2)参考になる関連問題

問題1高齢者の自殺について正しいものを2 つ選べ.

1 高齢のうつ病患者の自殺既遂率は若年者に比べ低い.

2 軽いうつ状態であっても自殺の危険因子となりうる.

3 複数の身体疾患が重なることは自殺のリスクを高める.

4 認知症は自殺の強力な危険因子である.

5 家族と同居している高齢者では自殺の危険は少ない.

 

解答1

1:×自殺企図は高齢者になるにしたがって完遂率が高くなります。このことから高齢者の自殺未遂者対策が重要になっています。

2:○

3:○複数の身体疾患が重なることが自殺の危険を高めることも知られています。

4:×この背景には高齢者が家族の中で心理的に孤立している状況があります。

(参考)既遂と未遂は、実行行為は同じですが、結果発生に向けた実行行為の着手があり、結果が発生したものを既遂、結果が発生しなかったものを未遂と言います。

 

問題2わが国の自殺者数の傾向について,誤っているものを1 つ選べ.

1 日本の自殺死亡率は,男女ともに世界的にも高い.

2 平成10 年(1998 年)に年間3 万人を超えた.

3 自殺者数は男性が多い.

4 年齢別自殺者数では,中高年および高齢者の自殺が増加している.

5 自殺の原因として最も多いのは「経済・生活問題」である.×

 

解答

1:○日本は男性11 位(36.2)であり,女性では5 位と日本の自殺死亡率が男女ともに,世界的にみても高いことがわかる。

2:○そのとおりです。

3:○圧倒的に男性が多いです。画像参照↓

4:○

5:×実際に多いのは健康上の問題です。 


問題72 死別直後の遺族の心理に関する次の記述のうち。最も適切なものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 周囲からのサポートに関係なく、死別後の生活に適応する。

2 悲嘆の経験は、心身に影響を及ぼさない。

3 悲嘆のプロセスは、多くの人で同じように進む。

4 十分に悲しむことが、悲嘆を乗り越えるために有効である。

5 遺族の心理的ケアは、緩和ケアに含まれない。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○別れに際して、十分に悲しむことで悲嘆を乗り越えていくことができます。
5:×
遺族の心理的ケアは、緩和ケアに含まれます。

(参考)死別直後の心理に関する過去問題
問題

1 死別体験をした高齢者には,その体験を引き出し語らせることが最も有効である。

2 喪失体験とは、近親者などの喪失や死別が原因で、その喪失感ゆえに心のよりどころを失い、その事実を受け入れられない感情のことである。

解答

1:×高齢者の場合、より気分を落ち込ませ、うつを重くすることがあるので、有効ということは言えません。
2:○

(参考)緩和ケア(WHOの定義)
緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面する患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的、心理的、社会的な問題、さらにスピリチュアル(宗教的、哲学的なこころや精神、霊魂、魂)な問題を早期に発見し、的確な評価と処置を行うことによって、 苦痛を予防したり和らげることで、クオリティ・オブ・ライフ(以下QOL:人生の質、生活の質)を改善する行為である、と定義されています。(世界保健機構(WHO2002年)

問題73 脱水時の状態として、正しいものを1選びなさい。

1 除脈(じょみゃく)

2 血圧の上昇

3 皮膚緊張の増加

4 めまい

5 体重の増加

 

解答

1:×脱水では頻脈(心拍が非常に速くなる)になります。徐脈(心拍が非常に遅くなる)は間違い。

2:×脱水症の時は体液量の減少によって1回心拍出量が減少し、血圧が低下します。

3:×皮膚の緊張感が低下します。具体的に説明すると、皮膚を指でつまみ上げてから離して周辺の皮膚に戻るまでの時間が長くなります。

4:○脱水症状としては、口渇・口唇の乾燥・尿量の減少・頭痛・全身倦怠感・食欲不振・めまい・嘔気・嘔吐などが挙げられます。

5:×水分が体から出て行きますから、体重は減少します。
(参考)脱水に関する過去問題
問題
1 脱水症状の観察のポイントは、口渇、口唇の乾燥、脇の下の乾燥、肌荒れなどである。

2 脱水の種類には高張性脱水、低張性脱水、等張性脱水などがある。

解答
1:○

2:○高張性脱水は水分が多く失われる水欠乏性の脱水です。低張性脱水はナトリウムが多く失われる塩類欠乏性の脱水です。

 

問題74 (じょく)(そう)の発生部位として、最も頻度の高いものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 大転子部

2 肩甲骨周辺

3 仙骨部

4 踵部(しょうぶ)

5 (ちゅう)関節(かんせつ)

 

解答

1:×

2:×

3:○仙骨に最も褥瘡ができやすいのは、仰向けに寝たとき(仰臥位)、仙骨に全体重の約5 割が集中するからです。

4:×

5:×

 

問題75 高齢者の肺炎(pneumonia)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1選びなさい。

1 日本の高齢者(65歳以上)の死因順位(2011年(平成23年))で第一位である。

2 インフルエンザ(influenza)に合併することはまれである。

3 初発症状は高熱である。

4 呼吸数は減少する。

5 誤嚥(ごえん)(せい)肺炎(はいえん)(aspiration pneumonia)の予防には口腔(こうくう)ケアが有効である。 

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○

 

問題76 パーキンソン病(Parkinson disease)に関する次の記述のうち、正しいものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 40歳代で発症することが最も多い。

2 突進現象が認められる。

3 筋肉の異常が原因である。

4 認知症(dementia)を合併することはまれである。

5 発病後5年以内に死亡することが多い。

  

解答

1:×

2:○

3:×

4:×

5:×

 

内容について変更することが多々ありますのでご注意ください。
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