正解については、各サイトからでている模範解答の最大公約解答を基にしました。
参考⇒「限りなく正解」→限りなく正解 第26回介護福祉士筆記:こころとからだのしくみ

 

第27回筆記試験(平成27年1月25日)

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

 

問題97  記憶に関する次の記述のうち、正しいものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 短期記憶では、膨大な情報の貯蔵が可能である。

2 記憶には、記銘と保持と想起の3つの過程がある。

3 手続き記憶とは、自分に起こった出来事に関する記憶である。

4 エピソード記憶とは、一般的な知識についての記憶である。

5 記憶の処理は、中脳で行われる。

 

解答

1:×短期記憶とは、短期間保持される記憶です。

2:○

3:×手続き記憶は思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶です。

4:×エピソード記憶は、個々の経験・体験の記憶を指します。

5:×記憶はいったん脳の奥の海馬という部位に保存されます

(参考)記憶に関する過去問題の一部を掲載
問題

1 記憶は、保持時間の長さの違いから、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分けられる。

2 エピソード記憶とは過去にたいけんした喜怒哀楽や驚きにみちた出来事などを思い出して語ったりする記憶のことである。

3 エピソード記憶は、個々の経験・体験の記憶を指す。

4 短期記憶とは、短期間保持される記憶である、と定義されています。

5 手続き記憶は思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶。ピアノの弾き方、自転車の乗り方などがその例である。

解答

1:○感覚記憶は感覚刺激を感情情報の「まま保持する記憶のことをいいます。加齢に伴い、感覚器官が衰えてくるので感覚記憶の情報量は減ってきます。

2:○結婚したことや戦争体験を思い出す記憶のことをいいます。

3:○特に覚えておこうと思わなくても、自然に脳に蓄積されているのがこのエピソード記憶です。

4:○

5:○

問題98  関節運動とその主動作筋(主として働く筋肉)の組合せとして、正しいものを1選びなさい。(類似過去問題として出題済み)

1 肩関節外転 ―――――――――――― 上腕二頭筋

2 手関節屈曲 ―――――――――――― 上腕三頭筋

3 ()関節(かんせつ)屈曲(くっきょく) ―――――――――――― 腸腰筋

4 ()関節(かんせつ)伸展(しんてん)――――――――――――― 腹直筋

5 足関節伸展 ―――――――――――― 下腿(かたい)三頭筋(さんとうきん)

 

解答

1:×三角筋(中部)

2:×橈側手根屈筋

3:○主動作筋:腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)   補助筋:大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋

4:×大殿筋

5:×前脛骨筋
(参考)関節運動と主動作筋に関する過去問題(第16回国家試験)

問題 筋肉の収縮とそれに対応して起こる身体各部の運動に関する次の組み合わせのうち、誤っている者を一つ選びなさい。
1大腿四頭筋  膝関節の伸展
2三角筋     肩関節の外転
3上腕三頭筋  肘(ちゅう)関節の伸展
4横隔膜     胸郭(きょうかく)の縮小
5腸腰筋     股(こ)関節の屈曲
解答 
1:○大腿四頭筋は膝関節の伸展を行う筋です。図のある参考書で確認してください。
2:○これは鎖骨と肩甲骨から上腕骨にある筋肉です。上腕の外転を行う筋肉です
3:○上腕の後ろにある筋肉です。肘関節の伸展をつかさどります。
4:×横隔膜は胸部と腹部を分けている筋肉で胸郭を広げることで肺に空気を送り込む働きをするものである。したがって間違い
5:○腸腰筋は股(こ)関節の屈曲させる働きをもちます。

 

問題99 糖尿病(diabetes mellitus)のある人の身支度の介護で、異変の有無について特に観察すべき部位として、適切なものを1選びなさい。

1 毛髪

2 耳介

3 鼻腔(びくう)

4 手指

5 足趾(そくし)(指) 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○糖尿病により神経の障害があると 足趾(指)のしびれや痛みを生じます。

 

問題100  廃用症候群(disuse syndrome)として、正しいものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 筋肥大

2 高血圧

3 頻脈

4 (じょく)(そう)

5 躁病(そうびょう)(mania)

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○廃用性症候群は、治療を必要とする疾患によって安静臥床を余儀なくされている状況で、運動をしないこと、寝ていることで長時間を過ごすことにより生じます。廃用性症候群では下記の症状がおこります。↓


http://www.marimo.or.jp/~ganba/img/20150203k.jpg

5:×

 

問題101  誤嚥(ごえん)を防止している部位として、正しいものを1選びなさい。

1 甲状軟骨

2 口蓋(こうがい)(すい)

3 (こう)頭蓋(とうがい)

4 口蓋扁(こうがいへん)(とう)

5 食道

 

解答

1:×

2:×

3:○食べ物が通る際には喉頭蓋というフタのようなもので気管の入り口が閉じられます。呼吸する際には気管に空気を通すためにこのフタは開いていますが、食べ物が通る際には肺へ落ちないようにフタをします。図↓参照


http://www.marimo.or.jp/~ganba/img/20150203t.png

4:×

5:×

 

問題102 食事のたんぱく質制限が必要な疾患として、正しいものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 胃潰瘍(いかいよう)(gastric ulcer

2 尿毒症(uremia)

3 痛風(gout)

4 脂質異常症(dyslipidemia)

5 狭心症(angina pectoris)

 

解答

1:×胃潰瘍で注意が必要なことは @過食過飲。 A酒の飲みすぎ。 B甘い菓子のとりすぎ。 C刺激性食品のとりすぎなどです。 

2:○腎臓から排泄される老廃物(尿毒素)が体内にたまると、全身に様々な症状が出てきます。これらを総合したものが尿毒症で、慢性腎臓病、腎不全の終末像です。体を守り、しかも腎臓のはたらきを保持するにはタンパク質を抑え、エネルギーを確保するための工夫が必要となります。

3:×プリン体を多く含む食品などの制限や、水分を取ること、体重を減らすなどの対策が必要です。

4:×たんぱく質の制限は関係ありません。脂質異常の対処法→@偏らず「栄養バランスのよい食事」をとる。A. 摂取総エネルギー量を抑えて、適正な体重を保つ。 B. 飽和脂肪酸(おもに獣肉類の脂肪)1に対して不飽和脂肪酸(おもに植物性脂肪や魚の脂)を1.5〜2の割合でとる。 C. ビタミンやミネラル、食物繊維もしっかりとる。 E. 高コレステロールの人は、コレステロールを多く含む食品を控える。 E. 中性脂肪が高い人は、砂糖や果物などの糖質と、お酒を減らす。

5:×タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを不足させないことが大切です。

 

問題103 入浴による静水圧の直接的な作用として、最も適切なものを1選びなさい。(類似過去問・解説等で出題済み)

1 毛細血管の拡張

2 関節への負担の軽減

3 下肢のむくみの軽減

4 体重による負担の軽減

5 老廃物の排泄(はいせつ)促進

 

解答

1:×

2:×

3:○長時間、立ち仕事や座り仕事を続けていると、足が疲れてだるくなり、特にひざから下がむくむことがありますが、これは下半身に血液が下がって、流れが悪くなっているためです。このときは入浴時の静水圧が有効です。静水圧とは、水中の全方向から等しく水の重さがかかる圧力のことで、皮下の血管にも働く静水圧により、血液やリンパの流れを良くして循環器系の働きを活発にします。

4:×

5:×

 

問題104 弛緩性(しかんせい)便秘(べんぴ)の原因として、正しいものを1選びなさい。(類似過去問・解説で出題済み)

1 大腸の蠕動(ぜんどう)運動(うんどう)の低下

2 過敏性腸病症候群(irritable bowel syndrome)

3 自律神経の失調

4 排便反射の低下

5 大腸がん(colorectal cancer)

 

解答

1:○蠕動(ぜんどう)運動とは、腸が伸縮を繰り返し、便を肛門へと運ぶ動きのことです。 一般的な便秘の原因は、 この蠕動運動が弱くなっていることにあるといっても過言ではありません。

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題105 多尿の原因として、正しいものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 脱水

2 副交感神経優位

3 前立腺(ぜんりつせん)()大症(だいしょう)(prostatic hypertrophy)

4 ビタミンC(vitamin C)の過剰摂取

5 糖尿病(diabetes mellitus)

 

解答

1:×脱水では、尿量が減少します。

2:×副交感神経優位では尿意を感じることはありますが、多尿とは関係ありません。参考→交感神経が緊張すると「かっと目は見開き,喉はからからで血圧や脈拍は上昇し,お腹もすかないし尿意も催さない」というような状態に。副交感神経緊張状態では,その逆で血圧や脈拍は下降し,唾液が出たりお腹が鳴って空腹感を訴えたり尿意を感じたりします。

3:×前立腺肥大症の症状は、尿の勢いがない、尿がすぐ出ない、少ししか出ないなどです。

4:×過剰摂取では、お腹が張ったり、下痢を起こす原因になると考えられていますが、多尿は認められません。

5:○糖尿病では、血中ブドウ糖が増加し尿に漏れ出し、尿の浸透圧が上昇して尿量が増えます。

 

問題106 睡眠に関する次の記述のうち、正しいものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 ヒトは下垂体に体内時計がある。

2 抗ヒスタミン薬は覚醒(かくせい)作用(さよう)がある。

3 睡眠は深さよりも長さが重要となる。

4 レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。

5 最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。

 

解答

1:×下垂体ではなく、人の体内時計の中心は、脳の「視交叉(さ)上核」という部位にあります。

2:×覚醒作用はありません。抗ヒスタミン薬の副作用は、眠気をはじめとして、抗コリン作用からくる口渇、便秘、排尿困難などがあります。

3:×睡眠は長さよりも深さが重要となります。

4:×レム睡眠にはおよそ90分ごとに出現する周期があります。

5:○ノンレム睡眠はぐっすりと熟睡した状態の眠りです。

 

問題107 睡眠障害に関する次の記述のうち、正しいものを1選びなさい。

1 入眠障害とは、眠りが浅く途中で何度も目が覚めることである。

2 レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は、早朝(そうちょう)覚醒(かくせい)の原因となる

3 睡眠が不足すると、副交感神経が活発になる。

4 肥満は、睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)の原因となる。

5 周期性四肢運動障害は、睡眠中に大声の寝言や激しい動作を伴う。

 

解答

1:×何度も目が覚めるというものではなく、「ベッドに入ってもなかなか寝つくことができない」というのが入眠障害です。

2:×レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、夜になると出現する下肢を中心とした異常感覚により不眠、過眠を引き起こす病気です。

3:×睡眠不足が交感神経を活性化させます。

4:○肥満は、睡眠時無呼吸症候群の1つです。このほかに酒、タバコ、高血圧、糖尿病、高脂血症なども原因となります。

5:×周期性四肢運動障害は、睡眠中に手や脚の筋肉に瞬間的にけいれんが起こり、眠りが中断されるという睡眠障害です。

 

問題108  Fさん(72歳、男性)は数か月前から食欲不振があり、体重も減少した。市内の総合病院を受診したところ、末期の胃がん(gastric cancer)と診断され、緩和医療を受けることを勧められた。

Fさんの今の心情を、キューブラー・ロス(Kubler-Ross,E.)の提唱した心理過程の第一段階に当てはめた表現として、適切なものを1選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 「病気を治すためなら、財産を全部使ってもいい」

2 「なぜ私だけが病気になって、死ななければならないのか」

3 「診断は何かの間違いでとても信じられない」

4 「死は(だれ)にでも訪れる自然なことだから、受け入れよう」

5 末期がんなら、何をしてもどうせ無駄だ」 

 

解答

1:×

2:×

3:○下記参照

4:×

5:×

(参考)

第一段階:「否認と孤立」

病などの理由で、自分の余命があと半年であるとか三か月であるなどと知り、それが事実であると分かっているが、あえて、死の運命の事実を拒否し否定する段階。

それは冗談でしょうとか、何かの間違いだという風に反論し、死の事実を否定するが、否定しきれない事実であることが分かっているがゆえに、事実を拒否し否定し、事実を肯定している周囲から距離を置くことになる。

 

第二段階:「怒り」

拒否し否定しようとして、否定しきれない事実、宿命だと自覚できたとき、「なぜ私が死なねばならないのか」という「死の根拠」を問いかける。このとき、当然、そのような形而上学的な根拠は見つからない。 それゆえ、誰々のような社会の役に立たない人が死ぬのは納得できる、しかし、なぜ自分が死なねばならないのか、その問いの答えの不在に対し、怒りを感じ表明する。

 

第三段階:「取り引き」

しかし、死の事実性・既定性は拒否もできないし、根拠を尋ねて答えがないことに対し怒っても、結局、「死に行く定め」は変化させることができない。死の宿命はどうしようもない、と認識するが、なお何かの救いがないかと模索する。この時、自分は強欲であったから、財産を慈善事業に寄付するので、死を解除してほしいとか、長年会っていない娘がいる、彼女に会えたなら死ねるなど、条件を付けて死を回避の可能性を探ったり、死の受容を考え、取引を試みる。

 

第四段階:「抑うつ」

条件を提示してそれが満たされても、なお死の定めが消えないことが分かると、どのようにしても自分はやがて死ぬのであるという事実が感情的にも理解され、閉塞感が訪れる。 何の希望もなく、何をすることもできない、何を試みても死の事実性は消えない。このようにして深い憂うつと抑うつ状態に落ち込む。

 

第五段階:「受容」

抑うつのなかで、死の事実を反芻している時、死は「無」であり「暗黒の虚無」だという今までの考えは、もしかして違っているのかもしれないという考えに出会うことがある。あるいはそのような明確な考えでなくとも、死を恐怖し、拒否し、回避しうと必死であったが、しかし、死は何か別のことかも知れないという心境が訪れる。 人によって表現は異なるが、死んで行くことは自然なことなのだという認識に達するとき、心にある平安が訪れ「死の受容」へと人は至る。 

 

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