第25回介護福祉士国家試験問題及び解説

25回介護福祉士国家試験問題及び解説

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です
問題1 介護福祉士が誠実に業務を行うことを明示した法律として、正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法
2 高齢者虐待防止法
3 社会福祉士及び介護福祉士法
4 介護保険法
5 老人福祉法

(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

解答
1:×
2:×
3:○「社会福祉士及び介護福祉士」の第四十四条の二で 、社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。(誠実義務)としています。
4:×
5:×

参考:その他、介護福祉士の義務等として大切なものは次のとおりです。大事なところなので必ず覚えておいてください。

 

(信用失墜行為の禁止)(秘密保持義務)(連携)(資質向上の責務)

 

問題2 Aさん(84歳、男性)は、「私は13歳のとき、発疹が現れ医師の診察を受けたところ、ある感染症にかかっているという理由で、強制的に国立の療養所に入所させられた」と語った。この入所は、ある感染症の予防法に基づくものであった。
 Aさんは、「療養所では、入所した日から本名を使うことができなかった。また、一時帰宅したが、その後の帰宅を両親から断られた」と続けた。
 この法律は1996年(平成8年)に廃止された。
 Aさんが罹患した感染症として、正しいものを1つ選びなさい。
1 破傷風(tetanus
2 コレラ(cholera
3 痘そう(smallpox
4 梅毒(syphilis
5 ハンセン病(Hansen's disease

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○その当時、患者は、警察によって強制的に連行され、療養所に収容されました。また、結婚の条件として非合法な断種・堕胎なども行われましたが、昭和16年にハンセン病の特効薬プロミンが開発され、完治する病気となりました。そしてこの法律は平成8年になりようやく廃止されました。

人間関係とコミュニケーション】(2問) 3〜4問題 【人間関係とコミュニケーション】、【コミュニケーション技術】は同一科目試験群です。
問題3 介護職と利用者のコミュニケーションを促す場面づくりに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者との関係性をつくる座り方として、直角法より対面法の方が有効である。
2 対面法で座る場合、視線を向けることのできる花瓶などを机の上に置くとよい。
3 利用者に近づけば近づくほど、親密な雰囲気になって利用者は話しやすくなる。
4 利用者が座っているときも、介護職は立ったままで話しかけてよい。
5 介護職が腕や足を組んだ姿勢をとると、利用者はより話しやすくなる。

解答
1:×関係性を築くということでは、対面法では 緊張を強いることがあるので、視線を交あわせる必要のない 直角法のほうが効果的です。
2:○きちんと物事を伝える場合には対面する直接法を用います。この場合、花瓶などをおくとその場の雰囲気が和らぐ効果があります。
3:×近づけば近づくほど、緊張感は高まってきます。
4:×立ったままで話されると、利用者は威圧感を感じてしまいます。
5:×腕や足を組んだ姿勢で話されると威圧感を感じて話しにくくなります。

問題4 Bさんの父親は認知症(dementia)があり、同じ話を繰り返す。Bさんが、「同じ話を毎日聞いて疲れる。疲れるのは父親のせいだ。つらいです」と介護職に話した。
 このときの介護職の、感情の反射(reflection of feeling)を用いた返答として、適切なものを1つ選びなさい。
1 「どんなふうにつらいですか」
2 「つらい気持ちなのですね」
3 「うまくいっていないのですね」
4 「つらい気持ちは怒りみたいなものですね」
5 「あなたが話していることは、お父さんに対するつらさですね」

解答
1:×
2:○Bさんは「つらいです」と思っています。感情の反射」というのは利用者が言葉や動作などで述べた感情を、そのまま受け取り、言葉で返すことです。このことでBさんの問題点の明確化、心の整理などがついてきます。
3:×
4:×
5:×


【社会の理解】(12問) 5〜16問題
問題5 育児と介護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 「育児・介護休業法」に基づく育児休業制度は、男性にも適用される。
2 「育児・介護休業法」に基づく子の看護休暇制度は、小学校就学前の子の養育をする労働者には適用されない。
3 2010年(平成22年)の「出生動向基本調査」によると、女性の就業率は第一子の出産後も低下しない。
4 2010年(平成22年)の「国民生活基礎調査」によると、同居している主な介護者は70歳代が最も多い。
5 2010年(平成22年)の「国民生活基礎調査」によると、同居している主な介護者は子の配偶者が最も多い。

(注)「育児・介護休業法」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。

解答
1:○育児休業制度は平成4年にできましたが、父親も子育てができる働き方の実現を目指した「改正育児・介護休業法」が、平成22630日から施行されました。
2:×小学就学前の子供を養育する労働者にも適用されます。小学校就学前の子どもが1人であれば年5日、2人以上いる場合は「年10日まで」取得できるようになります。
3:×出産後退職するケースが多く、女性が第1子出産後に就業を継続することは依然として困難となっています。
4:×60歳代が29.7%、70歳代が20.6%で60歳代が多いです。
5:×配偶者25.7  20.9  この配偶者15.2 

解説 

○平成24年7月から、常時100人以下の事業所でも 「育児・介護休業法」が適用されることになりました。

○同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、7079歳」の要介護者等では、「7079歳」の者が介護している割合が42.6%、「8089歳」の要介護者等では、「5059歳」の者が介護している割合が37.4%で最も多くなっている

 

問題6 限界集落を定義するときの人口構成として、正しいものを1つ選びなさい。
1 65歳以上の人口比率が14%以上である。
2 65歳以上の人口比率が30%以上である。
3 65歳以上の人口比率が50%以上である。
4 75歳以上の人口比率が14%以上である。
5 75歳以上の人口比率が30%以上である。

解答
1:×
2:×
3:○「限界集落」は65歳以上の人口比率が50%で、社会的共同生活の維持が困難な集落であるとしています。
4:×
5:×

参考:限界集落については、介護福祉士養成講座の基本テキストにも掲載されています。試験に出るのは初めてですが、高齢化社会を象徴するものですから、定義は覚えておいたほうが良いかと思います。人口比率が半分以上(50%以上)で、社会的共同生活の維持が困難・・頭に入れておいてください。


問題7 日本の社会保障に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 生活保護制度や福祉サービスは、社会保障に含まれない。
2 所得再分配の機能はない。
3 2009年度(平成21年度)の社会保障財源に占める公費負担は、50%を超えている。
4 社会保障の発展は、経済の安定や成長を損なう。
5 介護、子育てなどの家庭機能を支援する役割がある。

解答
1:×解説をご覧ください。
2:×所得の再配分機能とは、所得の格差(不公平)を是正する役割のことをいいます。「生活保護制度」も、貧困者に最低限の生活を保障するために所得再配分という機能をはたしています。
3:×社会保障財源のうち、公費負担は初めて40兆円を超え、財源に占める割合は過去50年で最高の35.7%に達しています。
4:×社会保障の発展により、高齢者、障害者等に対する就労支援策では所得増大をもたらす可能性もあるし、産業としての医療・介護市場の拡大は経済成長にも寄与します。
5:○解説を参照してください。

 

参考:社会保障制度の定義を抑えておくと、このような問題には対処しやすいかと思います。1950年の社会保障制度審議会勧告では「社会保障制度とは、疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その他の困窮の原因に対し、保険的方法又は直接公の負担において経済保障の途を講じ、生活困窮に陥ったものに対しては、国家扶助によって最低限度の生活を保障するとともに、公衆衛生および社会福祉の向上を図り、もってすべての国民が文化的成員たるに値する生活を営むことができるようにすること」としています。

問題8 国民年金の被保険者に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 被保険者にならなければならない者は、被用者でない場合、20歳以上65歳未満の者である。
2 国籍にかかわらず、要件を満たせば被保険者となる。
3 厚生年金の被保険者である者は、国民年金の被保険者にはなれない。
4 20歳以上でも学生である期間は、被保険者にはなれない。
5 厚生年金の被保険者に扶養されている配偶者は、被保険者にはなれない。

解答
1:×国民年金の被保険者は自営業者、農業者、学生、一定のパートタイマー、無職等で20歳以上60歳未満となっています。
2:○日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方は、日本国籍があるなしにかかわらずすべて国民年金に加入することになっています。
3:×厚生年金に加入している方は、天引きされている保険料の中に、国民年金保険料が含まれています。つまり、厚生年金加入者は、国民年金(第2号被保険者)に自動的に加入しているのです。ですから、厚生年金を受け取れる方は、国民年金(基礎年金)を併せて受け取れることになります。
4:×国民年金の被保険者は自営業者、農業者、学生、一定のパートタイマー、無職等で20歳以上60歳未満となっています。
5:×国民年金の3号被保険者になれます。(第3号被保険者:第2号被保険者の配偶者にして、主に第2号被保険者の収入で生計を維持している「20歳以上60歳未満」の者。)


問題9 介護保険制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 支給対象は、介護保険制度の発足時から現在まで、6段階に区分されている。
2 地域密着型サービスは、都道府県がサービス事業者の指定や指揮監督を行う。
3 地域包括支援センターには、身体障害者福祉司の配置が義務づけられている。
4 介護予防マネジメントは、保健所が実施することになっている。
5 2006年(平成18年)に施行された介護保険法の改正によって、介護予防サービス(新予防給付)が創設された。

解答
1:×現在は要支援1〜2、要介護1〜要介護5の7段階区分
2:×地域密着型サービスについては、事業者指定とともに、指導及び監督についても市町村が行うことになります。
3:×地域包括支援センターには保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーの配置が義務づけられています。
4:×介護予防マネジメントは地域密着型サービスの一つです。このサービスは保健所ではなく市町村が行うことになります。
5:○2006(平成18)に介護保険法が改正され、介護度が重くならないように筋力トレーニングなどを行う、「介護予防」の考えが取り入れられました。

問題10 介護保険審査会の設置主体として、正しいものを1つ選びなさい。
1 市町村社会福祉協議会
2 都道府県社会福祉協議会
3 市町村
4 都道府県
5 国

解答
(介護認定調査会と間違えないように!)
1:×
2:×
3:×
4:○要介護度に不満がある場合の不服を審査する「介護保険審査会」の設置などは都道府県の事務となっています。
5:×

問題11 介護支援専門員(ケアマネジャー)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 実務研修受講試験は、市町村が実施する。
2 介護福祉士登録をすれば、実務経験3年で実務研修受講試験を受験できる。
3 資格の有効期間は5年である。
4 守秘義務は、社会福祉法に規定されている。
5 成年被後見人または被保佐人となっても、資格を失うことはない。

解答
1:×市町村でなく、都道府県が実施します。
2:×下記解説を参照してください。
3:○
4:×介護保険法第27条で守秘義務が課せられています。
5:×介護支援専門員は(ア)成年被後見人又は被保佐人 (イ) 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者などは資格を与えることができません。

参考:

○介護支援専門員は介護保険法において要支援・要介護認定を受けた人からの相談を受け、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を取りまとめる者とされています。

○法定資格(社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む。))を所持している者は、5年以上の実務経験を有することで受験できます。


問題12 障害者自立支援法における「障害者」の定義に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 18歳未満の障害児を含む。
2 65歳以上の障害者を含む。
3 発達障害(developmental disorder)のある者は含まない。
4 高次脳機能障害(higher brain dysfunction)のある者は含まない。
5 双極性感情障害(bipolar affective disorder)のある者は含まない。

解答
(注意:障害者自立支援法は障害者総合支援法に名称が変わりました)
1:×
2:○障害者自立支援法の第4条第1項に障害者の定義があります。「この法律において「障害者」とは、身体障害者福祉法第四条 に規定する身体障害者、知的障害者福祉法 にいう知的障害者のうち18歳以上である者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条 に規定する精神障害者のうち18歳以上である者をいう。」したがって65歳以上の障害者は含まれるので正解ということになります。
3:×発達障害、高次脳機能障害、双極性感情障害は精神障害に含まれます。
4:×発達障害、高次脳機能障害、双極性感情障害は精神障害に含まれます。
5:×発達障害、高次脳機能障害、双極性感情障害は精神障害に含まれます。

参考:障害者自立支援法における「障害者」の定義は、第2条で「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」と規定しています。


問題13 地域における障害者の自立支援のシステムに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 地域活動支援センターは、障害者の医学的・心理的判定を行う。
2 基幹相談支援センターは、都道府県が設置する。
3 知的障害者相談員は、厚生労働大臣が委嘱する。
4 障害程度区分の審査・判定は、市町村審査会が行う。
5 利用者負担の額は、市町村障害福祉計画によって決められる。

解答
1:×
2:×
3:×
4:○
5:×

問題14 Cさん(80歳、女性)は、P市で一人暮らしをしている。最近、からだが弱り、介護老人福祉施設に短期入所した。施設の介護職は、Cさんが公共料金の支払いなどがうまくできず、つじつまの合わない話をすることに気付いた。そこで、自宅に戻ったときには、日常生活自立支援事業を利用したらどうかと、助言した。
 Cさんがこの事業の利用を相談する機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 国民生活センター
2 家庭裁判所
3 年金事務所
4 P市社会福祉協議会
5 認知症専門の医療機関

解答
1:×
2:×
3:×
4:○日常生活自立支援事業の実施主体は都道府県・指定都市社会福祉協議会。そして実施の相談窓口は各市町村社会福祉協議会となります。
5:×

問題15 個人の権利を守る制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 成年後見制度は、「後見」と「保佐」の2類型で構成される。
2 日常生活自立支援事業では、利用を開始する際に利用者の判断能力は審査しない。
3 日常生活自立支援事業には、初期相談、利用援助契約などを行う「専門員」が配置される。
4 個人情報の保護に関する法律では、個人の同意のない個人情報の提供は例外なく禁止している。
5 「高齢者虐待防止法」は、介護施設従事者による高齢者虐待については規定していない。

(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

解答
1:×「後見」、「保佐」、「補助」の3類型
2:×事業の契約にあたり判断能力の審査を行います。
3:○

4:×本人の生命、身体、財産の保護が必要な場合には個人情報が提供される場合があります。
5:×介護従事者であろうが、家族であろうが虐待についてはこの法律に規定されています。

問題16 「精神保健福祉法」に規定された精神障害者の入院形態として、正しいものを1つ選びなさい。
1 緊急措置入院とは、急速を要し、措置入院に係る手続きをとることができない場合に行う入院である。
2 措置入院とは、精神保健指定医の判断によって、本人、保護者の同意を得て72時間に限り行う入院である。
3 医療保護入院とは、本人自らの意思に基づく入院である。
4 任意入院とは、精神保健指定医から入院が必要と判断された場合に、保護者の同意に基づいて行う入院である。
5 応急入院とは、本人、保護者の同意がなくても、都道府県知事が認めた場合に行う入院である。

(注)「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

解答
1:○
2:×「措置入院」とは医療及び保護のために入院させなければ、自傷他害のおそれがある場合に、知事の権限により強制的に入院させるものです。
3:× 「医療保護入院」とは医療及び保護のために入院する必要があり、本人の同意が得られない場合に、保護者の同意により入院するものです。
4:×「任意入院」とは精神障害者本人の同意に基づく入院ですまた、任意入院をした患者から退院の申し出があれば,すみやかに退院させることが原則です。
5:×「応急入院」とは医療及び保護のために直ちに入院する必要があり、本人の同意が得られず、身元が不明で保護者の同意が得られない場合に、72時間に限り入院するものです。

【介護の基本】(16問) 17〜32問題

問題17 1963年(昭和38年)に特別養護老人ホームが創設された。当時のこの施設に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 経済的な困窮者に対して介護を行う、老人ホームとして創設された。
2 身体上または精神上の著しい欠陥があるために、常時の介護を必要とする65歳以上の者を入所要件の1つとした。
3 「収容の場」ではなく、「生活の場」として位置づけられた。
4 ねたきり老人短期保護事業(ショートステイ)を行うことが求められた。
5 直接処遇を行う寮母は、名称独占の専門職として位置づけられた。

解答
1:×身体上または精神上の著しい欠陥があるために、常時の介護を必要とする65歳以上の者を入所させるため創設。
2:○
3:×基本的な仕組は、行政が特別養護老人ホームに「収容」するという措置制度でした。
4:×「ねたきり老人短期保護事業」は昭和50年代に入ってからのものです。その54年度の「デイサービス事業」、,56年度の「訪問サービス事業」と発展していきました。
5:×
介護職が名称独占となったのは介護福祉士制度ができてからです。

問題18 社会福祉士及び介護福祉士法に規定された介護福祉士に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 福祉サービス関係者などと連携する。
2 現職の期間に限り、利用者の秘密を漏らしてはならない。
3 資質の向上を図るために、研修の受講を定めている。
4 介護福祉士の名称を停止期間中に使用すると、1年以下の懲役となる。
5 2007年(平成19年)の法改正によって、信用失墜行為の禁止が新たに規定された。

解答
1:○
介護福祉士は「福祉サービスを提供する者等との連携を保たなければならない。」と規定されています。
2:×介護福祉士は現職時であっても退職五であっても守秘義務があります。そして資格保有時だけでなく,資格喪失後においても秘密保持義務(守秘義務)があります。
3:×「資質向上の責務」として、資格取得後の自己研さんが求められました。研修の受講は定められていません。
4:×介護福祉士の名称の使用の禁止を命ぜられた期間中に、介護福祉士の名称を使用した場合、30万円以下の罰金に処せられます。
5:×平成19年の改正では義務の見直しでは「誠実義務」と「資質向上の責」が加わりました。信用失墜行為禁止は以前からある規定です。

問題19 右片麻痺のある人が介護老人福祉施設に入所した。その人の自己決定を尊重した入所当日の食事支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 決めておいた食事の席を伝える。
2 食べやすい方法を確認する。
3 食事用エプロンをつける。
4 副食を細かく刻んでから出す。
5 全介助する。

解答
1:×
2:○最初に行わなければならない作業は、利用者のニーズ情報を収集分析し、それにより生活課題を明確にすること。すなわちアセスメントが重要です。
3:×
4:×
5:×

問題20 Dさん(80歳、女性)は、介護老人保健施設に入所した。Dさんは自宅にいるときからおむつを使用しており、家族の話では、「よく下着を汚すから」ということだった。担当の介護職は、Dさんの表情から尿意があるのではないかと推察した。Dさんとは言葉でのコミュニケーションは可能である。
 Dさんの排泄の自立に向けた入所当日の最初のかかわりとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「おむつは早く外しましょう」と言う。
2 便座に座ることができるか聞く。
3 尿意の有無を聞く。
4 排尿を我慢できるか聞く。
5 利尿作用のある飲み物を勧める。

解答
1:×
2:×
3:○「Dさんの表情から尿意があるのではないかと推察した。」とあります。まずは尿意があるかどうかを確認し、その原因や背景を探索し、生活の課題を明らかにしていくことが求められます。
4:×
5:×

問題21 ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)の背景因子を構成するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 環境因子
2 活動
3 疾病
4 参加
5 心身機能

解答
1:○
ICF(国際生活機能分類)の背景因子は「環境因子」と「個人因子」の2要素からなっています。

2:×
3:×
4:×
5:×

問題22 リハビリテーションに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 リハビリテーションの最終的な目的は、あらゆる人のADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の自立である。
2 作業療法の1つに失語症のある人に対する言葉の訓練がある。
3 理学療法士は、業として義肢を製作する。
4 職業的リハビリテーションは、リハビリテーションを構成する1つの領域である。
5 回復期リハビリテーションは、社会的リハビリテーションの一環として行われる。

解答
1:×リハビリテーションの最終的な目標は、生活の質(QOL)の向上で、身体機能の回復のだけでなく住み慣れた地域でより良く生活出来るよう支援する事です。
2:×失語症のある人に対する言葉の訓練は作業療法ではなく、言語聴覚士の指導の下で言語訓練等が行われます。
3:×義肢を制作するのは義肢装具士です。
4:○職業リハビリテーションは、医学的リハビリテーション、社会的リハビリテーション、教育的リハビリテーション、地域的リハビリテーションと並んで、リハビリテーションの領域のうちの1つの専門領域と位置づけられています。
5:×回復期リハビリテーションは、医学的リハビリテーションの一環として行われます。

問題23 介護予防訪問介護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 要介護者を対象とする。
2 事業所には、社会福祉士を配置しなければならない。
3 居宅介護サービス計画を作成しなければならない。
4 利用者の生活機能の維持または向上を目指す。
5 訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護福祉士でなければならない。

解答
1:×「要支援1・要支援2」のかたが対象となります。
2:×必要配置  管理者(資格必要なし)  サービス提供責任者(介護福祉士あるいはホームヘルパー)  介護員(介護福祉士あるいはホームヘルパー)
3:×居宅サービスの提供に際し、あらかじめ利用者や家族に対し、サービスの内容及び手続等の説明及び同意が必要となります。
4:○
5:×介護福祉士あるいはホームヘルパー

 

参考:介護保険制度改正後、要介護認定で「要支援1・要支援2」に判定された方は、改正前の介護サービスから、改正後に新設された介護予防サービスを受けることになりました。

介護予防サービスは「本人のできることは、できる限り本人が行う」ことを重きにおいた介護サービスです。

 

問題24 内閣府が2008年度(平成20年度)に実施した「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 趣味やスポーツ・地域行事などの自主的な活動に参加する人は、約2割である。
2 地域活動に参加しなかった理由は、「健康・体力に自信がないから」が最も多い。
3 地域活動に参加したいと考える人は、約3割である。
4 近所づきあいでは、「親しくつきあっている」が、最も多い。
5 世代間交流の機会がある人は、約2割である。

(注)「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」は、全国の60歳以上の男女を対象としている。

解答
1:1年間に自主的に行われている活動を行った、又は参加したことがある」人は約6割です。
2:○「健康・体力に自信がないから」が36.4%で最も高く、以下、「家庭の事情があるから」が26.5%、「同好の友人・仲間がいないから」が11.2%、「気軽に参加できる活動がないから」が9.6%などとなっています。
3:×約5割
4:×挨拶をする程度が最も多いです。総数では「あいさつをする程度」が51.2%と最も高く、「親しくつきあっている」は43.0%、「つきあいはほとんどしていない」は5.8%となっています。
5:×約5割。内訳は「ふだんの生活で,家族以外に若い世代との交流の機会はあるか」について尋ねたところ、総数では「よくある」が24.6%、「たまにある」が30.3%、「ほとんどない」が28.8%、「全くない」が16.3%。

参考:http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h20/sougou/gaiyo/pdf/kekka.pdf


問題25 Eさん(75歳、男性)は、軽度の認知症(dementia)がある。Eさんは息子のFさん(48歳)と二人暮らしである。Fさんは働きながらEさんの介護をし、朝早く出勤し夕方に戻る生活のため、訪問介護(ホームヘルプサービス)の利用を始めた。Fさんと近所の人たちとの交流はない。先日、Eさんが日中近所でトラブルを起こして、住民が警察に苦情を言った。
 この時点での、サービス提供責任者の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 住民が警察に苦情を言ったことを批判し、住民の意識を変える。
2 介護支援専門員(ケアマネジャー)に連絡し、見守り活動などを行っている近所の人たちの協力を得る。
3 Fさんの同意はないが、Fさんの勤務先をボランティアセンターに知らせておく。
4 住民への働きかけより、専門職の研修の方が重要であると考え、訪問介護員(ホームヘルパー)に研修会への参加を促す。
5 Eさん親子の状況を福祉事務所に連絡し、対応を任せる。

解答
1:×
2:○
3:×
4:×
5:×

問題26 「介護休業制度」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 介護休業とは、10週間以上要介護状態が続いている家族を介護するためのものである。
2 介護休業は、家族1人について、通算して31日の期間を限度とする。
3 介護休業の対象となる家族には、別居の祖父母が含まれる。
4 要介護状態にある家族を1人介護する場合、1年度に5労働日を限度に、介護休暇を取得することができる。
5 要介護状態にある家族の通院の付添いに、介護休暇を使うことはできない。

(注)「介護休業制度」とは、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づく制度である。

解答
1:×この制度は、2週間以上の期間にわたり要介護状態が続いている家族を介護するためのものです。
2:×対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態に至るごとに1回の介護休業ができ、期間は通算して93日までです。
3:×祖父母や兄弟姉妹、孫については同居が条件となります。
4:○

5:×通院の付き添いでも介護休暇は取得できます。

参考:介護休業は法律で定められているので、一定の"要介護状態の家族"がいる労働者(男女)は、基本的には介護休業を取得することができます。育児休業と同様に、事業主が承認したり許可したりするものではなく、また、就業規則に規定がないから取得できないということはありません。ただし、次の人は介護休業を取得することができません。期間を定めて雇用される労働者の場合は、法律で介護休業の申し出ができないことになっており、期間の定めのない労働者の場合は、労使協定で介護休業の適用を除外してもよいことになっています。

 


問題27 地域密着型サービスに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 営利を目的とする事業者の参入が制限されている。
2 サービス付き高齢者向け住宅は、地域密着型サービスの1つである。
3 小規模多機能型居宅介護事業者は、運営推進会議を設ける。
4 居宅サービスの中に位置づけられている。
5 2012年(平成24年)の制度改正で、夜間対応型訪問介護が新設された。

解答
1:×営利を目的とする事業者にも参入が認められています。
2:×サービス付き高齢者向け住宅とは、高齢者の暮らしを支援するサービスの付いたバリアフリー住宅ですが地域密着サービスの地域密着型特定施設(ケアハウス・有料老人ホームなどで、特に介護専用型特定施設で入居定員が29人以下の施設)には該当しないので、地域密着型サービスには分類されません。
3:○小規模多機能型居宅介護事業は事業所への「通い」を中心として、一人ひとりの生活にあわせて、自宅への「訪問」や事業所への「泊まり」ができ、在宅生活を支える24時間365日のサービスです。厚生省で令「運営推進会議」の設置が義務付けられています。
4:×地域密着型サービスは在宅サービスでないので居宅サービスには含まれません。地域密着型サービスは住みなれた地域を離れずに利用できるなど、利用者のニーズにきめ細かく対応できるよう、平成18年度に新設されたサービスです。
5:×

問題28 介護サービス提供の場に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 都市型経費老人ホームは、定員20人以下の施設である。
2 介護老人保健施設は、最後まで住み続けることを目的とした施設である。
3 地域密着型特定施設入居者生活介護は、定員29人以下の特別養護老人ホームのことである。
4 介護老人福祉施設は、厚生労働大臣の認可を受けた施設である。
5 小規模多機能型居宅介護は、施設サービスに含まれる。

解答
1:○都市型軽費老人ホームは大都市部における身体機能の低下した低所得者も利用できる住まい対策としてスタートたアハウスAB)同様に定められた施設です。定員は5人以上20以下と定められています。
2:×介護老人保健施設は病状が安定し、治療や入院の必要はないが、リハビリを含む看護や介護などのケアが必要な方が要介護認定を受けられた後に利用する施設です。
3:×地域密着型特定施設はケアハウス・有料老人ホームなどで、特に介護専用型特定施設で入居定員が29人以下の施設です。
4:×都道府県知事の認可が必要です。ちなみに地域密着型については市町村長の認可が必要です。
5:×地域密着サービスです。小規模多機能型居宅介護.は「通い」を中心に、「宿泊」と「訪問」を組み合わせた、24時間365日の介護サービスです。
参考


問題29 介護老人福祉施設に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 障害者自立支援法を根拠とする。
2 居宅への復帰が可能かどうかの判断は、家族の意向を最優先する。
3 要支援2の認定を受けた者が入所できる。
4 長期にわたる療養が必要であると認められる場合に、入所する施設である。
5 介護保険第2号被保険者でも、要介護認定を受けることが入所の要件である。

解答
1:×介護保険法

2:×本人の意向が最優先されます。

3:×身体上・精神上、著しい障害があるため常時介護を必要とし、在宅介護が困難な要介護者(要介護1〜5)が対象となります。

4:×身体上・精神上、著しい障害があるため常時介護を必要とするもの

5:○介護保険第2号被保険者とは40歳以上65歳未満の者ですが、入所にあたっては要介護認定を受けることが必要です。入所の要件です。


問題30 民生委員に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 要介護者の自宅を毎月訪問することになっている。
2 担当する要介護者の数は決まっている。
3 児童委員を兼ねている。
4 都道府県知事が任命する。
5 任期は10年である。

解答
1:×規定なし
2:×規定なし
3:○民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める方々であり、「児童委員」を兼ねています。
4:×民生委員法で「民生委員は、都道府県知事の推薦によって、厚生労働大臣がこれを委嘱する」

としています。
5:×任期は3年で、再任も可能です。なお、民生委員には給与は支給されません。

 

参考

民生委員法第14条の民生委員の業務

@住民の生活状態を必要に応じて適切に把握しておくこと

A援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと

B援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと

C社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること

D福祉事務所その他の関係行政機関の業務に協力すること


問題31 介護老人福祉施設で、やむを得ず身体拘束を行う場合の記述として、適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の家族から承諾書を得れば、身体拘束を行ってもよい。
2 身体拘束を行った場合には、拘束の理由などの記録が必要になる。
3 利用者を落ち着かせるために過剰な向精神薬を服用させることは、身体拘束ではない。
4 切迫性と一時性の2つの要件を満たせば、身体拘束を行ってもよい。
5 利用者の安全を確保する身体拘束は、職員1人の判断で実施できる。

解答
1:×承諾書を得ていてもいなくても、身体拘束の適法性の要件としては、利用者の受傷を防止するために必要やむを得ない事情がある場合にのみ許容されるもので、切迫性,非代替性の有無を中心とした,具体的事実関係の総合的な判断が必要となります。

2:○下記を参考してください。
3:×向精神薬を飲ませて動けなくすることは身体拘束となります。

4:×緊急やむを得ない場合に拘束を行う場合は「 切迫性」:利用者本人または他の利用者等の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと・ 「非代替性」:身体拘束その他の行動制限を行なう以外に代替する治療・看護方法が無いこと・ 「一時性」:身体拘束その他の行動制限が一時的なものであることなどの3用件が必要となります。
5:×思いこみにより独断を避けるために、一人での判断では行わず、複数での検討を行うことが大切です。

 

参考

指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準(平成十一年三月三十一日厚生省令第三十九号)

・指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為(以下「身体的拘束等」という。)を行ってはならない。

・指定介護老人福祉施設は、前項の身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録しなければならない。



問題32 感染とその対策に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 病院や施設に入所したことで新たに発症するのは、日和見感染である。
2 手洗いは、消毒液に手を浸して行う。
3 肺結核(pulmonary tuberculosis)は、主に経皮感染する。
4 雑巾やモップは、使わないときも湿らせておく。
5 ノロウイルス(Norovirus)は、感染性胃腸炎(infectious gastroenteritis)を起こす。

解答
1:×
2:×手洗い方法は消毒液に手を浸すだけでは不十分です。まず、流水で両手の手首から指先まで十分に濡らす。液体石けんを手に取り→手のひら→手の甲→指→指の間→爪の間→親指→

手首 (30 秒以上かけて手全体を洗う) 。流水下で洗浄し、十分に石けん分を洗い落とす。ペーパータオルで十分に拭き取るなどが必要です。

3:×結核は、空気感染です。 飛沫核感染ともいわれます。
4:×ぞうきんやモップは使用後その都度洗浄し乾燥させます。使わない時も乾燥状態にしておきます。
5:○感染性胃腸炎は嘔吐、下痢を主症状とし、その結果種々の程度の脱水、電解質喪失症状、全身症状が加わってきます。

【コミュニケーション技術】8問 33〜40問  
問33 介護職と利用者の家族との関係づくりに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 家族の個性や生き方に関係なく、同じ対応をすることが大事である。
2 家族間の関係性を把握する必要はない。
3 家族と利用者の希望は同じであると考えて対応するとよい。
4 介護職の身だしなみは、家族との関係に影響しない。
5 利用者とかかわる家族のようすで、家族を理解できたと思ってはいけない。

解答
1:×個別性を重視します。
2:×
3:×希望が同じだと断定してはいけません。個々に違うこともあります。
4:×介護職の身だしなしによって家族の第一印象は大きくかわってきます。清潔感があるか、機能性があるかなども、家族との信頼関係のうえで大事なポイントです。
5:○利用者、家族のようすを見るだけでは関係性を十分に把握できません。それぞれとコミュニケーションを図りながら理解していくことが大切です。

問題34 Gさん(83歳、要介護2)は、夫(85歳)と二人暮らしである。大腿骨頚部骨折(femoral neck fracture)で入院していたが、退院時、排泄はトイレで自立していた。退院後、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり、訪問介護員(ホームヘルパー)が初めて訪問すると、Gさんはおむつをして、ベッドで横になっていた。
 訪問介護員(ホームヘルパー)が夫との関係づくりのために、最初に行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 夫におむつ交換の方法を指導する。
2 夫の頑張りを認めながら、Gさんの状況を聴く。
3 リハビリテーションの導入を検討するように、伝える。
4 夫の介護では限界があることを自覚するように、促す。
5 このままでは寝たきりになるので、Gさんを起こすように話す。

解答
1:×
2:○Gさんの意欲を引き出す方法としては、頑張りを認め、傾聴することではないでしょうか。
3:×
4:×
5:×

問題35 家族が利用者本人の意向や状況を理解していないとき、両者の意向を調整するための、家族に対する介護職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「ご家族の価値観で判断してはいけません」
2 「ご本人の考えを優先して、ご家族も考え方を変えましょう」
3 「ご本人が何に関心があるのか、気持ちを聞いてみませんか」
4 「ご本人について理解が足りないから、もっと理解しましょう」
5 「私たちは、ご本人の権利を守る必要があるので、ご本人の意向を優先します」

解答
1:×
2:×
3:○利用者の思いや状況を家族に理解してもらうために、介護職は家族に対してメッセージをおくる必要があります。
4:×
5:×

問題36 認知症(dementia)の人とのコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 情報は簡潔に伝える。
2 横から話しかける。
3 わかりにくい言葉や行動を指摘し、修正させる。
4 説得するように話す。
5 非言語的コミュニケーションは避ける。

解答
1:○認知症の人へのコミュニケーションの基本は、「ゆっくり」「短く」「簡潔に」です。

2:×横から話しかけるとパニックをおこします。相手の視野に入ってから、穏やかに話しかけることが必要です。
3:×説得したり、指摘は「屈辱感」として残り、自尊心を傷つけてしまいます。
4:×説得したり、指摘は「屈辱感」として残り、自尊心を傷つけてしまいます。
5:×言語的・非言語的コミュニケーションを駆使します。

問題37 Hさん(70歳、女性)は、最近、抑うつ状態(depressive state)にある。
 Hさんに、介護職が初めてかかわろうとするときの、きっかけづくりの言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「おちこんだらだめですよ」
2 「どうしてそんなに黙っているのですか」
3 「皆さんの所へおしゃべりに行きましょう」
4 「元気を出して。頑張ってください」
5 「今日は少し暖かくなりましたね」

解答
1:×励ますのでなく共感的態度が必要です。
2:×責めるのでなくHさんの感情を自由に表現してもらうことを考えます。
3:×抑うつ状態のときには、他人とのコミュニケーションをはかることが相当な負担となるので、他人とのコミュニケーションのお誘いは控えなければいけません。
4:×抑うつ状態の人は、ただでさえ限界がくるまで頑張りつづけようとします。この状況で、さらなる励ましは本人にとっては辛いばかりです。
5:○さりげない会話からコミュニケーションのきっかけをつかむことが大切です。

問題38 統合失調症(schizophrenia)の人が、自分の妄想を話したときの介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者理解のために、妄想の内容を詳しく聞く。
2 妄想をなくすために、解決策について話し合う。
3 混乱させないために、妄想の話は聞かないようにする。
4 妄想の内容は理解できなくても、否定も肯定もせずにかかわる。
5 誇大妄想の内容は、事実ではないから気にしなくてよいと伝える。

解答
1:×介護職があれこれ聞くのでなく、聞き役に徹することが大切です。
2:×妄想をなくすための話し合いは精神医療の分野となります。
3:×妄想の話でも、聞くように心がけ受容することが大切です。
4:○会話が現実離れしていても、否定しないことが重要です。
5:×誇大妄想の内容が事実でなくとも、否定せずに受け止めることが重要です

問題39 ケアカンファレンス(care conference)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 議題は司会者が把握しておけばよい。
2 経験年数の長い職員の意見に従う。
3 自分の思いにこだわって発言する。
4 意見が分かれるときは、多数の意見を尊重する。
5 各職種の専門性を理解して参加する。

解答
1:×参加メンバーは事前に資料をよく読み、疑問や意見をメモなどしておくことが大切です。
2:×ケアカンファレンスは本人の意向や希望をふまえて、参加メンバーが知識・経験・技術を集結し、よりよいケアについて考える場ですから、経験年数が長い、短いは関係なく意見を述べあうことが大切です。
3:×「こだわり」は自分の視野をせばめたり、価値観のおしつけにもつながるのでカンファレンスの場では謙虚さがもとめられます。
4:×少数意見も尊重し耳を傾けることが必要です。
5:○

 

参考:ケアカンファレンスは本人の意向や希望をふまえて、参加メンバーが知識・経験・技術を集結し、よりよいケアについて考える場です。

問題40 チーム内の連携に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 リーダーは、指示を行うだけでなく、メンバーの経験などにより裁量を認める。
2 チームでは、記録や言葉に頼らずに、互いに理解できることを目指す。
3 会議で相手を非難することは、よりよい介護を目指すためには必要である。
4 利用者の個人情報の保護に留意する必要はない。
5 主要な専門用語の意味を共通認識しておく必要はない。

解答
1:○
2:×チームの連携を進める方法には記録、報告、連絡、相談は欠かせません。
3:×批判したり、あらさがししてはチームの連携が損なわれます。
4:×個人情報には十分留意します。
5:×専門用語の意味を共有していないと、情報の共有化もできなくなります。

 
【生活支援技術】20問 41〜60問
問題41 Jさん(75歳、男性、認知症高齢者の日常生活自立度Ua)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら妻と自宅で暮らしていた。妻が事故で亡くなったため、近くに住む息子夫婦の家に引っ越すことになった。息子夫婦はダイニングキッチンの隣をJさんの部屋として用意し、訪問介護員(ホームヘルパー)にどのように整えるべきかを尋ねた。
 息子夫婦に対する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 部屋の出入口の戸を取り外す。
2 ポータブルトイレを設置する。
3 思い出の小物や写真を飾る。
4 ベッドを柵で囲む。
5 部屋のようすがわかるように、カメラを設置する。

解答
1:×戸をと取り外しては、Jさんはリラックスできないのではないでしょうか。精神的安定を保つためにも戸は必要です。
2:×ポータブルトイレを設置しは生活活動範囲を狭めてしまい潜在能力を減らしてしまいます。
3:○精神的安定を保つためにも思いでの品を飾ることは大切です。
4:×ベッドを柵で囲むのは虐待行為となります。
5:×プライバシーの侵害となります。


問題42 介護保険の給付対象となる住宅改修として、正しいものを1つ選びなさい。
1 住宅用火災警報器を設置する。
2 緊急通報装置を設置する。
3 ガスコンロを電磁調理器に取り替える。
4 風呂場に取り外し可能な手すりを設置する。
5 和式便器を洋式便器に取り替える。

解答
1:×対象外
2:×対象外
3:×対象外
4:×原則固定。ただし、取り外し可能な手すりも手すりとして使用する理由が明確で、金具を固定するための工事が行われていれば対象となります。
5:○


 

参考:http://www.kk-yamaka.co.jp/kaigo.files/pp09-10.PDF

問題43 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)の住環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 住宅地から離れた場所に建てる。
2 定員は10名以上15名以下とする。
3 居室は多床室とする。
4 カーテンは防炎物品とする。
5 統一した家具を事業者側が用意する。

解答
1:×高齢者ができる限り住み慣れた地域での生活が継続できるようにとの観点から生まれたものなので住宅地から離れていては意味がありません。
2:×定員は1ユニット9人で 最大で2ユニット18人が定員となります。
3:×居室は個室であることが原則となります。
4:○防火対象物については一定の防炎性能を有するカーテン、じゅうたん等の使用が義務付けています。
5:×部屋の装飾は自由で使い慣れた家具やベッドを自由に配置する事ができます。

問題44 義歯の取り扱いに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 食事のとき以外はつけない。
2 磨くときは、歯磨き粉を使わない。
3 熱湯で洗浄する。
4 総義歯は、上あごから外す。
5 外した義歯は、よく乾燥させておく。

解答
1:×食事以外に咬み合わせの維持のためにも重要な役割を果たしていますし、スムーズな会話を行う時にも義歯は役だっています。
2:○義歯が傷つく原因になります。
3:×熱湯だと変形することがあります。
4:×外すときは下顎から外し上あご。装着するときは上あごから下顎。
5:×義歯は乾燥により変形することがあります。乾燥を防ぐために、入れ歯をはずした時は、水を入れた専用の容器で保管することが大切です。

問題45 移動補助具に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ロフストランドクラッチ(Lofstrand crutch)は、握力の弱い人に適している。
2 スクーター型電動三輪車は、頸髄損傷(cervical cord injury)の人に適している。
3 ステッキ型杖は、失調性歩行のある人に適している。
4 四輪歩行車は、杖歩行の安定した人に適している。
5 交互型四脚歩行器は、片麻痺のある人に適している。

解答
1:○医療用補助器具の1つで、前腕部支持型杖とも呼ばれ、腕に装着して使用する片手用の杖です。

2:×高齢者の移動手段として使用されています。
3:×足、腰の状態が弱ってきたお年寄りや、脳の障害などで、手や指の力が弱ってきた方に適した杖です。
4:×杖歩行が安定している人は使用しません。
5:×交互型四脚歩行器は左右のフレームが個々に動かせるものです。歩行時には左右交互に動かして歩行します。したがって片麻痺のある人には適しません。

問題46 視力障害のある人の移動の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護者は、利用者の手首を握って誘導する。
2 バスに乗る場合、介護者は先に乗る。
3 エスカレーターから降りる場合、介護者は後から降りる。
4 白杖を使用している場合、介護者は後ろに立ち、声かけによって誘導する。
5 駅のホームで電車を待つ場合、介護者は利用者を点字ブロックの上に誘導する。

解答
1:×介護者は視覚障害者が介護者の腕を伝いながら肘の少し上を握ってもらうようにします。
2:○バスの乗り降りは階段と同じ要領で、誘導者が一段先に乗降する形で行ないます。
3:×エスカレーターの乗り降りは誘導者が一段先に乗降する形で行ないます。
4:×視覚障害者が白杖を持っている方の場合、介助者は白杖を持つ手の逆側の前に立つようにします。そして視覚障害者があいているほうの手で介助者の肩は肘をつかんでもらいます。
5:×電車を待つために点字ブロック上に立ち止まっていると、他の視覚障害者と衝突する可能性があるので、点字ブロックから離れるように誘導します。

問題47 Kさん(81歳、女性)は、左片麻痺があるが、自分で食べようとする意欲が強く、一口大の刻み食を座位で摂取している。食事を始めて10分後にKさんのようすを見ると、姿勢が左に傾いていた。食事用エプロンには多くの食べこぼしがあったが、食器の周辺には食べこぼしはなかった。
 介護職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 食事を全介助にする。
2 極刻みに変更する。
3 すくいやすい皿に変更する。
4 姿勢保持のためのクッションを入れる。
5 臥位で食事をするように変更する。

解答
1:×残存能力の活用ということで麻痺のない手での食事をしていただきます。
2:×問題文に「一口大の刻み食を座位で摂取している」とあるので、極刻みに変更する必要はありません。
3:×問題文に「食器の周辺には食べこぼしはなかった」とあるので、すくいやすい皿に変更する必要はありません。
4:○
5:×Kさんは全介助ではないので臥位(寝た状態)での食事は不適切です。文中に「自分で食べようとする意欲が強く、一口大の刻み食を座位で摂取している」とあるので座位姿勢で食事を摂るのが望ましいです。 座位姿勢は口腔から食道・胃にいたる食物の通過が容易で、誤嚥を避ける為にも一番よい姿勢です。

問題48 ベッド上での洗髪の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 洗髪前は、ブラッシングを控える。
2 シャンプー剤を直接頭皮につける。
3 爪を立てマッサージしながら洗う。
4 すすぎ湯を流す前にシャンプーの泡を取り除く。
5 ドライヤーは、頭皮から5cm離して使用する。

解答
1:×先発前にブラッシングし、汚れやふけを浮き上がらせます。
2:×原液よりは薄めて使用したほうがよりやさしい洗髪ができ、泡立ちもよく、洗浄力も十分となります。
3:×爪を立てると頭皮を傷めてしまいます。
4:○
5:×頭皮から5cmでは近すぎて髪を痛めてしまいます。ドライヤーを使うときは髪から20cm以上離して、同じ場所に3秒以上風をあてないようにします。


問題49 全身清拭の介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 背部を拭くときは、健側を下にする。
2 40℃のお湯を準備する。
3 目尻から目頭に向かって拭く。
4 上腕は、手関節を下から支えて拭く。
5 皮膚についた水分は、最後にまとめて拭きとる。

解答
1:○麻痺がある場合は健側をしたにして楽な姿勢にします。
2:×40℃ではタオルはすぐに冷えてしまいます。50℃〜60℃にしてタオルを絞る時に熱く感じるくらいが良いと思います。
3:×目頭から目尻にむかって拭き、同じ面は二度使わないようにします。
4:×手関節ではなく 手首や肘の関節を支えて拭きます。
5:×水分が残っていると体を冷やしてしまうのですぐに拭くことが大切です。

問題50 Lさん(80歳、男性)は、高血圧症(hypertension)と心疾患(heart disease)の持病がある。週2回、通所介護(デイサービス)での入浴を楽しみにしている。
 入浴の介護に関する注意点として、適切なものを1つ選びなさい。
1 入浴前後の水分補給は控える。
2 浴槽内の水位は、心臓より下にする。
3 浴室より脱衣室の室温を低くする。
4 浴槽に入っている時間は、20分程度とする。
5 43℃以上の湯温に設定する。

解答
1:×脱水をおこさないよう十分に水分を取っておきます。
2:○心臓に負担をかけないためです。
3:×温度差がもたらす身体への衝撃(ヒートショック)を和らげるために、浴室や脱衣室を同じくらい温かくする必要があります。
4:×10から15分程度
5:×40℃前後(基本テキストによる)

問題51 耳、鼻の清潔保持の介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 耳垢(耳あか)が取りにくいときはピンセットを使う。
2 乾燥した耳垢(耳あか)は綿棒で湿らせてから取る。
3 綿棒は内耳まで入れる。
4 鼻は左右同時にかむ。
5 鼻毛は毛抜きで抜く。

解答
1:×綿棒を水やベビーポイルで浸して取り除きます。
2:○その他にベビーオイルなども効果があります。
3:×外耳道のみ手入れをします。
4:×片方ずつかみます。
5:×鼻毛用のハサミを用います。

問題52 老人性掻痒症(pruritus senilis)がある人の入浴の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 硫黄を含む入浴剤を使う。
2 弱酸性の石鹸でからだを洗う。
3 かゆみのある部位は、ブラシでこする。
4 皮膚を乾燥させてから、保湿剤を塗布する。
5 着替えの下着は、厚めの羊毛素材にする。

解答
1:×硫黄分が皮脂の分泌を抑え皮膚を乾燥させてしまいます。
2:○刺激の弱酸性の石鹸が有効です。
3:×ナイロンタオルやブラシなどで身体を洗ってはいけません。
4:×お風呂上がりなど皮膚が湿ってる状態のときに、保湿剤を塗布します。
5:×皮膚に直接触れる下着類は、刺激が少なく、保湿性のある木綿素材のものがベストです。

 

参考:老人性掻痒症(ろうじんせいそうようしょう)年齢を加えてくると、皮膚の機能が低下してきます。具体的には皮脂(皮膚のあぶら分)が少なくなり、発汗が少なくなります。そのため、湿気の多い夏はしっとりしていても、乾燥する冬になると肌がカサカサしてかゆみがでやすくなります。


問題53 寝たきりの高齢者におむつを装着するときの基本として、適切なものを1つ選びなさい。
1 女性が使用する布おむつは、前側を厚くする。
2 おむつカバーの上端は、ウエストより上に合わせる。
3 鼠径部は、おむつカバーから布おむつを少し出す。
4 腹部とおむつとの間には、指2本程度の余裕があるようにする。
5 紙おむつの腹部のテープは、真横に留める。

解答
1:×女性は臀部(でんぶ)に尿が流れやすいので、後ろ側を厚くします。
2:×
3:×鼠径部(そけいぶ)おむつカバーから布おむつをすと尿漏れの原因となります。
4:○おむつカバーのウエスト部分は指が2本入るようにします
5:×腹部テープは上の方で留めます。


問題54 前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)で留置カテーテルを使用している軽度の認知症(dementia)の人への対応として、適切なものを1つ選びなさい。
1 蓄尿袋を腰より高い位置に固定する。
2 尿量が減少するように、日中の水分摂取量を控えるよう促す。
3 尿を観察するために、蓄尿袋のカバーは外したままにする。
4 留置カテーテルを抜く恐れがあるので、介護職の判断でミトン型の手袋を着ける。
5 陰茎を上向きにして、腹部に留置カテーテルを固定する。

解答
1:×蓄尿袋は常に腰より低い位置に置き、尿の逆流を防ぎます。
2:×日中は水分を十分取るようにします。水分摂取を抑えると脱水状態になり腎機能障害を起こすことがあります
3:×プライバシーを守ることを考えて、カバーを外したままにしてはいけません。
4:×手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつけることは身体拘束の虐待となります。
5:○男性の場合は陰茎(いんけい)を上向きにして、腹部に留置カテーテルを固定します。女性の場合は、太股(ふともも)の内側か、下腹部にテープで固定します。


問題55 便秘を訴える高齢者の排泄の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 腹圧をかけやすい姿勢で便座に座るように促す。
2 食物繊維の少ない食品を勧める。
3 腹部全体を冷たいタオルで冷やす。
4 1日の食事の量を減らすように促す。
5 下行結腸、横行結腸、上行結腸の順にマッサージする。

解答
1:○
2:×食物繊維を摂ることで、便の量が増え、それが腸壁を刺激し、排泄するための腸のぜん動運動が引き起こされます。
3:×便秘症の人が腹部を温めることは、腸の働きがよくなり便秘解消に効果的です
4:×食事量を減らすと排便の量も少なくなりかえって便秘がひどくなります。
5:×横行結腸、下行結腸、上行結腸の順にマッサージします。


問題56 塩素系漂白剤を使って漂白する素材として、適しているものを1つ選びなさい。
1 アセテート(acetate
2 ナイロン(nylon
3 羊毛
4 絹
5 綿

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○

 

参考:

塩素系漂白剤で使えるもの→綿、ポリエステル、アクリル

塩素系漂白剤で使えないもの→毛、絹、ナイロン、アセテート、ポリウレタン


問題57 ビタミンD(vitamin D)が多く含まれる食品として、正しいものを1つ選びなさい。
1 干ししいたけ
2 にんじん
3 りんご
4 牛肉
5 ひじき

解答
1:○「干ししいたけ」には、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富に含まれています。
2:×にんじんにはβカロテン(ビタミンA)が非常に多く含まれています。
3:×ミネラル分が多く含まれています。
4:×ビタミンB群をバランスよく含んでおり、特にビタミンB2・ビタミンB1も比較的多く含まれています。
5:×ビタミンA、B2、ミネラルなどが含まれています。


問題58 施設で、介護職が深夜に巡回するときの注意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の顔に懐中電灯の光をあてて観察する。
2 足音で、巡回を知らせる。
3 異変の有無を確認する。
4 職員同士の会話は、昼間と同じ大きさの声で行う。
5 ドアを開ける際は、ノックする。

解答
1:×睡眠の妨げになります。
2:×睡眠の妨げになります。
3:○
4:×睡眠の妨げになります。
5:×睡眠の妨げになります。

問題59 Mさん(98歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。主治医からは、「終末期にある」と言われている。現在、食事量が少なくなり、衰弱している。面会に来る家族には、以前から「私は、悪くなったらここで最期を迎えたい」と話している。
 終末期の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Mさんの入院を家族に勧める。
2 看取りに関する家族の意向は、入所時に確認すれば十分である。
3 Mさんの食べたい物を確認し、提供する。
4 口腔ケアは控える。
5 家族が介護することを希望しても、職員で行う。

解答
1:×Mさんの自己決定を最大限尊重します。
2:×家族の意志を最大限尊重します。
3:○
4:×口内炎や乾燥状態にも気を配ることが必要です。口腔ケアは必要です。
5:×Mさんの介護に家族が参加できるように支援します。

問題60 終末期の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 苦痛の緩和は、医師に任せる。
2 手を握るなどのスキンシップを行う。
3 意識がなくなれば、声かけは控える。
4 死後の処置は、家族には見せない。
5 グリーフケア(grief care)は、看護師に任せる。

解答
1:×苦痛の緩和は介護職にとっても大切で、身体的、精神的な安楽を提供しなければいけません。
2:○心が安らぐケアの一つです。
3:×意識が低下していても聴覚は最期まで残っているので声かけは大切です。
4:×エンゼルケア(死後の処置)は家族と共に行っていく事を大切にしています。
5:×グリーフケアとは大切な人を亡くし、大きな悲嘆(グリーフ)に襲われている人に対するサポートのことです。介護職も悲しみを共有する聞き手として関わっていくことが求められます。

【介護過程】8問 61〜68問

問題61 介護過程の展開に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護計画を立ててから、利用者にどのような生活を送りたいのかを聞く。
2 介護職は利用者の健康状態を把握しなくてよい。
3 利用者の「やりたいこと」や「できること」を含めて、アセスメント(assessment)する。
4 他の利用者とのトラブルが予測される場合には、利用者本人の「やりたいこと」は支援内容から外す。
5 利用者が満足していれば、計画の評価は行わなくてよい。

解答
1:×計画を立てる前に利用者の希望を聞くことが大原則です。(アセスメント→立案)
2:×健康状態の把握もアセスメントの一つになります。
3:○アセスメントに含まれるものは、健康状態、希望や願い、生活状況などが含まれます。
4:×利用者の「やりたいこと」を尊重し支援内容にいれます。
5:×利用者の満足、不満足にかかわらず計画の評価は行わなければいけません。

問題62 食事の摂取量が急に減少した利用者のアセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 栄養状態が悪くなるので、食事を残さず食べることが必要である。
2 食べないと免疫力が低下する恐れがあることを、説明する必要がある。
3 経管栄養を行うことを、医療者と検討する必要がある。
4 最近の言動の変化について、観察する必要がある。
5 自然に摂取量が増えるのを見守る必要がある。

解答
1:×摂取量が減少した原因を追及することが大切。
2:×同上
3:×同上
4:○
5:×摂取量が減少した原因を追及し対処します。

問題63 夜間はおむつに排泄していた利用者が、ポータブルトイレで排泄することを目指して、介護計画を立案した。介護目標の記述として、適切なものを1つ選びなさい。
1 夜間はポータブルトイレで排泄できる。
2 夜間はポータブルトイレで排泄するように、理解させる。
3 夜間はポータブルトイレをベッドサイドに置く。
4 夜間はポータブルトイレでの排泄の介護をする。
5 夜間はおむつで排泄させない。

解答
1:○介護目標の最大の到達点(ゴール)は利用者自身の力でポータブルトイレで排泄できるということです。
2:×
3:×
4:×
5:×

問題64 モニタリング(monitoring)の内容として、適切なものを1つ選びなさい。
1 計画どおりに実施できているかどうかを点検する。
2 利用者が主体的に取り組める目標を設定する。
3 実施する介護について、利用者や家族に説明する。
4 利用者の「できること」の情報を収集する。
5 目標が達成された後に、介護過程を集結させる。

解答
1:○モニタリンは@計画どおりに支援が実施されているかA目標に対する達成度はどうかBサービスや種類内容は適切かC利用者に新しい課題は生じているかD利用者等の満足度などについて確認を行うことを意味しています。

2:×
3:×
4:×
5:×

参考:モニタリングとは→@計画どおりに支援が実施されているかA目標に対する達成度はどうかBサービスや種類内容は適切かC利用者に新しい課題は生じているかD利用者等の満足度などについて確認を行うことを意味しています。


問題65 評価に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者本人には、評価を伝えない。
2 利用者の反応の評価はしない。
3 計画を立てたが実施しなかったものは、評価はしない。
4 目標が達成されれば、評価はしない。
5 他の利用者の目標達成度と比較した評価はしない。

解答
1:×当然本人に評価を伝えなければいけません。
2:×反応も評価の一部となります。
3:×実施したもの、しなかったもの含めて評価の対象となります。
4:×達成されても評価の対象となります。
5:○利用者個人の目標をたてるので、他の利用者の比較をした評価は意味がありません。

問題66 Nさん(80歳、男性)は、3か月前に肺炎(pneumonia)で2週間入院をし、杖歩行となった。Nさんは、自宅で一人暮らしをしているが、週2回の訪問介護(ホームヘルプサービス)を受けることになった。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、部屋の中は衣服やごみなどが散乱しているが、「面倒だ」と言って片付けようとしない。
 Nさんの自宅のようすを観察したときの、客観的情報の記録として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 部屋は衣服やごみが散乱していて汚い。
2 部屋は衣服やごみが散乱しているが、片づけようとしない。
3 部屋は衣服やごみが散乱していて、転倒の可能性がある。
4 片づけることが嫌いなので、部屋は衣服やごみが散乱している。
5 部屋は衣服やごみが散乱していて、生活しづらそうである。

解答
1:×
2:○「面倒だ」と言って片付けようとしない。そこに最大の問題点があり、観察の記録として適切です。
3:×
4:×
5:×

問題67 Sさん(87歳、男性)は、介護老人福祉施設に入所している。下肢筋力の低下によって、歩行時につまづいたり、ふらついたりするようすが見られる。Sさんは「できるだけ歩いて生活し続けたい」と望んでいて、この希望に基づいて長期目標が設定された。また、短期目標は「転倒しない」と設定された。
 この長期目標・短期目標に応じた支援内容・方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 居室の床にセンサーマットを敷く。
2 職員と施設内を散歩する。
3 車いすを使用する。
4 歩行時にはスリッパを履く。
5 日中は居室で過ごす。

解答
1:×
2:○最初に実施しなければならないのは、歩行にかかわる施設内の環境アセスメントです。
3:×
4:×
5:×

問題68 チームアプローチ(team approach)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 他のチームメンバーの役割は、知らなくてよい。
2 医療職は、チームアプローチ(team approach)を主導する。
3 チームメンバーの人数は、決まっている。
4 利用者は、チームアプローチ(team approach)の中心である。
5 ボランティアは、チームメンバーにはなれない。

解答
1:×他のメンバーと連携し情報の共有化をはかります。
2:×各職種が対等な立場で、適切な支援がなされるようにします。
3:×決まっていません。必要におうじて増減することがあります。
4:○利用者がチームアプローチの中心でそのまわりに介護福祉士、ケアマネ、医師、看護師、栄養士、ソーシャルワーカー、ボランティアなどがチームのメンバーとなります。
5:×ボランティアもチームのメンバーとなります。

【発達と老化の理解】8問 69〜76問

問題69 ハヴィガースト(Havighurst, R.)の示した児童期(中期児童期)の発達課題に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 排泄のコントロールを習得する。
2 読み書き計算などの基礎的技能を習得する。
3 両親や他の大人たちから情緒面で自立する。
4 善悪の区別を習得する。
5 社会的に責任のある行動をとる。

解答
1:×
2:○下記を参照してください。
3:×
4:×
5:×

 

参考:ハヴィガーストは発達課題.

1:身体成熟:歩行の学習・青年期における異性への関心.

2:社会の文化的圧力:読みの学習・市民としての社会への参加の学習.

3:個人的な動機や価値意識;職業の選択や準備・人生観の形成.

問題70 Aさん(81歳、女性)は、3か月前に夫を亡くした。「最近、夜眠れない」と訴えるようになった。意識はしっかりしているが、ベッドで横になっていることが多くなっている。
 Aさんが現在の状況になったきっかけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 せん妄
2 妄想
3 感情失禁
4 喪失体験
5 老性自覚

解答
1:×
2:×
3:×
4:○3か月前に夫を亡くした。「最近、夜眠れない」と訴えるようになった。…の記述があることからその「喪失体験」により気持ちがふさいでいる状態です。
5:×

参考:喪失体験→近親者などの喪失や死別が原因で、その喪失感ゆえに今までの生活に大きな変化をもたらします。心のよりどころを失い、その事実を受け入れられない感情のことです。

 

問題71 Bさん(82歳、男性)は、大企業の営業部長を務めていたが、退職した後も会社のことをいつも気にしている。足が少し不自由なので長男が同居を勧めているが、世話になりたくないと拒否している。Bさんは、自分の庭で野菜を作っている。地域との交流はほとんどない。
 ライチャード(Reichard, S.)の老年期における人格の5類型のうち、Bさんに相当するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 円熟型
2 安楽椅子(ロッキングチェアー)型
3 装甲(自己防衛)型
4 憤慨(外罰)型
5 自責(内罰)型

解答
1:×
2:×
3:○下記参照
4:×
5:×

 

参考:適応状態によって老人のタイプを五つにパターン化したライチャードの分類

@円熟型

 日常生活において思慮的、建設的、積極的で、家庭や対人関係に満足し、過去に対する後悔も、将来に対する不安もない。

A安楽椅子(ロッキングチェアー)型

 他人に依存する受動的生活、安楽な生活を楽しむ。老年になり責任を免れることを望む。飲食の好みが強く、老年の境遇に満足している。

B装甲(自己防衛)型

 不安、無力感に対する自己防衛が強く、怠堕を嫌い、自己の業績に愛着し、活動性を維持しようとする。

C憤慨(外罰)型

 自己の不満や失敗に対して他人に敵意を示し、攻撃する。時に誇大的となり、世間から隔絶し、自己閉鎖的となり、適応できにくくなる。

D自責(内罰)型

 一生涯劣等感を持ち、自分の不幸について、自責的となり自己嫌悪し、前途を悲観し、時に自殺を企て、適応性がない。

問題72 流動性知能に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 新しい場面に適応するときに要求される問題解決能力である。
2 学校教育などの環境条件の影響を受けやすい。
3 生活習慣や訓練によって維持することが可能である。
4 60歳代が最も高く、80歳代以降に低下する。
5 過去の人生経験の蓄積によって形成される。

解答
1:○流動性知能は、新しい場面に適応したり、これまで経験したことがない問題を解決したりするときに働く知能で、生まれつきの能力であるといわれています
2:×流動性知能は先天的なもので文化や環境の影響をうけにくいと考えられています。
3:×
4:×20歳くらいまで急速に発達し、60歳頃までは維持されますが、それ以降70歳くらいから急速に低下していくとされています。

5:×生まれながらにもっている能力です。

問題73 老化に伴う視覚の変化に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 近方視力よりも遠方視力が低下する。
2 視野が広くなる。
3 青色系に比べ赤色系の識別が困難になる。
4 明暗順応は変化しない。
5 識別に必要な照度が高くなる。

解答
1:×近いところが見えにくくなります(老眼)
2:×視野は加齢に伴い狭くなります。
3:×青色、黒の区別が困難になり、赤系の色は目に留まりやすくなります。
4:×瞳孔の光量の調節能力が低下するので明暗順応が低下します。
5:○暗がりに弱くなるので、強い明かりが必要になります。

問題74 高齢者の排尿障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 男性では尿路の通過障害が少ない。
2 女性では腹圧性尿失禁が多い。
3 切迫性尿失禁が少ない。
4 膀胱炎(cystitis)は、悪寒戦慄を伴う。
5 前立腺がん(prostate cancer)によるものは、減少している。

解答
1:×加齢により前立腺が肥大化し尿道を圧迫することが多くなるので通過障害は多いです。
2:○咳や、クシャミをしたときなどに尿失禁をおこしやすいです。
3:×切迫性尿失禁は、急に起こる我慢できない強い尿意のことで、加齢とともに増えてきます。
4:×膀胱炎の主な症状は、「何度もトイレに行きたくなる」、「排尿後に痛みがある」、「残尿感」、「尿が白く濁ったり、血が混じることがある」というものです。ぞくぞくとした不快な寒けが生じる悪寒戦慄はありません。
5:×近年日本では急激に前立腺がんの患者数が増加しています。

問題75 老化に伴う循環器系の変化として、正しいものを1つ選びなさい。
1 脈拍数が増加する。
2 動脈が軟化する。
3 心臓が縮小する。
4 不整脈が増加する。
5 収縮期血圧が低下する。

解答
1:×脈拍数は加齢とともに減少します。
2:×加齢に伴い動脈硬化がおこりやすくなります。
3:×加齢に伴い、心臓は徐々に肥大し、心臓の壁が厚くなったり心房や心室が少しずつ大きくなります。
4:○刺激伝導系細胞の消失や変化により不整脈の頻度が増します。
5:×加齢伴い収縮期血圧の上昇が見られます。

問題76 日本高血圧学会のガイドラインで、それ以上が高血圧(T度)とされる収縮期血圧値 / 拡張期血圧値(mmHg)として、正しいものを1つ選びなさい。
1 120 / 70
2 130 / 80
3 140 / 90
4 150 / 100
5 160 / 110

解答
1:×
2:×
3:○何度も試験に出されている問題です。常識として覚えておきましょう。
4:×
5:×

【認知症の理解】10問 77〜86問題

 問題77 認知症(dementia)の人に対する地域密着型サービスとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 介護療養型医療施設
2 認知症老人徘徊感知機器の貸与
3 居宅介護住宅改修
4 認知症対応型通所介護
5 介護予防訪問介護

解答
1:×地域密着型サービスには含まれません。下記参照
2:×地域密着型サービスには含まれません
3:×地域密着型サービスには含まれません
4:○地域密着型サービスの一つです。認知症対応型通所介護は認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスで、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、認知症の利用者が通所介護の施設(デイサービスセンターなど)に通い、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供することにより、自宅にこもりきりの利用者の社会的孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。
5:×介護予防訪問介護は、要介護認定で「要支援1・要支援2」に判定された方がうけるサービスで、認知症のかたは対象となりません。地域密着型介護サービスを利用できる対象者は、要介護認定で「要介護」以上に認定された人に限ります。

 

参考

●夜間対応型訪問介護

●認知症対応型通所介護

●小規模多機能型居宅介護

●認知症対応型共同生活介護

●地域密着型特定施設入居者生活介護

●地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護(平成24年改正)
●複合型サービス(平成24年改正)

問題78 小規模多機能型居宅介護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 住み慣れた地域で住み続けることに役立つ。
2 ケアマネジメント(care management)は外部機関に委託する。
3 1事業所の登録定員は29人以下である。
4 本体事業所への看護師・准看護師の配置は義務づけられていない。
5 「泊まり」を基本にサービスを展開する。

解答
1:○介護認定を受けた方が可能な限り、住み慣れた地域でその人らしい暮らしの支援をうけることができます。

2:×外部機関に委託できません。ケアマネの配置が必要になります。
3:×25人以下の登録制となっています。
4:×原則として、看護師又は准看護師1人以上の配置が必要です。
5:×基本は小規模多機能型居宅介護は、通所介護(デイサービス)を中心に利用しながら、必要に応じてショートステイや訪問介護を受けることができるサービスです。

問題79 認知症(dementia)の中核症状として、正しいものを1つ選びなさい。
1 判断力が低下する。
2 不安な状態が続く。
3 抑うつ状態が続く。
4 介護者に暴力をふるう。
5 忘れたことを自覚している。

解答
1:○下記を参照してください。
2:×
3:×
4:×
5:×

 

参考:脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状が記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下など中核症状と呼ばれるものです。

問題80 せん妄(delirium)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 睡眠と覚醒のリズムは正常である。
2 意識レベルは清明である。
3 せん妄中の出来事を覚えている。
4 薬剤によって生じることがある。
5 症状の変動は少ない。

解答
1:×せん妄では、夕方から夜間に好発し、日中には消退するという睡眠・覚醒リズムの障害が現れます

2:×せん妄状態は軽度や中等度の意識障害の際に、幻覚・錯覚や異常な行動を呈する状態ですから、意識状態は混濁しています。
3:×せん妄状態では、その時の出来事を覚えていません。
4:○向精神薬等の投与が原因となるせん妄もあります。
5:×突然起こり良くなったり悪くなったり変動しやすいです。

問題81 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)の症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 具体的な幻視が現れる。
2 もの盗られ妄想が現れる。
3 常同行動が現れる。
4 万引きなど反社会的な行動が現れる。
5 シャント手術によって改善が期待できる。

解答
1:○実際にはその場にいない人や子供や虫や猫などが見える「幻視」が、初期の症状として現れることが多いです。
2:×ものとられ妄想は特にアルツハイマー型認知症でみられます。
3:×常同行動とは同じ行動や行為を目的もなく何度も繰り返し続けることをいいます。これは前頭側頭型認知症などで見られる症状です
4:×ピック病に見られます。ピック病.にかかると人格変化、反社会的行動、反道徳的行動などの主症状がでて、次第に認知症が加わります。
5:×シャント手術は水頭症治療として確立した治療方法で、レビー小体型認知症ではもちいません。

 

参考:レビー小体型認知症の症状として、幻覚や妄想などがあげられます。しだいに、アルツハイマー型認知症のような認知障害と、パーキンソン病様の運動障害の両方が症状として表れます。徐々に進行し、最終的には寝たきりになります。この疾患はアルツハイマー型認知症に比べ10倍も寝たきりになるのが早いともいわれています。


問題82 血管性認知症(vascular dementia)と比べたとき、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)により多くみられる特徴として、適切なものを1つ選びなさい。
1 発症は女性に多い。
2 上肢や下肢に麻痺がある。
3 症状は階段上に悪化する。
4 感情失禁がある。
5 多発性脳梗塞(multiple cerebral infarction)がある。

解答
1:○脳血管性認知症は男性(50代〜)に多く、アルツハイマー型認知症は女性(30代〜)に多いです。
2:×片麻痺がでるのは脳血管性認知症です。
3:×脳血管性認知症は急性の発症をします。症状は不均一な状態で階段状に進みます。
4:×感情失禁は、血管性認知症の典型的な症状といわれています。アルツハイマー型認知症ではあまり見られません。
5:×多発性脳梗塞は血管性認知症の特徴です。アルツハイマー型認知症では脳の萎縮が特徴です。

参考:http://iikai5.com/dementia/cause3.html


問題83 適切な治療をすれば、認知症(dementia)の症状が大きく改善する可能性がある疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type
2 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia
3 血管性認知症(vascular dementia
4 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease
5 慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma

解答
1:×治療方法が見つかっていません。
2:×現在のところ症状を改善したり、進行を防いだりする有効な治療法はありません。
3:×認知機能障害を改善させる確実な方法は現在ないため、脳血管障害の再発予防と認知症の症状への対症療法が治療の中心 です。
4:×現代の医学では治療法はなく短期のうちに確実に死に至る病です。
5:○慢性硬膜下血腫は、脳の外側に古い血がたまって、脳を圧迫する病気ですが、高齢の方や全身状態がよくない方でも比較的軽い負担で治療ができます。

問題84 認知症(dementia)の行動・心理症状(BPSD)として、正しいものを1つ選びなさい。
1 実行機能障害
2 失語
3 記憶障害
4 失認
5 徘徊

解答
1:×中核症状です。
2:×中核症状です。
3:×中核症状です。
4:×中核症状です。
5:○認知症の行動症状の一つです。その他の行動症状として攻撃的な言動、昼夜逆転、不潔行為、収集壁などがあります。なお、認知症の心理症状としては、漠然とした不安感、脅迫症状、抑うつ状態、幻覚、妄想、睡眠障害があります。

 

参考:認知症の中核症状とは知的能力の障害で、記憶障害、見当識障害として現れます。最初の症状は軽い記憶障害ですが、それが深刻になりますと、今がいつで、どこにいるかの見当もわからなくなり、周囲の状況の判断がつかなくなります。これを、見当識障害とよんでいます。さらに、失語、失行、失認という認知障害もみられ、抽象化する能力、計画を立てるといった実行機能も障害されます。

問題85 高齢者の認知症(dementia)の人への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 使い慣れた道具を、新しい便利なものに変える。
2 部屋の家具の配置を、飽きないように毎月変える。
3 部屋やトイレに、表示や目印をつける。
4 部屋の照明は、できるだけ明るくする。
5 食事の雰囲気よりも、栄養の摂取を優先する。

解答
1:×使い慣れた道具を変えると自分のものかどうか、わからなくなるなどの混乱を生じます。

2:×配置を換えることで記憶や見当識の障害による混乱状態につながります。
3:○理解しやすく表示することは大切です。
4:×明るすぎる部屋は、高齢者を混乱させることがあります。
5:×栄養の摂取も大切ですが、食事の雰囲気をよくするのも同じくらい大事です。

問題86 Cさん(75歳、男性)は、認知症(dementia)の妻を自宅で介護している。Cさんは、いつも明るく介護方法の勉強にも熱心である。最近、妻は排泄の失敗が増え、下着の交換や陰部清拭がたびたび必要になってきた。通所介護(デイサービス)職員との会話で、Cさんは、「妻に対して腹立たしく思う自分が情けない。妻にすまないと思う」と、初めて気持ちを語った。
 Cさんに最初に行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護方法について指導する。
2 何事も気にしないように励ます。
3 新しい介護用品を紹介する。
4 介護を代行するサービスを提案する。
5 気持ちの訴えを受容する。

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○何よりも、家族の思いを聞き受容することが介護職には求められます。

【障害の理解】10問 87〜96問
問題87 片麻痺のある人のICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)における「活動制限」として、正しいものを1つ選びなさい。
1 復職できない。
2 手足が動かない。
3 言葉が理解できない。
4 旅行に行けない。
5 トイレに行けない。

解答
1:×参加が障害された状態を参加制約
2:×心身機能・構造が障害された状態を機能・構造障害
3:×心身機能・構造が障害された状態を機能・構造障害
4:×参加が障害された状態を参加制約
5:○活動が障害された状態を活動制限

 

参考

■心身機能・構造が障害された状態を機能・構造障害

■活動が障害された状態を活動制限

■参加が障害された状態を参加制約


問題88 2002年(平成14年)の「障害者基本計画」の基本理念で、ノーマライゼーション(normalization)とともに位置づけられているものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 インクルージョン(inclusion
2 メインストリーミング(mainstreaming
3 リハビリテーション
4 インテグレーション(integration
5 バリアフリー

解答
1:×
2:×
3:○
障害者基本計画は、リハビリテーション及びノーマライゼーションの理念を継承するとともに、共生社会の実現を目指しています。(第18回試験出題)
4:×
5:×

問題89 片麻痺のある人が自走用標準型車いすを自分で操作しやすくする方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 背もたれの高さを肩の高さと同じにする。
2 健側のブレーキレバーを延長する。
3 肘当ての高さを介護用グリップの高さと同じにする。
4 肘当てをデスクタイプにする。
5 健側足底部が床に着くように、座面の高さを設定する。

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○

問題90 高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の1つである遂行機能障害として、正しいものを1つ選びなさい。
1 物の置き場所や約束を忘れる。
2 集中力がない。
3 ちょっとしたことですぐ興奮して怒鳴る。
4 決まった方法にこだわり、状況に応じた判断ができない。
5 同時に2つ以上のことをすると混乱する。

解答
1:×
2:×
3:×
4:○遂行機能障害は、行動が行き当たりばったりで、状況に応じた計画や判断が実行することができません。
5:×

 

 

参考

高次脳機能障害は、交通事故や脳卒中で脳の損傷によって起こされる様々な神経心理学的症状です。 その症状は多岐にわたり、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害等で脳の損傷部位によって特徴が出てきます。

 

問題91 Dさん(42歳、女性)は、専業主婦で小学生の2人の子どもがいる。うつ病(depression)のため、不眠と注意力の低下から家事や育児ができなくなり、精神科病院に通院している。通院以外は自宅に閉じこもり、横になっていることが多い。訪問した介護職に「子どもの世話ができない自分は母親失格」、「何もできない無能な人間になってしまった」と繰り返し話す。
 Dさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「ご家族のためにも、早く元気になりましょうね」
2 「気分転換に、旅行に行ったらどうですか」
3 「子供さんの世話ができないのは、つらいですね」
4 「毎日、洗濯や掃除を頑張りましょう」
5 「いつも同じことを言っていても、病気はよくなりませんよ」

解答
1:×
2:×
3:○最も大切なのはDさんの気持ちを受容することです。
4:×
5:×

問題92 ダウン症候群(Down's syndrome)の原因として、正しいものを1つ選びなさい。
1 胎内感染
2 染色体異常
3 劣性遺伝
4 先天性代謝異常(inborn errors of metabolism
5 核黄疸(kernicterus

解答
1:×
2:○下記参照
3:×
4:×
5:×

 

参考:ダウン症候群は遺伝子を含む染色体の異常です。21番目の染色体が普通は2本ですが、3本あるために、様々な症状を起こします。高齢出産で発生しやすくなります。染色体に対する治療方法はありません。
参考:you tube ダウン症候群
問題93 広汎性発達障害(pervasive developmental disorder)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 幻覚、妄想が現れる。
2 変化に対する不安が強い。
3 その場の雰囲気や相手の意図を強く意識する。
4 麻痺性構音障害が現れる。
5 協調して作業することが得意である。

解答
1:×
2:○下記参照
3:×
4:×
5:×

 

参考:広汎性発達障害は発達障害の総称です。小児自閉症、アスペルガー症候群、レット症候群、小児期崩壊性(しょうにきほうかいせい)障害、特定不能の広汎性発達障害、その他が含まれます。
広汎性発達障害では次の3領域の発達における質的異常を特徴とします。次の3領域の発達における質的異常を特徴とします。 (1)対人的相互反応における質的障害(相手の気持ちがつかめない、場にあった行動がとれない) (2)コミュニケーションの障害(言葉の使用の誤り、会話をつなげない) (3)変化に対応することが苦手。同じ行動パターンや興味にこだわったり、場所、時間や道順を変更できないことや、ルール違反を極点に嫌ったりする傾向がある。変化に対応できないときは混乱してしまって、パニックを起こしてしまうこともあります。


問題94 障害受容の過程にみられる「抑圧」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 認めたくない欲求、不安や苦痛を意識下にとどめる。
2 障害を認めず、元に戻ると信じている。
3 子どものように甘えたり、すぐに泣いたりする。
4 自分の立場を正当化し、失敗感や劣等感から逃れようとする。
5 周囲の手助けを拒否して、自分を強くみせようとする。

解答
1:○
防衛機制(適応機制)の抑圧とは、実現困難な欲求を心の中におさえこんでしまう機制である。(過去問題からの抜粋です)
2:×
3:×退行
4:×逃避
5:×反動形成

 

参考:「こころとからだ」の出題基準の中に防衛機制がありますが、それを参考としました。

その1: 防衛機制(適応機制)の抑圧とは意識すると不快や不安を覚えてしまうような記憶や観念を意識外へ押し出そうとする。忘却の形をとることが多い。意識的に行われる場合は「制止」あるいは「禁止」と呼ばれる。過度の抑圧は神経症の原因の一つとされている。

 その2:防衛機制(適応機制)の抑圧とは、実現困難な欲求を心の中におさえこんでしまう機制である。

問題95 相談支援専門員の業務に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 障害に関する調査・診断・判定を行う。
2 就労に必要な知識や能力を高めるための訓練を行う。
3 サービス等利用計画を作成する。
4 個別支援計画を作成する。
5 外出時の移動中の介護を行う。

解答
1:×
2:×
3:○下記参照
4:×
5:×

 

参考:障害者自立支援法で相談支援事業が市町村の責務として位置づけられ、そ. のコーディネート機能を担うため、相談支援専門員が配置されています。支援法の5条の二では、相談支援について障害福祉サービスを適切に利用することができるよう、当該支給決定に係る障害者等の心身の状況、その置かれている環境、障害福祉サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案し、利用する障害福祉サービスの種類及び内容、これを担当する者その他の厚生労働省令で定める事項を定めた計画「サービス利用計画」を作成するとともに、当該サービス利用計画に基づく障害福祉サービスの提供が確保されるよう指定障害福祉サービス事業者等その他の者との連絡調整その他の便宜を供与すること。としています。

問題96 Eさん(36歳、男性)は、脳性麻痺(cerebral palsy)がある。母親(60歳)と二人暮らしである。Eさんは、四肢麻痺のため体位変換に介護が必要で、居宅介護を利用している。最近、母親は腰痛を訴えている。
 母親に対する介護職の支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「介護は負担ではない」と母親が言ったので、見守る。
2 腰痛で悩んでいる母親に、コルセットを提供する。
3 母親の介護方法を尊重しながら、腰の負担が軽くなる方法を提案する。
4 Eさんの生活を、ベットから畳に変えるように指導する。
5 母親の負担を減らすため、Eさんと母親の2人分の食事を作る。

解答
1:×
2:×コルセットは医師が必要と認めたために装着する医療器具ですから介護職が提供してはいけません。
3:○
4:×
5:×

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題
(第26回の問題が入れ替わっていましたので、第25回問題 問題97〜108までを入れ直しました  平成27年1月4日)

問題97 Fさん(82歳、女性)は、娘夫婦や孫と暮らしていた。もともと穏やかな性格であったが、1年前に夫を亡くしてからは、ふさぎ込むことが多くなった。半年前に自宅で転倒して大腿骨を骨折した。それ以来、自立歩行ができなくなり、介護老人福祉施設に入所した。その後、周囲の人に「死にたい」と、もらすようになった。
 Fさんの精神状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 不安神経症(anxiety neurosis
2 ストレス反応(stress reaction
3 認知症(dementia
4 恐怖症(phobia
5 抑うつ状態(depressive state

解答
1:×不安神経症は漠然とした恐怖感を持つもので、 落ち着かない心理状態となり; 脱力感・ふるえ・めまい・動悸・呼吸困難・不眠・尿意頻数などが起こります。
2:×ストレス反応としては、活気のなさ、いらいら、疲労感、不安、気持ちの落ち込みなどが表れやすくなります
3:×認知症の中心となる症状とは「記憶障害」や「判断力の低下」などで、必ずみられる症状です。周辺の症状は人によって差があり、怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動が

みられます。Fさんの精神状態からすると認知症とはいえません。
4:×恐怖症は、その病名通り、恐怖の対象に接すると、強い不安、恐怖が生じます。Fさんには恐怖の対象となるものがありませんから恐怖症と判断できません。
5:○抑うつ状態になると、ふさぎ込んだり、自分を責めたり、悲観的な話をしたりします。

問題98 若いときに習得した技術や技能の記憶は、高齢になっても長く保存されていることが多い。この記憶として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 手続き記憶
2 意味記憶
3 エピソード記憶
4 短期記憶
5 感覚記憶

解答
1:○手続き記憶は比較的保たれる長期記憶の一種ですが、技能や手続き、ノウハウなどを保持する記憶です。
2:×意味記憶」は 長期記憶の中でも、言葉とその意味を結びつけている記憶のことをいいます。
3:×エピソード記憶とは、「昨日、2時間も図書館で勉強した」というように特定の時間的・空間的文脈(いつ・どこで)のなかに位置づけることのできる出来事(エピソード)に関する記憶です。
4:×短期間保持される記憶のことです。
5:×感覚記憶 視覚、聴覚、触覚、嗅覚の感覚などの感覚体験の記憶をいいます。

問題99 関節の運動と筋の収縮に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 膝関節の伸展は、大腿二頭筋の収縮によって起こる。
2 股関節の伸展は、大腿四頭筋の収縮によって起こる。
3 足関節の背屈は、下腿三頭筋の収縮によって起こる。
4 手関節の背屈は、上腕二頭筋の収縮によって起こる。
5 肘関節の伸展は、上腕三頭筋の収縮によって起こる。

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○

問題100 動脈血が流れている部位として、正しいものを1つ選びなさい。
1 右心室
2 右心房
3 三尖弁
4 肺動脈
5 左心房

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○下記の図は覚えておきましょう。何度も試験にでています。

問題101 次の骨折(fracture)のうち、高齢者の転倒による骨折(fracture)として、最も少ないものを1つ選びなさい。
1 上腕骨近位端骨折(fracture of upper end of humerus
2 橈骨遠位端骨折(fracture of lower end of radius
3 脊椎圧迫骨折(compression fracture of spine
4 大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture
5 骨盤骨折(pelvic fracture

解答
1:×下記参考参照
2:×橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたいこっせつ)は手首部位の骨折です。比較的多い骨折です。
3:×下記参考参照
4:×大腿骨頸部骨折とは、股関節(足の付け根の部分)の中で大腿骨の骨頭を支える頸(くび)の部分の骨折です
5:○転倒による骨折としては稀なものです。

 

参考:高齢者の転倒による骨折は、転倒によって外力を受けやすい部位(股関節・手首・肩関節・脊椎など)に多くみられます。

問題102 胃ろうとその造設に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 開腹手術が必要である。
2 終生使用しなければならない。
3 ボタン型は自己抜去しにくい。
4 バルーン型は壊れにくい。
5 口からの食物摂取はできなくなる。

解答
1:×必要としません。
2:×胃ろうの必要性がなくなれば取り外し可能です。
3:○ボタンタイプの特徴

@栄養投与時にチューブを使用するので、チューブが取り外して洗え衛生的である

A栄養投与時以外にはチューブがついていないため、リハビリなどで邪魔にならない。また洋服の中に隠れるので外からわかりにくい

B栄養投与時にチューブを接続する場合、介護される方には煩雑である
4:×バルーン型の特徴

@交換しやすい

A壊れやすく、交換の時期が短い

B週に1回はバルーン内の蒸留水の入れ替え作業が必要

C事故抜去が起こりやすい
5:×口からの摂取も可能です。

問題103 次の疾患のうち、栄養管理が必須であるものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type
2 関節リウマチ(rheumatoid arthritis
3 慢性胃炎(chronic gastritis
4 慢性腎不全(chronic renal failure
5 うつ病(depression

解答
1:×
2:×
3:×
4:○慢性腎不全は、腎機能が低下し始めた頃から栄養管理が必要となってきます。栄養管理のポイントは、カロリーを十分とる、蛋白質の制限、塩分制限、カリウム・リンの制限、適切な水分量をとるなどです。
5:×

問題104 次の皮膚疾患のうち、真菌(カビ)が原因で起こるものを1つ選びなさい。
1 疥癬(scabies
2 帯状疱疹(herpes zoster
3 膿痂疹(impetigo
4 白癬(tinea
5 老人性掻痒症(pruritus senilis

解答
1:×疥癬はヒゼンダニによっておこる感染症です。
2:×帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です

3:×膿痂疹(のうかしん)のほとんどが黄色ブ菌を原因菌としています。

4:○白癬(水虫)は水虫を白癬菌(はくせんきん)というかび(真菌の一種)が原因となります。この菌は湿度70%以上、温度15℃以上になると活発に増殖を開始します。
5:×皮膚の乾燥によりかゆみがでる病気です。

問題105 Gさんは、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左上下肢に麻痺があり、車いすで生活している。訪問介護員(ホームヘルパー)がGさんの入浴の介護のために訪問したところ、仙骨部の皮膚が赤くなっていることに気付いた。皮膚にびらんは認められない。痛みも特に感じないという。
 Gさんの入浴の介護の注意点として、適切なものを1つ選びなさい。
1 入浴は中止する。
2 入浴時間を短縮する。
3 入浴は行い、変色した部分をこすらず洗い流す。
4 入浴は行い、変色した部分をマッサージする。
5 入浴は行い、変色した部分に湿布を貼る。

解答
1:×入浴は血行をよくするので褥瘡予防になります。
2:×入浴時間を短縮する意味がありません。
3:○仙骨部の皮膚が赤くなるのは褥瘡の前触れです。こすると皮膚を痛め悪化するので洗い流すのは最も効果的です。
4:×赤くなってる部分をマッサージは皮膚を痛め、褥瘡を悪化させます。マッサージするなら褥瘡ができる前に予防として行うことが大切です。
5:×使用時に発赤があるときはさらに悪化することがあるので使用しないほうがいいです。

問題106 便秘の原因となるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 スポーツドリンク
2 経管栄養剤
3 レモンジュース
4 麻薬性鎮痛剤
5 インスリン製剤

解答
1:×
2:×
3:×
4:○麻薬系鎮痛剤のほかに一般的な鎮痛剤、抗うつ剤なども便秘の原因となります。
5:×

問題107 「急に強い尿意を感じて我慢できなくなる」という症状の原因として、正しいものを1つ選びなさい。
1 尿を出す機能の障害
2 尿をためる機能の障害
3 腹部の筋収縮の低下
4 下肢の筋力の低下
5 腎臓の機能の障害

解答
1:×
2:○このような障害を「過活動膀胱」といいます。膀胱には、腎臓で集められた水分と体内の老廃物を尿として保持する機能があり、膀胱が一定の大きさに達すると、尿意を脳に伝えて排尿を行うはたらきがあります。過活動膀胱では、尿をためる機能の障害のために、膀胱が大きさに関係なく尿意を発生しやすくなり、頻尿が起こります。
3:×
4:×
5:×

問題108 不眠の原因となるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 イソフラボン(isoflavone
2 カフェイン(caffeine
3 カルシウム(Ca
4 ビタミンA(vitamin A
5 メラトニン(melatonin

解答
1:×
2:○眠くなったらコーヒーやお茶を呑んで眠気をさますことができるのは、カフェインのおかげですね。でも、眠気が覚めると不眠の原因にもなってしまいます。
3:×
4:×
5:×

 

【総合問題】12問 109〜120問題

 (総合問題1)

 次の事例を読んで、問題109から問題111までについて答えなさい。
 〔事 例〕
 Hさん(80歳、男性)は、娘には老後の心配をかけたくないと考えて、2年前に夫婦で軽費老人ホームに入所した。物静かな性格で賑やかな場所は苦手である。身の回りのことは自分でできる。10年前に糖尿病(diabetes mellitus)にかかり、毎日、朝食前に自分でインスリン注射をしている。半年前、妻が突然亡くなった。妻がいるころは、妻と一緒に散歩をしたり、妻が食事にも気を配ってくれていたので血糖値は安定していた。妻の死後は自己注射を介護職が見守っている。

問題109 Hさんは介護職に、「妻が亡くなった直後は、いろいろと忙しくて寂しいとは思わなかったが、半年たった今ごろになってとても寂しくなり、自然に涙が出たりする」と言った。
 Hさんに対して介護職が行うグリーフケア(grief care)として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Hさんと相談して、思い出話ができる人たちに集まってもらう。
2 悲しみは時間とともに消失するので、そっとしておく。
3 悲しみは糖尿病(diabetes mellitus)には影響しないので、そのままにしておく。
4 少しでも早く立ち直ってもらうために、娘の家に行くことを勧める。
5 元気を出してもらうために、カラオケ大会を開く。

解答
1:○下記参考を参照してください。
2:×
3:×悲嘆、気分の落ち込みなどは糖尿病の病気を招いたり悪化させてしまうことがあります。その他高血圧、、肥満、高脂血症にも悪い影響を与えます。
4:×
5:×

 

参考:「グリーフ」は“悲嘆”という意味で、近しい人を亡くした人がその悲嘆を乗り越えようとする心の努力。死別に伴う苦痛や環境変化などを受け入れようとすることをグリーフワークと言います。

グリーフ(悲しみ)を癒すには、充分に悲しみ、何らかの方法で悲しみを表出し、受け止める作業が必要です。信頼できる場での心の解放、悲しみを癒すための機会創出、システマティックな心の整理を行うことによって、グリーフを軽減させることができます。

問題110 さらに2か月後の定期受診のときに、医師はHさんに「血糖値が高くなってきているので注意してください」と指導し、同行した介護職には「合併症に気をつけて観察してください」と言った。
 Hさんの日常生活の中で、合併症の早期発見のために、介護職が観察すべき視点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 小刻み歩行の有無
2 視力の低下の有無
3 不眠の有無
4 嗅覚の低下の有無
5 聴力の低下の有無

解答
1:×
2:○糖尿病合併症では網膜症での目のかすみ、視力低下などの観察が重要となってきます。
3:×
4:×
5:×

 

参考:糖尿病の合併症には、神経障害、網膜症、腎症の三大合併症があります。その他、血管障害を背景にした心疾患、脳血管疾患なども、糖尿病になると発生頻度が高まります。一般的には、神経障害が先にきて、次に網膜症、もっと障害が進むと腎症が起こってくると考えられます

問題111 受診後Hさんは、「できるだけ自分で健康管理をして、ここで生活していきたいので協力してほしい」と介護職に話した。
 介護職が行った支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 運動をしていたので励ました。
2 部屋の掃除を頼まれたが断った。
3 仲の良い利用者と間食をしていたので、その場で注意した。
4 インスリン注射の見守りを中止した。
5 妻のことは何も話さないようにした。

解答
1:○悲嘆しているときの励ましは禁物ですが、意欲が見られるときは、このような状況下での励ましは有効な支援です。
2:×
3:×
4:×
5:×

(総合問題2)

 次の事例を読んで、問題112から問題114までについて答えなさい。
 〔事 例〕
 Jさん(84歳、男性)は、20年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、後遺症で軽度の左片麻痺となった。屋内では、T字杖を使用すれば歩行できるが、転倒するのが心配で、ほとんど外出しなかった。
 1年ほど前から、夜よく眠れない、通院する曜日を間違える、薬を飲み忘れるなどの状態になり、血管性認知症(vascular dementia)と診断された。
 半年前から夜間の不穏状態や妻への暴力行為がたびたび出現するようになり、妻が介護しきれなくなって、Jさんは介護老人福祉施設に入所することになった。
 入所後も施設内はT字杖を使用して、歩行は可能であった。しかし、慣れない場所で、より不安が強くなっているようすであった。

問題112 Jさんは入所後、トイレと食堂へ行くとき以外は居室から出てくることが少なくなり、周りの利用者と話すこともなくなってきた。その後、食堂へも行かなくなり、ベッドで食事をするようになった。
 介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 身の回りのことは1人で行うように励ます。
2 居室を出るように、何度も促す。
3 今の生活についての思いを聴く。
4 寝食分離について理解できるように、説明する。
5 Jさんの希望どおりにする。

解答
1:×
2:×
3:○慣れない場所での不安を抱えているので、まずJさんの思いを聞いて不安を取り除くことが大切です。
4:×
5:×

問題113 Jさんは妻との面会には穏やかに接する日と、暴力的な行動をとる日がある。
 このようなJさんの症状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症(dementia)の人に共通してみられる。
2 この症状を中核症状とよんでいる。
3 本人の身体的な要因や、周囲の状況が影響を与える。
4 この症状は認知症(dementia)が進行しても変化しない。
5 認知症(dementia)の初期症状に起こりやすい。

解答
1:×症状には個人差があるので、この症状が共通するとはいえません。
2:×認知症の中核症状とは見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能の低下などです。「穏やかに接する日と、暴力的な行動をとる」は中核症状ではありません。
3:○身体、生活環境が大きく影響します。
4:×段階的に進行し、症状の変化がみられます。
5:×認知症の中期に見られる行為です。

問題114 Jさんは入所後2か月を過ぎても周囲とのかかわりはほとんどないが、「若いころは空手の指導者もしていた」と明るい表情で介護職に自慢することがある。
 現在の生活を改善するための介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ポータブルトイレの利用を勧める。
2 部屋替えを行う。
3 ベッドの配置を変える。
4 施設での集団プログラムへの参加を促す。
5 特技を活かしたレクリエーションを企画する。

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○

(総合問題3)
次の事例を読んで、問題115から問題117までについて答えなさい。
 〔事 例〕
 Kさん(43歳、女性)は、8年前に関節リウマチ(rheumatoid arthritis)を発症した。現在は、治療の効果で症状の進行がおさえられている。公的な制度を使うことができるように、必要な認定を受けている。Kさんは夫と2人で暮らしており、夫は朝早くKさんの朝食を作り、仕事に出かける。
 Kさんは肩関節や肘関節、股関節の可動域が狭く、左手指の巧緻性も低下している。お昼ごろからは、室内を自分の力で歩き、リーチャーや道具を工夫して家事を行うこともできる。しかし、からだの動きにくい午前中は、公的な制度を利用し、介護職に自室の掃除を依頼している。

問題115 Kさんが訪問系サービスを依頼するとき、優先的に使用するサービスを規定している制度として、正しいものを1つ選びなさい。
1 障害者自立支援法
2 介護保険法
3 難病対策要綱
4 障害者基本法
5 生活保護法

解答
1:×
2:○関節リウマチのKさんは特定疾病に該当するので、40歳以上から介護サービスを受けることが可能です。 Kさんは43歳なので第2号被保険者。
3:×
4:×
5:×

問題116 Kさんは、股関節の屈曲制限があるので、便座を高くし、トイレ動作が自立できるように工夫する必要がある。
 トイレットペーパーを右斜め前方に設置する場合、Kさんが便座に座った状態で、どの位置の高さにしたらよいか、適切なものを1つ選びなさい。
1 大腿骨骨頭
2 上腕骨中間部
3 脛骨中間部
4 鎖骨
5 腓骨中間部

解答
1:△大腿骨骨頭だと、前屈姿勢になり股関節に負担を与えてしまうのではないか。でも、、トイレットペーパーを取るなら2の上腕骨中間部の位置が適切だとしても、その後、お尻などを拭く時点で前屈姿勢になってしまいます。変なところで悩んでしまいました。
2:○答えが二つの可能性(各サイト模範解答では2の正解が多いです。かぎりなく正解では2を正解としました。)

3:×
4:×
5:×

問題117 Kさんは右利きであり、食べ物を口まで運ぶことが難しくなってきている。
Kさんが自立した食事を継続するために必要なスプーンの工夫として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 重量を軽くする。
2 柄を短くする。
3 握りを太くする。
4 スプーンを大きくする。
5 すくう部分を左に曲げる。

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○

(総合問題4)

 次の事例を読んで、問題118から問題120までについて答えなさい。
 〔事 例〕
 L君(12歳、男性)は、6歳のとき、アスペルガー症候群(Asperger's syndrome)と診断された。てんかん(epilepsy)を合併しており、1か月に1回程度、身体の脱力発作が起こることがある。
 現在は、アスペルガー症候群(Asperger's syndrome)を理由に療育手帳を取得して、特別支援学校(小学校6年)に通学している。靴に強いこだわりがあり、靴が替わっていたり、玄関に置いてある位置がいつもと違ったりすると次の行動ができずに、スクールバスに乗り遅れてしまうことがある。
 学校では、興味のあることはよく友達と話をするが、話が終わらないこともあり、悪気はないのに失礼な発言をすることがある。教室の中が騒がしかったり、大きな音がすると耳を手でふさいでしまう。また、運動が大好きで、特に泳ぐことには積極的である。家では決まった場所で食事をして、決まった時間に決まったテレビを見て過ごしている。しかし、そのパターンが崩れると落ち着きがなくなる。

問題118 L君の障害特性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 言葉の遅れがみられる。
2 計算するのが苦手である。
3 自分のことばかり話す。
4 動き回る。
5 何度言っても忘れ物をする。

解答
1:×
2:×
3:○アスペルガー症候群では興味・関心の範囲が狭いことが特徴の一つです。関心ある事柄には優れた集中力を発揮しますが、その一方で、興味・関心を持つ範囲が狭いため、他の事柄や活動に興味・関心が広がりません。したがって自分のことばかり話してしまいます。
4:×
5:×

 

参考:アスペルガー症候群の特性

@具体性・規則性のある事柄をよく理解し、記憶する。

A目視による視覚的な認識・記憶力が正確であること。

B関心ある事柄への集中力にたけること。

C曖昧なことや抽象的な事柄を理解しにくいこと。

D話し言葉が理解しにくいこと。

E興味・関心の範囲が狭いこと。関心ある事柄には優れた集中力を発揮しますが、その一方で、興味・関心を持つ範囲が狭いため、他の事柄や活動に興味・関心が広がりません

問題119 L君は自宅からスクールバスの乗り場まで介護職の送迎の支援を受けている。
 L君に対する介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 一度に多くのことを指示する。
2 毎日靴を替える。
3 大きな声で話しかける。
4 途中でもL君の話を終わらせる。
5 L君と一緒に予定を確認する。

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○これから起ることの予測がつかないことに大きな不安を感じます。ですからこれからの行動を事前に確認しておくと、そのストレスを軽減することができます。

問題120 L君が地域のプールに行く場合、障害者自立支援法に基づくサービスで活用できるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 自立訓練
2 同行援護
3 重度障害者等包括支援
4 行動援護
5 コミュニケーション支援

解答
1:×
2:×
3:×
4:○下記参照

5:×

 

参考

障害者自立支援法の「障害福祉サービス」には下記の10サービスがあります。

 

(1) 居宅介護(ホームヘルプ)→ 自宅で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。

(2) 重度訪問介護 →重度の肢体不自由者で常に介護を必要とする人に、自宅で、入浴、排せつ、食事の介護、外出時における移動支援などを総合的に行います。

(3) 同行援護 →視覚障害により、移動に著しい困難を有する人に、移動に必要な情報の提供(代筆・代読を含む)、移動の援護等の外出支援を行います。

(4) 行動援護 →自己判断能力が制限されている人が行動するときに、危険を回避するために必要な支援、外出支援を行います。

(5) 重度障害者等包括支援→ 介護の必要性がとても高い人に、居宅介護等複数のサービスを包括的に行います。

(6) 短期入所(ショートステイ)→ 自宅で介護する人が病気の場合などに、短期間、夜間も含め施設で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。

(7) 療養介護→ 医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護及び日常生活の世話を行います。

(8) 生活介護 →常に介護を必要とする人に、昼間、入浴、排せつ、食事の介護等を行うとともに、創作的活動又は生産活動の機会を提供します。

(9) 障害者支援施設での夜間ケア等(施設入所支援)→ 施設に入所する人に、夜間や休日、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。

(10) 共同生活介護(ケアホーム)→ 夜間や休日、共同生活を行う住居で、入浴、排せつ、食事の介護等を行います。

 

 

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