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25回介護福祉士国家試験問題及び解説

 

【コミュニケーション技術】8問

問33 介護職と利用者の家族との関係づくりに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 家族の個性や生き方に関係なく、同じ対応をすることが大事である。
2 家族間の関係性を把握する必要はない。
3 家族と利用者の希望は同じであると考えて対応するとよい。
4 介護職の身だしなみは、家族との関係に影響しない。
5 利用者とかかわる家族のようすで、家族を理解できたと思ってはいけない。

解答
1:×個別性を重視します。
2:×
3:×希望が同じだと断定してはいけません。個々に違うこともあります。
4:×介護職の身だしなしによって家族の第一印象は大きくかわってきます。清潔感があるか、機能性があるかなども、家族との信頼関係のうえで大事なポイントです。
5:○利用者、家族のようすを見るだけでは関係性を十分に把握できません。それぞれとコミュニケーションを図りながら理解していくことが大切です。

問題34 Gさん(83歳、要介護2)は、夫(85歳)と二人暮らしである。大腿骨頚部骨折(femoral neck fracture)で入院していたが、退院時、排泄はトイレで自立していた。退院後、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり、訪問介護員(ホームヘルパー)が初めて訪問すると、Gさんはおむつをして、ベッドで横になっていた。
 訪問介護員(ホームヘルパー)が夫との関係づくりのために、最初に行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 夫におむつ交換の方法を指導する。
2 夫の頑張りを認めながら、Gさんの状況を聴く。
3 リハビリテーションの導入を検討するように、伝える。
4 夫の介護では限界があることを自覚するように、促す。
5 このままでは寝たきりになるので、Gさんを起こすように話す。

解答
1:×
2:○Gさんの意欲を引き出す方法としては、頑張りを認め、傾聴することではないでしょうか。
3:×
4:×
5:×

問題35 家族が利用者本人の意向や状況を理解していないとき、両者の意向を調整するための、家族に対する介護職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「ご家族の価値観で判断してはいけません」
2 「ご本人の考えを優先して、ご家族も考え方を変えましょう」
3 「ご本人が何に関心があるのか、気持ちを聞いてみませんか」
4 「ご本人について理解が足りないから、もっと理解しましょう」
5 「私たちは、ご本人の権利を守る必要があるので、ご本人の意向を優先します」

解答
1:×
2:×
3:○利用者の思いや状況を家族に理解してもらうために、介護職は家族に対してメッセージをおくる必要があります。
4:×
5:×

問題36 認知症(dementia)の人とのコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 情報は簡潔に伝える。
2 横から話しかける。
3 わかりにくい言葉や行動を指摘し、修正させる。
4 説得するように話す。
5 非言語的コミュニケーションは避ける。

解答
1:○認知症の人へのコミュニケーションの基本は、「ゆっくり」「短く」「簡潔に」です。
2:×横から話しかけるとパニックをおこします。相手の視野に入ってから、穏やかに話しかけることが必要です。
3:×説得したり、指摘は「屈辱感」として残り、自尊心を傷つけてしまいます。
4:×説得したり、指摘は「屈辱感」として残り、自尊心を傷つけてしまいます。
5:×言語的・非言語的コミュニケーションを駆使します。

問題37 Hさん(70歳、女性)は、最近、抑うつ状態(depressive state)にある。
 Hさんに、介護職が初めてかかわろうとするときの、きっかけづくりの言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「おちこんだらだめですよ」
2 「どうしてそんなに黙っているのですか」
3 「皆さんの所へおしゃべりに行きましょう」
4 「元気を出して。頑張ってください」
5 「今日は少し暖かくなりましたね」

解答
1:×励ますのでなく共感的態度が必要です。
2:×責めるのでなくHさんの感情を自由に表現してもらうことを考えます。
3:×抑うつ状態のときには、他人とのコミュニケーションをはかることが相当な負担となるので、他人とのコミュニケーションのお誘いは控えなければいけません。
4:×抑うつ状態の人は、ただでさえ限界がくるまで頑張りつづけようとします。この状況で、さらなる励ましは本人にとっては辛いばかりです。
5:○さりげない会話からコミュニケーションのきっかけをつかむことが大切です。

問題38 統合失調症(schizophrenia)の人が、自分の妄想を話したときの介護職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者理解のために、妄想の内容を詳しく聞く。
2 妄想をなくすために、解決策について話し合う。
3 混乱させないために、妄想の話は聞かないようにする。
4 妄想の内容は理解できなくても、否定も肯定もせずにかかわる。
5 誇大妄想の内容は、事実ではないから気にしなくてよいと伝える。

解答
1:×介護職があれこれ聞くのでなく、聞き役に徹することが大切です。
2:×妄想をなくすための話し合いは精神医療の分野となります。
3:×妄想の話でも、聞くように心がけ受容することが大切です。
4:○会話が現実離れしていても、否定しないことが重要です。
5:×誇大妄想の内容が事実でなくとも、否定せずに受け止めることが重要です

問題39 ケアカンファレンス(care conference)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 議題は司会者が把握しておけばよい。
2 経験年数の長い職員の意見に従う。
3 自分の思いにこだわって発言する。
4 意見が分かれるときは、多数の意見を尊重する。
5 各職種の専門性を理解して参加する。

解答
1:×参加メンバーは事前に資料をよく読み、疑問や意見をメモなどしておくことが大切です。
2:×ケアカンファレンスは本人の意向や希望をふまえて、参加メンバーが知識・経験・技術を集結し、よりよいケアについて考える場ですから、経験年数が長い、短いは関係なく意見を述べあうことが大切です。
3:×「こだわり」は自分の視野をせばめたり、価値観のおしつけにもつながるのでカンファレンスの場では謙虚さがもとめられます。
4:×少数意見も尊重し耳を傾けることが必要です。
5:○

 

参考:ケアカンファレンスは本人の意向や希望をふまえて、参加メンバーが知識・経験・技術を集結し、よりよいケアについて考える場です。

問題40 チーム内の連携に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 リーダーは、指示を行うだけでなく、メンバーの経験などにより裁量を認める。
2 チームでは、記録や言葉に頼らずに、互いに理解できることを目指す。
3 会議で相手を非難することは、よりよい介護を目指すためには必要である。
4 利用者の個人情報の保護に留意する必要はない。
5 主要な専門用語の意味を共通認識しておく必要はない。

解答
1:○
2:×チームの連携を進める方法には記録、報告、連絡、相談は欠かせません。
3:×批判したり、あらさがししてはチームの連携が損なわれます。
4:×個人情報には十分留意します。
5:×専門用語の意味を共有していないと、情報の共有化もできなくなります。


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