web介護福祉士会ホーム>>第22回試験問題

第22回  社会福祉概論 

問題1 平成12年の「社会福祉事業法等改正」に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 第一種社会福祉事業の経営主体から市町村が除外された。
2 第一種社会福祉事業の経営主体になれるものとして、株式会社が追加された。

3 身体障害者福祉法や知的障害者福祉法に基づく福祉サービスの利用は、措置制度から「支援費制度」へ移行することとなった。

4 社会福祉法人設立に当たっての施設の規模や資産の要件が引き上げられた。

5 養護老人ホームの利用が、市町村による措置から施設と利用者の直接契約になった。

 

(注) 「社会福祉事業法等改正」とは、「社会福祉増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」のことである。

解答3

1:×第一種社会福祉事業に経営主体は改正前も改正後も変更なくこの事業は国、地方公共団体、社会福祉法人が経営することを原則としています。従って市町村は地方公共団体であり除外されてないので間違い。

2:×この事業は国、地方公共団体、社会福祉法人が経営することを原則・・変更ないので間違い。

3:○正解です。身体障害者福祉法や知的障害者福祉法に基づく福祉サービスはこれまで行政が「行政処分」としてサービスを決定(措置制度)してきましたが、障害者がサービスを選択してサービス事業者を契約してサービスを利用する制度(支援費制度)に改められました。

4:×社会福祉法人の設立要件は「社会福祉事業を行うに必要な資産を備えなければならない」という従来のものと変更無いので間違い。

5:×特別養護老人ホームの入所については改正前、後も市町村の行政処分(措置)が行われているので間違いです。


問題2 生活保護と介護に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 生活保護を受給中の介護保険第1号被保険者は介護保険料を納付しなくてもよい。

2 40歳以上65歳未満の生活保護受給者で医療保険に加入していない者は、介護保険に加入することが義務づけられている。

3 生活保護を受給中の障害者は、必要とする介護の状況に応じて、生活保護から介護費用の支給を受けることができる。

4 介護保険施設の入居者は、生活保護が適用されない。

5 生活保護時給者の居宅介護支援は、福祉事務所の社会福祉主事が行なう。

解答3

1:×その市区町村に住所を有する65歳以上の人が第1号被保険者、40歳以上65歳未満の医療保険加入者は第2号被保険者になりますが、生活保護者でも介護保険の被保険者は生活保護を利用しながら保険料を納付することになります。なお、40歳未満の方は被保険者ではありません。

2:×40歳以上65歳未満の人で生活保護を受けていて医療保険に加入していない人は介護保険の被保険者にはなれません。ですから介護保険に加入義務は間違いということになります。この場合の介護サービス・介護予防サービスは生活保護の介護扶助で行われます。

3:○障害者が 家族以外の人から介護を受けた際には生活保護費に介護料が加算され支給されるので正解。

4:×介護保険施設に入居者でも生活困窮者が生活保護を受けられないということはありませんので間違いです。

5:×生活保護者への居宅介護支援は介護保険法による指定、または生活保護法による指定されたサービス事業者が行うことになります。

問題 3 社会福祉法人に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 法人は収益事業を行なうことは認められない。

2 法人設立の認可があれば、登記がなくても法人は成立する。

3 理事は、その法人の職員を兼務する事ができる。

4 法人は、必要に応じて監事を置く事ができる。

5 入所施設を経営する法人は、解散する事はできない。

解答

1:×社会福祉法人に関することは社会福祉法の中で規定されていますので、是非目を通してください。法律の第26条では「社会福祉法人は、その事業に支障がない限り、公益事業及び経営にあてることを目的に収益事業を行うことができると規定しています。例えば、施設内での駐車場の料金を徴収するのは公益事業とはいえませんが、駐車料金を事業にあてるとするならば、それは収益事業ということになりますね。

2:×この規定は社会福祉法の第28条で規定されていますが、社会福祉法人は設立する場合、解散や合併の場合には登記しなければならないとされています。

3:○兼務することが出来ないのは監事。兼務できるの理事、評議員ですから正解です。

4:×必要に応じてではなく第28条で示されているように「社会福祉法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。」と規定されています。

5:×入所施設を経営していても、社会福祉法人は第46条で規定されているように破産や合併、行政官庁などからの解散命令などにより解散することができます。

問題 4 社会福祉におけるサービス等の提供方法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 介護保険制度における保険給付では、福祉用具の貸与や購入費の支給は行なわれていない。

2 生活保護における生活扶助は、原則として金銭給付である。

3 概算払いとは、利用者が費用をいったん金額立て替え、後に利用者負担分を除いた分の払い戻しを受ける方式である。

4 償還払いとは、費用の見込額を利用者に交付し、サービス利用後に清算する方式である。

5 契約制度の代表的な例として、児童福祉法による児童自立支援施設入所がある。


解答2

1:×介護保険の保険給付には福祉用具の貸与や購入費の支給は含まれるので間違い。保険給付対象となるものは各自で整理しておきましょう。

2:○良く試験に出てきますが、介護扶助・医療扶助は現物給付。それ以外の扶助(生活扶助、教育扶助、住宅扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)は現金給付ですからしっかり覚えておきましょう。

3:×「概算払い」とはサービス費用の見込額を利用者に交付し、サービス利用後に清算する方式です。

4:×「償還払い」とは利用者がサービス機関の窓口でいったん料金を立て替え、その後、申請をしてその料金の払いもどしをうけるというものです。

5:×児童自立支援施設はあまり介護福祉士の試験には出てきませんでした。この施設は犯罪などの不良行為をしたり、そのおそれがある児童を入所または通所させ指導を行う児童福祉施設です。これは契約制度に基づくものではなく「措置制度」によるもの、つまり児童相談所の行政処分により行われるものです。契約制度の代表的なものといえば保育所ですね。

問題 5 社会保障給付費に関する次の記述の空欄 A, . Cに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。

 

平成12年度と平成18年度の我が国の制度別社会保障給付費の構成比を比較すると、( A  )は平成12年度50.1% 、平成18年度51.4%となっており、最も高い割合で推移している。

次いで高い割合を示している(  B  )も18.7%から18.6%とほぼ同水準で推移している。また、老人保健は、13.4%から11.6%とその割合をわずかに低下させている。

一方 (  C  )は4.2%から6.7%と、その構成比を増加させている。

    A             B           C

1 年金保険――――医療保険――――介護保険
2 年金保険――――介護保険――――医療保険

3 介護保険――――年金保険――――医療保険

4 医療保険――――介護保険――――年金保険

5 医療保険――――年金保険――――介護保険

解答1

社会保障給付費は大ざっぱに頭にいれておきましょう。ポイントは社会保障給付費の半分約50%は年金に使われている。次は医療で次は介護…これだけ覚えておけばいろいろ推理して解くことができると思います。

問題 6 市町村が保険者となる国民健康保険制度に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

  傷病手当金の支給が義務づけられている。
2 一部負担金の割合は、年齢や所得にかかわりなく3割である。
3 健康保険とは異なり、出産育児一時金は支給されない。
4 保険料の算定は、世帯の負担能力に応じた応能負担方式によって統一されている。

5 高額療養費の自己負担限度額は、健康保険と同じである。


解答5

1:×傷病手当とは、仕事や勤務中以外でケガや病気で仕事を休み給料をもらえないときに支給される手当金です。国民健康保険制度における傷病手当金は任意となっており義務ではないので間違いとなります。

2:×6歳未満は2割、70歳以上は2割(一定所得者は3割)、それ以外は3割負担と年齢、所得により負担が異なるので間違い。

3:×出産一時金の他に葬祭費、移送費、傷病手当金の支給などがあります。ですから間違い。

4:×国民健康保険料は、加入者の収入や資産に応じて計算される応能負担と、収入や資産に関係なく一律に計算される応益負担を組み合わして定められているので間違いです。

5:○このまま覚えましょう。

 

問題 7 福祉・介護サービスの人材確保に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 「福祉人材確保指針」の見直し(平成19年度)では、ライフスタイルに応じた働きやすい労働環境の整備などが盛り込まれた。

2 「福祉人材確保指針」に基づき、国は3年に一度、介護福祉士の需給見通しを明らかにしなければならない。

3 「介護従事者処遇改善法」(平成20年)により、都道府県に福祉人材センターが設置されることになった。

4 介護報酬改定(平成21年度)では、介護従事者確保のための報酬の引き上げは見送られた。

5 外国人介護従事者の受け入れの為、介護保険法改正(平成20年)で出身国で医療又は介護の資格を取得していれば介護福祉士資格取得者とみなすこととされた。

 

(注)1  「福祉人材確保指針」とは、社会福祉法第89条による「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」のことである。

2  「介護従事者処遇改善法」とは、 「介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律」のことである。

解答1
1:○
この「福祉人材確保指針」は社会福祉事業法に基づくもので、人材の養成と従業者の資質の向上がうたわれています。

2:×「福祉人材確保指針」では国による3年に一度の受給見直しに関する記述はない。

3:×福祉人材センターはそもそも社会福祉法にもとづいて都道府県の指定を受けて都道府県社会福祉協議会に設置されたものです。

4:×介護従事者の確保や処遇改善の緊急対策として報酬の引き上げが実施されたので間違い。

5:×出身国で医療職や介護職の資格があっても、日本で実務経験を経て介護福祉士の受験資格を得ることになる。従って間違い。


問題8 平成19年の社会福祉士及び介護福祉士法の改正の内容に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 介護福祉士の行なう「介護等」が、「入浴、排泄、食事その他の介護」へと、より具体的に規定された。

2 欠格事由の規定が廃止された。

3 信用失墜行為の禁止の規定が廃止された。

4 新たに資質向上の責務が規定された。

5 介護福祉士の資格が業務独占となった。

解答4

1:×専門的知・技術をもって入浴、排泄、食事その他の介護から→専門的知識・技術をもって、心身の状況に応じた介護等に改められました。
2:×下記のように残っており廃止されてはいません。
一  成年被後見人又は被保佐人
二  禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
三  この法律の規定その他社会福祉に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
四  第三十二条第一項第二号又は第二項(これらの規定を第四十二条第二項において準用する場合を含む。)の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

3:×信用失墜行為の禁止は廃止さえていません。介護福祉士が信用を傷つける行為をした場合には,介護福祉士の登録の抹消又は一定期間名称の使用が禁止されます。

4:○大事な点です。「資質向上の責務」として、資格取得後の自己研さんが求められることになりました。

5:×名称独占は変わりありません。医療・福祉関係の国家試験では「師」とつく仕事は業務独占。「士」とつく仕事は名称独占と覚えておきましょう。

 

第22回  老人福祉論

 

問題 9  一人暮らし高齢者に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 「国民生活基礎調査(平成20年)」によると、65歳以上の者のいる「単独世帯」の数は、平成7年に比べて4倍になった。

2 「国民生活基礎調査(平成20年)」によると、65歳以上の者のいる世帯構造別の構成割合は、「単独世帯」、「夫婦のみの世帯」、「3世代世帯」の順に多い。

3 「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査」によると、一人暮らし世帯では、緊急時の連絡先に「となり近所の人」と答える者が最も多い。

4 「日本の世帯数の将来推計」によると2030年(平成42年)には、世帯主が65歳以上の世帯のうち単独世帯の割合は、4割近くまで上昇すると見通される。

5 「日本の世帯数の将来推計」によると、2030年(平成42年)なは世帯主が65歳以上の単独世帯における男性の世帯は約440万世帯、女性の世帯は約280万世帯になると見通される。

(注) 1 「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査」とは内閣府「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査」(平成17年度)のことである。

    2 「日本の世帯数の将来推計」とは国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2008(平成20年)年3月推計)のことである。


解答4
1:×単身世帯は4倍ではなく約2倍に増えました。

2:×「夫婦のみの世帯」、「単独世帯」、「3世代世帯」の順位となるので間違い。

3:×緊急時の連絡先は、「隣近所」ではなく「娘」と「息子」がほぼ同率で、これに「兄弟姉妹」が続いています。

4:○そのまま覚えましょう。

5:×女性のほうが男性よりも5歳ほど平均寿命が長いですから、男性の世帯数が女性の世帯数を上回ることは考えられないですね。

問題 10  老人福祉法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。
        
1  平成2年の改正によって、社会的活動への参加が基本的理念に盛り込まれた。
2  老人福祉法による福祉の措置は、介護保険制度創設に伴い廃止された。

3  養護老人ホームの入所要件は、要介護認定を受けている事である。

4  高齢者用賃貸住宅は、老人福祉法に規定されているものである。
5  有料老人ホームは、老人福祉施設の一つである。

解答1
1:○老人福祉法の第3条の2にこのことが書かれています。「老人はその希望と能力に応じて、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする。

2:×老人福祉法による福祉の措置は廃止されていません。老人福祉法の第1章を読まれることをお奨めします。

3:×養護老人ホームの入所要件は、「経済的・環境上の理由などから自宅での生活が困難な者」です。要介護認定を受けている者ではないので間違い。

4:×この住宅は老人福祉法で規定されたものではなく、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づくものです。

5:×有料老人ホームは老人福祉法でいう老人福祉施設に該当しないので間違い。


問題 11 介護保険の給付に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 医療保険に加入していない40歳以上65歳未満の者は、給付を受ける事ができない。

2 加入している保険者の管轄区域を住所としていない者は、その保険者から給付を受けることはない。

3 保険料を1年以上滞納している者は、給付を受けることができない。

4 介護給付は、要介護と認定されるまでは受けることができない。

5 予防給付を受けようとする者は、要介護認定を受けなければならない。

解答1
1:○市町村の区域内に住所があり医療保険に加入している40歳以上65歳未満の方は第2号被保険者となりますが、医療保険に加入していないと給付を受けることができません。
2:×保険者の管轄区域に住所がなくても、保険者から給付をうけることができます。保険給付は直前に住所を置いていた市町村が負担するので介護保険料も前の住所地の市町村に納めることになります。

3:×保険料を1年以上滞納している方が、介護サービスを利用したときは、それにかかる費用がいったん全額自己負担となりますが、その後、申請することで保険給付分(費用の9割分)が支払われます。

4:×事情があって要介護認定前に介護給付を受けたい場合はそれが可能です。ただし後の認定結果によっては全額自己負担となることもあるので注意が必要ですね。

5:×予防給付を受けようとする者は、要介護認定ではなく、要支援1または2の認定を受けなければなりません。


問題12 介護保険制度における介護福祉士の位置づけに関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 訪問介護は、「介護福祉士その他政令で定める者」によって行なわれる。 
2 訪問介護費の特定事業所加算では、介護福祉士の配置が義務とされている。 
3 介護福祉士の配置を要件とした施設介護サービス費の加算はない。 

4 小規模多機能型居宅介護は、介護福祉士1人以上の配置が要件である。

5 福祉用具専門相談員になるには、介護福祉士も「福祉用具専門相談員指定講習」を受講しなければならない。 

解答1
1:○介護保険法の第8条にこのことが明記されています。この法律において「訪問介護」とは……その者の居宅において「介護福祉士その他政令で定める者」により行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話であって、厚生労働省令で定めるもの(夜間対応型訪問介護に該当するものを除く。)をいう。ですから正解!
2:×人材要件としては訪問介護員等の総数のうち介護福祉士が30%以上、又は介護福祉士・介護職員基礎研修課程修了者・1級訪問介護員の合計が50%以上であることとなっているので、介護福祉士の配置が義務となっているわけではありません。
3:×介護福祉士の配置を要件とした施設介護サービス費の加算としてサービス提供体制強化加算というのがあり、介護職員のうち介護福祉士50%以上の場合に加算されます。
4:×指定基準は昼間では訪問介護職員⇒常勤換算で1人以上配置。通所介護職員⇒常勤換算で通所介護利用者数が3人又はその端数を増す毎に1人以上配置すること…となっており介護福祉士一人以上という要件はありません。
5:×違います。厚生労働大臣が指定した「福祉用具専門相談指定講習会」で講義と実習を全40時間受講することで、福祉用具専門相談員の資格を取得できますが、介護福祉士を含め義肢装具士、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士およびホームヘルパー2級以上の資格取得者などは、講習を受けなくても福祉用具専門相談員として認められます。


問題13 市町村介護保険事業計画に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 市町村地域福祉計画と一体のものとして策定する。

2 市町村介護保険事業計画には、各年度における介護保険サービスの種類ごとの見込量を定めることとされている。
3 都道府県知事は、市町村介護保険事業計画のための参酌標準を定める。 
4 市町村介護保険事業計画を策定する場合、被保険者の意見を反映させる措置を講じなくてもよい。
5 市町村介護保険事業計画は、5年に一度見直す。

解答2
1:×法文は一体のものとして策定とはなっていませんので間違い。→法文は「市町村地域福祉計画の要介護者等の保健、医療又は福祉に関するものと調和が保たれたものでなければならない。」となっています。

2:○「当該市町村が、その住民が日常生活を営んでいる地域として、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備の状況その他の条件を総合的に勘案して定める区域ごとの当該区域における各年度の認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み並びにその見込量の確保のための方策 」とあるので正解

3:×参酌標準を定めるとは計画を定めるとは「計画策定にあたり大切な点や注意すべきこと、問題点を取り上げて指示すこと」との意味となりますが、介護保険法の中の都道府県介護保険事業計画の中ではこのことについて規定されていない。
4:×「市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。 」とあるので間違い

5:×「三年を一期とする当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画」とあるので間違い

介護保険法記載の市町村介護保険事業計画(抜粋)
(市町村介護保険事業計画)

第百十七条

1 市町村は、基本指針に即して、三年を一期とする当該市町村が行う介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施に関する計画(以下「市町村介護保険事業計画」という。)を定めるものとする。

2 市町村介護保険事業計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

一  当該市町村が、その住民が日常生活を営んでいる地域として、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件、介護給付等対象サービスを提供するための施設の整備の状況その他の条件を総合的に勘案して定める区域ごとの当該区域における各年度の認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護及び地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護に係る必要利用定員総数その他の介護給付等対象サービスの種類ごとの量の見込み並びにその見込量の確保のための方策

二  各年度における地域支援事業に要する費用の額並びに地域支援事業の量の見込み及びその見込量の確保のための方策

三  指定居宅サービスの事業、指定地域密着型サービスの事業又は指定居宅介護支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービス(介護給付に係るものに限る。)の円滑な提供を図るための事業に関する事項

四  指定介護予防サービスの事業、指定地域密着型介護予防サービスの事業又は指定介護予防支援の事業を行う者相互間の連携の確保に関する事業その他の介護給付等対象サービス(予防給付に係るものに限る。)の円滑な提供及び地域支援事業の円滑な実施を図るための事業に関する事項

五  その他介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を図るために市町村が必要と認める事項

3  市町村介護保険事業計画は、当該市町村の区域における要介護者等の人数、要介護者等の介護給付等対象サービスの利用に関する意向その他の事情を勘案して作成されなければならない。

4  市町村介護保険事業計画は、老人福祉法第二十条の八第一項 に規定する市町村老人福祉計画と一体のものとして作成されなければならない。

5  市町村介護保険事業計画は、社会福祉法第百七条 に規定する市町村地域福祉計画その他の法律の規定による計画であって要介護者等の保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

6  市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、被保険者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

7  市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、都道府県の意見を聴かなければならない。

8  市町村は、市町村介護保険事業計画を定め、又は変更したときは、遅滞なく、これを都道府県知事に提出しなければならない。

問題14 利用者の居宅で訪問介護サービスを提供している際、利用者の仙骨部に褥瘡を発見した。

訪問介護員の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 不十分な介護の原因と思い、「高齢者虐待防止法」により罰せられる旨、家族に説明した。
2 褥瘡の治療のために、近くの訪問看護ステーションに訪問を依頼した。

3 褥瘡の治療の為に入院が必要な旨、家族に説明した。
4 介護をしている家族に、介護の様子や家族の心身の状況を聞いた。 
5 居宅サービス計画の変更のために、サービス担当会議を招集した。

 

(注) 「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援などに関する法律」のことである。

解答4
1:×仙骨部は褥瘡ができやすい部分であり、虐待の疑いをし家族に説明するのは不適切である。

2:×主治医の判断が優先する。

3:×主治医の判断が優先する。

4:○

5:×居宅サービス計画の変更でサービス担当会議が開催されるときは介護支援専門員によって招集がなされるので間違い。

問題15  介護支援専門員に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 介護サービス計画を立案する国家資格である。
2 介護支援専門員になるには、相談業務経験が5年以上あることが必要である。
3 資格は更新制であるが、実務経験があり法令違反等がない者は、申請により更新される。
4 介護支援専門員でなくなった後は、秘密保持義務は課せられない。
5 利用者に特定のサービスを利用させることの対償として、居宅サービス事業者から金品の収受をしてはならない。

解答5
1:×国家資格と説明しているところがたくさんありますが国家資格ではありません。ただし、介護サービスの計画を作成する事業所には必ずいなくてはならないと定められています。

2:×単に相談業務経験が5年以上ということではなく、その相談業務は指定されたものでなければなりません。

介護支援専門員受験者として指定された相談援助業務に従事している人で、業務に従事した期間が通算5年以上、従事日数が900日以上の人。また、社会福祉主事任用資格、あるいはホームヘルパー養成研修2級を修了下人、過去に相談援助業務に1年以上従事した人で、介護等の業務に従事している期間が5年以上、従事日数が900日以上の人も受験資格があります。

3:×介護支援専門員証の有効期間は、申請により更新しますが、 その業務をしていなくても有効期間の更新を受けようとする者は、都道府県知事が行う更新研修を行わなければなりません。また、現に介護支援専門員の業務に従事していて、更新研修の課程に相当するものとして都道府県知事が厚生労働省令で定めるところの指定する研修の課程を修了した者については、この限りではありません。

4:×介護福祉士も、またどの職業についてもそうですが守秘義務はその職務をやめたあとも残ります。

5:○当然ですね。


問題 16  公的年金制度に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 基礎年金は、老齢、障害の各基礎年金で構成される。
2 老齢基礎年金は、原則として20年の保険料納付期間を満たした人に支給される。
3 厚生年金と共済年金は、基礎年金に上乗せして給付する制度である。
4 基礎年金の国庫負担の割合は、平成21年度に3分の1に引き上げられた。

5 国民年金の第3号被保険者とは、被用者年金の被保険者である。

解答3
1:×基礎年金は、老齢、障害、遺族の3種類の基礎年金があります。

2:×老齢基礎年金は、原則として25年の保険料納付期間を満たした人に支給されます。

3:○その通りです。厚生年金・共済年金は基礎年金の上に厚生年金や共済年金が上乗せされた給付です。

4:×老齢・障害・遺族の基礎年金には国庫負担(国の税金)が含まれていますが、法律改正で平成214月からの加入期間については、これまでの1/3から1/2まで引き上げられました。

5:×国民年金には第1号被保険者(20歳以上の学生、フリーター、20歳以上60歳未満の自営業などの人 )、第2号被保険者(会社や役所などに勤めている人)、第3号被保険者(第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者)の三種類の加入種類があります。ですから問題にある「第3号被保険者とは、被用者年金の被保険者である。」は間違いということになります。

問題 17  日常生活自立支援事業に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 実施主体は、地域支援包括センターである。
2 専門員は、利用希望者に代わって、事業利用の契約を結ぶ事ができる。
3 生活支援員は、事業の利用者の支援計画を作成する。
4 生活支援員は、利用者の依頼によって、日常の金銭管理に伴う預貯金の払い戻し等行なう事ができる。
5 利用料は、市町村が決定する。

解答4
1:×日常生活自立支援事業 (根拠法令:社会福祉法第81(都道府県社協が実施主体の福祉サービス利用援助事業)のことです。地域包括センターでないので間違い。

2:×専門員は利用者の相談や支援計画をつくるのが業務となります。利用希望者に代わって、事業利用の契約を結ぶのは生活支援員です。ですから間違い。

3:×支援計画は実施主体=つまり都道府県社会福祉協議会の専門員が作成します。生活支援員が作成するわけではありません。

4:○その通りです。覚えておきましょう。

5:×実地主体は都道府県社会福祉協議会ですからそこが決めることになります。市町村ではありません。



問題 18 脳梗塞で入院中の75歳のEさんが退院予定となった。退院後の在宅生活支援における介護、医療専門職の連携・協働に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。


1 個々の専門職は、共通の目的と理念をもって支援する。
2 個々の専門職は、専門性をもって支援する。
3 個々の専門職が自由に意見を述べ合える環境をつくる。

4 介護専門職は、Eさんの生活支援情報を各専門職と共有する。

5 医療専門職は、退院後もリーダーシップをとり続ける。


解答5
1:○

2:○

3:○

4:○

5:×退院後は在宅支援の専門職の関わりがメインとなってくるので、医療専門職は側面での連携支援となる。


第22回  障害者福祉論

 

問題19 次のうち、発達障害支援法が定める発達障害に該当しないものを一つ選びなさい。

1 身体的発達の遅れ
2 アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害
3 学習障害
4 自閉症
5 注意欠陥多動性障害

解答1
1:×発達障害者支援法は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害を持つ者の援助等について定めた法律です。

2:○発達障害者支援法は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害を持つ者の援助等について定めた法律です。

3:○発達障害者支援法は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害を持つ者の援助等について定めた法律です。

4:○発達障害者支援法は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害を持つ者の援助等について定めた法律です。

5:○発達障害者支援法は、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥・多動性障害などの発達障害を持つ者の援助等について定めた法律です。


問題20 障害者の手帳に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 療育手帳は、身体障害者福祉法によって規定されている。

2 身体障害者手帳は、18歳未満のものに交付されない。

3 聴覚障害の身体障害者手帳は障害等級が1級から5級の5段階に分かれている。

4 精神障害者保健福祉手帳は、知的障害者を対象に含んでいる。

5 精神障害者保健福祉手帳は、障害等級が1級から3級の3段階に分かれている。

解答5
1:×療育手帳は知的障害者に都道府県知事が発行する障害者手帳です。しかしこの手帳は身体障害者福祉法にも知的障害者福祉法に規定されてはいません。療育手帳に関しては厚生労働省の通知「療育手帳制度について」に基づいて各都道府県知事が知的障害と判定した者に発行しているものです。
2:×身体障害者福祉法では身体障害者手帳の取得に対しては年齢制限をもうけていません。

3:×聴覚障害の身体障害者手帳は障害等級が1級から6級の6段階に分かれています。

4:×精神障害者保健福祉手帳は、知的障害者を対象に含んでいません。ただ発達障害に対して厚生労働省は精神障害の範疇としており手帳の取得は可能です。

知的障害者に対する手帳は療育手帳となります。
5:○その通りです。手帳には障害の程度により、重い順に1級・2級・3級と決められており、手帳の等級によって受けられる福祉サービスに差があります。

問題 21障害者基本法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 障害者基本法は「障害者の日」を定めている。

2 市町村障害者計画の策定は、努力義務である。

3 中央障害者施策推進協議会の委員は、厚生労働大臣が任命する。

4 障害者基本法は、障害を理由とした差別禁止の理念を明示している。

5 政府は、3年ごとに障害者施策の概況の報告書を国会に提出する義務がある。

 

解答4
1:×2003年に公布された障害者基本法において129日を障害者の日とすることが法律上定められましたが、2004年の同法改正による障害者週間法定化に伴い条文から「障害者の日」の名称が削除されたので、現在の障害者基本法ではその規定は存在しません。従って間違い。

2:×間違いです。平成166月の「障害者基本法」の改正により、これまで努力義務であった市町村における障害者計画の策定が、平成194月から義務化されました。

3:×任命は内閣総理大臣がおこないます。従って間違い!

4:○障害者基本法の第3条の3で「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。」と規定しています。正解!
5:×障害者基本法の第11条で「政府は、毎年、国会に、障害者のために講じた施策の概況に関する報告書を提出しなければならない」としています。ですから3年ごとは間違い!

 

問題22 障害者の雇用促進等に関する法律についての次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 国、地方公共団体及び特殊法人を除く事業主における法定雇用率は、2.1%である。

2 精神障害者を実雇用率に算定できる。

3 職場適応援助者(ジョブコーチ)は、平成17年の法改正により創設された。

4 国、地方公共団体の法定雇用率は、一般の民間企業より低く定められている。

5 発達障害支援法に規定する発達障害者は、職場適応援助者(ジョブコーチ)の対象とならない。

 

解答2
1:×民間企業では1.8%・・官公庁では2.1%が法定雇用率・・・これくらいは頭に入れておきましょう。

2:○その通りです。雇用義務の対象となる障害者は、身体障害者又は知的障害者で精神障害者は雇用義務の対象ではありませんが、精神障害者保健福祉手帳保持者を雇用している場合は雇用率に算定することができます。ですから正解。

3:×平成145月の障害者雇用促進法の改正で創設されたものです。

4:×民間企業では1.8%・・官公庁では2.1%が法定雇用率。つまり官公庁のほうが高いので間違い!

5:×発達障害者も職場適応援助者(ジョブコーチ)の対象となります。

第22回  リハビリテーション論

 

問題23 国際生活機能分類( I C F)に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

 

1 活動とは、個人による課題や行為の遂行のことである。

2 環境因子は、背景因子に含まれる。

3 参加とは、生活、人生場面への関わりのことである。

4 精神機能は、身体構造に含まれる。

5 福祉サービスは、環境因子に含まれる。


解答4

1:○活動とは,課題や行為の個人による遂行のことです。

2:○その通りです。背景因子は、環境因子と個人因子の2つの構成要素からなり,ある健康状態にある個人やその人の健康状況や健康関連状況に影響を及ぼしうるものです。

3:○参加とは,生活・人生場面への関わりのことですから正解。次の概念もついでに覚えておいてください。

4:×下記参照。「身体構造とは,器官・肢体とその構成部分などの,身体の解剖学的部分である。」とあるように精神機能は含みません。

5:○下記参照。

 

参考

ICFの健康との関連においての次の言葉の定義は是非覚えておいてください。

 心身機能とは,身体系の生理的機能(心理的機能を含む)である。

 身体構造とは,器官・肢体とその構成部分などの,身体の解剖学的部分である。

 機能障害(構造障害を含む)とは,著しい変異や喪失などといった,心身機能または身体構造上の問題である。

 活動とは,課題や行為の個人による遂行のことである。

 参加とは,生活・人生場面(life situation)への関わりのことである。

 活動制限とは,個人が活動を行うときに生じる難しさのことである。

 参加制約とは,個人が何らかの生活・人生場面に関わるときに経験する難しさのことである。

 環境因子とは,人々が生活し,人生を送っている物的な環境や社会的環境,人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことである。

 

問題24 パーキンソン病の症状に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 主症状は、関節の炎症、疼痛、腫脹である。

2 歩き始めに、すくみ足がみられる。

3 歩行の特徴は歩幅を広げて、下腹を大きく外側に回すことである。

4 手の運動は円滑である。

5 まばたきが多くなる。

解答2
1:×このような主症状はありません。

2:○下記を参照してください。すくみ足=姿勢反射障害

3:×小刻みにあるく動作となるので間違い

4:×下記に筋強剛(固縮)とあるように筋肉が固縮するので動きは円滑でなくぎこちないです。

5:×下記にあるように、表情は仮面様顔貌です。ですからまばたきも非常に少ないのです。


参考

パーキンソン病の中核をなす重要な症状は次の通りです。

1:振戦(手先のふるえ)2:筋強剛(固縮)3:動作緩慢(動作がのろくなる)4:姿勢反射障害(すくみ足)5:その他の症状(自律神経障害、突進現象、歩行障害、精神症状、仮面様顔貌(表情がなく瞬きが少ない))

問題25 リハビリテーションの専門職に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 理学療法士は、主に家事動作訓練を行なう。

2 作業療法士は、主に歩行訓練を行なう。
3 義肢装具士は、義肢装具の採型、製作、適合を行なう。

4 言語聴覚士は、生活全般に渡る訓練を行なう。
5 視能訓練士は、嚥下障害のリハビリテーション評価を行なう。

解答3
1:×下記参照のこと。

2:×下記参照のこと。

3:○その通りです。

4:×下記参照のこと。

5:×下記参照のこと。

参考

理学療法士

身体的な機能障害がある人たちを対象に、機能回復・維持を目的として、医師の指示によって歩行訓練や体操などの運動法、マッサージ、温熱電気療法などを通して理学的に患者の回復をはかる

作業療法士

身体または、精神に障害のある人に対して、社会復帰できるように、主として作業活動を通して訓練・指導・援助します。具体的には、手芸や工芸、絵画、造園、玩具などを使って回復を促す。

言語聴覚士

言語・聴覚・音声に障害を持つ小児や成人に対して適切な治療指導を行うと共に、その家族に対しても助言・指導・援助を行いながら、機能の回復をはかりつつ、言語能力の回復向上をめざす。

視能訓練士

両眼視機能障害のある人に対して、医師の指示の元に、弱視や斜視などの矯正訓練を行う。また、視力・視野・色覚・光覚などの一般検査も行います。

義肢装具士

義肢装具とは、手や足などの欠損した機能を代償させるための義手、義足、ギプスなど身体に装着する器具類のことであるが、その失われた装着部位の採計を行い、身体に適合するように製作する。

問題26 片麻痺の人の調理動作に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

 

1 食器を洗う場合はりーチャーを用いる。

2 肉など包丁で切りにくいものは、キッチンバサミを用いる。

3 ワンタッチで開閉できる蛇口を取り付ける。

4 食材を包丁で切る場合は、釘つきまな板を用いる。

5 立体姿勢が不安定であれば、椅子に座って調理する。

解答1
1:×リーチャーとは、下におちたもの、手の届かないところにあるものをしっかりと楽らくにつかむマジックハンド(リーチャー)のことです。下記画像を参照


2:○その通り

3:○その通り

4:○食べ物を釘で固定するため片手で食材を切るときは便利です。


5:○その通り



第22回  社会福祉援助技術(演習も含む)

問題27 介護福祉士が活用する社会福祉援助技術に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 社会福祉援助技術を活用するに当たっては、社会福祉士の指導の下で取り組む。

2 在宅介護の場面では、間接援助技術を中心に取り組む。

3 生活全体の関連から、利用者の問題状況をとらえる視点を重視する。

4 援助活動の場が地域に広がり、社会福祉援助技術を活用する機会は減少した。

5 介護支援専門員業務を行なう場面では、社会福祉援助技術を必要としない。

 

解答3

1:×社会福祉士とは社会福祉援助技術の活用についてはお互いに協力していく関係であり指導する・されるという上下関係はない。

2:×在宅介護では直接援助技術(ケアワーク含めて)と間接援助技術を共に駆使しながらの取り組みが必要となる。

3:○

4:×社会福祉援助技術を活用する機会はドンドン増加してきている。

5:×介護福祉士・介護支援専門員・社会福祉士等共に社会福祉援助技術を必要としている。

 

問題28 個別援助技術の基本概念に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 バートレット(BartlettH)は「価値」、「知識」、「介入(intervention)」を社会福祉実践に共通する構成要素とした。 
2 リッチモンド(Richmond.M.)はPerson(人)、Problem(問題)、Place(場所)、Process(過程)の4つをケースワークの構成要素とした。
3 バワーズ(Bowers.S)は、ケースワークを心理社会療法として体系化した。
4 ホリス(Hollis, ,)は診断主義個別援助技術の理論化をすすめ、「ケースワークの理論と実際」(1940年)を著した。
5 パールマン(Perlman.H.)はケースワークの中心概念を「個別化」、「意識的調査」、「人格の発達」とした。

解答1
1:○社会福祉士の試験問題の定番ですが、バートレット(アメリカ)は社会福祉実践の共通基盤に不可欠な要素として価値・知識・介入を取り上げた人物です。

2:×Person(人)、Problem(問題)、Place(場所)、Process(過程)の4つをケースワーク(4pとも言われている)の構成要素としたのは、パールマンですね。

3:×ケースワークを心理社会療法として体系化したのはホリス(Hollis, ,)です。

4:×『ケースワークの理論と実際』を著したのはアメリカの社会福祉研究者であるG.ハミルトンです。Hamilton, Gordon (1892-1967)

5:×この概念を提唱したのはリッチモンドです。彼の著作『ソーシャルワークとは何か』の中で、ケースワークの中心概念を「個別化」、「意識的調査」、「人格の発達」としました。


問題 29 個別援助技術の原則に基づく対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 居室に行くとEさんが誰にも言わないでね。「実は時々お腹が痛むのだけど、あなたの顔を見ると痛みもなくなるわ」と言ったので、誰にも話さないようにした。

2 朝食中、パン食希望のFさんにいつものコーンスープを出すと「今日は味噌汁がよい」と言ったので、「パン食のときは、いつもこのスープでしたよ」と対応した。

3 一人暮らしのGさン宅を訪問したとき、Gさんが「死にたい」と言ったので、「そんなこと言わないでください。私も頑張るからGさんも頑張ってください」と答えた。

4 ナースコールでHさんの居室に行くと「あんたは、嫌いだから違う人を呼んで」と言ったので、「なぜですか、私のどこが嫌いなのか教えてください」と尋ねた。

5 外出前のJさんに、「どちらのカーディガンがいいですか」と尋ねながら、Jさんに決めてもらうことにした。

解答5

1:×健康・生命に関することはチームを組む専門職間で情報を共有したほうがよいです。

2:×下記のバイステックの原則にもあるように→1:個別化 クライエントの好み・要望を尊重することが大切です。

3:×バイステックの原則にもあるように「そんなことを言わないでください」というのではなく、まず、相手の気持ちを受け止めることが大事です。

4:×バイステックのげんそくにもあるように→4:統制された情緒的関与  クライエント自身の感情に左右されずに、ソーシャルワーカー自身がクライエントの心を理解し、自らの感情を統制して接していく事が重要。

5:○バイステックの原則にある、自己決定の尊重ですね。

参考 バイステックの7原則

1:個別化

クライエントの抱える困難や問題は、その人の問題であり、「同じ問題(ケース)は存在しない」とする考え方であり、個人を尊重することが重要です。

2:受容

クライエントの考えや思いを否定してはならないという考え方。ソーシャルワーカーによるクライエントへの直接的命令や行動感情の否定があってはなりません。

3:意図的な感情表出

クライエントの抑圧されやすい否定的な感情や独善的な感情などを表出させることを保障する考え方。

4:統制された情緒的関与

クライエント自身の感情に左右されずに、ソーシャルワーカー自身がクライエントの心を理解し、自らの感情を統制して接していく事が重要。

5:非審判的態度

クライエントの行動や思考に対して、批判したり、判断したりしないこと。

6:利用者の自己決定

自らの行動を決定するのはクライエント。

7:秘密保持

クライエントの個人的情報・プライバシーは絶対に他方にもらしてはならない。

 

問題 30 集団援助技術の視点に立ったグループ活動の支援過程に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 サブグループの存在は認めるべきではない。

2 グループワークでは、メンバーを個別化して支援する。

3 メンバー間で傷つけ合うような状況が見られても、メンバーの行動に制限を加えない。

4 参加動機が明確でない利用者は、グループのメンバーになることができない。

5 グループの活動内容は、援助者が決定すればよい。

解答2

1:×サブグループというのは、一つの集団の中でさらにできあがる仲良しグループのようなものです。過去問でも同じような問題がありましたので紹介します。

→11 集団援助技術(グループワーク)で集団化の過程で,サブ・グループが発生したとき,早期に解散するように指導して,分派的行動を防ぐ必要がある。→解答は×

グループワークのはじめの段階は知らないもの同士が集まりバラバラな状態であることをまず考えておかなければなりません。最初は少人数のサブグループができあがります。それが、プロセスを経るに従ってだんだんとメンバー同士が仲間意識をもち、一つへとまとまっていくことがグループワークにおいて望ましいと言われています。従ってこの設問は間違いということになります。

2:○グルーワークについても、個人の個別化やグループの個別化を尊重しながらの支援が必要となります。 

3:×メンバー間での争うようなことがあれば制限をすることが必要となってきます。

4:×最初は明確な目的の参加であっても、グループに属してから動機付けが出来てくることもあるので参加を拒否することは不適切です。

5:×援助者が決定するのではなく、グループの決定が最大限尊重されなければなりません。

問題 31 社会福祉援助技術の関連援助技術に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 ネットワークは、保険・医療を除く社会福祉分野のサービスを組織化することをいう。
2 ケアマネジメントは、利用者の生活ニーズと適切な社会資源を結ぶことをいう。

3 スーパービジョンは、他領域の専門家から助言や示唆を受けることをいう。

4 カウンセリングは、非言語的コミュニケーションを必要としない。 
5 コンサルテーションは、業務について上司から指導、援助を受けることをいう。 

解答2

1:×ネットワークは、利用者を中心とした医療・保険・福祉分野などのフォーマルあるいはインフォーマルな支援関係網のことをいいます。

2:○その通りです。利用者さんもそうですが、その家族に対しても、必要なニーズと社会資源を結び付けることを意味します。

3:×違います。この説明はコンサルテーションの説明ですね。スーパービジョンとは、スーパーバイザー(指導する者)とスーパーバイジー(指導を受ける者)との関係において、必要な援助を受けることを意味します。例えば、介護主任が、介護員に対して介護技術に関してアドバイスを行う・・これもスーパービジョンの一つですね。

4:×違います。カウンセリングとは、言語的及び非言語的コミュニケーションを通して、援助者に対して良い方向へ向かうように行動の変容を試みるものです。

5:×違います。業務について他領域の専門家から助言や示唆を受けることをいいます。

(社会福祉援助技術(演習を含む。)・事例問題)

 

クラブ活動に関する次の事例を読んで、問題32から問題34までについて答えなさい。

 

(事例) 

介護老人福祉施設U苑のK介護福祉士は、手芸クラブに参加するいつものメンバー(女性6名)に声をかけ、去年知事賞を受賞した作品展への出展に向け

活動を始めた。欠席するメンバーもなく取り組みは積極的であった。ところが活動半ばころから個々のメンバーに対する不平不満の声が聞こえてきた。

丁寧な作業ぶりだがペースの遅いLさんへの批判にK介護福祉士は戸惑い、対応できずにいた。不満は解消されなかったが何とか一緒に作業を続けてきた。

出展時期が迫ってきたところ、メンバーの不満の矛先が最も熱心に参加し強引なリーダーシップを取るMさんに向けられてきた。Mさんの威圧的口調は

気になったが作品の完成にかかせない存在なので、この場面でもメンバーの不満に対処できずにいた。出展作品の完成後、クラブ活動は休止したままになっている。

問題 32  手芸クラブを準備し活動を開始する段階でK介護福祉士が配慮すべき事項に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 グループ活動の計画は、K介護福祉士が中心となって作成する。

2 「波長あわせ」では、利用者にどのような活動を提供できるかを、施設、機関、の責任者に伝えなければならない。

3 手芸クラブに参加しているいつものメンバー以外には、参加を呼びかけない。

4 去年も行なったグループ活動であり、今回は施設の承認は得なくてもよい。

5 活動の目的は、作品を作り上げることだけではなく、どのようなプロセスで作っていくかにある。


解答5

1:×計画はメンバーが中心になっておこなうもので、K介護福祉士の役割はサポートに徹することが必要です。(注意:計画についてはメンバーと援助者が共同で作成する・・でも間違いではない)

2:×「波長あわせ」とは、援助者(K介護福祉士がメンバーの生活状況、感情、ニーズ等について理解し活動できるかを把握するものであるが、このことについてまで施設、機関、の責任者に伝える必要はありません。

3:×K介護福祉士は手芸クラブのメンバー以外での参加希望者に対しても参加を呼びかけることが大事です。興味を抱いている人にとっては、それが自己存在感や生活意欲を高めていくことになりますからね。

4:×間違いです。去年おこなった計画だから承認が必要ないという認識でいると、協力関係が希薄になり、適切な組織の援助をうけることができないこともでてきます。グループワークによる効果的な援助が遂行されるよう活動の意義や具体的な効果を説明し施設側(管理者等)の承認をえておく必要があります。

5:○グループワークでは活動の結果、つまり作品を作り上げることよりも、活動がどう展開されていくかという過程の方が重要であるとさえrています。さらにこの理由を知りたいかたは参考書などで確認してください。

問題 33  手芸クラブ活動中におけるK介護福祉士の介入のあり方に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 各メンバーの感情を共感的に受け止める。

2 Lさんを呼んで、他のメンバーの不満を伝え、態度を改めるよう求める。

3 出展時期が迫っている段階なので、Mさんの行動は見守る。

4 Mさん以外にリーダー役が作れない場合、手芸クラブを中止する。

5 活動が継続中なので、介入は行なわない。


解答1
1:○グループワークの原則でよく試験にでてくる問題です。集団援助技術(グループワーク)ではメンバー一人ひとりを在るがままに受容するとともに,メンバー間で相互に受容しあえる状況をつくり出すことが大切です。

2:×メンバー個々に能力の差があって当然です。そのことを念頭にK介護福祉士はたのメンバーの不満を伝えペースの遅いLさんに早いペースでやるようにもとめることは個々人の能力の差を認めるという個別性の原則に反するものです。

3:×手芸クラブはメンバー同士が葛藤状態にあるが、集K介護福祉士はMさんに問いかけながら出展にむけた,援助をする。

4:×クラブを中止するかどうかの判断は援助であるK介護福祉士が単独で判断することではなくメンバーも含めて話し合われなければなりません。

5:×活動が継続中でも援助者として、解決策を待たず積極的に介入をおこなうことが必要です。

問題 34  手芸クラブ活動の休止中に、K介護福祉士が配慮すべき事項に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 休止中なので、活動を評価する必要はない。

2 活動の再開に向け今後の方針について、Mさんの意見を尊重する。

3 今後の活動について、メンバーが話し合える場を用意する。

4 活動が終結したと判断し、グループを解散させる。

5 今後のグループ活動については、生活相談員(社会福祉士)に引き継ぐ。

 

解答3

1:×休止中であっても、活動についての評価は継続して行うことが原則となります。

2:×Mさん一人の意見を尊重しても、グループとしての意見として集約されなければ意味がありません。

3:○その通りです。グループの今後のありかたの問題についてはグループが一同に集まって話し合える場が必要ですね。

4:×K介護福祉士が勝手にメンバー不在の中でグループ活動の終わりに関与してはいけません。

5:×解説については考慮中

参考

集団援助技術(グループワーク)の展開過程は、準備期、開始期、作業期、終結期の4段階に分けられます。準備期から終結期までの4過程で一周期としますが、援助者は、継続する毎回の集団援助活動にもこの4段階があることを忘れてはなりません。集団援助活動のために充分な準備をし、円滑な開始をし、その回に出てきた問題や過大のための作業を行い、最後に次回の活動を考えてのまとめをして、終結にいたります。


第22回  レクリエーション活動援助法

問題35  国際生活機能分類(ICF)の考え方に基づいたレクリエーション活動援助に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 現在行なっているレクリエーション活動を重視すればよい。

2 「参加」は、地域行事への参加を促すことで達成できる。

3 レクリエーション活動を増やす為には、環境因子を整えればよい。

4 レクリエーション活動援助の目的は身体能力の向上を目指すことである。

5 レクリエーション活動のニーズは、本人の生活歴や現在の生活状況から把握する。

解答5

1:×現在行っているレクリエーション以外に利用者個々のニーズや興味、意思なども重視して実施することが望ましいです。

2:×参加を促すだけで達成はできない。その前に参加を疎外する要因となっているものを取り除く活動も大切となってきます。

3:×環境因子とともに個人因子(個人的な特徴の影響力)も整えなければいけません。
4:×単に身体能力の向上だけでなく、やり甲斐や生き甲斐を得ていくことも大切な目的となります。

5:○活動のニーズは本人をアセスメントすることからはじまりますからね。正解!

 

問題36 レクリエーション活動援助のプロセスに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。 

1 援助プロセスは、事前評価、計画策定、実施、評価で構成される。
2 事前評価では、日常生活全般に対する欲求を探索する。

3 事前評価では、基礎生活、社会生活、余暇生活についてアセスメントを行なう。

4 計画策定では、援助者の方針を優先させる。

5 実施では、計画に沿って援助者は利用者と直接的又は間接的にかかわる。


解答4

1:○正解です。よく試験にでてきますので頭にいれておいてください。援助プロセスは@アセスメント(事前評価)A援助計画の作成B計画の実施C評価・反省というプロセスをたどります。

2:○このまま覚えること。

3:○このまま覚えること。

4:×援助者の行為を優先するのではなく利用者の主体性を尊重することが大切です。

5:○直接的に関わるというのは、そのレクリエーションに支援者自体が参加しかかわるということ。間接的にとは、その場のレクリエーション活動に参加しなくても、金銭的あるいは物品の提供をするなどの行為がそれにあたるのではないかと思います。


問題37 次のうち、レクリエーション活動援助を総合的に評価するに当たり、最も重視すべきものとして、適切なものを一つ選びなさい。

1 援助者の実施満足度 

2 時間的・経済的効率性
3 家族の満足度

4 利用者のQOL

5 利用者のADL

解答4

1:×援助者の満足度よりも利用者さんの満足度がより評価されなければなりません。

2:×レクリエーション活動の評価の中には、もちろん時間的・経済的効率性もはいるが最も重視すべきものには該当しないと思います。

3:×家族の満足度よりも利用者さんの満足度がより評価されなければなりません。

4:○設問に最も重視すべきものとあることからレクリエーション援助の評価の重視については、レク活動から得られる生活の質(QOL)ということになろうかと思います。

5:×利用者のADLよりも利用者が望むのはレク活動から得られる生活の質(QOL)であるのでそれが総合評価の重視されるべきポイントとなります。

 

 

(レクリエーション活動援助法・事例問題)

 

次の事例を読んで、問題38から問題40までについて答えなさい。

 

{事  例}

 

Nさん(72歳、女性、要介護3)は29歳で結婚、30歳で息子を出産直後に、夫を交通事故で亡くした。その後、市営住宅に移り息子と二人暮らしをしながら、工場で部品製造のパートで生計を立てた。そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった。網膜色素変性症のため、50歳ごろから次第に視力低下が進み、60歳で全盲になり、仕事を辞めた。

3年前、食欲不振、脱水の症状で体調を崩し、その後ぼんやりする事が多くなり、火の後始末や身の回りのことが出来なくなってきた。息子の縁談もまとまったが、「迷惑はかけられない」と1年前、

養護盲老人ホームに入所。その後次第に息子の名前も分からなくなってきた。息子の訪問も疎遠になり、さんは家に帰りたがっている。最近夜間、一人でぶつぶつ言いながら、つたい歩きをするようになった。

 

問題38 次のうち、Nさんの状況から考えられるものとして最も適切なものを一つ選びなさい。

1 感染症
2 認知症
3 糖尿病

4 パーキンソン病

5 胃潰瘍

 

解答2

1:×

2:○「火の後始末や身の回りのことが出来なくなってきた」、「次第に息子の名前も分からなくなってきた」との記述から判断すると認知症が疑われるということが最も適切と思われます。

3:×

4:×

5:×



問題39 レクリエーション活動援助におけるさんへの働きかけに関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 庭に出て季節の野菜に触れるように勧める。

2 ジグソーパズルを勧める。

3 部品の組み立てを勧める。

4 クラシック音楽の鑑賞を勧める。

5 息子の婚約者に会いに行くことを勧める。

解答1

1:○「そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった…」とあるので、庭に出て季節の野菜に触れるように勧めることは適切ですね。

2:×「そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった…」とあるのでジグソーパズルが最も適切とはいえません。

3:×「そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった…」とあるので部品の組み立てが最も適切とはいえません。

4:×歌謡曲を口ずさむことが楽しみだったのに、クラシック音楽を進めてもレクリエーション活動の援助としてはふさわしくありませんね。

5:×現在、息子さんの名前もわからなくなっている状況で、婚約者とあっても援助の意味があるとは思えません。従って間違い。

 

問題40 生活意欲の向上へ向けたさんへの声かけに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 「買い物に行って見ませんか」

2 「息子さんを誕生会に招待してみませんか」
3 「カラオケで歌ってみませんか」
4 「散歩に出かけてみませんか」
5 「車いすに乗ってみませんか」

解答5

1:○

2:○

3:○

4:○

5:×事例の設問に「Nさんは家に帰りたがっている。最近夜間、一人でぶつぶつ言いながら、つたい歩きをするようになった。」とあり歩くことに意欲があるにもかかわらず、車いすをすすめては生活意欲の向上にはつながりません。従って間違い。

 

第22回  老人・障害者の心理

 

問題41 発達理論に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 エリクソン(EriksonE.)は、「発達段階説」を唱えた。
2 ワトソン(Watoson.J.)は、「成熟優位説」を唱えた。
3 シュテルン(Sern.W.)は、「学習優位説」を唱えた。
4 ピアジェ(Piaget.J.)は、「輻輳説」を唱えた。
5 ゲセル(Gesell.A)は、「相互作用説」を唱えた。

解答1

1:○エリクソンは人生を下記の8つの段階に分けて、人間の発達は前段階の発達課題の達成の上に次 の段階に進むと考えました。 1.乳児期2.幼児期前期 3.幼児期後期 4.学童期 5.思春期・青年期6.成人期初期 7.成人期(壮年期) 8.老年期・・いままで何度も試験にでている問題ですね。

2:×成熟優位説」を唱えたのはゲゼル(Gesell.A)で成熟とはある発達的変化を引き起こす心身の状態で, 成熟前の教育や訓練は効果をあげられないとする説です。

3:×「学習優位説」を唱えたのはワトソンです。この学習優位説 (環境説、経験説)とは. 人間の示す諸形質は、環境の影響を受けながら漸成的に形成されるとするものです。

4:×「輻輳説」を唱えたのはシュッテルンで、発達には遺伝と環境の両方が必要という説をです。

5:×「相互作用説」を唱えたのはサメロフで、発達には遺伝も環境も影響するとしていますが特徴的なのは、親が子へ影響を与え、その影響で変化した子が親へ影響をあたえるという相互の関係を述べています。.


問題42 老化が及ぼす心理的影響に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 老年期には、自我同一性の確立が顕著に現れる。

2 喪失体験を引き起こす原因の一つに定年退職がある。

3 経験や体験に基づく流動性知能が高まる。

4 感覚記憶から送られた情報は、半永久的に保持される。

5 老いを自覚することにより、他方への積極的な交流が増える。

解答2

1:×自我同一性とは、「自分とは一体何か」「自分は何になりたいか」ということであり、このことを確立することが青年に課せられています。ですから老年期とあるのは間違い。

2:○老年期にはいろんな喪失体験をします。退職により仕事がなくなる。配偶者や友人が死んでいなくなる。従って正解です。

3:×流動性知能とは、新しい状況への適応や、これまでに出会ったことのない問題への対処をする際に用いられる能力のことですが、老化とともにこの能力は減退してきます。

4:×間違いです。感覚記憶とはほんの一瞬の記憶です。ですから直ぐに忘れてしまう記憶です。このさいですから記憶の種類を覚えておきましょう。

1 感覚記憶:

2 短期記憶:短期記憶は、10秒ぐらいの短い記憶です。数字でいえば、普通7つ前後しか覚えられません。

3 長期記憶:覚えてはすぐに忘れ、また覚える。こうして繰り返していくうちに、もう忘れなくなります。これが長期記憶です。

5:×全てのお年寄りに共通するわけではありませんが、多くの場合、老化を自覚するとともに、積極的な交流は少なくなっていきます。


問題43 高齢期のうつとその対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 身体症状とうつ病は関連性が少ない。

2 自殺につながる危険性は少ない。

3 意欲を高めるように周囲が励ます。

4 症状の回復後、仕事や家事への早期復帰を促す。

5 疲れたら休息を促し様子を見る。

解答5

1:×高齢者のうつ時の身体的特徴として不眠、倦怠感、食欲不振、めまいなどの身体症状があります。

2:×うつと自殺との関係はすごく密接です。うつは自殺に結びつきやすいので要注意です。

3:×うつ状態の時には励ましは禁物ですね。

4:×うつの高齢者には症状が回復しても、早急にいろんなことを勧めてはいけません。

5:○その通りです。 うつ病の人がまずやるべきことは十分な休息をとることです。


問題44 施設における認知症高齢者の心理的安定を図るための対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 慣れ親しんだものより新しい便利なものを活用する。

2 居室の変更を頻繁に行なう。

3 食事では雰囲気作りより栄養摂取を優先する。

4 照明はできるだけ明るくする。
5 部屋の表示や目印を活用する。

 

解答5

1:×慣れ親しんだものを活用することにより精神面は安定するので配慮が必要です。

2:×認知症の症状として知能の低下や見当識障害(現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況把握ができない障害)などがあるので居室の変更を必要以上やらないほうがいいです。

3:×問題文が「心理的安定を図るための対応」とあるので栄養摂取を優先するよりは楽しい雰囲気の中での食事を優先することが大切ですね。

4:×一般的に照明が明るいことによって気分が高揚しますが、心理的効果として明るいことは落ち着こうとする場合には適しません。最も効果的なのは「ほの暗い明るさ」ですね。暗すぎる状態だと精神的に落ち込みやすくさせるので注意が必要です。

5:○認知症のかたは見当識障害(現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況把握ができない障害)があるので部屋の表示や目印があると気持ちが落ち着きやすい。

 

問題 45 事故等で手足を失った人の心理に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 幻視を感じる人の割合は、手足を失った人の50%以下である。

2 幻視は痛みを伴わない。

3 手足を失った事実の否認は、治療の受け入れを困難にする。
4 幻視は手や足が失われた直後に現れ、数週間で消失する。

5 ないはずの手足の存在を訴えるのは、同情を引くためである。

 

解答3

1:×幻肢とは切断後にも、まだあるかのように本人が感じる手足のことですが、手足を失ったほとんどの人は幻視を感じています。

2:×幻肢痛は切断してから、何ヶ月、何年後に起こってくるといわれています。ですから幻視は痛みを伴います。

3:○手足を失った初期においては、それを受け入れられないために、治療を困難にすることがあります。従って正解。

4:×幻視は手足が失われた直後におこらず、数ヶ月後、数年後を経ておきてきます。

5:×幻視の原因は十分に解明されていませんが、幻視を訴えるのは同情をひくためではないことは誰でも理解できますね。

 

問題 46 アルコール依存症に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 離脱症状は短時間で消失するので、生活に支障を生じない。

2 家族などの周囲が飲酒量の多さを指摘すれば、依存を認める。

3 依存に気が付けば、自分で飲酒量をコントロールできる。

4 セルフヘルプグループへの参加は、回復への支えとなる。

5 依存している場合でも、飲酒時の記憶は保持されている。

 

解答4

1:×アルコール依存症の離脱症状(禁断症状)は長期間続きアルコール摂取を中断したあとに、頭痛、不眠、イライラ感、発汗、手指や全身の震え(振戦)、眩暈、吐き気などがあります。また重度になってくると「誰かに狙われている」といった妄想や振戦せん妄、痙攣発作も起こるようになるので生活に支障を生じるようになります。

2:×周囲の人から指摘をうけてもお酒の依存から抜け出せないのがこのアルコール依存症の特徴です。アルコール依存症のかたは自分はアルコールに依存していないと強く否認するので「否認の病気」とも言われています。

3:×アルコール依存症になると自分の意志でお酒の量をコントロールできません。

4:○同じ問題を抱えて悩んでいる人々が一同に会して、自らの問題を率直に語り合い傾聴し合うことによって、お互いに癒され、励まし合って、問題を解決して行こうとする集まりをセルフヘルプ(自助グループ)といいますが非常に有効だとされています。日本では無名のアルコール依存症者達というA.Aグループや断酒会などがあります。

5:×飲み始めると自分の意志では止まらなくなって酩酊するまで飲んでしまい飲酒時の記憶はほとんど保持されることはありません。


問題47 心理検査に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 YG性格検査は、未完成の文章を完成させる検査である。

2 コース立方体組み合わせテストは、提示された図形を模写する検査である。

3 パウムテストは、実のある木の絵を描画する検査である。

4 改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、描画課題を含む検査である。

5 PFスタディは、インクのしみを見せて反応を見る検査である。

解答3

1:×YG性格検査(矢田部ギルフォード性格検査)は人の性格を形成する12の項目について強弱の状態を測定するしそれをグラフ化することでその人の特性を総合的に判定することができる性格検査です。未完成の文書を完成させる検査ではないので間違い。

2:×アメリカのコースが発表したもので各面が赤、白、青、黄、赤と白、青と黄に塗り分けられた13センチの立方体を組み合わせて、難易度順に並べられた17問の模様を作る知能検査です。図形を模写するテストではありません。

3:○その通りです。実のある樹木を書かせ,その絵に投影されたメッセージから,さまざまな心理状態を読み解こうというものです。

4:×この長谷川式スケールは、被験者への口頭による質問により、短期記憶や見当識(時・場所・時間の感覚など)、記名力などを比較的容易に点数化するものです。評価結果については、合計点数30点満点中20点以下が「痴呆症疑い」と判定されます。この設問にあるように描画課題は含まないので間違いということになります。

5:×インクのシミでその人の心理状態を解き明かすというテストはロールシャッハテストによるものです。従って間違い!

 

問題48  箱庭療法に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 知能検査として使われることが多い。
2 作業の途中で助言しながら進めていく。

3 対象は子供である。
4 箱庭を作ることで退行が起きる。
5 箱庭を作ることがストレスや不安につながる。

 

解答4

1:×知能検査ではなく心理療法として活用されています。

2:×基本的には作業中は自由に見守られながら表現することが重要であるといわれているので、間違い。

3:×昔は子供が対象でしたが現在は成人の治療にも使用されます。

4:○退行とは人が、現状より以前の発達段階に逆戻りすることをいいますが、このことによって抱えている問題を明確にできると考えられています。

5:×箱庭という枠に守られることによって安心して隠していた自らの世界を造り出すことができ、押さえつけられていたこころが解き放たれて、本来持っているこころを取り戻すことができるという効果があります。

参考

箱庭療法は、心理療法の一種で、箱の中にクライエントが、セラピストが見守る中で自由に部屋にあるおもちゃを入れていく手法です。

第22回  家政学概論

 

問題49 家庭生活に関連する法制度についての次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 「児童虐待防止法」では、保護者以外の同居人による虐待は児童虐待には該当しないと規定している。

2 「DV防止法」では、夫婦間の暴力に対しては他者が介入できないとしている。

3 民法では、直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があるとしている。

4 「高齢者虐待防止法」では、高齢者の財産を不当に処分しても高齢者虐待には該当しないと規定している。

5 成年後見制度では、民法における相続人の中から後見人を選択することとしている。

 

(注) 1 「児童虐待防止法」とは、「児童虐待の防止等に関する法律」のことである。

    2 「DV防止法」とは、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」のことである。

    3 「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養後者に対する支援等に関する法律」のことである。

解答3

1:×「児童虐待防止法」での虐待者は、法律的では児童の保護者=「親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう」となっているので、同居人による児童虐待は該当することになります。

2:×法律では、配偶者からの暴力を受けている者を発見した者、または医師その他の医療関係者は業務を行うなかで配偶者からの暴力を発見したときは、配偶者暴力相談支援センター又は警察官に通報するよう努めなければならない。 …とされているので他者は介入できることになります。

3:○民法では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。」としています。また 特別の事情があるときは、「三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。」としているのであわせて覚えておきましょう。

4:×経済的虐待に該当します。

5:×民法における相続人のほかにも、裁判所が別に最適任と考える者がいれば、その者が成年後見人として選任されることになります。

 

問題50  牛乳に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 牛乳のカルシウムと小魚のカルシウムの吸収率は、ほぼ等しい。

2 牛乳は殺菌後20℃以下で保存する事が定められている。 

3 牛乳に用いた加工食品は、牛乳が含まれていることの表示が義務づけられている。

4 加熱した牛乳表面に生じる皮膜は、乳糖の変性によるものである。 

5 ロングライフ(LL)牛乳は、開封後も室温で保存できる。

 

解答3

1:×ある文献によると、牛乳・乳製品の吸収率は約50%。小魚は約30%、野菜(青菜)は約18%です。従って牛乳と小魚のカルシウム吸収率がほぼ等しいというのは間違い。

2:×牛乳の保存方法は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」で、10℃以下で冷蔵保存するよう定められています。従って20度以下で保存というのは間違い。

3:○その通り覚えましょう。

4:×乳糖の変性ではなく、タンパク質の変性により皮膜が生じます。

5:×ロングライフ(LL)牛乳は未開封の状態で長期間(3か月間程度)常温保存可能とされています。開封後、室温で保存すると劣化するので冷蔵庫保存にするのが望ましいです。

 

問題51  油脂の劣化に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 豚脂・牛脂は、魚油よりも劣化しやすい。
2 直射日光下で劣化が促進される。
3 劣化は加熱温度に影響されない。 
4 油脂の劣化が原因で食中毒が発生することはない。
5 油脂は劣化すると粘度が低くなる。

 

解答2

1:×魚油は豚脂・牛脂にくらべ二重結合の数が多い不飽和脂肪酸が多いのでくきわめて酸化しやすいです。

2:○直射日光はもちろんのこと、高温度、空気のとの接触が多いと劣化が促進されるので注意が必要です。

3:×劣化は、油脂にかける温度が高いほど、また、光の量や空気のと接する割合が高いほど劣化しやすいです。

4:×油脂の劣化は栄養価値が低下し、さらに酸化が進むと毒性が強くなり食中毒を引き起こすことがあります。
5:×新しい油脂は粘性がないのですが、劣化するとだんだん粘度がtかくなります。

 

問題52  「日本食品標準成分表 」による調味料100g当たりの食塩相当量に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 穀物酢は3.0gである。

2 みりん風調味料は2.0gである。

3 淡色辛みそは6.0gである。

4 こいくちしょうゆは8.0gである。

5 うすくちしょうゆは16.0gである。

 

解答5

1:×食塩相当量は0.0gです。

2:×食塩相当量は0.2gです

3:×食塩相当量は12.4gです

4:×食塩相当量は14.5gです

5:○食塩相当量は16.0gです。こいくちしょうゆのほうが食塩相当量が多いと勘違いされるかたが多いので注意ですね。

 

問題53   次の食品の内、嚥下障害のある高齢者にとって最も注意が必要なものを一つ選びなさい。 


1 豆腐のあんかけ

2 煮こごり

3 バナナペースト

4 カステラ

5 アイスクリーム

 

解答4

1:×

2:×

3:×

4:○パン,カステラなどは,いったん唾液と混ぜ合わされると粘性の高い,ベタッとした食隗となるので嚥下障害がおきやすいです。

5:×


問題 54   洗濯とアイロンがけに関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 綿の洗濯は、中性洗剤が適している。

2 レーヨンの洗濯は、酸素洗剤が適している。

3 ポリエステルの洗濯は、短時間での脱水が適している。

4 麻のアイロンがけは、低温が適している。

5 絹のアイロンがけは、高温が適している。

 

解答3

1:×綿の洗濯は一般的に弱アルカリ洗剤が適していると言われています。

2:×レーヨンの洗濯は縮むことを防ぐために、あらかじめ洗面器などに中性洗剤を入れて洗濯液を用意、すすぎ用の水も用いして2分以内程度で素早く終了させることが大事です。

3:○その通りです。ポリエステルは、しわになるとアイロンでも取れにくいので、 ドライや弱洗いで洗い、最後の脱水を1.2分くらいにして水がしたたる位でやめておくのがいいのです。

4:×麻のアイロンがけは、半乾き状態または湿気を十分に与えてから、高温で強めにかけます

5:×中温が適しています。

参考 アイロンの温度

高温(180度〜210度)

・綿

・麻

中温(140度〜160度)

・毛、絹

・ポリエステル

・ナイロン

・アクリル

・レーヨン

・アセテート

低温(80度〜120度)

・ポリウレタン

 

問題 55 片麻痺のある在宅高齢者の転倒予防に配慮した住環境に関する次の記述のうち最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 夜間の移動に配慮して、足元に光源を設ける。

2 立ち上がりのために、床と水平な手すりを設ける。

3 麻痺のある側に広く空間を取るように、ベッドを配置する。

4 床からベッドのマットレス上部までの高さを、60cm程度にする。

5 敷居の段差を、じゅうたんで覆って解消する。

解答1

1:○説明は不要ですね。

2:×水平な手すりよりも垂直な手すりのほうが立ち上がりやすいです。

3:×麻痺のあるほうよりも、健側のほうに広いスペースをとったほうがいろんな動作を容易にしやすいはずです。

4:×床からベッドのマットレス上部までの高さは、その高齢者がしっかり床に足底をつけらえ安定して座れる高さが望ましいです。

5:×段差を、じゅうたんで覆っては段差が不明瞭でつまずきやすいので注意が必要です。


問題56  高齢者や障害者の住環境に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 シルバーハウジングの生活援助員は、日常的な身体介護を主たる業務とする。

2 ユニット型特別養護老人ホームは、簡易な流し・調理設備を設けた共同生活室をユニット単位で整備する事が望ましい。

3 介護保険制度による、住宅改修費は、9割相当額が前払いで支給される。
4 「誰にとっても使いやすい」ユニバーサルデザインの考え方は、「障壁を除去する」バリアフリーの考え方より先に普及した。

5 特別寝台は、介護保険における福祉用具購入費の支給の対象となる。

  
解答2

1:×生活援助員の業務は、生活相談、安否確認、一時的な家事援助、緊急時の対応等のサービスを提供することにより、高齢者の在宅生活を支援することを目的とするものです。

2:○この通りに覚えてください

3:×介護保険制度による、住宅改修費は、9割相当額が後払い(後払いのことを償還払いといいます)で支給されます。また、対象となる工事費用の上限は、一人につき20万円です。

4:×1974年、国連の障害者生活環境専門家会議で「バリアフリー」が提案されました。また、ユニバーサルデザインの考え方は1990年代初頭、米国で社会的にも話題となった「ADA法:障害を持つアメリカ人法)」の議会通過を契機に起きてきたものです。ですから先に普及したのは「バリアフリーの考えかた」ということになります。

5:×特別寝台は、介護保険における福祉用具購入費の支給の対象外です。下記を参考にしてください。


参考

介護保険の対象となる貸与の福祉用具は下記の通り

1 車いす

2 車いす付属品

3 特殊寝台

4 特殊寝台付属品

5 床ずれ防止用具

6 体位変換器

7 手すり

8 スロープ

 9 歩行器

10 歩行補助つえ

11 認知症老人徘徊感知機器

12 移動用リフト(つり具の部分を除く。)

 

介護保険の対象となる購入の福祉用具は下記の通り

 1 腰掛便座 

2 特殊尿器 

3 入浴補助用具  

4 簡易浴槽

 5 移動用リフトのつり具の部分

第22回  医学一般

 

問題 57  神経系とその機能に関する次の組み合わせのうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 視床下部――――――記憶
2 延髄――――――――ホルモン分泌
3 下垂体―――――――呼吸
4 脛骨神経――――――手指の知覚
5 自律神経――――――心拍数調節

解答5

1:×視床下部の機能 自律神経機能や内分泌機能を制御し、生命維持機能に関る中枢の役割をします。記憶ではないので間違い。

2:×延髄は大脳や小脳と脊髄をつなぐ中継地点でありあらゆる身体の感覚情報や大脳の命令伝達が通過する神経回路の大動脈ともいえる部分です。ホルモン分泌とは関係なし。

3:×下垂体は体の状態を維持、調節するホルモンを分泌しています。下垂体に障害を生じるとホルモンの分泌異常が起こり様々な症状が現れます。問題文にある呼吸の働きに影響を与えるのは延髄です。

4:×脛骨神経は座骨神経の枝で下腿以下の運動・知覚をつかさどる神経です。従って手指の知覚には関与しません。

5:○その通りです。自律神経には、交換神経と副交感神経の2つがあり、互いに制御しあってバランスを保っています。 緊張しているときや興奮しているときは主に交感神経が働きます。つまり心拍数は増えます。リラックスしているときは主に副交感神経が働きます。つまり心拍数は減少します。


問題 58 次のうち、冠動脈硬化の4大危険因子として、誤っているものを一つ選びなさい。

 

1 高血圧
2 喫煙

3 飲酒

4 糖尿病

5 脂質異常症(高脂血症)


解答3

1:○下記参照

2:○下記参照

3:×下記参照

4:○下記参照

5:○下記参照

参考

心筋自体を養う血管が冠状動脈ですが、ここに動脈硬化が起こると冠状動脈硬化症といいます。冠状動脈が細くなると狭心症を、つまると心筋梗塞を起こします。この4大危険因子といわれているものが、高血圧、喫煙、糖尿病、脂質異常症です。飲酒は4大危険因子から外れますが動脈硬化の危険因子であることには変わりないので覚えておきましょう。

 

問題59  胃潰瘍に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 痛みは空腹時に多い。
2 便に鮮血が混じる。 

3 カンビロバクターが一因である。 
4 腹痛は心窩部に多い。 
5 手術療法が優先される。

 

解答4

1:×空腹時よりも、食事をした後に痛みがおこります。胃酸が爛れた胃壁を刺激するためにおこります。

2:×間違いです。胃潰瘍で便に血が混じる場合、どす黒い便が出ます。

3:×胃潰瘍の原因のほとんどが「ピロリ菌」とされています。ピロリ菌にかかると、まず、慢性胃炎となり、そのごく一部が慢性胃潰瘍などになります。カンピロバクターは肉料理の加熱不足などでおこる食中毒菌で胃潰瘍とはまったく関係がありません。

4:○腹痛は心窩部、つまり「みぞおち」あたりでおこります。

5:×ほどんどが手術をせずに薬で治療をするようになているので間違い!

 

問題60 次のうち、肺結核の症状としてまれなものを一つ選びなさい。

 

1 高熱
2 寝汗
3 全身倦怠感
4 やせ
5 咳嗽

解答 (一応1としておきますが保留。)  

1:×

2:○

3:○

4:○

5:○

参照:介護福祉士国家試験掲示板投稿記事より(湾岸署さんより)

<まれ>の定義は、きわめて珍しい症状の事でしょうか。たまには見られる症状でしょうか。高熱は本当にまれなんでしょうか。問い方に問題があるように思いました。

しかし@が正解ではないでしょうか。単純に答を出すだろうと考え、ボーナス問題のつもりだった可能性もあります。


問題61 高齢者に見られる排尿障害に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 腹圧性尿失禁は女性に多い。

2 薬剤による排尿障害はまれである。

3 男性では尿路の通過障害は少ない 
4 膀胱炎では、悪寒戦慄を伴う。
5 前立腺がんによるものは減少している。

 

解答1

1:○腹圧性尿失禁とは、咳やクシャミなどで、急に腹圧が高くなった時に尿が漏れてしまう状態をいいます。とくに中高年の女性に頻度の高い病気です。

2:×薬剤による排尿障害は膀胱、尿道、前立腺に分布する自律神経系に作用する薬剤によってよく起こります。しかし薬剤の使用を中止すれば排尿機能は回復します。

3:×前立腺肥大による尿路通過障害は男性で多く見られます。

4:×悪寒戦慄(おかんせんりつ)は急にがたがた震えだして、そのあと発熱がみられる状態を言いますがその原因は急性の感染症によるものが多いです。膀胱炎ではおきないので間違い。

5:×前立腺がんによる排尿障害は増加傾向にあります。

 

問題62 甲状腺機能低下症の特徴的な症状に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 寝汗をかく
2 活気がなくなる

3 動悸がする。
4 夜、眠れなくなる。
5 体重が減る。

解答2

1:×下記参照

2:○正解です。その他の症状として抑鬱感、寒気、疲れ等の症状があります。

3:×下記参照

4:×下記参照

5:×下記参照

参考
ごく軽い甲状腺機能低下症では、何の症状もないことがあります。もう少し甲状腺機能低下がひどくなると、衰弱や反応が遅くなる、抑鬱感、不活発、寒気、疲れなどを感じ始め、日常活動に興味を失うこともあります。


問題63  院内・施設内感染の拡大防止に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の保菌者の居室では、履物を交換する。
2 ノロウイルス感染症患者の嘔吐物は、塩素系消毒剤で消毒する。

3 非結核性(否定型)抗酸菌感染症の患者は、除圧制御ができる部屋に収容する。
4 インフルエンザ患者には、高機能(N 95タイプ)マスクを着用させる。
5 角化型(ノルウェー)疥癬患者は、個室管理しなくてもよい。

解答2

1:×メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSAは病原性や毒力自体は弱いため健常者に感染・発症することは少ないので、居室に入るときに履き物を交換する必要性はない。
2:○ノロウイルスに対して有効な消毒薬は、次亜塩素酸ナトリウムです。アルコール系消毒薬は効果がないので注意してください。

3:×非結核性抗酸菌と結核との大きな違いは非結核性(否定型)抗酸菌感染症ではヒトからヒトへの感染をおこすことがないことです。従って除圧制御ができる部屋に収容する必要はありません。

4:×余談ですが、「N」は耐油性が無いことを表し(Not resistant to oil)、「95」は試験粒子を 95% 以上捕集できることを表しているそうです。このタイプのマスクはインフルエンザに対してではなく結核、SARSに対して使われるマスクです。従って間違い。

5:×この疥癬は感染力がきわめて強いので個室管理が必要です。


問題64  老人性難聴の特徴に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 突然発症する。
2 通常片側性である。
3 音量を上げると明瞭に聞き取れる。
4 低音域が特に聞き取りにくい。
5 有効な治療薬はない。

解答5

1:×老人性難聴は年齢を重ねるごとに徐々に進行してきます。突発的に発症するものではありません。

2:×症状が現れるのは両側性で左右にあまり差がないのが特徴です。

3:×老人性難聴、いわゆる感音難聴は伝音声難聴とちがい内耳から聴覚神経の障害で起きるためにボリュームを上げても音がひずんで聞こえるので注意が必要です。

4:×老人性難聴では、高音域での聴力低下が顕著です。聴力の低下は高音域から発生し、徐々に会話音域、低音域へと広がっていきます。

5:○その通りです。このまま覚えてください。


問題65 次のうち、高齢者に見られる血管の特徴として、誤っているものを一つ選びなさい。

 
1 血管壁の肥厚
2 血管壁の硬化
3 内腔の狭小化
4 カルシウムの沈着
5 弾性繊維の増加

解答5

1〜3:○高齢者の血管では一般的に肥厚、硬化が起こり、内膜にコレステロールなどが沈着して血管の内腔が狭くなるなどの特徴があります。

4:○高齢者はビタミンDとカルシウムのとり方が少ないと、血管へのカルシウムの沈着が多くなり動脈硬化へとつながりやすい。

5:×血管は本来は弾力性のあるものですが、高齢化とともに脂肪や石灰が沈着したり、弾力のない線維が増えて動脈硬化の原因になったりします。

 

問題66 次のうち、廃用症候群として、誤っているものを一つ選びなさい。

1 静脈血栓症
2 骨祖鬆症
3 起立性低血圧
4 外反母趾
5 褥瘡

解答4

1:○下記参照

2:○下記参照

3:○下記参照

4:×外反母趾と言うのは足の親指が変形してしまい、普通は真っ直ぐでなければならないのに、小指の方に曲がってしまっている状態の事を指しています。廃用症候群とはまったく関係ありません。

5:○下記参照


参照
廃用症候群(生活不活発病)とは、安静状態が長期に続く事によって起こる心身のさまざまな低下等を指すものをいいます。

静脈血栓症
筋萎縮

関節拘縮

褥瘡(床ずれ)

骨粗鬆症

起立性低血圧

精神的合併症

括約筋障害(便秘・尿便失禁)

などが挙げられる。

問題67 「我が国の人口とその将来推計」に関する記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 全人口は、今後40年減少し続ける。
2 14歳以下の年少人口は、今後20年以内に増加に転じる
3 15〜64歳の生産年齢人口は、今後減少しない。
4 65歳以上の老年人口は、今後10年間は全人口の15%未満である。
5 65歳以上の老年人口が全人口に占める割合は、2025(平成37)年にピークを抑える。

(注)  「我が国の人口とその将来推計」とは、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(出生中位(死亡中位)推計)」(平成18年12月推計)のことである。

解答1

1:○その通りです。

2:×「現在の年少人口およそ1,800万人規模から、平成26(2014)年には1,500万人を割り込み、今世紀半ばにはおよそ750万人に達すると予測されていますので、増加に転じるというのは間違い。

3:×「中位推計の結果によれば、生産年齢人口は平成7(1995)年をピークに以後一転して減少過程に入り、平成422030)年には7,000万人を割り込み、平成622050)年には5,389万人に達する」とあるので減少しないというのは間違い。

4:×「老年人口の割合は平成122000)年現在の17.4%から平成262014)年には25%台に達し、日本人口の4人に1人が65歳以上人口となる。その後、平成292017)年に27.0%になる」との予測があるので、問4は間違い。

5:×「老年人口割合は低出生率の影響を受けて平成302018)年以降も上昇を続け、平成452033)年には30%台に達する。そして、その後も持続的に上昇が続き、平成622050)年には、35.7%の水準に達する。すなわち2.8人に1人が65歳以上人口となるものとみられる。」とあるのでピークはまだまだ先となるので間違い。

参照

こちらのサイト(http://www.ipss.go.jp/pp-newest/j/newest02/1/suikei_g.html)に国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(出生中位(死亡中位)推計)の概要が掲載されていますので参照してください。


問題68  難病対策に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 イタイイタイ病に対する研究体制の整備が契機となって「難病対策要網」が定められた。

2 がんは「難病対策要網」によって実施される対策の対象である。

3 特定疾患治療研究対象疾患については医療費の全額が公費で負担される。

4 地域保健法において、保健所の事業として難病対策が位置づけられている。

5 難病相談・支援センターが各市町村に整備されている。

解答4

1:×「難病対策要網」はスモンという薬害病に対する研究体制の整備が契機となっています。日本は重大な薬害問題を抱えてきましたがサリドマイドもその一つです。最近ではエイズなどがあげられます。

2:×癌、脳卒中、心臓病、精神病などのように別の対策がすでに あるものは、この「難病対策要綱」から除外されていますので頭に入れておいてください。

3:×間違いです。所得に応じた患者一部負担額を除いた額を公費負担します。そして対象となる医療は認定された疾患の治療として受けた医療に限られます。

4:○地域保健法の6条の保健所の事業の一つとして「治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病により長期に療養を必要とする者の保健に関する事項」というのがあるので正解!

5:×活動拠点として都道府県に 各1か所程度整備することを目標としています。従って各市町村に整備されてないので間違い。


第22回  精神保健

 

問題69  精神疾患患者の治療や社会復帰に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 社会生活技能訓練(SST)は、行動療法理論に基づいて行なわれる。
2 日常生活の管理は、患者に一任する。
3 長期入院治療後は保健所が介入しなければならない。
4 抗精神病薬は、統合失調症の症状があるときだけ服用する。
5 睡眠薬の内服は、病状を悪化させる。

解答1

1:○社会生活技能訓練は行動療法法理論に基づいた精神障害者の社会参加を促進するための認知行動療法の一つですから正解。

2:×地域で生活する精神障害者の日常生活の支援には精神障害者地域生活支援事業などがあり、そこで日常的な相談への対応や地域交流活動などが行われています。ですから患者に一任ということはありません。

3:×長期入院している人の退院を支援するために,2008年度から厚生労働省による地域移行支援事業がはじまりましたがこの事業は,地域移行推進員や地域体制整備コーディネーターを配置し,精神科病院と関係機関が連携をとりながら,精神障害を持つ人の地域生活への移行を推進するものです。したがって保健所が介入しなければならないというのは間違い。

4:×間違いです。主に統合失調症、躁状態の治療に用いられますが、それ以外にも幅広い精神疾患に使用されています。

5:×睡眠薬は一般的に一時的な不眠による寝つきが悪い、眠りが浅い症状の緩和に有効です。従って間違い

 

70  睡眠障害に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 睡眠障害の多くは遺伝性である。

2 早朝覚醒には、早い時間の就寝が有効である。
3 睡眠時無呼吸症候群は、痩せ型の人に多い。
4 不眠症は、うつ病では見られない。
5 加齢に伴い、不眠症は増加する。


解答5

1:×とある報道ニュースで「睡眠障害である「ナルコレプシー」に関係する遺伝子を東大研究チームが発見した。」などというのがありましたが、まだ十分に解明されたものではありません。睡眠障害の多くが遺伝性と言い切るところが間違い。

2:×朝早く目覚めてしまい、そのあと眠れないのが早朝覚醒です。だからといって早い時間の就寝が解決になるかというとそうではありません。その原因が鬱からくることもありますし体内時計が狂ってきていることも考えられるのでそれらの原因を明らかにして、それにあった対応をすることが大切だと思います。

3:×睡眠時無呼吸症候群には閉塞型睡眠時無呼吸症候群 や中枢型睡眠時無呼吸症候群などがありますが、閉塞型睡眠時無呼吸症候群は睡眠中の筋弛緩により舌根部や軟口蓋が下がり気道を閉塞することが主な原因となります。このタイプのかたは肥満者に多く減量などにより改善が必要になってきます。

4:×うつ病では初期の段階から不眠症状が現れることが多いです。特徴的なのは早朝覚醒があり眠りも浅くこと。また就寝後数時間で目が覚める中途覚醒も増えてきます。

5:○一般的に加齢とともに睡眠が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増加します。従って正解!


問題71 アルツハイマー型認知症に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1 意識障害がある。

2 知能障害がある
3 見当識障害がある
4 後天的障害である。
5 認知症の原因として最多である。


解答1

1:×意識障害とは、物事を正しく理解することや、周囲の刺激に対する適切な反応が損なわれている状態のことですが、認知症の病態として定義されていないので頭に入れておいてください。

2:○下記参照

3:○下記参照

4:○後天性障害というのは、生まれたときから存在する先天性の障害と違い、生まれついたあとで脳に起きたさまざまな器質性障害によりおこるものです。

5:○間違えて覚えている方が多いので注意してください。970年代では、認知症の原因疾患別の有病率は、脳血管性認知症がおよそ60パーセントで、アルツハイマー型認知症の2倍程度を占めていましたが、その後、脳血管性認知症の有病率が下がる一方で、アルツハイマー型認知症が増加し、現在ではアルツハイマー型認知症が5060パーセント、脳血管性認知症が約30パーセントと逆転しています。 


参考
アルツハイマー型認知症の症状は、記憶障害、見当識障害、学習の障害、注意の障害、空間認知機能、問題解決能力の障害、知能障害などがあります。重症度が増してくると摂食や着替え、意思疎通などもできなくなり最終的には寝たきりになります。脳血管認知症は段階的に進行(ある時点を境にはっきりと症状が悪化)しますがアルツハイマー型は徐々に進行します。また、アルツハイマー型は症状経過の途中で、被害妄想や幻覚が出現する場合や、暴言・暴力・徘徊・不潔行為などの問題行動が見られることもあります。

問題72  精神保健福祉制度に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 精神障害者の入院医療では、医療保護入院の形態が最も多い。

2 精神障害者の通院医療では、患者の自己負担は発生しない。

3 精神保健福祉センターは、精神保健福祉に関する複雑又は困難な相談を扱う。

4 保健所における精神保健福祉相談では、来所相談が最も多い。

5 精神障害は障害者自立支援法の対象となっていない。

解答3

1:×精神障害者の入院医療では任意入院が圧倒的に多いです。従って間違い!

2:×指定医療機関において、精神疾患の継続的な通院医療を行う場合に、 医療費の一部が公費で負担されます。 自己負担は原則1割です。従って自己負担があるので間違い!

3:○下記の参照にあるように、精神保健福祉センターは精神保健福祉に関する複雑又は困難な相談を扱うことになっています。

4:×来所よりも電話による相談が最も多いです。

5:×障害者自立支援法は、障害の種類(身体障害・知的障害・精神障害)にかかわらず、共通の制度により福祉サービスや公費負担医療を提供するものです。従って精神障害者はこの法律の対象となっています。

 

参考

精神病患者の入院形態

任意入院→本人の同意のもと入院する形式です。

措置入院→患者の条件としては、症状が重く、場合によって自分や他人を傷つける恐れ、などがある場合の入院形式です。

緊急措置入院→必ず72時間以内にもう1名の精神保健指定医による診察が必要ですが、緊急性が高い場合に精神保健指定医が1名の診察でも入院が可能な制度です。

医療保護入院→本人の同意が取れないため任意入院ができず、症状が重くない場合の強制入院ですが保護者の同意が必要です。

応急保護入院→保護者の同意が必要ですが、すぐに得られない場合に行われる強制入院です。

 

精神保健福祉センター

精神保健福祉法のなかで次のように規定されています。

第6条 都道府県は、精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進を図るための機関(以下「精神保健福祉センター」という。)を置くものとする。

2 精神保健福祉センターは、次に掲げる業務を行うものとする。

    1 精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及を図り、及び調査研究を行うこと。

    2 精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談及び指導のうち複雑又は困難なものを行うこと。     

    3 精神医療審査会の事務を行うこと。

    4 第32条第3項及び第45条第1項の申請に対する決定に関する事務のうち専門的な知識及び 技術を必要とするものを行うこと。



第22回  介護概論

問題73   介護福祉士の職業倫理に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 就寝時、利用者に添い寝をし、朝まで一緒に眠った。

2 研修会・学会における資料の利用者氏名は、匿名とした。

3 利用者の旧友から電話で問い合わせが合ったので、利用者の状態を話した。

4 勤務中に、携帯電話に私用メールがきたので返信した。

5 利用者の家族より、感謝の気持ちとして贈り物をいただいた。

解答2

1:×家族のかたが添い寝するならわかりますが、介護の職業人としては見守りが適切ではないでしょうか。

2:○プライバシー保護の観点から正解!

3:×介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た個人の情報を業務に関係ない人に漏らしてはいけません。

4:×勤務時間中に個人的なメールのやりとりは勤務時間中の職務専念規定からも外れることであり望ましくありません。

5:×利用料を払っていただいてるのに贈り物をいただくというのは問題がありますね。


問題74  息子の介護を受けている母親の腕に、つねられたようなあざを発見した訪問介護員の対応に関する記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 他にあざがないか観察した。
2 「大丈夫です」と言う母親の言葉を信じた。 
3 事業所の上司に相談した。
4 息子の母親へのかかわりを観察した。
5 息子に介護負担感について聴いた。

解答2
1:○

2:×身内のものに虐待を受けているケースでは、そのことを否定する傾向がありますから、「大丈夫です」という言葉があっても対策を考えなければいけません。

3:○

4:○

5:○

 

問題75  介護計画の立案に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 本人の今までの暮らしに着目する。
2 本人が望む生活の実現を目指す
3 介護従事者の意向を優先する。
4 家族の意向を反映する。
5 状況に応じて変更する。

解答3
1:○正解です。介護計画の立案にあたってはしっかりとした観察、アセスメントを実施して、その人に対するニーズを明確にしてから、具体的な計画を立てなければなりません。ですから本人の生活歴に着目することは大切なことです。

2:○当然ですね。

3:×介護計画は利用者のニーズを明確にしてから、具体的な計画を立てなければなりません。そのためには利用者や家族の意向が優先されなければなりません。

4:○家族や利用者の意向が反映されなければなりませんね。

5:○介護計画は決定したらそれをやり通すというものではなく必要に応じて柔軟に変更していくものです。


問題76 利用者が熱湯を下肢に浴びてしまった。介護従事者の行う応急処置に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 ズボンを脱がせる。

2 消毒をする。

3 水泡はつぶす。

4 軟膏を塗る。

5 水で冷やす

解答5

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○やけどに対する応急処置については第一に「水で冷やす」・・これだけは覚えておきましょう

 

問題77 服薬の介助に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 舌下錠は噛み砕いて飲む。

2 大きいカプセルは中身を出して飲む。

3 飲みにくい散剤はオブラートに包む。
4 食間薬は食事の最中に飲む。
5 帖付剤(血管拡張剤)は毎日同じ部位に貼る。

解答3
1:×噛み砕いたり、そのまま飲み込んでしまうと効果がありません。この薬は舌の下で溶かしている間に、口の中の粘膜から吸収されるようになっています。

2:×カプセル薬には胃に刺激のある薬や胃酸で分解してしまう薬などで胃で溶けずに腸に入ってから溶けるような加工をしてあるものあります。また,急に吸収されると作用が強過ぎる薬や,長時間作用させたい薬もあるので、かってに中身をだしてのんではいけません。

3:○オブラートは寒天と澱粉から作られた半透明の薄膜ですが、苦い薬を飲むときなど、飲みにくい散剤のときに包んで水とともに飲み込みます。

4:×食間薬とは食事のおよそ2時間後に飲む薬です。試験にはたまたま出てきます。覚えておきましょう。
食前 : 食事のおよそ30分前

食後 : 食事のおよそ30分後

食間 : 食事のおよそ2時間後

5:×


問題78 介護記録に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 筆記用具として、鉛筆を用いた。
2 行なった介護記録に、記録者の署名をした。
3 利用者が、施設を退所するときに、利用者記録を破棄した。
4 記録者の憶測を含めて、利用者の反応を記録した。
5 訂正、記録を修正液で消してから行なった。

解答2

1:×介護記録などの公的記録に鉛筆を用いることは、簡単に消すことができるので偽造や 改ざんを防止する観点から望ましくありません。

2:○介護記録の署名があることにより、介護に関する問題がおきたときに責任の所在を明確にすることができます。

3:×介護保険などの各サービスの「運営基準」には記録の規定がありますが「サービス完結の日から2年間保存しなければならない」という規定がありますので施設退所時に破棄してはいけません。

4:×憶測を含めた記録をすると、本当の記録にはなりません。あるがままを記録することが原則となります。

5:×修正液で消してしまうのは偽造や改ざんの防止の観点から望ましくはありません。


問題79  施設・団体等とその業務に関する次の組み合わせのうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 地域支援包括センター ――――――虐待防止とその早期発見
2 居宅介護支援事業所 ―――――――身体障害者手帳の交付
3 社会福祉協議会 ――――――――介護認定審査会の設置
4 地域活動支援センター ―――――――民生委員の任命

5 介護老人福祉施設―――――――――介護予防マネジメント 

解答1
1:○地域包括センターは介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関ですから正解!

2:×居宅介護支援事業所は居宅において介護保険で受けられる指定居宅サービス や特例居宅介護サービスなどの紹介、いろいろなサービスの調整、居宅支援 サービス費にかかる費用の計算や請求などを要介護者の代わりに行う 事業所です。身体障害者手帳の交付は福祉事務所が行いますから間違い。具体的な事業については下記のとおりですから参考にしてください。

1) 要介護認定申請の受付、申請書の提出 

2) 介護認定調査の実施 

3) 指定居宅介護サービス事業所、介護保健施設の紹介、福祉用具貸与、

    介護保険対象外サービスの紹介、その他の指定介護保険サービス

    提供事業所との連絡調整

4) 居宅介護サービス計画作成、サービス担当者会議で要介護者が受けるサービスの検討

5) サービス計画にもとづいたサービス提供の管理

6) サービスの再評価とサービス計画の練り直し

 

3:×介護認定審査会は市町村の設置となります。それが困難な市町村は当該業務を都道府県に委託することが認められています。社会福祉協議会ではないので間違い。

4:×民生委員は、都道府県知事又は政令指定都市若しくは中核市の長の推薦により、厚生労働大臣が任命(委嘱)します。地域活動支援センターは障害者自立支援法に基づくもので民生委員の任命などは行いません。

5:×介護予防マネジメントを行う機関は地域支援包括センターです。地域包括センターは介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関です


問題80  居宅介護における福祉用具の選定について、次のうち、介護福祉士の配慮すべき事項として、優先度の低いものを一つ選びなさい。

1 家屋の構造
2 家具の配置

3 利用者の身体状況
4 利用者の服薬状況

5 利用者の経済状況

解答4
1:○福祉用具の適否は家屋の構造に左右されるものがあるので配慮が必要です。

2:○福祉用具の選定にあたっては家具の配置や家屋の機能的な構造が大切となってくるので配慮が欠かせません。

3:○福祉用具は、心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障が.ある要介護者又は要支援者が使うものですから利用者の身体状況を把握することは必要です。

4:×福祉用具の選定と服薬状況との関連はなしですね。したがって間違い。

5:○自己負担がかかるので個別の利用者の経済状況を勘案することは大事です。

 

第22回  介護技術

問題81  利用者が「昨夜はよく眠れなかったの」と話しかけてきた。次の記述のうち、介護従事者の共感的な対応として、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 「たまには、眠れないこともあります」

2 「眠れないのは辛いですね」

3 見回りをした時には、寝ていらっしゃいましたよ。

4 「すぐ看護師に連絡をしておきます」

5 「しばらく寝ていた方がよいですね」

 

解答2

1:×利用者が「眠れなかった」と訴えているのに否定するような対応となっていますから間違い。

2:○共感的対応とは、相手の言いたがっていること、わかってほしがっていること、訴えたがっていることを、あるがままに受け入れ、そのうえでいたわりの気持ちを表すことが大切です。「辛いですね」と共感して述べるこの言葉は適切であろうと思います。 ...

3:×利用者さんの気持ちにそった返答になっていませんね。

4:×介護従事者に訴えているのに、その訴えを看護師に丸投げしては共感的態度以前の問題です。

5:×眠れなかった利用者に対して共感的な対応というより指示的な対応なので適切ではありません。

 

問題82  次のうち、体温上昇する要因として、適切でないものを一つ選びなさい。

 

1 食事
2 入浴
3 運動

4 睡眠
5 興奮

解答4

1:○食べた後に体温が上昇するのはその食物の一部をエネルギーを消費するためです。

2:○暖かいお風呂に入ると体温が上がる…常識ですが、このメカニズムを知りたいかたは自分で調べてください。

3:○運動して筋肉などを使うと基礎代謝量が増え、それとともに体温も上がっていきます。

4:×睡眠時には体温は覚醒時に比べて低下します。これは皮膚血管拡張や発汗による熱放散亢進の結果といわれています。

5:○体温は興奮・不安・ストレスなどによって上昇しします。



問題83  次のうち、介護保険制度の貸与の対象となる福祉用具として、正しいものを一つ選びなさい。

1 腰掛便座

2 簡易浴槽
3 歩行補助つえ
4 入浴用介助ベルト
5 移動用リフトのつり具

解答3

1:×下記参照

2:×下記参照

3:○下記参照

4:×下記参照

5:×下記参照

 

参考 暗記しておきましょう

介護保険法で貸与の福祉用具は下記のように定められています

 

1 車いす 

2 車いす付属品

3 特殊寝台

4 特殊寝台付属品

5 床ずれ防止用具

6 体位変換器

(つり具の部分を除く。)

7 手すり

8 スロープ

9 歩行器

10 歩行補助つえ

11 認知症老人徘徊感知機器

12 移動用リフト

 

介護保険法で購入費支給の福祉用具は下記のように定められています

1 腰掛便座

2 特殊尿器

3 入浴補助用具  

4 簡易浴槽

5 移動用リフトのつり具の部分


問題84  安定した姿勢を保持する方法に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 立位では、両足をそろえる。

2 椅座位(いざい)では、利き手側の肘掛に体重をかける。

3 つえを使った立位では、つえを身体に密着させる。

4 ベッドの端に腰掛ける座位では、足底面を床につける。
5 側臥位(そくがい)では、身体をまっすぐにする。 

解答4

1:×自分で試してみるとよくわかると思いますが、立ってるとき両足をそろえるより、少し足を開いて立ったほうが安定しますね。従って両足をそろえて立つのは間違い。

2:× 保留

3:×問題1とも関係しますが、立っているとき、両足をそろえて立つよりも少し足を開いて立ったほうが安定するのと同じように、立っているときは杖を体から少し離したほうが安定します。

4:○ベッドの端に腰掛ける時、足が浮いたような状態では非常に危険です。足底面が床にしっかりついていると体が安定することは言うまでもありませんね。
5:×側臥位(そくがい)とは横になって寝ている姿勢のことです。皆さんがそういうときに、体をまっすぐにして寝て安楽でしょうか?。体を「くの字」にしたほうがずっと楽ですよね。

 

問題85  高齢者の脱水の症状に関する次の記述のうち、適切ではないものを一つ選びなさい。

 

1 尿量が減少する。 

2 わきの下の湿り気がなくなる。

3 体温が低下する。

4 まなざしがうつろになる。

5 舌が乾燥する。 

解答3

1:○体から排出される水分量が増えたり、摂取する水分量が不足すると、体内の水分が減り、「脱水」が起きます。その時腎臓では濃い尿を作って尿量減らし、体内の水分が減らないようにします

2:○脱水状態になると、体の水分が減らないようにしますから、体の表面が乾燥状態になります。従ってわきの下の湿り気もなくなります。

3:×間違いです。脱水が生じると体温調節に障害がでて、体温の上昇を助長します。

4:○脱水症状をおこしかけると、目がうつろになり、表情もなくなります。正解!

5:○その通りです。

 

問題86  施設に入所中の利用者に下痢症状が見られた場合の介護に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

 

1 医療従事者に報告する。

2 水分摂取を制限する。

3 排便後、陰部洗浄を行なう。

4 腹部を冷やさないようにする。

5 食事内容を確認する。

解答2

1:○

2:×下痢症状が続くと、水分が体外に出て、その結果脱水をまねくので水分摂取を制限してはいけません。

3:○

4:○

5:○

 

問題 87 施設に入所中の利用者の衣服の着脱介助に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 入浴時に着替えればよい。

2 着替える前に体調を確かめる。

3 居室内のカーテンは開けておく。

4 仰向けの姿勢で行なうように勧める。

5 介護従事者の好みで衣服を決める。

 

解答2

1:×入浴後の着替えが原則です。

2:○解説は不要ですね。

3:×プライシーの尊重から外れますね。

4:×利用者さんが着脱できるところは残存機能を使ってもらうのが原則ですね。

5:×自己決定の尊重から外れますね。

 

問題 88 自分で体位変換ができない利用者の介助に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 痛みがあるので体位変換は行なわなかった。

2 眼を閉じていたので声をかけずに体位変換を行なった。

3 身体とマットレスとの間にできた空間はそのままにした。

4 今の状態を楽だと言ったので4時間後に体位を変えた。

5 利用者が心地よいと感じる体位にした。

 

解答5

1:×痛みがあるからといって体位変換をしないと、褥瘡ができてしまいます。間違い!

2:×目を閉じていても、寝てしまっているとはかぎりません。声をかけ、了解をとってから体位変換を行うのが原則です。

3:×すきまが出来たところにはクッションなどを差し込むと体が安定します。

4:×体位変換 は2時間ごとが一般的であるといわれていますから、4時間もそのままでは長すぎます。

5:○解説は不要ですね。

 

問題89  次のうち、高齢者の口腔ケアの目的として、間違っているものを一つ選びなさい。

1 唾液の分泌の抑制

2 口臭の改善

3 誤嚥性肺炎の予防

4 歯周病の予防
5 食欲の増進

解答1

1:×唾液の分泌を促進することにより咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)、発音機能などが維持・改善されるので、唾液の分泌を抑制してはいけません。

2:○口臭の原因としては口腔内でおきるものは歯周病、口腔内の乾燥、不潔な義歯、食べ物の残り物などがあるので、口腔ケアは大切となってきます。

3:○口腔ケアを実施することにより、摂食嚥下機能が高まることで誤嚥性肺炎を予防できます。

4:○歯周病は歯の表面につく歯垢によっておこる「歯の周りの病気」です。これを防ぐためには、口の中を清潔に保つための口腔ケアが大切になってきます。従って正解。

5:○口腔ケアをおこなうことで正常な味覚が保たれるので食欲増進や生活意欲の向上を促すことが期待できます。

 

問題 90 応急手当に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 低温やけどは、損傷部分を温める。

2 手からの出血は、出血部位を心臓より低くする。

3 骨折は、正常の位置に戻して固定する。

4 すり傷は、水道水で十分に洗い流す。

5 食物をのどに詰まらせたときは、まずハイムリック法を行う。 

解答4

1:×低温やけどは熱さや痛みをあまり感じないため、見た目よりもやけどの症状が重いことが多いです。応急手当としては、すぐに水道の流水で冷やしたほうがいいです。

2:×手から出血したときは、出血部を心臓より高くし心臓より高くし、血の出ているところを圧迫して出血を抑えます。

3:×骨の転位がなければそのままの状態で固定します。

4:○正解!。そのまま覚えてください。

5:×応急手当としてまず、背部叩打法を試みます。ハイムリック法はそれで効果がない時におこないますが、これは誤嚥した人を後ろから抱きかかえ、片手で握りこぶしを作り、みぞおちに当て圧迫して異物を除去する方法です。

 

問題91  介護の記録管理に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 介護記録の共有は、介護職員内にとどめる。
2 個人情報のデータベース管理には、パスワードを使う。
3 家族が情報開示を求めた場合、保管場所への入室を認める。
4 介護記録の保管の責任は、記録者にある。
5 ケースカンファレンスに出された介護記録は、個人管理とする。

解答2

1:×介護職員ばかりでなく医療職や他の職員が要介護者に関わる情報を共有し、協力して効率よく質の高い介護を行う必要があります。

2:○その通り。

3:×家族が情報公開を求め、認められた場合でも、他の利用者の記録が保管されている保管場所以外での開示とすること。

4:×保管の責任は記録の管理責任者となります。

5:×介護記録については個人が管理するのではなく記録が共有できるように記録の管理責任者の保管とすること。


(介護技術・事例問題1)

 

脳梗塞の後遺症がある利用者に関する次の事例を読んで、問題92から問題94までについて答えなさい。

 

{事  例}

 

さん(70歳、女性)は、5年前に脳梗塞となった。右片麻痺の後遺症があり、2年前から介護老人福祉施設に入所している。

移動は車いすを使用し日中はトイレ、夜間はポータブルトイレで介助を受けながら排泄し、失禁はなかった。娘が頻繁に面会に来ていたが、半年前からがんの治療のため、面会に来る事ができなくなった。そのころからEさんの活気がなくなってきた。食事はスプーンを使用し自立しているが、次第に食事量が少なくなってきている。もともと風呂好きであったが、最近入浴を拒みがちである。また、日中でもベッドで眠っている事が目立ち、行事への参加を促しても「いやです」と言う。


問題92 Eさんの日常生活支援の方針に関する次の記述のうち最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 食事は全介助で行なう。

2 日中の睡眠時には起さない。

3 入浴は勧めない。

4 排便後は陰部洗浄をする。

5 一人でいられる環境にする。

解答4

1:×食事はスプーンを使用し自立しているし右片麻痺の後遺症があるが、左手は使える状態なので全介助せず、残存機能の活用を行う。

2:×夜間のよい睡眠を作るためには、日中起きていてもらうための工夫が必要です。

3:×最近入浴を拒みがちとあるが、清潔保持の観点から入浴を勧めることは大切です。

4:○最近入浴を拒みがちとあるので、清潔保持の観点から排便後の陰部洗浄が必要となる。

5:×一人だけの環境におくことは、ますます活気がなくなり孤独感を感じるようになるので望ましくありません。

 

問題93 さんは最近、昼夜を問わず紙おむつを使用することを望むようになった。Eさんへの支援の方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1 紙おむつを使用する。

2 トイレへの誘導は意図的に行なわない。

3 就寝前の水分摂取を制限する。

留置カテーテルの使用について医療職と相談する。

5 排泄の間隔を観察する。

 

解答5

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○「日中はトイレ、夜間はポータブルトイレで介助を受けながら排泄…」とあるので、排泄の間隔を観察し必要と思われる時間帯に紙おむつを使用したほうがよい。


問題94  娘さんが来なくなり、さんは最近「生きていてもしょうがない」と言うことが多くなってきた。このようなさんへの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びましょう。

 

1 「元気出しましょうね」

2 「娘さんの病気が心配ですね」

3 「お風呂に入って気分転換しませんか」

4 「まず体の状態をよくしましょう」

5 「そんなこと言わないでください」

 

解答2

1:×

2:○

3:×

4:×

5:×

 

(介護技術・事例問題2)

 

次の事例を読んで、問題95から問題97までについて答えなさい。

 

{事  例}

 

 さん(75歳、男性、要支援2)は、70歳の時に脳梗塞で入院した。右片麻痺が残ったが、つえと補装具を利用して室内歩行が介助にて可能になり、3か月後に退院して自宅に戻った。

その後週1回の訪問介護を利用しながら、妻(70歳)と2人で生活をしている。さんは水分を摂取するとむせることが多い。また頻尿もある。自分で座位を保持でき、出された食事は自分でとることができるが、それ以外は介助が必要である。妻は腰痛の持病があるが、献身的にさんの介護に努めている。最近、訪問介護員が訪問すると、さんのトイレまでの介助を妻はかろうじて行っており、さんはベッドに臥床している状態が多くみられるようになってきた。

 

問題95  Fさんの起居・歩行介助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 立ち上がるときは、右上肢を介助者の肩に乗せる。
2 立ち上がるときは、補装具を着用する。

3 立ち上がるときは、体幹を十分に前屈させる。

4 歩行の時は、つえ→右足→左足→の順に出す。

5 歩行の時は、Fさんの右側から介助する。

 

解答1

1:×問題文に「右片麻痺が残ったが、…」とあるので、右を肩に乗せた場合は転倒してしまう危険性があります。立ち上がるときの介助は健康側の右上肢を肩に乗せること。

2:○

3:○

4:○

5:○

 

問題96  次のうち Fさんのおやつとして、適切なものを一つ選びなさい。

1 にんじんスティック

2 清涼飲料水

3 とうもろこし

4 プリン

5 ピーナッツ

解答4

1:×

2:×

3:×

4:○問題文に「さんは水分を摂取するとむせることが多い。」とあるので嚥下しやすい(飲み込みやすい)プリンが最も適していますね。

5:×

 

問題97 最近になってFさんの妻が、「夜、何度もトイレに呼ばれて大変。持病の腰痛も悪化するし、疲れもたまって介護がつらい」と訪問介護員に訴えるようになった。

訪問介護員の妻への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

 

1  「訪問介護の訪問日数を増やしましょうか」

2  「夜は、おむつをするようにしましょう」

3  「夜、大変なので昼の介護はしなくていいです」

4  「そのうち腰痛もよくなりますから頑張りましょう」

5  「他のサービスの利用などケアマネジャーと相談してみてはいかがですか」 

 

解答5

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○訪問介護員としてサービスの提案できるのはケアマネージャーですからこれが正解です。

 

(介護技術・事例問題3)

 

次の事例を読んで、問題98から問題100までについて答えなさい。

 

{事  例}

 

さん(85歳、女性)は、夫(88歳)との2人暮らしである。子供3人はいずれも独立して県外に住んでいる。3か月ほど前に玄関先の段差につまずき転倒した。左大腿骨頚部骨折と診断され

入院し、手術を受けた。その後の経過は順調で、車いすでの自走ができるまでに回復した。何かにつかまれば2m程度なら歩行できる。ベッド横でポータブルトイレを使用して、一部介助で

排泄している。食事や衣服の着脱、歯磨きも座った状態であれば一人でできる。「家に帰り夫の食事をつくりたい」というさんの強い要望で、退院した。夫は「また転ぶのではないか」と思っている。

退院前に、週2回の訪問介護サービスが計画された。


問題98 退院後3日目に、訪問介護員が初めて訪問した。さんはパジャマ姿で寝たままの状態で、夫から食事介助を受けていた。ベッドの横には汚れたオムツがそのまま置いてあった。次のうち、

訪問介護員が確認する事項として、優先度の高いものを一つ選びなさい。

 

1  Gさんと夫の表情や動作

2  入院中の状態

3  Gさんの好きな食べ物

4  家屋の構造

5  子どもや孫のこと

 

解答1

1:○

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題99 さんの生活動作の低下を防ぐための援助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1  夫とともに下肢の筋力トレーニングを行う。

2  天気の良い日に車いすで外に出る。
3  電動エアマットの使用を勧める。
4  一定時間ベッドの端に腰掛けることを勧める。
5  食事内容に小魚類を多くとるように勧める。

解答3

1:○

2:○

3:×電動エアマットはマットレスの中に電動で空気を送り込み、マットレスの硬さを部分によって常時変動させることができるので、圧力のかかりやすい部分への圧力も分散し、褥創が出来にくくなる

メリットがあります。しかしGさんは体位変換ができるほどの身体能力があるので、エアマット使用は生活動作の低下につながるものであり使用を勧めることは間違いとなります。
4:○

5:○


問題100  次のうち、さんの退院時の要望を実現するための援助として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1  一人での歩行練習

2 立ったままでの歯磨き

3 車いすでの訪問介護員との調理

4 普段着への着替え
5 ポータブルトイレでの排泄

解答3

1:×

2:×

3:○問題文に「家に帰り夫の食事をつくりたい」というさんの強い要望が表明されているので、これが正解!

4:×

5:×


第22回  形態別介護技術

問題101  次のうち、脱水により起こりやすい疾患として、適切なものを一つ選びなさい。

1 慢性肝炎

2 尿路感染症
3 逆流性食道炎
4 前立腺肥大症
5 脳出血

 

解答2

1:×慢性肝炎の原因の大部分はウイルス性疾患によるものですが、アルコールのとりすぎや肥満などが場合となりますが脱水が原因となることはありません。

2:○尿路感染症とは、腎臓から尿道までの尿路に起こる感染症でが。ほとんどが細菌によって起こりますが 膀胱炎や腎盂炎などの場合は脱水などでおこりやすいので水分を十分に摂り、抗菌剤や抗生剤を正しく服用することが大切です。

3:×逆流性食道炎の原因はストレス、過飲過食、飲酒による胃酸過多であり脱水と関係ありません。

4:×脱水と関係ありません。

5:×脳梗塞の場合には脱水が関係することもあるが脳出血と脱水には関係がありません。


問題102  次のうち、寝たきり高齢者に起こりやすい状態として、正しいものを一つ選びなさい。

1 血圧上昇

2 体温上昇
3 骨密度増加
4 食欲増進
5 抑うつ


解答5

1:×血圧はむしろ低くなります。

2:×体温は低下傾向となります。

3:×骨密度は低下してきます。

4:×食欲は低下してきます。

5:○長期に寝たきりの状態になると、抑うつになるばかりでなく、仮性認知症、自発性の欠如、発汗や不眠などの身体症状、妄想や幻覚など、精神的な障害を起こしやすくなります。


第22回  形態別介護技術

問題101  次のうち、脱水により起こりやすい疾患として、適切なものを一つ選びなさい。

1 慢性肝炎

2 尿路感染症
3 逆流性食道炎
4 前立腺肥大症
5 脳出血

 

解答2

1:×慢性肝炎の原因の大部分はウイルス性疾患によるものですが、アルコールのとりすぎや肥満などが場合となりますが脱水が原因となることはありません。

2:○尿路感染症とは、腎臓から尿道までの尿路に起こる感染症でが。ほとんどが細菌によって起こりますが 膀胱炎や腎盂炎などの場合は脱水などでおこりやすいので水分を十分に摂り、抗菌剤や抗生剤を正しく服用することが大切です。

3:×逆流性食道炎の原因はストレス、過飲過食、飲酒による胃酸過多であり脱水と関係ありません。

4:×脱水と関係ありません。

5:×脳梗塞の場合には脱水が関係することもあるが脳出血と脱水には関係がありません。


問題102  次のうち、寝たきり高齢者に起こりやすい状態として、正しいものを一つ選びなさい。

1 血圧上昇

2 体温上昇
3 骨密度増加
4 食欲増進
5 抑うつ


解答5

1:×血圧はむしろ低くなります。

2:×体温は低下傾向となります。

3:×骨密度は低下してきます。

4:×食欲は低下してきます。

5:○長期に寝たきりの状態になると、抑うつになるばかりでなく、仮性認知症、自発性の欠如、発汗や不眠などの身体症状、妄想や幻覚など、精神的な障害を起こしやすくなります。



問題103  寝たきりによる合併症とその予防に関する次の組み合わせのうち、適切なものを一つ選びなさい

1 間接拘縮―――――――カルシウムの摂取
2 残尿―――――――――水分の制限
3 精神機能低下―――――個室への移動
4 起立性低血圧―――――座位の訓練
5 便秘―――――――――浣腸の実施

解答4

1:×間接拘縮の予防には他動または自動介助運動による関節可動域運動が効果的です。カルシウムの接収は粗鬆症の予防として役立ちます。

2:×残尿があるかといって水分の制限をしては尿路感染や尿路結石、脳梗塞なども招きやすくなります。 残尿が原因としては、前立腺肥大症や慢性前立腺炎、尿道症候群などがあるのでそれにたいする治療等が重要となってきます。

3:×精神機能が低下することによって抑うつ状態や無気力を生じますので、複数人がいる大部屋のほうが効果的と思われます。

4:○起立性低血圧は臥位(寝た状態)から急に座位や立位になった時に、血圧が低下し、めまいや時には失神を生じる状態のことですが、この予防方法としては座位の訓練が最も重要となります。

5:×お腹が張って苦しんでいるような状態であれば、 浣腸で一度スッキリさせることもありますが、原則的には、便秘が習慣化しないように、便秘にならないような食事の工夫をするか、寝たきりでも軽い運動をするなどの対処が必要です。

 

問題104  施設で生活する認知症高齢者の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1  廊下で見かけたので、後ろから声をかけ呼び止めた。

2  家を思い出す品物は家屋に持ち帰ってもらった。

3  食事の準備を手伝う様子が見られたので、箸を並べてもらった。

4  何度も同じ事を聞くので、「さっきも聞きましたよ」と答えた。

5  外へ行こうとしたため、「部屋の中にいてください」と言った。

 

解答3

1:×後ろから声をかけると、認知症高齢者が恐怖感をいだいて転倒することもあるので注意が必要です。一定の距離で相手の視野に入ったところで声をかけることが望ましいですね。

2:×思い出の品物を身近に置いておくことで、気持ちが穏やかになりますから、持ち帰ってもらうのは逆効果となります。

3:○

4:×認知症高齢者には、何度も同じ事を聞かれても、それを否定せず、受け入れる対応がよいと言われています。従って間違い。

5:×認知症高齢者は、指示されたり叱られたりすると混乱して問題行動の原因となります。

 

 問題105  視覚障害の原因疾患とその特徴に関する次の組み合わせのうち、正しいものを一つ選びなさい。

1  糖尿病性網膜症――――――網膜出血

2  緑内障――――――――――網膜視細胞変性

3  白内障――――――――――眼圧上昇

4  網膜色素変性症――――――ぶどう膜炎

5  ベーチエット病―――――――水晶体白濁

 

解答1

1:○正解です。網膜出血のことを眼底出血ともいいます。網膜には栄養を補給する多くの血管が走行していますが糖尿病性網膜症になると、網膜の血管がもろくなり出血しやすくなります。

2:×緑内障では眼圧の上昇が特徴ですね。

3:×白内障は水晶体が白濁(混濁)する病気です。眼圧が上昇するのは緑内障です。

4:×網膜色素変性症は徐々に視野が狭くなり、視力を失うこともある遺伝性の病気です。ぶどう膜とは、虹彩、毛様体、脈結膜の総称です。ぶどう膜に炎症のおこるのがぶどう膜炎であり網膜色素変性症のように視野が狭くなることはありません。
5:×ベーチェット病は特定疾患に指定されている病気ですが、皮膚、目、粘膜、内臓、血管、神経などに炎症を起こす全身性の自己免疫疾患で、水晶体白濁とは関係ありません。

 

問題106  耳の構造とその機能に関する次の組み合わせのうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 外耳―――――平衡感覚にかかわる
2 鼓膜―――――音を集める
3 中耳―――――気圧の調節をする

4 鼓室―――――音を電気信号に変える
5 内耳―――――音を振動させる

解答3

1:×外耳は、外側の耳介と外耳道で構成されている部分です。平衡感覚にかかわる器官は内耳にあります。

2:×鼓膜は音を振動させる器官です。

3:○正解です。中耳は咽頭部とつながっていて、そこにある耳管が開閉し空気を通すことで、中耳の気圧の気圧を調整しています。

4:×鼓室(中耳腔)は鼓膜の奥の空洞状になっている部分で中耳にあります。音を信号に変えるのは内耳の部分です。

5:×耳の最奥にある内耳は、聴覚にかかわる蝸牛、平衡感覚にかかわる前庭・三半規管などからなっているところです。音の振動は鼓膜は外耳と中耳の境界にある鼓膜が関係しています。

 

問題107  聴覚障害者のコミュニケーション手段に関する記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。
1  筆談は、短時間で微妙なニュアンスを伝えることができる。

2  初めて補聴器を装着したときから健聴者のように聞こえる。

3  高齢になってからの中途失聴者には、手話や指文字が適している。

4  残存聴力のある場合には、人工内耳が効果的である。

5  フアックスやメールは、通信手段として有効である。

解答5

1:×想像してみてください。時間もかかるし、微妙なニュアンスを伝えるには難しいですね。

2:×補聴器を使うには慣れていくために訓練が必要になってきます。装着してすぐに聞き取れるわけではありません。

3:×手話や指文字はかなりの訓練期間が必要になってきます。高齢になってからの中途失聴者には筆談が有効です。

4:×人工内耳は聴覚の残存機能のない人が用いる聞こえを取り戻すための装置です。したがって間違い!

5:○そのまま覚えてください。、


問題108 次のうち、腰髄損傷のある人の褥瘡の発生部位として、誤っているものを一つ選びなさい。
 
1 肩甲骨部

2 外果部

3 仙骨部

4 踵骨部

5 坐骨結節部

解答1

1:×腰髄損傷では外果部、仙骨部、踵骨部、坐骨結節部などの部分が接触時間がながいので褥瘡ができやすいです。寝たきりの場合肩甲骨部は褥瘡が出来やすい部分ではあるが、腰椎損傷のケースでは褥瘡がおきにくいので間違いとなる。

2:○

3:○

4:○

5:○

 

問題109 腎臓機能障害で血液透析療法を行っている利用者の日常生活の支障に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 塩分は10g/日を目安にするように説明した。

2 透析後に入浴するように説明した。

3 生野菜を食べるように説明した。

4 水分摂取量は医師の指示を守るように説明した

5 外出は避けるように説明した。

解答4

1:×日本腎臓学会で推奨されている塩分量は6g以下とされているので間違い!

2:×透析後の入浴は注射の痕からの感染予防の観点から望ましくありません。

3:×生野菜や果物にはカリウムがたくさん含まれていますが、腎臓透析患者は身体がしびれたり、心臓に障害がおこることがあるので注意が必要です。

4:○正常な腎臓は、尿量を調節することにより、体内の水分量を一定に保っていますが腎機能に障害があると尿が出なくなり、体内に水分がたまります。特に血管内の血液が水増しになり心臓、血管に負担がかかるので水分摂取については医師の指導に従わなければなりません。

5:×外出や運動については透析治療の大幅な進歩により、体調などに応じて身体を動かすことについては問題がありません。

 

問題110 精神障害者の生活支援に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 精神障害者同士の交流を避けるように助言する。

2 一人暮らしは避けるように助言する。

3 本人の事は家族に決定してもらう。

4 外出などの予定に応じて薬の量を調節するように助言する。

5 幻聴は否定せず本人にとっての事実として認める。


解答5

1:×精神障害者に対する偏見はまだ大きく存在することから、地域社会と交流して、理解を深め合うことは大事です。

2:×自立を促進していく観点からも一人暮らしを避ける助言はおかしいです。

3:×自己決定の原則からはずれるので間違い。

4:×薬の処方に関しては医師が決定することであり援助者が勝手に決定してはいけません。

5:○精神障害者にとって幻聴も幻覚も真実です。症状を悪化を防ぐためにも、否定せず本人にとっての真実として受け止めなければいけません。

 

問題 111 居宅生活での転倒予防に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 スリッパを履くように指導する。

2 玄関マットを敷くように指導する。

3 段差に目印を付けるように指導する。

4 目の粗いじゅうたんを敷くように指導する。

5 夜間のトイレに起きたときの照明は明るい方がよいと指導する。

解答3

1:×スリッパは脱げにくくつまずきやすいのではかないように指導したほうがいいです。

2:×玄関マットがすべったり、低くても段差があるので転倒の危険性があるので、敷かないように指導したほうがいいです。

3:○目印があることにより段差の確認ができ転倒防止になりますね。

4:×目が粗いとつまずき転倒のおそれがあるので目の細かいものが適しています。

5:×夜間のトイレに起きたばかりの状態だと、明るい照明は眩しすぎて周りがよく見えないこともあり転倒に繋がることもあるので注意が必要です。

 

(形態別介護技術・事例問題1)

 

消化管ストマを造設している高齢者に関する次の事例を読んで、問題112から114までについて答えなさい。

 

{事  例}

さん(75歳、女性)は、結腸がんのため2年前に下行結腸ストマ造設手術を行った。その後一人で生活をし、ストマ自己管理や身の回りの事ができていたが、身寄りがないのでケアハウスで生活するようになった。前向きに生きていこうと考え、買い物や映画鑑賞にもよく出かけていた。さんは、元来几帳面(きちょうめん)な性格であるため、ストマの管理に関する注意事項を守ろうと努力しているが、現在少しお腹が張ると訴えている。2週間前に買い物に出かけた後から元気がなく、自室にこもり、入浴しなくなった。また、ストマの自己管理もおぼつかなくなってきており、ストマ周辺の皮膚にびらんが見られるようになった。


問題112  次のうち、さんの通常の便の性状として、適切なものを一つ選びなさい。

1 液状便
2 液状便〜粥状便
3 粥状便〜軟便

4 軟便〜固形弁

5 硬便

解答4

1:×下行結腸ストマの場合便は軟便〜固形となります。ちなみに 横行結腸ストーマの便は泥状〜軟便。上行結腸ストーマの便は水様〜泥状になります。

2:×下行結腸ストマの場合便は軟便〜固形となります。ちなみに 横行結腸ストーマの便は泥状〜軟便。上行結腸ストーマの便は水様〜泥状になります。

3:×下行結腸ストマの場合便は軟便〜固形となります。ちなみに 横行結腸ストーマの便は泥状〜軟便。上行結腸ストーマの便は水様〜泥状になります。

4:○下行結腸ストマの場合便は軟便〜固形となります。ちなみに 横行結腸ストーマの便は泥状〜軟便。上行結腸ストーマの便は水様〜泥状になります。

5:×下行結腸ストマの場合便は軟便〜固形となります。ちなみに 横行結腸ストーマの便は泥状〜軟便。上行結腸ストーマの便は水様〜泥状になります。

 

問題113 さんの日常生活支援に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 ヨーグルトを勧めた

2 栄養不足に注意した。

3 皮膚保護剤を貼りかえた。

4 かかりつけ医に連絡をした。

5 入浴を勧めた。

解答3

1:○結腸ストマの造設により大腸が短くなったぶん腸内細菌が少なくなるります。消化吸収が少なくなり下痢等の原因にならないようにはヨーグルト類をたべて腸内細菌の調整をすることが有効となってきます。

2:○栄養を吸収する腸の部分が少なくなるので栄養不足もならにように注意が必要です。

3:×皮膚保護材の副作用として副作用刺激感や発疹等が現われることがあるので、介護員が勝手に貼り替えるのではなく医師への連絡が必要となります。

4:○皮膚保護材の副作用として副作用刺激感や発疹等が現われることがあるので、介護員が勝手に貼り替えるのではなく医師への連絡が必要となります。

5:○ストーマにはストーマ用の装具があり、装具をつけたまま入浴することができるので入浴を勧めることに問題はありません。

 


問題114  次の会話を参考に、立案した介護計画に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

職員 「1週間ぐらい前にさんと話したときに、外出することに不安があるとおっしゃってました」

主任 「不安の原因は分かりましたか」

職員 「他の人に嫌な思いをさせなくないと思っているようです。外出した時に情けない思いをしたことがあったようです」

主任 「さんは前向きな人ですから、少しずつ以前のような生活に戻ってほしいと思っています」
職員 「どうすればHさんが安心して外出できるか、Hさんと一緒に考えて見ます」

 

1 外出先のトイレの位置を確認する。

2 外出する前日の食事を減らす。

3 外出時に予備の装具を持参する。

4 外出時に消臭剤を持参する。

5 外出時に予備の下着を持参する。

 

解答2

1:○

2:×解説保留

3:○

4:○

5:○


(形態別介護技術・事例問題2)

 

  次の事例を読んで、問題115から問題117までについて答えなさい。

{事  例}

  右利きの女性、Jさん(38歳)は、1年前に交通事故で脳の右半球に損傷を負い、重度の片麻痺と高次脳機能障害と診断を受けた。3か月前より、身体障害者更生施設に入所している。日中活動では立位安定の機能訓練が行われている。食事は自立しているが、排泄、入浴などの日常生活には介助が必要である。午後は、自分で車いすを操作し、花壇の見えるところまで室内を移動してる。休日には夫と娘が面会に来ており、一緒に野外の散歩を楽しんでいる。

 

問題115  次の記述のうち、Jさんの行為として出現しないものを一つ選びなさい。

1 車椅子のブレーキを掛け忘れる。
2 車椅子が左側の物にぶつかる。
3 施設内で迷子になる。
4 左手で本のページをめくる。
5 衣服を裏返しに着てしまう。

解答4

1:○右半球がダメージをうけると注意障害がおきて車いすのブレーキをかけ忘れるなどの単純ミスをおこすことが多くなります。

2:○脳の右半球の障害では左の半側空間無視がおきるので、問題文にあるように左側のものにぶつかることがおきてしまいます。

3:○高次脳脳障害ではよく知っている場所で道に迷ったり、家の近くの写真を見せてもわからないことがおきるので正解。

4:×脳の右半球損羞悪では、左側に麻痺の症状がでるので左手でページをめくることは難しい。

5:○高次脳機能障害では衣服を裏返しに着たり服の前後ろ反対に着たりすることがあるので正解。


問題116  花壇を見ていたJさんが車いすから立とうとして転倒した。転倒防止に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 立位動作の支援は訓練時に限定する。
2 車いすにY字帯をつける。

3 車いすに離床センサーをつける。
4 日々の散歩の付き添いは家族に任せる。

5 車いすの使用時間を限定する。

解答3

1:×訓練時だけでなく日常においても立位動作の支援は必要です。

2:×車いすにY字型拘束帯で利.用者を固定したり.車椅子に腰ベ.ルトで固定することは虐待にあたり好ましくありません。

3:○車いすの離床センサーは車いすから立ち上がると、その場で音を鳴り続けるものですが、転倒予防の道具として効果がありますね。

4:×Jさんは重度の片麻痺と高次脳機能障害を持っているので、散歩の付き添いを家族に任せるのではなく、安全確保の観点から介護職等による見守りが必要です。

5:×解説保留

 

問題117  娘さんの卒業式が2週間後にあり、さんは出席を希望している。家族は、「出席させたいが心配である」と話している。家族への支援に関する次の記述のうち、

適切でないものを一つ選びなさい。

1 式の終了まで参列できるように励ます。

2 事故が発生した場合の対処を相談しておく。

3 車いす対応が可能な車で行くように勧める。
4 車いす移動や排泄の介助を練習してもらう。

5 会場の環境、設備を事前に確認するように勧める。

解答1

1:×解説保留

2:○

3:○

4:○

5:○


(形態別介護技術・事例問題3)

 

呼吸器障害のあるさんの在宅生活に関する次の事例を読んで、問題118から問題120までについて答えなさい。

 

(事例)

さん(70歳、男性)は単身生活をしていた。10年前に慢性閉塞性肺疾患と診断され治療を続けてきた。3か月前呼吸困難となり入院したが、2週間前に退院し在宅酸素療法が開始された。

介護保険認定は、要介護2であった。退院後は共働きの長男夫婦がKさん宅に同居することになった。週2回程度の入浴を許可されているが、長男夫婦は鼻カニューレをしながらの入浴介助に不安があり、自分達では行っていない。さんは、同居期間が短い長男の妻に対して遠慮することも多く、昼食の準備は自分で行おうとしているが、食欲がないと食事を摂取しない時がある。

退院時、訪問看護と訪問介護が導入された。訪問介護では生潔保持、調理介助、月1回の通院介助が行われている。

 

問題118  次のうち、さんの食事に対する助言として、適切でないものを一つ選びなさい。

1 食事は、ゆっくり摂取する。
2 水分摂取は、痰の排出を助ける。

3 高カロリーのものを多く摂取する。

4 食事は、回数を増やして摂取する。

5 食欲がなく食事が進まない場合は間食をとる。

 

解答3

1:○酸素療法を実施しているKさんは食事中に息切れして苦しくなることも予想されるので、ゆっくり食事することが望ましいです。

2:○その通りです。水分摂取が少ないと濃い痰となり痰が切りにくくなるので水分摂取は必要ですね。

3:×下記を参照してください。

4:○息苦しさの強い方は、1回の食事量を少なくして、回数を増やすことが必要です。

5:○そのとおり覚えましょう。

参考
食事で摂取した栄養分をエネルギーとして利用する時には、酸素が消費され、二酸化炭素が発生します。この時、酸素1に対して発生した二酸化炭素の量を「呼吸商」で表します。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんでは呼吸で二酸化炭素を排出する機能が低下しています。そのため呼吸商の低い栄養分をとり、肺の仕事の負担を軽減する必要があります。

 

問題119  Kさんの通院介助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 余裕をもったスケジュールを立てる。

2 携帯用酸素ボンベの残量を確認しておく。

3 呼吸困難があるときには休息をとる。

4 肺機能訓練のために階段昇降を行う。

5 帰宅後はうがいと手洗いを励行する。


解答4

1:○解説は不要ですね。

2:○解説は不要ですね

3:○解説は不要ですね

4:×慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんは呼吸をするために、健常人よりも多くのエネルギーを必要とし、いつもジョギングをしているような状態となっています。階段を上り下りするのは体力的に困難ですから、肺機能訓練としては「口すぼめ呼吸」と「腹式呼吸」などの呼吸訓練が必要となってきます。

5:○慢性閉塞性肺疾患(COPD)のかたは健常者にくらべ風邪を契機に呼吸器の病気が重症化する場合がありますので手洗い・うがいなどの風邪対策やインフルエンザ予防などが大切です。

 

問題 120  長男夫婦に入浴介助の方法を指導する際の留意点に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

 

1 時間をかけてゆっくり入浴する。

2 口唇が紫色の場合は入浴しない

3 身体を洗うときは、全介助で行う。

4 首まで湯につかる。

5 入浴後は冷房のきいた部屋で休む。


解答2

1:×慢性閉塞性肺疾患では着替えや入浴などの日常的な行動においても息苦しさを感じてしまいますので時間をかけての入浴は適切ではありません。

2:○慢性閉塞性肺疾患で唇が紫(チアノーゼ)になっているときは呼吸が苦しくなっているので入浴はしないほうがいいですね。

3:×介護保険の要介護2の判定基準では「立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄・入浴などに一部または全介助が必要。」となっているが、Kさんが自分で洗えない部分を一部介助するように指導したほうがよい。

4:×首までつかることは、水圧で体に負担をかけ酸素消費量を増やすために息切れが増長しますから控えたほうがいいです。

5:×慢性閉塞性肺疾患では入浴後すぐに冷房のきいた部屋に入ると温度差が大きいために.体の温度調節. 機構がうまく働かなくなるので控えた方がいいです。

 

 

 

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