第20回 リハビリテーション論

問題23 身体障害のリハビリテーションに関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 急性期及び回復期のリハビリテーションでは、廃用症候群の予防と早期離床、日常生活活動の早期自立、向上を図ることが重要である。
B パーキンソン病の初期では、筋力増強訓練をすることが重要である。
C 関節リウマチでは、安静と関節炎を悪化させないような適度な運動とのバランスをとることが重要である。
D 脊髄損傷では、車いすに長時間座り続けると坐骨部に褥瘡を形成する危険があるので、車いすにはクッションを利用して座ることが重要である。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

 

解答 2

A:○当然の内容が書かれています。早期に離床できることによって地域へ復帰していくことができます。

B:×初期では心の変化や不安が増す時期です。手が震えるなどの症状が出てきても、あまりこだわらずにきちんと病気の症状について医師の方と話し合い、客観的に自分の病状を理解することができるように援助することが大切です。筋力増強訓練はある程度進行した時期に行う訓練方法です。従って間違い。

C:○間接リウマチのリハビリは薬物療法とならんで失われた歩行運動機能を行うことが大切です。

D:○脊髄損傷のかたに対してはクッションを用いることで褥瘡対策となる・・覚えておきましょう。

 



問題24 身体障害のリハビリテーションに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 脳卒中による片麻痺では、健側による代償も活用して生活機能の改善を図る。
2 失った機能を代償するために、福祉用具を積極的に活用する。
3 基本的な日常生活動作(ADL)が自立するまでは、社会的自立へのアプローチは行わない。
4 病院や施設においては、訓練室のみでなく実際の生活の場でも行う。
5 高齢者や体力の低下している者の機能訓練は、一回の量を少なくして頻回に行う。

解答 3
1:○健側による代償だけ…となると間違いですが健側による代償だも…とあるので正解です

2:○福祉用具は失った機能の代償としてあるのですから当然正解ですね

3:×基本的な日常生活動作が出来ていなくても、平行して社会的自立訓練を行うことは有効です。

4:○実生活の場でのリハビリも、より実践的効果を及ぼします

5:○体力の低下している人は、一回のリハビリ量が多いと負担が大きいですから、一回の量を減らしてその代わりにリハビリ回数を増やした方が効果があります。


問題25 福祉用具に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 特殊寝台の配置を決める際は、利用者の起き上がる方向や動作の仕方などを考慮する。
2 介助用標準型車いすの多くは、手押しグリップに介助用ブレーキレバーが付いている。
3 短下肢装具は、膝関節の動きを制御するものである。
4 歩行器は、杖に比べて大きな支持性・安定性を必要とする場合に利用する。
5 四脚杖は、T字杖に比べて支持性・安定性に優れている。

解答 3

1:○特殊寝台は車イスへの移乗(トランスファー)や方向転換等の取り回しのためのスペースも含めて、配置などを検討が必要である。

2:○参考に画像をはりつけます。下の参考をご覧ください。

3:×下肢装具の中で下腿部より足部に及び、足関節の動きを制御するもので膝関節の動きを制御するものではありません。従って間違い。

4:○歩行が不自由な人が、歩行時に体の体重を支え、歩行を助けるための福祉用具ですが杖に比べると支持性・安定性はありますね。

5:○下の画像を参考にしていただければT字杖に比べて支持性・安定性に優れていることがわかると思います。

問題26 国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 生活機能とは、「心身機能・身体構造」、「活動」、「参加」から構成される。
B 活動とは、日常生活動作だけでなく様々な生活行為である。
C 介護者は、背景因子のうちの個人因子に含まれる。
D ICFの活用で、生活機能や疾病等の共通理解が進むと期待されている。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ×

解答 1

A:○「生活機能」とは、人が「生きる」ことの3つのレベル{生命、生活、人生}にそれぞれ対応する「心身機能・身体構造」「活動」「参加」のすべてを含む「包括用語」です。

B:○言い換えれば→個々人の課題や行為を実行するという意味にもなります。

C:×機能への外部からの影響ですから環境因子となります。

D:○「生活機能」という考え方の中にもありますが、病気や障害がってもその人の全体の中では障害というマイナスの占める部分は小さく、それを上回る健常な機能・能力もあるのだという理解ができる良さがありますね。

 

 

 

 

 

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