第20回 介護技術

問題81 高齢者住居の手すりに関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 車いすを利用している場合、トイレ内の横手すりはアームレストの高さに設置する。
B 階段の手すりは、階段の手前30cm以上の余裕をみて取り付ける。
C 手すりの太さは、軽く握って親指と中指の先が触れる程度がよい。
D 手すりの先端部は、湾曲していないものがよい。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ×

解答 1
A:○これについて同じ高さよりも少し上が使いやすいのでは?という意見もありましたが・・
横手すりは、車いすのアームレストの高さに合わせるのが一番いいです。(図参照)
B:○これに関する資料を見つけることができませんでしたが、このまま記憶してください。見つけることができたら補足したいと思います。(忘れたりして(^^;)
C:○これも、このまま記憶することにしましょう。
D:×手すりの先端部は湾曲していたほうが捕まったときに安定しやすいですね。

 

問題82 右片麻痺のある利用者を仰臥位から端座位にする介助の方法に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 介助者は、臥床している利用者の右側に両足を付けて立つ。
B 介助者は、利用者の右手を利用者の胸部又は腹部に乗せる。
C 介助者は、利用者の頚部と大腿部を抱え、殿部を支点に回転させて起こす。
D 介助者は、利用者の両足底が床面から10cm程度離れているような端座位にする。

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D

解答 3
A:×左側が健側になるとしたら、利用者が残存能力を発揮できる左側に位置したほうがよい。
B:○麻痺側の右手、できれば右足も左足の上にのせ端座位にしやすい体制をとる。
C:○そのとおりです。イメージしてください。
D:×両足が床に着く位置じゃないと不安定で危険です。従って間違い。


問題83 食事前の誤嚥予防の介助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 覚醒していることを確認する。
B 口唇、舌、頬の運動を行う。
C 頚部を後屈した姿勢に保つ。
D とろみをつけたり、ソフト食を用いる。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 1
A:○覚醒・・つまりちゃんと目覚めていることを確認することが大事です。うつろな状態ですと誤嚥する可能性がありますから。
B:○誤嚥力をつけるには唇や、下、頬の動きの力をつけておかなきゃ〜
C:×
頸部とは口、顎、喉を総称していいますね。この部分は生きていく上で大変重要な機能をもっていますが前屈状態のほうが気管に食べ物が入りにくくなり誤嚥を防ぎます。
D:○とろみをつけたりソフト食を用いるのは
咽頭部へ流れ込むスピードを遅くし、飲み込みやすくすることができるからですね


問題84 食事介助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 刻み食が必要な場合でも、刻む前の食べ物の状態を見てもらう。
B 食事の前後には、義歯の有無を確認する。
C 片麻痺のある人には、口の麻痺側にスプーンを入れる。
D 一口ごとに、口の中に食べ物が残っていないか確認する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 2
A:○施設によってはなかなか難しいところもあるようですが、食事は形や色でも楽しむもの・・・最初から刻まれたものをも見ては食欲もなくなります。原則的に・・としかかけませんが刻む前の食べ物を見てもらうこと・・・覚えておきましょう。
B:○当然といえば当然のチェックですね。これがないと食べられない人もいますし、食事が終わったあとも義歯や口腔内を清潔にする必要がありますから確認は大事です。
C:×何度も試験に出ている問題です。麻痺側に食べ物をいれると飲み込んだりすることができなくて誤嚥をおこしてしまいかねません。麻痺側ではなく麻痺していない方にスプーンを入れてください。
D:○はい・・常識問題として頭に記憶しておきましょう。口の中に食べ物が残っている状態で追加して食べ物をいれてしまうとどうなるかは想像できますよね。


問題85 排泄のための用具に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 男性用尿器を使用する際は、側臥位よりも仰臥位の方が排尿しやすい。
B 差し込み便器は、適温に温めてから使用する。
C 股関節や膝の曲がりにくい利用者は、便座を高くすることで動作が楽になることがある。
D ポータブルトイレは、蹴こみ(足を後ろに引くことができるスペース)のあるものが立ち上がりやすい。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 × ○ × ○
5 × × × ○

解答 3
A:×ちょっと想像してください。横向きのほうがしやすいか?仰向けのほうがしやすいか?明白ですね
B:○肌の温度と差がない方が気持ちよく排泄できるでしょうね。
C:○膝の曲がりにくいという状態を頭で想像してみてください。便座が少し高いほうが楽かな〜って想像できますよね。
D:○旧式のポータブルトイレはこの蹴こみがないのが多かったでが、この蹴こみがあると立つとき楽です。自分で椅子などから立ち上がる状態を体験してみてください。


問題86 排泄に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 朝食後のトイレ誘導は、よい排泄習慣につながる。
B 便秘予防の献立には、消化のよい食材を用いる。
C 下痢の場合は、水分の摂取を控える。
D おむつ交換は、利用者の羞恥心に配慮し、手早く介助する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

解答 3
A:○食後のトイレ誘導が何故必要なのかというと、いい
排便周期を作って便秘等をしないようにですね
B:×間違えた人が多いかもしれません。便秘予防の献立を考える上でのポイントは、大腸の運動を活発にする繊維質や脂肪の摂取をもとにして、食品を選ぶことにあります。消化吸収が多いと腸を素通りしてしまいますから便秘予防にはつながりません。
C:×下痢をすることで脱水をまねいてしまう。水分摂取を控えてはいけません。
D:○これも論議の多い問題でした。手早くすることが、反対に失礼にあたるのではないか??もし、私が利用者の立場だったらおむつ交換は手早くやって欲しいです。


問題87 不眠の訴えへの介助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 身体面、環境面などのアセスメントを行う。
B 就寝前の足浴を計画する。
C 就寝直前は、空腹にするように勧める。
D 利用者独自の入眠への習慣を尊重する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 1
A:○不眠にいたる身体的状況、例えば
筋肉の緊張・肩こり, 頭痛・背中や腰の痛みの把握、または, 部屋の温度や明るさといったような環境状況の把握は当然必要です。
B:○睡眠前に行なわれる入浴や足浴は入眠に効果があり,特に,足浴REM睡眠の減少が生じなく,睡眠の質を高めてくれます。
C:×お昼ご飯をたべた後は眠くなりません?不眠を訴える人には軽い食事は効果的です。
D:○人それぞれに睡眠の習慣がありますからそれを尊重することは大切ですね。



問題88 次の衣類のうち、片麻痺で座位姿勢を保つことができる人が自分で着用するものとして、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 膝掛け
B かぶり式の上衣
C 前開きマジックテープ式上衣
D ウェストひもしぼり型のズボン

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 1
A:○コメントいらないほどの問題ですね。健康側の手が使えるのですから残存機能は十分活用していいですね。
B:○自分でかぶり式の上着を頭でイメージして着用してみてください。着ることはたしかに出来るはず
C:○前開きでしかもマジックテープ式だとボタンもありませんから健側の手で十分着衣できるかと思います。従って正解です。
D:×ひもで縛る行為は片麻痺のかたが行うのはちょっと難しい動作になろうかと思います。従って間違い!


問題89 入浴に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A ぬるめの湯(37〜39℃)に長く入ると、血圧が高くなる。
B 湯に入ると、浮力のため身体が軽くなり、体位が不安定になる。
C 湯に肩まで入ると、水圧のため心臓への負荷が増す。
D 食後すぐの入浴は、消化によくない。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ○
5 × × × ○

解答 4
A:×
ぬるめのお湯にはいると、体を休ませる神経〔副交感神経〕に働きかけて、血管を開かせ血行をよくし、心身ともにリラックスできる状態となります。血圧が高くなる…は間違い
B:○お風呂にはいった時皆さんが感じることですね。浮力が働き体が軽くなり、体位が不安定となります。
C:○心臓の位置よりも水面が上だと水圧が心臓にかかってきて胸が締め付けられる感じになります。したがって正解
D:○
食後からそれほど経っていないのに入浴すると消化器系はまだ活動中のことが多く,消化器の血液を皮膚に集めてしまうので消化機能を阻害してしまいます。ですから食後の入浴は控えましょう。


問題90 緊急・事故時の介護従事者の対応に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 衣服の上から熱湯を浴びたので、急いで脱がして冷やしながら病院に行った。
B 創傷の傷口を洗い、消毒薬をつけてから病院に行った。
C 手をついて転んだ後、手首が腫れてきたので、副え木を当てて固定しながら病院に行った。
D 誤嚥による気道内異物を除去するため、ハイムリック法を行った。

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D

解答 5
A:×
衣服の上から熱湯をかぶった. そのまま服の上から水をかけて冷やし、衣服ははさみなどで切ってそっと脱がせます。やけどをしたところは無理にはがさないようにします。
B:×消毒薬は細胞に毒として働き、細菌を殺します。主毒薬はそれ以上に傷口を治そうとする細胞をも殺してしまうことになりますから、緊急時は傷口を洗う程度にして病院で手当をうけるのが一番ですね。
C:○手首が腫れて骨折の疑いがあるときは副え木で固定が原則ですね。
D:○
上腹部圧迫[ハイムリック]法 とは腹部を圧迫して胸腔内圧を高め異物を排出させる方法です。 この方法は成人には推奨されますが、お腹の臓器を傷める危険性があるため乳幼児や妊婦に行ってはいけません。


問題91 爪及びそのケアに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 爪には指先の保護、指の力を増強させるなどの働きがある。
2 爪切前には足浴をし、爪周囲の角質を取り除いておく。
3 巻き爪の予防には、爪の両端を斜めに切る(バイアス切り)。
4 糖尿病などの疾患がある人の爪切りは、爪そのものに異常がなくても、医療関係者に相談する。
5 爪白癬の予防には、足指を石けんを使ってよく洗い、水分を拭き取り、よく乾燥させる。

解答 3
1:○そのとおりですね。
指の先を保護しますし、指の力が増強するので細かいものがつかみやすくなります。

2:○なぜ角質を除くか?それは爪切りの際、皮膚まで切ってしまうことがあるので、爪切り前に爪と皮膚を分ける角質除去が必要だからです。

3:×図でバイアス切りをお見せすれば理解しやすいですね。ネットで確認してください。この切り方は「巻き爪」の原因になります。

4:○深爪は糖尿病神経障害に伴う合併症を重症にしかねませんから注意が必要です。正解!

5:○爪白癬にかかると爪の色が白く濁ったり、黄褐色に変色します。症状が進行すると爪の先端部が分厚くなりますが白癬菌の貯蔵庫のようになるので注意が必要です。問題文にあるように予防法法としては足指を石けんを使ってよく洗い、水分を拭き取り、よく乾燥させることが大切です。

(介護技術・事例問題1)

 施設介護に関する次の事例を読んで、問題92から問題94までについて答えなさい。

[事例]

 Gさん(96歳、女性、要介護4)は、指定介護老人福祉施設(以下「施設」という)に入所している。身内は長女(74歳)のみである。入所時、脳梗塞による左片麻痺が見られた。車いすでの移動は可能であった。本人は、「これ以上娘の負担になりたくない。最後までここでお世話になりたい」という言葉を口にしていた。長女からは施設での看取りの希望が出された。居室は二人部屋で、同室者とは同郷ということで親しくしていた。
 2か月前にインフルエンザのため高熱を出して以来、個室に移った。ベッドから離床することが困難となり、入浴・食事・排泄ともに全介助の状態となった。次第に体力が低下し、主治医からは「高齢であり、心不全もありますので、今後体調の急変に気をつけてください」との注意があった。Gさんは、ここ数日間、下肢にむくみが見られ、痰が増え、食欲も低下してきている。おむつの交換時、殿部に発赤を発見した。

問題92 Gさんの介護計画に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 座位で息苦しさを訴えた場合には、体位をすぐに仰臥位とする。
B 飲水量を定期的に観察・記録する。
C 食欲低下があるので、塩分の多い食事にする。
D 定期的に体位変換をする。

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D

解答 4
A:×
心不全が進むと横になって休むことが苦しくなります。肺のうっ血を少しでも減少させるためには. 体を起こす状態(起座呼吸)がよい。従って間違い!
B:○「ここ数日間、下肢にむくみが見られ…」とあるので飲料水の観察・記録が必要である。
C:×むくみ(浮腫)がみられる時は塩分を控えた方がよい。
D:○問題文に「おむつの交換時、殿部に発赤を発見した。」とあるが褥瘡の可能性があるので体位変換をして褥瘡を予防する。


問題93 介護職員の今後の対応に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。

A 元の同室者の訪問を希望するかどうかをGさんに尋ねる。
B 元の居室への移動を介護職員独自の判断で行う。
C 看護師とのカンファレンスを適宜行い、連携を強化する。
D 長女の心理的負担を考慮し、Gさんの現状を伝えない。

(組み合わせ)
1 A B
2 A C
3 B C
4 B D
5 C D

解答 2
A:○元の同室者は「同郷ということで親しくしていた」という記述があります。個室に移ったということで、心細いGさんに対して訪問を希望するかどうかをたずねることは適切な対応である。
B:×このようなことは介護職員が単独できめることではなく、Gさんの了解を求めることが大切です。
C:○介護職員が他職種との連携をはかる…これは法律の中で介護福祉士の義務としてありましたね
D:×家族にGさんの現状を伝えなければ家族がどのように対応して良いかもわからなくなりますから不適切です。


問題94 施設での看取りに関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A Gさんと長女に、施設での看取りについての考え方や方針を説明する。
B 意向確認書をGさんと長女に説明し、内容確認をした後に署名してもらう。
C Gさんと長女の意向を取り入れたケアプランを作成する。
D 終末期にあるので、施設としては精神的ケアを行わないことを長女に告げる。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 1
A:○当然すぎる内容なのでこれ以上の説明はいりませんね
B:○
本人や家族の意向の確認をしっかりととり、署名してもらう・・・大事なことです。
C:○介護員がかってにケアプランを作成することはできません。利用者の意見を最大限尊重するケアが大切です。
D:×
終末期である場合、利用者は落胆、絶望感などを感じることが多いので、精神的ケアが大切かと想います。


(介護技術・事例問題2)

訪問介護に関する以下の事例を読んで、問題95から問題97までについて答えなさい。

[事例]

 Hさん(85歳、女性)は、若いころは読書好きであった。60歳ごろから高血圧があり、近所の診療所に通院していた。半年前、風邪をこじらせ1か月ほど入院したが、退院後はほとんど寝たきりの生活となり、一日中寝巻きのままで過ごしている。また、尿と便の失禁があり、おむつを使用している。自宅内の移動介助では、車いすを使っている。最近、認知症の症状が出現し、家族との意思の疎通が困難になってきている。
 長女夫婦と3人暮らしであり、長女の夫は定年退職後もパート勤務を続けている。長女は、近頃、体調が悪く、午前中は部屋から出ることはほとんどない。長女の夫がHさんの今後のことを考えて介護保険を申請し、要介護3と認定された。
 Hさんが現在利用しているサービスは、週5回の訪問介護(服薬介助、おむつ交換、その他日常生活支援など)、週1回の訪問看護と訪問入浴である。

問題95 Hさんの介護に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 好みの普段着が選べるように言葉かけをして、着替えの介助をする。
B 洗面所まで移動介助し、歯磨きや洗面を介助する。
C 食事はベッドに運び、寝たままの状態で食事介助する。
D 降圧剤の服用後、口腔内に薬が残っていないかを確認する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ×

解答 1
A:○Hさんの好みに配慮し普段着を選択していただくことはHさんの自主性の尊重をすることになりますから良いことですね。
B:○車いす使用で移動が可能ですから洗面所まで行き歯磨きや洗面を介助することは残存機能を十分活用することですから正解!
C:×
要介護3とは 重度の介護を必要とするかたが対象となります。 食事・衣類の着脱のいずれも介護者の一部に介助を必要としますし、排せつには全面介助が必要です。問題文には食事はベッドで、しかも寝たままの状態で食事…とあるが寝たままの状態での食事介助は全面介助となってしまう。要介護3は食事については一部に介助を必要とする状態であるとしていることから残存機能を活用した食事介助としなければならない。
D:○認知の症状が進んでいるということなのでコミュニケーションで確認出来ないこともある。薬の服用後、薬が残っていないか口腔内を確認することは重要である。


問題96 Hさんの排泄の介助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A Hさんの排泄習慣を把握するために、排便・排尿の状況を2日間観察して記録する。
B おむつをはずす可能性をさぐるため、朝食後にポータブルトイレで排泄を試みる。
C おむつ交換時に行う陰部清拭は、肛門部に向かって拭き、拭き戻しはしない。
D 長女の体調も考慮し、訪問介護の夜間利用の必要性を検討する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○

解答 4
A:×排泄習慣を観察するのに2日間というのは短すぎないでしょうか?どのくらいの期間が適正?なのかは調べて再度アップしたいと思います。
B:○食後に排泄する習慣は大事ですね。そのタイミングを利用しておむつをはずす訓練を試みることはいいと思います。
C:○よく試験に出る問題ですね。
女性の場合は尿路感染予防のため、尿道から肛門に向かって拭くというのが原則ですね。
D:○「長女は、近頃、体調が悪く、午前中は部屋から出ることはほとんどない」と問題文にもあるように長女の負担のことを考慮すると夜間訪問介護も検討してみてよいと思われる。


問題97 家庭内で生活の活性化を図るために、家族に助言する内容に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A Hさんが好きだった本の中から1冊を選び音読し、反応を確かめる。

B 好みの献立を話題にし、一緒に食材リストを作成する。
C 長女夫婦と一緒に写っている写真を用いて、話題をみつける。
D 手の届くところに電話機を置き、昼間の留守番役をHさんに求める。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 1
A:○問題文をよく読んでいるとわかる問題ですね。「Hさんは、若いころは読書好きであった」…とありますから、本人の趣向をいかして生活の活性化を図るための試みとして良いかと思います。
B:○一方的に献立を決めるのではなく、Hさんの好みを尊重しながら一緒に食材を決めていく・・このことで日常性生活をする上で張りがでてきますね。
C:○いろんな方法で話題造りをする。この写真を用いながら話題を膨らませていくことも生活の活性化に結びつくのだと思います。

D:×問題文に「認知症の症状が出現し、家族との意思の疎通が困難になってきている。」とあるように電話がきたときの対応をHさんにお願いすることは無理があるように思います。


(介護技術・事例問題3)

 認知症のある入所者の介護に関する次の事例を読んで、問題98から問題100までについて答えなさい。

[事例]

 Yさん(78歳、女性、要介護3)は半年ほど前に指定介護老人福祉施設に入所した。歩行は自立している。認知症があり、自分の名前や生年月日が正しく答えられず、年齢は40歳という。食事は、はじめはスプーンを持って摂取するが途中から手でつかんで食べる。摂取量にはむらがあり、飲水量も少ない。自歯は無い。尿失禁があるのでリハビリパンツを使用し、職員がトイレに誘導している。頻尿はない。リハビリパンツには褐色の濃縮尿が見られる。排泄介助時に衣服を押さえ、脱ぐことに抵抗が見られる。トイレや居室が分からなくなることがある。
 ただ一人の家族である長女が一日おきに来て散歩に連れて行くが、Yさんは長女に対して「顔を見たことがあるようだけど、どなたかしら」ということもある。散歩中にデイルームで行われているレクリエーションを二人で見ていることもある。

問題98 Yさんの食事介助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 1回の食事摂取量だけでなく、一日のトータルバランスに配慮する。
B 食事摂取量にむらがあることの原因を探る。
C 口腔ケアは希望があれば行う。
D 一日の水分摂取量を把握する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

解答 2
A:○私たちの日常生活のなかでも
朝は炭水化物を普通に摂り、昼はやや減らし、夜はかなり減らすとか、一日のトータルバランスが良くなるような食事をしますがそれと同じことですね
B:○摂取量にむらがある…とは食事量にバラツキがあるということです。いろんな原因が考えられますから原因をさぐることは大切です。
C:×
口の中は定期的に食物が通過するので、細菌が増えやすい環境になっています。Yさんは、口の中や義歯を自分で清掃することが難しいので口腔衛生に気をつけることは大事!
D:○お年寄りは脱水をおこしやすいので一日最低でも10001500ml程度の水分補給が必要です。ですから一日の水分摂取量を把握することは重要です。


問題99 Yさんの排泄介助に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 安心できる言葉かけと態度で誘導し、トイレでの排泄を継続する。
B 膀胱炎などの尿路感染をひき起こす可能性があるので、注意深く観察する。
C 尿失禁について、医療職と連携して排泄行動を再アセスメントする。
D 排泄時に抵抗するのは、「尿は出ない」と訴えていると判断する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ×

解答 1
A:○現在、歩行が可能な状態で職員のトイレ誘導で排泄が行われている状態であり継続が好ましい。
B:○尿失禁がみられ、しかもリハビリパンツを脱ぐのに抵抗がある状態なので不潔になり細菌が繁殖しやすい状況である。膀胱炎などの尿路感染を引き起こさないように観察することが大事
C:○高齢者の尿失禁についてはさまざまなタイプがあるので医学的な見極めも大切になってきます。そのためには医療職と連携が大事になりますね
D:×一方的に「尿がでない」と判断するのは早計です。認知症があるということですから判断力が低下している可能性もあります。抵抗するには様々な理由を考えるのが先決ですね


問題100 長女への支援に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A Yさんの入所前の生活の様子と介護状況を詳しく聞く。
B 長女を認識できなくなっていることに対し、「あきらめましょう」と諭す。
C 施設サービスに対する感想や要望などについて聞く機会を設ける。
D Yさんと一緒に、レクリエーションに参加するよう勧める。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 2
A:○長女はただ一人の家族でありYさんの状況をよく知っている存在です。Yさんに対する生活や介護状況をきくことで長女への必要な支援も見えてくます。
B:×家族への支援も介護福祉士の仕事の一つです。家族が希望を持てるように支援しなければならないのに「あきらめましょう」と言う言葉はあり得ないですよね
C:○施設での介護に対していろんな不安を長女は持っているにちがいありません。不安を解消してあげるのも支援の一つ・・このような取り組みは良いことだと思います。
D:○レクリエーションに共に参加することで認知症のYさんに対する理解などにも繋がるのでは  
 補足説明必要

 

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