第20回 介護概論

問題73 社会福祉士及び介護福祉士法に規定する介護福祉士の義務等に関する次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。

・介護福祉士は、介護福祉士の[ A ]を傷つけるような行為をしてはならない。
・介護福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の[ B ]を漏らしてはならない。
・介護福祉士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との[ C ]を保たなければならない。

   A     B     C
1 信用 ― 情報 ― 連携
2 名誉 ― 情報 ― 調和
3 名誉 ― 秘密 ― 調和
4 信用 ― 秘密 ― 連携
5 名誉 ― 情報 ― 連携

解答 解答なし

問題74 高齢者の身体的特徴と介護に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 味覚の低下に対しては、味付けの好みを注意深く観察する。
B 突発的な難聴に対しては、加齢によるものなので心配ないと判断する。
C 視力の低下に対しては、足下灯などの配慮をする。
D 唾液の分泌の低下に対しては、口腔ケアを心がける。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 2
A:○加齢とともにいろんな機能低下がおきてきますが、味覚についても鈍ってきます。ですからお年寄りの味付けの好みについてはその変化の観察が大切となってきます。
B:×老人性難聴はほとんどの場合、両耳に起こり、加齢とともに進行していきます
しかしそれから「中耳炎」などによって、中耳により難聴になってしまうという伝音難聴もありますから加齢による難聴と決めつけないで治療に結びつけることも必要です。
C:○視力が低下しているのに足下が暗くては事故のもとになります。足下灯があれば少しはその不安がなくなります。
D:○加齢により唾液の分泌も少なくなってきがちです。そういう状態のなかでは細菌の繁殖が起こりやすいので口の中を清潔にたもつなどの工夫が必要になってきます。

問題75 介護過程の展開に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A 情報収集に際しては、利用者の全体像をとらえるための観察が重要である。
B 実践に際しては、他職種との連携が必要である。
C 介護計画は、利用者と家族に説明し同意を得る。
D 評価とは、実施した介護を具体的に記録することである。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × × ○

解答 1
A:○観察なしには全体像はつかめません。常識として受け止めておきましょう。
B:○介護福祉士の義務のなかにもありますね。医療・保健分野の職種などとの他職種との連携。それ以外にも施設であれば事務職や給食部門などとの連携も当然でてきます。
C:○介護計画の同意はともすれば家族のみになりがちです。家族とともに利用者の同意も当然必要です。
D:×評価とは介護を具体的に記録することではなく、介護計画に対してどれくらい達成できたのか、どれくらい達成できなかったのか、改善策はなんなのかを提示することである。


問題76 介護従事者の労働条件、健康、安全、福利厚生などを規定する法律に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 賃金、労働時間、休憩その他の労働条件に関する基準については、労働基準法に規定されている。
2 安全及び衛生については、労働安全衛生法に規定されている。
3 労働災害の補償については、労働者災害補償保険法に規定されている。
4 労働環境、教育訓練等の雇用管理の改善措置については、社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている。
5 福利厚生の増進を目的とする福利厚生センターについては、社会福祉法に規定されている。

解答 4
1:○この問題は社会福祉士の試験にも出されていた問題です。介護従事者ばかりではなく労働者の権利を守る大切な法律です。
2:○そのとおりです。職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的としています。みなさんの職場は?どお?
3:○この法律の第一条を提示しておきますね。「労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、労働者の安全及び衛生の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする」
4:×平成4年に「
介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律」ができましたが、この中で規定されているものです。ですから間違い!
5:○社会福祉法の中に福祉厚生センターの記述があり、社会福祉事業従事者の福利厚生の増進を図ることを目的として設立された社会福祉法人であるとしています。

問題77 緊急時の対応に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 救急車を依頼する際には、住所や目印になる場所を知らせ、事故や病気の様子を簡潔に伝える。
2 反応がなく、正常な呼吸がなければ、心肺蘇生法(CPR)を開始する。
3 心肺蘇生法における胸骨部圧迫は、毎分50〜60回行う。
4 誤嚥の際、意識がある場合は、片手で上半身を支え、もう一方の手で肩甲骨の間を叩く。
5 意識がなく、嘔吐のある場合は、側臥位にし、吐物による窒息を防ぐ。

解答 3
1:○その通り…介護での出来事にかぎらず、救急車を呼ぶときはこのことが大切ですね。
2:○この文書にあるように反応がなく、正常な呼吸がなければ緊急時対応としての
AEDを使う心肺蘇生法を実施する。(これは医療行為とはならない)
3:×約100/分の速さで圧迫を繰り返す。心臓マッサージ30回毎に人工呼吸を2回行う
4:○このまま覚えておきましょう。
5:○窒息防止のため体位を横向きにしなければなりません。

問題78 介護従事者の利用者とのコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 沈黙を避けて、次々と話しかける。
2 言葉が聞き取れないときであっても、失礼になるので繰り返し聞くことをしない。
3 介護従事者の感情は常に押し殺す。
4 利用者に同情する。
5 利用者をありのままに受け入れる。

解答 5
1:×コミュニケーションをとる一番のコツは一方的な「話しかけ」じゃなく「聞き上手」に徹することです。
2:×聞き取れないときに繰り返し聞くことは失礼にはなりません。もし、かってな解釈で聞いていて、後で違っていたらそのほうが失礼にあたりますから。「しっかり聞いてますよ〜」という気持ちが伝わることが大事なんですよね。
3:×介護従事者の気持ちが伝わらなければコミュニケーションのキャッチボールはできません。時には適切な場面で感情を伝えることも大事です。「常に」ということころが間違いのポイント
4:×難しい質問かもしれません。「安易な同情はよくない」ということであれば迷うことはないかもしれません。そして同情よりもっと必要なことは「共感」ですね。このほうが利用者さんとこコミュニケーションでは大切なことですから。
5:○「ありのままにうけいれる」=相手を批判せず「受容」ということですね。コミュニケーションでは
受容. 傾聴・共感が重要!覚えておきましょ!


問題79 介護従事者が留意すべき利用者の個人情報と守秘義務に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A サービス担当者会議で利用者の個人情報を用いる場合は、あらかじめ利用者の同意を得ておく。
B 事例研究を行う場合は、あらかじめ当該利用者の同意を得ることを原則とし、個人が特定されないよう配慮する。
C 介護福祉士でなくなった後は、守秘義務は課せられない。
D 生命又は身体に重大な危険が生じている高齢者虐待を発見した場合は、守秘義務に優先して通報する。

(組み合わせ)
  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ×
5 × × ○ ○

解答 2
A:○みなさんの職場ではどうでしょうか?この原則を忘れないようにしましょう。
B:○上の問題と共通しているので説明はいりませんね。
C:×定番問題ですね。介護福祉士でなくなったとも守秘義務はなくなりません。
D:○「高齢者虐待防止法」では、行政や福祉関係職よる高齢者の虐待に対する通報義務や通報努力規定が課せられ、また、高齢者福祉に職務上関係のある者については早期発見努力義務に関する規定が設けられています。これは守秘義務に優先するものですから覚えておきましょう。

問題80 次の介護保険法に基づくサービスのうち、法令上機能訓練を行うとはされていないものを一つ選びなさい。

1 短期入所生活介護
2 通初介護
3 介護老人保健施設入所者へのサービス
4 介護老人福祉施設入所者へのサービス
5 居宅介護支援

解答 5
1:×
短期入所療養介護(ショートステイ)の定義は  「短期間入所して、介護機能訓練等の必要な医療や日常生活を受けるサービスです」。機能訓練有りです。
2:×通所介護(デイサービス)の定義は「自立した日常生活を営めるようにデイサービスセンター等に通い、入浴や食事の提供や機能訓練などを日帰りで受ける福祉サービスです。機能訓練が有りです。
3:×老人保健施設(老健)病状が安定し、治療や入院の必要はないが、機能訓練や介護などのケアが必要な方が要介護認定を受けられた後、ご利用できる施設です。機能訓練有りです

4:×介護老人保健施設は、施設の介護サービス計画にのっとって要介護者に看護や、医学的な管理下における介護、また機能訓練、そして必要な医療や日常生活をおくる施設です
5:○「居宅介護支援」とは、居宅の要介護者の依頼を受け、「指定居宅サービスなど」が適切に利用できるよう、その人の心身の状況、置かれている環境、本人やその家族の希望などを勘案し、厚生労働省令で定める居宅サービス計画を作成するサービスです。機能訓練はありません。

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