第19回 精神保健

19回69 
問題69 精神障害とその症状に関する次の組み合わせのうち適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。 

A
 神経症         ―   幻聴
B
 認知症         ―   フラッシュバック
C
 アルコール依存症  ―   人格変化
D
 躁病           ―   観念奔逸(かんねんほんいつ)

(
組み合わせ)
1AB
2AC
3
BC
4B

5
D

解答 5
A
:×神経症は、以前ノイローゼと言われ、しばしば精神病と混同される誤解があるようですが、神経症は主に心理的原因によって生じる心身の機能障害の総称であり、精神病とは異なります。つまり、神経症は器質的な病気によるものではなく、健康な人が普段から体験するような心や身体に対する感覚や感情が、行き過ぎた状態とも言えます。強い不安や恐怖と共に、動悸、頻脈、胸痛、吐き気、発汗、めまい、呼吸難感など種々の自律神経症状、震え、筋肉の緊張、頭のふらつきなど多彩な身体症状を伴いますが幻聴を引き起こすことはありません。
B
:×フラッシュバックは強いトラウマ体験(心的外傷)をうけた場合に、後になってその出来事が鮮明に思い出されたり、夢にみたりする現象です。一般的に認知症や知的障害等で理解力に障害がある場合にはフラッシュバックはおこりにくいとされているので、間違い
C
:○アルコール依存症での人格障害は重要項目ですね。人格レベルが低下すると、もはや自発的な治療意欲さえ失われることが少なくありません。
D
:○躁病の特徴としては、感情や気分は壮快で高揚し、行動が活発で思考過程が早いというのがあります。このほかに、誤った観念がつぎからつぎへとわきあがってまとまりがつかなくなるという観念奔逸(かんねんほんいつ)という思考形式面の障害がおこります。正解

19回70
問題70 次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 

A
 てんかんは発作が起こらなくても、服薬を継続する必要がある。
B
 ストレスを引き起こす生活上の出来事が引き金となり、心因性に起こる精神病を症状性精神病という。
C
 統合失調症の症状は、幻覚、妄想を主とした陽性症状と、感情の平板化、意欲の欠如などを主とした陰性症状とに大きく分けられる。
D
 老年期うつは、不安・焦燥傾向を示しやすい。

(
組み合わせ)
 A B C D
1
○○○×
2
○×○○
3
○××○
4
×○○×
5
×○×○

解答 2
A
:○てんかんは服薬によってコントロールできる病気です。誘因なくおこることもあるのできちんと継続して服薬することは重要です。
B
:×症状性精神病は初めての出題ですね。でも、他の問題がわかれば消去法で70問の問題をとけるはず・・
まずこのことを覚えておきましょう。精神病には内因性精神病と外因性精神病がありますが、外因性精神病はさらに脳そのものに原因がある「脳器質性精神障害」と脳以外の身体に原因がある「症状性精神病」に分けられます。問題では心因性に起こる精神病を・・・という設問なので間違いということになります。この問題は覚えてないとちょっと難しいです。
C
:○そのまま覚えましょう。
D
:○老年期うつの特徴としてはそわそわして落ち着かない焦燥感、その他、気分がふさいだり、おっくうになったり、不安になったりいらいらする傾向が見られます。正解

19回71
問題71 アルツハイマー病に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 

A
 男性に比べて女性に多い。
B
 緩徐に発症、進行する。
C
 早期に人格が変化する。
D
 最も多い初期症状は、記憶障害である。

(
組み合わせ)
 A B C D
1
○○×○
2
○×○×
3
×○○○
4
×○××
5
××○○

解答 1
A
:○間違えた方が多かった問題です。女性に多いのは女性の長生きが原因かもしれませんね・・だから統計上では女性が多いということになったんではないでしょうか
B
:○つまり、緩やかに発症、進行するということで記憶に留めましょう
C
:×上記で緩やかに発症、進行ということで正解ですから、早期に性格が変化ということはありませんね
D
:○初期では車の運転やお金の計算はできるのに、少し前のことを忘れるという症状がでますね。つまり記憶障害が初期段階ではおきています。

19回72
問題72 脳血管性認知症に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
 高血圧や糖尿病などが危険因子となる。
B
 記憶障害を伴うことが多い。
C
 感情失禁は見られない。
D
 多発性脳梗塞(のうこうそく)が原因であることが多い。

(組み合わせ)
 A B C D
1
○○×○
2
○×○×
3
○××○
4
×○○×
5
×○×○

解答 1
A
:○高血圧や糖尿病がもとで脳の動脈硬化が進み、脳梗塞や脳出血が起こると、脳細胞に十分な血液が行き渡らず、部分的に機能が失われる結果おきるのが脳血管性認知症です。でうから正解です(^^)/
B
:○そのとおりなのでそのまま覚えるしかないですね
C
:×認知症の一般症状でも見られますが、感情失禁(涙もろくなる)、意欲の低下、言語障害、歩行障害なども見られます。
D
:○多発性脳梗塞とは脳の毛細管に複数の血栓による梗塞がおきて血液が脳の神経細胞に届かない状態をいいます。これが脳血管性認知症の原因であることが多いのです。

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