第18回 老人・障害者の心理

18回41
 
問題41 ライチャード(Reichrad,S)や、二ユーガーテン(Neugarten,B)らによる高齢者の性格類型と適応パターンにする次の記述のうち,正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。 

A
装甲型(防衛型)は、受け身に人生を受け入れて、仕事への興味はないのが特徴である。
B
円熟型は、現実に柔軟であり、自分の人生を受け入れて、様々なことに興味を持ち、積極的に社会参加を行うのが特徴である。
C
再組織型は(再統合型)は、一つか二つのかの領域にエネルギーを注ぎ、そこから主な満足を得ているのが特徴である。
D
離脱型は、老いるにしたがって役割からはなれていくなど活動性は低いが、人生の満足度は高いのが特徴である。

(
組み合わせ)
1 AB
2 AC
BC
4 BD
5 CD

解答 4
A
×装甲型(防衛型)というのは、年をとっての不安が強いことから、活動を止めてしまうことをきらい、仕事への興味も持ち続けるのが特徴である。
B
○はい、その通りです。そのまま、覚えましょう
C
×再組織型は(再統合型)は多くの役割をもって活動するタイプで、まあ、年をとってからもいろいろ人生を楽しめるような類型でしょうか。ですから一つか二つの領域・・というのが間違いですね。
D
○はい。その通りに覚えましょう

この問題は、19回試験にはでないと思いますから、軽く見るだけにしておきましょう

18回42
問題42 欲求に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。


A
マズロー(Maslow,A)は欲求の階層(hierarchy)説を唱え、第一層から第四層までを欠乏欲求となづけた。
B
マズローの欲求階層説の最高層は、所属と、愛情の欲求である。
C
食事、排泄、運動や睡眠などの生理的欲求は第一次的欲求に含まれる。
D
欲求は生理的なものであり、学習によって得られるものではない。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○× 
2 ○×○×
3 ○××○
4 ×○××
5 ××○○ 

解答 2
A
マズローはこの欲求五段階説で、人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていて、 欲求は底辺から始まり、1段階目の欲求が満たされると、1つ上の欲求を目指すというの です。第一層から第四層までを欠乏欲求となづけています。正しい。
B
×. 第一層から第四層までを「欠乏欲求」、最高層である第五層のみを「成長欲求」・・
C
○ 生理的欲求( 食欲、性欲、睡眠、生命維持)、安全の欲求(衣、住、財産)、社会的欲求( ... 生命維持 に関する欲求を一次欲求、社会的な欲求を二次欲求として分けるのが一般的である。

D×上の説明にもあるように、生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求などがあるので、まちがい

18回43
問題43 次の記述のうち、関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
介護に当たる家族へのカウンセリングでは、家族自身の潜在的な力を発揮できるようにすることが重要である。
B
不安障害の高齢者に対する認知療法では、本人の現実認知の誤りに対し、「違う考え方」を提示する。
C
現実に直面しない人には、自律訓練法が有効である。
D
介護が家族にもたらすストレスの要因には一次的ストレッサーと二次的ストレッサーがある。日常生活動作の障害は一時的ストレッサーである。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○× 
2 ○○×○
3 ○××○
4 ×○×○
5 ××○× 

解答 2
A
○その通り覚えましょう
B
不安 を感じた場合の対処法を学習するのが「認知療法」です。現実認知の誤りに対し、「違う考え方」を提示することは有効です
C
×自律訓練法は、ストレスなどからくる身体症状を緩和させることを目的とするものである。現実に直面できない人にたいして行う方法ではない。難しい問題だぁ〜
D
○そうです。例えば介護疲れ等は一次ストレッサー、それによって生じる、睡眠不足などにおちいるストレスを二次ストレッサーを覚えると簡単でしょうかねェ〜

18回44
問題44 次の組み合わせのうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1知能の加齢変化   →横断的方法により測定する場合には、出生年代の差異による                                                                                   影響に留意する必要がある。
WAIS-R        →11の下位検査により構成されている知能検査である。
3結晶知能       →経験や知識の豊かさなどに結びつく能力である。
4流動性知能      →動作の視覚的な正確さやスピードなどに関連した能力である。
5ビネー式知能検査  →動作性検査と言語性検査を個々に行う。

解答 5
1○知能加齢に伴い低下すると言われているが知能20歳代で最高に達すると言われてますので留意は必要です
2○この問題の2〜4まではそのまま覚えるといいでしょう
3○同上
4○同上
5×ビネー式知能検査は120問が設定され、思考、言語、記憶、数量などの問題からできているものである。動作性検査と言語性検査を個々に行うとあるのはWAIS-Rの成人知能検査のものです。

18回45
問題45 適応に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
適応には、個人と環境との間に調和のある満足すべき関係が保たれている状態といえる。
B
積極的に環境に働きかけて好ましい状態を生み出していくことを順応という。
C
個人の欲求が環境との間に不調和をもたらしたとき、そのことよって起こった緊張状態を社会的に解決することを適応機制という。
D
欲求不満に陥った場合に、芸術やスポーツに打ち込んで満足を得る行動を合理化という。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○×○ 
2 ○○××
3 ○×××
4 ×○○×
5 ××○○ 

解答 3
A
適応とは.自分自身と生活環境や自然との「調和」「共存」的関係性の成立と、その 維持された状態をいいます。よって正解
B
×順応とは環境に働きかけるのではなく、反対に環境に受け身になることをさす
C
×適応機制とは、個人の欲求が環境との間に不調和をもたらしたとき、心理的な満足を得るために無意識的に解決しようとする人の行動です
D
×合理化とは、簡単にいえば自分の失敗を自分以外にあるとすることで自分を正当化することである。この問題にある欲求不満に陥った場合に、芸術やスポーツに打ち込んで満足を得る行動のことを「昇華」といいます。けっこう出る問題ですね

18回46
問題46 発達障害に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
軽度障害の子供に対しては、学習上のつまずきを早く発見し、その努力不足を指摘して本人の自覚を促すことが重要である。
B
学習障害の子供は、知的な発達が全般的に遅れているために、読み書きや計算が苦手である。
C
高機能自閉症とは、自閉症のうち知的障害を伴わない状態を言う。
D
注意欠陥・多動障害の子どもは、中度・重度の知的障害や自閉症が認められないにもかかわらず、「不注意」、「多動症」、「衝動性」などによって日常生活に困難を伴う。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○× 
2 ○○××
3 ○×○×
4 ×○×○
5 ××○○ 

解答 5
A
×努力不足を指摘しては意欲もなくなりますよね。能力に見合った指導ならいいと思いますけどね
B
×とんでもな〜い。この障害では全般的な知能発達には障害は見られません
C
○その通りで、脳の障害はあるものの、知能のおくれはありません
D
○なかなか、いい問題文です。このまま覚えて損はありません。これらの問題はよく出る問題でもあります。

18回47
問題47 コミュニケーションの障害に関する次の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1音声言語習得の中途失明者の場合、時間が経つと発音の明瞭度は低下することが多い。
2発声障害には、咽頭(いんとう)摘出により食道発声が必要になるような場合のほかに、心理的な原因によるものも含まれる。
3吃音(きつおん)では、構音は明瞭でも話し言葉の流れに障害があり、場面や相手によってその状態は左右されやすい。
4失語症は脳の言語機能が損傷された結果生じるものであるが、理解面より発話面での障害が大きい方がコミュニケーションの困難性が増す。
5構音障害のある脳性麻痺者の場合、コミュニケーションの代替手段として携帯型対話装置やワープロなどが、しばしば用いられる。

解答 4
1○その通りです。
2○器質的障害以外に、心理的要因によるもの(心因性発声障害)もあるので正解です
3○吃音障害とは、話し言葉でのリズムがうまくはたかない障害です。(構音とは下顎骨・舌・口蓋帆・口唇などの発語器官を動かすこと によって、口腔・咽頭・鼻腔の形態を変化させ、言語音として必要な特性を音声波に与える 操作のことです。)この問題にもあるように、この障害では場面や相手によってその状態は左右されやすい。
4×失語症の分類を理解しましょう。よく試験にでますからね。
   運動失語:言語理解は○、しかし言語表出は×
   感覚失語:言語表出は△、しかし言語理解は×
   発話の障害も言語理解障害も共にコミュニケーションの困難性がある
5○その通りです。覚えましょう

18回48
問題48 次の記述のうち、適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
音楽療法では、歌を歌ったり、演奏や音楽鑑賞によって、脳自体への刺激効果やコミュニケーションの円滑化が期待できる。
B
回想法では、記憶障害が顕著である認知症高齢者を対象とする場合、回想の内容の正確さを確認することが重要である。
C
高齢者に対する動物介在活動は、能動的、主体的にかかわる交流であることが特徴の一つである。
D
リアリティ・オリエンテーションは、認知症高齢者の場合、残存している能力へ働きかけるものである。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○× 
2 ○○××
3 ○×○○
4 ×○×○
5 ××○○ 

解答 3
A
○その通りですね
B
×回想法ではそれを語る本人の思いが大事なので、正確でなくてもいいですね
C
○犬の世話をすることで生き甲斐などが生まれてきますよね
D
○リアリティ・オリエンテーションでは、利用者の残存能力を活用して、自分が誰で、自分がどうしているかなどの現実の認識ができることで不安を取り除くことに意義がある。

inserted by FC2 system