第17回  社会福祉援助技術

17回27
問題27 「終結」に関する次の記述のうち,正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。 

A
利用者は、終結後に改めて相談することができない。
B
今後いくつか解決すべき問題はあるものの、その解決を利用者が自らの力で対応できる場合は終結することがある。
C
援助者は、意図的に終結を準備する。
D
終結は、援助過程の一部ではない。

(
組み合わせ)
1 AB
2 AC
3 BC
4 BD
5 CD

解答 3
A
×終結は援助関係での最終終結ではない。必要があれば再度援助契約を結ぶ必要があることを利用者には伝えておく必要がある。
B
○利用者が解決できるのであれば、援助の必要自体ないのだからその場合にはその時点で終結となります。
C
○利用者が自立を妨げるほど過度に依存してしまわないように、終結を意図的に準備するという意味であり、正しいことである。
D
×援助過程のなかに入る。

17回28
問題28 次の記述のうち、正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
アドボガシーとは、援助過程において援助者が、利用者の権利を擁護するための活動である。
B
エンパワメント・アプローチとは、利用者の潜在能力や可能性の強化と環境の改善を含めた主体的な問題解決を支援する援助方法である。
C
ワーカビリティとは、利用者を取りまいているフォーマル及びインフォーマルなネットワーク状況を確認して、支援体制を強化していく方法である。
D
コンサルテーションとは、関連機関や関連領域の専門家との相談等により、援助者が専門的助言や示唆を受けることである。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○×○
2 ○×××
3 ×○○○
4 ×○○×
5 ××○○

解答 1
A
○援助者が利用者の権利を擁護する活動のことをアドボガシーというので正しい。
B
○エンパワメントとは、利用者が潜在的にもっている能力である。その持ってる能力等を改善する援助過程のことなので正しい。
C
×ワーカビリティとは、利用者が持っている解決能力のことなので、問題文説明とは異なる。
D
○その通りである。良く出る問題ですね

17回29
問題29 社会福祉調査の方法に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
 標本調査とは、母集団からその一部を抽出して調査を行い、その標本の特性値から母集団の特性値を推定しようとする方法である。
B
 無作為抽出法は、調査者が母集団を代表すると思われる標本を恣意的に選び出し、標本を母集団に近似させる方法である。
C
 参与観察は、調査者自身が対象集団の内部に入り、体験を共にしながら、観察する調査方法である。
D
 「社会福祉施設調査」における社会福祉施設数は、全数調査によって把握している。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○×○
2 ○×○○
3 ○×××
4 ×○○○
5 ××○×

解答 2
A
○全件数を実施することが困難な場合、対象集団から一部を抽出して調査し、そのデーターから全体の特徴を推定するものである。
B
×恣意的に選び出す・・つまり、ある意図を働かせてという選び方は、無作為抽出とはいわない。無作為とは主観的な作為を排除して標本を選ぶやり方である。
C
○このまま、素直に覚えましょう
D
○社会福祉施設調査・・初めて出た問題です。これは全数調査されてるものです


17回30
問題30 グループワークの援助媒体に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 ソーシャルワーク関係
2 メンバーの相互作用
3 プログラム 
4 社会資源
5 スーパービジョン

解答 5
1○ソーシャルワークの一つの方法にグループワークがある・・・したがって正解
2○グループワークは利用者個々が影響を受け合って、つまり相互作用のもとに援助活動するものである。
3○グループワークの一連の活動のことをプログラムというので正解
4○グループワークでも地域の社会資源を活用しますよね。いろんな施設の活用、ボランティアの活用もすべて社会資源の活用になります。
5× スーパービジョンは指導者がワーカーに対して行う教育や指導のことをいうのでグループワークとは直接関係なさそうですね。間違い

17回31
問題31 ソーシャルサポートネットワークに関する次の文書の空欄ABCに該当する語句の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。

社会福祉実践において、ディーサービス事業やショーステイ事業などに代表されるような公的機関や専門職が提供する(A)サポートと、家族や近隣者、そしてボランティアに代表される(B)サポートがあり、意図的に各種サポートの有機的な連携を活用しながら利用者を支援する方法の一つとして(C)がある。

     A                    B                             C
1 インフォーマル →フォーマル      →社会活動
2 フォーマル   →インフォーマル    →ケアマネジメント
3 オフィシャル  →フォーマル      →社会活動
4 フォーマル   →インフォーマル    →スーパービジョン
5 インフォーマル →フォーマル      →ケアマネジメント

解答 2
コメントは特にいらないと思います。答えを入れて、じっくり読めば理解できますもんね

事例問題
次の事例を読んで、問題32から問題34までについて答えなさい。
(
事例)(以下名前はすべて仮名である)
田中良子さん(介護福祉士・実習指導担当)(以下、「田中職員」という。)が勤務する特別養護老人ホームに先月、青木さん(73歳・男性)、鈴木さん(69歳・女性)、佐藤さん(76歳・女性)がほぼ同時期に入所してきた。3人は、脳血管障害で片麻痺などの障害がある。各人とも入所までの経緯はちがうものの、ホームでの暮らしに不満を抱き、イライラしている様子である。青木さんは、「このホームには、話し相手がいない。毎日、暇でつまらん」と、職員に不満をこぼしていた。先日鈴木さんは、介護福祉士養成校の実習生の未熟な介護技術に怒りをあらわにし、「あなたは、介護福祉士にはむかない!」と発言し、学生とトラブルを起こした。また、一週間前に、元来、几帳面で真面目な性格の佐藤さんは、以前から合う約束をしていた親友の訃報を知りとても落ち込み、ここ数日は、自室で涙ぐんでる様子である。彼らを担当する田中職員は、何とか3人がホームでの生活に慣れ、生き生きしてもらいたいと考え、週一回のグループワークを開始した。

17回32
問題32 トラブルを起こした鈴木さんと実習生に対して、田中職員はどのように対応すべきか、次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
 鈴木さんと実習生の両方からその時の状況を聴いた後、実習生に基本的な介護技術を指導した。
B
 鈴木さんから、その時の気持ちを丁寧に聴いた。
C
 鈴木さんに対して、実習生に謝罪してはどうかと説得した。
D
 実習生の実習を、一方的に中止した。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○×
2 ○○××
3 ○××○
4 ×○○×
5 ××○○

解答 2
A
○両方から事情を聞いた上で、実習生を指導する。いいですね
B
○気持ちを丁寧にきくことで、更に信頼関係もでてきます
C
×直接的なトラブルの発端は実習生の未熟にあるので、鈴木さんのほうからの謝罪の説得では解決にはならないと思います。
D
×実習を中止することよりも、実習のなかで、実習生が対応する力、解決能力を身につけて行った方がいいと思います

17回33
問題33 田中職員の佐藤さんに対する支援のあり方に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
 孤独感を持たないように、佐藤さんに対して意図的に声かけをする。
B
 定期的に佐藤さんの居室を訪ね、今の気持ちを丁寧に聴くようにする。
C
 佐藤さんに、「親友のことは忘れて、頑張っていきましょう!」と強く励ます。
D
 佐藤さんの、表情、発言、行動、食事量、睡眠状態等の変化について注意するよう他のスタッフに伝える。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○×○
2 ○×○×
3 ○××○
4 ×○○○
5 ×○××

解答 1
A
○自然な援助のあり方ですね
B
○うんうん・・・そのとおり
C
×このように落ち込んでいるときは、励ますよりなにより、話をじっくりきくことです
D
○精神的ショックで抑うつ傾向になりがちです。問題文のとおりです

17回34
問題34 次の記述をグループワークの展開過程の順序に並べた場合、その組み合わせとして最も適切なものの組み合わせ一つ選びなさい。

A
参加メンバーが相互に自己紹介した後、田中職員が司会をしてグループでの目的について提案し、各自の意向を尋ねた。
B
相談して決めた花見会が実現し、3人の会話や笑顔が見られるようになり、青木さんは、趣味の俳句サークルにも参加し始めた。
C
メンバーから活動のプログラムを提案してもらい、青木さんを中心に、いくつかの案に対して各自の目的の明確化と具体的な段取りなどの打ち合わせが始められた。
D
同時期入所の3人の現在の状況についてアセスメントし、グループへの参加を呼びかけた。


1 ADBC 
  ADCB
  DABC
  DACB
  DCAB

解答 4
解答4番をみながら文書を良く読んでみてください。それから、グループワークの展開過程を頭に入れておくことが大事です

準備期→開始期→作業期→終結期の4段階を意識して問題を解きましょう。

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