第16回  社会福祉援助技術

16回27
問題27 記録の作成に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。 

A
利用者の感情や心の動き、仕草や表情、援助者自身がうけた印象も記述する。
B
責任の所在を明確にする必要がないため、記録者名を表示しなくてもよい。
C
記録した人がわかれば、他人にわからない略語を使用してもよい。
D
「いろいろ」や「長時間」のように抽象的な表現を避け、具体的に表現する

(
組み合わせ)
1 AB
2 AD
3 BC
4 BD
5 CD

解答 2
A
○言葉だけではつかめないところがたくさんありますから、仕草、表情も大事な情報となります。
B
×むしろ責任の所在を明確にする必要があるので、記録者名の記入は必要です。
C
×情報は共有するのもですから、それが伝わりにくいと記録の意味がありません。
D
○「いろいろ」「長時間」では、何がいろいろなのか、何時間くらいそうだったのかという具待機な情報には、なっていませんよね。記録としては不適切です。


16回28
問題28 セルフヘルプ・グループに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
自助集団と呼ばれる当事者の組織である。
B
相互支援や社会からの支援を求めて組織された、「親の会」や「患者の会」等がある。
C
自立生活センターをつくり、仲間同士によるピア・カウンセリング活動等を展開してきた障害者の団体等がある。
D
専門家が指導援助を行うことを目的として組織した、当事者集団のことである。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○×
2 ○×○×
3 ○××○
4 ×○○×
5 ×○×○

解答 1
A
○セルフヘルプ・グループに日本語訳を付けるとしたら、自助集団です。覚えよう!
B
○これらも自助集団ですから・・もう頭にインプットしたね(^^)/
C
○障害者が中心になって運営されてる、重要な自助集団の活動です。
D
×専門家というより、むしろ当事者が自主的に運営するものです。ですから間違い

16回29
問題29 社会福祉調査で用いられる調査方法に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
郵送調査は、調査対象者から質問紙を回収することが容易なので、一般的には他の調査方法に比べて回収率が高い。
B
集合調査は、調査対象者に対する調査の説明や条件を一定にしなければ、回答結果にゆがみを生じてしまう可能性がある。
C
配票調査は、調査対象者本人が記入したかどうかについて確証がなく、他人の意見や回答などが入り込む可能性がある。
D
個別面接調査は、調査対象者の応答を確実にとらえることができる。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○××
2 ○××○
3 ×○○○
4 ××○○
5 ××○×

解答 3
A
×郵送調査では一般に他の方法にくらべ回収は低いようです。
B
○そうですよね。説明者の説明の仕方、方法で解答結果がゆがめられることあります。
C
○配っておいて、あとはその家庭にお任せでは、たしかに誰が記入したかの確証は得られませんよね。
D
○そう、そのとおり、最もいい確実な調査といえます。

16回30
問題30 アセスメントに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。 

A
利用者の身体的、心理的な状況に重点を置き、利用者を取り巻く環境については把握する必要はない。
B
適切な援助計画を作成するために行う。
C
利用者の問題状況や、解決すべき問題について把握することである。
D
実施された援助が、効果をあげているかどうかを評価することがある。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○××
2 ○×○×
3 ×○○×
4 ×○×○
5 ×××○

解答 3
A
×アセスメントは「利用者を取りまく状況を把握する」ということです。心理的状況も取りまく環境もどちらも大切ですから、誤り!
B
○アセスメントがきちんとあってこそ計画が立てられるんですからね
C
○そうです。アセスメントとはそういうことを把握するためのものです。
D
×アセスメント→計画→実施→モニタリングという経過をたどりますが、援助の効果を評価するのはモニタリングにあたりますので間違いですね

16回31
問題31 利用者との援助関係を作る際の基本となる自己覚知に関する次の記述のうち適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
援助者が利用者を理解するためには、援助者自身の自己覚知が前提となる。
B
自己覚知とは、利用者自身が置かれている状況を、本人に理解させることである。
C自己覚知とは、援助者自身のものの味方や考え方について、自ら理解することである。
D
援助者の個人的な見方や考え方が、利用者をありのままに理解することを妨げる場合もある。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○××
2 ○×○○
3 ○××○
4 ×○○×
5 ××○○

解答 2
A
○「自己覚知する」ということは、自分の偏った価値観などにとらわれないで利用者を理解するということです。そうすることで、信頼関係も結べるし、利用者の本当の理解にもつながります。
B
×これは自分の主観、価値観にとらわれてる文書表現ですね。間違い
C
○そうですね。自分を理解する・・いいんじゃないでしょうか
D
○援助者が、自分の主観・価値観をぶつけると、こんな間違いがおきるよ〜ということを述べた問題文です。正しい

事例問題
(事例)
特別養護老人ホームで勤務している介護福祉士の佐藤良子さんが、当直勤務していた晩に、入所者の田中ウメさん(80歳、女性)から相談をうけた。
佐藤さんは、田中さんの突然の訴えに困ってしまった。田中さんからの訴えとは、次のようなものだった。
「ここだけの、話ですよ。私は4人部屋にいるのですが、同居者同士の仲があまり良くないのです。それに実は、近頃、私の物ばかりが盗まれるので、とても困っています。できれば、他の部屋へ換えて欲しい。それに、最近は息子家族も面会に来なくなって、とても寂しいのです」という内容であった。なお、田中さんは、最近痴呆病状がでている。
佐藤さんは、翌日のカンファレンスの際に、田中さんの問題に、他のスタッフも対応して欲しいと提案し、生活相談員の鈴木健太さんと連携をとり、対応していくことになった。

16回32
問題32 佐藤さんが田中さんに対して取るべき態度として、次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
田中さんの情緒的な側面にも着目して、訴えを丁寧に、かつ十分に聴く。
B
同室者との相性の悪さは、田中さんの側にも問題があるのではないかと指摘する。
C
田中さんには断らずに、同室者に、田中さんの訴えの真偽を確認する。
D
同じような不安や悩みを持っているのは田中さんだけではないので、我慢するようにと説得する。

(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○×
2 ○×○○
3 ○×××
4 ×○○×
5 ×○×○

解答 3
A
○介護員には、介護だけじゃなく、話を聞いて受容・共感できることも必要ですね。
B
×援助技術のなかで、非審判的態度をとることも勉強しましたよね。指摘はいけません。
C
×同じく援助技術のなかで、自己決定ということもまなびました。つまり、田中さんの同意を得ることで、自己決定が守られるということです。
D
×利用者一人一人抱える悩みはちがいます。個別化して利用者さんを考える。そのように対応するとしたら、「田中さんだけじゃないから我慢して」という言葉にはならないと思うなぁ〜

16回33
問題33 生活相談員の鈴木さんは、数日後、同室の4名の入所者との話し合いの場をもつことを計画した。田中さんの了承を得て、問題解決の糸口を見いだすため、テーマを「施設の中で仲良く暮らすためには」として話し合うことを提案した。その話し合いを進める順序として次の記述を並べた場合、その組み合わせとして適切なものを一つ選びなさい。

A
参加者にテーマについて確認し、プログラムを進めていく具体的な内容について調整する。
B
個々の参加者に、テーマを基に話し合いを持つことについての意見を尋ね、話し合いへの参加の意思を確認する。
C
参加者が自分たちの抱えている問題に気づくきっかけをつくり、継続的に考えていくようにする。
D
テーマについて、参加者が自らの意見や考えを率直に表現できるように促す。

(
組み合わせ)
  
1 ABCD
2 ACDB
3 BADC
4 BDAC
5 CBAD

解答 3
説明は省略しますが、答えの順番をじっくりたどって、読んでみてください

16回34
問題34 息子家族との面会を待ち望んでいる田中さんへの援助として、鈴木さんがとるべき援助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1田中さんの孤立感を緩和するために、施設内のグループ活動への参加を促す。
2息子家族へ連絡して、田中さんの様子を伝え、面会の調整を行う。
3田中さんや息子家族の了解の上で家族の面会時に同席し、田中さんが自分の思いを話しことができる機会を持てるようにする。
4田中さんとかかわる面接時間を増やして、田中さんが語る家族についての話を傾聴する。
5援助者の判断を優先して、外泊の予定について、息子家族と交渉する。

解答 5
1○このようにグループ活動をすることで、気分転換にはなりますよね
2○このような活動も、相談員等と調整しながら行うことは大切な業務です。
3○面気時に介護員が同席し、時には田中さんが伝えられない思いを代弁することも必要です。もちろん田中さんの了解のもとにですよ・・・
4○身近な家族等の話をじっくり聞くことなどによって、寂しさを軽減できたりするもんです。
5×あくまでも、本人の意向が大切。自己決定の尊重を思い出しましょう。

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