第16回 社会福祉概論
16回1
問題1 次のそれぞれの人物に関する説明のうち、正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。
Aリッチモンド → アメリカにおけるケースワーク理論の発展と体型化に貢献した。
Bアダムス → ロンドンにハル・ハウスを設立し、セルツメント事業に取り組んだ
Cベバリッジ → 第二次世界大戦中にイギリスで「ベバリッジ報告」をまとめ戦後の
社会保障施策に大きな影響を与えた
D留岡幸助 → 日本の救世軍の創設にかかわり、廃娼運動や禁酒運動などの
活動に貢献した
(組み合わせ)
1 AB
2 AC
3 AD
4 BC
5 BD
解答2
A○「ケースワークの母」として超有名です。このほかに「社会診断」「ソーシャルケースワークとは何か」という著書が有名なので頭にインプットを
B×アダムスはアメリカ人で、アメリカのシカゴにハルハウスを設立しました。ロンドンでのこのような施設はバーネットのトインビーホールが有名です。
C○ベバリッジもよく概論の試験にでてきます。ベバリッジは人名ですが、社会保険にかかわる報告をだしたかたで有名です。貧窮・疾病・無知・怠惰・不潔を「5つの巨人悪」として、それらの対策を強調しました。このあたりも覚えておいて損はありません。
D×鶴岡幸助・・彼は「家庭学校」(児童自立支援施設)で有名です。日本の救世軍の創設にかかわり、廃娼運動や禁酒運動などの活動に貢献したのは山室軍平・・これも覚えましょう
16回2
問題2 社会福祉サービスの適切な利用に関する社会福祉法の規定について、次の記述のうち、正しいものの組み合わせを一つ選びなさい
A国及び地方公共団体は、福祉サービスを利用しようとする者が必要な情報を容易に得られるように、必要な措置を講ずるように努めなければならない。
B社会福祉事業の経営者は、その提供する福祉サービスの利用を希望する者から申し込みがあった場合には、その者に対し、当該サービスを利用するための契約の内容及びその履行に関する事項について説明するように努めなければならない。
C福祉サービスの利用援助事業の適正な運営の確保と福祉サービスの利用者等からの苦情の解決のために、市町村社会福祉協議会に運営適正化委員会を置かなければならない。
D社会福祉事業の経営者が、その提供する福祉サービスについて広告を行う場合には、都道府県知事の許可を受けなければならない
(組み合わせ)
1 AB
2 AC
3 AD
4 BC
5 BD
解答 1
A○これは正解ですが、社会福祉法第75条を参照してください。
B○社会福祉法第76条にかいてある条文です。まあ、当たり前のことを書いてるんですけどね。
C×運営適正化委員会は市町村社協ではなく、都道府県社会福祉協議会に置くことになっています。これも過去問でよく出てるんだよねェ〜
D×社会福祉法で福祉サービスについて誇大広告を禁止していますが、広告にたいして都道府県知事の許可をとることは規定あれていません。ご注意を!
16回3
問題3 我が国の社会保障制度に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A昭和48年4月から国民健康保険法が施行されたことにより、「国民皆保険」が実現した
B国民年金基金に加入出来るのは、国民年金法の第3号被保険者である。
C障害基礎年金の給付額は、保険料納付済み期間の月数により異なる。
D平成14年10月から、老人保健法における医療の対象者は、75歳以上の者及び65歳以上75歳未満の寝たきり等の状態の者となった。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○××
2 ○××○
3 ×○○×
4 ××○○
5 ×××○
解答5
A×国民健康保険法の施行は昭和34年からなので間違い、国民皆保険実現はそれより遅れて昭和36年です。
B×年金関係は整理して覚えましょう。基金には地域型国民年金基金と職能型国民年金基金の二つがありますが、希望者はどちらかの選択ということになります。(国民年金基金とは老齢基礎年金に上乗せの役目をするもの)この基金加入の対象者は、自営業者等の第1号被保険者であるので、間違い。問題にある第3号被保険者とは国民年金以外の第2被保険者の被扶養配偶者をさします。
C×障害基礎年金の額は定額なので間違いですね。
D○平成14年に老人保健法が改正されて、以前は70歳以上のもの、65歳から70未満の寝たきりのものだったのが75歳以上に引き上げられました。覚えましょう。
16回4
問題4 雇用・就労制度に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A「育児・介護休業法」により、3歳未満に満たない子を養育する労働者又は要介護状態にある家族を介護する労働者は、育児休業又は介護休暇を取得することができる。
B平成11年度の「女性雇用管理基本調査」によると、出産した労働者に占める育児休業取得者の割合は、9割を超えている。
C介護分野における雇用機会の創出を支援するため、介護分野で新たなサービスの提供を行う事業主に対して、介護基盤人材確保助成金などの介護雇用創出助成金が支出されている。
Dワークシェアリングとは、雇用環境を改善する方策としてヨーロッパ諸国で行われており、我が国でも関心が高まっている。
(注)「育児・介護休業法」とは「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」のことである。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○××
2 ○×○×
3 ×○××
4 ××○○
5 ×××○
解答4
A×育児休業を取得できるのは「1歳未満の子を養育している者」ですから間違い!
B×最新のデーターでも、取得できているのは、約6割程度のようですから間違い
C○けっこう細かい問題ですねェ〜。介護基盤人材確保助成金このほかに介護雇用管理助成金、介護能力開発給付金などがあります。
D○日本語訳としては、仕事をわけあって雇用を作り出す・・そんな感じですね。正しい
16回5
問題5 社会福祉援助技術に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A社会福祉援助技術を直接援助技術、間接援助技術及び関連援助技術に分類すれば、集団援助技術(グループワーク)は直接援助技術に分類される。
B個別援助技術(ケースワーク)とは、カウンセリングの別名であり、カウンセリングについての専門教育をうけた者が用いる技術である。
Cスーパービジョンには、管理的機能のほか、教育的機能、支持的機能がある。
Dコンサルテーションとは、経験の浅いソーシャルワーカーに対して、同一職場の経験豊富なソーシャルワーカーが、定期的に助言指導を行うことである。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○×○
2 ○○××
3 ○×○×
4 ×○○×
5 ×××○
解答3
A○よく出る問題です。直接援助技術は、個人、集団に直接働きかける活動で、ケースワーク、グループワークがこれに含まれます。
B×この問題を間違える人多いです。ケースワークは問題を抱える個々の人に対して個別に行う援助、カウンセリングはたしかに個々に働きかけはするが、その方法は心理的援助を必要としている人が対象であることの違いがあります。ですから間違い
C○これも、よ〜く出る問題。そのまま覚えましょう。
D×同一職場の人間というよりも、職場外の専門領域の人が、専門的な助言を必要とする人に対して行う助言・指導のことをいいます。
15回6
問題6 社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A介護福祉士は、その業務を行うにあたっては、医師その他の医療関係者との連携を保たなければならない。
B介護福祉士に合格した者が介護福祉士となるには、都道府県知事に申請し、登録を受けなければならない。
C社会福祉士については信用失墜の禁止規定はあるが、介護福祉士については、同様の規定はない。
D介護福祉士は、介護福祉士でなくなった後も、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○××
2 ○××○
3 ×○○×
4 ××○○
5 ×××○
解答2
A○過去問でも頻繁にでます。そのとおり
B×これもよく出ますが、都道府県知事じゃなく申請・登録は厚生労働大臣が指定した機関である、社会福祉・振興試験センターです。国家試験ですから登録は知事じゃないです。
C×社会福祉士も、介護福祉士も同様に信用失墜をしてはいけないことが明記されてます。
D○これも社会福祉士も、介護福祉士も同様その仕事を辞めた後でも、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはいけません。
16回7
問題7 生活保護制度に関する記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。
1生活に困窮する国民に、その最低限度の生活を保障するとともに、自立助長を図ることを目的としている。
2すべての国民は、生活保護法の要件を満たす限り、保護を無差別平等に受けることができる。
3保護は、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助など、8種類となっている。
4生活保護制度の財源は、保険料によって賄われる。
5保護は、資産、能力の活用を要件としている。
解答 4
1○このとおり覚えましょう
2○このとおり覚えましょう
3○保護の内容は覚えておいたほうがいいと思います。1:生活扶助2:教育扶助3:住宅扶助4:医療扶助5:出産扶助6:生業扶助7:葬祭扶助8:介護扶助の8つです。どうですか?語呂合わせとはいきませんが、「せいきょうじゅうい、しゅせいそうかい」と呪文のように覚えてみませんか?
4×財源はすべて我々の税金です。負担割合は国が3/4、地方公共団体が1/4ですから、生活保護者の多い市町村はそれだけ多くの負担を強いられることになります。
5○この法律、生活保護法の第4条ですが覚えておいたほうがいいと思います。「保護は、生活に窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」とあるように規定されていますから、簡単には保護を受けられない感じですね。このときには資産調査が実施されることになります。
16回8
問題8 社会福祉法人に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい
A社会福祉事業を行うことを目的に設立された法人である。
Bサービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない。
C公益事業及び収益事業を行うことはできない。
D理事の業務執行の状況を監査することは、監事の職務である。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○×
2 ○○×○
3 ○×○×
4 ×○×○
5 ××○○
解答2
A○この通りです
B○はい、当たり前のことをかいてますね。
C×条文のなかには、経営する社会福祉事業に支障のないかぎり、公益事業、収益事業のどちらもできると規定されています。ですから、間違い!これもよく出る問題ですね
D○社会福祉法人には役員として理事が3人以上、監事が一人以上と必ず置くことになっています。問題にあるように仕事内容は理事の業務執行の状況を監査することにあります。したがって正しい。