15回 レクリエーション活動援助法

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問題35 介護の現場における「レクリエーションの考え方」に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。

1 あくまでも集団活動が基本であるから,施設における行事やクラブ活動では,利用者全員が参加できるものを考えることが大切である。
2 ゲームや踊りなどのほか,手遊び歌や風船バレーなどがあり,それらは施設入所者にとって絶対と言っていいほど大切である。
3 楽しいことであり,参加者の心身と生活の活性化のための活動となるので大切である。
4 余暇に行われる活動であるから,利用者の好みというよりは,労働によって失われたものを回復する「余暇の善用」として位置付けることが大切である。
5 身体の不自由な人には無理なので,そういう人にはリハビリテーションを行うことが大切である。

解答 3
1×レクは集団でやることは多いが、それが基本ということはありません。参加、不参加は本人の自由ですからね。この問題では強制参加の臭いがしますね
2×この、「絶対」がでたら、わたしなら、最後まで読まないで×にします。いいことかもしれないけれど何事にも絶対はありえません
3○そのとおりです。それをすることで生活に潤いがでなきゃ
4×余暇に行われる活動だけでなく、食事、睡眠、学習、仕事というようなものまで含むものです。余暇の善用という位置づけは、昔のレクの考え方にありましたが、今ではその感えかたは見直されています。
5×あれあれ〜 身体の不自由なひとでも、できるレクはたくさんあるんじゃない?


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問題36 福祉施設におけるレクリエーション活動の主体に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。
1 主体は個人であるが,施設という集団生活の場では,個人よりも集団を主体と考える。
2 主体は施設利用者であり,利用者一人一人がレクリエーションを受け入れたり,評価したりすることが大切である。
3 レクリエーション活動を提供する施設が主体であるから,利用者の好みに応じたレクリエーションを提供しなければならない。
4 レクリエーションの楽しみや喜びを共有することができる仲問がいることが大切となることから,主体は集団である。
5 主体は時と場合によって変化するため,利用者が主体になることもあれば,介護福祉士や施設長が主体になることもある。

解答 2
1×集団生活の中でも、個人の主体性は尊重されなくてはなりませんね
2○そのとおりですから、問題を何度も読みましょう
3×レクレーション活動の主体は、提供する施設ではなく 利用する人でなくてはなりません
4×主体は集団ではなく、「個」でなくてはなりません。現在のレクリエーションの考え方は、集団でありながら、利用者ひとりひとりがいかに楽しめるか、主体的に関われるか というものに変化してきています
5×だまされてはいけません。あくまで主体は利用者ですよ。介護福祉士や施設長が主体となることはありません


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問題37 次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,
の組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
 レクリエーション活動は,スポーツをすることも一つであり,リハビリテーションの目的を遂行するために利用できることもある。
B
 レクリエーションは,楽しいという感情をべ一スに,身体的・精神的・社会的なコンディショニングを図ることを内包しており,リハビリテーションの分野でも利用できる。
C
 リハビリテーションは,その利用者の生活の質(QOL)の改善や向上を目的としており,運動療法などの場面でレクリエーション活動が関係することもある。
D
 レクリエーション活動は,利用者の個別化が重要であり,リハビリテーションの目指す方向と一致する。
(
組み合わせ)
  A B C D
1 ○○○○
2 ○○×○
3 ○×××
4 ××○×
5 ×××○

解答 1
A
○施設でのレク活動の主体に関する問題です。すべて正解。ADを何度も読んで
B
○同上
C
○同上
D
○同上

事例問題

(
レクリエーション活動援助法・事例問題)
次の事例を読んで,問題38から問題40までについて答えなさい。
〔事例〕
某市障害者保健福祉センターでは,機能訓練と並んで様々なレクリエーション活動が行われている。主婦であったAさん(55歳・女性),脳血管障害による右片麻痺(右利き)である。コミュニケーションに問題はないが,発声機能がやや低下している。通所をはじめたころは,病気によるショックからうつ状態がひどく,集団活動には参加出来ない状態であったが,6か月経過した今は,障害を徐々に受け入れ,うつ状態もやや軽減してきたので,他者に対しても少し注意が向けられるようになってきた。


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問題38 右片麻揮のAさんに対するレクリエーション活動に関する次の記述のうち,
最も適切なものを一つ選びなさい。

1 Aさんのレクリエーション活動場面では,患側の右.上下肢は無視して,健側の左上下肢のみを使うよう促す。
2 Aさんは,発声機能が低下しているので,歌を歌うなどの声を出す活動が有効である。
3 うつ状態の軽減しつつあるAさんには,他者とのふれあいを目的とした40人くらいの集団活動が効果的である。
4 右利きであったAさんのレクリエーション活動は,利き手交換をしなければならないので,常に左手での活動を促し励ます。
5
 主婦であったAさんへのレクリエーション活動の種目としては,料理が最も適切である。


解答 2
1×「患側の右.上下肢は『無視』して」とありますが、状況によっては使うこともあるかもしれないのでまずは状況を把握することから始まりますよね
2○歌うことでリハビリになりますから、良いことじゃないでしょうか
3×うつ状態なのに、いきなり大人数の前に出ることはストレスを与えてしまいます。最初は少人数から徐々に集団に慣れるようにするが正解ですね
4×うつ症状のある方に「励まし」が禁忌であることは、援助法の基本中の基本です
5×あれっ!事例問題の中には料理の「り」もでてないぞ!これは、介護者側の一方的な思いこみというしかないです。

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間題39 Aさんへのレクリエーション活動の援助に関する次の記述のうち,適切でないものを1つ選びなさい。

1 Aさんがコーラス活動を希望したので,参加を援助した。
2 左手を使う書道活動を,同じ右片麻揮の障害をもつ3人でのグループ活動として提案した。
3 レクリェーション活動として,フラワーパークヘの大型バス旅行を企画したので,参加を促した。
4 関節可動域保持のためのストレッチ体操の時間を自由参加のかたちで設定したので,参加をすすめてみた。
5 レクリエーション活動中は,車いすに乗ったままではなく,在宅でAさんが過ごしている条件と同じように,普通のいすに移乗して行うことを提案した。

解答3
1○そう、本人の希望が大事
2○この人数なら少人数とみていいのでしょうか。このように小さなグループで、同じ仲間がこのような活動をすることはいいことです
3×うつの利用者に、本人の欲求を把握しないで参加を促すというのは問題ですね
4○強制無しの自由参加という形をとってますから、いい対応です
5○日常おこなっているパターンを尊重することは大切で、適切な提案だと思います


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問題40 障害者保健福祉センター内だけでなく,Aさんの地域・在宅でのレクリエーション活動援助に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。

1 在宅では,家摩参加型のレクリェーションというよりも,Aさんが一人で楽しめるレクリエーションを提供する。
2 地域のレクリエーション活動には,Aさんが参加することは難しいので控えた方がいいと説明する。
3 障害者保健福祉センターが主催する文化祭などのレクリェーション活動にAさんとともに家族を招待し交流をはかる。
4 障害者同士でサークルを作った方が,偏見もなくお互い理解しやすいので,レクリエーション活動でもそうするよう,Aさんを指導する。
5 地域で行われる盆踊りや夏祭りなどのレクリエーション活動に,積極的に参加するようAさんを激励する。


解答3
1×在宅でもAさんが1人で楽しめるレクレーションを提案するのは間違えではないが、「最も適切」とはいえない。
2×参加するのが難しいのであれば、なぜ参加できないのか、どうすれば参加できるのか、考えるのが活動援助の本質です
3○そのとおりです
4×障害者同士でのレクレーション活動も有効であるが、他者からの理解を得ることも大切です。それに「指導」ということは強制につながるので、援助活動として不適切ですよね
5×うつ状態からだっしてないAさんに「激励する」のは不適切です。


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