14回 レクレーション活動援助法

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35
問題35
老人保健施設でのレクリエーション援助に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。

1    A
さんは,最近難聴がすすんだため,好きだった音楽会などへの参加からリハビリテーションを目的とした身体活動への参加に変更させた。
2    
左片麻痺のBさんは,発症前は書道が趣味だったが,現在は書くことに消極的になっているので,施設内行事のポスターをあえて書いてもらうよう指示している。
3    
痴呆症状のあるCさんは,毎日1時間程度のビデオ鑑賞を楽しみにしているので,毎回忘れることのないよう声かけをして,参加を援助している。
4    D
さんは,98歳という高齢にもかかわらず元気にみえるので,ほとんどの施設行事に参加するよう指導している。
5    
うつ傾向にあるEさんは,ベッドに横たわっていることが多いので,積極的に集団的レーションヘの参加を促している。


解答3
1× 補聴器をつけるなどして、大好きな音楽会を楽しめる方法を考えることもできます。
2× Bさんにポスター作成を提案することはできますが、「指示」してはいけません。指示というのは援助者の一方的な判断が入ってしまいます
3○
4× 「元気にみえる」という援助者の勝手な判断で「指導」してはいけません。人前では元気そうに振舞っていても、本当は身体的な不調に耐えている可能性もあります
5× うつ傾向にある方を、集団的レクレーションに誘うには慎重な対応が必要です。過度な誘い・強引な誘いをしないことが必要です。


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36
問題36
施設における集団的レクリエーションに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。

A
 活発な集団的レクリエーション活動を取り入れることは,要介護度の高低に関係なく利用者の余暇活動を充実させることになるので,全員参加を目指すのがよい。
B
 レクリエーション活動の個別化は重要であるが,クラブ活動のような小集団によるレクリエーション活動の援助も利用者の活性化に効果が期待できる。
C
 集団的レクリエーション活動は,徘徊する利用者に社会性を回復させるという効果があるので,徘徊をやめさせて参加させる。
D
 要介護度の高い利用者で集団的レクリエーション活動が困難な場合には,レクリエーション活動の個別化が重要である。

(
組み合わせ)
 A B C D
1
○○○×
2
○×○×
3
○××○
4
×○○×
5
×○×○

解答5
A
×各人のニーズにできる限り応じることが必要ですから全員参加にとらわれてはいけません。
B
○そのとおりですね
C
×徘徊も本人にとっては意味があっておこなっているのです。徘徊は不安のあらわれ、徘徊することによって不安を解消している場合が多いのですから。
D
○そうですよね。どうすれば参加できるか、楽しめるか、という各人への具体的な対応が必要です。


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37
問題37
介護における「レクリエーション援助」の考え方に関する次の記述のうち,適切でないものを一つ選びなさい。

1
 歌や踊りなどの諸活動だけでなく,日常の生活環境を整備することも含めて,生活のこころよさを提供することである。
2
 利用者の心身の活性化と衣食住にかかわる生活の活性化のための活動として位置付けられることが望ましい。
3
 利用者の好みに応じた踊りやゲームにより生活の楽しさを提供することが最も重要な要素となる。
4
 全ての人の参加を保障するものであり,たとえ寝たきりの重複障害児()にもレクリエーション援助を受ける権利がある。
5    
経済的保障を基盤として,一人一人が安心で平和な生活を体験し,人とのふれあいによる喜びを期待することができる。


解答3
1○何度も繰り返し問題をとくことで覚えてください
2○何度も繰り返し問題をとくことで覚えてください
3×ゲームで楽しく・・・もっともらしい書き方ですが、レクレーションの目的は
・踊りやゲームを楽しむことにより生活の楽しさを提供する=レクレーションの生活化
・日常生活自体をより楽しく快適なものにしていく=生活のレクレーション化
→二つの相互作用によって、生活全般を快く活性化させることにあります

4○何度も繰り返し問題をとくことで覚えてください
5○何度も繰り返し問題をとくことで覚えてください


事例問題

次の事例を読んで,問題38から間題40までについて答えなさい。
〔事例〕
某市にある特別養護老人ホームでは,様々なレクリエーション活動が盛んに行われている。そこに入所しているAさん(75),書道や音楽が好きである。入所当時に比べ,最近痴呆症状がひどくなり,食事をしたことを忘れたり,同室の人や尋ねてきた家族を嘘つき呼ぱわりするなど,他者との交流が難しくなってきた。
同じ入所者で,痴呆症状のあるBさん(78),介護者が否定したり注意すると余計に興奮してイライラし,徘徊したり,物を乱暴に扱ったりすることもある。

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問題38
A
さんやBさんのような痴呆性高齢者に対するレクリエーション活動に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。

1
 痴呆性高齢者に対するレクリエーション活動では,多くの人との交流を通して,現状認識ができるよう働きかけることが大切である。
2
 痴呆性高齢者には昔の音楽を聴かせて,過去を思い出してもらえるようにすることも,レクリエーション活動の援助として有用である。
3
 集団でできる活発で楽しいゲームや歌などは,たとえ痴呆があっても参加出来るので,このようなレクリエーション活動に毎日参加させる。
4
 痴呆症状が進行すると,個別でのレクリエーション活動ができなくなるので,集団的レクリエーション活動に切替え,積極的に参加を促す。
5    
痴呆性高齢者には幼児語で声かけするように心がけ,心を落ち着かせてから,楽しい遊戯的なレクリエーション活動を提供することが効果的である。


解答2
1× たとえ現状認識が正しくできなくても、多くの人とかかわることで楽しかったと満足感を覚えることが大切です。
2○
3× そのとおりですよね。認知症では新しいルールを覚えることができない場合が多いのですから楽しんで参加できるゲームや歌の場合に参加したらいいと思います。
4× 痴呆症状が進行すれば、その方が無理なく楽しく参加できるような個別での対応が必要です。また、「個別でのレクレーション活動ができなくなる」と援助者が決め付けることは間違いです。
5× 見当識障害のある痴呆性高齢者も、その時その時の状況は分かっています。言われた言葉を忘れてしまっても、不快に感じた感情は残ります。相手のプライドを傷つける「幼児語」は厳禁です。



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39
問題39
A
さんへのレクリエーション活動の援助に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。

1
 Aさんが書道のクラブ活動を希望しても,痴呆状態の改善には集団活動が効果的,なので,多人数による別のクラブ活動を勧める。
2
 Aさんは音楽が好きなので,レクリエーション活動として最近流行している歌を積極的に指導し,レパートリーを広げるようにしている。
3
 多人数のレクリエーション活動に参加することは人との交流を深めることができるので,痴呆症状が進んだAさんには効果的である。
4
 人を嘘つき呼ばわりしたりするので,他の利用者から遠ざけて,当分レクリエーション活動を控えるようにする。
5
 Aさんは集団的な活動が難しいので,安心して活動できるよう個別のレクリエーション活動を実施することについて検討する。

解答5

1×本人の希望を尊重して、どのようにすれば参加できるかを考えるのが援助者の役割です。
2×「最近流行している歌」ではなく「本人の好きな歌」をすすめたほうがいいですね
3×多人数のレクレーションでは、Aさんへの個別名な対応が難しいです。「多人数」という状況にAさんが混乱する可能性もありますから効果的ではありません。
4×人とかかわることは大切です。援助者は、なぜうまく交流できあいのか、どうすれば交流できるのか、対応を考える必要があります。
5○このケースでは個別の活動を検討することが必要です

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問題40
レクリエーション活動中,徘徊しているBさんに対する援助に関する次の記述のうち,適切でないものを一つ選びなさい。

1
 自由に歩かせることはBさんのレクリエーション活動にならないので,常に監視や介入をしなければならない。
2
 一緒に歩いて安心させることは,効果的なレクリエーション活動の援助である。
3
 徘徊を少し離れたところから危険な状態にならないように見守りながら,不安を取り除くために,プライドを尊重した言葉かけもレクリエーション援助である。
4
 Bさんの好きな静かな音楽を流して落ち着かせる効果を期待することも,レクリエーション援助である。
5
 Bさんには集団レクリエーション活動を時には控え,個別に対応する。


解答1 
1×徘徊は不安の現れですから、安全面には気をつけながら徘徊しても不安の解消が図られるように援助しましょう
2○そのとおりです
3○そのとおりです
4○そのとおりです
5○そのとおりです

簡単な解説で申し訳ありませんが、余計な解説よりも、何度も問題をとくことで自然に力がついてきますから何回も問題をときましょう。

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