第14回 老人福祉論
14回9
問題9
次の文章の空欄A,B,Cに該当する語句の組み合わせとして,正しいものを一つ選びなさい。
「平成11年国民生活基礎調査」(厚生省大臣官房統計情報部)によると,高齢者世帯の世帯当たりの年間平均所得は335万5000円である。この総所得金額のうち上位三つを示すと,「A」が216万2000円で最も多く,「B」が78万円,「C」は23万5000円となっている。
A B C
1公的年金・恩給一一一一稼働所得一一一一一一一家賃・地代の所得
2稼働所得一一一一一一一公的年金・恩給一一一一利子・配当金
3家賃・地代の所得一一一仕送りその他の所得一一公的年金・恩給
4公的年金・恩給一一一一仕送りその他の所得一一稼働所得
5仕送りその他の所得一一利子配当金一一一一一一稼働所得
解答 1
国民の福祉の動向2002年(厚生の指標 臨時増刊)より
平成10年の高齢者世帯の1世帯当たりの年間平均所得は335万5000円
その内訳は
公的年金・恩給
216万2000円
稼働所得
78万円
家賃・地代の所得
23万5000円
14回10
問題10
21世紀の高齢者福祉を推進していくために「ゴールドプラン21」が策定された。次の記述はその具体的内容について述べたものである。正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A ゴールドプラン21では「介護サービス基盤の整備」と共に,「健康づくり,介護予防,生きがい活動支援」も重視されている。
B 訪問介護と訪問看護のいずれもが,「新ゴールドプラン」での目標値の2倍近くに拡充することを目標としている。
C 在宅サービスの充実に重点が置かれ,入所施設の増設はほとんど見込まれていない。
D 地域生活支援体制の整備が盛り込まれており,配食や外出支援などの生活支援サービスや居住環境の整備等が重要視されている。
(組み合わせ)
A B C D
1○〇〇×
2〇〇×〇
3〇×××
4×〇×〇
5××○×
解答2
ゴールドプラン、ゴールドプラン21については今後の試験にはでませんので、解説抜きとします。
41回11
問題11
サービス利用者の保護に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 成年後見制度として,新たに本人が自らの判断能力が低下する前に任意後見人を定め,それに代理権を与える法定後見制度が導入された。
B 法定後見制度には「補助」「保佐」「後見」の三つの類型があり,「補助」では本人のためであれば,補助人は本人の同意なしでも不動産の処分を行える。
C 福祉サービスに関する苦情について,利用者は第三者委員が立会って,事業経営者と話し合うことができるだけでなく,運営適正化委員会や都道府県に申し出ることができる。
D 国民健康保険団体連合会は,利用者から受け付けた介護保険サービスに関する苦情に対して相談に応ずる他,必要に応じて調査し,事業者に対して助言や指導などを行う。
(組み合わせ)
A B C D
1〇〇〇×
2〇〇×〇
3〇×〇〇
4××〇〇
5×××○
解答4
A ×本人が「任意後見人」を定める制度は、『任意後見人制度』。これに対し、親族等の申し出によって家庭裁判所の決定によって後見人がさだめられるのが『法廷後見人制度』
B ×「補助」は軽度の状態にあるものを対象とする。補助人は、当事者(被後見人)の申し立てにより選択した「特定の法律行為」に対して、代理権・同意権・取消権をもつ。「自己決定尊重」の立場から、不動産の処分には本人の同意が必要である。
C ○まったくそのとおりです
D ○介護保険制度では国民健康保険団体連合会は介護保険サービスの相談・苦情を受け付け事業者に対しても助言や指導を行っている。
14回12
問題12
社会福祉行政に関する次の記述のうち,正しいものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 市町村(特別区を含む)は,老人福祉法に定める援護の措置に関する事務を行う。
B 厚生労働省には,社会福祉に関する事項を調査審議する機関として社会保障審議会が設置されている。
C 地域の実情にあわせて、民生委員は社会福祉主事の職務を代行する。
D 福祉事務所には,介護支援について専門的技術を有する社会福祉士が配置されなければならない。
(組み合わせ〉
1AB
2AD
3BC
4BD
5CD
解答 1
A〇
B〇
C×職務を代行する → 協力する
D×社会福祉士 → 社会福祉主事 (社会福祉士をおく必要はない。)
14回13
問題13
介護保険の被保険者に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 40歳以上の者は,その所得に関わらず,一律に市町村(特別区を含む)によって定められた保険料が徴収される。
B 50歳の初老期痴呆の人の場合,65歳にならないと給付は受けられない。
C 40歳以上65歳末満の医療保険加入者の保険料は、医療保険者が徴収する。
D 65歳以上の者で'定額以上の年金受給者の保険料の徴収は,年金から天引きされる。
(組み合わせ〉
A B C D
1○○○○
2○○×○
3○××○
4×○○×
5××○○
解答5
A× 所得により決められている
B× 特定疾患をもっている45歳以上で介護保険の支給対象となる。初老期痴呆(認知症)も特定疾患であるので50歳でも保険適用となる。
C〇各医療保険者が聴取します
D〇そのとおり覚えてください。
特定15疾病
1筋萎縮性側索硬化症(ALS) 2後縦靭帯骨化症 3骨折を伴う骨粗鬆症 4シャイ・ドレーガー症候群 5初老期における痴呆 6脊髄小脳変性症 7脊柱管狭窄症 8早老症(ウェルナー症候群) 9糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症 10脳血管疾病(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血) 11パーキンソン病 12閉塞性動脈硬化症 13慢性関節リウマチ 14慢性閉塞性灰疾病(COPD) 15両のひざ関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
14回14
問題14
介護保険法における保険給付対象となる施設サービスに関する次の記述のうち,正しいものに〇,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 介護保険施設への入所は,要介護度I〜Vと認定された者に限られる。
B 介護保険施設で施設介護サービスを受けた場合,施設による介護給付の代理受領は認められていないため、給付は要介護者への償還払いによることとなる。
C 介護老人福祉施設には支援相談員を,介護老人保健施設には生活相談員を配置することになっている、
D 介護保険施設においては,入所者に対して施設サービス計画に基づいてサービスが提供されることになっている。
(組み合わせ)
A B C D
1〇〇〇〇
2〇〇×〇
3〇××〇
4×○○×
5×××〇
解答3
A 〇要支援と認定されたものは、居宅サービスはりようできるが、施設サービスは利用できなません。居宅サービス=訪問介護・訪問看護・訪問入浴・デイサービス・デイケア・ショートステイ。
B ×代理受領=サービスを受けた利用者(被保険者)が1割を支払い、サービスを提供した事業所が、残りの9割を市町村(保険者)から受け取ります。
償還払いとは、サービスを受けた利用者(被保険者)が一旦全額をサービスを提供した事業者に支払い、その後保険負担分の9割を市町村(保険者)から受け取ることです。
C×どちらの施設も、「介護支援専門員」をおかなくてはなりません。
D〇施設サービス支援計画とは、ケアマネージャー(介護支援専門員)が作る介護計画です。居宅サービスについては居宅サービス支援計画に基づいてサービスが提供されます。
14@回15
問題15
介護保険の対象とならないサービスや,保険の対象外となった人々に対する各種の介護予防・生活支援事業に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選ぴなさい。
A 「グループリビング支援」は,加齢による身体機能の低下を補うため,お互いに共同して生活している形態に対して,支援体制づくりへの支援を行うものである。
B 「訪問理美容サービス」は,移動理美容車や出張チームによるサービスを行うもので,理容所や美容室に出向くことが困難である高齢者が対象である。
C 「軽度生活援助サービス」は、寝具類等大物の洗濯や乾燥、家や庭の手入れ、運転代行など外出時の援助,除雪などのサービスを行うものである。
D 「住宅改修支援事業」とは,建築の専門家が家屋の構造,高鈴者の身体状況,サービスの活用状況などを踏まえて,相談に応じ,改修工事を行うものである。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○×
2○○×○
3○×○○
4××○○
5×××○
解答1
A ○高齢者が共同で生活している形態にたいする支援事業である。
B ○概ね65歳以上の単身世帯、高齢者のみの世帯が対象です
C ○軽易な日常生活の援助事業である。
D ×建築の専門家ではなく、保健・医療のスタッフが家屋の構造,高鈴者の身体状況,サービスの活用状況などを踏まえて,相談に応じ,建築業者等の調整をすることである。
14回16
問題16
高齢者サービスに関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 介護保険制度では,基本的に行政はサービスを提供する主体ではなくなったとされ,多様な事業者が利用者との契約に基づいてサービスを提供するようになった。
B 介護保険における訪問介護事業者の指定に際しては,法人格が要件の一つとなっているが,法人格のないボランテイア団体でも,そのサービスが一定の水準を満たしていると保険者が認めた場合には「基準該当サービス」となり、保険でのサービス提供主体となることもある。
C 多くの民間事業者が移送や配食などのサーピスを展開しているが、こうしたサービスは介護保険市町村特別給付の対象となっている場合もあれば,給付対象外とされる場合もある。
D 介護保険では、市町村(特別区を含む)が高齢者の保険料を財源にして在宅サ一ビスの支給限度額の上限を引き上げたり,法定外のサービスを保険給付の対象にすることはできない。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○×
2○○×○
3○×○×
4×○○×
5××○○
解答1
A ○介護保険制度では市町村が保険者となり、利用者はサービス事業者を選択してサービスを受ける。サービスについては市町村のみならずいろいろなサービス事業者が参入している。
B ○その通りである
C ○サービスは市町村によって市町村特別給付を行うことができることになっている。
D ×市町村が保険者であるので法定外サービスを保険給付することも裁量に任せられている。だから間違いです
14@17
問題17
平成12年度から16年度までを計画期間とする老人保健事業の第4次計画において重点的に取り組むとされている疾患に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 死亡や生活の質の低下をもたらすがん,脳卒中,心臓病及ぴ糖尿病
B 脳卒中及び心臓病の危険因子である高血圧及び高脂血症
C 高齢期の生活の質に深く関わる痴呆,骨粗しょう症及び歯周疾患
D 健康寿余の延伸に重要な意味を持つリウマチ疾患及び筋ジストロフィー症
(組み合わせ〉
A B C D
1○○○○
2○○○×
3○○×○
4○××○
5×○○×
解答2
この問題については今後出ることはないので解説を省略します。
14回18
問題18
高齢者の住宅施策に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 「シルバーハウジング」は,概ね30戸に1人の生活援助員(ライフサポートアドバイザー〉を配置し,生活相談,緊急時の対応等にあたっている。
B 介護保険制度では,住宅改修の費用の給付は含まれていない。
C 「シニア住宅」は地方住宅供給公社などが供給する住宅で,高齢者に配慮した設備やサービスなどが充実している住宅である。
D 生活福祉資金における住宅資金は、介護の必要な65歳以上の高齢者のいる世帯に対して,住宅の新築に必要な資金を貸し付けるものである。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○×
2○○×○
3○×○×
4××○○
5×××○
解答3
A ○そのとおりです
B ×介護保険制度で住宅改修の費用の給付があり改修費の9割分を償還払いされます。
C ○利用者は一時払いの終身年金保険を利用
D ×住宅資金は新築ではなく、増築、改築、拡張、補修などに利用できるものである。