第14回 形態別介護技術
14回101
問題101
知的障害者とその介護に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 介護従事者は,知的障害者に動作を理解させるときには,順序を追って,ともに行動することも必要である。
B 知的な障害があると感情の発達も障害されている。
C 排泄の介護の第一歩は,お尻が濡れていると気持ちが悪いという感覚を呼び覚ますことである。
D 食事の介護では,食べたいという気持ちを育てることも大切である。
(組み合わせ)
A B C D
1○○××
2○×○○
3○××○
4×○○×
5××○○
解答2
A○書いてあるとおりです
B×表現の仕方が少し下手なだけで、感情の発達が阻害されているということは間違い
C○書いてあるとおりです。排尿と濡れていることの不快感を感じることが大切です
D○食べたい!そんな意欲が自立につながるのだと思います
14回102
問題102
精神障害者とその介護に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 躁うつ病では,躁状態やうつ状態は人により固定しており,交互に繰り返し出現することは少ない。
B 一般に,よい人間関係をつくるのに時間はかからない。
C それぞれの症状や障害の特徴をよく踏まえて介護することが重要である。
D 何をするのも億劫そうで動きの少ない人には,意欲を引き出すために歯磨きや洗顔などの日常生活行動を促すことも有効である。
(組み合わせ)
1AB
2AC
3AD
4BC
5CD
解答5
A×そう状態、うつ状態を交互に繰り返す型もあることを覚えておきましょう
B×どうでしょう。私達は、けっこう時間かけて人間関係作ってるのではないでしょうか
C○そのとおりですね
D○億劫(おっくう)読み方むずかしい〜。簡単な日常生活行動から徐々に複雑な行動へ
14回103
問題103
居宅介護における介護従事者に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 家族だけの介護では精神的,身体的に疲れ果て,結果的に共倒れになることがあるので配慮する。
B 限られたスペースの中で用具を最大限に活用し,個別的に援助する
C プライバシーにかかわる話を闘いたときは,他に漏らさないだけでなく記録もしてはならない。
D 市販されている物品で,便利そうなものはすぐに購入をすすめる。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○○
2○○××
3○×○×
4×○××
5×××○
解答2
A○介護従事者は家族への援助にも配慮しなければなりません
B○それぞれの家庭にはそれぞれの事情がありますから個別性を重視した援助が必要です
C×ちょっと間違えそうな問題ですが、プライバシーに関することは関係のない他人に漏らしてはいけませんが、記録自体はたの従事者と情報を共有する面から必要です。
D×利用者の経済状況も考えてというのが最も大事ですよね
14回104
問題104
寝たきり高齢者の介護に関する次の記述のうら,誤っているものを一つ選びなさい。
1 寝たきりになる要因として,脳卒中などの病気や自己による障害,家族介護力の低下,高齢者本人の意欲、介護サービスの不足などが指摘されている、
2 長期間の臥床によって,関節の拘縮が生じると,動きに痛みが伴うためにますます動かさなくなるといった悪循環が生じる。
3 寝たきりによって精神活動は低下し,無気力な状態やうつ的な状態になることがある。
4 寝たきりから回復させるために,足底を床につけた端座位を保持することは効果的である。
5 寝たままの姿勢で食事や水分を摂取すると,誤嚥や誤飲による沈下性筋炎.を起こす危険がある。
解答5
1○問題を何度も解くことで頭に入れましょう
2○問題を何度も解くことで頭に入れましょう
3○問題を何度も解くことで頭に入れましょう
4○問題を何度も解くことで頭に入れましょう
5×誤飲や誤嚥による肺炎は「誤嚥性肺炎」。「沈下性肺炎」とは、寝たきりなど臥床が続くことにより肺の下部から出血することによる肺炎なので間違いとなります
14回105
問題105
内部障害者の介護に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 心臓機能障害者は,肺に余分な血液がたまりやすく,風邪や肺炎などの呼吸器の感染症にかかりやすい状態にあるので,その予防につとめることが重要である。
B 腎臓機能障害者の食事管理のポイントは,水分とカロリーの制限である。
C 酸素療法を行う場合,酸素ボンベを備え付ける場所は,爆発のおそれがあるため火気厳禁とする。
D 呼吸器機能障害がある場合には,室内の空気を清浄にし,温度や湿度を整えることが大切なので、加湿器を常用する必要がある。
(組み合わせ)
1AB
2AC
3BC
4BD
5CD
解答2
A○記述どおり覚えましょう
B×腎臓機能障害者の食事は、水分・塩分・たんぱく質の摂取制限があるが、カロリー制限はありません
C○純酸素のボンベの近くは火気厳禁です
D×呼吸の機能低下はほこりなどが大敵です。冷たい空気や乾燥にも気をつけなければなりませんから加湿器が必要ですね
14回106
問題106
精神障害者の保健や福祉に関する次の記述のうち,正しいものに○,誤っているものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 精神障害者のグループホームでは,世語人を配置して食事の世話,服薬指導等の日常生活の援助が行われている。
B 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者でなければ,社会復帰と自立,社会参加のための支援は受けられない。
C 精神障害者が社会復帰施設を利用するときには,福祉事務所へ申請しなければならない。
D 精神保健福祉士は,精神障害者の社会復帰に関する相談に応じ,助言,指導,日常生活に適応する訓練等の援助を行う。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○○
2○○○×
3○○×○
4○××○
5×××○
解答4
A○精神のグループホームは精神障害者地域生活援助事業としていちづけられていて、問題にあるような援助が行われています
B×手帳交付が無くてもサービス利用は可能です(身体障害者手帳との違い)
C×精神障害者と施設との自由契約で利用できるので、間違いですね
D○その通りです。
参考
精神障害者社会復帰施設(「精神保健および精神障害者の福祉に関する法律」より)
精神障害者生活訓練施設
精神障害者授産施設
精神障害者福祉ホーム
精神障害者福祉工場
精神障害者地域生活支援センター
14回107
問題107
痴呆性高齢者への接し方に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 上手にできなくても,危険や感染などにつながらない行動であればとがめない。
B 話が通じなくても,優しい仕草やまなざしで,感情に働きかけることが重要である。
C 誤認や作話など,思い込みの世界に入り込んで会話をする人には,話の内容に同調してはならない。
D 思い出深いことがらに焦点を合わせて話をすると,コミュニケーションがとりやすくなる。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○×
2○○×○
3○×○×
4××○○
5×××○
解答2
A○できれば一緒に行動して、思い出しの手助けをする
B○まったく、そのとおりですね
C×同調することによって、不安感と払拭できることがある。どんどん同調してあげましょう
D○最近の出来事は忘れてしまいがちですが、昔のことは覚えているので、思いで深いことがらに焦点をあてればコミュニケーションは取りやすいですよね
14回108
問題108
慢性関節リウマチとその介護に関する次の記述のうち,適切でないものを一つ選びなさい。
1 手指の関節は変形が強くても,不便さとは必ずしも一致しない。
2 朝のこわばりなど関節の痛みや体の疲れは,日内変動のほか季節や天侯に左右される場合がある。
3 関節の可動域制限にあわせた日常生活や福祉用具などの工夫で,暮らしに広がりができる。
4 関節が障害されやすい疾患のため,長期間,関節を安静,固定することが重要である。
5 介護に際して,利用者の頚椎を無理に前屈させると危険である。
解答4
1○関節が変形していてもかなりのことができるものです。偏見はもたないように
2○特に梅雨の時期は関節の痛みが増すというかたは多いようです
3○私達の40肩、50肩と同じでいろんな用具の工夫で暮らしに広がりがでてきます
4×長期間、間接を固定していると、関節がかたまり動かなくなる。適度な引導が必要。
もちろん痛みや腫れが強いときは、安静に動かさないようにすることが必要です
5○リウマチ性の頸椎病変で関節がはずれかかる状態になっているので無理に前屈させることをしてはなりません。
14回109
問題14
要介護認定は受けていても,介護保険の給付サービスを受けていない要介護者のいる家族への介護従事者の支援に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 社会資源の利用について介護支援専門員に相談し,家族の時間的,精神的余裕をつくるように助言した。
B 地域の介護者の会などに誘い,経験の交流,孤立感の解消を図るように働きかけた。
C 地域の介護技術講習会などに参加して,介護技術を学ぶ機会を持つように働きかけた。
D 要介護者が通所介護などを活用できるように,地域にある様々なサービスについての情報を提供した。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○○
2○○×○
3○××○
4××○○
5×××○
解答1
A○社会資源と結びつけていくのはケアマネの仕事ですね
B○そのとおり
C○そのとおり
D○そのとおり覚えましょう
14回110
問題110
高齢者の加齢に伴う変化と援助に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 口渇の訴えがなければ,飲水をすすめる必要はない。
B 起居動作が緩慢になり,排泄が間に合わないことが多くなる。
C 視覚や聴覚の機能が低下するため,コミュニケーションがとりにくくなり,閉じこもりの状態を起こしやすくなる。
D 注意力が低下するため,一度でも薬の飲み忘れがあれば,以後服薬の自己管理をさせない方がよい。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○○
2○○×○
3○×○×
4×○○×
5×××○
解答4
A×高齢者への水分補給は訴えがなくても一日1500ml程度は必要です
B○動作が緩慢になりますので、排泄については当然間に合わなくなることがありますよね
C○そのとおりです
D×一度忘れたからといって自己管理をやめさせるのでは自尊心を傷つけてしまいますね
14回111
問題111
視覚障害者の介護に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 手引き歩行を始める合図として,介護者は声をかけながら手の甲で視覚障害者の手の甲に触れる。
B 一般に視覚障害者の歩く速度は遅いので,介護者の普段の速度では,つまずきや衝突などの原因になる。
C 視覚障害者を誘導して道路を歩くときは,視覚障害者の半歩後ろを歩く。
D 視覚障害者を誘導して電車に乗るときは,介護者が片足を車内に入れて,その後視覚障害者を導く。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○○
2○○○×
3○○×○
4×○×○
5××○○
解答3
A○そのとおりです
B○普通にかんがえてください。視覚障害者が遅いのはイメージできますよね。
C×視覚障害者の半歩後ろではなく半歩前を歩きましょう。後ろでは誘導になりません
D○そのとおりですね
次の事例を読んで,問題112から間題114までについて答えなさい。
〔事例〕
一人暮らしのHさん(88歳・女性)に必要な介護は,近所に住んでいる長女(63歳)が、仕事帰りに寄って行っているが,通院介助と清掃の援助をしてほしいと頼まれ,訪問介護員が週2回,訪問を開始した。
Hさんは,3か月前に帯状疱疹で1か月入院した。退院後も胸部に痛みが残り,現在も通院している。痛みのためにいつも前屈みの姿勢をとっているので,背中が曲がってしまっている。物につかまれば自力歩行は可能であり,通院には手押し車を使用している。最近は物忘れが多くなった,視力が落ちてきた,食がすすまなくなったなど,弱音を吐くことが多い。
大きな音でテレビを見たり,ベッドに横になっていることが多く,本人は日常生活で「困っていることはない」と言っているが,台所などはかなり汚れている。
14@112
問題112
Hさんとのかかわりに関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Hさん及び長女からの要望に対してその内容を確認した。
B 台所が汚れていたので,Hさんの気持ちに配慮しながらきれいにした。
C 大きな音でテレビを見ているので,難聴と判断して補聴器の使用をすすめた。
D 介護の方法についてHさんとだけでなく,長女とも話し合うことにした。
(組み合わせ)
ABCD
1○○×○
2○○××
3○×○×
4××○○
5×××○
解答1
A○常識で考える問題ですね
B○これも常識範囲内の問題として
C×すぐ難聴と判断するのではなく耳あかがたまってないかなどまず調べることが大切
D○本人、家族ともども話し合うのが一番です
14回113
問題113
Hさんの通院の介助に関する次の記述のうち,適切でないものを一つ選びなさい。
1 受診する前に,清潔で着脱しやすい衣服を着用しているかを確認した。
2 通院途中には段差などがあり危ないので,要所要所で声をかけながら歩いた。
3 診察のきまたげになると考え,診察室の中に入らなかった。
4 診察の後,内服薬と塗り薬の処方が出たので,一緒に説明を聞いた。
5 訪問時には,正しく薬剤が用いられているかを確認した。
解答3
1○常識の問題としてよく読みましょう
2○常識の問題としてよく読みましょう
3×Hさんの状況を考慮すると、情報を正しく医師に伝えるためにも介助者も診察室に入ったほうが適切と思われる。
4○使用方法等を聞いておき、改めてHさんに説明することもあるでしょうからね
5○常識問題として問題を吟味することにしましょう
14回114
問題114
環境整備及び清潔保持に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A Hさんの了解を得て,冷蔵庫の中身を確かめて整理し,掃除を行った。
B 室内の段差の有無や,家具の位置などを点検した。
C 一人で浴室やトイレが安全に利用できるかを確認した。
D 訪問時ベッドに横になっているときは,シーツが汚れていてもシーツ交換は行わなかった。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○×
2○○×○
3○×○×
4×○××
5××○○
解答1
A○その通りです。何度も問題をといて常識問題として整理しましょう
B○その通りです。何度も問題をといて常識問題として整理しましょう
C○その通りです。何度も問題をといて常識問題として整理しましょう
D×汚れていたら当然交換しましょう。汚れて無くても3日に一回に交換しましょう
次の事例を読んで,問題115から問題117までについて答えなさい。
〔事例〕
施設に入所しているMさん(80歳・男性)は,慢性気管支炎で常に咳や痰が多く,時に発熱することがあった。家族と面会したときは楽しそうであるが,面会が終わった後,時折せん妄状態になり,杖を使わずにまるで何かに追われるように早足で歩き,転倒することがあつた。
日頃穏やかな表情のMさんであるが,時に経を唱え続けたり,歌い続けたり,また,悲痛な声でしゃべり続けることが昼夜関係なく起こり,何日にも及ぶこともあった。
居室を寮母室のとなりに移し,よく観察できるようにしてあったが,ある朝杖を使わずに歩き出して転倒し,大腿骨頸部骨折を起こして病院で手術を受けた。
歩行器の使用が許可になり,介助してやっと数メートル歩行ができる状態になって施設に戻った。
14回115
問題115
家族との面会後にせん妄状態になるMさんの介護従事者の援助に関する次の記述のうち,適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 家族の面会を禁止する。
B Mさんの身体的および精神的状態等について,家族に事前に知らせておく。
C 家族と面会しているときの状況を観察しておく。
D 家族との面会後は,居室で一人にしておく。
(組み合わせ)
1AB
2AC
3AD
4BC
5CD
解答4
A×家族と面会することで安定することもあるので間違い
B○職員と家族との連携を図るためにも情報を提供することは必要である
C○家族との了承が必要であるが、せんもうの原因を把握するためにも状況を観察しておくことは必要である
D×家族との面会の後、一人にしておくことは孤独感、疎外感を深めることにもなるので一人にしておかない配慮が必要である。
14回116
問題116
せん妄状態にあるMさんの介護に関する次の記述のうち,適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 光や音などの刺激をできるだけ少なくし,静かな環境をつくる。
B 幻覚に対しては,現実には起こっていないことを一つ一つ説明し修正する。
C 夜間よく眠れるように,昼間適度な活動をして過ごすように支援する。
D Mさんの恐怖感を受けとめ,穏やかで静かな調子で対応する。
(組み合わせ)
A B C D
1○○××
2○×○○
3×○○×
4×○×○
5××○○
解答2
A○このとおり覚えてください
B×このようなことを一つ一つ説明すると逆に怒りなどを覚え不安や混乱のもとになる
C○日中、活動することで夜の寝付きがよくなるのでそのように支援する
D○せんもうの時は恐怖・不安を感じているので穏やかな対応は必要ですね
14回117
問題117
Mさんが施設に戻ってからの介護従事者としての留意点に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 体力の消耗が著しいので,日中も臥床安静を徹底する。
B 体を動かすことに不安感が強いので,日常生活については全面介助をする。
C 昼間に座位で過ごさせたり車いすに積極的に乗せるのは,時期尚早である。
D 筋萎縮の予防のため,四肢の自動運動をすすめる。
(組み合わせ)
A B C D
1○○○×
2○○×○
3○×○×
4××○○
5×××○
解答5
A×横になってばかりいると精神的にも肉体的にも機能が衰えるので安静ばかり徹底するのは問題である。
B×上記と同じように全面解除では反対に心身機能を後退させてしまう
C×日中などは座位の姿勢をとることは廃用症候群とならないための予防となる
D○そのとおりですね
次の事例を読んで,問題118から間題120までについて答えなさい。
〔事例〕
Yさん(35歳・男性)は,浅いプールに飛び込んだ際,プールの底に頭をぶつけて頸髄損傷となり,両側の上下肢に麻痺を生じた。頸椎の脱臼骨折に対して頚椎固定手術が行われその後,リハビリテーションを受けた。
最近,自助具を使えぱ,整容,食事動作も可能になった。
今後,一日の大半を車いすで過ごせる日常生活動作能力を獲得するために,受傷後10か月目に重度身体障害者更生援護施設に入所した。家族のためにも職場復帰をしなければならないという気持ちと,障害を持った身体で社会参加が可能であるかという気持ちの問でゆれ,不安もあったが,現在は他の入所者と交流する中で訓練をしようという気持ちになってきた。
介護従事者は,そのような心理状態を踏まえ,受傷後初めての夏を迎えるので,うつ熱に注意して援助することとした。
14回118
問題118
受傷時の麻痺の状態でこの事例に適合するものとして,正しいものを一つ選ぴなさい。
1片麻痺
2対麻痺
3四肢麻痺
4両麻痺
5単麻痺
解答3
1×片麻痺は脳の血管障害や外傷によっておこることがおおいので頸随損傷の症状とはあいいれない。
2×対麻痺は頸随損傷でもおきるが脳性麻痺でもおこる。両上下麻痺
3○頸髄損傷では四肢麻痺をおこす
4×両麻痺は対麻痺と同じ状態の麻痺
5×両手足の内一肢のみの麻痺、したがって間違い
14回119
問題119
この事例では障害の受容に至る過程の中で,現時点ではおよそどの段階を経過中であるか,次のうちから適切なものを一つ選びなさい。
1 ショック期
2 否認期
3 混乱期
4 解決への努力期
5 受容期
1×
2×
3×
4○
5×
解答4
家族のためにも職場復帰をしなければならないという気持ちと,障害を持った身体で社会参加が可能であるかという気持ちの問でゆれ,不安もあったが,現在は他の入所者と交流する中で訓練をしようという気持ちになってきたので「解決への努力期」といえる
14回120
問題120
頸髄損傷に起こりやすいうつ熱に関する次の記述のうち,適切なものに○,適切でないものに×をつけた場合,その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 麻痺部に発汗が多くなり,体内に熱がこもって,気分不良,意識がもうろうとなる症状を呈する。
B 利用者を冷房されている部屋に入れるだけでも,うつ熱発生の予防や改善を図ることができる。
C 症状が現れたら,その場で,すぐ車いすを後方に倒して頭部を低くすると良い。
D 冷たい濡れタオルで身体を拭くと症状が改善される。
(組み合わせ)
A B C D
1○○×○
2○○××
3×○×○
4××○○
5××○×
解答3
A×うつ熱(体内に熱がたまる)は発汗が障害されるのではなく、発汗が障害されることでうつ熱となること
B○そのとおりです
C×頸随損傷で、起立性低血圧の症状が現れたら、車椅子を後方にたおして心臓と頭の高さを同じにして血液の循環を促してやること
D○そのとおりです