第14回介護福祉士国家試験 介護技術
14回81
問題81 コミュニケーションに関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 介護従事者が利用者に関心を持っていることを示すには、聞いているという姿勢を示すことや視線を適切に合わせることも大切である。
B 介護従事者は、共感の態度を示すためには「ああ、そうですか」とか「なるほど」などの短い応答を用いてはならない。
C コミュニケーションの方法としては、利用者の発する言葉がすべてであり、言葉を正確にとらえる必要がある。
D 利用者に質問をするときには、尋問のような話し方にならないように注意する。
(組み合わせ)
1 A
B
2 A
D
3 B
C
4 B
D
5 C
D
解答 2
A 一所懸命聞いてくれてる(^^)/それだけでも利用者さんは勇気づけられます。さらに、接する中で「そうだよね」「うんうん」「気持ちはわかるよ〜」などと適切な言葉をかけたり、視線を合わせたりすることが大切ですよね。ですから○です。
B 上でもかきましたけど、それじゃ〜駄目ですよね。理由は上に書いたとおり。×だね
C たしかに、言葉は大事だけど、言葉以外で、つまり態度などでわかることもあるよね。この問題では、言葉がすべてだ〜なんて書いてるから適切じゃないよね。はい! ×
D そう、犯罪者じゃないんだからね。尋問ってのは鼻から相手を疑ってかかって質問することだから、とうてい受け入れられない。ということで○ですね。
14回82
問題82 居住環境及び衛生管理に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でなものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 和式トイレは、腹圧が加わり排便しやすいため、高齢者に最も適している。
B 浴室のドアは「内開き」よりも「引き戸」が望ましい。
C 部屋を冷房する場合の温度は、外気との温度差を5℃以内にすることが望ましい。
D 肌着は汚れが目立たなくても、毎日着替えることが望ましい。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○×
2 ×○○○
3 ×○×○
4 ××○○
5 ××○×
解答 2
A 若い人ならまだ腹圧がかかって、力むことができるから私はお勧めですけど、どうでしょうね。お年寄りにとっては下肢にかかる負担って、想像できますよね。×です。
B 浴室での動作をちょっと考えると、よけいな動作が加わることを発見出来ると思います。安全性などを考えると断然引き戸がいいですね。○
C 気温差が大きいと、血圧が急に上がったりして危険なことがあります。この5℃以内というのを覚えておきましょう。○
D 学習会やってて、この問題間違える人ちょっと多いんです。なんでだろ〜(^^;)。汚れが目立たなくてもけっこう汚れがついてるものです。ですから○
14回83
問題83 次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。
1 福祉用具は、高齢者や障害者の日常生活の自立を支援し、生活の質を向上させる。
2 福祉用具は、介護者の介護負担の軽減も役だっている。
3 福祉用具を選択する場合は、高齢者や障害者の心身の特性、生活環境を考慮する。
4 福祉用具が効果的に活用されているか否かについて、評価することが必要である。
5 介護保険法による福祉用具は、機能訓練に用いるものに限定されている。
解答 5
1 福祉用具には自立支援用具と、介護支援用具があるが、これらをつくことにより生活の質も向上する。○
2 上記の説明にもあるが介護支援用具としても役だっているので○
3 人それぞれ同じ障害をもっているわけでもないし、様々ですから人によってやり方を考えるのは当然のことですよね。
ですから○
4 日々、福祉用具が適切に使用されているかどうか、評価はひつようですね。○
5 介護保険法で貸与になる福祉用具についてはちょっと把握しておきましょう。
車いす 歩行器 車いすの付属品 特殊寝台付属品 褥瘡(じょくそう)予防具 体位変換器 手すり スロープ 移動用リフト 歩行補助杖 認知症老人の徘徊感知器などである。したがって機能訓練の用具に限定されていないので間違い、×ということです
14回84
問題84 移動と移乗の介助に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 対麻痺の利用者が車いすに移乗する場合には、臀部(でんぶ)を持ち上げて介助する。
B 介護従事者の腰痛を防止するためには、腰と肩を平行に保ち、体をねじらないようにして介助する。
C 重心を支持基底面の外に置くことで安定が図られるが、基底面の中に置くとバランスをくずし転倒しやすくなる。
D 昇りのエスカレーターに乗るときは、介助は安全のために車いすのブレーキをかけなければならない。
(組み合わせ)
1 A
B
2 A
C
3 A
D
4 B
C
5 C
D
解答 1
A 対麻痺・・この言葉をまず理解しましょう。聞き慣れてませんよね〜。対麻痺は両側の下肢の麻痺のことをいいます。そう、おしりを持ち上げて移乗。けしてズボンなどをもって引き上げませんように。○
B ちょっと、やってみてください。腰と肩を平行に保ち、下肢を回転するような要領でやると腰痛予防になります。ですから○ですね
C 支持基底面・・足と足との間の下面、そこに普通は重心があります。そのなかに重心があって安定がはかられるのだから、この文書は×ですね
D この問題、間違える人がたくさ〜んいます。覚えましょう。エスカレータに乗るときは、ブレーキをかけちゃいけません。何故だと思いますか?エスカレータの出口のことを考えるともしブレーキがかかっているとつんのめる危険がありますから。理解できましたか。
14回85
問題85 居宅での入浴介護に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 特に冬期には脱衣所や浴室の室温に注意しなければならない。
B 浴槽の高さは床から40cm程度のものが入りやすく、またぐ際の危険が少ない。
C 微温浴(37〜39℃)は心拍数及び血圧の変動が少なく、精神の緊張をほぐすのに効果がある。
D 入浴後の観察は約1時間経過した頃に行うのがよい。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○○
2 ○○○×
3 ○○×○
4 ○×○○
5 ×××○
解答 2
A 当たり前の話ですが、冬は寒いですから血圧の変動に温度が関係ありますので注意が必要なことは言うまでもありませんね。したがって○
B 約何センチの問題です。他の資料では浴槽のたかさについては40〜45cm、浴槽の深さについては50〜55cmというのが多いです。これはしっかり覚えておきましょう。問題では40cmですが、必要な高さの範囲内ということで○
C 体温程度よりやや高いかな〜という温度が精神の緊張をほぐすのにいいようですから○です。
D 何か怖い表現ですね。お年寄りは目がはなせません。それを1時間後だなんて、×
14回86
問題86 安楽に関する次の記述のうち、正しいものに○、誤っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 発熱時に氷嚢(ひょうのう)や水枕で頭部を冷却するのは、体温を下げるためである。
B 電気毛布を長時間使うと、脱水症状を起こすことがある。
C 側臥位のときでも、麻痺のある上下肢はできるだけ良肢位に保つ。
D マッサージには、睡眠を促す効果はないが、疲労を回復させる効果がある。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○×○○
2 ○×○×
3 ○××○
4 ×○○×
5 ×○×○
解答 4
A 体を冷やすというよりも心身の安定と考えた方がよい。×
B そのとおりであり、脱水をおこすことがある。○
C 良肢位の解釈として、麻痺側を上にするという意味でとらえること。○
D マッサージうけた経験があるとわかりますよね。睡眠効果も、疲労を回復させる効果もマッサージにはあります。睡眠に効果がないというので×です。
14回87
問題87 排泄に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 尿失禁が繰り返される場合には、オムツの使用を原則とする。
B 便意は直腸にたまった便が直腸壁を刺激し、その刺激が脊椎を経て大脳に伝わることでおこる。
C 脊髄損傷による排尿障害の場合、尿路感染を起こしやすいので十分な水分摂取を必要とする。
D 通常、成人の場合膀胱に約150ml〜200mlの尿がたまると尿意を感じる。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○○
2 ○×××
3 ×○○○
4 ×○×○
5 ××○×
解答 3
A オムツは最後の決断です。お年寄りにとってオムツをするということは自尊心を傷つけられることですから、安易に使用するというのは問題です。×
B まあ、このとおりなのでコメントはいいですよね。素直に覚えてください。○
C 脊髄損傷で腎臓機能の低下などにより排尿障害などを起こしやすくなりますが、特に水分をたくさんとるなどの対策が必要です。○
D 人によって差はあるんですが、だいたいこのあたりの量を覚えておくといいでしょう。○
14回88
問題88 衣服に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけ
た場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 車いす利用者が外出する時、立ったり、歩行する機会がない人は靴をはかなくても
よい。
B 汚れやすい利用者の下着の素材としては、丈夫で乾燥の早い合成繊維が望ましい。
C 片麻痺の人がズボンを脱ぐ場合、臥位でも座位でも患側を先に脱ぐとよい。
D 皮膚の不感蒸泄や発汗の機能を保つための肌着の素材には、木綿や絹が適して
いる。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○××
2 ○×○○
3 ×○×○
4 ××○○
5 ×××○
解答 5
A ×利用者だってオシャレしたいですよね。それに足の保護にも役立ちます。利用者
の社会性を奪ってはならないということですね。
B ×Dの問題にもあるように肌着の素材には、木綿や絹が適している。単に乾燥が早いからというだけで望ましいということはできません。
C ×片麻痺のひとが
D ○この3つの言葉覚え解きましょう。褥瘡予防には、徐圧(じょあつ)、清潔、栄養。
14回90
問題90 次の記述のうち、正しいものに○、間違っているものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 片麻痺がある人に臥位で食事介助するときには、麻痺側を下にし、頭を少し低くする。
B 誤嚥(ごえん)とは、食べ物が食道に詰まってしまうことである。
C 座薬は冷蔵庫で保管する。
D 食間薬は食後2時間くらいに服用する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○×○
2 ○○××
3 ○×○×
4 ×○×○
5 ××○○
解答 5
A ×臥位(がい)とは床上に横たわる体位のことです。このとき、麻痺側を下にしたのではますます悪化してしまいますね。
B ×食べ物が誤って気道に流れてしまうことが誤嚥(ごえん)です。食道であればまったく問題にならないから間違いですね。
C ○座薬は体温などで溶ける性質を利用して作られてるものですから冷蔵庫保管がいいですよね。
D ○食間という言葉に騙されちゃダメ!。食間薬は食後2時間程度あとに服用することです。要注意です。
14回91
問題91 入所施設における介護記録に関する次の記述のうち、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 記録者は署名をし、責任を明確にする。
B 記録は事実を示すものなので、「がんこだ」など介護者の思ったままを記載する。
C 記録の保管については、利用者のプライバシーの保護に心がける。
D 食事摂取量の記録には「多い」「少ない」などの主観的な表現を用いることは好もしくない。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○×
2 ○○×○
3 ○×○○
4 ×○××
5 ××○○
解答 3
A ○責任の所在を明らかにするには、こうするしかないと思います。ですから、記録の改ざんなどがないようにボールペンでの記録ということも必要です。
B ×前半の記録は事実を示すものなのでという表現は正しいのですが後半の文書が問題です。介護者の主観がはいると正確な記録はできません。がんこだと思ったなら、どのような点で・・ということが大事なる。
C ○最近個人情報の流出多いですよね。記録だって個人情報のかたまりです。○!
D ○間違える人が多いかも。介護員によって、同じ量しか食べないのに、たくさん食べたという人がいたり、少なかったという人がいると記録が混乱しますよね。ですから、一定程度の基準がつくられていることが大事です。それをもとにすれば主観の入る余地がなくていいですよね。ですから間違いです。
事例問題1(問題91〜94)
次の事例を読んで、問題92から問題94までについて答えなさい。
事例
Mさん(80歳・女性)は5年前に夫と死別し、一人暮らしをしていた。近くに住む姉とは大変仲が良く、夫の死別後は特に姉を頼りにしていた。Mさんは2年前に脳梗塞になり、左半身麻痺と軽度の言語障害が残った。3か月入院したが、自宅でのリハビリテーションを期待し、在宅療養するのを機会に、隣町に住む長男夫婦と孫二人の家庭に移り住む事になり、長男の妻Aさんが介護に当たった。退院後は何とか自分でトイレまで歩行していたが、昨年暮れ、頼りにしていた姉が亡くなった時から食欲が低下し、45sあった体重が39sになった。(身長152cm)。ほとんど寝たきりとなり、尿失禁も見られるようになった。最近オムツを使用するようになったが、オムツを抑えてなかなか替えさせないことなどからAさんはMさんの介護をしたいという気持ちを持ちながらも、介護に自信を失い、訪問介護を利用することになった。初回訪問時には陰部に発赤が見られた。
14回92
問題92 Mさんのアセスメントに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい
1 食欲なく寝たきりになったのは、姉の死に対する悲しみから生きる意欲を失ったためと判断した。
2 長男が身体介護に参加しなければ、Mさんの食欲は改善しないと判断した。
3 オムツ交換におむつを抑えて替えさせないのは、姉に対する遠慮や気兼ねが主な原因と判断した。
4 言語障害もAさんとの関係を作りにくくしていると判断した。
5 陰部の発赤はオムツ交換の不足からくる不潔が原因と判断した。
解答 2
1 ○特に身内を亡くするといくことは生きる意欲の上で気力を失うことがあります。
2 ×この問題からは、特に息子に介護を頼みたいという記述はない。他の原因を考えることが適切と思われる。
3 ○自尊心や羞恥心を持つということは、何歳になってもあるものです。その点については十分考慮する必要はありますね。
4 ○自分の意志を言葉で伝えられないことは、大きなストレスです。しかも人間関係をうまく作れないということにもつながりますからね。
5 ○オムツ交換しないと尿などの刺激で皮膚に発赤ができます。
14回93
問題93 Mさんの情報収集に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 生活の自立を促進するために、左上肢の筋力を調べることが最も重要である。
B 介護にあたっているのはAさんだから、長男が親の介護をどう考えているかをしる必要はない。
C MさんのAさんに対する気持ちを理解するためには、病気になる前からのMさんとAさんの人間関係を知る必要がある。
D 新たな生き甲斐を見つけ出すには、Mさんの希望を知る必要がある。
(組み合わせ)
1 A
B
2 A
C
3 B
C
4 B
D
5 C
D
解答 5
A ×最も使う健側の左上肢の状態を調べることは、たしかに必要であるが、最も必要なことでしょうか?生活の自立促進を考えるのなら、本人の希望(ニーズ)がどこにあるのかを介護者として見極めて行くことが一番大事だと思います。
B ×長男には、気持ち的にもMさんの介護に理解してあげる役目がありますよね。介護者に対するフォローも介護福祉士の役目ですから関与しなければ
C ○MさんがAさんのオムツ交換に抵抗があるのですから、十分な人間関係ができてないことにたいして、以前の二人の関係を知ることは介護のヒントになると思います。
D ○いま、生き甲斐を失いかけているのですから、少しでも希望があればそれをひきだしてあげる努力が必要です。ですから○ですね
14回94
問題94 Mさんの介護計画に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A 姉のことを早く忘れるように話、話題にはしない。
B Aさんと一緒に介護することでAさんの不安を取り除き世話することに自信を持てるように援助する。
C MさんとAさんとの円滑な人間関係づくりのために援助する。
D 陰部が発赤しているのは、Aさんの世話のしかたが悪かったからだと注意する。
(組み合わせ)
1 A
B
2 A
C
3 B
C
4 B
D
5 C
D
解答 3
A ×最愛のお姉さんの死はすぐには受け入れられないものです。それには十分な時間が必要です。Mさんの話には聞き役に徹するなどの配慮をしたほうがいいと思います。
B ○一緒にやることで不安が解消するものです。そして自信もついてきますよね。
C ○介護には家族の連携が必要です。その中で人間関係ができてれば更にいいですよね。ですから○!
D ×こんな注意をしちゃうと落ち込むばかりです。その時は具体的にそうならないように説明し、介護の大変さを共感しながら、励ましながらの援助が必要です。
事例問題2(問題95〜97)
次の事例を読んで、問題95から問題97までについて答えなさい。
事例
東京都在住のAさんは85歳の女性である。脳梗塞で倒れた後、徐々に心身の機能が低下し、現在は寝たきりの状態で自力では寝返りできない。仙骨部に1度の褥瘡ができている。足の爪は白く肥厚している。また、コミュニケーションはほとんどできていない。食事は、きざみ食をスプーンで口元に持って行くと口を開けて食べる。排泄は、便尿ともにオムツにしている。主治医から、降圧剤と緩下剤をもらって内服している。
家族構成は88歳の夫との二人暮らしであり、子供は一人(長男)おり、北海道で家族と共に生活している。Aさんの夫は民生委員を頼っており、民生委員もAさんの身体状況を理解している。
この度、介護保険の介護サービスとして訪問介護と訪問看護を利用することになり、担当の訪問介護員が訪問を開始した。
14回95
問題95 訪問介護の情報収集に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい
1 夫に対して、長男がどのように援助しているかをたずねた。
2 主治医に対して、塩分摂取量の目安についてたずねた。
3 民生委員から内服薬の副作用の情報を得たので、薬の量を減らした。
4 介護支援専門員に対して、Aさんの介護認定の結果をたずねた。
5 在宅介護支援センターの相談員に対して、どのような福祉用具があるかたずねた。
解答 3
1 ○たしかに長男は遠くで生活しているが、家族関係を把握しておくことは必要なニーズを充足することにもつながるのでたずねることは大事である。
2 ○Aさんの必要な健康情報を得ておくことは、家事援助での食事を作るときにも活かされるものである主治医から情報をもらうことは必要なことである。
3 ×薬の服用については医師が決めることである。かってに薬の量をへらしたり、やめたりするように指示をしてはいけません。
4 ○ケアマネの情報を得てサービスの提供を行うのが原則ですから、きちんと聞いておかなければいけませんね。
5 ○在宅介護支援センターでは福祉用具の選択に関する相談にものってくれます。介護に関する情報は積極的に集めることが重要です。
14回96
問題96 訪問介護の計画に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい
1 食事介助の際に、むせるので訪問看護師に相談した。
2 洗髪の際に、横臥の状態で洗髪用パッドを使用することにした。
3 なるべく声をかけながら介助するように心がけた。
4 褥瘡があるので、清拭は行わないことにした。
5 夫の苦労を軽減するために、夫の行っている介護の状況を把握することにした。
解答 4
1 ○むせると誤嚥をおこしやすくなり、気管支炎、肺炎の原因になりやすいので、医療の専門家である、看護師に相談することは望ましいことである。
2 ○Aさんが寝たきり状態であるので横臥(横向きにねそべった状態)の状態で洗髪用パッドをもちいた洗髪は合理的である。
3 ○介助するときの基本なので、今更説明もいりませんね。
4 ×清拭をすることは、細菌の汚染防止や褥瘡防止にもつながります。清拭は積極的におこなったほうが良い。
5 ○家族介護の軽減も計画の中にはいっていて良いことであり、そのためには夫の介護の状況を把握することは大変良いことである。
14回97
問題97 訪問介護の援助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい
1 夫に対して体位変換の方法を指導した。
2 仙骨部の褥瘡の処置については、訪問看護師に依頼することにした。
3 夫から介護保険における利用者負担について質問されたので、原則として利用した居宅サービスの一割を負担すると答えた。
4 爪の一部が白く肥厚していたので、夫がいつも利用している売薬をぬった。
5 調理の際は、繊維質の多い食材を取り入れるようにした。
解答 4
1 ○体位変換は家族の協力が必要である。夫も高齢なので正しい体位変換の指導は非常に重要です。
2 ○褥瘡の処置は医療行為なので、看護師がおこなうこととなっている。
3 ○利用者負担についての質問に答えることも、援助の一つですよね
4 ×売薬であっても、もちろん病院から出された薬でも、介護員の判断で薬を使用したりすることは違法行為になります。
5 ○寝たきりの人は、便秘したすいですから、訪問介護員の食事援助では繊維質の多い食べ物を調理し、便秘予防することは大事です。
事例問題3(問題98〜100)
次の事例を読んで、問題98から問題100までについて答えなさい。
事例
アルツハイマー型の認知症があるAさん(80歳・男性)は、特別養護老人ホームに入所して1ヶ月が経過した。入所一年目に肺炎になり、以後はベッド上の生活が続いた。その結果自立歩行ができなくなった。特別養護老人ホーム入所後は、できるだけ離床をすすめており、現在はつかまり立ちが可能となった。しかし、ふらつきが著名であるため、移動や移乗には常に介助が必要である。日中は車椅子に座っているが、片側に身体が傾いていたり、立ち上がろうとする動作が見られる。入所後、ベッドから降りようとしてずり落ちたり、転倒しそうになったこともある。
昼夜逆転が見られ、夜間には、興奮して「家に帰る」といい、廊下をはいずり回る行動や立ち上がって歩こうとする行動を繰り返している。話はするが、つじつまの合わないことが多く、また表情は乏しく、眉間にしわを寄せていることもある。
14回98
問題98 移動障害があるAさんの介護として、適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 車椅子から立ち上がらないように、腰ベルトやY字帯を使用する。
B ベッドから一人で降りられないよう四方をベッド柵で囲む。
C つなぎの服を着用させ、手指が使えないようにミトンをはめる。
D ベッドを片付けて畳の上で生活できるように環境を整える。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○×
2 ○○××
3 ×○×○
4 ××○○
5 ×××○
解答 5
A ×腰ベルトやY字帯を使用することは身体拘束にあたるのでやってはならない。
B ×柵で囲むことも身体拘束にあたるのでやってはならない。
C ×これも精神不安定を誘発させる行為である。身体拘束にあたる。
D ○Aさんのこれまでの生活環境を考慮し、畳のある環境におくことは精神を安定させる効果も期待できる。
14回99
問題99 Aさんが転倒しやすい要因に関する次の記述のうち適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 歩行すると転びやすいことを十分理解できないため。
B 筋力の低下により、立位バランスを維持することが困難であるため。
C 長時間の座位が苦痛で立ち上がろうとするため。
D 環境が変わったため不安になり、安心できる居場所をさがし、動き回るため
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○○
2 ○○××
3 ○×××
4 ×○○○
5 ××○○
解答 1
A ○認知症の進行で判断力が低下すると転びやすいという判断も容易に低下することが理解できると思います。
B ○筋力が低下すると、長時間立つという動作が大変になり転倒しやすくなります。
C ○車椅子に長時間座っていることは、けっこう苦痛です。そうであれば立ち上がりたくもなりますよね。それが転倒にもつながってしまいます。
D ○Aさんの家に帰るという行動は自分の安楽の場所をさがしているからにほかなりません。それが動き回る行動へとつながります。
14回100
問題100 Aさんの尊厳を守り、自立を支援するための介護従事者としての介護計画の作成に関する次の記述のうち適切なものに○、適切でないものに×をつけた場合、その組み合わせとして正しいものを一つ選びなさい。
A 向精神薬を積極的に用いて、心身の安定、活性化を図る。
B 立ち上がりや移動を制止しないで見守り、残存能力を確認すると共に、筋力増強のためのリハビリテーションを開始する。
C 長時間の座位に耐えられる車いす用のクッションや、滑り止めマットなどを活用する。
D 排泄のリズムを把握し、トイレに誘導する。
(組み合わせ)
A B C D
1 ○○○×
2 ○×××
3 ×○○○
4 ××○○
5 ×××○
解答 3
A ×薬に頼らなくても、利用者への接触のしかたで精神的安定を図れることもできるので安易に向精神薬に頼るべきではない。
B ○本人の自主性を十分に尊重しながら、足腰を鍛える訓練は必要である。
C ○通常使用する車いすだけでは疲れてしまうので安楽をはかるクッション、マットなどの工夫は大切である。
D ○人それぞれ排泄のリズムを持っているので精神的安定のためにも介護計画のなかにもと入りいれは必要である。