第35回試験用出題基準別ノンストップ問題

こころとからだのしくみ

 1 記憶に関連するもの

 ・記憶の種類

〇感覚記憶

感覚器官から受け取った情報を記憶するのが「感覚記憶」です。

「特に注意を引かなかったもの」「特に重要でないと判断されたもの」の記憶は、数秒で消えてしまいます。

〇短期記憶

感覚記憶よりもう少し保持期間長い記憶のこと。

ある行動をとるために短期間蓄えられ、行動が終わると忘れてしまう記憶のことをワーキングメモリーと呼ばれます。

〇長期記憶

短期記憶された情報を長期間にわたり保持するかどうかを判断するのは、大脳辺縁系の「海馬」という器官です。

・エピソード記憶→「今週の水曜日は図書館で勉強をしていた」といったような、時間的・空間的文脈の中に位置づけられる個人的な出来事の記憶です。

エピソード記憶には、時間や場所、そのときの感情が含まれる(感情は記憶の質に影響する)。

エピソード記憶の情報の特性として、事象やエピソードが情報の単位となっていて、時間的に体制化されていること、自己が指示対象となっていることが挙げられます。

エピソード記憶は意味記憶(事実と概念に関する記憶)と相互に関連している。エピソード記憶は物語にたとえることができる。

・意味記憶

例えば、「りんごは果物だ」という定義や「1+1=2」といった数式の他、一般常識や歴史上の事実などの記憶を指す。

・手続き記憶

技能や手続き、ノウハウ(手続き的知識)を保持するもの。

手続き学習の例として、自転車の乗り方の練習、タイピングの練習、楽器の練習、水泳の練習がある。手続き記憶は永続性がある場合もある。

 

・記憶の過程

〇記銘⇒保持⇒想起

記銘とは、外部の刺激がもつ情報を意味に変換して記憶として取り込むこと

保持とは、記銘したものを保存しておくこと

想起とは、保存されていた記憶を外に表すこと

 

・記憶の保存期間(短い方から長い方順番)

〇感覚記憶短期記憶長期記憶


問題 

1 記憶には、記銘と保持と想起の3つの過程がある。

2 「記銘」とは外部の刺激がもつ情報を意味に変換して記憶として取り込むことである。

3 記憶はいったん脳の奥の海馬という部位に保存される。

4 手続き記憶は比較的保たれる長期記憶の一種で、技能や手続き、ノウハウなどを保持する記憶である。

5 手続き記憶は思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶である。

6 意味記憶」は 長期記憶の中でも、言葉とその意味を結びつけている記憶のことをいう。

7 意味記憶は言葉や概念を中心に構成された記憶で、言語を使用する上で辞典のような役割を果たしている。

8 エピソード記憶とは、「昨日、2時間も図書館で勉強した」というように特定の時間的・空間的文脈(いつ・どこで)のなかに位置づけることのできる出来事(エピソード)に関する記憶である。

9 エピソード記憶は、個々の経験・体験の記憶を指す。

10 短期記憶とは短期間保持される記憶である。

11 短期記憶の寿命は通常、数秒から数分までとされている。

12 感覚記憶とは視覚、聴覚、触覚、嗅覚の感覚などの感覚体験の記憶である。

13 感覚記憶は感覚刺激を感情情報の「まま保持する記憶のことをいう。

解答

1:○

2:○ 

3:○

4:○

5:○

6:○

7:○ 意味記憶は覚えようと意識して得る知識のこと…

8:○

9:○

10:○

11:○ 短期記憶の寿命は短いですが、さらに、この記憶の痕跡は復唱しないかぎり自動的に消滅すると仮定されてます。

12:○

13:○加齢に伴い、感覚器官が衰えてくるので感覚記憶の情報量は減ってきます

 

2 防衛機制

防衛機制とは、自己を守るために無意識的に起こる精神的な防衛メカニズムのことです。人間は、何らかの葛藤や痛みを予感すると、そのような状況を避けて自分を守ろうとするために防衛機制(ディフェンス・メカニズム)と呼ばれる心の動きを発動します。

逃避→状況から逃げ出すことで、不安や緊張、恐怖をなくし、自分自身を守ろうとすることです。

(例:嫌いな上司に会うのを避ける)

抑圧→欲求不満や不快な思考を無意識下に抑え込み思い出さないようにする防衛機制。無かったことにしようとする心の働きのことです。

投射(投影)→自分が持っている社会的に望ましくない感情や衝動を他人が持っていることにしようとする防衛機制。責任を転嫁しようとする働きのことです。

(例:私が彼女のことを嫌いなんじゃなくて、彼女の方が私を嫌ってる)

(例:あの人のだらしない所がどうしても許せない。)

同一視→他人の優れた能力や実績を自分とを同一視することで自己評価を高め欲求を満たそうとする防衛機制。

(例:有名人の服装や言動を表面的に真似る、ブランド物で身を固める、出身校を自慢する)

反動形成→無意識の中に抑圧されている強い感情や衝動が、正反対の傾向となって行動などに表れる防衛機制。本来の感情や衝動がそのまま表面化すると自己評価が低下する恐れがあるため逆のことをやろうとする心の働きです。

(例:好きであることを悟られないためにそっけない態度をとる)

合理化→何かもっともらしい理屈をつけて、自分の失敗や好ましくない体験を正当化しようとする防衛機制。努力しても入手できない目標の価値を低めたり、すでに自分が所有しているものの価値を過大評価しようとする働き。

(例:手の届かないブドウはすっぱいブドウだと自分に言い聞かせる)

(例:仕事を失敗したのは、難しい仕事を押し付けた上司が悪いから)

補償(代償)→ある分野での劣等感を解消するために、他の分野で優越感を求める防衛機制。

(例:勉強ができないからスポーツで活躍する)

置換(置き換え)→特定の対象に向けられた欲求や衝動を他の対象に向けることによって欲求不満を解消しようとする防衛機制。

(例:異性の持ち物に愛着を示す。会社のストレスを家庭で爆発させる)

否認→認めたくない現実を無意識のうちに拒否する防衛機制。それが現実だと認めることは耐えられないと感じて、その現実を受け取らずに遮断しようとする心の働きです。

(例:医者の言ってることは間違いだ。私は決してガンではない)

退行→辛い出来事、ストレスの高い出来事、困難な出来事が起こった時に、今の年齢よりも幼い年齢に戻り、嫌なことや困難を避けようとする心の動きです。

(例:第二子が産まれた時に上の子どもが今までできていたことができなくなったり、甘えるようになったりするようなこと:赤ちゃん返りともいいます)

 

問題

1 防衛機制(適応機制)の転移とはある特定の対象に向けられていた感情や態度を,別の対象に向け変える。人から人への感情転移が一般的。

2 防衛機制(適応機制)の攻撃とは、他人や物を傷つけるなどして、欲求不満を解消しようとする機制で、直接的なものと間接的なものとがある。

3 防衛機制とは不安・葛藤・フラストレーションなどから自己を守ろうとして働くさまざまな心の仕組みである

4 防衛機制(適応機制)とは人間の緊張や不安などの不快な感情をやわらげ、心理的な安定を保とうとする心の働きである。

5 防衛機制(適応機制)の抑圧とは意識すると不快や不安を覚えてしまうような記憶や観念を意識外へ押し出そうとする忘却の形をとることが多い。

6 防衛機制(適応機制)の抑圧とは、実現困難な欲求を心の中におさえこんでしまう機制である。

7 防衛機制(適応機制)の反動形成とは内心抱いている感情や欲求とは正反対の態度や発言をする。

8 防衛機制(適応機制)の代償とは当初の目標と機能的に類似した目標を達成することによって満足を得る。「補償」ともいう。

9 防衛機制(適応機制)の昇華とはエネルギーの対象になっている目標を社会的・文化的に承認されたものへと転換して満足を得る。

10 防衛機制(適応機制)の合理化とは本来の欲求や動機を隠して,自分に都合のよい理屈で正当化する。

11 防衛機制(適応機制)の合理化とは、一見もっともらしい理由をつけて、自分を正当化しようとする機制である。

12 防衛機制(適応機制)の投影とは他人も自分の態度,感情などと同じものをもつと決めてかかる傾向。自分が持っていることを認めると自分を傷つけるような衝動や感情を無意識に他の人や物に転換する。

13 防衛機制(適応機制)の退行とは欲求不満によって生じた緊張を,自分の生活史の前段階へ,あるいは生活史とは無関係の原始的行動へ戻ることで緩和する。

14 防衛機制(適応機制)の退行とは、たえがたい事態に直面したとき、発達の未熟な段階にあともどりして自分を守ろうとする機制である。

15 防衛機制(適応機制)の逃避とは苦痛や不安などから逃れるために,他の現実または空想へと逃げる。

16 防衛機制(適応機制)の逃避とは、直面している苦しくつらい現実から逃避することにより、一時的に心の安定を求める機制である。

17 防衛機制(適応機制)の同一視とは自分以外のものに自分の姿を重ねることによって,自分にできないことを達成しようとする。

18 防衛機制(適応機制)の同一化とは、自分にない名声や権威に自分を近づけることによって、自らの価値を高めようとする機制である。

解答

1〜18:〇

 

3 脳・神経

〇自律神経 →意識してもできないことをコントロールするのが自律神経です。例えば内臓を動かす、血液を流す、栄養を吸収する、老廃物を回収する、などです。

〇交感神経と副交感神経 →自律神経は、正反対のはたらきをする「交感神経」と「副交感神経」の2つからなり、この2つがバランスよくはたらくことで、健康状態を保っています。

 交感神経がはたらくのはおもに昼間。活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時にはたらきます。心拍数は増えて、筋肉がかたくなって、血管は細く収縮します。活動モードになっているので、すぐに反応できる体勢になっています。

 副交感神経がはたらくのはおもに夜。眠っている時がはたらきがピークですが、そのほかにも、食事中、お風呂にはいっている時、ゆったり気分でリラックスしている時にはたらきます。心拍数は落ち着いて、筋肉もゆるんで、血管もふわりと広がります。胃や腸などの消化器系の動きがさかんになって、栄養の吸収や老廃物の排出が促進されます。

〇脳の部位と働き 

・大脳

大脳は場所によって機能が分かれている臓器です。大脳は、側頭葉、前頭葉、前頂葉、後頭葉の4つに分かれています。側頭葉、前頭葉、前頂葉の3つは「領野」と呼ばれる部分に分かれており、さらに細かい役割分担をしています。

側頭葉―上後方のウェルニッケ野で記憶や言語を、上方の聴覚野で音を認識、解析します。

前頭葉―前面の前頭連合野で思考、判断、感情、創造などを、後方の運動野で身体を動かすための指令を、下方のブローカ野で会話や発音を司ります。

頭頂葉―体性感覚野で温度や圧迫感など、皮膚や筋肉で感じたことを、頭頂連合野で空間や動きを認識、解析します。

後頭葉―視覚からの情報を取り入れ、見たものの大きさ、形、色などを解析します。

・右脳と左脳

右脳は創造や直感を司ります。  

左脳は言語や計算を司ります。  

・脳幹

脳幹は生命維持に欠かせない重要な働きを担っています。免疫系・内分泌系・自律神経系・脊髄筋骨格系という系統全てに関与する機能があります。

 

問題

1 自律神経には交感神経と副交感神経があり、この二つの神経が逆方向に働くことにより、身体のバランスがとれた状態を保つ。

2 神経系を分類すると脊髄と脳からなる中枢神経と、脳脊髄神経と自律神経からなる末梢神経がある。

3 脳は左・右大脳半球からなる終脳と間脳・中脳・橋(きょう)・小脳・延髄に分類される。

4 中脳・橋(きょう)・延髄を脳幹といい、脳幹は生命維持に重要な機能を担っている。

5 脳神経は脳に出入りする神経で12対ある。

6 交感神経は、心臓の活動を活発にして心拍数を増やし、血圧を上げる働きがある。

7 交感神経が興奮すると、心拍数が増加したり、心臓の収縮力が強くなり、血圧が上がる。

8 交感神経が興奮すると、血管は収縮力が強くなり、末梢血管抵抗が増加するため、血圧が上がる。

9 副交感神経は、交感神経と反対に、心臓活動を抑えて心拍数を減らし、血圧を下げる働きがある。

 

解答

1:○交感神経がはたらくのは、活動している時、不安・恐怖・怒りなどストレスを感じている時であり、副交感神経が働くのは、睡眠中、リラックスしている時、ゆったりと落ち着いている時です。

2:○

3:○

4:○

5:○

6:○

7:○

8:○

9:○

 

4 ホルモン
〇主要なホルモンの働き

成長ホルモン(細胞の成長促進)

アドレナリン(交感神経の興奮)

インスリン(血糖値を下げる)

グルカゴン(血糖値を上げる)

性ホルモン(生殖機能と男女の見た目)


〇内分泌系とホルモン
:膵臓のホルモン:

インスリン(血糖値の調整・グルコース・脂肪酸・アミノ酸などの栄養の運搬)

グルカゴン(血糖値の上昇、アミノ酸の糖新生、脂肪を分解等)

 

:・副腎皮質のホルモン(副腎の90%を占める):

アルドステロン(体内水分の調整、血圧調整)

コルチゾール・コルチゾン(血糖値を調整、アミノ酸・脂肪の糖新生)

アンドロゲン(筋肉の発達、主に女性において働く)

 

・甲状腺・副甲状腺のホルモン:

甲状腺ホルモン(代謝の促進・コレステロール値のコントロール・身体の成長の促進等)

 

問題

1 ホルモンは特定の臓器で微量に産生される特殊な化学物質で、目的とする組織や器官の働きの調節に関与する。

2 下垂体の前葉からでるホルモンには、乳腺刺激ホルモン(プロラクチン)、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、等がある。

3 甲状腺から分泌されるホルモンにはサイロキシン、トリヨードサイロキシンがありエネルギー代謝を調節する機能を持つ。

4 上皮小体から分泌されるホルモンは循環血中のカルシウムイオン濃度を上昇させる

5 膵臓のランゲルハウス島といわれる部分にはアルファ、ベータなどの2細胞からなり、アルファ細胞はグルカゴンを、ベータ細胞はインスリンをつくる。

6 副腎皮質ホルモンには、体内での糖の蓄積と利用を制御する糖質コルチコイド、無機イオンなどの電解質バランスを調節する鉱質コルチコイドがある。

7 副腎髄質からは、アドレナリン、ノルアドレナリン)が分泌され、体のストレス反応などの調節を行っている。

解答
1:○

2:○これらはいずれも生体を維持していく上で大切な働きをしています。

3:○

4:○

5:○インスリンは血糖値を下げる働きがあり、グルカゴンは血糖値を上げる働きをします。

6:○副腎は、体の恒常性を保つために重要なホルモンを分泌する臓器です

7:○

5 循環器系

〇肺循環と体循環・心臓の構造 ・
肺循環→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房というルートで行われる循環を「肺循環」
体循環→左心室→大動脈→全身の器官・組織→上大静脈・下大静脈→右心房というルートで全身を巡っているのが「体循環」

 

〇心筋梗塞

・心筋梗塞症とは、冠状動脈が完全につまってしまい、心臓の筋肉に酸素と栄養がいかなくなり、その部分の壁の動きが悪くなってしまう病気です。心臓の壁の動きが悪くなると、ポンプとしての力が落ちてしまいます。

・症状→激しい胸の痛み、呼吸困難、冷汗、嘔気、嘔吐などがあります。

・危険因子→高血圧 高脂血症 糖尿病 肥満 喫煙 精神的ストレス

 

〇狭心症

・動脈硬化や血栓などで心臓の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなると、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養がいきわたりにくくなります。急に激しい運動をしたり、強いストレスがかかると、心臓の筋肉は一時的に血液(酸素、栄養)不足となり主に前胸部、時に左腕や背中に痛み、圧迫感を生じます。

:対処法→安静にしたり、ニトログリセリンを舌下すると血液不足が改善され痛みがとれます。痛みの持続時間は数分から15分前後で、ニトログリセリンが良く効きます。

・参考 心筋梗塞と狭心症のちがい

狭心症

心筋梗塞

胸痛の特徴

突然、締め付けられるような重苦しさ、圧迫感がある痛み

締め付けられるような激しい痛み。不安感、重症感がある。

発作の持続時間

1〜5分程度で長くても15分以内

15分以上。数時間続くこともある。

ニトログリセリン効果

多くの場合著効

効果がない

 

〇高血圧症

・高血圧というのは、血圧が高いという1つの症状です。たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。診察室でのくり返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。

・高血圧症の種類

「本態性高血圧症」

原因の判らないものをいい、高血圧症の約90%がこれに入ります。本態性高血圧症は遺伝的な因子や生活習慣などの環境因子が関与しており、生活習慣病といわれています。原因としては以下のことが考えられます。

「二次性高血圧症」

体の中に血圧上昇の原因となるはっきりした病気がある時にはこれを二次性高血圧症と呼びます。この中には、腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などのように外科手術により高血圧の治療が期待できるものが含まれます。

・治療等→二次性高血圧症の場合は原因疾患の治療、本態性高血圧症の場合は塩分抑制や肥満改善、それで不十分な時は降圧剤治療

 

〇起立性低血圧

・起立性低血圧は、立ち上がった際に必要な血圧調整が行われず、一過性の低血圧とそれに伴う症状が引き起こされる病態を指します。

:症状→起立性低血圧では、立位時に主としてふらつき感を自覚します。ふらつきにあわせて、軽度の視野異常(かすんだように見える)、瞬間的な意識消失を伴うこともあります。重度の起立性低血圧においては、意識障害やけいれんを伴う症例も少数ではありません。

 

〇心不全

・心不全とは、『心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気』と定義されています。

・症状→心不全になると、心臓から十分な血液を送り出せなくなり、体に必要な酸素や栄養が足りなくなるので、坂道や階段で息切れがしたり、疲れやすくなります。腎臓に流れる血液が少なくなって尿の量が減り、水分が体内に貯留してくると、足の甲やすねのあたりがむくんだり、体重が1週間で2〜3キロ増加したりします。やがて、体の中で血液が滞る「うっ血」が進むと、腹部膨満や、さらに呼吸が苦しくて横になって眠れない「起坐呼吸」といったような状態になることもあります。

・対処法→呼吸困難時は身体を起した起坐位(きざい)または半座位にすることで症状が改善します。

 

〇不整脈

・不整脈とは、脈がゆっくり打つ、速く打つ、または不規則に打つ状態を指し、脈が1分間に50以下の場合を徐脈、100以上の場合を頻脈といいます。

・脈がおそくなるもの→徐脈性不整脈     脈が速くなるもの→頻脈性不整脈    脈が不規則になるもの→期外収縮

・治療

* 洞不全症候群や房室ブロックのような徐脈が生じる人にはペースメーカーが植え込まれます。

* 心房細動の治療は、抗凝固療法(血液を固まりにくくする薬剤の服薬)が基本となります。動悸などの症状がある場合や心機能が低下している場合には、それに抗凝固療法に加え、抗不整脈薬やカテーテルアブレーションによる治療を行います。

 

〇閉塞性動脈硬化症(ASO

・閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化がすすみ、血管が細くなったり、つまったりして、充分な血流が保てなくなる病気です。

・症状→血液の流れが悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛み、冷たさを感じます。さらに進行すると、安静時にも症状が現れることがあります。

 

問題

1 循環器系は心臓と血管、リンパ管で構成されている。

2 心臓は上部の心房と下部の心室に分けられ、2心房、2心室からなっている。

3 心臓から肺へ血液を送るのは肺動脈であり、この血液は酸素をあまりふくんでない静脈血が流れている。また肺から心臓へ血液を送るのは肺静脈であり酸素をたっぷり含んでいる動脈血が流れている。

4 左心房は動脈血が流れ込む部位である。

5 右心房は静脈血が流れ込む部位である。

6 左心房と左心室の間に僧帽弁があり、右心房と右心室の間には三尖弁がある。また右心室と肺動脈の間には肺動脈弁、左心室と大動脈の間にある弁を大動脈弁という。

7 大動脈は左心室から全身に血液を送り出しているが、心臓から一回に送り出される血液量は70〜80ミリリットルである

8 心臓の収縮は,自律神経によって支配される

9 心筋自体に栄養を与えている血管が冠状動脈であるが、ここに動脈硬化が起こると冠状動脈硬化症となる。冠状動脈が細くなると狭心症をおこし、つまると心筋梗塞を起こす。

10 心臓の筋肉への血液の供給が減ることや途絶えることを虚血といい、狭心症と心筋梗塞の2つをまとめて虚血性心疾患という。

11 狭心症と心筋梗塞の違いは、狭心症では心筋壊死せず回復するのに対して、心筋梗塞は心筋が壊死し回復しないことである。

12 狭心症分類として労作性狭心症、安静時狭心症、労作性兼安静時狭心症がある。

13 心不全とは、心臓のポンプとしての機能が衰え、血液を十分に送り出した り、戻ってきた血液をうまく取り入れられなくなった状態をいう。

 

解答
1:○

2:○

3:○

4:○図参照

5:○図参照

6:○暗記

.右心房と右心室の間にある弁を三尖弁

.右心室と肺動脈の間にある弁を肺動脈弁

.左心房と左心室の間にある弁を僧帽弁

.左心室と大動脈の間にある弁を大動脈弁

7:○血液の流れを図をみながら確認してください。大循環は全身に血液を送り末梢で酸素を消費して,心臓に返ってくる循環です。左心室ー>大動脈ー>小動脈ー>末梢ー>小静脈ー>大静脈ー>右心房

 8:○心臓は自律神経によって支配され、血圧や脈拍等を調節しています

9:○この4大危険因子といわれているものが、高血圧、喫煙、糖尿病、脂質異常症です。糖尿病は4大危険因子から外れますが動脈硬化の危険因子であることには変わりないので覚えておきましょう。

10:○

11:○

12:○労作性狭心症は身体的労作や精神的緊張によって心筋酸素消費量が増えたときに狭心発作がおきます。安静時狭心症は睡眠時や安静時に狭心発作がおきます。労作性兼安静時狭心症は労作性狭心症、安静時狭心症の出現様式を示す狭心症です。

13:○心不全は心臓弁 膜症や高血圧、冠状動脈硬化、心筋梗塞、などあらゆる心臓疾患が最終的 に至る症候群を意味します。

6 身じたく関係 

〇身じたくの意義と目的

 身支度とは、洗顔、歯磨き、整髪、爪の手入れ、着替え、化粧などのことを指し、外部環境や危険物から身を守る、体温調節、清潔保持などの意義があります。

この他、生活のリズムを作ることや、自己表現の手段となるなど、精神面にも大きく影響します。

〇整容に関する介護

・洗面の介助

洗面には、顔面の皮脂や汚れを落とし清潔を保持するとともに、血流を促進する効果があり、爽快感をもたらします。また、生活のリズムを整えることにも役立ちます。

洗面台での洗面ができない場合は、熱め(40℃前後)の湯でしぼったハンドタオルを利用者に渡し、できるだけ自分でできるよう促し、拭き残しがないよう声掛けをします。 全介助の場合は、本人の意向を聞きながら行いますが、目や鼻の周囲は皮脂がつきやすいので丁寧に行います。 介助を行う際は、目頭から目尻にかけて行うと、感染予防になります。 洗面後は、必要に応じてローションやクリームを使い、皮膚を保護します。

 

・ひげそり

ひげは、1日に約0.4o伸び、日本人の男性では、1日に1回ひげを剃ることが一般的ですが、ひげを伸ばすかどうかや剃る方法は人それぞれ好みが違いますので、できるだけ利用者の希望に沿うようにします。

ひげそりの介助をする場合は、以下の点に注意します。 ・電動ひげそりを使うか、かみそりを使うか、など利用者の好みを聞く。 ・電動ひげそりは、伸びすぎたひげや顔のくぼんだ部分はそりにくいことがある。 ・かみそりを使う場合は、蒸しタオルでひげを柔らかくしてから行い、シェービングクリーム等をひげにつける。 ・ひげそりは、皮膚を伸ばし、傷つけないように細心の注意を払う。 ・電動、手動ともかみそり負けをしやすいので、ひげそり後にはクリーム等で皮膚を保護する。

 

・爪切り

爪は切らずにいると、巻き爪や爪肥厚など変形の原因となり、指先の動作や歩行の障害になったり、皮膚や衣類を傷つけたりすることもあります。また、爪が伸びていると不衛生になり、爪白癬(爪の水虫)の原因にもなります。

高齢者の爪は、もろくて割れやすいため、力を入れすぎず、切り過ぎないことが大切です。また、入浴(指浴・足浴)後や蒸しタオルを当てた後は、爪が柔らかくなり、安全に行うことができます。

足の爪は、まっすぐ横に角を残して切ると巻き爪になりにくくなりますが、手の爪は、角をなくした方が指を使いやすくなります。

爪切りは、介護職にも認められるようになりましたが、爪や皮膚状態に異常が認められる場合は、速やかに医療職に報告する必要があります。

 

・整髪

整髪は、頭髪・頭皮の健康維持の他、気分転換や社会性の維持のために大切な行為です。高齢者や障害のある人は、整髪がおろそかになりやすい傾向にあるので、起床時や入浴後、外出時など、適宜観察し、声をかけるようにします。

整髪の介助は、利用者の意向を聴きながら丁寧に行います。一部介助が必要な場合は、できるだけ利用者に行ってもらい、できない部分を整えます。可能であれば鏡を見てもらい、確認しながら行うようにします。


〇口腔ケアの介助

・腔ケアの目的

 口腔機能には、咀嚼・嚥下・発音・呼吸などがあり、口腔ケアを行うことによって、これらの機能の改善や悪化を防止することができます。口腔ケアの目的と効果は、以下の通りです。

虫歯、歯周病、口腔粘膜疾患などを予防する

細菌の繁殖を防止し、誤嚥性肺炎や感染症を予防する

口臭や不快感を除去し、気分を爽快にする

唾液の分泌を促進し、口腔内の自浄作用の促進や乾燥を防ぐ

ブラッシングによって、血行をよくする

味覚を保ち、食欲を増進する

腔機能を維持し、嚥下障害等を予防する

 

・利用者の状況に応じた口腔ケア

 口腔ケアを実施する際には、歯や歯肉、粘膜、舌などの口腔の状態だけでなく、全身の状態や精神状態などを総合的に把握して行う必要があります。

 高齢者は、唾液の分泌量が低下し、口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすく(ドライマウス)、口臭や歯肉炎、口内炎の原因となります。経管栄養を行っている場合は、さらに唾液の分泌量が低下しますので、丁寧な口腔ケアが必要です。 また、義歯を使用している場合も、細菌が繁殖しやすくなります。

 片麻痺の場合は、麻痺側の感覚が鈍く、食べかすが溜まりやすい状態になっているため、麻痺側の洗浄を十分に行います。

 

・基本的な口腔ケアの方法

口ブラッシング法

歯ブラシを使用して歯と歯肉のブラッシングを行い、口腔内の清掃を行う方法。口腔内の清掃だけでなく、適切なブラッシングを行うことによって、虫歯や週病、口臭の予防が可能となる。

 

腔清拭法

急性期など全身的な衰弱の激しい利用者や口腔内の炎症が激しい利用者など、歯ブラシによる口腔清掃が困難な場合に、スポンジブラシや巻綿糸・綿棒、ガーゼなどを用いて口腔内の清拭を行う方法。口腔清掃に比べて歯垢除去の効果は低いが、誤嚥や口腔内乾燥の防止、口臭予防には安全な方法である。

 

口含嗽(がんそう)法

含嗽剤や水などの液体を口に含み、口をすすいで吐き出すことによって、食物残渣の除去や口腔内の保湿、爽快感を得る方法。  頬を動かすことにより、口腔周囲筋の訓練効果もある。

 

口腔粘膜の清掃法・マッサージ

口腔粘膜や舌を軟らかい歯ブラシやスポンジブラシ、専用の舌ブラシを用いて清掃する方法。

実施する際は、誤嚥を防止するため、奥から手前に行うことが基本。口腔内が乾燥していると、舌苔の除去が困難となったり、表面を傷つける原因ともなるので、舌の表面を保湿して行う。

 

口義歯の清掃法

義歯は毎食後はずし、義歯用歯ブラシを使い、流水で洗浄する。義歯の変形や摩耗を防ぐため、熱湯や歯磨き剤、漂白剤などは使用しない。  洗浄後は、割れやひずみを防ぐため、水などにつけて蓋つき容器に保管する。

 

〇衣類に関する介助

・衣類着脱の目的

 衣類着脱の目的は、@気温の変化に対する体温調節、A外部からの刺激から身を守る皮膚の保護、衛生的機能、B日常生活のそれぞれの場面に合わせた快適な生活の維持、C個性を表現し、社会生活への適応機能、などがあります。利用者の好みや価値観、生活習慣を尊重し、楽しみや生活の張り合いが持てるように支援することが大切です。

 

・衣類の選択

 衣類を選択する場合は、以下のような点に留意します。

・利用者の好みや生活習慣に配慮し、身体状況や生活の場面に応じた形状や材質のものを選択する。

・汚れが目立つように、淡い色調の衣類を選ぶ。

・下着には、アレルギー反応が少なく、通気性と吸湿性に優れた、綿や絹のものを選ぶ。

・寝たきりの利用者の場合は、褥瘡予防のため背縫いがなく、衣類を自由に動かすことのできる前開きの寝巻が適している。

・上肢の拘縮や痛みがある場合は、伸縮性があり、袖ぐりの大きな衣類を選ぶ。

 

・衣類着脱の介助

 衣類着脱の介助では、以下のような点に注意します。

衣類着脱の介助での最も重要なポイントは、残存機能の活用と片麻痺の場合の「脱健着患」です。衣類を着るときは麻痺側から着せ、脱ぐときは健側から脱がせるように介助します。実技とともに試験にはよく出ますので、必ず覚えましょう。

一部介助を必要とする利用者の場合は、自分で袖を通せるよう肩口を下げるなど、できるだけ自力で着脱ができるよう、利用者の状態に合わせて援助します。たとえ寝たきりであっても、自分でできる範囲を広げるような工夫が必要です。

部屋を暖め保温を図る他、介護者の手も温めておきます。

和式の寝巻は、右前(左が上)になるように、紐は縦結びにならないように着せます。

下着は、体内からの汗や排泄物、血液、吐物などで汚れます。できるだけ毎日着替えるようにして、すぐに洗濯します。のりづけは、皮膚を傷つけたりアレルギーの原因となるため使わないようにし、柔軟剤の使用も皮膚障害を起こす可能性があるので注意します。

成人が一晩で発汗する汗や不感蒸泄(肺からの呼気や皮膚から自然に蒸発する水分)は約200mlで、ほとんどが寝具に吸収されます。  3〜4日に1回程度は、午前10時から午後2時前後の間に日光にあてるようにします。

 

問題

1 身じたくを整えることは、人が人として社会にかかわるうえでの重要な自己表現である。

2 身じたくの効果として、生活にリズムが生まれる、社会生活の維持向上が図られる、生活の楽しみが生まれる、健康な生活ができるなどのメリットがある。

3 爪は指先を外力から保護する、指を支える、手足の動きを助けるという機能を持っている。

4 頭皮は表皮保護作用のあるトリグリセライドを分泌し、常在菌のリパーゼにより分解され遊離脂肪酸になり、炎症やかゆみ、悪臭の原因となる。

5 口腔には食べ物を摂取する入り口、咀嚼(そしゃく)、唾液の分泌、嚥下(えんげ)、呼吸器としての入り口、発音などの機能がある。

6 歯はエナメル質、象牙質、セメント質、歯髄の組織からできている。

7 食べ物をかみ砕く作業に支障をきたす疾患としてむし歯や歯周病がある。

8 舌の表面にある味蕾(みらい)は、味覚を感じる機能をもっている。

9 舌の動きやはたらきには、舌咽神経(ぜついんしんけい)、舌神経、迷走神経などが関与している。

10 舌苔(ぜったい)は、舌に付着する白い苔(こけ)状のもので舌の上皮に細菌や食べカス、粘膜のカスが付着したものである。

11 唾液(だえき)には食べ物の残渣(ざんさ)を洗い流す作用、消化作用、緩衝作用、潤滑作用、薬物排泄作用、抗菌作用などがある。

12 口臭とは口から吐く息に嫌な臭いがあるものをいうが、その多くの原因は口腔内にある。

13 唾液分泌の中枢は延髄にある。

14 唾液の中には、消化酵素のアミラーゼが含まれている。

15 皮脂欠乏性湿疹は、皮膚が乾燥し乾皮症と呼ばれる状態に移行し、その一部から湿疹を生じる皮膚疾患である。

16 疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症である

17 白癬は、高齢者によくみられる疾患のひとつで、カビの一種である白癬菌が皮膚に感染することによっておこる病気である。

 

解答

1:○

2:○

3:○

4:○

5:○

6:○歯髄には血管や神経が入り込み、象牙質に栄養を与えています。また神経もあることから冷たい、温かいなどの刺激を感じます。

7:○これらの病気で歯が欠落することで食べ物の消化が不完全になったりするので注意が必要です。

8:○味蕾は舌の表面の小さなプチプチの中にある味覚の受容器のことで味覚信号をキャッチし、その信号が脳に伝わることで“味”を感じることができます。

9:○

10:○これは通常でも見られますが、唾液が少なかったり、不十分は口腔ケアなどが要因となって口臭の原因になります。

11:○唾液は唾液腺から分泌されますがそこから消化酵素やホルモンも分泌されます。・

12:○むし歯や歯周病、義歯の汚れ、舌苔などには要注意です。

13:○

14:○アミラーゼは、糖質を分解し、体内に吸収しやすい状態にする酵素です。
15:○

16:○

17:○足にできる白癬、つまり足白癬は俗に水虫といわれ、股にできる白癬はいんきんたむし、体にできるとぜにたむしと呼ばれることもあります。

 

7 移動関係 

(1)移動の意義と目的

人が食事、排泄、更衣、入浴などの日常生活動作を行う際に、移動することなくこれらの行為を行うことはできません。

また、移動可能な範囲が広く自立しているほど、生活範囲が広がり、より豊かな生活を送ることができます。

介護従事者は、利用者が安全でできるだけ楽に移動できるよう支援することが大切です。

人がベッド上で動かずにいると、筋力は1週間で10〜15%、1か月で50%ほど減少します。身体活動や精神活動を行わないことによる廃用症候群を予防し、寝たきりにさせないような支援が必要です。

移動などの生活行為の自立を促すためには、身体機能だけに着目するのではなく、移動しやすい環境、意欲や安心感などの心理的な側面も重要です。

 

(2)体位について

移動の介護では、利用者の体位が大きく影響します。ここでは、体位の種類と意味を理解しておきましょう。

 ・立位

立っている姿勢 ・椅座位  椅子に腰かけた姿勢 ・端座位  背中をもたれずに、ベッドの端などに腰かけた姿勢

 ・半座位

上半身を45度に起こした姿勢、ファーラー位ともいう(セミファーラー位は15〜30度起こした姿勢)

 ・長座位

ベッド上などで足を伸ばして座った姿勢

 ・起座位

机の上にクッションなどを置き、それを抱えるようにうつ伏せにする姿勢  心疾患や喘息発作の場合に、血液循環の負担を軽減し、呼吸を楽にする姿勢

 ・仰臥位

仰向けに寝た姿勢

 ・側臥位

左右のどちらかを下にして横向きに寝ている姿勢

 ・腹臥位  うつ伏せに寝ている姿勢

 

(3)移動に関する利用者のアセスメント

 移動の介護を行うためには、利用者がどのような状態にあるか、課題や支援方法についてアセスメントします。

ICFの視点に立って、移動という生活機能の中の「活動」に対し、他の生活機能や「健康状態」、「環境因子」「個人因子」がどのように相互作用を及ぼしているかをアセスメントします。

 麻痺の種類には、以下のようなものがあります。

 

・四肢麻痺

左右の上下肢に麻痺が生じるもの。主な原因疾患は、頸髄損傷、脳性麻痺がある。

・対麻痺

両上肢、または両下肢の麻痺をいう。通常は腰髄損傷等による両下肢麻痺をいう。

 ・片麻痺

右または左の半身に麻痺が生じるもの。主な原因疾患は脳血管疾患がある。

 ・その他

四肢のうち1つが麻痺を起している単麻痺、四肢のうち3つが麻痺を起こしている三肢麻痺がある。

 

人間の身体の関節は、一定の範囲内(関節可動域)で動かすことができますが、無理な動きをすると、関節を外したり、骨折することもあります。

 関節の動きが悪くなった場合、日常生活動作に支障の少ない手足の位置や関節の角度をとる姿勢のことを「良肢位」といいます。移動・移乗に関するアセスメントにおいても、良肢位を確認することが大切です。

 

(4)安全で気兼ねなく動けることを支える介護

 安全に移動・移乗を行うためには、利用者・介護者の両方にとって安全で安楽な方法であることが必要です。

 そのためには、利用者の身体の各部分の自然な動きや使い方を理解し、運動力学を応用して合理的な方法で介護を行います。その際、利用者の身体状況に応じて、残存機能を活かしてできるだけ自立できるよう支援することが大切です。

 ボディメカニクスを活用した介助の方法は、介護者の腰痛防止に有効であるとともに、利用者にとっても安全で楽な方法となります。

 外出の支援をする際は、介護従事者が外出をスムーズに行える方法を知ることによって、利用者が気兼ねなく外出できるように支援します。

 そのためには、交通量が少ない、段差が少ないなど移動に支障のない道を選び、トイレやエレベーターなどの設備を確認し、必要に応じて他人の手を借りるなどがポイントになります。

 

(5)安全で的確な移動・移乗の介護の技法1

 ●歩行の介助

 歩行の介助を行う際のポイントは以下のとおりです。

 ・介護従事者は、歩行パターンの特徴を把握して、利用者の斜め後ろに立ち、利用者のペースに合わせて歩行し、ふらつきや転倒に対応します。

 ・杖歩行をする場合は、健側の手で杖を持ち、杖→患側→健側、または杖と患側を同時に出す→健側の順で歩行します。介護従事者は患側の斜め後ろに立って介助します。

 ・階段の昇降をする場合、昇りは 杖→健側→患側、下りは 杖→患側→健側の順になります。

 ・障害物をまたいで超える場合は、まず杖を障害物の先に出し、患側で障害物をまたぎ、次に健側を出して患側の足に揃えます。

 ・階段を昇る場合だけ、健側が先になり、その他は患側が先です。これだけ覚えておけばほとんど大丈夫です。

 ・杖の長さは、床から大転子部までの長さで、杖をついた時の肘関節の角度が150度前後になる長さのものを使用します。杖先のゴムが減っていないかにも注意します。

 

●車いすの介助

車いすは、歩行が困難な人の移動手段として使用しますが、さまざまな生活場面で使用する福祉用具ですので、本人の身体に合った車いすを選ぶことが必要です。

 利用者の身体に合わない車いすを使用すると、姿勢が悪くなり褥瘡の原因にもなります。股関節、膝関節、足関節がそれぞれ90度になる車いすが適しています。

車いすの座面や背もたれの高さや角度などを、利用者の身体の状態に合わせて調整することをシーティングといいます。

 車いすでの移動介助のポイントは以下の通りです。

・砂利敷きの場所を通るときは、車いすのキャスター(前輪)を上げる。

砂利やぬかるみなど、通路面の整備が悪い場所では、ティッピングバーを踏みキャスターを上げて通行します。

 ・段差では、段差の手前でキャスターを上げ、前輪が段差に載ったら前進して後輪を載せる。

 ・下り坂では、後ろむきで、介護従事者が身体全体で支えながら、ゆっくりと降りる。

 ・電車に乗るときは、段差と同様の方法で、電車に対して直角で前向きに乗車する。

 ・エスカレーターでは、上りは前向き、下りは後ろ向きでキャスターを上げて乗り、すぐに動けるようにブレーキはかけない。

 ・車いすを止めるときは、必ずブレーキをかける。

 ベッドから車いすへ移乗するときは、ベッドを車いすの座面と同じ高さに調節し、ベッドの側面に対し、1530度の角度に車いすを置きます。片麻痺がある場合は、利用者の健側に設置します。

 

(5)安全で的確な移動・移乗の介護の技法2

 ●移乗の介助

 ベッドから車いす、車いすから自動車など、移乗の介助を行う際には、利用者・介護従事者の両方にとって、負担が少なく安全である必要があります。そのためには、ボディメカニクスを活用することが重要です。

 ボディメカニクスを活用した移乗の介護では、支持基底面を広くとり、重心が基底面の中に入るようにします。 支持基底面とは、両足で立った場合の左右の足とその間の面のことです。つまり足を拡げれば指示基底面は広くなりますし、足をそろえれば指示基底面は狭くなります。

指示基底面を広くとり重心を低くすると、安定して利用者を支えることができます。

これとは逆に利用者が立ち上がる場合は、指示基底面を小さくし、前かがみになって重心を指示基底面の外に出してもらいます。このようにすると、動きがスムーズになり、立ち上がりやすくなります。

 利用者が片麻痺の場合は、健側を活用できるよう、車いすを2030度の角度で健側につけ、介護従事者は麻痺側を支え、保護します。 車いすからベッドに移乗する場合は、ベッドが健側になるように近づきます(健側接近)。

乗るときと降りるときでは逆になりますので注意しましょう。

全介助の場合は、利用者の足の間に介護者の片足を入れ、身体全体を抱えるようにして移乗します。

 

ボディメカニクスの要点をまとめると以下のようになります。

 ・支持基底面積を広くする

介護従事者の足を前後・左右に広くとることで安定する

 ・重心を低くする

膝を曲げて腰を落とすことで安定する

 ・利用者にできる限り接近する

接近することで重心が近づき容易に介護できる

 ・水平に移動する

利用者を持ち上げるのではなく、横に水平移動することで負担が軽減する

 ・てこの原理を使う

肘や膝を支点にして、てこの原理を使うことで負担が軽減する

 ・身体を小さくまとめる

利用者が両手両足を組みできるだけ小さくまとめることによって、摩擦が減り移動しやすくなる

 ・大きな筋群を使う

腕や手先の力だけを使うのではなく、大きな筋肉を使うことで大きな力が出せ効率的である

 

●ベッド上での体位

ギャッジベッドの背上げ機能を利用して座位をとるためには、先に足上げ機能を使用して膝を上げてから背上げ機能を使って上体を起こし、膝の下や両脇にクッションなどを入れることで、ずり落ちせずに安定した座位をとることができます。

 自分で身体を動かすことが困難な利用者には、安楽な体位を保つことで、身体的なくつろぎや、精神的な安定を得ることができます。

安楽な体位を保つためには、指示基底面を広くし体圧を分散させる、四肢は自然な湾曲が保てるようにする、身体とベッドの間にクッションを入れる、などを行います。

 仰臥位での褥瘡の好発部位は、仙骨部、肩甲部、後頭部、後肘部、踵部などです。

側臥位では、大転子部、腸骨部、肩関節部、膝関節部、耳介部、踵部など、

座位では、坐骨部、仙骨部、尾骨部、肩甲部、後頭部などです。

 

褥瘡は、同一部位への長時間の圧迫や摩擦による血流循環障害や低栄養、尿失禁などによる皮膚の湿潤が発生原因となります。

はじめに皮膚の発赤が起こり、水泡やびらんへと進み、皮膚・皮下組織の壊死、潰瘍と進行していきます。

 

予防のためには、以下のような方法があげられます。

@最低2時間ごとに体位交換をする(90°側臥位は避け、30°程度にする)

A座位では、床面に足がしっかりとつき、90°座位が保てるようにする

B寝衣・寝具の湿潤を避けて、身体・寝衣・寝具を清潔に保つ

Cシーツ・寝衣のしわを作らない、のりづけしない

D摩擦を防ぐ

Eたんぱく質・ビタミンの多い食事を摂り、栄養状態を維持する

 

(6)利用者の状態・状況に応じた移動の介助の留意点

 ●片麻痺のある人の移動の介助

 利用者に片麻痺がある場合、多くの人は、健側の機能は障害を受けていませんので、全面的に介助するのではなく、健側の機能を活用し、介護従事者は麻痺側を補助するように介助します。 一部介助の場合は、麻痺側に立って麻痺側を支え、保護しながら介助します。

 片麻痺のある人で、尖足や下垂足などでつま先が上がらず、歩行が困難な人には短下肢装具がよく用いられます。

短下肢装具は、下腿部から足部までの構造になっていて、足関節の動きを制限し尖足にならずに歩きやすくする装具です。

 

●視覚機能が低下している人の移動の介助

 視覚障害者は、聴覚や触覚を用いて日常生活動作を行っています。

介護従事者は、利用者の聴覚・触覚に情報を与え、周囲の状況がわかるように支援します。

 

視覚障害者が安全に移動できるためには、居住環境の整備が必要です。

段差の解消や手すり、すべり止めの設置、移動する場所に物を置かないなど、整理整頓しておくことも重要です。

 

視覚障害者の手引き歩行はガイドヘルプと呼ばれています。ガイドヘルプは以下の手順で行います。

 @介護従事者は、利用者が白杖(はくじょう:視覚障碍者の歩行補助具で、杖先で障害物を確認しながら歩行する)を持っていない方の側で、利用者の半歩手前に立つ。

A歩行を始める合図として、介護従事者は声をかけながらした手の甲で利用者の手の甲に触れる。

B歩行時は、利用者に介護従事者の肘の少し上を握ってもらい、半歩手前を歩く。

C介護従事者は、利用者のペースに合わせて状況説明をしながら歩行する。

D曲がり角では、いったん立ち止まり、行く方向を説明してから方向を変える。

E階段を昇降する際は、手前で階段に対して直角に止まり、状況を説明。利用者の足先が階段に触れたのを確認してからゆっくりと上り下りする。

F椅子へ誘導する際は、利用者の手を椅子の背もたれや肘掛などに触れさせる。利用者は自分で椅子の状態を確認してから座る。

 

問題

1 関節拘縮とは長期にわたる寝たきり生活などで関節が固まり動かなくなることをいう

2 関節可動域(Range Of MotionROM)は、関節における異常を発見するための検査法である。

3 良肢位とは日常生活で支障の少ない関節角度をとった肢位のことをいう。

4 橈骨(とうこつ)末端骨折は手をついて転倒したときにおこりやすい。

5 高齢者におこりやすい骨折として上腕骨頸部骨折、橈骨(とうこつ)遠位端骨折、大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折などがある。 大腿骨頸部骨折は転倒して腰部をうったときにおこりやすい。脊椎圧迫骨折は重いものを持ち上げたときにおこりやすく、この骨折は寝たきりの原因、になることが多い。

6 高齢者がつまづいて転倒し立つことができなくなった。大腿骨頸部等の骨折が疑われる場合があるので,介護者は痛まない姿勢で寝かせたまま,医師の指示を待つ。

7 高齢者がつまづいて転倒し立つことができなくなったので、介護者は転倒時に打った部位の確認,痛み等の自覚症状や出血などを観察する。

8 寝たきりになると尿路感染、起立性低血圧、足のむくみ等の合併症を起こしやすくなる

9 長期間の臥床(がしょう)によって,関節の拘縮が生じると,動きに痛みが伴うためにますます動かさなくなるといった悪循環が生じる。

10 寝たきりから回復させるために,足底を床につけた端座位を保持することは効果的である。また寝たきりを防止するためには,メリハリのある生活を心がけることが大切で,寝食分離が基本である。

11 寝たきりでは脳への剌激が少なくなり,思考力も衰えてくるので,体位を変え,視界を広げることも重要である。また体位変換は褥瘡や肺炎の予防効果もある。体位を変える場合には、皮膚に摩擦を起こさないように配慮することが大切である。

12 寝たきりになると消化や吸収の機能の低下があるので便秘になりがちになる。  

13 寝たままの状態で排泄を続けた場合,尿路感染症を引き起こしやすくなることを,介護従事者は,常に念頭に置く必要がある。その尿路感染症の対策としては水分摂取は有効である。

14 寝たきり高齢者は,無気力な状態やうつ的な状態となり,睡眠障害をきたすなど精神活動が低下する傾向がある。

15 廃用症候群(生活不活発病)とは、安静状態が長期に続く事によって起こる心身のさまざまな低下等を指すものをいうが、静脈血栓症(深部静脈血栓症、筋萎縮、関節拘縮 、褥瘡(床ずれ) 、骨粗鬆症 、起立性低血圧 、精神的合併症 、括約筋障害(便秘・尿便失禁) などが挙げられる。
16 廃用症候群を防ぐためには,早期からのりハビリテーションに加えて,臥床時間の短縮,適当な運動,環境の改善による感覚器官も含めた生活
全体の活性化が必要である。
17 廃用性症候群は、治療を必要とする疾患によって安静臥床を余儀なくされている状況で、運動をしないこと、寝ていることで長時間を過ごすことにより生じる。

18 筋委縮性側索硬化症は筋肉を動かしにくくなったり、筋肉がやせてくる病気である。

19 脊柱管狭窄症が進むと、歩き続けると足のしびれや痛みが増して動けなくなる間欠跛行という歩行障害が起こる。

20 変形性膝関節症は、中高年の人の膝(ひざ)の痛みの原因としてもっとも多いもので、膝の関節の軟骨がすり減ったために、痛みがおこるものである。

 

解答

1:○四肢全体、とくに股関節や膝関節が固くなってしまい、動かすと痛みをともなうようになります。

2:○この検査では関節を動かすときの可能範囲を測定します。

3:○

4:○橈骨が体の遠方の端(手首に近い方)で骨折するので橈骨遠位端骨折(または橈骨末端骨折ともいう)といいます。転んで地面などに手をついた際におこる骨折でお年寄の骨折に多いです

5:○
6:○骨折の疑いがあるので、安楽な姿勢にしたのち医師に連絡し処置について指示をうけたほうがよい。

7:○

8:○

9:○

10:○

11:○寝たきり高齢者は,無気力な状態やうつ的な状態となり,睡眠障害をきたすなど精神活動が低下する傾向があるので注意が必要です。

12:○

13:○尿路感染症を防ぐには、適度な水分摂取を行うことと、尿意を感じたら我慢せずに排尿することとが大切です。

14:○

15:○廃用症候群を一つにまとめるとこんな感じになります。しっかり覚えておけば廃用症候群にかんする問題は大丈夫です。

16:○

17:○

18:○

19:○脊柱管狭窄症は、先天的または後天的に脊柱管が狭くなって、脊髄や神経根が圧迫される病気です。頸椎および腰椎に起こることが多く、腰椎の場合は馬尾神経が圧迫されて症状が出ます。間欠跛行 とは、歩行などで下肢に負荷をかけると、次第に下肢の疼痛・しびれ・冷えを感じ、一時 休息することにより症状が軽減し、再び運動が可能となることです。

20:○

 

8 食事に関連したこころとからだのしくみ

〇ビタミンや栄養に関する問題

問題

1 アミノ酸はたんぱく質の基本的成分であるが,そのうち体内で合成されないものを必須アミノ酸という。

2 ビタミンDは消化管からのカルシウムの吸収を助け,骨の形成を促す作用がある。ビタミンC,アスコルビン酸とも呼ばれ,水に溶け,熱に弱い。欠乏すると壊血病や皮下出血のほか骨形成機能の低下を来しやすい。ビタミンAは不足すると夜盲症や角膜乾燥症などにかかりやすい。

3 ビタミンB1,糖質が体内で燃焼してエネルギーを発生する過程で重要な働きをしている。このため,糖質の摂取量が多いときは,特に不足しないよう注意が必要である。

4 ビタミンA,D,Eは油に溶けやすい脂溶性ビタミンと言われており ビタミン B,Cは水に溶けやすい水溶性ビタミンと言われている

5 ビタミンB1は主として糖質を分解する酵素を助け、エネルギーにかえていく働きがある。ビタミンB1が不足すると疲れやすくなったり、さらには手足のしびれ、むくみ、動悸などといった症状が出てくる

6 獣鳥肉類の中で,豚肉には,特にビタミンB1が多く含まれている。

7 果実類は,糖分,ビタミンCの給源であり,有機酸などに富み,快美な色と香りと味を持っている。

8 きのこ類のうち,しいたけには,ビタミンE効果を持つエルゴステリンが多量に含まれている。

9 五大栄養素とは,たんぱく質,炭水化物(=糖質),脂質,無機質,ビタミンである。

10 栄養素のうち,エネルギー源になるのは,糖質,脂質,無機質である。

11 牛乳,乳製品,骨ごと食べられる魚は,特にカルシウムの給源として重要である。

12 淡色野菜,果物は,主としてカロチンの給源となるものである。

13 糖質性エネルギー源となる食品は,,パン,めん,いもである。

14 貧血の防止は,鉄分の吸収をよくするためにたんぱく質やビタミンCを多く含む食事を十分にとることが必要である。

15 歯の欠損などで咀嚼能力の減退している人は,繊維成分の多い食事の摂取を禁止することが望ましい。

16 高血圧の予防では,調味料だけでなく,加工食品から摂取するナトリウムのコントロールについても注意する必要がある。

17 平成20年6月よりこれまで表示が必要なアレルギー物質は5品目(卵・乳・小麦・そば・落花生)だったが、20年6月よりえび・かにの二品目増え7品目になった。

18 鉄は,血液のヘモグロビンの成分であり,不足すると貧血になる。所要量は成人男子の方が成人女子より多い。

19 豆類のうち,あずきやえんどうは脂肪を多量に含み,大豆,落花生は炭水化物を多量に含む。

20 牛乳のエネルギーは高く,1本当たり(200 ml)約300kcalの熱量をもっている。

21 魚介類のうち,特にいわしやさばの油には,多価不飽和脂肪酸であるイコサペンタエン酸(エイコサペンタエン酸)が多く含まれている。

22 1g当たり、炭水化物は4kcal、脂肪は9kcal蛋白質は4kcalの熱量を供給する

23 糖質はエネルギー源として重要であるが,余分にとりすぎると水に変えられて肥満の原因となる。

24 体たんぱく質は合成される一方で,少しずつ分解され,尿素として尿中に排泄される。

25 たんぱく質は,消化酵素の作用により,アミノ酸に分解され吸収される。

26 脂質は,胆汁酸の働きにより,分解・消化が促進され吸収される。

27 厚生労働省が提唱している「六つの基礎食品」では1群は魚,肉,卵,大豆及びその製品であり主に含む栄養素はたんぱく質である

28 厚生労働省が提唱している「六つの基礎食品」では3群は緑黄色野菜であり主に含む栄養素はカロテン(カロチン)である

29 たんぱく質は,生体組織を構成し,エネルギーの生産や生体機能の調節をしている。脂質は,エネルギーを生産し,生体組織を構成している。無機質は,生体組織を構成し,生体機能の調節をしている。

30 「第六次改定 日本人の栄養所要量」によれば,70歳以上の人のカルシウムと鉄の所要量(1日当たり)は,男女共にカルシウムは600mg,鉄は10mgである。望ましいとされている脂肪所要量は,脂肪エネルギー比率で20〜25%,食塩の摂取量は一日10g未満を目標とする。

31 コレステロールは卵黄、レバーなどの食品に多く含まれ、血中でリポたんぱく質として存在している。

32 植物に多いリノール酸とリノレン酸や、魚油にEPADHAは、血中コレステロール低下作用がある。

33 高血圧症の予防のために食塩の過剰摂取を避け,1l0g以下にすることが望ましい。

34 人間に必要不可欠な栄養素は、糖質、タンパク質、脂質、無機質、ビタミンの五つでありこれを五大栄養素という。

35 エネルギー源になる栄養素は糖質、タンパク、脂質でこれを三大栄養素という。

36 脂質はエネルギー源となるほか、細胞膜などの構成成分や血液の成分となったり、ステロイドホルモンを合成したりする。

37 糖質は、エネルギー源になる。そして中性脂肪に変えられて体内に貯められる。体の構成成分となる。

38 カリウムには血圧を下げる効果があり、ナトリウムには血圧をあげる効果がある。
39 1g当たりのエネルギー発生量が最も多い栄養素は脂質である。

解答

1:○必須アミノ酸とは、タンパク質を形成している20種類のアミノ酸のうち、体内で合成する事ができない9種類のアミノ酸のことを指し、食べ物から摂取する必要があるアミノ酸のことで、どれか1つが欠けても筋肉や血液、骨などの合成ができなくなります

2:○ビタミンDには、カルシウムやリンの吸収を促すなど、丈夫な骨や歯を作るために必要な働きがあります。発育期の子供はもちろん、妊娠・授乳期、更年期の女性は特に、カルシウムと共にしっかりと摂取する必要があります。ビタミンC=アスコルビン酸は覚えておきましょう。これが不足すると壊血病になるというのは有名ですね。これが流行したとき、ビタミンcがたっぷり含まれているジャガイモを食べていた人は壊血病にならずにすんだそうです。ビタミンAが不足して起こる目の病気に夜盲症、角膜軟化症、 角膜乾燥症などがあります 。 夜盲症とは、夜になると、視力が著しく衰えて目がよく見えなくなる病気です。

3:○ビタミンB1の働きは、ご飯やパン、砂糖などの糖質を分解する酵素の活動を助け、エネルギーに変えることです。ビタミンB1が不足すると、糖質のエネルギー代謝が悪くなり、疲れやすくなります。

4:○ビタミンA,D,Eは油に溶けやすい脂溶性ビタミンと言われており ビタミン B,Cは水に溶けやすい水溶性ビタミンと言われています。

5:○ビタミンB1は糖質を分解する酵素を助け、エネルギーにかえていく働きがあります。

6:○豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。

7:○

8:×間違いです。ビタミンE効果を持つではなくビタミンDの効果が正解です。エルゴステリンはきのこに含まれる成分で、光に当たるとビタミンDに変化します。 体内では、カルシウムの吸収を良くする働きがあります。 エルゴステリンを多く含むしいたけを食べる前に日に干しておくと、ビタミンDが増えて体内での効能が高まります。

ビタミン

ストレス社会の現代には特に、なくてはならないビタミンです。ビタミンB1のはたらきは、ごはんやパン、砂糖などの糖質を分解する酵素を助け、エネルギーにかえていくことです。ビタミンB1が不足すると、糖質のエネルギー代謝が悪くなり、疲れやすくなったり、さらには手足のしびれ、むくみ、動悸などといった症状が出てきます。また糖質は身体だけではなく脳や神経のエネルギー源でもあるために、ビタミンB1が不足することで、集中力がなくなったり、イライラが起こったりします。

9:○たんぱく質,炭水化物(=糖質),脂質,無機質,ビタミン・・・・この5大栄養素は必ず暗記してください。

10:×無機質は間違いです。私たちがエネルギー源として摂っている栄養素は 糖質と脂肪と蛋白質です。 これらは 体内に入ると エネルギーを生み出します。 糖質と蛋白質は 1gあたり4kcal 脂肪は 9kcalのエネルギーを生み出します。

11:○

12:×淡色野菜,果物は,主としてビタミンCの給源となるものですから間違いです。緑黄色野菜にカロチンは含まれるますが、代表的な野菜としては「にんじん」があります。

13:○糖質性エネルギー源となるものはタンパク質を多く含む穀物類に多いですね。

14:○貧血だからといって鉄分の多いものばかり食べても意味はありません。鉄分を吸収してくれるたんぱく質やビタミンCを多く含む食事を十分にとることが必要です。

15:×咀嚼(そしゃく)能力が落ちているからといって制限してはいけません。食物繊維にはおなかの調子を整え便秘予防にも作用がありますからね。

16:○高血圧の予防はナトリウムの摂取を控えることです。塩は塩化ナトリウムですから当然注意が必要ですが、加工食品もナトリウムを含む多くの調味料が使われていますから注意が必要です。

17:○食品衛生法改正により「アレルギー物質を含む食品に係る表示」が平成20年に改正されました。問題文のまま覚えてください。

18:×男性のほうが平均的にヘモグロビンの濃度が高いです。でも鉄の所要量(必要量)は女性のほうが高いと言うことになりますから間違いということになります。(平成22年11月15日解説を変更しました。)

19:×あずきやえんどうや大豆はタンパク質や炭水化物が多いですね。落花生は脂肪分が多いです。ですから間違い!

20:×牛乳200mlに含まれるエネルギーは140kcalです。ですから間違い・・

21:○さば、さんま、いわしなどの青い背の魚にはイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸などの多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。この多価不飽和脂肪酸は血中のコレステロールを下げる働きがあります。

22:○この数値は覚えておいてください。脂肪が一番の高カロリーということはわかりますね。炭水化物、タンパク質の2倍以上です。

23:×糖質=炭水化物は余分にとると、水ではなく脂肪に変化します。ですから間違い

24:○人が体たんぱく質合成に利用できる量には限界があり、過剰となったアミノ酸は、主として糖新生をしてエネルギーになります。そしてその時に発生するアンモニアは肝臓で解毒され、尿素として尿中に排泄されるのです。そしてその他一部は脂肪に変換され蓄積されます。

25:○たんぱく質は20種類のアミノ酸が集まってできています。たんぱく質が摂取されると体の中でアミノ酸に分解され、体に吸収されます

26:○別な言い方をすると、脂質は、肝汁の中に含まれる、胆汁酸という物質に因って乳化され分解・消化し体に吸収されます。

27:○6つの基礎食品群とは. 毎日の献立を考えるときに、難しい栄養素のことなど考えなくても、食品の組み合わせだけを注意していれば、栄養素のバランスのとれた食事ができるというものです。まとめると下記のようになります。

 

1群→良質のタンパク質(魚・肉・卵・大豆等)

2群→カルシウム(牛乳、海藻、小魚)

3群→カロチン(緑黄色野菜)

4群→ビタミンc(淡色野菜・果物)

5群→糖質(穀類・芋類・砂糖)

6群→脂肪(油脂類)

28:○上記の資料のように緑黄色野菜であり主に含む栄養素カロテン(カロチン)は3群です。

29:○そのまま覚えましょう。タンパク質はエネルギー源もあり生体組織を構成するものでもあります。ミネラルの働きは、生体組織の構成と、生体機能の調節(pH・浸透圧の調整、筋肉・神経等への刺激など)をします。

30:○正解です。第六次改定 日本人の栄養所要量の大事な部分です。暗記するのは大変だけれど・・試験の間際に集中して覚えましょうか

31:○血液中のリポたんぱく質は全身に脂質が運ばれやすくする働きをします。

32:○魚や植物油は動物性脂肪に比べ体にいいということですね。

33:○塩分の一日量は10g以内です。

34:○

35:○

36:○

37:○

38:○ナトリウムは血圧をあげる効果があります。従ってナトリウムが含まれる塩分や化学調味料を控えることが大切です。
39:〇1g当たりのエネルギー発生量は、「たんぱく質:4kcl」、「糖質:4kcl」、「脂質:9 kcl

 

9 食事に関連したこころとからだのしくみ

〇その他食事に関連する問題

問題

1 食事の動作には先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期がありこれを「摂食・嚥下の5分類」という。

2 「先行期」は食物の形や色、臭いなどを認知する時期のことである。

3 「準備期」は食物を摂りこみ、唾液とともに咀嚼(そしゃく)し食塊を形成する時期である。

4 消化器官は全長約9メートルで口腔、咽頭、食道、胃、肝臓、胆嚢(たんのう)、膵臓(すいぞう)、小腸、大腸、直腸、肛門からなっている。

5 消化とは、取り込んだ食物などを栄養素の状態で吸収することをいい、吸収とはこの栄養素を小腸の粘膜などから取り入れ、血液やリンパ液の中に送り込むことをいう。

6 経管栄養法などの栄養摂取法は、機能障害、狭窄や炎症などで経口からの食物摂取が困難な場合に筆よな栄養や水分の摂取を代償的に行う方法である。

7 経管栄養法には経鼻胃管栄養法、胃瘻(いろう)、腸瘻、気管瘻、食道瘻などがある。

8 胃瘻(いろう)は腹部に小さな穴をあけ、直接胃に栄養を入れる栄養素である。

9 間歇(かんけつ)的口腔食道経管栄養法はチューブを栄養補給時にだけ経口的に挿入し、チューブの先端を食道に留置する方法である。

10 食事の形態を調整したものにはブレンダー食、トロミ食、ゼリー食などがある。

11 治療食とは、食事の課リリーや塩分、脂質、タンパク質、糖類などが医師の処方によって規定、制限されている食事のことである。

12 エネルギーコントロール食とはカロリー制限されている食事のことである。

13 誤嚥(ごえん)とは誤って食べ物や液体が肺に入ることである。

14 誤嚥(ごえん)を防止している部位は喉(こう)頭蓋(とうがい)である。

15 脱水症状の観察のポイントは、口渇、口唇の乾燥、脇の下の乾燥、肌荒れなどである。

16 脱水の種類には高張性脱水、低張性脱水、等張性脱水などがある。

17 低栄養になると血清アルブミンの低下や体重の減少がみられる。

18 摂食・嚥下障害の症状として、流涎(りゅうせん)=よだれが出る、咀嚼(そしゃく)ができない、嚥下開始が困難などのがみられる。

19 慢性腎不全は、腎機能が低下し始めた頃から栄養管理が必要となってくる。
20 糖尿病により神経の障害があると 足趾(指)のしびれや痛みを生じる。

21 胃潰瘍で注意が必要なことは @過食過飲。 A酒の飲みすぎ。 B甘い菓子のとりすぎ。 C刺激性食品のとりすぎなどである。 

22 尿毒症を防止するにはタンパク質の制限が必要となる。

23 痛風の予防にはプリン体を多く含む食品などの制限や、水分を取ること、体重を減らすなどの対策が必要である。

24 狭心症の予防としてタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを不足させないことが大切である。

 

解答

1:○

2:○

3:○

4:○

5:○

6:○

7:○経鼻胃管栄養法は鼻から細い管を胃まで挿入し、流動食や水分を流入する方法です。

8:○胃瘻(いろう)の利点は少量で栄養バランスのとれている高カロリーの栄養がえられ、消化吸収がよく副作用も少ないことがあげられます。

9:○間歇(かんけつ)的口腔食道経管栄養法はOE法ともいいます。

10:○ブレンダー食とは食事をミキサーにかけて均一の形状にした食事のことです。トロミ食にはいくつかの種類がありハチミツ状、ポタージュ状、ネクター状のものなどがあります。

11:○

12:○

13:○誤嚥が繰り返されると誤嚥性肺炎を引き起こし高齢者などは死に至ることがあるので注意が必要です。

14:○食べ物が通る際には喉頭蓋というフタのようなもので気管の入り口が閉じられます。呼吸する際には気管に空気を通すためにこのフタは開いていますが、食べ物が通る際には肺へ落ちないようにフタをします。

15:○

16:○高張性脱水は水分が多く失われる水欠乏性の脱水です。低張性脱水はナトリウムが多く失われる塩類欠乏性の脱水です。
脱水症は、血液の電解質組成によって以下のように分類されます。
低張性脱水

o    ナトリウムが多く失われる電解質欠乏性の脱水をいう。下痢・嘔吐などにより水分の喪失以上に電解質(ナトリウム)の喪失が著しい状態。

o     発汗や下痢嘔吐などの体液喪失に対し水のみを補充し続けることで容易に陥る。 発熱や口渇感を伴ことはすくなく、皮膚・粘膜の乾燥も少ないため、初期には自覚症状が少ないが、進行すると全身倦怠感や眠気がみられ、 手足は冷たく脈拍が弱くなる。

2.   等張性脱水

o    水分とNa欠乏とがほぼ同じ割合で起こっている混合性の脱水をいう。口渇感がある。そのため水分を摂取し、低張性脱水に変化しやすい。

高張性脱水

o    水分が多く失われる水欠乏性の脱水をいう。発汗の亢進、水分摂取の極端な低下などにより、専ら水分が不足した状態である。発熱と著しい口渇感を伴い、口腔などの粘膜が乾燥する。意識は保たれるが不隠・興奮の状態となる。手足は冷たくならず、脈拍もしっかりと触れる。

17:○

18:○

19:○栄養管理のポイントは、カロリーを十分とる、蛋白質の制限、塩分制限、カリウム・リンの制限、適切な水分量をとるなどです。
20:○
21:○

22:○腎臓から排泄される老廃物(尿毒素)が体内にたまると、全身に様々な症状が出てきます。これらを総合したものが尿毒症で、慢性腎臓病、腎不全の終末像です。体を守り、しかも腎臓のはたらきを保持するにはタンパク質を抑え、エネルギーを確保するための工夫が必要となります。

23:○

24:○

 

10 清潔保持関連した事項

問題

1 入浴の三大作用は温熱作用、静水圧作用、浮力作用である。 

2 発汗には、温熱性発汗、精神的発汗、味覚性発汗がある。

3 精神性発汗は緊張したときにでるものである。

4 味覚性発汗とは刺激の強いものを食べた時にでるものである。

5 汗腺にはエクリン線とアポクリン腺の2種類がある。

6 普段「汗をかく」というのはエクリン腺からの汗で体熱を放散したり体温を調節するなどの働きをする。

7 アポクリン腺の役割は、体温の調節ではなく体臭の原因となる汗を生産することである。

8 疥癬はヒゼンダニによっておこる感染症である。
9 帯状疱疹は帯状疱疹ウイルスによって起こる病気である。
10 膿痂疹(のうほうしん)のほとんどが黄色ブ菌が原因である。
11 白癬(水虫)は水虫を白癬菌(はくせんきん)というかび(真菌の一種)が原因となっている。

12 老人性掻痒症は皮膚の乾燥によりかゆみがでる病気である。
13 入浴は血行をよくするので褥瘡予防となる。
14 入浴での浄水圧は血液やリンパの流れを良くして循環器系の働きを活発する。

15 仙骨部の皮膚が赤くなるのは褥瘡の前触れである。

16 汗腺は皮膚の 深い部分、脂肪組織からなる皮下組織に位置する。

17 エクリン腺から出る汗の成分は99%以上が水分なのでサラッとしていて、ほとんどにおいがしない。

18 アポクリン腺からの汗は、栄養たっぷりな上、塩分をほとんど含まないので、皮膚の常駐菌が繁殖しやすく、その発酵臭が独特の匂いやワキガ臭となる。

19 褥瘡は仙尾骨・踵骨部などに好発する。この他に肘や踵(かかと)、肩甲骨周辺などにも褥瘡(じょくそう)ができるので、注意して観察する。

20 褥瘡の発生が疑われるような発赤があるときは,その部位のマッサージは禁止する。

21 褥瘡を予防するためには,除圧,清潔,栄養(高カロリー食)、体位変換などが大切である。体位変換は約2時間おきを目安とすると有効である。

22 胃瘻カテーテルを保護する必要はなく、そのまま入浴・シャワーをしてかまわない。

23 食事の前後は、30分以上あけての入浴が望ましい。
24 皮膚乾燥は水分補給で予防することができる。

25 皮膚乾燥による「かゆみ」の好発部は頭部、膝、肘、腰まわり.などこすれる部分に多い。

解答

1:○温熱作用とは身体を温める作用のことで血行がよくなり体の老廃物や疲労物質などが排泄されやすくなります。静水圧作用とは下半身に水の重さがかかる作用のことで血液循環がよくなり、むくみの除去や心臓の働きを活発にします。浮力作用とは身体が軽くなる作用のことで腰や膝などへの負担が軽減され動きやすくなります。

2:○温熱性発汗は運動したり気温が上昇するときにでるものである。

3:○

4:○

5:○

6:○

7:○アポクリン腺は腋窩部(えきかぶ)、乳房、陰部などに分布しています。

8:○

9:○

10:○

11:○この菌は湿度70%以上、温度15℃以上になると活発に増殖を開始します。

12:○

13:○
14:○長時間、立ち仕事や座り仕事を続けていると、足が疲れてだるくなり、特にひざから下がむくむことがありますが、これは下半身に血液が下がって、流れが悪くなっているためです。このときは入浴時の静水圧が有効です。静水圧とは、水中の全方向から等しく水の重さがかかる圧力のことで、皮下の血管にも働く静水圧により、血液やリンパの流れを良くして循環器系の働きを活発にします。

15:○この皮膚部分をこすると皮膚を痛め悪化するので洗い流すだけにしたほうがいいです。

16:○

17:○

18:○

19:○

20:○褥瘡のない健常部分をマッサージすることには全く問題ありませんが褥瘡のできている部分はマッサージにより再生中の皮膚がダメージを受けますのでマッサージは控えましょう。

21:○

22:○

23:○

24:〇

25:〇

 

11 排泄に関する問題

問題
1 腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として排泄する働きをする。この老廃物が体に蓄積すると尿毒症をおこすので、その原因となるタンパク質を制限しなければならない。

2 尿が漏れることを「尿失禁」、尿が出しにくいことを「排尿困難」という。

3 夜の排尿回数が2回以上の状態を「夜間頻尿」という。

4 腹圧性尿失禁とは、急に腹圧が高くなった時に尿が漏れてしまう状態をいう。

5 腹圧性尿失禁は、「骨盤底筋」のゆるみにより生じるので骨盤底筋のトレーニングにより改善が有効である。

6 切迫性尿失禁とは、抑えられない強い尿意が急に起こり、コントロールできずに尿が漏れてしまう状態である。

7 切迫性尿失禁の治療は膀胱の収縮を抑える薬物療法が有効である。

8 溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)は、尿道が開きにくいか、膀胱の筋肉の収縮力低下が原因で少量の尿が漏れ出てしまう状態である。

9 人工膀胱(じんこうぼうこう)とは、負傷や膀胱癌の治療のために膀胱を摘出した際に、膀胱に代わって作られる代用膀胱のことである。

10 人口膀胱には回腸導管と蓄尿型人工膀胱、自排尿型人工膀胱の3種類、或いは尿管をそのまま腹部皮膚に開口する尿管皮膚瘻を含めて4種類が存在する。

11 人工肛門(ストーマ)とは、腸管の一部をお腹の壁を通して外(皮膚)に出して、肛門に代わって便の出口としたものである。

12 鎮痛剤、抗うつ剤なども便秘の原因となります。

13 機能性便秘には弛緩性便秘。痙攣性便秘、直腸性便秘などがある。

14 弛緩性便秘とは、主に腹筋力の低下により、全体的に便を送り出す力が弱まり、腸の動きが悪くなることが原因の便秘である。
15 弛緩性(しかんせい)便秘(べんぴ)の原因は大腸の蠕動(ぜんどう)運動の低下にある。

16 痙攣性便秘は、日頃のストレスや睡眠不足等により、腸が過敏に反応し、痙攣した状態になって便の通りが悪くなることで起こる便秘である。

17 直腸性便秘は、便意があるのに排便を我慢することを繰り返すうちに、直腸が鈍感になり便が肛門の近くまで来ているのに出せない便秘のことである。

18 下痢には急性下痢と慢性下痢がある。

19 便失禁はがまんできずに出てしまったり、知らずに漏れてしまう状態をいう。

20 腹圧性便失禁は腹圧が急激にかかった時にもれるタイプのものである。

21 切迫性便失禁は急に便意を感じたとき、我慢できずに漏れるタイプのものである。

22 溢流性便失禁は便がたくさんつまっているために溢れ出てくるタイプの失禁である。

23 寝たきりになると、腸管の嫡動運動が低下し便秘になりやすい。

24 麻薬性鎮痛剤の副作用の一つに便秘がある。

25 急に強い尿意を感じて我慢できなくなる排尿障害を「過活動膀胱」という。

26 機能性尿失禁は膀胱や尿道などの排尿器官、排泄をコントロールする脳・神経系統には問題がないが、心身の障害によって、トイレでの排泄動作ができないためにモレてしまうものである。

27 心因性頻尿とは、心理的緊張により尿意を催し、そのことに強くこだわってしまう病態である。
28 多尿の原因として糖尿病があり、血中ブドウ糖が増加し尿に漏れ出し、尿の浸透圧が上昇することで尿量が増える。

29 膀胱炎では排尿時痛を伴うことがおおい。

 

解答

1:○身体で作られた老廃物をろ過して、尿として. 身体に不要となった老廃物を尿として排泄し、血液をきれいな状態に保つのが腎臓のはたらきです。これらの働きができなくなると老廃物がたまり危険な状態となります。

2:○

3:○

4:○女性に多く、とくに中高年の女性に頻度の高い病気です。

5:○
6:○突然強い尿意を覚えることはあっても普通はこれを抑えることができますが、切迫性尿失禁の人はトイレまで我慢できず尿が漏れてしまいます。

7:○抗コリン剤や平滑筋弛緩剤などの薬物が使用されます。

8:○尿の流れが妨げられたり膀胱の筋肉が収縮できなくなったりすると、膀胱はいっぱいになって拡張します。そのため膀胱内の圧力が高まり、少量の尿が外に出てしまいます。

9:○

10:○

11:○

12:○

13:○機能性便秘とは大腸の運動機能や反射の異常による便秘です。

14:○高齢者や妊娠経験者に多くあらわれる症状ですが、もっとも多い便秘のタイプです。

15:○弛緩性便秘は「腸が動かない」タイプの便秘です。蠕動(ぜんどう)運動とは、腸が伸縮を繰り返し、便を肛門へと運ぶ動きのことです。 一般的な便秘の原因は、 この蠕動運動が弱くなっていることにあるといっても過言ではありません。

16:○便意があってもなかなか出すことができず、でても少量のコロコロとした硬い便という症状が特徴です。

17:○

18:○急性の下痢は一時的なもので原因がはっきりしており、腸内の刺激物が排除されればおさまります。慢性の下痢はだらだらと下痢が続き再発を繰り返すものです。

19:○

20:○加齢で肛門括約筋が衰えていたり、事故や出産などによって損傷したりするためにおこり女性に多く見られます。

21:○下痢を伴っていることが多い失禁です。

22:○ 便秘を伴っていることが多いです。

23:○

24:○

25:○膀胱には、腎臓で集められた水分と体内の老廃物を尿として保持する機能があり、膀胱が一定の大きさに達すると、尿意を脳に伝えて排尿を行うはたらきがあります。過活動膀胱では、尿をためる機能の障害のために、膀胱が大きさに関係なく尿意を発生しやすくなり、頻尿が起こります。

26:○

27:○
28:○

29:○膀胱炎の症状は、排尿時の痛み、その他、尿の濁り、 血尿、18回以上の頻尿などがあります。

 

12 睡眠に関連する問題

問題

1 概日リズム(がいじつりずむ)とは約24時間周期で変動する生理現象で、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在している。

2 必要な睡眠の量を「睡眠負荷」という。
3 人の体内時計の中心は、脳の「視交叉(さ)上核」という部位にある。
4 睡眠は長さよりも深さが重要となる。

5 眠りに落ちると、まずレム睡眠が始まり、しばらくすると深いノンレム睡眠のステージに入る。
6 ノンレム睡眠はぐっすりと熟睡した状態の眠りである。
7 レム睡眠とは、身体は休息状態なのに、脳は覚醒に近い状態で活動している睡眠のことをいう。

8 レム睡眠にはおよそ90分ごとに出現する周期がある。
9 レム睡眠とノンレム睡眠の周期は90分から110分と言われている。

10 睡眠比率は年齢が高くなるにしたがい低下していく。

11 不眠のためにおきる障害に「レストレスレッグス症候群」があるが、夕方以降に下肢を中心とした「むずむず」「痛がゆい」という異常感覚のために下肢をうごかしたいという強い衝動がおきることをいう。

12 不眠のためにおきる障害に「周期性四肢運動障害」があるが、これはよるになると下肢や上肢がピクピクと周期的に勝手に動くために睡眠が浅くなる障害のことである。

13 睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)とは、睡眠時に呼吸停止または低呼吸になる病気である。
14 肥満は、睡眠時無呼吸症候群の原因の1つである。

15 過眠(かみん)とは日中に目覚め続けていられないほどの強い眠気が出現することである。

16 高齢者に過眠(かみん)の多くは「レストレスレッグス症候群」、「周期性四肢運動障害」、「睡眠時無呼吸症候群」によるものである。

17 「レム睡眠行動障害」とは、夢の中の行動が実際の寝言や睡眠中の異常行動として現れてしまう病気である。

18 昼夜逆転生活(ちゅうやぎゃくてんせいかつ)とは、主に深夜帯を活動の中心とし、朝から昼にかけて睡眠時間を当てている生活のことである。

19 コーヒーやお茶などカフェインの含まれる飲み物は不眠の原因となることがある。

20 高齢者は睡眠が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増加する。
21 レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、夜になると出現する下肢を中心とした異常感覚により不眠、過眠を引き起こす病気である。
22 周期性四肢運動障害は、睡眠中に手や脚の筋肉に瞬間的にけいれんが起こり、眠りが中断されるという睡眠障害である。

23 体内時計は外部の光に反応して機能する性質をもち、目から受ける光の刺激が一番最初に伝わる脳の視交叉上核という場所 に、体内時計を司る神経回路がある。

24 入眠障害とは、夜間中々入眠出来ず寝つくのに普段より2時間以上かかるものである。

25 中途覚醒とは、一旦寝ついても夜中に目が醒め易く2回以上目が醒めるものである。

26 熟眠障害とは、朝起きたときにぐっすり眠った感じの得られないものである。

27 早朝覚醒とは、朝普段よりも2時間以上早く目が醒めてしまうものである。

28 時差症候群とは、体内時計と昼夜のリズムがかみ合わないために起こる睡眠障害のことである。

 

 解答

1:○昼間の時間帯に眠らざるを得ない人々が増え、約1日周期の身体リズムが変調し、体内時計がずれて睡眠障害をおこしている人が増えていますね。

2:○
3:○
4:○
5:○レム睡眠とノンレム睡眠はセットで発生し、平均的には約90分サイクルで繰り返すといわれています。

6:○

7:○

8:○
9:○

10:○布団に入っていた時間のうち実際に眠っていた割合を睡眠効率といいますが80代になると70〜80%まで低下します。

11:○下肢を動かすことで異常感覚が消えます。

12:○このために不眠や日中の眠気が出現してきます。

13:○夜間に繰り返し起こる無呼吸により、血液中の酸素が低下したり、頻繁に中途覚醒が発生し身体に悪影響をおよぼすとともに睡眠を妨げ日中の眠気を増加させます。

14:○このほかに酒、タバコ、高血圧、糖尿病、高脂血症なども原因となります。

15:○

16:○

17:○簡単にいうと、夢で見ていることを行動に移してしまう…ということになります。

18:○昼夜逆転生活では強い光を浴びないために体内時計の時刻あわせが困難になります。

19:○眠くなったらコーヒーやお茶を呑んで眠気をさますことができるのは、カフェインのおかげですね。でも、眠気が覚めると不眠の原因にもなってしまいます。

20:○
21:○
22:○

23:○体内時計を司る神経回路は、日の出の太陽と同じくらいの2,500ルクス以上の光に反応するようにできています。この働きによって、人の体は朝陽の光を浴びることで体内時計をリセットするといわれています。

24:○

25:○

26:○

27:○

28:○最も多いのは睡眠障害、つまり、寝つきが悪い、寝ついても途中で起きてしまう、眠った気がしない、あるいは日中に眠くてしかたがない、といった症状です。疲労感や食欲低下、ぼんやりする、頭が重いといった症状が出ることもあります。

 

13 死にゆく人のこころとからだのしくみ

問題
1 脳死とは、脳の機能がほぼ完全に失われ回復不可能な状態のことである。

2 「臓器の移植に関する法律」が1997年に施行され、この中で脳死の判定基準が満たされ、臓器提供の意志が確認できれば脳死を人の死と認めることが可能となった。

3 尊厳死とは、人間が人間としての尊厳を保って死に臨むことである。

4 終末期とは、治療しても治る見込みがなく死が避けられない状態のことである。

5 終末期にある人は、身体機能が低下していても感性が研ぎ澄まされ敏感なので常に安心感を与えていくようにかかわっていくことが大切である。

6 ターミナルケアでは家族に対する援助も必要であり、家族の不安や悲嘆に寄り添いながら、痛みを共感し信頼関係を築いていくことが重要である。

7 「死亡」とは医師が臨終の診断をした時点のことをいう。

8 死亡にさいし、医師が立ち会っていなくても死亡24時間以内に医師が診察していれば死亡診断書を発行できる。

9 キュブラー・ロスの終末期患者の5段階のモデルの第1段階は「否認」である。

10 キュブラー・ロスの終末期患者の5段階のモデルの第2段階は「怒り」である。

11 キュブラー・ロスの終末期患者の5段階のモデルの第3段階は「取引」である。

12 キュブラー・ロスの終末期患者の5段階のモデルの第4段階は「抑うつ」である。

13 キュブラー・ロスの終末期患者の5段階のモデルの第5段は「受容」である。

14 キュブラー・ロスの「受容」までの5段階は一方向ではなく、必ずしもこの順番の経過をたどるものではない。

15 グリーフケアとは別名「悲嘆ケア」と訳されているもので、大切な人を亡くし大きな悲嘆に襲われている家族などにたいしてのねぎらうなどのサポートのことである。

16 脂肪直前の身体の変化は一般的には尿が出にくくなり、手足がむくんでくる。むくみは、やがて全身におよび、そして呼吸はだんだん浅くなり、下顎呼吸となる。
17 かかりつけ医とは、病気になったとき、真っ先に相談できる地域の医師のことである。
18 事前指示書とは、意識疎通が困難になったときのために、希望する医療ケアを記載した書類のことである。

19 臨終期の身体の特徴として浮腫がみられる。

20 臨終期の身体の特徴として喉からゴロゴロする音が聞かれる。

21 臨終期の身体の特徴として呼吸のリズムが不規則になる。

 

解答

1:○

2:○この法律により、本人の拒否がないかぎり家族の同意があれば15歳未満のこどもかrなお臓器移植も可能となりました。

3:○尊厳死と安楽死は混同しがちですが、安楽死は第三者が苦痛を訴えている患者に同情して、その患者を「死なせる行為」です。それに対して尊厳死は不治かつ末期の患者本人の「死に方」のことで、「死なせる」こととは違います。

4:○終末期は一般的に6ヶ月といわれていますが、実際には数ヶ月や数週間のこともあります。

5:○

6:○

7:○医師が死亡診断をするまでは、死亡していると認められないので医師への連絡が必要となります。

8:○最後の診察後24時間以上を経過している場合は改めて診察を行い生前に診察していた傷病が死因であると判定した上で死亡診断書を発行することになります。
9:○そんな病気のはずはないと否定し、やがて自分だけがなぜそうなるのかと孤独になることです。

10:○何で私がこうなるんだ!と怒りをぶつけ問いかけます。

11:○具体的には、なんでもするから助けてほしいと神や医師に頼むような気持ちを表します。

12:○絶望感から落ち込みます。

13:○自分の状態を受け入れることです。

14:○

15:○
16:○
17:○
日頃の診察で病状や治療法についての詳しい説明を受ける他に、健康相談をしたり、各種保健・医療・福祉のサービスの提供や、必要に応じて適切な専門医や病院・医院の紹介をしてくれます。
18:○事前指示書とは、終末期に受けたい医療、受けたくない医療、そして、最後は延命か尊厳死かの意思決定を明確にして、事前指示書にないことに対応する為の代理人を選任した書面のことです。
19:○

20:○咳払いができないほど衰弱し咽頭や気道の内部に唾液などの液体が溜まってくると、ゴロゴロといった音(喘鳴)が聞かれるようになります。

21:○呼吸が不規則になり、非常に浅い呼吸、短時間の呼吸停止、深く速い呼吸が混在してみられます。

 

第34回筆記試験

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

問題 97 Kさん (83 ,女性,、要介護1),3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)と診断された。 一人暮らしで訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。 金銭管理は困難であり, 長男が行っている。最近,認知症(dementia) の症状がさらに進み, 訪問介護員(ホームヘルパー)Kさんの自宅を訪問すると, 「通帳を長男の嫁が持っていってしまった」と繰り返し訴えるようになった。考えられるKさんの症状として, 適切なものを1つ選びなさい。

1 もの盗られ妄想

2 心気妄想

3 貧困妄想

4 罪業(ざいごう)妄想

5 嫉妬妄想

解答

1

2×身体の健康状態に対しての不安感を抱いてしまうこと→心気妄想

3×金銭面で心配をしてしまうこと→貧困妄想

4×自分が行ったことが罪であったのではないかと自分を追い詰めてしまうこと→罪業妄想

5×異様なほどの嫉妬感情に支配されてしまうこと→嫉妬妄想

 

問題 98 Lさん(87 ,男性,要介護1),冷房が嫌いで, 部屋にエアコンはない。ある夏の日の午後, 訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると, 厚手の布団を掛けて眠っていた。 布団を取ると大量の発汗があり, 体温を測定すると38.5℃であった。朝から水分しか摂取していないという。前から不眠があり, この5日間便秘が続いていたが,食欲はあったとのことである。次のうち,体温が上昇した原因として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 布団

2 発汗

3 空腹

4 不眠

5 便秘

解答

1〇厚手の布団をかけることにより、体温を上昇させたり、汗をかきすぎて脱水することがある

2×

3×

4×

5×

 

問題 99 老化に伴う視覚機能の変化に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 水晶体が茶色になる。

2 遠くのものが見えやすくなる。

3 明暗に順応する時間が長くなる。

4 ピントの調節が速くなる。

5 涙の量が増える。

解答

1×加齢による視覚障害は水晶体が黄色く変色することによっておこる

2×遠くのもがかすんで見えにくくなる

3

4×ピント調整は遅くなる

5×涙の量は減る

 

問題 100 言葉の発音が不明瞭になる原因として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 唾液の分泌が増加すること

2 舌運動が活発化すること

3 口角が上がること

4 調整された義歯を使用すること

5 口唇が閉じにくくなること

解答

1×唾液の分泌が減ることで発音が不明瞭となる

2×舌運動は低下することで発音が不明瞭となる

3×口角とは上唇と下唇が接合する部分です。 よく「口角を上げる」といわれるが、これは唇の両端がキュッと上がった状態を指す。口角筋肉の低下で口角が下がることで発音が不明瞭となる

4×調整されていない義歯で不明瞭となる

5

 

問題 101 骨に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 骨にはたんぱく質が含まれている。

2 骨のカルシウム (Ca) は老化に伴い増える。

3 骨は負荷がかかるほうが弱くなる。

4 骨は骨芽細胞によって壊される。

5 骨のカルシウム (Ca) はビタミンA (vitamin A) によって吸収が促進される。

解答

1〇骨の主成分は、リン酸カルシウムとタンパク質

2×老化に伴い減る

3×負荷がかかるほうが強くなる

4×骨を作る過程で骨芽細胞が成長していき、骨化が進むと骨細胞になる

5×ビタミンDは骨の材料となるカルシウムの吸収を助けます

 

問題 102 介護者が効率的かつ安全に介護を行うためのボディメカニクスの原則に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。

1 支持基底面を広くする。

2 利用者の重心を遠ざける。

3 腰がねじれた姿勢をとる。

4 重心を高くする。

5 移動時の摩擦面を大きくする。

解答

1

2×

3×

4×

5×

参考 ボディメカニクスの基本原理

@ 支持基底面積を広くとるほど身体は安定する

支持基底面積を広くとるために、介護職は両足を左右、前後広めに開きます。

A 利用者と介護職双方の重心を近づける

利用者・介護職それぞれの重心が近いほど移動がしやすくなります。また身体を密着させると余分な力がいりません。

B 大きな筋群を使い、水平移動を使う

身体全体の筋肉に力を配分し、腕だけなど一つの筋群だけに緊張を集中させないようにします。

C 利用者の身体を小さくまとめる

利用者の腕や足を組み、身体がベッドなどに摩擦する面積を少なくすることで力の分散を防ぐことができます。

D 利用者を手前に引く

押すより引くほうが力を分散させず、少しの力ですみます。

E 介護職の重心移動で利用者を動かす

背筋を伸ばし、膝の屈伸を使うと腰を痛めません。足先を重心移動する方向に向け、膝の屈伸で重心を移すと骨盤が安定し、スムーズで安定した移動になります。

F 身体をねじらず、肩と腰を水平に保つ

不自然に脊柱を曲げたりねじると姿勢が不安定となり、力が出せないと同時に腰痛の原因にもなります。

 

問題 103 次のうち, 三大栄養素に該当する成分として, 正しいものを1つ選びなさい。

1 水分

2 炭水化物

3 ビタミン(vitamin)

4 ナトリウム(Na)

5 カルシウム(Ca)

解答

1×

2〇「炭水化物(糖質)」「脂質」「たんぱく質」の3つを、三大栄養素。この三大栄養素に、微量栄養素とも呼ばれるビタミンとミネラルを加えたものが五大栄養素

3×

4×

5×

 

問題 104 コントロール不良の糖尿病(diabetes mellitus)で高血糖時にみられる症状として、適切なものを1つ選びなさい。

1 振戦

2 発汗

3 口渇

4 乏尿

どうき

5 動修

解答

1×

2×

3〇下記参照

4×

5×

参考 高血糖の症状は?

○空腹(食べても食べても満足できない)

○食べてもやせる

○疲れがとれない インスリンは血糖値を下げるだけでなく、体がエネルギーとしてブドウ糖を使うためにも必要なホルモンです。 ...

○喉のかわき

○多尿・ひん尿 血液の中のブドウ糖が多くなり、血液が濃くなります。 ...

○感染症 ...

○高血糖昏睡

 

問題 105 Mさん (85 , 男性), 通所介護(デイサービス) での入浴を楽しみにしていて,いつも時間をかけて湯につかっている。 ある時,介護福祉職が, 「そろそろあがりましょうか」と声をかけると, 浴槽から急に立ち上がりふらついてしまった。Mさんがふらついた原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 体温の上昇

2 呼吸数の増加

3 心拍数の増加

4 動脈血酸素飽和度の低下

5 血圧の低下

解答

1×

2×

3×

4×

5〇ふらついた原因は「起立性低血圧」。起立性低血圧とは、急に立ち上がったときや体を動かしたときに急激に血圧が下がる状態のこと。 起立性低血圧は自律神経による血圧の調節がうまくいかず、下半身にたまった血液が心臓に戻りにくくなることで起こる。

 

問題 106次のうち, プリストル便性状スケールの普通便に該当するものとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 水様便

2 硬い便

3 泥状便

4 コロコロ便

5 やや軟らかい便

解答

1×

2×

3×

4×

5〇一般的にプリストル便性状スケールのスコアが1から2は便秘の便、3から5が正常の便、6から7が下痢の便と区分される。やや柔らかい便は正常の便

 

問題 107 Aさん (65 , 女性) ,最近,熟睡できないと訴えている。 Aさんの日常生活は、毎日6時に起床し, 午前中は家事を行い,14時から20分の昼寝をし、16時から30分の散歩をしている。食事は朝食7, 昼食12, 夕食 18時にとり,朝食のときはコーヒーを1杯飲む。 21時に好きな音楽を開きながら, 夜食を満腹になる程度に食べ, 2130分に就寝している。Aさんの訴えに対して, 日常生活で改善する必要があるものとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 朝食のコーヒー

2 昼寝

3 散歩

4 音楽を聞くこと

5 就寝前の夜食

解答

1×

2×

3×

4×

5〇就寝前の食事は、睡眠のためにも、体調のためにもよくない。

 

問題 108 Bさん (76 , 女性), 病気はなく散歩が日課である。肺がん(lung cancer)の夫を長年介護し, 数か月前に自宅で看取った。 その体験から,死期の迫った段階では延命を目的とした治療は受けずに, 自然な最期を迎えたいと願っている。Bさんが希望する死を表す用語として, 最も適切なものを1つ選びなさい。

1 脳死

2 突然死

3 尊厳死

4 積極的安楽死

5 心臓死

解答

1×

2×

3〇尊厳死とは、自然死、あるいは平穏死とほぼ同義語。人生の最終段階において過剰な延命治療をしない、もしくは中止して、自然な経過に任せた先にある死のことを指す。重要なポイントは、早期から十分な緩和ケアを提供するという点で、“何もしないこと=尊厳死”ではない。

4×

5×

 

第33回筆記試験

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

問題97

心的外傷後ストレス障害(postraumatic stress disorder:PTDS)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 原因となった体験が繰り返し思い起こされる

2 1か月以内で症状は治まる。

3 小さな出来事が原因となる。

4 被害妄想を生じる。

5 気分が高ぶる。

解答

1〇PTDSは強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。

2×

3×

4×

5×

 

問題98

健康な人の体温に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者の体温は小児より高い。

2 早朝の体温が最も高い。

3 腋窩温は口腔温より高い。

4 体温調整中枢は視床下部にある。

5 環境の影響を受けない。

解答

1×低い

2×低い

3×低い

4〇

5×環境の変化を受ける

 

問題99

義歯を使用した時の影響として、適切なものを1つ選びなさい。

1 唾液分泌量が増加する。

2 話す言葉が明瞭になる。

3 舌の動きが悪くなる。

4 口のまわりのしわが増える。

5 味覚が低下する。

解答

1×

2〇義歯を使用しなかった時と比べれば義歯により言葉が明瞭になる。

3×

4×

5×

 

問題100

1週間の安静臥床で筋力は何%程度低下するか, 次のうちから最も適切なものを1つ選びなさい。

1%

5%

15%

30%

50%

解答

1×

2×

3〇人間は1週間寝たきり状態になると15%の筋力が低下し、35週間で50%もの筋力が落ちるといわれています。

4×

5×

 

問題101

栄養素の働きに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 たんぱく質は、最大のエネルギー源となる。

2 ビタミンD(vitamin D) , 糖質をエネルギーに変える。

3 カリウム(K),骨の形成に関わる。

4 ビタミンB1 (vitamin B1),カルシウム(Ca)の吸収に関わる。

5 ナトリウム(Na),血圧の調節に関わる。

解答

1×たんぱく質       4kcal/g 脂質     9kcal/g  

2×ビタミンDは、身体が食料品やサプリメントからカルシウム(骨の主要成分のひとつ)を吸収するのを助けることによって、強い骨を作ります

3×カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。

4×ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な栄養素です。

5〇

 

問題102

Fさん(80 ,女性), 普段の食事は自立している。 日常生活では眼鏡がないと不自由である。ある日, いつもより食事に時間がかかっていた。介護福祉職が確認したところ, Fさんは,「眼鏡が壊れて使えなくなってしまった」と答えた。

食事をとるプロセスで,Fさんが最も影響を受ける段階として,正しいものを1つ選びなさい。

1 先行期

2 準備期

3 口腔期

4 咽頭期

5 食道期

解答

1〇食べ物を食べる時、先行期では、食物を見て、硬さ・味・温度・におい・口へ運ぶ量や速さ・噛む力などを認識する。しかし、Fさんは眼鏡が壊れたと訴えているので、先行期で影響を受けることになります。

2×

3×

4×

5×

参考 食べ物を食べるまで、食べてからのプロセス(摂食嚥下)

@先行期(認知期)

先行期では、食物を見て、硬さ・味・温度・におい・口へ運ぶ量や速さ・噛む力などを認識する。

A準備期(咀嚼期)

準備期では、食物を口に取り込み(捕食)、唾液とよく混和しながら咀嚼をしたり、舌と口蓋で食物を押しつぶしたりする。

B口腔期

口腔期では、咀嚼により口腔内にばらけた食物を舌でまとめて食塊形成したり、咽頭に送り込む動きがみられる。舌の動きが大きく影響。

C咽頭期

咽頭期では物を飲み込む時の「ごっくん」という反射が起こる。意識的な反射惹起も可能だが、トリガーに食物が達すると自然に嚥下反射が起こる。  反射が起こる時は一時的に呼吸が停止し、鼻咽腔が閉鎖し食物が鼻に抜けないようになっており、咽頭収縮や舌骨・喉頭の挙上が起こり食道入口部が開大する。

D食道期

食道期では、食物を食道の蠕動運動によって胃へと送る。自分でコントロールすることはできない

 

問題103

入浴(中温浴、3841℃)の効果に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 脳が興奮する。

2 筋肉が収縮する。

3 血圧が上昇する。

4 腎臓の働きを促進する。

5 腸の動きを抑制する。

解答

1×

2×

3×

4〇中温浴の効果

●腎臓の働き、促進

●副交感神経優位

●心臓の動き、抑制

●血圧、低下

●膀胱の働き、排尿促進

●腸の動き、活発

●筋肉、弛緩

●脳、沈静、リラックス

5×

 

問題104

Gさん(83歳、女性)は、認知機能は正常で日常生活は杖歩行で自立して外出もしていた。最近、外出が減ったため理由を尋ねたところ、咳やくしゃみで尿が漏れることが多いため外出を控えていると言った

Gさんの尿失禁として、適切なものを1つ選びなさい。

1 機能性尿失禁

2 腹圧性尿失禁

3 溢流尿失禁

4 反射性尿失禁

5 切迫性尿失禁

解答

1×

2〇

3×

4×

5×

 

問題105

次のうち、便秘の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease

2 経管栄養

3 消化管切除

4 感性性腸炎(infectious enterritis

5 長期臥床

解答

1×

2×

3×

4×

5〇長期臥床により消化管の運動機能の低下がおきて腸内容物が停滞し腸管全体の動きが悪くなることで機能性便秘がおきやすくなります。

 

問題106

高齢者の睡眠の特徴に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 熟睡感が増加する。

2 深睡眠が増加する。

3 夜間の睡眠時間が増加する。

4 睡眠周期が不規則になる。

5 入眠までの時間が短縮する。

解答

1×熟睡感→減

2×深睡眠→減

3×昼間の睡眠時間が増加する。

4〇体内時計はおよそ25時間で決まっており、朝起きて、夜眠るというサイクルが体に刷り込まれています。しかし、高齢期になるとこのサイクルが乱れやすくなります。

5×入眠までの時間が長くなる

 

問題107

睡眠に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 レム睡眠のときに夢を見る。

2 レム睡眠から入眠が始まる。

3 ノンレム睡眠では筋緊張が消失する。

4 ノンレム睡眠では速い眼球運動がみられる。

5 高齢者ではレム睡眠の時間が増加する。

解答

1〇「夢」は浅い眠りに入ったレム睡眠中に見ると言われています。したがって、朝起きて覚えている夢は、明け方、眠りが浅くなった時に見た夢が多いです。

2×

3×

4×

5×

 

問題108

死斑が出現し始める時間として、正しいものを1つ選びなさい。

1 死後5分以内

2 死後2030

3 死後3時間

4 死後812時間

5 死後48時間

解答

1×

2〇

3×死亡後2030分で点状の斑点が出現し、死亡後23時間で斑点が融合。 死後10時間くらいまでは死斑は固定しないが、20時間以上経過すると固定。

4×

5×

 

第32回筆記試験
【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

問題 97 (過去に類似問題あり)

マズロー(Maslow. A.)の欲求階層説の所属・愛情欲求に相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 生命を脅かされないこと

2 他者からの賞賛

3 自分の遺伝子の継続

4 好意がある他者との良好な関係

5 自分自身の向上

解答

1×

2×

3×

4〇下記参考を参照

5×

参考:マズロー(Maslow. A.)の欲求階層説

第一段階 : 生理的欲求

生きていくための基本的・本能的な欲求のことです。

「食べる」、「寝る」など、生きていく上で欠かせない事が、この「生理的欲求」になります。

第二段階 : 安全・安定の欲求

自身の安全(良い健康状態の維持や、事故防止など)と、生活や経済的な安定(住む場所があることや、暮らしていくのに十分なお金を稼げている等)への欲求になります。

第三段階 : 所属と愛の欲求(社会的欲求)

「集団に属したい」、「仲間が欲しい」といった欲求になります。

この欲求が満たされない時、人は「孤独感」や「社会的不安」を感じるようになります。

第四段階 : 承認・尊厳欲求

「自分が、その集団から ”価値ある存在” と認められ、尊敬されたい」と求めるようになる。これが、「承認・尊厳欲求」になります。

第五段階 : 自己実現の欲求

第三・四段階では、他社との関係性に対しての欲求でしたが、最後は「自分自身」に戻ってきます。

 

問題 98 (新出問題)

皮膚の痛みの感覚を受け取る大脳の機能局在の部位として,正しいものを1つ選びなさい。

1 頭頂葉

2 前頭葉

3 側頭葉

4 後頭葉

5 大脳辺縁系

解答

1〇痛みの情報は、視床の外側にある大脳辺縁系と呼ばれるエリアや、人の思考や意思決定に関わる前頭前野に届けられます。(注意:大脳辺縁系は不安や恐怖など情動的な痛みの情報を受け持ちます。)

2×

3×

4×

5×大脳辺縁系は不安や恐怖など情動的な痛みの情報を受け持ちます。

 

問題 99 (新出問題)

爪や指の変化と、そこから推測される疾患・病態との組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 爪の白濁  ―  チアノーゼ(cyanosis)

2 巻き爪   ―  心疾患

3 さじ状爪  ―  鉄欠乏性貧血(iron deficiency anemia)

4 ばち状指  ―  栄養障害

5 青紫色の爪 ―  爪白癖(つめはくせん)

解答

1×白っぽい爪 一般論で言うと「貧血」の症状が考えられます。また、腎臓病の場合にも見られることがあります。

2×心疾患は関係ありません。原因としては深爪、合わない靴、爪水虫、神経麻痺などがあります。

3〇遺伝的なものから鉄分不足、外的刺激などが考えられます

4×ばち状指は、呼吸器疾患患者で、頻度が高い所見です。

5×肺機能や心臓機能に異常が起こり血液を十分にからだ全体に送り出す力が低下していたり、貧血などで血液中の酸素量が低下していたりさまざまなことが考えられます。

 

問題100 

口臭に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 歯がない場合に起こりやすい。

2 唾液量が多いと生じる。

3 ウイルス感染の原因となることがある。

4 食事量が増加した場合に起こりやすい。

5 他者との交流を避ける原因となることがある。

解答

1×歯がある場合のほうが起こりやすい

2×唾液量が少ない時

3×ウイルス感染と関係なし

4×

5

 

問題101 (過去に類似問題あり)

高齢者の大腿骨頚部骨折(femoral neck fracture)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 転落によって生じることが最も多い。

2 骨折(fracture)の直後は無症状である。

3 リハビリテーションを早期に開始する。

4 保存的治療を行う。

5 予後は良好である。

解答

1×

2×

3〇術後の不要な安静などは 全身的な体力の低下や認知機能の低下を招くので早期に座位訓練や立位訓練が望ましいです。

4×

5×

 

問題102 (過去に類似問題あり)

摂食・嚥下のプロセスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 先行期は、唾液分泌が増加する。

2 準備期は、嚥下性無呼吸がみられる。

3 口腔期は、喉頭が閉鎖する。

4 咽頭期は、食塊を形成ずる。

5 食道期は、随意的な運動である。

解答

1

2×

3×

4×

5×

参考:摂食・嚥下のプロセス

1.先行期:目で見て食べ物を認識する

 食物の認知と取り込み。目の前の食べ物を視覚や嗅覚で判断し、食べ物を食べ物として認識する時期。何をどのようなペースで食べるかを判断するとともに以前の記憶などや嗅覚や視覚などで味などある程度判断する場合もある。

2.準備期:食べ物を口から入れ、咀嚼する

 食物の咀嚼と口腔内保持、味の伝達。口腔内に食物を送り込み、咀嚼をして、顎、舌、頬、歯を使って唾液と混ぜ合わせて食塊(まとまりがあって柔らかく咽頭を通過しやすい一塊の食物)を形成する時期。

3.口腔期:舌や頬を使い、食べ物を口の奥からのどへ送る

 舌の動きで食塊を咽頭方向に送り込む時期。食塊の奥舌への移送、舌は前方から口蓋に押し付けられ、食塊を嚥下反射によって食道まで送る

4.咽頭期:脳にある嚥下中枢からの指令で、食塊を嚥下反射によって食道まで送る

   喉頭拳上、舌口蓋閉鎖、鼻咽腔閉鎖、喉頭閉鎖がおこる。咽頭収縮により嚥下圧が形成され、食塊は左右の梨状窩から食道入口部へ達する。食道括約筋は弛緩し、開大して食塊を食道に送る

 嚥下性無呼吸:嚥下終了後は呼気から再開

5.食道期:食べ物を胃へ送り込む

食塊を胃へと送る時期。食道括約筋が収縮して閉鎖されとともに蠕動運動と重力によって食塊の移送が行われる。

 

問題103 (過去に類似問題あり)

Jさん(80歳、男性)は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimers type)と診断され、半年前から認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。最近、Jさんは,トイレに行きたいと言ってグループホーム内を歩き回った後に、失禁するようになった。Jさんの排泄の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 反射性尿失禁

2 心因性頻尿

3 溢流性尿失禁

4 機能性尿失禁

5 腹圧性尿失禁

解答

1×脳や脊髄などに障害が有る場合に発生します。 このような場合、脳が正常に括約筋などを制御できず、膀胱に尿が溜まるなどの刺激を受けると尿を失禁してしまいます。

2×精神的な不安から引きおこされているのが、心因性頻尿です。

3×尿が膀胱内に入りきらずに溢れ出て来てしまう尿失禁です。 主に50歳以上の男性に多く発生します。原因として、前立腺肥大により膀胱等が圧迫されて起こる場合と、 下位の神経の障害により脳や脊髄まで膀胱の情報が伝わらない自律性神経因性膀胱の場合があります。

4〇機能性尿失禁とは、身体運動障害の低下や痴呆・認知症、判断力低下を背景として失禁を起こしてしまうタイプの尿失禁です。泌尿器には問題がありません。痴呆や認知症の方など、適切な状況判断が出来なくて、部屋などのトイレではない場所で漏らしてしまったり、身体の様々な病気により速く行動できない方が、尿意を感じてからトイレまで我慢できずに漏らしてしまう場合などになります。

5×腹圧が高くなった場合に尿を失禁してしまう状態です。 主に女性に発生することが多く、力を入れた際や、笑う、咳をした際、クシャミをした際などに失禁してしまいます。

加齢により骨盤の筋肉がゆるくなる、神経の障害、妊娠、出産、 子宮脱、前立腺や子宮の障害などが原因とされています。

 

問題104 (新出問題)

正常な尿に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 1日に約1gのたんぱく質が排出される。

2 1日に約10gのブドウ糖が排出される。

3 排尿直後はアンモニア臭がする。

4 排尿直後はアルカリ性である。

5 排尿直後は淡黄色で透明である。

解答

1×

2×

3×排尿直後の尿は無臭です。

4×健康な人の体では通常尿は弱酸性に維持されるように調整されます。

5

 

問題105 (過去に類似問題あり)

弛緩性便秘の原因に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食物繊維の摂取不足

2 排便を我慢する習慣

3 腹圧の低下

4 大腸のけいれん

5 がん(cancer)による通過障害

解答

1〇食物繊維の摂取不足のほか、運動不足、水分不足、腹筋力の低下などが原因します。

2×

3×

4×

5×

参考:

弛緩性便秘は一番代表的な便秘ですが日本人に最も多いタイプの便秘です。特に高齢者の便秘に多く、また腹筋の弱い女性や運動不足の男性にもみられます。そして、慢性化しやすく、常習化しやすいのが特徴です。弛緩性便秘は直腸性便秘と合併することがあります。

 

問題106 (新出問題)

抗ヒスタミン薬の睡眠への影響として、適切なものを1つ選びなさい。

1 就寝後、短時間で覚醒する。

2 夜間に十分睡眠をとっても、日中に強い眠気がある。

3 睡眠中に足が痛がゆくなる。

4 睡眠中に無呼吸が生じる。

5 夢の中の行動が、そのまま現実の行動として現れる。

解答

1×

2〇抗ヒスタミン薬の副作用に眠気があります。

3×

4×

5×

 

問題107 (過去に類似問題あり)

終末期に自分が望むケアをあらかじめ書面に示しておくことを表す用語として,正しいものを1つ選びなさい。

1 ターミナルケア(terminal care)

2 インフォームドコンセント(informed consent)

3 リビングウィル(living will)

4 デスカンフアレンス(death conference)

5 グリーフケア(grief care)

解答

1×ターミナルケアとは、余命がわずかとなった方が、穏やかに過すために行われる医療・看護・介護のことです。

2×病気の治療の際に、医師が患者に治療の必要性、治療の計画や見通し、効果やリスク、コストなどをわかりやすく説明した上で、患者の同意を得ることを言います。

3〇生前の意思という意味の英語の音訳です。自分が望むケアとともに尊厳死に対しても「尊厳死の権利を主張して、延命治療の打ち切りを希望するなどといった意思表示をすることもあります。

4×ご利用者の死後に振り返ることにより得られた学びを、チームメ ンバー全員が共有し次の援助にいかせるようにと行われるカンファレンスを「デスカンファレン ス」といいます。

5×身近な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるようそばにいて支援することです。

 

問題108  (過去に類似問題あり)

死亡直前にみられる身体の変化として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 関節の強直

2 角膜の混濁

3 皮膚の死斑

4 下顎呼吸の出現

5 筋肉の硬直

解答

1×

2×

3×

4〇死亡直前期にはあぐ、あぐとした下顎呼吸は、回数が極端に低下します。そして呼吸停止がやってくると、その後に大きなため息を一息ついて、絶命されます。

5×

 

 第31回筆記試験

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

問題97(過去に類似問題あり)

ライチャード(ReichardS.)による老年期の性格類型において、円熟型に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 自分の過去に対して自責の念を抱く。

2 年を取ることをありのまま受け入れていく。

3 若いときの積極的な活動を維持する。

4 他者の援助に依存する。

5 責任から解放されることを好む。

 

解答

1:×不適応型;自責型(内罰型)

2:〇適応型;円熟型

3:×適応型;装甲型(自己防衛型)

4:×適応型;安楽椅子型(依存型)

5:×適応型;安楽椅子型(依存型)

参考:ライチャード(ReichardS.)による老年期の性格類型

1. 適応型;円熟型

自らの老いを自覚しながらも、それによって活動意欲を低下させることがないタイプ。過去の自分を後悔することなく受け入れ、未来に対しても現実的な展望を持っている。老いによってできなくなることも、それはそれとして、新しい現実の中で満足を得られるタイプ。周囲が無理にアレンジしなくても、自分で自分の人生を進めようとするので、性格的な部分で、周囲が対応する負担が少ない。スマホのような新しい技術も、面白がって使えるようになる。

2. 適応型;安楽椅子型(依存型)

受身的に、消極的に老いを受け入れるタイプ。後は皆にまかせて、自分はのんびりという具合に、他人に依存しながら「気楽な隠居」であることを求める。積極的に新しいことには取り組まないが、誘われれば、新しい環境への適応もできる。性格的な背景から、生活不活性病にならないように、活動的な物事への取り組みをうながす必要がある。スマホのような新しい技術も、それが自分を楽にさせる便利なものであることが理解できれば、使いこなせる。

3. 適応型;装甲型(自己防衛型)

老いへの不安と恐怖から、トレーニングなどを積極的に行い、強い防衛的態度をとるタイプ。なんとか若い時の生活水準を守ろうとする。スマホのような新しい技術も、使いこなせないと恥ずかしいという心理から、受け入れようとする。責任感が強く、様々な活動を続けようとする。結果として無理をおし進めるリスクもあり、怪我などをしてしまうことも。性格的な背景から、本人の「まだまだ、現役だ」という自尊心を傷つけることなく、無理はしすぎないように注意する必要がある。

4. 不適応型;自責型(内罰型)

過去の人生全体を失敗とみなし、その原因が自分にあると考え、愚痴と後悔を繰り返すタイプ。典型的には、仕事に一生懸命だった反面、家族をかえりみず、現在は家族から相手にされない状況にあることを嘆くような高齢者。うつ病になりやすい。新しい技術にも適応しようとしない。いつまでも過去にとらわれることなく、反省すべきは反省しつつも、なんとか新しい関係性などを築いていく必要がある。

5. 不適応型;攻撃憤慨型(外罰型)

自分の過去のみならず、老化そのものも受け入れることができないタイプ。過去を失敗とみなし、その原因を自分ではなく、環境や他者のせいとして責任転嫁する。不平や不満が多く、周囲に対しても攻撃的にあたり散らすため、トラブルを起こす。高齢者として他者から親切をされても、それをポジティブに受け入れられない。周囲としては、どこまで献身的に対応しても感謝されることもないため、サポートすること自体が困難。

 

問題98(新出問題)

臓器とその機能の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 肝臓→グリコーゲン(glycogen)の貯蔵

2 膀胱→尿の濃縮

3 小脳→呼吸中枢

4 副腎→インスリン(insulin)の分泌

5 心臓一ガス交換

 

解答

1:〇脳は24時間休みなく栄養を必要としています。そこで肝臓では、いつでもブドウ糖の供給ができるように、グリコーゲンとして貯蔵しています。

2:×膀胱は腎臓でつくられた尿が腎盂(じんう)、尿管を経由して運ばれたあとに、一時的に貯留する一種の袋の役割をもっています。尿と腎臓の働きは関係がありますが、尿をつくる働きのほかに、血液をろ過する働き、体内の水分量を調節するなどの働きがあります。

3:×小脳は運動の調節や熟練に関係する部分です。出血や梗塞、腫瘍などで小脳が機能しなくなると、運動調節の指示を出せなくなります

4:×副腎は、 副腎皮質 ホルモンやカテコラミンと呼ばれる、生命や血圧を維 持するために欠かせない、重要なホルモンを分泌して いる臓器です。。

5:×簡単にいえば心臓は心臓は全身に血液を送り出すポンプの役目をしています。ガス交換は肺の働きです。

 

問題99(新出問題)

唾液腺と唾液に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 副交感神経は唾液分泌を抑制する。

2 唾液分泌は食事摂取時に限られる。

3 耳下腺の導管は口腔底に開口する。

4 唾液には抗菌作用がある。

5 舌下腺は小唾液腺である。

 

解答

1:×交感神経が優位なときは、ネバネバした粘液性の唾液、副交感神経ではサラサラ唾液になります。つまり交感神経が優位な時でも副交感神経が優位な時でも唾液は分泌します。

2:×常時でて口腔内を潤してくれます。

3:×耳下腺は上の奥歯の根元のあたりにあります。

4:〇唾液は、99%以上が水分、残りの1%ほどに抗菌、免疫、消化などに関わる重要な成分を含みます。 唾液のはたらき :抗菌作用. 抗菌作用をもつ成分が口の中の細菌の増殖を抑える。 pH緩衝作用. 飲食により酸性に傾いた口内のpHを中和させ虫歯を防ぐ。

5:×大唾液腺

参考:唾液腺はそれぞれの大きさや分泌量の違いなどから大唾液腺と小唾液腺に分けられます。大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下線の3つで、小唾液腺は口唇腺、頬腺、口蓋腺、臼歯腺、舌腺の5つです。小唾液腺は口の中の粘膜の下にあります。大唾液腺のうち耳下腺は上の奥歯の根元のあたりにあり、顎下腺は顎のうら、舌下腺は舌の付け根の部分にあります。

 

問題100(新出問題)

良肢位に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 A D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)に最も支障が少ない姿勢である。

2 肘関節を伸ばした姿勢である。

3 つま先が下を向いた姿勢である。

4 拘縮を起こしやすい姿勢である。

5 クッションを用いた保持は避ける。

 

解答

1:〇関節が動かなくなった場合に、日常生活動作において支障の少ない関節の角度のことです。

2:×

3:×

4:×

5:×

参考:良肢位(りょうしい).

同一体位を続けていても安楽に過ごせる体位として“良肢位”があります。良肢位とは、関節が動かなくなった場合でも、日常生活において支障の少ない肢位のことです。

 

問題101(過去に類似問題あり) 

胃ろうに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ろう孔周囲のびらんは、放置してよい。

2 ろう孔は、カテーテルの抜去後、およそ1時間で自然に閉鎖する。

3 カテーテルの交換は不要である。

4 ミキサー食の注入は禁止されている。

5 経口摂取も併用できる。

 

解答

1:×放置してはいけません。

対処法

本人やご家庭で出来る処置

●赤くただれている部分を水道水で洗い流し、清潔な乾いたタオルなどでやさしく水気を拭取ります。消毒は不要です。

医師や看護師が行う処置

●皮膚保護パウダーを用いることもあります。

●カビ菌などが繁殖して皮膚炎を起こしている場合は、清潔管理に加え、その菌に適した抗菌剤を使用します。

2:×胃瘻カテーテルを抜くと、通常1週間ほどで瘻孔が閉鎖します。

3:×交換はしなければいけません。

胃ろうカテーテルは、バルーン型とバンパー型で交換時期が異なります

バルーン型:耐久性に乏しく、1か月に1

バンパー型:6か月に1

4:×禁止されていません。

5:〇

 

問題102(過去に類似問題あり)

Dさん(75歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。糖尿病(diabetes mellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひいて、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を継続していた。介護福祉職が朝食をDさんに渡そうとしたところ、顔色が悪く、「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。

1 発熱

2 脱水

3 低血糖

4 貧血

5 意識障害

 

解答

1:×

2:×

3:〇低血糖とは血糖値が正常範囲以下にまで下がった状態のことをいいます。その時には、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状があらわれます。

4:×

5:×

 

問題103(過去に類似問題あり)

皮膚の乾燥に伴うかゆみに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者では、まれである。

2 水分摂取を控える。

3 顔面に好発する。

4 利用者の爪は短く切る。

5 皮膚をかくことで軽快する。

 

解答

1:×高齢者の皮膚の変化の特徴に、汗や皮脂の分泌の減少があります。これにより皮膚のもつバリア機能が低下し、乾燥が引き起こされます。

2:×皮膚乾燥は水分補給で予防することができます。

3:×好発部位は、頭部、膝、肘、腰まわり.などこすれる部分に多いです。

4:〇爪がながいとかゆみ部分を痛めてしまいがちになります。

5:×皮膚をかくことで悪化します。

 

問題104(新出問題)

入浴介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 家庭内での不慮の事故死のうち、入浴関連はまれである。

2 心臓に疾患のある人には、全身浴を勧める。

3 浴槽からの立ち上がりは、ゆっくり行う。

4 食後すぐの入浴を勧める。

5 入浴後、水分摂取は控える。

 

解答

1:×火事、転倒・転落、中毒などよりも多く、入浴での不慮事故死はまれではありません。

2:×心臓疾患がある場合には半身浴が適しています。

3:〇心臓等に負担をかけないため。

4:×入浴は全身の血のめぐりをよくするので、食後に入浴すると消化器に集まらなければいけない血液が分散されてします。そこで、消化不良が起こってしまいます。さらには、入浴による水圧で消化器を圧迫します。

これに加えて、熱いお風呂なら交感神経を刺激し、胃の働きを抑制します。このことから、食事の直後は入浴しない方がいいです。

5:×脱水にならないように水分接収はしっかりとります。

 

問題105(新出問題)

排便の仕組みに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 仰臥位は、排便しやすい姿勢である。

2 交感神経は、直腸の嬬動運動を促進させる。

3 食事をとると、便意はおさまる。

4 息を吐きながら腹圧を低下させると、排便は促される。

5 排便時には、外肛門括約筋を意識的に弛緩させる。

 

解答

1:×「ロダンの考える人」の姿勢が排便に最も適した姿勢といえます。

2:×便意が生まれやすいのは副交感神経が優位なとき。つまりリラックしているときです。

3:×

4:×息を吐止めながら腹圧を上げると、排便は促されます。

5:〇外肛門括約筋は自分の意志で動かせる随意筋で、肛門を閉じる働きをしますが、排便時はその筋を意識的に弛緩させます。

 

問題106(新出問題)

睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 加齢に伴って睡眠時間は短くなる。

2 睡眠障害の多くは遺伝性である。

3 過眠は睡眠時間が長くなることをいう。

4 睡眠中は体温が上昇する。

5 睡眠周期は約60分である。

 

解答

1:〇加齢により睡眠時間は短くなります。

2:×夢を見る浅い眠りの「レム睡眠」を起こす遺伝子は発見されていますが、睡眠障害の多くが遺伝性ということはありません。

3:×十分な時間眠ってもまだ眠気が強く寝てしまうことを過眠といいます。

4:×体温は下がります。

5:×睡眠の睡眠周期のサイクルは約90分といわれています。

 

問題107(新出問題)

睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 高齢者の中途覚醒は、水分の摂りすぎが原因である。

2 レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は、下肢を動かすと症状が軽快する。

3 仰臥位で眠ると、いびきが改善する。

4 睡眠時間の確保には、寝だめが有効である。中途覚醒の原因は

5 熟睡するには、就寝前の飲酒が有効である。

 

解答

1:×水分の取りすぎは問題あるが、中途覚醒の原因はいろいろあり、水分だけが原因とはなりません。

2:〇レストレスレッグス症候群は「むずむず脚症候群」「下肢静止不能症候群」「とも呼ばれ、主に下肢に不快な症状を感じる病気です。夜眠ろうとベッドに入ったときや、新幹線や飛行機、あるいは映画館などでじっと座っているときに、脚の内側から不快感が起こり、脚を動かすと和らぐ…といった特徴があります。「レストレス」とは「そわそわした」、「絶え間なく動く」という意味があります。

3:×基本的には側臥位で舌根沈下が改善されるように体位をとります。

4:×睡眠は寝だめができません。

5:×毎日寝酒をするという人は、睡眠の質が低下してしまう可能性があります。

 

問題108(過去に類似問題あり)

Eさん(75歳、男性)は、2年前に肺がん(lung cancer)と診断されて、抗がん剤治療を受けていたが、効果がなく1か月前に治療を中止した。その後、日常生活に支援が必要となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。訪問介護員(ホームヘルパー)は初回訪問を終えて帰ろうとした時に、いきなりEさんから、「もう来なくてもいい」と厳しい口調で言われた。また、「どうして私だけが、がん(cancer)にならなければならないのか」という言葉も聞かれた。
Eさんの心理状態について、キューフラー・ロス(Kiibler-RossE.が提唱した心理過程の段階として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 否認

2 怒り

3 取り引き

4 抑うつ

5 受容

 

解答

1:×

2:〇下記 参考を参照してください。

3:×

4:×

5:×

参考:キューブラー・ロスの死の受容過程

1段階:否認(否認と孤立)

死の運命の事実を拒否し否定する段階です。周囲から距離をおくようになります

2段階:怒り

死を否定しきれない事実だと自覚したとき、「なぜ私が死ななければならないのか」と問い、怒りを感じます

3段階:取引

死の現実を避けられないかと、「神」と取引をします

4段階:抑うつ

何をしても「死は避けられない」とわかり、気持ちが滅入り、抑うつ状態になります

5段階:受容

死を受容し、心にある平安が訪れます

 

第30回筆記試験

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

問題97 過去に類似問題出題

記憶と学習に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 短期記憶とは、数日保持される記憶である。

2 記銘とは、情報を覚えることである。

3 意味記憶とは、自分に起こった出来事の記憶である。

4 道具的条件づけの代表例に「パブロフの犬」がある。

5 観察学習とは、自分の行動を反省することによる学習である。

 

解答

1:×短期記憶の寿命は通常、数秒から数分までとされています。

2:○「記銘」とは外部の刺激がもつ情報を意味に変換して記憶として取り込むこと。

3:×意味記憶は言葉や概念を中心に構成された記憶で、言語を使用する上で辞典のような役割を果たしています。

4:×道具的条件⇒条件反射

5:×観察学習とは、他人の行動を観察することによって本人が実際に体験しなくてもその行動様式を学習することです。

 

問題98 過去に類似問題出題

 Kさん(91歳、男性、要介護1)は、65歳の娘と二人暮らしである。訪問介護員(ホームヘルパー)が週2回通っている。

もともと頑固で怒りやすい性格だが、ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)茶碗(ちゃわん)を割ったのをきっかけに怒りを爆発させて、この訪問介護員(ホームヘルパー)を代えるように娘に主張した。

それは難しいと娘が説明したところ、「もういい、他人には自分の気持ちを理解できるはずがないから、どうせ代わっても今と変わりはない」と話を打ち切ってしまった。

この会話でKさんにみられた適応機制として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 抑圧

2 合理化

3 反動形成

4 昇華

5 投影

 

解答

1:×抑圧⇒容認しがたい欲求や感情を、意識しないように抑えつけ、無意識のうちに忘れてしまうようにする

2:○「どうせ代わっても今と変わりはない」と自分に都合の良い言い訳し自分を正当化しているので…

3:×反動形成⇒劣等感を別の対象や分野

 における優越感で補おうとすること

4:×昇華⇒直ちに実現できない欲求を、価値ある行為に置き換えようとする。

5:×投影⇒自分の容認しがたい欲求や感情を、他者のなかにあると考えて、それを指摘・非難する。

 

問題99 過去に類似問題出題

血管系に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 リンパ管には血液が流れている。

2 末梢(まっしょう)動脈(どうみゃく)には逆流を予防するための弁がある。

3 左心室から出た血液は大静脈へ流れる。

4 肺動脈には静脈血が流れている。

5 下肢の静脈は体表から拍動を触れる。

 

解答

1:×リンパ管にはリンパ液が流れています。

2:×

3:×大動脈へ流れます

4:○この図は是非 覚えておいてください・

5:×

 

問題100 過去に類似問題出題

眼の症状とそれに関連が強い疾患の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 眼球が痛くなる         →加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration)

2 近いところが見えにくい   →緑内障(glaucoma)

3 結膜が充血する        →流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis)

4 硝子体が白くなる       →白内障(cataract)

5 目やにが増える        →糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)

 

解答

1:×加齢黄斑変性は、黄斑という組織が加齢とともにダメージを受けて変化し視力の低下を引き起こす病気です。

2:×緑内障は、視神経に障害が起こり、視野が狭くなる病気です。

3:○別名「はやり目」と言われています。症状としては、結膜が充血し目やにや涙がたくさん出て、眼痛を伴うことがあります

4:×白内障は、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。

5:×糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で目の中の網膜が障害を受け、視力が低下する病気です。

 

問題101 新出問題(酵素)

生体で生じる化学反応について、酵素は重要な役割を担っている。

酵素を構成する主要成分として、正しいものを1つ選びなさい。

1 タンパク質

2 糖質

3 脂質

4 ビタミン類

5 無機質(ミネラル(mineral))

 

解答

1:○酵素の主成分は タンパク質です。(高校の生物の教科書にものっていましたね)

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題102 過去に類似問題出題

 Lさん(84歳、男性、要介護4)は、自宅で妻と暮らしている。数日前から妻が体調を崩しているため、短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。

利用初日に、介護福祉職が身体の確認をするために着替えを行ったところ、Lさんの腋窩(えきか)と腹部に赤い丘疹(きゅうしん)が見られ、一部に小水庖(こみずほう)を伴っていた。強いかゆみを訴えており、手指間には灰白色の線が見られる。

 Lさんに考えられる皮膚疾患について、集団生活を送る上で最も注意すべき優先度の高いものを1つ選びなさい。

1 皮脂(ひし)欠乏性(けつぼうせい)湿疹(しっしん)(asteatotic eczema)

2 疥癬(かいせん)(scabies)

3 白癬(はくせん)(tinea)

4 蕁麻疹(じんましん)(urticaria)

5 帯状疱疹(たいじょうほうしん)(herpes zoster)

 

解答

1:×下記参考

2:○疥癬に特徴 的な皮疹は 疥癬トンネルで、手首の屈側、手掌尺側、指、指間、肘、アキレス腱部などに認められます。その他、丘疹、小水疱、 痂皮 、小結節なども見られます。また、下腹部や背部、腋窩などにも丘疹を認めることもあります。

3:×下記参考

4:×下記参考

5:×下記参考

参考

@皮脂欠乏性湿疹は、皮膚が乾燥し乾皮症と呼ばれる状態に移行し、その一部から湿疹を生じる皮膚疾患。

A疥癬(かいせん)は、ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症

B白癬は、高齢者によくみられる疾患のひとつで、カビの一種である白癬菌が皮膚に感染することによっておこる病気です。足にできる白癬、つまり足白癬は俗に水虫といわれ、股にできる白癬はいんきんたむし、体にできるとぜにたむしと呼ばれることもあります。

C蕁麻疹は、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。

D帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹によって引き起こされるウイルス感染症の一種で痛みを伴う皮膚失神あります。

 

問題103 過去に類似問題出題

排便に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 寝たきりになると下痢になりやすい。

2 麻薬性鎮痛剤の使用中は便秘になりやすい。

3 うつ病(depression)では下痢になりやすい。

4 ウイルス感染では便秘になりやすい。

5 腸閉塞(intestinal obstruction)では下痢になりやすい。

 

解答

1:×寝たきりになると、腸管の嫡動運動が低下し便秘になりやすいです。

2:○麻薬性鎮痛剤の副作用の一つに便秘があります。

3:×便秘・下痢どちらの症状もあります。

4:×一般的には下痢・嘔吐・発熱の症状

5:×腸閉塞では便秘が続いて便の量が増え、大腸は弛緩・拡張し、そのうち便意がなくなってきます。

 

問題104 過去に類似問題出題

次の症状のうち、膀胱炎(ぼうこうえん)(cystitis)で最も起こりやすいものを1つ選びなさい。

1 発熱

2 乏尿

3 残尿

4 腰痛

5 排尿時痛

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○症状は、排尿時の痛み、その他、尿の濁り、 血尿、18回以上の頻尿などがあります。

 

問題105 過去に類似問題出題

体内時計を1日24時間の周期に修正する最も強力な因子として、正しいものを1つ選びなさい。

1 日光

2 食事

3 運動

4 仕事

5 入浴

 

解答

1:○下記参照

2:×

3:×

4:×

5:×

参考:体内時計

体内時計は外部の光に反応して機能する性質をもっています。目から受ける光の刺激が一番最初に伝わる脳の視交叉上核という場所 に、体内時計を司る神経回路があります。 この神経は、日の出の太陽と同じくらいの2,500ルクス以上の光に反応するようにできています。この働きによって、人の体は朝陽の光を浴びることで体内時計をリセットするといわれています。

 
問題106 新出問題(不眠症の定義)

「睡眠の時間は十分にとれているが、ぐっすり眠れた感じがしない状態」に当てはまる不眠症(insomnia)として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 入眠障害

2 中途覚醒

3 熟眠障害

4 早朝覚醒

5 時差症候群(jet lag syndrome)

 

解答

1:×夜間中々入眠出来ず寝つくのに普段より2時間以上かかるもの

2:×一旦寝ついても夜中に目が醒め易く2回以上目が醒めるもの

3:○不眠症には4タイプありますが、その中の一つに熟眠障害があります。熟眠障害とは、朝起きたときにぐっすり眠った感じの得られないものです。

4:×朝普段よりも2時間以上早く目が醒めてしまうもの

5:×時差症候群は体内時計と昼夜のリズムがかみ合わないために起こる睡眠障害のひとつです。

 最も多いのは睡眠障害、つまり、寝つきが悪い、寝ついても途中で起きてしまう、眠った気がしない、あるいは日中に眠く

 てしかたがない、といった症状です。疲労感や食欲低下、ぼんやりする、頭が重いといった症状が出ることもあります。

 参考:不眠症の4タイプ

@ 入眠障害…寝つきが悪い

A 中途覚醒…睡眠中に何度も目が覚める

B 早朝覚醒…朝早くに目が覚める

C 熟眠障害…ぐっすり眠ったという感覚が得られない


 

問題107 新出問題(夕暮れ症候群)

 Mさん(85歳丿女性)は、認知症(dementia)と診断されている。

数日前に介護老人保健施設に入所した。毎日、夕方から夜間にかけて怒りっぽくなり、担当の職員に大声をあげている。物忘れや徘徊(はいかい)もみられる。

Mさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 過眠症(hypersomnia)

2 レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder)

3 パニック障害(panic disorder)

4 幻覚

5 夕暮れ症候群

 

解答

1:×過眠症は、過眠の症状がみられる睡眠障害の総称です。夜更かしなどで夜間の睡眠時間が不足しているわけではないのに、日中、社会生活に支障をきたすような猛烈な眠気を生じたりします。

2:×レム睡眠行動障害ではレム睡眠中にも骨格筋が動くため、夢が行動となって現れ、いわゆる“夢の暴走”が起こります。

3:×パニック障害は、突然起こる激しい動悸や発汗、頻脈(ひんみゃく:脈拍が異常に多い状態)、ふるえ、息苦しさ、胸部の不快感、めまいといった体の異常と共に、このままでは死んでしまうというような強い不安感に襲われる病気です。

4:×幻覚とは、現実にないものをあるように感じるものです。

5:○夕暮れ症候群.は、夕方になるとソワソワして落ち着かなくなったり、少しのことに声を荒げたり、「そろそろ家に帰らせていただきます」と徘徊を始めたりするものです。

 

問題108 過去に類似問題出題

臨終期の身体の様子に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。

1 手足は温かい。

2 浮腫の出現は少ない。

3 喉からゴロゴロする音が聞かれる。

4 尿量は増加する。

5 呼吸のリズムは規則的である。

 

解答

1:×手足は冷たくなります。

2:×浮腫がみられます。

3:○咳払いができないほど衰弱し咽頭や気道の内部に唾液などの液体が溜まってくると、ゴロゴロといった音(喘鳴)が聞かれるようになります。

4:×減少

5:×呼吸が不規則になり、非常に浅い呼吸、短時間の呼吸停止、深く速い呼吸が混在してみられる。

参考:終末期の身体の変化

1.尿量減少

2.浮腫

3.排便の減少

4.酸素飽和度の低下

5.心拍数の急激な増減

6.努力呼吸・下顎呼吸


第29回筆記試験
【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題
問題97 脳の中で記憶をつかさどる部位として、正しいものを1つ選びなさい。(過去に類似問題あり)
1 延髄
2 海馬
3 視床
4 松果体
5 小脳
 
解答

1:×延髄は呼吸運動や血管の収縮・拡張や唾液分泌や嚥下などの中枢があります。

2:○海馬は、脳の中にあって、唯一細胞分裂を繰り返す神経細胞が集まる器官です。 入力された情報の整理、および、記憶を司っています。

3:×視床は全身の感覚、視覚、聴覚などの感覚入力知覚刺激情報を認識し、大脳皮質、大脳基底核に伝達する働きを持っています。    

4:×概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌します。

5:×小脳は、体の運動を調整する役割をもっています。

問題98 副交感神経の作用として、正しいものを1つ選びなさい。(過去に類似問題あり)
1 気道の弛緩(しかん)

2 血糖値の上昇

3 消化の促進
4 心拍数の増加
5 瞳孔の拡大

解答

1:×交感神経

2:×交感神経

3:○副交感神経

4:×交感神経
5:×交感神経

参考:交感神経と副交感神経
交感神経
交感神経は「闘争と逃走の神経」と呼ばれています。
闘争として相手と戦う時、体は緊張して心臓の鼓動は早くなり、血圧が上がります。相手をよく見るために瞳孔は散大し、呼吸は激しくなります。同じように、自分を狙う相手から本気で逃げる時も体は興奮した状態となります。
副交感神経
「副交感神経は交感神経の逆の働きをする」と考えれば良いです。交感神経は運動時などの興奮した時に活発となるのに対して、副交感神経は体がゆったりとしている時に強く働きます。例えば、食事中は気分を落ち着かせて食べるのが基本です。睡眠中も同じように体を休めている状態です。このように、食事中や睡眠時など体を落ち着かせている時に強く働く神経が副交感神経です。これら体を休めている時の状態を想像すれば、副交感神経がどのような働きをするかを容易に理解することができます。
例えば食事をしている時、胃酸がたくさん分泌されて腸の運動は活発になります。副交感神経が興奮することにより、食物の消化に関わる機能が活発になります。また、副交感神経は交感神経と逆の働きをするため、心臓の機能は抑制されます。

問題99 身体の症状とその原因となる疾患の組合せのうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(既出問題)

1 爪の白濁・肥厚  ━白癬(はくせん)
2 皮膚の黄染    ━腎疾患
3 水晶体の白濁   ━緑内障

4 舌苔(ぜったい)  ━脳梗塞

5 鼻出血       ━糖尿病

解答

1:○

2:×肝疾患

3:×白内障

4:×舌苔の異常の原因は(1)唾液量分泌不足による口の渇き、(2)免疫力の低下、(3)口呼吸、(4)食べ残しが多い歯みがき、(5)喫煙、(6)加齢、(7)ストレス、(8)全身的疾患(熱性疾患、糖尿病等)、(9)薬の副作用があります。

5:×鼻出血の原因には、鼻粘膜の血管に原因がある場合、鼻のなかに腫瘍がある場合、首から上の血圧に原因がある場合、血液に原因がある場合があります。

問題100 立位姿勢を維持するための筋肉(抗重力筋)として、正しいものを1つ選びなさい。
(過去に類似問題あり:一部)
1 大腿四頭筋

2 胸鎖乳突筋

3 僧帽筋

4 三角筋
5 大胸筋

解答
1:○大腿四頭筋は文字通り四つ頭(筋頭のこと)を持っており、表層部より大腿直筋、外側広筋、内側広筋、そして深層部にある中間広筋と呼ばれる4つの筋肉で構成されています。

この筋肉は立位姿勢を維持する働きを持っていますが、これ以外にも股関節の屈曲動作にも貢献します。またランニング中にスピードを減速させるときなどにも働きます。
2:×頸部にある筋肉の一つで首を曲げ、回転させる働きを持ちます。
3:×僧帽筋は背部の一番表層部にある筋肉でそれぞれ上部僧帽筋、中部僧帽筋、下部僧帽筋に分類することができます。
4:×肩の関節を大きく覆うように付いているのが、三角筋という筋肉です。
5:×大胸筋は、胸の筋肉です。

問題101 骨の強化に役立つこととして、適切なものを1つ選びなさい。
(過去に類似問題あり)
1 日光を避ける。

2 食物繊維を多く摂取する。
3 ビタミンEを摂取する。

4 適度な運動をする。

5 炭水化物を制限する。

解答

1:×骨の強化に日光は必要です。日光浴をすると、日光に含まれる紫外線によって皮下脂肪からビタミンDが作られます。ビタミンDは腸管からのカルシウムの吸収を促進させ、かつカルシウムの骨へ附加を促進します。

2:×食物繊維には、便秘解消、腸内環境を整える(美容効果)、肥満の予防(ダイエット効果)、高血圧の予防、コレステロール値を下げるなどの効果がありますが、骨の強化とは関係がありません。

3:×ビタミンEには抗酸化作用、細胞膜を守る作用、血行を正常に保つ作用などがありますが、骨の強化とは関係がありません。

4:○骨に適度な負荷をかける運動が不可欠です。運動の刺激によって骨の中の細胞の働きが活発になり、骨量が増えて、骨折しにくくなるといわれています。

5:×炭水化物(糖質)制限により、骨密度や筋肉の減少につながるといわれています。

問題102 身長151cm、体重39kg、寝たきりで侵襲がない70歳の女性の基礎代謝量が980kcalと算出された。1日の必要エネルギー量は、基礎代謝量に活動係数を掛けることによって算出できる。
この女性の1日の必要エネルギー量を算出して、最も近い数値を1つ選びなさい。
(新出問題)

1 600kcal
2 900kcal

 1,200kcal

  1,500kcal

  1,800kcal


解答

1:×

2:×

3:○980 kcal×1.2×1.01,176 kcal i一番近い値は3  1,200kcal

  (基礎代謝量)× (臥床生活)× (侵襲なし)=一日のエネルギー量

4:×

5:×

問題103 摂食・嚥下(えんげ)のプロセスで、軟口蓋が拳上して鼻腔と咽頭部が閉じ、次に喉頭が拳上して喉頭蓋が閉じ、食塊が食道に運ばれる時期として、正しいものを1つ選びなさい。(新出問題)
1 先行期

2 準備期
3 口腔期

4 咽頭期
5 食道期

解答

1:×

2:×

3:×

4:○

5:×
参考:摂食・嚥下の5期
@先行期(認知期)→お茶で口を潤してからお菓子を食べる、ご飯、おかず、みそ汁などを交互に食べるなど、食べやすい量やスピードをほぼ無意識に判断します。

A準備期(咀嚼期)→食べ物を細かくしながらだ液と混ぜ合わせて粘りを持たせ、飲み込みやすい形状にまとめ上げる段階です。

ここでまとめ上げたものを「食塊」といいます。

B口腔期→食塊を口から喉に送る段階。主に舌の運動によって行われます。

C咽頭期→喉から食道へ送る、「ゴックン」という段階です。

軟口蓋が反射的に収縮して食塊が鼻に逆流するのを防ぎます。舌骨と甲状軟骨が持ち上がって食道が開き、喉頭蓋が倒れて気管が塞がります。

D食道期→絞り込むような食道の運動により食塊を胃まで運ぶ段階です。

 

問題104 皮膚に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(新出問題)
1 皮膚の表面は弱アルカリ性に保たれている。
2 皮膚から1日に約500600mlの不感蒸発(ふかんじょうはつ)がある。

3 汗腺が最も多く分布しているのは額である。
4 体温が低下すると、汗腺が活発化する。
5 高齢期になると、皮膚の分泌が増加する。

解答

1:×皮膚から分泌される皮脂に含まれる脂肪酸、皮膚表面に常在している細菌が産生する物質。この二つによって皮膚の表面は弱酸性に保たれています。

2:○不感蒸泄の量は,条件により大きく変動しますが、常温安静時には健常成人で1日に約900ml(皮膚から約600ml,呼気による喪失分が約300ml)程度と言われています。

3:×足からの発汗が最も多い。

4:×体温が低下すると、汗腺が活発化する。つまり、汗が出にくくなります。

5:×


問題105 感染をおこしていない皮膚の創傷治療を促す方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。(新出問題)
1 乾燥

2 消毒

3 マッサージ
4 湿潤

5 加圧

解答

1:×

2:×

3:×

4:○解説保留

5:×


問題106 Gさん(81歳、女性)は日常生活は自立していて、活発に活動していたが、最近外出することが少なくなった。理由を尋ねると、「くしゃみや咳(せき)をしたときに、尿が漏れてしまうことが多くなったから」ということだった。(過去に類似問題あり)

Gさんの失禁の原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 神経疾患

2 骨盤底筋群の機能低下

3 水分のとりすぎ

4 膀胱過敏(ぼうこうかびん)

5 精神的な影響

解答

1:×

2:○加齢に伴って、一般的に、女性は尿道の位置の変形や骨盤底の筋肉群の機能低下が起こりやすく、くしゃみをするなど腹圧がかかった時に、尿もれや、トイレまで我慢がきかない尿もれが起こりやすくなります。

3:×

4:×

5:×


問題107 高齢者の睡眠の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。(過去に類似問題あり)

1 夜間の睡眠時間が長くなる。

2 眠りが深くなる。

3 早期覚醒が少なくなる。

4 中途覚醒が多くなる。

5 レム睡眠の時間が増える。

 

解答

1:×短くなります。

2:×眠りは浅くなります。
3:×早期覚醒は増えていきます。

4:○

5:×レム睡眠は体は眠って、脳は活動している睡眠状態のことです。これは筋肉などの体は休んでいても、脳が覚醒しているため、急に起こされても行動しやすいレベルの睡眠です。高齢者はこのレム睡眠の時間は減っていきます。

 

問題108 終末期に関する用語の説明として、適切なものを1つ選びなさい。(過去に類似問題あり)

1 尊厳死とは、薬物などを用いて意図的に死期を早めて死に至ることである。

2 積極的安楽死とは、自然な状態で死に至ることである。

3 脳死とは、自発呼吸は保たれているが意識がなく昏睡状態(こんすいじょうたい)にあることである。

4 グリーフケアとは、判断能力が失われたときに本人に代わって決定を行う代理人を指定することである。
5 事前指示書とは、意識疎通が困難になったときのために、希望する医療ケアを記載した書類のことである。

解答

1:×尊厳死とは、手の施しようがなく、回復の見込みがない場合、本人の意思決定により延命措置はせずに自然なままに最期を迎えさせることです。

2:×積極的安楽死とは、患者の. 苦痛を取り除くために、死期を. あえて縮める目的で行われる. 安楽死の方法です。 つまりは、苦痛から解放させるため. 死にいたらしめる安楽死となります。

3:×脳死とは、呼吸・循環機能の調節や意識の伝達など、生きていくために必要な働きを司る脳幹を含む、脳全体の機能が失われた状態です。

4:×グリーフケアとは、身近な人との死別を経験し、悲嘆に暮れる人をそばで支援することで、悲しみから立ち直れるように支援することです。
5:○事前指示書とは、終末期に受けたい医療、受けたくない医療、そして、最後は延命か尊厳死かの意思決定を明確にして、事前指示書にないことに対応する為の代理人を選任した書面のことです。

第28回筆記試験
【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題
問題97 Gさん(84歳、女性)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を受けながら自宅で一人で生活していた。2か月前、在宅中に大雨による土砂崩れで自宅の半分が埋まってしまったので、介護老人保健施設に入所した。入所後のGさんはイライラすることが多くなり、入眠障害が見られるようになった。また、夜間に突然覚醒し、大声で介護福祉職を呼ぶことがたびたびあった。
現在Gさんの状態を表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。(既出問題)
1 退行
2 見当識障害
3 フラストレーション
4 アルツハイマー型認知症
5 心的外傷後ストレス障害(PTSD

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○心的外傷後ストレス障害(PTSD)では不安や恐怖、睡眠障害、幻覚様症状、フラッシュバック、悪夢、フラッシュバック、頭痛、腹痛、吐き気等様々な身体症状等がある
参考:過去問題に類似問題・解説あり(web介護福祉士会)
問題 精神障害とその症状に関する次の組み合わせのうち適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。 

A 神経症         ―   幻聴

B 認知症         ―   フラッシュバック

C アルコール依存症  ―   人格変化

D 躁病           ―   観念奔逸

解答

A:×神経症は、以前ノイローゼと言われ、しばしば精神病と混同される誤解があるようですが、神経症は主に心理的原因によって生じる心身の機能障害の総称であり、精神病とは異なります。つまり、神経症は器質的な病気によるものではなく、健康な人が普段から体験するような心や身体に対する感覚や感情が、行き過ぎた状態とも言えます。強い不安や恐怖と共に、動悸、頻脈、胸痛、吐き気、発汗、めまい、呼吸難感など種々の自律神経症状、震え、筋肉の緊張、頭のふらつきなど多彩な身体症状を伴いますが幻聴を引き起こすことはありません。

B:×フラッシュバックは強いトラウマ体験(心的外傷)をうけた場合に、後になってその出来事が鮮明に思い出されたり、夢にみたりする現象です。一般的に認知症や知的障害等で理解力に障害がある場合にはフラッシュバックはおこりにくいとされています。

C:○アルコール依存症での人格障害は重要項目ですね。人格レベルが低下すると、もはや自発的な治療意欲さえ失われることが少なくありません。

D:○躁病の特徴としては、感情や気分は壮快で高揚し、行動が活発で思考過程が早いというのがあります。このほかに、誤った観念がつぎからつぎへとわきあがってまとまりがつかなくなるという観念奔逸(かんねんほんいつ)という思考形式面の障害がおこります。正解

問題98 マズロー(Maslow.A.H.)の欲求階層説における最上層の欲求を表現する発言として、適切なものを1つ選びなさい。(既出問題)
1 「おなかがすいたので食事をしたい」
2 「会社で上司から認められたい」
3 「心の中を打ち明けられる親友がほしい」
4 「平和な社会をつくりた」
5 「家族の待つ家に帰りたい」

解答
1:×生理的欲求
2:×社会的欲求
3:×自我欲求
4:○生理的欲求−>安全への欲求−>社会的欲求−>自我欲求−>自己実現欲求 からすと 平和な社会をつくりたいというのは高次元の欲求となります。
5:×自我欲求
参考:過去問
問題:マズローの欲求階層説では、人間の持つ欲求は、生理的欲求−安全への欲求−社会的欲求−自我欲求−自己実現欲求といった形で低次元の欲求から高次元の欲求へと5つの階層をなしているとしている。解答:○人間の持つ欲求は、生理的欲求−安全への欲求−社会的欲求−自我欲求−自己実現欲求といった形で低次元の欲求から高次元の欲求へと5つの階層をなしており、低次元の欲求が満たされてはじめて高次元の欲求へと移行するというものです。

問題99 口腔の清潔が保てなくなる原因として、最も適切なものを1つ選びなさい。(新出問題)
1 過食
2 口内炎
3 唾液の増加
4 歯垢(しこう)の除去
5 (がい)反射(はんしゃ)亢進(こうしん)(こうしん)

解答
1:×
2:○口内炎や歯肉炎により細菌等が増殖すると口腔の清潔が保てなくなります。
3:×
4:×
5:×

問題100 「日常生活動作(ADL)に分類されるものとして、正しいものを1つ選びなさい。(既出問題:第10回問題に日常生活動作(食事,排泄,入浴,洗面,着脱衣など…の記述があります)
1 買物
2 料理
3 洗濯
4 乗り物利用
5 入浴

(注)「日常生活動作(ADL)は、基本的ADL(BADL)と言われることがある。

解答
1:×日常生活動作(食事,排泄,入浴,洗面,着脱衣)
2:×日常生活動作(食事,排泄,入浴,洗面,着脱衣)
3:×日常生活動作(食事,排泄,入浴,洗面,着脱衣)
4:×日常生活動作(食事,排泄,入浴,洗面,着脱衣)
5:○日常生活動作(食事,排泄,入浴,洗面,着脱衣)

問題101 廃用症候群でおこる可能性のある病態とその対策の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。(既出問題)
1 (きん)萎縮(いしゅく)   ----------------------日光浴
2 関節拘縮   --------------------運動制限
3 深部静脈血栓症  ---------------離床
4 (じょく)(そう)    ----------------------安静
5 せん妄   ----------------------入院

解答
1:×
2:×運動制限は拘縮を促進するだけなので不適切
3:○深部静脈血栓症は、静脈、特に大腿静脈などに血栓が生ずる疾患です。足の深部にある静脈は、血液を心臓に届ける太ももやふくらはぎの大静脈です。血栓が出来たとき、静脈内の血液の流れが部分的または完全にブロックされ、痛みや腫れを引き起こします。運動不足により血流が遅くなり血栓を作り易くするので離床するなどの対策が適切です。
4:×安静より体位変換などの措置を
5:×
参考:過去問・web介護福祉士会ノンストップ問題
15 廃用症候群(生活不活発病)とは、安静状態が長期に続く事によって起こる心身のさまざまな低下等を指すものをいうが、
静脈血栓症、筋萎縮、関節拘縮 、褥瘡(床ずれ) 、骨粗鬆症 、起立性低血圧 、精神的合併症 、括約筋障害(便秘・尿便失禁) などが挙げられる。
16 廃用症候群を防ぐためには,早期からのりハビリテーションに加えて,臥床時間の短縮,適当な運動,環境の改善による感覚器官も含めた生活全体の活性化が必要である。
17 廃用性症候群は、治療を必要とする疾患によって安静臥床を余儀なくされている状況で、運動をしないこと、寝ていることで長時間を過ごすことにより生じる。
解答:15〜17 ○

問題102 1a当たりのエネルギー発生量が最も多い栄養素として、正しいものを1つ選びなさい。(既出問題)
1 たんぱく質
2 糖質
3 脂質
4 ビタミン
5 無機質(ミネラル)

解答
1:×
2:×
3:○
4:×
5:×

問題103 脱水に伴う症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。web介護福祉士会ノンストップ問題解説参照)
1 浮腫(ふしゅ)
2 活動性の低下
3 低体温
4 多尿
5 皮膚の湿潤

解答
1:×
2:○
3:×発熱症状
4:×
5:×
参考;
脱水症は、血液(細胞外液)の電解質組成によって以下のように分類されます。

1低張性脱水

ナトリウムが多く失われる電解質欠乏性の脱水をいう。下痢・嘔吐などにより水分の喪失以上に電解質(ナトリウム)の喪失が著しい状態で、血漿中のナトリウム濃度と血漿浸透圧の低下を伴う。
発汗や下痢嘔吐などの体液喪失に対し水のみを補充し続けることで容易に陥る。 発熱や口渇感を伴ことはすくなく、皮膚・粘膜の乾燥も少ないため、初期には自覚症状が少ないが、進行すると全身倦怠感や眠気がみられ、手足は冷たく脈拍が弱くなる。

2等張性脱水
水分とNa欠乏とがほぼ同じ割合で起こっている混合性の脱水をいう。口渇感がある。そのため水分を摂取し、低張性脱水に変化しやすい。

3高張性脱水

水分が多く失われる水欠乏性の脱水をいう。発汗の亢進、水分摂取の極端な低下などにより、専ら水分が不足した状態である。自分で水分摂取のできない乳幼児や高齢者に多い。 血漿中のナトリウム濃度と血漿浸透圧が高値になる。

発熱と著しい口渇感を伴い、口腔などの粘膜が乾燥する。意識は保たれるが不隠・興奮の状態となる。手足は冷たくならず、脈拍もしっかりと触れる。


問題104 38〜41℃の湯温での入浴が身体に与える影響として、適切なものを1つ選びなさい。(新出問題)
1 血圧の上昇
2 心拍数の増加
3 膀胱(ぼうこう)弛緩(しかん)
4 消化機能の亢進(こうしん)
5 筋緊張の亢進(こうしん)

解答
1:×お湯が40℃以下の適温、室温が20℃以上であれば血圧はほとんど上がらないと言われていますが、高温の湯に入ると血圧も心拍数も上がり、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすくなるので注意が必要になります。
2:×お湯が40℃以下の適温、室温が20℃以上であれば血圧はほとんど上がらないと言われていますが、高温の湯に入ると血圧も心拍数も上がり、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすくなるので注意が必要になります。
3:×
4:○42度以上の高温湯では胃酸の分泌を抑制すると言われています。38〜41℃では消化機能の亢進(こうしん)
5:×この温度では、律神経の副交感神経が優位に働き体はリラックスし、筋肉も弛緩しだします。

問題105 小腸の一部として、正しいものを1つ選びなさい。(既出問題:web介護福祉士会ノンストップ問題参照)
1 盲腸
2 空腸
3 S状結腸
4 上行結腸
5 直腸

解答
1:×
2:○空腸は小腸の3分の2を占めます。画像参照
3:×
4:×
5:×


問題106 尿意を感じて我慢できずに失禁してしまう排尿障害として、正しいものを1つ選びなさい。(既出問題)
1 切迫性尿失禁
2 腹圧性尿失禁
3 溢流性(いつりゅうせい)尿(にょう)失禁(しっきん)
4 反射性尿失禁
5 完全尿失禁

解答
1:○
2:×
3:×
4:×
5:×
参考1:失禁に関する過去問(web介護福祉士会ノンストップ問題)
問題

2 尿が漏れることを「尿失禁」、尿が出しにくいことを「排尿困難」という。

3 夜の排尿回数が2回以上の状態を「夜間頻尿」という。

4 腹圧性尿失禁とは、急に腹圧が高くなった時に尿が漏れてしまう状態をいう。

5 腹圧性尿失禁は、「骨盤底筋」のゆるみにより生じるので骨盤底筋のトレーニングにより改善が有効である。

6 切迫性尿失禁とは、抑えられない強い尿意が急に起こり、コントロールできずに尿が漏れてしまう状態である。

7 切迫性尿失禁の治療は膀胱の収縮を抑える薬物療法が有効である。

8 溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)は、尿道が開きにくいか、膀胱の筋肉の収縮力低下が原因で少量の尿が漏れ出てしまう状態である。

解答

2:○

3:○

4:○女性に多く、とくに中高年の女性に頻度の高い病気です。

5:○

6:○突然強い尿意を覚えることはあっても普通はこれを抑えることができますが、切迫性尿失禁の人はトイレまで我慢できず尿が漏れてしまいます。

7:○抗コリン剤や平滑筋弛緩剤などの薬物が使用されます。

参考2 尿失禁まとめ
(
)腹圧性尿失禁

くしゃみ、せき、笑い、階段の昇降、重い物を持つ、急いで走るなどの、腹部に圧力が加わった場合に尿がもれるものです。その大多数は出産を経験した経産婦に起こります。これは出産により骨盤底筋群が弛緩し(ゆるみ)、膀胱頚部(膀胱の下部)が下垂したために生じます。 

他の原因として、内因性尿道括約筋不全という尿道括約筋自体の機能障害による腹圧性尿失禁も少数にあり、男女を問わず起こるものですが、複雑になるため省略します。腹圧性尿失禁は治療できる病気であるという認識が不十分であり、恥ずかしさも加わって泌尿器科医を受診しない潜在患者は数多いと言われています。放置すると尿もれの頻度や量が増加し、手術的治療法以外に治療法がなくなります。またこの病気は頻尿や後述する切迫性尿失禁を伴なうことが多いのも特徴です。

()切迫性尿失禁

尿意を感じて、トイレで排尿するまでの間に尿がもれてしまうものです。この病気の場合、「オシッコがトイレまでもたない」という表現が聞かれます。高度の膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺炎、排尿筋反射亢進型の神経因性膀胱で生じる他に、明らかな膀胱の神経異常がなく膀胱の無抑制収縮が認められる不安定膀胱にも生じます。

()反射性尿失禁

脊髄損傷後などにみられるもので、随意に排尿するという意識下では排尿は全くなく、意志とは無関係に(不随意に)反射性の膀胱収縮により尿がもれるものです。これは損傷された脊髄部より上位(大脳側)の中枢からの排尿反射が遮断されて生じるものです。

()溢流性尿失禁(奇異性尿失禁)

高度の前立腺肥大症、排尿筋反射消失型の神経因性膀胱の末期状態にみられる(これらの病気の不完全な治療や放置した際に生じる)もので、尿をしようとする意志では排尿は全くなく、尿は俗っぽい表現で「たれ流し」の状態を言います。正常人の膀胱容量は約350cc〜500ccで、かなり我慢をしても1000cc以上になることは滅多にないですが、長い年月を経て徐々に排尿困難が進行した場合は、その多くは膀胱容量が2000cc〜3000cc、あるいはそれ以上となります。この際、膀胱に尿が2000cc〜3000cc貯留した場合でも苦痛のないのが一般的です。腎機能は極度に低下し(腎不全)、尿毒症となります。 

()全尿失禁

女性の場合は難産、男性の場合は前立腺の内視鏡的手術で尿道括約筋が損傷された場合に起こります。尿は膀胱内に全く残らず、すべての尿が意志のないままに排尿されている状態です。

()尿道外尿失禁

膀胱外反症、尿道上裂、尿管異所開口などの先天性疾患、婦人科手術後の膀胱腟ろうなどに生じるもので、持続的に尿がもれているものです。膀胱腟ろうとは、膀胱と腟の間に交通ができてしまい、腟から尿がもれるものです。


問題107 睡眠を促進するホルモンとして、正しいものを1つ選びなさい。(新出問題)
1 バソプレッシン
2 エストロゲン
3 メラトニン
4 インスリン
5 コルチゾール

解答
1:×バソプレッシンは下垂体後葉が分泌する神経ホルモンのひとつで 抗利尿ホルモン、血圧上昇ホルモンともいいます。
2:×エストロゲンは 妊娠に備えて子宮内膜を厚くしたり、女性らしい身体をつくったりする、女性にとって大切なホルモンです
3:○メラトニンは体内時計に働きかけ、覚醒と睡眠を切り替えて、自然な眠りを誘う作用がある「睡眠ホルモン」です。
4:×インスリンは、すい臓から出る体内ホルモンの一つで、血糖値を下げる働きをするほぼ唯一のホルモンです。
5:×副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスに敏感に反応して分泌量が増加しますので、ストレスホルモンとも呼ばれています。

問題108 Hさん(92歳、女性)は、老衰が進行して寝たきり状態にある。ここ1か月間経口摂取はごく少量で著しくやせて、肺炎も併発している。かかりつけの医師から家族に対して予後は1週間以内だろうという説明があり、こんまま自宅で看取(みと)る方針が家族との間で合意された。
介護福祉職がサービスを提供しているとき、Hさんが急変した場合に第一に相談すべき連絡先として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 かかりつけ医
2 警察
3 消防署
4 介護支援専門員(ケアマネジャー)
5 サービス提供責任者

解答
1:○下記参考を参照
2:×医療的相談はできません。
3:×医療的相談はできません。
4:×医療的相談はできません。
5:×医療的相談はできません。

参考:かかりつけ医
かかりつけ医とは、病気になったとき、真っ先に相談できる地域の医師のことです。 日頃の診察で病状や治療法についての詳しい説明を受ける他に、健康相談をしたり、各種保健・医療・福祉のサービスの提供や、必要に応じて適切な専門医や病院・医院の紹介をしてくれます。

第27回筆記試験
【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

 

問題97  記憶に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 短期記憶では、膨大な情報の貯蔵が可能である。

2 記憶には、記銘と保持と想起の3つの過程がある。

3 手続き記憶とは、自分に起こった出来事に関する記憶である。

4 エピソード記憶とは、一般的な知識についての記憶である。

5 記憶の処理は、中脳で行われる。

 

解答

1:×短期記憶とは、短期間保持される記憶です。

2:○

3:×手続き記憶は思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶です。

4:×エピソード記憶は、個々の経験・体験の記憶を指します。

5:×記憶はいったん脳の奥の海馬という部位に保存されます

(参考)記憶に関する過去問題の一部を掲載
問題

1 記憶は、保持時間の長さの違いから、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分けられる。

2 エピソード記憶とは過去にたいけんした喜怒哀楽や驚きにみちた出来事などを思い出して語ったりする記憶のことである。

3 エピソード記憶は、個々の経験・体験の記憶を指す。

4 短期記憶とは、短期間保持される記憶である、と定義されています。

5 手続き記憶は思考を介さずに獲得され再現される、物事の手順についての記憶。ピアノの弾き方、自転車の乗り方などがその例である。

解答

1:○感覚記憶は感覚刺激を感情情報の「まま保持する記憶のことをいいます。加齢に伴い、感覚器官が衰えてくるので感覚記憶の情報量は減ってきます。

2:○結婚したことや戦争体験を思い出す記憶のことをいいます。

3:○特に覚えておこうと思わなくても、自然に脳に蓄積されているのがこのエピソード記憶です。

4:○

5:○

問題98  関節運動とその主動作筋(主として働く筋肉)の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。(類似過去問題として出題済み)

1 肩関節外転 ―――――――――――― 上腕二頭筋

2 手関節屈曲 ―――――――――――― 上腕三頭筋

3 ()関節(かんせつ)屈曲(くっきょく) ―――――――――――― 腸腰筋

4 ()関節(かんせつ)伸展(しんてん)――――――――――――― 腹直筋

5 足関節伸展 ―――――――――――― 下腿(かたい)三頭筋(さんとうきん)

 

解答

1:×三角筋(中部)

2:×橈側手根屈筋

3:○主動作筋:腸腰筋(大腰筋、腸骨筋)   補助筋:大腿直筋、縫工筋、大腿筋膜張筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋

4:×大殿筋

5:×前脛骨筋
(参考)関節運動と主動作筋に関する過去問題(第16回国家試験)

問題 筋肉の収縮とそれに対応して起こる身体各部の運動に関する次の組み合わせのうち、誤っている者を一つ選びなさい。
1大腿四頭筋  →膝関節の伸展
2三角筋     →肩関節の外転
3上腕三頭筋  →肘(ちゅう)関節の伸展
4横隔膜     →胸郭(きょうかく)の縮小
5腸腰筋     →股(こ)関節の屈曲
解答 
1:○大腿四頭筋は膝関節の伸展を行う筋です。図のある参考書で確認してください。
2:○これは鎖骨と肩甲骨から上腕骨にある筋肉です。上腕の外転を行う筋肉です
3:○上腕の後ろにある筋肉です。肘関節の伸展をつかさどります。
4:×横隔膜は胸部と腹部を分けている筋肉で胸郭を広げることで肺に空気を送り込む働きをするものである。したがって間違い
5:○腸腰筋は股(こ)関節の屈曲させる働きをもちます。

 

問題99 糖尿病(diabetes mellitus)のある人の身支度の介護で、異変の有無について特に観察すべき部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1 毛髪

2 耳介

3 鼻腔(びくう)

4 手指

5 足趾(そくし)(指) 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○糖尿病により神経の障害があると 足趾(指)のしびれや痛みを生じます。

 

問題100  廃用症候群(disuse syndrome)として、正しいものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 筋肥大

2 高血圧

3 頻脈

4 (じょく)(そう)

5 躁病(そうびょう)(mania)

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○廃用性症候群は、治療を必要とする疾患によって安静臥床を余儀なくされている状況で、運動をしないこと、寝ていることで長時間を過ごすことにより生じます。廃用性症候群では下記の症状がおこります。↓


5:×

 

問題101  誤嚥(ごえん)を防止している部位として、正しいものを1つ選びなさい。

1 甲状軟骨

2 口蓋(こうがい)(すい)

3 (こう)頭蓋(とうがい)

4 口蓋扁(こうがいへん)(とう)

5 食道

 

解答

1:×

2:×

3:○食べ物が通る際には喉頭蓋というフタのようなもので気管の入り口が閉じられます。呼吸する際には気管に空気を通すためにこのフタは開いていますが、食べ物が通る際には肺へ落ちないようにフタをします。図↓参照


4:×

5:×

 

問題102 食事のたんぱく質制限が必要な疾患として、正しいものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 胃潰瘍(いかいよう)(gastric ulcer

2 尿毒症(uremia)

3 痛風(gout)

4 脂質異常症(dyslipidemia)

5 狭心症(angina pectoris)

 

解答

1:×胃潰瘍で注意が必要なことは @過食過飲。 A酒の飲みすぎ。 B甘い菓子のとりすぎ。 C刺激性食品のとりすぎなどです。 

2:○腎臓から排泄される老廃物(尿毒素)が体内にたまると、全身に様々な症状が出てきます。これらを総合したものが尿毒症で、慢性腎臓病、腎不全の終末像です。体を守り、しかも腎臓のはたらきを保持するにはタンパク質を抑え、エネルギーを確保するための工夫が必要となります。

3:×プリン体を多く含む食品などの制限や、水分を取ること、体重を減らすなどの対策が必要です。

4:×たんぱく質の制限は関係ありません。脂質異常の対処法→@偏らず「栄養バランスのよい食事」をとる。A. 摂取総エネルギー量を抑えて、適正な体重を保つ。 B. 飽和脂肪酸(おもに獣肉類の脂肪)1に対して不飽和脂肪酸(おもに植物性脂肪や魚の脂)を1.5〜2の割合でとる。 C. ビタミンやミネラル、食物繊維もしっかりとる。 E. 高コレステロールの人は、コレステロールを多く含む食品を控える。 E. 中性脂肪が高い人は、砂糖や果物などの糖質と、お酒を減らす。

5:×タンパク質、ビタミン、ミネラルなどを不足させないことが大切です。

 

問題103 入浴による静水圧の直接的な作用として、最も適切なものを1つ選びなさい。(類似過去問・解説等で出題済み)

1 毛細血管の拡張

2 関節への負担の軽減

3 下肢のむくみの軽減

4 体重による負担の軽減

5 老廃物の排泄(はいせつ)の促進

 

解答

1:×

2:×

3:○長時間、立ち仕事や座り仕事を続けていると、足が疲れてだるくなり、特にひざから下がむくむことがありますが、これは下半身に血液が下がって、流れが悪くなっているためです。このときは入浴時の静水圧が有効です。静水圧とは、水中の全方向から等しく水の重さがかかる圧力のことで、皮下の血管にも働く静水圧により、血液やリンパの流れを良くして循環器系の働きを活発にします。

4:×

5:×

 

問題104 弛緩性(しかんせい)便秘(べんぴ)の原因として、正しいものを1つ選びなさい。(類似過去問・解説で出題済み)

1 大腸の蠕動(ぜんどう)運動(うんどう)の低下

2 過敏性腸病症候群(irritable bowel syndrome)

3 自律神経の失調

4 排便反射の低下

5 大腸がん(colorectal cancer)

 

解答

1:○蠕動(ぜんどう)運動とは、腸が伸縮を繰り返し、便を肛門へと運ぶ動きのことです。 一般的な便秘の原因は、 この蠕動運動が弱くなっていることにあるといっても過言ではありません。

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題105 多尿の原因として、正しいものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 脱水

2 副交感神経優位

3 前立腺(ぜんりつせん)()大症(だいしょう)(prostatic hypertrophy)

4 ビタミンC(vitamin C)の過剰摂取

5 糖尿病(diabetes mellitus)

 

解答

1:×脱水では、尿量が減少します。

2:×副交感神経優位では尿意を感じることはありますが、多尿とは関係ありません。参考→交感神経が緊張すると「かっと目は見開き,喉はからからで血圧や脈拍は上昇し,お腹もすかないし尿意も催さない」というような状態に。副交感神経緊張状態では,その逆で血圧や脈拍は下降し,唾液が出たりお腹が鳴って空腹感を訴えたり尿意を感じたりします。

3:×前立腺肥大症の症状は、尿の勢いがない、尿がすぐ出ない、少ししか出ないなどです。

4:×過剰摂取では、お腹が張ったり、下痢を起こす原因になると考えられていますが、多尿は認められません。

5:○糖尿病では、血中ブドウ糖が増加し尿に漏れ出し、尿の浸透圧が上昇して尿量が増えます。

 

問題106 睡眠に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 ヒトは下垂体に体内時計がある。

2 抗ヒスタミン薬は覚醒(かくせい)作用(さよう)がある。

3 睡眠は深さよりも長さが重要となる。

4 レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。

5 最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。

 

解答

1:×下垂体ではなく、人の体内時計の中心は、脳の「視交叉(さ)上核」という部位にあります。

2:×覚醒作用はありません。抗ヒスタミン薬の副作用は、眠気をはじめとして、抗コリン作用からくる口渇、便秘、排尿困難などがあります。

3:×睡眠は長さよりも深さが重要となります。

4:×レム睡眠にはおよそ90分ごとに出現する周期があります。

5:○ノンレム睡眠はぐっすりと熟睡した状態の眠りです。

 

問題107 睡眠障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 入眠障害とは、眠りが浅く途中で何度も目が覚めることである。

2 レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は、早朝(そうちょう)覚醒(かくせい)の原因となる。

3 睡眠が不足すると、副交感神経が活発になる。

4 肥満は、睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)の原因となる。

5 周期性四肢運動障害は、睡眠中に大声の寝言や激しい動作を伴う。

 

解答

1:×何度も目が覚めるというものではなく、「ベッドに入ってもなかなか寝つくことができない」というのが入眠障害です。

2:×レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、夜になると出現する下肢を中心とした異常感覚により不眠、過眠を引き起こす病気です。

3:×睡眠不足が交感神経を活性化させます。

4:○肥満は、睡眠時無呼吸症候群の1つです。このほかに酒、タバコ、高血圧、糖尿病、高脂血症なども原因となります。

5:×周期性四肢運動障害は、睡眠中に手や脚の筋肉に瞬間的にけいれんが起こり、眠りが中断されるという睡眠障害です。

 

問題108  Fさん(72歳、男性)は数か月前から食欲不振があり、体重も減少した。市内の総合病院を受診したところ、末期の胃がん(gastric cancer)と診断され、緩和医療を受けることを勧められた。

Fさんの今の心情を、キューブラー・ロス(Kubler-Ross,E.)の提唱した心理過程の第一段階に当てはめた表現として、適切なものを1つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 「病気を治すためなら、財産を全部使ってもいい」

2 「なぜ私だけが病気になって、死ななければならないのか」

3 「診断は何かの間違いでとても信じられない」

4 「死は(だれ)にでも訪れる自然なことだから、受け入れよう」

5 末期がんなら、何をしてもどうせ無駄だ」 

 

解答

1:×

2:×

3:○下記参照

4:×

5:×

(参考)

第一段階:「否認と孤立」

病などの理由で、自分の余命があと半年であるとか三か月であるなどと知り、それが事実であると分かっているが、あえて、死の運命の事実を拒否し否定する段階。

それは冗談でしょうとか、何かの間違いだという風に反論し、死の事実を否定するが、否定しきれない事実であることが分かっているがゆえに、事実を拒否し否定し、事実を肯定している周囲から距離を置くことになる。

 

第二段階:「怒り」

拒否し否定しようとして、否定しきれない事実、宿命だと自覚できたとき、「なぜ私が死なねばならないのか」という「死の根拠」を問いかける。このとき、当然、そのような形而上学的な根拠は見つからない。 それゆえ、誰々のような社会の役に立たない人が死ぬのは納得できる、しかし、なぜ自分が死なねばならないのか、その問いの答えの不在に対し、怒りを感じ表明する。

 

第三段階:「取り引き」

しかし、死の事実性・既定性は拒否もできないし、根拠を尋ねて答えがないことに対し怒っても、結局、「死に行く定め」は変化させることができない。死の宿命はどうしようもない、と認識するが、なお何かの救いがないかと模索する。この時、自分は強欲であったから、財産を慈善事業に寄付するので、死を解除してほしいとか、長年会っていない娘がいる、彼女に会えたなら死ねるなど、条件を付けて死を回避の可能性を探ったり、死の受容を考え、取引を試みる。

 

第四段階:「抑うつ」

条件を提示してそれが満たされても、なお死の定めが消えないことが分かると、どのようにしても自分はやがて死ぬのであるという事実が感情的にも理解され、閉塞感が訪れる。 何の希望もなく、何をすることもできない、何を試みても死の事実性は消えない。このようにして深い憂うつと抑うつ状態に落ち込む。

 

第五段階:「受容」

抑うつのなかで、死の事実を反芻している時、死は「無」であり「暗黒の虚無」だという今までの考えは、もしかして違っているのかもしれないという考えに出会うことがある。あるいはそのような明確な考えでなくとも、死を恐怖し、拒否し、回避しうと必死であったが、しかし、死は何か別のことかも知れないという心境が訪れる。 人によって表現は異なるが、死んで行くことは自然なことなのだという認識に達するとき、心にある平安が訪れ「死の受容」へと人は至る。

 

第26回筆記試験(平成26年1月26日)

【こころとからだのしくみ】12問 97〜108問題

 

問題97  生理的欲求に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 経験や学習から獲得される欲求のことである。

2 ホメオスタシス(homeostasis)の働きによって制御される。

3 他者からの承認などの欲求である。

4 マズロー(Maslow, A.H)の欲求階層説では上位に位置する。

5 社会的・情緒的満足との関係が深い。   

 

解答

1:×

2:○ホメオスタシス」とは、もともと、生物有機体が常に生理学的にバランスのとれた状態を維持する傾向にあることを示す概念です。ホメオスタシスの制御は、自律神経系、内分泌系、免疫系において行われていますが、心理学において、生得的な1次的動因(生理的欲求)と考えられています。

3:×

4:×

5:×

 

問題98  ランゲルハンス島を有する臓器として、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 心臓

2 肝臓

3 腎臓

4 脾臓

5 膵臓   

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○ランゲルハンス島とは、膵臓の中でグルカゴンを分泌するα細胞(A細胞)、血糖量を低下させるホルモンであるインスリンを分泌するβ細胞(B細胞)、ソマトスタチンを分泌するδ細胞(D細胞)および膵ポリペプチドを分泌するPP細胞およびグレリンを分泌するε細胞の5種の細胞からなる細胞塊です。

 

問題99  心拍数が減少する要因として、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 精神的緊張

2 怒り

3 体温の上昇

4 睡眠

5 激しい運動   

 

解答

1:×精神的緊張で心拍数は増加します。

2:×心拍数は増加します。

3:×心拍数は増加します。

4:○

5:×心拍数は増加します。

 

問題100  唾液に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

 

1日に3Lほど分泌される。

2 小唾液腺には、耳下腺、舌下腺及び顎下腺がある。

3 唾液に含まれる水分は、50%程度である。

4 唾液には、消化酵素が含まれる。

5 唾液分泌中枢は、小脳にある。   

 

解答

1:×1日の分泌量 は 1 1.5L

2:×小唾液腺には ・口唇腺 (口唇粘膜中の混合腺)。 ・頬腺 (頬粘膜中にある混合腺)があります。

3:×99%が水分です。

4:○唾液の中には、消化酵素のアミラーゼが含まれています。アミラーゼは、糖質を分解し、体内に吸収しやすい状態にする酵素です。

5:×唾液分泌の中枢は延髄にあります。

 

問題101  皮膚に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

 1 表面は無菌である。

2 ビタミンB(Vitamin B)の産生にかかわる。

3 表面は弱酸性である。

4 表皮に汗腺がある。

5 エクリン腺は、体臭の原因となる。   

 

解答

1:×皮膚の表面にはかなり多くの微生物が存在しています。

2:×ビタミンD(ビタミン D3)は,日光(紫外線照射)に暴露することにより皮膚で合成されます。

3:○健全な皮膚表面は通常弱酸性に保たれています。

4:×汗腺は皮膚の 深い部分、脂肪組織からなる皮下組織に位置します。

5:×エクリン腺は、全身至るところに分布しています。エクリン腺から出る汗の成分は99%以上が水分なのでサラッとしていて、ほとんどにおいがしません。一方、アポクリン腺は、わきの下やおへその周り、耳・フ外耳道、乳首や性器、肛門の周りなど、体の一部にだけ分布しており、毛穴と出口を共有している大きな汗腺です。そこから、たんぱく質、脂質、糖質、アンモニア、プルビン酸、色素リポフスチン、鉄分などを含んだ、やや粘り気のある汗が出ます。アポクリン腺からの汗は、このように栄養たっぷりな上、塩分をほとんど含まないので、皮膚の常駐菌が繁殖しやすく、その発酵臭が独特の匂いやワキガ臭となります。

 

問題102  疾患に伴う歩行の特徴として、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 パーキンソン病(Parkinson disease)では、小刻み歩行がみられる。

2 筋委縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis : ALS)では、失調性歩行がみられる。

3 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type)では、小振り歩行がみられる。

4 変形性膝関節症(knee osteoarthritis)では、間欠性破行がみられる。

5 脊柱管狭窄症(spinal stenosis)では、動揺性歩行がみられる。   

 

解答

1:○パーキンソン病の主な症状は「手足がふるえる(振戦)」「筋肉がこわばる(筋固縮)」「動きが遅い(無動)」「バランスがとりづらい(姿勢反射障害)」の4つです。

2:×筋委縮性側索硬化症は筋肉を動かしにくくなったり、筋肉がやせてくる病気です。失調性歩行(ぎこちなく、まとまりのない歩行)はみられません。

3:×

4:×間欠性跛行は歩いているうちに下肢が痛んで正常に歩けなくなり、休息すると痛みがとれて歩けるようになる状態をいいます。動脈硬化などで下肢の血行障害があるときに起こるものです。変形性膝関節症の進行期では膝を動かしたり立って歩いたりするたびに硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを生じます。したがって間欠性破行はみられません。

5:×筋肉の病気では主に四肢の体幹に近い部分の障害が強いため、身体を左右に 振り ながら歩行します。この歩行を動揺性歩行といいます。脊柱管狭窄症が進むと、歩き続けると足のしびれや痛みが増して動けなくなる間欠跛行という歩行障害が起こります。

 

問題103  栄養素に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 糖質は、細胞質の主成分となる。

2 脂質は、ホルモン(hormone)の原料となる。

3 カリウム(K)は、血圧を上げる。

4 ビタミンA(Vitamin A)は水溶性である。

5 ビタミンE(Vitamin E)は、腸管からのカルシウム(Ca)の吸収を促進する。   

 

解答

1:×エネルギー源になる。中性脂肪に変えられて体内に貯められる。体の構成成分となる。

2:○脂質はエネルギー源となるほか、細胞膜などの構成成分や血液の成分となったり、ステロイドホルモンを合成したりします。

3:×カリウム(K)は血圧を低下させる作用があります。

4:×ビタミンA、ビタミンDビタミンEは脂溶性ビタミンです。

5:×ビタミンEは抗酸化作用で老化を防止。血管を拡張し血流を良くします。カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にするのはビタミンDです。

 

問題104  入浴を避けるべき状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

 

1 胃ろうカテーテル留置

2 全介助

3 褥瘡

4 食事の直後

5 尿道カテーテル留置   

 

解答

1:×瘻孔や胃瘻カテーテルを保護する必要はなく、そのまま入浴・シャワーをしてかまいません。

2:×入浴可能です。全介助用の入浴機器もあります。

3:×褥瘡には皮膚の清潔が必要であり、入浴によって血行促進も期待できます。

4:○食後にすぐ入浴すると、血行が良くなり胃や腸に血液が集まらず消化不良になってしまいます。食事の前後は、30分以上あけての入浴が望ましいです。

5:×浴槽に入れば感染リスクは生じると思いますので入浴はさけるべきと思いますが、消去法により「4 食事の直後」が最も適切と考え5:×、4:○としました。

 

 

問題105  認知症(dementia)の人によくみられる排尿障害として、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 溢流性尿失禁

2 腹圧性尿失禁

3 心因性頻尿

4 切迫性尿失禁

5 機能性尿失禁   

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○機能性尿失禁は膀胱や尿道などの排尿器官、排泄をコントロールする脳・神経系統には問題がありませんが、心身の障害によって、トイレでの排泄動作ができないためにモレてしまうものです。

機能性尿失禁には2つの原因があります。

1) 運動機能の低下により、手足が自由に動かない。→ 脳卒中の後遺症、骨折、関節リウマチなどによるものです。

2) 判断力の低下により、排泄をどこでどのようにしたらいいかわからない。→痴呆症によるものです。

 

問題106  高齢者の睡眠の特徴として、適切なものを1つ選びなさい。

 

1 夜間の睡眠時間が長くなる。

2 ノンレム睡眠の時間が増える。

3 中途覚醒が多くなる。

4 眠りが深くなる。

5 早朝覚醒が少なくなる。   

 

解答

1:×

2:×

3:○高齢者は睡眠が浅くなり、中途覚醒や早朝覚醒が増加します。

4:×

5:×

 

問題107  終末期において、死亡直前にみられる身体の変化として、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 筋肉の硬直

2 皮膚の死斑

3 尿量の減少

4 関節の硬直

5 角膜の混濁   

 

解答

1:×

2:×

3:○一般的には尿が出にくくなり、むくんできます。足や手にでやすいのですが、やがて全身にむくみがでます。そして呼吸はだんだん浅くなり、下顎呼吸となります。

4:×

5:×

 

問題108  Hさん(75)は、妻と二人暮らしであったが、最近、妻が亡くなった。その後、Hさんは親戚や知人とも会わずに、自室にこもっていることが多くなった。また、夜間は妻が使っていたタンスの前に座ったり、台所で妻の好きだった食器を出したりして家の中をうろうろしている。妻と死別後のHさんの夜間の行動を説明する悲嘆反応として、適切なものを1つ選びなさい。

 

1 探索行動

2 否認

3 敵意

4 無関心

5 恐怖 

 

解答

1:○「夜間は妻が使っていたタンスの前に座ったり、台所で妻の好きだった食器を出したりして家の中をうろうろしている。」との記述から「探索行動」

2:×

3:×

4:×

5:×

参考

 死 別 

  ↓

心の麻痺 {ショック、死の事実の否認、悲嘆の苦痛発作}

(急性期)

  ↓

切望の段階 {憂うつ感、悲哀感}

 ↓

混乱と絶望の段階 

{憂うつ感、悲哀感、罪悪感、怒り、睡眠障害、悪夢、身体症状、

 社会からの引きこもり、故人の探索行動、追慕、切望}

 

 ↓                        ↓ 

回復の段階             ← 長期慢性化

{故人なしでの人生設計、         {引きこもり、家庭内の不和、

   生きがい、社会的役割の発見}      悲嘆反応の長期化}

                          ↓

                       持 続

 

第25回筆記試験問題

【こころとからだのしくみ】(12問)

 問題97 Fさん(82歳、女性)は、娘夫婦や孫と暮らしていた。もともと穏やかな性格であったが、1年前に夫を亡くしてからは、ふさぎ込むことが多くなった。半年前に自宅で転倒して大腿骨を骨折した。それ以来、自立歩行ができなくなり、介護老人福祉施設に入所した。その後、周囲の人に「死にたい」と、もらすようになった。
 Fさんの精神状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 不安神経症(anxiety neurosis
2 ストレス反応(stress reaction
3 認知症(dementia
4 恐怖症(phobia
5 抑うつ状態(depressive state

解答
1:×不安神経症は漠然とした恐怖感を持つもので、 落ち着かない心理状態となり; 脱力感・ふるえ・めまい・動悸・呼吸困難・不眠・尿意頻数などが起こります。
2:×ストレス反応としては、活気のなさ、いらいら、疲労感、不安、気持ちの落ち込みなどが表れやすくなります
3:×認知症の中心となる症状とは「記憶障害」や「判断力の低下」などで、必ずみられる症状です。周辺の症状は人によって差があり、怒りっぽくなったり、不安になったり、異常な行動が

みられます。Fさんの精神状態からすると認知症とはいえません。
4:×恐怖症は、その病名通り、恐怖の対象に接すると、強い不安、恐怖が生じます。Fさんには恐怖の対象となるものがありませんから恐怖症と判断できません。
5:○抑うつ状態になると、ふさぎ込んだり、自分を責めたり、悲観的な話をしたりします。

問題98 若いときに習得した技術や技能の記憶は、高齢になっても長く保存されていることが多い。この記憶として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 手続き記憶
2 意味記憶
3 エピソード記憶
4 短期記憶
5 感覚記憶

解答
1:○手続き記憶は比較的保たれる長期記憶の一種ですが、技能や手続き、ノウハウなどを保持する記憶です。
2:×意味記憶」は 長期記憶の中でも、言葉とその意味を結びつけている記憶のことをいいます。
3:×エピソード記憶とは、「昨日、2時間も図書館で勉強した」というように特定の時間的・空間的文脈(いつ・どこで)のなかに位置づけることのできる出来事(エピソード)に関する記憶です。
4:×短期間保持される記憶のことです。
5:×感覚記憶とは視覚、聴覚、触覚、嗅覚の感覚などの感覚体験の記憶をいいます。

問題99 関節の運動と筋の収縮に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 膝関節の伸展は、大腿二頭筋の収縮によって起こる。
2 股関節の伸展は、大腿四頭筋の収縮によって起こる。
3 足関節の背屈は、下腿三頭筋の収縮によって起こる。
4 手関節の背屈は、上腕二頭筋の収縮によって起こる。
5 肘関節の伸展は、上腕三頭筋の収縮によって起こる。

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○

問題100 動脈血が流れている部位として、正しいものを1つ選びなさい。
1 右心室
2 右心房
3 三尖弁
4 肺動脈
5 左心房

解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○下記の図は覚えておきましょう。何度も試験にでています。

問題101 次の骨折(fracture)のうち、高齢者の転倒による骨折(fracture)として、最も少ないものを1つ選びなさい。
1 上腕骨近位端骨折(fracture of upper end of humerus
2 橈骨遠位端骨折(fracture of lower end of radius
3 脊椎圧迫骨折(compression fracture of spine
4 大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture
5 骨盤骨折(pelvic fracture

解答
1:×下記参考参照
2:×橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたいこっせつ)は手首部位の骨折です。比較的多い骨折です。
3:×下記参考参照
4:×大腿骨頸部骨折とは、股関節(足の付け根の部分)の中で大腿骨の骨頭を支える頸(くび)の部分の骨折です
5:○転倒による骨折としては稀なものです。

 

参考:高齢者の転倒による骨折は、転倒によって外力を受けやすい部位(股関節・手首・肩関節・脊椎など)に多くみられます。

問題102 胃ろうとその造設に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 開腹手術が必要である。
2 終生使用しなければならない。
3 ボタン型は自己抜去しにくい。
4 バルーン型は壊れにくい。
5 口からの食物摂取はできなくなる。

解答
1:×必要としません。
2:×胃ろうの必要性がなくなれば取り外し可能です。
3:○ボタンタイプの特徴

@栄養投与時にチューブを使用するので、チューブが取り外して洗え衛生的である

A栄養投与時以外にはチューブがついていないため、リハビリなどで邪魔にならない。また洋服の中に隠れるので外からわかりにくい

B栄養投与時にチューブを接続する場合、介護される方には煩雑である
4:×バルーン型の特徴

@交換しやすい

A壊れやすく、交換の時期が短い

B週に1回はバルーン内の蒸留水の入れ替え作業が必要

C事故抜去が起こりやすい
5:×口からの摂取も可能です。

問題103 次の疾患のうち、栄養管理が必須であるものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer's type
2 関節リウマチ(rheumatoid arthritis
3 慢性胃炎(chronic gastritis
4 慢性腎不全(chronic renal failure
5 うつ病(depression

解答
1:×
2:×
3:×
4:○慢性腎不全は、腎機能が低下し始めた頃から栄養管理が必要となってきます。栄養管理のポイントは、カロリーを十分とる、蛋白質の制限、塩分制限、カリウム・リンの制限、適切な水分量をとるなどです。
5:×

問題104 次の皮膚疾患のうち、真菌(カビ)が原因で起こるものを1つ選びなさい。
1 疥癬(scabies
2 帯状疱疹(herpes zoster
3 膿痂疹(impetigo
4 白癬(tinea
5 老人性掻痒症(pruritus senilis

解答
1:×疥癬はヒゼンダニによっておこる感染症です。
2:×帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です

3:×膿痂疹(のうかしん)のほとんどが黄色ブ菌を原因菌としています。

4:○白癬(水虫)は水虫を白癬菌(はくせんきん)というかび(真菌の一種)が原因となります。この菌は湿度70%以上、温度15℃以上になると活発に増殖を開始します。
5:×皮膚の乾燥によりかゆみがでる病気です。

問題105 Gさんは、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左上下肢に麻痺があり、車いすで生活している。訪問介護員(ホームヘルパー)がGさんの入浴の介護のために訪問したところ、仙骨部の皮膚が赤くなっていることに気付いた。皮膚にびらんは認められない。痛みも特に感じないという。
 Gさんの入浴の介護の注意点として、適切なものを1つ選びなさい。
1 入浴は中止する。
2 入浴時間を短縮する。
3 入浴は行い、変色した部分をこすらず洗い流す。
4 入浴は行い、変色した部分をマッサージする。
5 入浴は行い、変色した部分に湿布を貼る。

解答
1:×入浴は血行をよくするので褥瘡予防になります。
2:×入浴時間を短縮する意味がありません。
3:○仙骨部の皮膚が赤くなるのは褥瘡の前触れです。こすると皮膚を痛め悪化するので洗い流すのは最も効果的です。
4:×赤くなってる部分をマッサージは皮膚を痛め、褥瘡を悪化させます。マッサージするなら褥瘡ができる前に予防として行うことが大切です。
5:×使用時に発赤があるときはさらに悪化することがあるので使用しないほうがいいです。

問題106 便秘の原因となるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 スポーツドリンク
2 経管栄養剤
3 レモンジュース
4 麻薬性鎮痛剤
5 インスリン製剤

解答
1:×
2:×
3:×
4:○麻薬系鎮痛剤のほかに一般的な鎮痛剤、抗うつ剤なども便秘の原因となります。
5:×

問題107 「急に強い尿意を感じて我慢できなくなる」という症状の原因として、正しいものを1つ選びなさい。
1 尿を出す機能の障害
2 尿をためる機能の障害
3 腹部の筋収縮の低下
4 下肢の筋力の低下
5 腎臓の機能の障害

解答
1:×
2:○このような障害を「過活動膀胱」といいます。膀胱には、腎臓で集められた水分と体内の老廃物を尿として保持する機能があり、膀胱が一定の大きさに達すると、尿意を脳に伝えて排尿を行うはたらきがあります。過活動膀胱では、尿をためる機能の障害のために、膀胱が大きさに関係なく尿意を発生しやすくなり、頻尿が起こります。
3:×
4:×
5:×

問題108 不眠の原因となるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 イソフラボン(isoflavone
2 カフェイン(caffeine
3 カルシウム(Ca
4 ビタミンA(vitamin A
5 メラトニン(melatonin

解答
1:×
2:○眠くなったらコーヒーやお茶を呑んで眠気をさますことができるのは、カフェインのおかげですね。でも、眠気が覚めると不眠の原因にもなってしまいます。
3:×
4:×
5:×

 

第24回筆記試験問題

【こころとからだのしくみ】(12問)

 

問題97 マズロー(Maslow,A.H.)の欲求階層説に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 承認欲求は生理的欲求である

2 最下層にあるものは自己実現の欲求である
3 欲求を4段階に分類している
4 所属・愛情の欲求は最上層の欲求である
5 安全欲求は欠乏欲求である

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○

参考

人間の欲求は,5段階のピラミッドのようになっていて,底辺から始まって,1段階目の欲求が満たされると,2段階、3段階と1段階上の欲求を志すようになるというものです。

人間の欲求の1段階→生理的欲求:人間が生きる上での衣食住等の根源的な欲求

人間の欲求の2段階→安全の欲求:人間が生きる上での衣食住等の根源的な欲求

人間の欲求の3段階→親和の欲求:他人と関りたい,他者と同じようにしたいなどの集団帰属の欲求

人間の欲求の4段階→自我の欲求:自分が集団から価値ある存在と認められ,尊敬されることを求める認知欲求

人間の欲求の5段階→自己実現の欲求:自分の能力,可能性を発揮し,創造的活動や自己の成長を図りたいと思う欲求

 

問題98 介護老人保健施設に入所しているGさん(78,女性)は上品で化粧も上手で、入所している人から関心を持たれていた。訓練の際にも入所者から励まされ、どうにか伝い歩きができるようになっていた。そこへ車いすのHさん(75,女性)が新しく入所してきた。Hさんは裕福な家庭で、家族の来訪の際には入所者へのプレゼントもあり、入所者の関心はHさんに移ってしまった。するとGさんは伝い歩きをしなくなり、失禁までするようになった。

Gさんの適応機制(防衛機制)として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 逃避

2 同一化(同一視)
3 退行
4 昇華
5 抑圧

 

解答

1:×

2:×

3:○防衛機制(適応機制)の退行とは、たえがたい事態に直面したとき、発達の未熟な段階にあともどりして自分を守ろうとする機制です。Gさんはいままで入所者の関心が自分にあったのにHさんに皆の関心が移ったことで耐えられなくなり自分の前生活史の失禁行為をしてしまったと考えられます。

4:×

5:×

 

 

問題99 血液中において酸素の運搬を行っている成分として、正しいものを一つ選びなさい。

1 血しょう

2 血小板

3 赤血球

4 白血球

5 リンパ球

 

解答

1:×血漿(血しょう)は、血液の血球成分を除去したものです。

2:×血小板は血液 に含まれる細胞 成分の一種で血管が損傷した時に集合してその傷口をふさぎ(血小板凝集)、出血を止める作用を持ちます。

3:○ヘモグロビンは、血液中に存在する赤血球の中にあるタンパク質であるが、酸素分子と結合する性質を持ち肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っています。

4:×白血球は、体内に細菌や異物が進入すると、それらを自分の中に取り込み、消化分解しています。したがって、体内に細菌や異物が進入して炎症を起こすと白血球が盛んにつくられ、血液中に白血球が増えます。

5:×リンパ球は体内にウイルスなどの異物が侵入してくると、これを「抗原」と認識し、抗原の活動を邪魔する「抗体」を作って捕まえます。

 

 

問題100 老化に伴う口腔・嚥下機能の変化として、正しいものを一つ選びなさい。

1 唾液分泌量が増加する

2 味蕾の数は変わらない

3 嚥下反射が亢進する

4 咀嚼力は変わらない

5 舌の動きが低下する

 

解答

1:×下記の参考を参照してください。

2:×

3:×

4:×

5:○

 

参考

高齢者は、加齢とともに歯が欠損し、舌の運動機能が低下、咀嚼(そしゃく)能力が低下し、唾液の分泌も低下、口腔感覚の鈍化、塩味に対する味覚の低下などが生じて、咽頭への食べものの送り込みが遅れるような口腔での問題が生じます。

 

問題101 I A D L (Instrumental Activities of Daily Living;手段的日常生活動作)に含まれる項目として、正しいものを一つ選びなさい。

 

1 洗面

2 更衣

3 移乗

4 洗濯

5 友人との付き合い

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○手段的日常生活動作には買い物や洗濯、掃除等の家事全般や、金銭管理や服薬管理、外出して乗り物に乗ること等で、最近は、趣味のための活動も含むと考えられるようになってきています。「友人との付き合い」は手段的日常生活動作に含まれません。

5:×

参考
手段的日常生活動作とは、電話の使い方、買い物、洗濯、家事、移動、外出、服薬の管理、金銭の管理など、 日常生活動作 (ADL: activity of daily living)ではとらえられない高次の生活機能の水準を測定するものです。

問題102 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)に見られる歩行として、正しいものを一つ選びなさい。

1 小刻み歩行

2 間欠性跛行

3 失調性歩行

4 すくみ足歩行

5 加速歩行

 

解答

1:×

2:×

3:○脊髄小脳変性症では、歩行時にふらついたり(体幹動揺、失調性歩行)、手足の動きがぎこちなくなり、言葉が不明瞭になります。

4:×

5:×

 

参考

脊髄小脳変性症 (せきずいしょうのうへんせいしょう)は、運動失調を主な症状とする 神経疾患で歩行時のふらつきや、手の震え、ろれつが回らない等を症状をおこします。

 

問題103 長期臥床により生じやすい症状・疾患として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 無尿

2 心機能亢進

3 下痢

4 肺炎(pneumonia)

5 貧血(anemia)

 

解答

1:

2:

3:

4:○長期臥床により廃用症候群になると、摂食・嚥下障害が 引き起こされ誤嚥性肺炎発症の リスクが高まります。

5:

 

 

問題104 Jさん(80,女性)は腰椎圧迫骨折(lumbar compression fracture)のため2週間入院し、10日前に退院した。症状は軽快し現在はコルセットを使用しており、腰痛もない。ほかに持病はなく日常生活は自立している。近所に住む娘から「昼間の様子を見に行くと、いつも横になっている」と相談を受けた。Jさんに対して、特に廃用症候群(disuse syndrome)の予防のために行う介護職のアドバイスとして、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 日中の休養は座位でとるようにする

2 食事の量を制限して体重を減らす

3 鎮痛剤を多めに服用する

4 病院に再入院を依頼する

5 ポータブルトイレを利用する

 

解答

解答

1:○寝るばかりでなく日中は座位をとることが褥瘡の予防となります。

2:×褥瘡予防には食べて栄養をとることが大切です。

3:×問題文に「症状は軽快し現在はコルセットを使用しており、腰痛もない」との記述があるので鎮痛剤の服用は必要ないのでは。

4:×問題文に「腰痛もなく、ほかに持病はなく日常生活は自立している」との記述があるので病院への再入院の必要はありません。

5:×

 

問題105 摂食・嚥下に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 先行期は認知機能の影響を受ける。

2 準備期では食塊を咽頭に送り込む。

3 口腔期の食塊の移送は口唇で行う。

4 咽頭期は鼻腔が開放して始まる。

5 食道期は随意的な運動で行われる。

 

解答

1:○先行期は認知期とも言われています。つまり、これから摂食する食物の性状を認知することにより、食べ方・唾液分泌・姿勢といった摂食に必要な準備を整えます。

2:×以下は下記参考を参照のこと。

3:×

4:×

5:×

 

参考

摂食・嚥下の過程は5つに分けられます。

@先行期→何をどのくらい、どのように食べるかを判断する時期。

A準備期→食物を口に取り込み、咀嚼し、唾液と混ぜて飲み込み易いように食塊をつくる時期。

B口腔期→食塊を舌によって口からのどへ送り込む時期。

C咽頭期→食物をのどから食道へ送り込む時期。

D食道期→食塊を食道内から胃へと送り込む時期。

 

問題106 42度以上の高温による入浴が身体に与える影響として、正しいものを一つ選びなさい。

1 心拍数が減少する

2 血圧が低下する

3 筋肉が収縮する

4 腸の動きが活発になる

5 腎臓の働きが促進される

 

解答

1:×心拍数は増加します。

2:×入浴直後は皮膚への温度刺激で交感神経が刺激され、さらに血圧が上がります。

3:○下記参考を参照してください。

4:×下記参考を参照してください。

5:×下記参考を参照してください。

 

参考

42度以上の高温では、熱による刺激によって、交感神経が緊張した状態になります。その結果、心拍が増え、血圧は上昇し、呼吸は促進され、消化管運動は抑制され、発汗が促されます。 逆に、39度以下の低温では、交感神経の緊張が解かれ、副交感神経優位になります。その結果、心拍は減り、血圧は下がり、胃腸の動きが活発となり、体の緊張が解かれ、鎮静効果が得られます。

 

問題107 睡眠に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 睡眠時間が長ければ長いほど健康的である。

2 レム睡眠は30分ごとに繰り返し出現する。

3 抗ヒスタミン薬は覚醒作用がある。

4 最も深い眠りの段階はノンレム睡眠である。

5 ヒトは松果体に体内時計がある。

 

解答

1:×睡眠時間は長くても短くても病気になりやすく、寿命が短くなることが分かっています。大切なのは長さではなく睡眠の質です。

2:×下記参考参照 30分ではなく90分サイクル

3:×抗ヒスタミン薬は中枢神経系に作用して眠気を引き起こします。

4:○下記参考参照

5:×124時間の生活に調節する体内時計はどこにあるのかというと、視交叉上核(しこうさじょうかく)といって視床下部にある神経細胞にあります。ここが光を感じると松果体に信号を送ります。松果体からはメラトニンという睡眠を誘うホルモンが分泌されます。

 

参考

ヒトは眠っている間にレム睡眠とノンレム睡眠を周期的に繰り返していますレム睡眠は浅く呼吸をして、眼球が活発に働いている状態のことをいいます。ノンレム睡眠は深い寝息で眠っている状態のことです。このとき脳は活動を低下させ、休息しています。ノンレム睡眠とレム睡眠がセットになり、おおよそ90分のサイクルを何回か繰り返していることがわかっています。

 

 

問題108 キューブラー・ロス(Kübler-Ross,E.)が示した終末期にある人の心理の過程として、正しいものを一つ選びなさい。

1 悲観

2 怒り

3 卑屈

4 悟り

5 平安

 

解答

1:×

2:○下記の参考を参照してください。

3:×

4:×

5:×

 

参考

キューブラーロスの「死の受容への五段階」

@否認→ A怒り→ B取引→ C抑うつ→ D受容

@否認→自分自身の病を否定する気持ち  

A怒り→病気になった自分や周囲に対して怒りの感情を持つ。「なぜ自分が…」

B取引→神に変わる対象に対して取引を行う。「もし病気が治るなら自分の人生を社会に役立てたい」

C抑うつ→気分の落ち込み、食欲不振、不眠、絶望

D受容→自分自身の死を受け入れる

 

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