第35回試験用出題基準別ノンストップ問題

人間の尊厳と自立

1人間の尊厳と自立1)人間理解と尊厳→○人間の多面的理解

問題

1 障害者基本法の第3条では「すべて障害者は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する」とし人間の尊厳についての理念を示したものになっている。

2 「自立」とは心身の障害等によって生活支障を生じている人の生活自立のことをいう。

3 「介護保険法」の第2条では「保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない」としている。

4 「社会福祉法」の第3条では福祉サービスの基本理念が、また第5条では社会福祉サービス提供の原則が示されている。

5 「障害者総合支援法」では、すべての国民は、障害者等が自立した生活が営めるような地域社会の実現に協力するよう努めなければならないと、規定している。

6 「障害者総合支援法」では「この法律において「障害者」とは、身体障害者福祉法第四条 に規定する身体障害者、知的障害者福祉法 にいう知的障害者のうち十八歳以上である者及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第五条に規定する精神障害者(知的障害者福祉法にいう知的障害者を除く。以下「精神障害者」という。)のうち十八歳以上である者をいう。」と規定されている。

7 「高齢者虐待防止法」(平成18年4月施行)では養護者による高齢者虐待防止、養護者に対する支援を定めるとともに介護施設従事者等による高齢者虐待防止についても定められている。

8 「日本国憲法」では第25条で生存権を規定している。

12 世界史のうえで、最初に生存権を憲法に掲げたのは、ドイツのワイマール憲法であるといわれている。

14 世界人権宣言の第22条では「すべての人は社会の一員として、社会保障を受ける権利を有し、かつ、国家的努力及び国際的協力により、また、各国の組織及び資源に応じて、自己の尊厳と自己の人格の自由な発展とに欠くことのできない経済的、社会的及び文化的権利を実現する権利を有する」と規定している。

 

解答

1:○人間の尊厳とは人間が個人として尊重されることを意味していますが、この理念が障害者基本法の条項の中にも反映されています。

2:○高齢、病、障害等によって体が不自由になり、日常生活に支障を生じている人々の自立のことをいいます。

3:○

4:○

第三条  福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身ともに健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとして、良質かつ適切なものでなければならない。

第五条  社会福祉を目的とする事業を経営する者は、その提供する多様な福祉サービスについて、利用者の意向を十分に尊重し、かつ、保健医療サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図るよう創意工夫を行いつつ、これを総合的に提供することができるようにその事業の実施に努めなければならない。

5:○

6:○「障害者総合支援法」による障害者の定義です。頭に入れておいてください。

7:○
8:○日本国憲法第25条には以下のことが書かれています。「すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面については、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」・・ここで書かれている「健康で文化的」とはいわゆる生存権を示しています。

12:○

14:○世界人権宣言の「自己の尊厳と自己の人格の自由な発展」は社会生活において人間の尊厳が保持されるためには、一人一人の人間が社会的に自己の能力を十分に活かす機会とそのための環境が用意されるべきであることを意味します。

2介護における尊厳の保持・自立支援1)人権と尊厳→○権利擁護・アドボガシー○人権尊重○身体的・精神的・社会的な自立支援

問題

1 虐待の一つである「ネグレスト」とは介護の放棄等のことである。

2 地域包括支援センターでは、高齢者の虐待防止、悪徳商法に対する権利擁護に関しての支援を行っている。

3 介護福祉士には専門職として利用者の権利を擁護する姿勢が求められる。

4 介護保険法の施行にあわせ、介護施設での身体拘束が禁止された。

5 自立生活運動(IL運動)はアメリカで始まった運動で、障害者であっても自分の判断で生活を管理し主体的に生きていこうとするものである。

6 アドボガシーとは援助過程において援助者が、利用者の権利を擁護するための活動である。

7 アドボガシーとは代弁や権利擁護の意味で用いられる。

8 エンパワメントとは利用者やその集団、コミュニティなどが自らの力を自覚して行動できるよう、サポートすることをいう。

9 エンパワメントアプローチとは、利用者の持っている力に着目し、その力を引き出して積極的に利用・援助することをいう。
10 インフォームド・コンセント( informed consent)とは説明を受け納得したうえでの同意という意味である。

11 ストレングス(strength)とは援助を要する者がもっているプラス面の強みのことである。

12 パターナリズム(paternalism)とは強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することである。

13 すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指す、「障害者差別解消法」(平成25年6月)が制定した。
14 留岡幸助は日本の社会福祉の先駆者で、感化院(現在の児童自立支援施設)教育を実践。北海道家庭学校の創始者として知られる。

15 山室軍平は救世軍の創設にかかわり,廃娼運動や禁酒運動などの活動に貢献した。

16 石井十次は日本で最初の「岡山孤児院」を創設して、生涯を孤児救済に捧げた。また石井亮一は日本で最初の障害児施設である「滝乃川学園」を創設した。

17 生江孝之は「社会事業の父」とよばれている。 『社会事業綱領』の著書がある。

18 岡山県知事の笹井信一は現在の民生委員制度の基礎となった「済世顧問制度」を創設した

19 横山源之助は明治期に活躍したジャーナリストで 代表作「日本の下層社会」という著書がある。

20 糸賀一雄は近江学園の設立者であり、「この子 らを世の光に」と唱えた言葉は有名である。

21 井上友一は内務官僚として感化救済事業を推進した。(注釈:感化救済事業というのは、明治政権下における内務省が明治41年から大正中期まで行政用語. として用いた救済事業の呼称です)


解答

1:○介護や放棄や放任によって、安全や快適な状態が確保されなくなります。

2:○最近、お年寄りをねらった悪徳商法が増えています。「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」などもその例です。

3:○寝たきりの高齢者や認知症の高齢者、障害者は、自己の権利を行使できずに権利が侵害されていることが多々あります。それらに対して、介護福祉士は権利行使できるよう側面的に支援し代弁することが求められています。

4:○原則禁止されました。具体的には車いすやベッドに身体をひもで縛るなどの行為などです。

5:○アメリカカリフォルニア州の重度の障害がある学生たちが中心になって、バリアフリー化や生活支援などの運動が展開されました。

6:○アドボカシー(権利擁護):援助の過程で利用者の利益を図り、生活の質を向上させる為主張や代弁を行い、権利を擁護する活動です。

7:○介護職にも利用者の権利を代弁する役割があります。

8:○言い換えれば、その人が本来持っている力を内から引き出せるように援助することです。

9:○援助技術のなかで、ソロモンが提唱しているものです。

10:〇

11:〇

12:〇
13:〇

14:○日本の社会福祉の先駆者で、非行少年を対象とした感化院(現在の児童自立支援施設のこと)を設立しました。 北海道家庭学校の創始者としても知られています。

15:○山室軍平はキリスト教者であり救世軍の創始者でもあります。身売りされた女性を助けるための「廃娼運動」は有名ですから覚えておきましょう。「廃娼運動」とは国家が女性を売春婦として稼ぐことを許可する公娼制度を撤廃しようとする運動のことです。

16:○石井十次は日本で最初に孤児院を創設した人物です。孤児院の名前は「岡山孤児院」。児童福祉の父と言われています。東京に日本はじめての障害児施設がつくられましたが「滝の川学園」とキリスト信者の石井亮一の名は記憶しておきましょう。

17:○生江孝之の名は「日本社会事業の父」として広く知られていますが『社会事業綱要』をつくったことで有名です。

18:○民生委員制度のもとになった済世顧問制度は岡山県知事の笹井信一が創設しました。

19:○明治期に活躍したジャーナリストです。みずから歩いて社会調査をおこない、都市の底辺ではたらく人々の暮らしの実態を浮き彫りにして問題をなげかけましたが、これを題材にして『日本之下層社会』を書き上げました。 ...

20:○糸賀一雄は日本ではじめての知的障害児施設近江学園をつくりました。映画化もされましたが、「この子らを世の光に」という言葉は有名です。

21:○内務官僚であった井上友一は、子供を対象とした感化救済事業を推進しました。

2介護における尊厳の保持・自立支援1)人権と尊厳→〇ノーマライゼーション(介護の基本と共通)

問題
1 ノーマライゼーションとは一般的には、障害者や高齢者など社会的に不利を受けやすい人々が、社会の中で他の人々と同じように生活し、活動することが社会の本来あるべき姿であるという考え方をいう。

2 ノーマライゼーションの理念はバンク・ミケルセン(デンマーク)が知的障害者のためにできるだけ正常に近い生活を提供しようとする発想から始まった。

3 ノーマライゼーションとは,障害のある人たちが一人の市民として普通に生活できるように,社会の仕組みを変えていくことである。

4 ノーマライゼーションの理念は,我が国の障害者福祉の基本的理念として,障害者基本法の目的の中に取り入れられている。

5 ニィリエ(Nirje,B.)(我が国ではニルジェともいう)は,ノーマライゼーションを具体化する原理を整理した。

6 ノーマライゼーションの理念は,障害者や高齢者を特別な人として扱うのではなく,生活を通常の市民生活に近づけることを目標としている。

7 ノーマライゼーションとは,障害をもつ人たちを訓練して,正常な状態にすることである。

8 ノーマライゼーションは,知的障害者に関する福祉理念であって,身体障害者とのかかわりはない。

9 ノーマライゼーションの理念は,1950年代にデンマークで提唱されたもので,当時の身体障害者の施設処遇に対する厳しい批判に基づいている。

10 ノーマライゼーションの思潮と軌を一にして,欧米を始めとする多くの国で,障害児教育の統合化や障害児・者施設の小規模化が進んできた。

11 ノーマライゼーションの意味は,障害のある人たちを一人の市民として地域で普通に生活できるように社会の仕組みを変えていくということである。

12 1981年の国際障害者年のメインテーマであった「完全参加と平等」は,ノーマライゼーションの理念に基づくものである。

13 ノーマライゼーションの理念は,我が国の障害者福祉の基本的理念として,障害者基本法の目的の中に取り入れられている。

 

解答
1:○発端は1950年代、デンマークの知的障害者の親の会が、巨大な知的障害者の施設(コロニー)の中で多くの人権侵害が行われていることを知り、この状況を改善しようという運動からスタートしました。

2:○ノーマライゼーションの理念は、デンマークの知的障害者の職員バンク・ミッケルセンが「ノーマライゼーション」という言葉を世界にむけて発信。その後デンマークやスウェーデンの知的障害者の親の運動へと発展していきました。

3:○ノーマライゼーションとは、障害者や高齢者など社会的に不利を受けやすい人々(弱者) が、社会の中で他の人々と同じように生活し、活動することが社会の本来あるべき姿であるという考え方です。

4:○平成512月に障害者基本法という法律ができ、その法律の基本理念として、ノーマライゼーションが取り入れられています。

5:〇ニィリエ(ニルジェ)はノーマライゼーションの原理に基づいて、それを具体化する8つの原理を提示しました。

6:○

7:×障害者や高齢者を特別な人として扱うのではなく,生活を通常の市民生活に近づけることを目標としています。

8:×ノーマライゼーションの考えでは、障害があるかどうかや、その障害が軽度か重度かに関係なく、誰もが同じように権利や生活環境を享受できる社会が当然の姿だと考えられています。

9:○

10:×者施設の小規模化が進んできた。→者施設の大規模化が進んできた。

11:○

12:○

13:○1 障害者基本法. 1章 総則. (目的) 第1条 この法律は,障害者のための施策に関し,基本的理念を定め,及び国,地方公共団体等の責務を明らかにするとともに,障害者のための施策の基本となる事項を定めること等により,障害者のための施策を総合的かつ計画的に推進し,もつて障害者の自立と社会,経済,文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進することを目的とする。

 

第34回介護福祉士筆記試験

 【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

 問題1 著書「ケアの本質-生きることの意味」 の中で、 「一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、 その人が成長すること、 自己実現することをたすけることである」と述べた人物として、 正しいものを1つ選びなさい。

1神谷美恵子

2糸賀一雄

3フローレンス・ナイチンゲール(Nightingale, F)

4ミルトン・メイヤロフ(Mayeroff. M)

5ベンクト・ニィリエ (Nirje. B)

解答

1×精神科医でハンセン病(ライ病)患者のために人生を捧げた人物です。

2×日本の社会福祉の実践家。で知的障害のある子どもたちの福祉と教育に一生を捧げた人物です。

3×近代看護教育の母として有名。

4〇著書の. 「ケアの本質-生きることの意味」は、日本ではケアについて論じる際の必読文献となっています。

5×ノーマライゼーション8つの原則の提唱者です。

 

間題2 Aさん 80歳、女性、要介護)は、筋力や理解力の低下がみられ、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。 訪間介護員(ホームへルバー)がいない時間帯は、同居している長男(53歳 無職)に頼って生活をしている。 長男はAさんの年金で生計を立てていて、 ほとんど外出しないで家にいる。ある時、Aさんは訪間介護員 (ホームへルパー)に、「長男は暴力がひどくてね。この間も殴られて. とても怖かった。長男には言わないでね。あとで何をされるかわからないから」と話した。 訪問介護員(ホームへルパー)は、 Aさんのからだに復数のあざがあることを確認した。訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち、 最も適切なものを1つ選びなさい。

1長男の虐待を疑い、上司に報告し、市町村に通報する。

2長男の仕事が見つかるようにハローワークを紹介する。

3 Aさんの気持ちを大切にして何もしない。

4すぐに長男を別室に呼び、 事実を確認する。

5長男の暴力に気づいたかを近所の人に確認する。

解答

1〇虐待は疑った段階で通告する義務があります。

2×

3×

4×

5×

 

第33回介護福祉士筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

 問題1 過去問あり(リッチモンド以外は介護福祉士テキスト等には出てこないがリッチモンドのケースワークの母というキーワード知っていれば解ける問題か)

人権や福祉の考え方に影響を与えた人物に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 リッチモンド(Richmond.M.)は「ソーシャル・ケース・ワークとは何か」をまとめ、現在の社会福祉、介護福祉に影響を及ぼした。

2 フロイト(Freud.S.)がまとめた「種の起源」の考え方は、後の「優性思想」につながった。

3 マルサス(Malthus.T.)は人間の無意識の研究を行って、「精神分析学入門」をまとめた。

4 ヘレンケラー(Keller.H.)は「看護覚え書」の中で「療養上の世話」を看護の役割として示した。

5 ダーウィン(Darwin.C.)は、「人口論」の中で貧困原因を個人の人格の問題とした。

解答

1〇リッチモンドはケースワークを体系化した人です。

2×フロイトといえば精神分析の研究者。種の起源は ダーウイン。

3×マルサスといえば人口論

4×ヘレンケラーはアメリカの社会福祉活動家で 見えない、聞こえない、話せない、の三重苦で有名です。「看護覚え書」はナイチンゲール。

5×ダーウィンは「種の起源」

参考:リッチモンドについてはケースワークを体系化した人として覚えて思いてもいいですが、その他については介護福祉士の試験の勉強としては覚えなくてもいいです。

 

問題2 過去に類似問題あり

自宅で生活しているAさん(87歳、男性、要介護3)は、7年前に脳梗塞で左片麻痺となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用していた。Aさんは食べることを楽しみにしていたが、最近、食事中にむせることが多くなり、誤嚥を繰り返していた誤嚥による緊急搬送の後、医師は妻に、「今後も自宅で生活を続けるならば胃ろうを勧める」と話した。妻は仕方がないと諦めていたが、別に暮らしている長男は胃ろうの造設について納得していなかった。長男は実家を訪れるたびに、Aさんの今後の生活をめぐって口論が繰り返されていた。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にどうしたらよいか相談した。

介護福祉職お職業倫理に基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「医療的なことについては発言できません」

2 「医師の判断なら、それに従うのが良いと思います」

3 「Aさん自身は、どのようにお考えなのでしょうか」

4 「息子さんの気持ちより、一緒に暮らす奥さんの気持ちが優先されますよ」

5 「息子さんと一緒に、医師の話を聞きに行ってみてください」

解答

1×

2×

3〇妻よりも、息子よりも、何より利用者ニーズを受け止め、そして代弁することが福祉職に求められます。

4×

5×

参考

日本介護福祉士会倫理綱領

1.利用者本位、自立支援

介護福祉士はすべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。

2.専門的サービスの提供

介護福祉士は、常に専門的知識・技術の研鑚に励むとともに、豊かな感性と的確な判断力 を培い、深い洞察力をもって専門的サービスの提供に努めます。

また、介護福祉士は、介護福 祉サービスの質的向上に努め、自己の実施した介護福祉サービスについては、常に専門職として の責任を負います。

3.プライバシーの保護

介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た個人の情報を守ります。

4.総合的サービスの提供と積極的な連携、協力

介護福祉士は、利用者に最適なサービスを総合的に提供していくため、福祉、医療、保健その他関連する業務に従事する者と積極的な連携を図り、協力して行動します。

5.利用者ニーズの代弁

介護福祉士は、暮らしを支える視点から利用者の真のニーズを受けとめ、それを代弁していくことも重要な役割であると確認したうえで、考え、行動します。

6.地域福祉の推進

介護福祉士は、地域において生じる介護問題を解決していくために、専門職として常に積極的な 態度で住民と接し、介護問題に対する深い理解が得られるよう努めるとともに、その介護力の強化に協力していきます。

7.後継者の育成

介護福祉士は、すべての人々が将来にわたり安心して質の高い介護を受ける権利を享受で きるよう、介護福祉士に関する教育水準の向上と後継者の育成に力を注ぎます。

 

第32回介護福祉士筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

 問題1

Aさん(78歳、女性、要介護3)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。72歳から人工透析を受けている。透析を始めたころから死を意識するようになり、延命治療を選択する意思決定の計画書を作成していた。しかし、最近では、最後の時を自宅で静かに過ごしたいと思い、以前の計画のままでよいか気持ちに迷いが出てきたので、訪問介護(ホームヘルプサービス)のサービス提供責任者に相談した。

サービス提供責任者Service Providerの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「この計画書は、医療職が作成するものですよ」

2 「一度作成した計画書は、個人の意向で変更するのは難しいですよ」

3 「意思確認のための話し合いは、何度でもできますよ」

4 「そんなに心配なら、特別養護老人ホームSpecial elderly nursing homeに入所できますよ」

5 「この計画書は、在宅ではなく病院の治療を想定したものですよ」

解答

1×生前の自分の意思、つまり遺言書のようなものですから自分自身が自分の意思で作成するものです。

2×変更可能です

3

4×自宅で静かに過ごしたいと希望しているので間違い

5×在宅での終末ケア、病院での終末ケアとどちらも想定しているものです。

 

問題2

利用者の意思を代弁することを表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。Select the most appropriate term to represent the user's will.

1インフォームド・コンセント( informed consent

2ストレングス(strength

3パターナリズム(paternalism

4エンパワーメント(empowerment

5アドボカシー(advocacy

解答

1×説明を受け納得したうえでの同意という意味になります。

2×援助を要する者がもっているプラス面の強みのことです。

3×強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することです。

4×潜在能力を引き出し、力をつけることです。

5〇弱い立場にある人の生命や権利、利益を擁護して代弁することをアドボガシーといいます。

 

第31回介護福祉士筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

 問題1(過去に類似問題あり)

Aさん(82歳、女性、要介護2)は、夫を7年前に看取り、その後は一人暮らしをしている。夜中にトイレに行った時に転倒し、大腿骨頸部を骨折(fracture)して3か月入院した。自宅に手すりをつけ、段差をなくす住宅改修をした後、退院した。何かにつかまれば、いすからの立ち上がりや歩行ができる。人と関わるのは苦手なため自宅での生活が中心である。遠方に一人息子が住んでおり、月に1度は様子を見に帰ってくる。週3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)の買物代行や部屋の掃除などの生活援助を利用している。Aさんはできるだけ自分のことは自分で行い、このまま自宅での生活を維持したいと希望している。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに、Aさんは一人暮らしを続けることが不安であると告げた。
Aさんに対する訪問介護員(ホームヘルパー)の応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「訪問介護(ホームサービス)を毎日利用したらどうですか」

2 「一人暮らしは大変なので息子さんと同居したらどうですか」

3 「また転ぶかもしれないと思っているのですか」

4 「グループホームに入居することを考えたらどうですか」

5 「手すりをつけたし、段差もなくしたので転びませんよ」

 

解答

1:×週3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)の買物代行や部屋の掃除などの生活援助を利用しているとあるので、毎日のサービス利用は不要と思われます。

2:×自宅での生活を維持したいと希望しているので不適切。

3:〇Aさんは転倒により大腿骨頸部を骨折しましたが、それでも、これからも自分のことは自分で行う生活を望んでいます。しかし、一人暮らしを続ける不安を持っているので、訪問介護員が、まず 「また転倒することに不安をもっているのですか」と問いかけ思いやることが何より大切となります。

4:×このまま自宅での生活を維持したいと希望しているので不適切です。

5:×住宅改修を行ったことで「転びませんよ」と返答されも Aさんの不安に答えることにはなりません。

 

問題2 (新出問題)
「夜と霧」や「死と愛」の著作があるフランクルFrankl,V)が提唱した価値の説明として、適切なものを1つ選びなさい。

1 公民権運動により差別を解消すること。

2 生命が制限される状況において、いかなる態度をとるかということ。

3 最低生活水準を保障すること。

4 ライフサイクル(life cycle)を通じたノーマルな発達的経験をすること。

5 アパルトヘイト(人種隔離政策)を撤廃すること。

 

解答

1:×

2:〇下記の態度価値を参照してください。

3:×

4:×

5:×南アフリカ共和国で行われていた人種隔離政策。約2割の白人支配層が非白人を差別し、居住地区を定め、異人種間の結婚を禁じたもの。参政権も認めなませんでした。1960年代から反対闘争が激化。91年にアパルトヘイト関連法が廃止されました。


参考

フランクルの3つの価値
1)創造価値
たとえば、自分自身で絵や彫刻など、ものを作った時に感じる充実感で、世の中に何かを与えることに生きる意味を見出す。

2)体験価値
たとえば、美しいものにふれたり、いい景色を見る、美しい絵を見る、楽しいことをするなどによって感動する気持ち。世の中から何かを受け取るときに伴う体験に生きる意味を見出す。

3)態度価値
自己の死や不治の病、障害、愛する人の死など避けることのできない運命に対して、それを受け容れる際に、苦難にあっても、どんな態度をとるか という人間の尊厳の価値。これに生きる意味を見出す。

 

30回介護福祉士筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

問題1 過去に類似問題出題

1960年代後半からアメリカで展開した自立生活運動に関する記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 障害者自身の選択による自己決定の尊重を主張している。

2 障害者の自立生活は、施設や病院で実現されるとしている。

3 「ゆりかごから墓場まで」の実現にむけた制度設計を目指している。

4 障害者が機能回復を図ることを「自立」としている。

5 介護者を生活の主体者として捉えている。

 

解答

1:○「重度の障害があるといえども、自分の人生を自立して生きる」ことが基本的な主張でした。

2:×障害者は、住んでいる地域社会の中で自立生活をと提唱しています。

3:×ゆりかごから墓場まで」は第二次世界大戦後のイギリスにおける社会福祉政策のスローガンなので、アメリカの自立生活運動とは関係ありません。

4:×それまで自立といえば医療モデルにもとづく日常生活動作(ADL)の自立として理解されてきましたが、この運動の登場により障害者自身の選択にもとづく自己決定こそが自立であるとする自立生活モデルがうち出されました。

5:×「介護者」ではなく「障害者自身」:


問題2 過去に類似問題出題

Aさん(65歳、男性、要介護2)は、昨年、アルツハイマー型認知症(dementia of  the Alzheimer`s type)と診断された。妻は既に亡くなり、娘のBさん(35歳)は遠方に嫁いでいる。

Aさんは、現在、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で生活している。Aさんは、現在、介護福祉職に対して、「Bは頭もいいし、かわいいし、きっと妻に似たんだな」とよく話していた。

Bさんが面会に来た時、「誰だい。ご親切にありがとうございます」というAさんの声と、「私はあなたの娘のBよ、忘れちゃったの」「お父さん、しっかりしてよ」と怒鳴るBさんの声が部屋から聞こえた。

介護福祉職がAさんへのアドボカシー(advocacy)の視点からBさんに行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Aさんへの行動は間違っていると話す。

2 Bさんに対するAさんの思いを話す。

3 Aさんの成年後見制度利用を勧める。

4 Aさんとはしばらく面会しないよう話す。

5 Bさんの思いをAさんに伝えると話す。


解答

1:×

2:○アドボガシーとは、「自己の権利を表明することが困難な寝たきりの高齢者や、痴呆症の高齢者、障害者の代わりに、代理人が権利を表明することをいいます。」介護職は自分の症状や思いを上手に伝えられないAさんの代弁者としになり娘さんに伝える… アドボガシーの視点からの行為として最もふさわしいと思われます。

3:×

4:×

5:×

参考:過去に類似問題が出ていました。( 2016年 人間の尊厳と自立 より出題 )

Aさん(82歳、女性)は、アルバイト店員の息子(56歳)と二人暮らしである。Aさんは、 3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerstype)と診断された。現在、要介護2と認定されて訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を支給限度額まで利用している。Aさんは、身の回りのことに常に見守りや介助が必要であり、一人で外出して道が分からなくなり、何度も警察に保護されている。訪問介護事業所が、アドボカシー(advocacy)の視点からAさんと息子を支援する場合の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

(1)自分の食事も作ってほしいという息子の要望に、対応できないと断る。

(2)息子の外出時は、Aさんが部屋から出られないように施錠することを提案する。

(3)Aさんと息子に相談の上、社会福祉協議会に見守りボランティアの派遣を働きかける。

(4)息子に、市内に認知症家族の会があることを知らせる。

(5)町内会に、回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせるように働きかける。

正解

3:○


第29回筆記試験
 
【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。
問題1 Aさん(78歳,女性)は介護老人福祉施設で生活している。脳血管障害(cerebrovascular disorder)による左片麻痺で,杖を使って歩行し,自力で移動していた。Aさんは,廊下や食堂でいつも職員や他の利用者に声をかけ、誰にでも気遣う人だった。

ある日、食堂のいすに足が触れて転倒して、捻挫の痛みで歩くこと ができなくなり、車いすでの移動になった。捻挫は1週間ほどで完治したが、 Aさんは歩くことを拒み、現在でも車いすでの移動を続けている。

Aさんは徐々に口数も少なくなり、歩くことが不安だ。周りに迷惑をかけてしまうと言い、何に対しても消極的な様子がみられた。

Aさんに対する介護福祉職の関わりとして、最も適切なものを1つ選びなさい。(過去に類似問題あり:尊厳と自立)

1 Aさんは口数が少ない様子なので、できるだけ話しかけないように心がける。

2 Aさんの自立を考えて、再び歩くことができるように何度も声をかける。

3 仲の良い利用者に,頑張って歩くように励ましてもらう。

4 Aさんの担当の介護福祉職に、再び歩くように説得してもらう。

5 食堂のテーブルやいすの配置を見直して,一緒に歩いてみようと働きかける。

 

解答

1:×援助にあたっては、声掛けは非常に大切です。

2:×

3:×

4:×説得よりは納得してもらう援助のありかたが大切。

5:○介護福祉職としては、Aさんの誰にも気遣いをしてしまう思いが強いことから、を尊重し、安全に歩くことができる支援を中心に働きかけることが望ましい。

 

問題2 障害児・者に対して, ノーマライゼーション(normalization)の理念を実現するための方策として,最も適切なものを1つ選びなさい。(過去に類似問題あり)

1 障害の原因となる疾病の完治を目指して治療すること

2 障害種別ごとに,同じ職業に就くことができるように訓練すること

3 障害児と障害者が一緒に施設で暮らすこと

4 普通の生活環境に近づけること

5 障害者の経済的水準を一定にすること

 

解答

1:×ノーマライゼーションの理念は、疾病の完治をすることが目的ではなく障害のある人も障害のない人も、一緒に、家庭や地域のなかで日常的な生活をし、ささえあって暮らすということが目的です。

2:×

3:×ノーマライゼーションの理念は、施設で暮らすことではなく地域で普通に生活できるようにすることです。

4:○ノーマライゼーション理念の具体化のためには一人ひとりを生活主体者として尊重し、人生の主人公として暮らせる環境を整えることにあります。

5:×

第28回筆記試験
 
【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。
問題1 糸賀一雄の「この子らを世の光に」という思想に該当するものとして、最も適切なものを一つ選びなさい。(糸賀一雄に関する過去問は過去に2度出題)

1 経済的に生活できる社会的自立を保障する。

2 人間の発達を保障する。

3 困窮状態に応じて最低限度の生活を保障する。

4 障害者の職業の安定を図ることを保障する。

5 自由を制限する身体拘束の禁止を保障する。

解答

1:×

2:○知的障害のある子どもたちの福祉と教育に一生を捧げたのが糸賀一雄です。また、子どもの発達する権利とその保障を目指す発達保障の思想を確立した。戦後間もなく滋賀県大津市に近江学園を設立し、戦災孤児と傷害のある子供達の共同生活の中に「共生社会」と「人」が「ありのままに存在することの価値」を見出し、この子らを世の光にという言葉を残しました。


3:×

4:×

5:×
参考:社会福祉に貢献した人物で過去に問題にでたものを掲載します。(一部社会福祉士の出題問題も含みます)
問題

1 留岡幸助は日本の社会福祉の先駆者で、感化院(現在の児童自立支援施設)教育を実践。北海道家庭学校の創始者として知られる。

2 山室軍平は救世軍の創設にかかわり,廃娼運動や禁酒運動などの活動に貢献した。

3 石井十次は日本で最初の「岡山孤児院」を創設して、生涯を孤児救済に捧げた。また石井亮一は日本で最初の障害児施設である「滝乃川学園」を創設した。

4 生江孝之は「社会事業の父」とよばれている。 『社会事業綱領』の著書がある。

5 岡山県知事の笹井信一は現在の民生委員制度の基礎となった「済世顧問制度」を創設した

6 横山源之助は明治期に活躍したジャーナリストで 代表作「日本の下層社会」という著書がある。

7 糸賀一雄は近江学園の設立者であり、「この子 らを世の光に」と唱えた言葉は有名である。

8 井上友一は内務官僚として感化救済事業を推進した。

解答

1:○正解です。日本の社会福祉の先駆者で、非行少年を対象とした感化院(現在の児童自立支援施設のこと)を設立しました。 北海道家庭学校の創始者としても知られています。

2:○山室軍平はキリスト教者であり救世軍の創始者でもあります。身売りされた女性を助けるための「廃娼運動」は有名ですから覚えておきましょう。

3:○石井十次は日本で最初に孤児院を創設した人物です。孤児院の名前は「岡山孤児院」。児童福祉の父と言われています。東京に日本はじめての障害児施設がつくられましたが「滝の川学園」とキリスト信者の石井亮一の名は記憶しておきましょう。

4:○生江孝之の名は「日本社会事業の父」として広く知られていますが『社会事業綱要』をつくったことで有名です。

5:○民生委員制度のもとになった済世顧問制度は岡山県知事の笹井信一が創設しました。

6:○明治期に活躍したジャーナリストです。みずから歩いて社会調査をおこない、都市の底辺ではたらく人々の暮らしの実態を浮き彫りにして問題をなげかけましたが、これを題材にして『日本之下層社会』を書き上げました。 ...

7:○糸賀一雄は日本ではじめての知的障害児施設の近江学園をつくりました。映画化もされましたが、「この子らを世の光に」という言葉は有名です。

8:○内務官僚であった井上友一は、子供を対象とした感化救済事業を推進しました。

 

問題2 Aさん(82歳、女性)は、アルバイト店員の息子(56歳)と二人暮らしである。Aさんは、3年前にアルツハイマー型認知症と診断された。現在、要介護2と認定されて訪問介護(ホームヘルプサービス)と通所介護(デイサービス)を支給限度額まで利用している。Aさんは、身の回りのことに常に見守りや介助が必要であり、一人で外出して道が分らなくなり、何度も警察に保護されている。

訪問介護事業所が、アドボガシーの視点からAさんと息子を支援する場合の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 自分の食事も作って欲しいという息子の要望に、対応できないと断る。

2 息子の外出時は、Aさんが部屋から出られないように施錠することを提案する。

3 Aさんの息子に相談の上、社会福祉協議会に見守りボランティアの派遣を働きかける。

4 息子に、市内の認知症家族の会があることを知らせる。

5 町内会に、回覧板でAさんと息子の状況を詳しく知らせるように働きかける。

 

解答

1:× 権利擁護の推進、実現の観点から考えると、断るのは不適切。

2:× 権利擁護どころか、権利をはく奪するに等しいこうです。施錠するなどというのは虐待にあたります。

3:○

4:× 

5:× 不特定多数の人に、Aさんと息子の情報を公にしてしまうことはアドボガシーの視点から不適切です。

 

第27回筆記試験
【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。

 問題1 1956年(昭和31年)当時、肺結核(pulmonary tuberculosis)で国立療養所に入所していた朝日茂氏は、単身で無収入だったために生活扶助(月額600円支給)と医療扶助を受けていた。長年、音信不通だった兄を福祉事務所が見つけ、兄から月1,500円の仕送りが行われることになった。これにより福祉事務所は支給していた月額600円の生活扶助を停止し、医療費の一部自己負担額として月900円の負担を求めた。このことが日本国憲法第A 条に反するものとして朝日茂氏は、1957(昭和32)、厚生大臣の決定を取り消すことを求める訴訟をおこした。

この訴訟で焦点となった日本国憲法第A 条が規定する権利として、正しいものを一つ選びなさい。(類似過去問で出題済み)

1 参政権

2 自由権

3 請求権

4 生存権

5 平等権

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○過去問題に次のようなものがありますので紹介します。朝日訴訟といったら、憲法第25条!「生存権」

過去問題:「日本国憲法」では第25条で生存権を規定している。

解説:日本国憲法第25条には以下のことが書かれています。「すべての国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。国はすべての生活部面については、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」・・ここで書かれている「健康で文化的」とはいわゆる生存権を示しています。

5:×

(参考):朝日訴訟も大事ですが、もう一つ大事なのが「堀木訴訟」。原告の「堀木」の姓からこう呼ばれます。全盲で障害福祉年金を受給していた原告は児童扶養手当の受給資格の認定を申請しますが,年金と手当の併給禁止規定によりその申請を却下されます。この併給禁止規定が憲法第25条と憲法第14条(法の下の平等・差別の禁止)に違反するとして訴えを起こした事件です。

 

問題2 「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。(障害者差別解消法については、新出問題)

1 「障害者総合支援法」の基本的な理念のもと、障害者の差別の解消を具体的に実施するためのものである。

2 障害者を身体障害、知的障害および精神障害のある者に限定している。

3 行政機関に対して、障害者に対する合理的配慮を法的義務としている。

4 差別について具体的に定義し、その解消に向けた措置等を定めている。

5 この法律以前に、障害を理由とする差別や不利益な取り扱いの禁止について定めた条例を制定した地方公共団体は存在しない。

()1 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

  2 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

解答

1:×障害者差別解消法の第一条に「 この法律は、障害者基本法の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ…」とあるので、「障害者総合支援法」の基本的理念とあるのが間違いです。どの法律も第1条、2条あたりが大切です。頭に入れておきましょう。

2:×障害者差別解消法の第二条の一に「 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」というのがあります。従って間違いです。

3:○第7条の2→2  行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。

4:×障害差別とは何かという定義がなく、禁止される「不当な差別」の意味があいまいです。

5:×北海道、岩手県、茨城県その他にも条例を制定している地方公共団体が多くあります。

(参考) :この法律は、平成二十八年四月一日から施行されます。

 

第26回筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問   1〜2問題 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です

 問題1 以下の法律の自立に関する記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 児童福祉法では、児童養護施設における自立支援の対象を、現に入所している児童に限定している。

2 社会福祉法第3条では、福祉サービスについて、身体機能の低下に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するものとしている。

3 老人福祉法では、その目的は、すべての高齢者が、尊厳を保持し、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにすることであると、明記している。

4 「障害者総合支援法」では、すべての国民は、障害者等が自立した生活が営めるような地域社会の実現に協力するよう努めなければならないと、規定している。

5 「ホームレス自立支援法」では、ホームレスの自立のために、就業の機会の確保よりも生活保護法の適用が重要であると、規定している。

 

(注)1 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

   2 「ホームレス自立支援法」とは、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」のことである。   

 

解答

1:×児童福祉法では「児童擁護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童、その他環境上養護を要する児童を入所させてこれを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行なうことを目的とする施設とする。」と規定しています。従って入所者だけを限定しているわけではありません。

2:×3条では「身体機能の低下に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援」ではなく「福祉サービスは、個人の尊厳の保持を旨とし、その内容は、福祉サービスの利用者が心身共に健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援するもの」としています。

3:×老人福祉法では「老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老・lに対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図ることを目的とする。」としています。問題中「すべての高齢者が、尊厳を保持し・Aその有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにすることである」とは明記されていません。

4:○第一条の二で規定されています。「全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため‥」。従って正解となります。

5:×この法律では「ホームレスの自立のために、就業の機会の確保よりも生活保護法の適用が重要」などとは規定されていません。自立の意思があるホームレスに対しては、安定した雇用の場の確保、就業の機会の確保等により自立させることとしています。

 

問題2 Aさん(74歳、男性)は、一人暮らしをしている。軽度の認知症があり、訪問介護を利用している。一年前から近所に住んでいる親族に預金通帳の管理を頼んでいる。最近、家事援助のためにAさん宅を訪れた訪問介護員は、Aさんから、「親族が勝手にお金を使いこんでいるらしい」と聞いた。

 訪問介護員がサービス提供責任者と共に、最初に取り組むべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 成年後見制度の利用をすすめる

2 民生委員に相談するように勧める

3 親族に事実を確認する

4 特別養護老人ホームへの入所を勧める。

5 地域包括センターに相談する。 

 

 解答

1:×

2:×民生委員は一般地域住民からの相談をうけ、支援していくという立場にあります。訪問介護事業所からのこのような相談はなじみません。

3:×

4:×

5:○「本来なら、まずケアマネージャでしょ」と言いたくなる問題ですね。消去法でいえば地域包括センターになるんでしょうか。地域包括センターの業務の一つに権利擁護機能の発揮があります。権利侵害の予防・発見、権利保障に向けた対応を行いますので、この設問の中では地域包括センターに相談することが最もふさわしいと思います。

 

第25回筆記試験

【人間の尊厳と自立】2問    注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です。
問題1 介護福祉士が誠実に業務を行うことを明示した法律として、正しいものを1つ選びなさい。
1 社会福祉法
2 高齢者虐待防止法
3 社会福祉士及び介護福祉士法
4 介護保険法
5 老人福祉法

(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。

解答
1:×
2:×
3:○「社会福祉士及び介護福祉士」の第四十四条の二で 、社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立つて、誠実にその業務を行わなければならない。(誠実義務)としています。
4:×
5:×

参考:その他、介護福祉士の義務等として大切なものは次のとおりです。大事なところなので必ず覚えておいてください。

(信用失墜行為の禁止)(秘密保持義務)(連携)(資質向上の責務)

 
 
問題2 Aさん(84歳、男性)は、「私は13歳のとき、発疹が現れ医師の診察を受けたところ、ある感染症にかかっているという理由で、強制的に国立の療養所に入所させられた」と語った。この入所は、ある感染症の予防法に基づくものであった。
 Aさんは、「療養所では、入所した日から本名を使うことができなかった。また、一時帰宅したが、その後の帰宅を両親から断られた」と続けた。
 この法律は1996年(平成8年)に廃止された。
 Aさんが罹患した感染症として、正しいものを1つ選びなさい。
1 破傷風(tetanus
2 コレラ(cholera
3 痘そう(smallpox
4 梅毒(syphilis
5 ハンセン病(Hansen's disease
解答
1:×
2:×
3:×
4:×
5:○その当時、患者は、警察によって強制的に連行され、療養所に収容されました。た。また、結婚の条件として非合法な断種・堕胎なども行われましたが、昭和16年にハンセン病の特効薬プロミンが開発され、完治する病気となりました。そしてこの法律は平成8年になりようやく廃止されました。

第24回筆記試験 注意:【介護の基本】【人間の尊厳と自立】は同一試験科目群です
【人間の尊厳と自立】2問

問題1 左大腿骨頸部骨折で入院していた軽度の認知症のあるAさんが、介護老人保健施設に入所し2週間が経過した。入所時は、環境の変化によるせん妄が見られ、日常生活の不活発による食欲低下から食事摂取量が少なかった。また転倒の恐れもあった。現在はせん妄がなくなり趣味のカラオケをしたいとの要望が出るほどになってきたが、日常の金銭管理は出来ない状態である。
介護職の支援のあり方として、適切なものを一つ選びなさい。
1 提供する食事の量が多いと判断して減らす。
2 安全性を考慮し、ベッドを柵で囲む。
3 移動の際は全介助で行う。
4 他の利用者と一緒にカラオケをする場を設ける。
5 家族に対し預金通帳の名義を変更するよう助言する。

解答
1:×問題に「日常生活の不活発による食欲低下から食事摂取量が少なかった。」とあるのに、食事の量が多いと判断して減らすのは矛盾があるのではないでしょうか。
2:×ベッドを柵で囲むことは身体拘束という虐待にあたります。このことにより精神的な苦痛を与えて人間としての尊厳を侵すものであり好ましくありません。
3:×全介助では残存機能の活用にはなりません。
4:○問題文に「カラオケをしたいとの要望」とあるので介護職の支援として適切です。
5:×あくまでも預金通帳はAさんが所有するものであり、家族の一員でもない介護職が名義変更の助言をするのは不適切です。

問題2 利用者の尊厳を保持し、自立支援を行うために介護福祉士に求められるものとして、適切でないものを一つ選びなさい

1 知り得た情報の保持
2 信用失墜行為の禁止
3 介護に関する知識の向上
4 福祉サービス関係者等との連携
5 介護福祉士の主導による方針決定

解答
1:○「社会福祉士及び介護福祉士法」では「秘密保持」の義務を規定しています。
2:○「社会福祉士及び介護福祉士法」では「信用失墜行為の禁止」を規定しています。
3:○社会福祉士及び介護福祉士法の第47条では「社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。」と「資質向上の責務」を規定しています。

4:○「社会福祉士及び介護福祉士法」では「社会福祉士及び介護福祉士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との連携を保たなければならない。」と規定しています。
5:×日本介護福祉士会の倫理綱領にもありますが、利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉 サービスを提供していくとうたっています。(利用者本位、自立支援) 従って介護福祉士が主導して方針を決めてはいけません。


内容について変更することが多々ありますのでご注意ください。
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