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「認知症の理解」(内容を予告無く変更する場合があります。ご容赦ください)
出題基準
H認知症の理解 大項目 中項目 小項目(例示)
1: 認知症を取り巻く状況
  1)認知症ケアの歴史
   2)
認知症ケアの理念  
  3)認知症高齢者の現状と今後→○ 認知症高齢者の数の推移、その他
  4)認知症に関する行政の方針と施策→○ 認知症高齢者支援対策の概要(相談対策の整備、在宅対策、施設対策、権利擁護対策、地域密着型サービス、その他) 
    (第24回筆記試験)  (第24回筆記試験) (第24回筆記試験)
2:医学的側面から見た認知症の基礎
  1)認知症による障害→○ 記憶障害 ○見当識障害 ○失語、失行、失認、その他  (第24回筆記試験)
  2)認知症と間違えられやすい症状→○ うつ病 ○せん妄
  3)認知症の原因となる主な病気の症状の特徴→○ アルツハイマー病 ○血管性認知症 ○レビー小体病 ○ピック病 ○クロイツフェルト・ヤコブ病 ○その他(慢性硬膜下血腫等)
   (第24回筆記試験) (第24回筆記試験)
 
4)若年性認知症  
   5)
病院で行なわれる検査、治療の実際→○ 検査 ○治療 ○予防 
(第24回筆記試験)

  
3:認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活

 1)認知症の人の特徴的な心理・行動→○ 認知症が及ぼす心理的影響 ○認知症の人の特徴的な行動障害 
(第24回筆記試験)

○周辺症状の背景にある、認知症のある人の特徴的なこころの理解(混乱、不安、怯え、孤独感、怒り、悲しみ、その他)

2)認知症に伴う機能の変化と日常生活への影響→○ 認知症の人の特性を踏まえたアセスメント(保たれている能力と低下している能力の把握、家族との関係の把握、その他)

○環境変化が認知症の人に与える影響(なじみの人間関係、居住環境、その他)  (第24回筆記試験)

4:連携と協働

1)地域におけるサポート体制 →○地域包括支援センターの役割・機能 ○コミュニティ、地域連携、まちづくり ○ボランティアや認知症サポーターの役割・機能 (第24回筆記試験)

2)チームアプローチ→○ 多職種協働の継続的ケア

5:家族への支援

1)家族への支援 →○家族の認知症の受容の過程での援助 ○家族の介護力の評価 ○家族のレスパイト ○その他

 


1認知症を取り巻く状況(出題別基準)1)認知症ケアの歴史

問題

1 明治の始めに設置された癲狂院(てんきょういん)、その後の精神病院が主に認知症の人に対する処遇を行うことになった。

2 1963年に老人福祉法が制定され養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホームなど老人福祉施設が体系化され老人福祉施策の基本枠組みが形成された。

3 1980年に京都市で「ぼけ老人をかかえる家族の会(現在・認知症の人と家族の会)が発足した。

4 1984年から「痴呆性老人処遇技術研修事業」がスタートし、すべての特別養護老人ホームにおいて寮母を対象とした処遇技術研修が行われるようになった。

5 1987年、出雲市のことぶき園で日本ではじめての認知症グループホームが誕生した。

6 近年、認知症グループホームや宅老所等の小規模化したケアの有効性を取り入れたユニットケアという考え方が大型施設に取り入られるようになった。

7 2000年の介護保険法改正では、身体拘束については、緊急及びやむを得ない場合は条件付きで認められることになった。

8 2004年12月から、現在の「認知症」という言葉が行政用語として統一されるようになった。

 

解答

1:○

2:○

3:○

4:○

5:○

6:○

7:○

8:○それ以前は痴呆症といわれていましたが「痴」は「おろかな、ばか」といった意味であり「呆」は「おろかな」。「あきれる」といった意味合いがありました。それを改善するために「認知症」という言葉に統一されました。

 

1認知症を取り巻く状況(出題別基準)2)認知症ケアの理念

問題

1 認知症ケアの理念とは、その人らしくあり続けるための援助である。また、その人らしい生き方とは、何よりも人間らしい生き方である。

2 認知症の人とコミュニケーションをとるときに大切なことは、本人が考え思っている「現実」を否定するのではなく、それを認めて共感的に受け入れることである。

 

解答

1:○

2:○

 

1認知症を取り巻く状況(出題別基準)3)認知症高齢者の現状と今後

問題

1 日本では認知症の人の数が、2005年は約189万人、20年後には約292万人に達すると予想されている。

2 介護保険では、人数の割合に対して費用の割合が高いが、これは認知症の利用者一人当たりの利用額が高いことが理由となっている。

3 寝たきりの認知症の人のサービス利用は、半数以上が施設の利用者となっている。

4 動ける認知症の人は、施設利用者が2割未満、8割以上が在宅サービスの利用者となっている。

 

解答

1:○

2:○裏返していうと、認知症の人はより多くのサービスが必要となっていることがわかります。

3:○

4:○

 

1認知症を取り巻く状況(出題別基準)2)認知症ケアの理念3)認知症高齢者の現状と今後4)認知症に関する行政の方針と施策

問題

1 国による認知症対策として「認知症対策等総合支援事業」がある。

2 国は平成17年度の「認知症を知る一年」を足がかりに、認知症に関する理解を高めるために「認知症サポーター100万人キャラバン」による学習会を展開している。

3 認知症人の安心・安全をサポートする制度のひとつに成年後見制度がある。

4 社会福祉法による日常生活自立支援事業は都道府県社会福祉協議会の事業で、福祉サービスお利用手続きや生活費の管理が難しい人に対して手続きや金銭管理の手伝いをおこなうものである。

5 高齢者虐待防止法は高齢者等の虐待防止だけでなく、養護者に対する支援も盛り込まれている。なお虐待防止法では虐待を発見した住民の市町村への通報義務や、市町村の立ち入り調査権などが認められた。

 

解答

1:○主な事業としては認知症地域医療支援事業、認知症早期サービス等推進事業、認知症理解普及促進事業などがあります。

2:○

3:○この制度では、認知症や知的・精神障害のある人が、悪徳商法などによる不利益を受けないようにする効果もあります。

4:○

5:○

 

2医学的側面から見た認知症の基礎 1)認知症による障害→○ 記憶障害 ○見当識障害 ○失語、失行、失認、その他 

問題

1 記憶障害(きおくしょうがい)とは、記憶を思い出すことができない、また、新たなことを覚えることができないなどという、記憶に関する障害の総称である。

2 記憶障害になると同じことを何回も繰り返したり、つい先ほどあったことをすぐに忘れるなどの症状がでてくる。

3 記憶障害が進行すると,ものをしまったことを忘れて「物盗られ妄想」などを引き起こしてしまうことがある。

4 見当識障害(けんとうしきしょうがい)とは人や周囲の状況、時間、場所など自分自身が置かれている状況などが正しく認識できない障害である。

5 見当識障害では時間の見当識、場所の見当識、人物の見当識が損なわれる。

6 認知症における「巣症状(そうしょうじょう)」とは失行、失語、片麻痺、感覚障害、言語障害などの局所神経障害を示す。

7 失行とは運動機能そのものが障害されたわけではないのに手や足が動くのにまとまった動作や行為が出来ないことをいう。

8 失語は構音器官や聴覚などに障害がないのに、言語機能が失われた状態のことである。

9 認知症における「遂行機能の障害」とは計画をたてて一連の作業をすることが出来なくなる障害のことをいう。 

 

解答

1:○

2:○

3:○「もの盗られ妄想」で、初めはそれがお金等の貴重品だったのに、だんだん身の回りにある靴下などの置き忘れやしまい忘れから起こる妄想で、本人は物忘れの自覚がないため、身近で介護する人に疑いをもち責めたてたりすることがあります。

4:○

5:○いまの時間は何時か?、今いる場所はどこか?、目の前にいる人物は誰かという認識が出来なくなります。

6:○巣症状とはわかりにくい言葉ですが、病巣症状ともいうので、巣は病巣のことをいいます。認知症の初期に多いが進行してくると精神機能の低下により巣症状の輪郭は不鮮明になります。

7:○麻痺ではないのに、行為に至ることができなかったり、行為の手順がバラバラであったりすることが特徴です。 

8:○

9:○この障害では目標を決める→計画する→手順を考える→実施する→結果を確認するという一連の行動ができなくなります。

 

 

2医学的側面から見た認知症の基礎 2)認知症と間違えられやすい症状→○ うつ病 ○せん妄

問題

1 認知症によく似た症状を示すものにせん妄とうつ病がある。

2 せん妄は意識障害の一つで、この障害により注意力や集中力が続かず、時間や場所が判らなくなったりするので認知症と間違えられることがある。

3 高齢者のせん妄は夜間におこることが多いので夜間せん妄といわれる。

4 せん妄は、意識が混濁して、幻覚や錯覚がみられる状態のことで、大声で騒いだり、人を呼んだりすることがある。

5 せん妄は脳内の一過性におこる障害と考えられるので、まずは穏やかに対応し落ち着きを取り戻すケアが求められる。

6 うつ病は気分障害の一種で、抑うつ気分や不安・焦燥、精神活動の低下、食欲低下、不眠症などを特徴とする精神疾患である。

7 うつ病のために一時的に認知症になってしまったように見える場合、これを仮性認知症という。

 

解答

1:○せん妄とは意識の混濁状態のことであり、うつ病は気持ちが落ち込んだり、意欲が低下したりする状態のことをいいます。p49

2:○認知症との大きな違いは、急に発症するのがせん妄の特徴となります。

3:○

4:○

5:○

6:○

7:○うつ病になると認知症ににたような状態になります、回復すると元に戻るので真の認知症とは区別しています。

 

 

2医学的側面から見た認知症の基礎 3)認知症の原因となる主な病気の症状の特徴→○ アルツハイマー病 ○血管性認知症 ○レビー小体病 ○ピック病 ○クロイツフェルト・ヤコブ病 ○その他(慢性硬膜下血腫等

問題

1 アルツハイマー型認知症は認知症原因疾患比率の50%を占めている。

2 アルツハイマー型認知症はドイツの精神科医「アルツハイマー」により報告された認知症疾患である。

3 アルツハイマー型認知症の組織学的所見として、老人斑、神経原線維変化、神経細胞の萎縮がみられる。

4 アルツハイマー型認知症の変化は側頭葉から頭頂葉にかけて著しく起こり、進行すると前頭葉に及ぶ。

5 アルツハイマー原線維が脳全体に出現して神経細胞を破壊していくとアルツハイマー型認知症に発展する。

6 神経細胞の伝達はシナプスを介して行われるが、これに「かかわる神経でんたつ物質にアセチルコリンがある。

7 アルツハイマー型認知症では記憶に関連をもつ神経伝達物質「アセチルコリン」の減少が注目され、アセチルコリンを増加させる薬物塩酸ドネペジル(アリセプト)が開発された。

8 アルツハイマー型認知症の脳の障害では海馬と大脳皮質連合野を中心に特有の病変がおこる。

9 アルツハイマー型認知症の症状として記憶障害、思考と判断力の障害、巣症状、見当識障害などがある。

10 アルツハイマー型認知症では人格の水準が比較的保たれているのが特徴である。

11 脳血管性認知症は高血圧、糖尿病、脂質異常などで脳血管の血液の流れが障害されることが原因となる。

12 脳血管性認知症の症状には発作型と緩除型がある。

13 脳血管性の認知症では脳全体におこる多発性脳梗塞による認知症が多いとされている。

14 脳血管性認知症では言語障害や片麻痺などの運動障害を伴うことがある。

15 アルツハイマー型認知症と脳血管型認知症の発症年齢についての違いは、アルツハイマー型が70歳以上に多いのに対し、脳血管型は60〜70歳に多い。

16 アルツハイマー型認知症と脳血管型認知症の性別についての違いは、アルツハイマー型が女性に多いのにたいし、脳血管型は男性に多い。

17 アルツハイマー型認知症と脳血管型認知症の自覚症状についての違いは、アルツハイマー型が自覚症状がないのに対し、脳血管型は頭痛、めまい、物忘れなどの症状がある。

18 アルツハイマー型認知症と脳血管型認知症の経過に対しての違いは、アルツハイマー型が緩やかに進行するのに対して、脳血管型は良くなったり、悪くなったりしながら階段を下るように進行する。

19 アルツハイマー型認知症と脳血管型認知症の人格の変化に対する違いは、アルツハイマー型がしばしば明らかに見られるのに対して、脳血管型は人格変化は比較的少ない。

20 アルツハイマー型認知症と脳血管型認知症の合併する病気に対する違いは、アルツハイマー型がないのに対して、脳血管型は高血圧、糖尿病、心疾患、動脈硬化などが関係する。

21 認知症の原因疾患の中にレビー小体病があるが、これは脳全体にレビー小体といわれる異常な物質が沈着しておこるものである。

22 レビー小体型認知症の症状はアルツハイマー型や血管性認知症とは違い「幻視」(見えるはずのないものが見える)が起こることが最大の特徴である。

23 認知症の原因疾患の一つにピック病があり、人格の変化が特徴で、人が変わったように奇妙な行動を繰り返す。

24 ピック病は前頭側頭型認知症と言われるように前頭葉と側頭葉に限定的して脳が委縮していく病気である。

25 認知症の原因疾患一つであるクロイツフェルト・ヤコブ病は急速に進行し、初発病状から6〜12ヶ月で死に至る。

26 クロイツフェルト・ヤコブ病は脳組織の海綿(スポンジ)状変性を特徴とする疾患である

27 クロイツフェルト・ヤコブ病は、プリオン蛋白と呼ばれる異常な蛋白質が脳に蓄積し、脳神経細胞の機能が障害され、脳に海綿状の変化が出現する疾患である。

28 慢性硬膜下血腫は転倒などで頭部外傷などのあと、徐々に脳の表面に血液がたまり脳が圧迫されるために認知症の症状がでてくる病気である。

 

解答

1:○アルツハイマーの比率は50%、ついで脳血管疾患30%、レビー小体が10%となっています。

2:○

3:○

4:○

5:○

6:○アルツハイマー認知症ではアセチルコリンを担当する神経がおかされてアセチルコリンが減少します。

7:○

8:○

9:○

10:○

11:○

12:○

13:○

14:○

15:○

16:○

17:○

18:○

19:○

20:○

21:○この病気の特徴はパーキンソン症状、幻視体験、認知症がみられる疾患です。

22:○

23:○

24:○

25:○

26:○

27:○

28:○この病気は簡単な脳手術で血腫を取り除くことができるので、治る認知症の代表的な疾患です。

 

2医学的側面から見た認知症の基礎4)若年性認知症  

問題

1 若年認知症とは18歳以上、65歳未満で発症する認知症の総称である。また65歳以上で発症した認知症は老年期認知症という。

2 若年認知症は若い分、脳の萎縮スピードも高齢者に比べると速く、社会的にも家族的にも大きな影響を与えている。

 

解答

1:○

2:○

 

2医学的側面から見た認知症の基礎5)病院で行なわれる検査、治療の実際→○ 検査 ○治療 ○予防

問題

1 認知症の診断に一つに長谷川式認知症スケールがある。

2 認知症の診断の一つにミニメンタルテスト(MMSE)がある。

3 認知症の行動観察評価方法としてCDR(clinical dementia rating)があり健康、認知症の疑い、軽度、中程度、重度の5段階に分けられる。

4 FAST(functional assessment staging)アルツハイマー型認知症の病状ステージを生活機能面から分類した評価尺度である。

 

解答

1:○これは認知症であるか否かを診断するテストで9つの設問から構成され得点を加算して評価します。満点は30点で20点以下の場合は認知症の疑いをもちます。

2:○ミニメンタルテスト(MMSE)は長谷川式と同じような日付や計算など11項目から構成され、満点は30点となっています。

3:○この評価方法は記憶、見当識、行動力と問題解決、社会適応、家庭状況及び趣味、介護状況の6項目にわたり段階を評価するものです。

4:○この評価では傷害なし、非常に軽度、軽度、中等度、やや高度、高度、非常に高度の7段階で評価する方法です。

 

3認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活 1)認知症の人の特徴的な心理・行動→○ 認知症が及ぼす心理的影響 ○認知症の人の特徴的な行動障害 ○周辺症状の背景にある、認知症のある人の特徴的なこころの理解(混乱、不安、怯え、孤独感、怒り、悲しみ、その他)

 

問題

1 認知症には「中核症状」と呼ばれるものと、「周辺症状」と呼ばれるものがあるが、「中核症状」は脳の神経細胞が壊れることによって、直接起こる症状、また、「周辺症状」は周囲の人との関わりのなかで起きてくる症状のことである。

2 認知症の中核症状には、記憶障害、見当識障害、判断力の障害、問題解決能力の障害、失認、失語などがある。

3 認知症の周辺症状(心理症状と行動傷害=BPSD)として不安感、抑うつ状態、脅迫症状などがある。

4 記憶には新しいことを覚え込む「記銘力」、覚えたことを留める「保持力」、記憶を呼び起こす「想起力」という三つの力があるが、認知症になり記憶力の低下があるとこれらのちからが低下する。

5 エピソード記憶とは、特定の日時や場所と関連した個人的な経験に関する記憶であるが、これらをすっかり忘れるエピソード記憶の障害があれば、認知症が進んでいるといえる。

6 心理状況と行動障害をあわせた概念としてBPSD(行動・心理症状=従来の周辺症状といわれていたもの)が提唱されている。

7 BPSDの心理症状で「漠然とした不安感」に陥ることがある。

8 「漠然とした不安感」を持つことでパニック発作や心気状態に陥ることがある。

9 BPSDの心理症状で「脅迫症状」に陥ることがある。

10 BPSDの心理症状で「抑うつ症状」に陥ることがある。

11 BPSDの心理症状で「幻覚」に陥ることがある。

12 BPSDの心理症状で「妄想」に陥ることがある。

13 BPSDの心理症状で「睡眠障害」に陥ることがある。

 

解答

1:○

2:○

3:○

4:○

 

5:○エピソード記憶は個人的経験の記憶で思い出はこれに相当します。

6:○

7:○原因がないのにもかかわらず「漠然とした不安感」が続くと外出が出来なくなるなど日々の生活に支障をきたすようになります。

8:○パニック発作とは不安感を感じたとき胸がドキドキして外出などが出来なくなるなどの状況のことであり、心気状態とは、病気でもないのに過剰に具合の悪さを心配する状況のことをいいます。

9:○脅迫症状とは、汚れがいつまでも気になったり、買い物をしてお金を払っていないのではないか、といった不安が頭から離れなかったりして、日常生活に支障をきたすほどになる症状をいいます。

10:○

11:○幻覚とは、現実には存在しないものを見たり聞いたりすることです。

12:○妄想とは、周囲からみると明らかに間違っているのに、非合理的で訂正不能な思いこみをしてしまうことです。妄想を持った本人はその考えが妄想であるとは認識できません。認知症の妄想の場合、多くの場合は「お金がない」とか「誰かが部屋に入ってきた」などの被害感がでてくる場合があります。

13:○認知症に伴い脳の萎縮があると、睡眠障害はより激しくなります。

 

問題

1 BPSDの行動症状で「徘徊、帰宅行動」がある。

2 BPSDの行動症状で「攻撃的な言動、ケアへの抵抗」がある。

3 BPSDの行動症状で「昼夜逆転」がある。

4 BPSDの行動症状で「不潔行為」がある。

5 BPSDの行動症状で「収集癖」がある。

6 BPSDの行動症状で「異食行為」がある。

7 BPSDの行動症状で「失禁」がある。

 

解答

1:○徘徊は周りからすると「あてもなく」ということになるのですが、本人にとっては、目的地や理由があっての行動であると考えられています。また、「帰宅行動」は、単に施設などから家に帰りたいと訴えているのではなく、現実を正しく認識できていないことが原因である場合もあると考えられています。

2:○この原因としては恐怖の体験などから自分の身を守ろうとしたりする行為として考えられています。

3:○認知症が進行するにつれて日時の見当識が崩壊してくると昼夜の逆転が出てきます。

4:○ 自分のお尻が気持ち悪いことに気づいた時など、認知症のかたはとっさにそこに手をやり便をつけてしまうことがありますが、それが便でありどうしたらいいか理解できません。その気持ちの悪さから逃れたい一心で他人に近づいてことわりもなく手をなすりつけるような行動にでてしまいます。

5:○この原因としては、認知症のかたが集めたいと思って集めるのではなく、物を買ったり、もしくは集めて帰った直後に自分の行為を忘れてしまうがために何度も収集を繰り返してしまいます。

6:○食べられないものを口にいれたり、食べてしまうことを異食といいます。この行為は側頭葉の変化によりおこるもので、本人が食べたいと思って食べているわけではありません。

7:○この原因としては、脳の変化によってこれまでコントロールされてきた排便や排尿のメカニズムがうまくいかなくなったことで失禁がはじまります。

 

3認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活2)認知症に伴う機能の変化と日常生活への影響→○ 認知症の人の特性を踏まえたアセスメント(保たれている能力と低下している能力の把握、家族との関係の把握、その他)○環境変化が認知症の人に与える影響(なじみの人間関係、居住環境、その他)

問題

1 人間は年齢を重ねるにつれて脳の重量が減少し、健康なひとでも30歳から80歳にかけて脳の重量は100g減少すると言われている。

2 高齢になると、脳に染(し)みのようにみえる「老人班(ろうじんはん)」が出現する。

3 高齢になると神経細胞のなかに、アルツハイマー原線維変化と呼ばれる物質構造がみられようになるが、これは「タウ」とよばれる物質から構成されている。

4 老人斑はアミロイドβタンパク質(Aβ)から構成されている。また神経原線維変化により過剰にリン酸化された「タウ」というタンパク質ができる。

5 高血圧、肥満、糖尿病などがあると脳の血管に動脈硬化をおこし脳の老化に促進するなかで脳梗塞や脳出血をおこし認知症の原因を引き起こすことがある。

6 脳の老化に伴い認知機能は低下するが言語を中心とした言語性知能は衰えにくく、動作を中心とした動作性知能は衰退しやすいといわれている。

7 認知症にみられる「物忘れ」は体験全体をすっかり忘れることが特徴であり「エピソード記憶の障害」と言われている。

8 認知症では記憶障害にはじまり、言語障害→失見当→判断障害などの様々な認知機能が損なわれる。

9 記憶を担う神経伝達物質にアセチルコリンがあるが、これが減ることにより物忘れの症状が出てくる。

10 レビー小体病はアルツハイマー型認知症と同様、塩酸アセチルコリン分解酵素阻害薬で有効であるといわれている。

11 クロイツフェルト・ヤコブ病の治療法は現在見つかっていない。

12 慢性硬膜下血腫は頭部のCTやMRIですぐにみつかり、簡単な脳手術で血腫を取り除くことができるので、治る認知症の代表的な疾患である。

 

解答

1:○減少の原因は老化に伴う神経細胞の減少である。

2:○この老人斑は、異常なタンパクAβ(アミロードβタンパク)が凝集して作られたものです。

3:○

4:○

5:○

6:○言語性知能とは単語の理解や知識のこと。また動作性知能とは組み合わせや絵画の完成など・・

7:○

8:○

9:○アセチルコリンを間接的に増やす塩酸ドネペジル(アリセプト)という薬が開発されました。この薬品名については覚えておきましょう。この薬については投与をはじめてから1〜2年くらいで効果は少なくなるといわれています。これはアセチルコリンを担当する神経細胞が病気の進行でなくなり、その時点で薬が効かなくなります。

10:○

11:○

12:○

 

問題

1 認知症の人をめぐる3つの環境要素としてワイズマンは社会的環境、物理的環境、運営的環境があるとしている。

2 認知症の人に対する見当識の支援として、時計やカレンダーを見やすく表示したり、トイレなどの場所にわかりやすい目印を活用するなどの支援が大切である。

3 認知症の人に対する機能的な能力への支援として、日常的に身の回りに必要なものを置くなどの支援が大切である。

4 認知症の人に対する環境における刺激の質と調整については、音や光、臭いや手触りなど五感を刺激するような工夫が大切である。

5 認知症の人に対する安全と安心への支援として転倒や事故を回避するために、手すりや滑りにくいマットなどの対策が大切である。

6 認知症の人に対する自己選択の支援として活動量の低下を招かないよう柔軟性をもって自己選択ができる環境を整えることが大切である。

7 認知症の人に対するプライバシーの確保については羞恥心に配慮したり、一人でいられる環境、あるいは他の人との交流を選択できる環境を整えることが大切である。

8 介護が必要になる3大要因として「脳血管疾患」「廃用症候群」「認知症」がある。

9 認知症ケアについては、その人の性格や気質、生活歴、社会関係、身体状況など様々な要因に焦点をあてたケアが大切である。

10 認知症のひとは、環境が変化することによるダメージに弱いが、特にそれらをトランスファーショック(リロケーションダメージ)という。

 

解答

1:○

2:○

3:○

4:○

5:○

6:○

7:○

8:○

9:○

10:○環境の変化によっては認知症の症状が急激に進行することがあるので注意が必要です。

 

問題

1 認知症の方に対しては、プライドを尊重する、傾聴する、非審判的態度をとる、価値観を尊重するなどが大切となる。

2 認知症ケアで大切なことは「本人は何か思いがあって行動している」ということを理解することである。

3 認知症ケアで大切なことは認知症の人に感謝の気持ちを伝えることである。

 

解答

1:○非審判的態度はバイステックの7原則の一つですが、援助者はどのような観点からであっても利用者を裁いてはならないという原則です。

2:○認知症のかたの行動には何か目的があります。その思いと目的を理解して共有することが重要です。

3:○ほめて感謝する行為は本人のプライドを満足させるとともに気持ちが穏やかになる効果もあります。

 

4連携と協働 1)地域におけるサポート体制 →○地域包括支援センターの役割・機能 ○コミュニティ、地域連携、まちづくり ○ボランティアや認知症サポーターの役割・機能 2)チームアプローチ→○ 多職種協働の継続的ケア

問題

1 認知症の地域におけるサポート体制の一つに「地域包括支援センター」がある。

2 認知症地域医療支援事業は、地域における認知症の発見や対応システムを充実させるためにかかりつけ医に対して助言を行うサポート医の支援等を行う事業である。

3 認知症の方に対する地域支援として「認知症サポーター養成講座」が市町村が中心になって実施されている。

4 認知症ケアにおけるチームアプローチとは、多職種、多資源が協同して認知症の方の生活を支援していくことである。

 

解答

1:○ここでは@総合相談支援、A虐待の早期発見・予防など権利擁護、B包括的、継続的ケアマネジメント支援、C介護予防ケアマネジメントの4つの機能を担っています。

2:○

3:○

4:○

 

5家族への支援 1)家族への支援 →○家族の認知症の受容の過程での援助 ○家族の介護力の評価 ○家族のレスパイト ○その他

問題

1 認知症の家族会は1950年にはじめて結成された。

2 認知症の人を介護する家族の4つの苦しみとは@24時間気の休まることの介護で、心身共に疲労に陥っていることA家庭生活が混乱していることB先行きに大きな不安があることC苦労が周りの人にわかってもらえず孤立無援の思いでいることである。

3 レスパイト・ケアとは、要介護者の家族を一時的に一定の時間介護から開放することにより、常日頃の介助からのストレスや疲れを回復させようとする援助このことをいう。

4 家族へのレスパイトケアの方法として介護保険サービスの利用があげられる。

5 家族へのレスパイトケアの方法として入院治療があげられる。

6 家族へのレスパイトケアの方法として家族会への参加、家事の代行サービスの利用などがある。

7 家族へのエンパワメントとは、家族が本来持っている力を引き出せるように援助することである。

8 社団法人 認知症の人と家族の会では、交流会の他に電話相談などの活動を行っている。

9 家族介護者同士が行うカウンセリングのことをピア・カウンセリングという。

 

解答

1:○現在「認知症の人と家族の会」という名称で全国へ広がりました。

2:○

3:○このことで介護する家族はリフレッシュすることができ、再び認知症の人に適切な介護が行えるようになります。

4:○具体的には、訪問介護やデイサービスの利用、ショートステイの利用、施設やグループホームの利用などが考えられます。 ..

5:○認知症以外の疾患がある場合周辺症状が出現することがありますが、入院・治療をおこなうことで周辺症状が落ちつくこともあります。

6:○

7:○具体的には認知症の方本人の能力低下などで、家族が自責の念を持たないように、家族のできているところをほめたり、これまで十分介護してきたことを伝えます。

8:○

9:○

 

6その他認知症に関する過去問題

問題
1 認知症の老人の徘回は,ほとんどの場合,やさしく分かりやすい説明をすると気持ちがおさまるものである。

2 認知症老人に対しては危険を防止するために,部屋もしくは玄関に旋錠しなければならない。
3 認知症老人の徘徊は,情緒が不安定なために起こる行動であるから、精神安定剤を服用させる。
4 認知症老人を望むままに徘徊させると,むしろ徘徊を助長し、収拾がつかなくなることもある。
5 認知症のあるかたについては、徘徊が危険だということが分かるように説得したほうがよい。

6 出勤しようとしている認知症の高齢者には,その必要がないといって引き止める。

7 認知症高齢者の望むままに徘徊させると,介護が大変になるので,行動を規制した方がよい。

8 認知症のお年寄りについては行動制限を強化すると、徘徊など不安定さが激しくなることも予測されるので、可能な限り自由な行動を認める。

9 施設の認知症の利用者で徘徊が激しい場合は他の利用者の迷惑になるので、直ちに他のユニットに居室替えをする。
10 認知症のある「ぼけてしまって何も分からない」と訴える老人に対しては,「ぼけていない」と激励してもよい。

11 間違えたことを言いはる認知症老人に対しては,間違っていることをその場で訂正するようにする方が知能回復に効果がある。

12 認知症老人との対話を深めるには,介護従事者から話題を提供することを極力避けるべきである。

13 認知症の老人との対話がすれ違っても,介護従事者は社会人どうしの対話という原則に留意して行うべきである。

14 認知症のある人には、その人の言動から気持ちを察し受容する。
15 認知症のある人には相手の動作・行為のペースに合わせて介護する。
16 認知症のある人には、間違いは間違いとして忍耐強く諭(さと)したほうがよい。

17 認知症のある人には、感性的な納得を助けるコミュニケーションの技法に心掛ける。

18 認知症老人が過去と現実を混同したり,作り話をしたときは,その都度きちんと訂正したほうがよい。
19 認知症老人との対話を深めるには,介護従事者から話題を提供することを避けたほうがよい。
20 認知症高齢者には,「知らない人がいる」というような幻覚がみられることがある。このような場合は,すぐに訂正しなければならない。

21 認知症高齢者とのコミュニケーションは,高齢者にわかりやすい言葉で,優しいしぐさや暖かいまなざしを加えると効果的である。
22 認知症の高齢者が思い出話をすると,認知が悪化することがあるので,思い出話はさせない方がよい。

23 認知症の高齢者が異物を口に入れたような場合,「口の中のものを出しなさい」と強く指示する。                            

24 認知症高齢者との対話が,介護従事者にとって十分理解できない場合は,対話を中断する。

25 認知症高齢者に対しては、誤認や作話など,思い込みの世界に入り込んで会話をする人には,話の内容に同調してはならない。

26 認知症高齢者に対しては、思い出深いことがらに焦点を合わせて話をすると,コミュニケーションがとりやすくなる。

27 認知症の高齢者同士の会話は成立しにくいので,介護従事者はその間に入って,誤りを正しながらリードするのがよい。

28 認知症高齢者が同じ話を繰り返しても,嫌な顔をしないで,その都度話を聴いたほうがよい。

29 認知症の老人についてはルールが簡単で結果が分かり易いゲーム遊びを積極的に取り入れる。
30 認知症の老人同志の会話はむずかしいので,介護従事者は常にあいだに入って楽しい談らんができるようリードする。
31 認知症老人については、散歩を共にし,介護従事者は天候・景色・草花等を話題にして思い出を喚起する。
32 認知症老人については、好きな歌を歌う機会を作り,リズムを楽しみ,楽しい感情を皆で共有する。
33 認知症老人については個人の趣味,生活経験等を配慮して,縫い物・書道・調理等の活動を取り入れる。
34 認知症老人の援助については,住み慣れた地域で,今までの生活様式を大切にしながらどのように地域社会が援助していけるかが問われている。
35 認知症のある老人については、寝たきりにさせないように介護することで意欲の低下を防止するための計画を立てたほうがよい。
36 認知症があって、認知力が弱く,だれにでもすぐなじむ人については,介護従事者を次々に交替させてもあまり影響はない。
37 認知症老人の介護に当たっては,介護従事者は,自己の感情を抑圧して対応したほうがよい。
38 認知症老人の残存機能の維持・回復は,体操,音楽,縫い物などが効果的である。
39 認知症老人には,適切な生活刺激が必要であるが,昔話や童話は不適当である。

40 認知症のあるお年寄りの徘徊が目立つので,家族から預かった薬を飲ませることは問題がない。
41 認知症のお年寄りは、施設入所後の数日は場に慣れずに帰りたがるので,家族に対しては面会は当施設が指示するまで待つように伝えた方がよい。

42 認知症老人の家族の援助に当たっては,家族が専門医の診断に基づいて痴呆症状について正しく理解することが,まず求められる。

43 介護従事者は,認知症の老人の目をとおした生活現象をそのまま受けとめることも必要である。
44 認知症のため異食行動のある場合は,手芸クラブなどに参加させてはいけない。

45 認知症老人を理解するためには,痴呆症状についての医学的な知識が必要である。
46 認知症の高齢者は浴室やトイレ等の場所が分からなくなるので,大きなシールを貼って,視覚的な情報が伝わるように改善した方がよい。

47 認知症の高齢者は、食事をしたことを忘れてすぐに食べたがるので,食堂に表示板を取り付けて,食事が終わったら○をつけるなど,確認できるような工夫も大切である。

48 認知症の高齢者は、容易にお湯を使用できるように,自由に温度が調節できる瞬間湯沸器を取り付けたほうがよい。
49 認知症の高齢者は、家の中で自由に歩き回れるように,各部屋の段差をなくし,転倒などの事故がないように工夫することも大切である。
50 認知症の高齢者は、トイレで鍵をかけて出られなくなることもあるので,鍵を取り外したほうがよい。
51 いわゆる盗られ妄想は,老人性認知症に特徴的な症状の一つである。
52 認知症高齢者が入所後,利用者は施設になじめず,しきりに帰りたがるので,介護従事者の判断により,入所を継続することは困難であることを家族に連絡した。
53 ショートステイを利用する認知症高齢者の介護が、新しい生活環境に慣れない場合,介護従事者はよく観察し,必要に応じて気持ちを落ち着かせる工夫をした。
54 認知症高齢者同士になじみの関係ができていると,気分が安定することが多い。
55 認知症高齢者は、おはじき,お手玉など子ども時代の遊びをすると,気分が安定することがある。
56 認知症高齢者が、新しい環境に慣れるためには,使い慣れた家具・調度品などは目に触れないようにする。
57 病院への入院や,施設への入所などの生活環境の変化は,精神を刺激するので,認知症を予防することができる
58 認知症高齢者が日時や自分のいる場所が分からなくなるのは見当識障害の場合もあるので,専門家の判断を求めることが望ましい。
59 認知症高齢者が自宅にいて「家に帰る」と言う場合,「ここはあなたのおうちですよ」といい,外出を制止する。
60 家族が介護している認知症高齢者を援助する場合,介護従事者はその家族を支援することも必要である。
61 認知症高齢者に対しては、上手にできなくても,危険や感染などにつながらない行動であればとがめない。
62 認知症高齢者に対しては、話が通じなくても,優しい仕草やまなざしで,感情に働きかけることが重要である。
63 認知症高齢者は、通常の物忘れは体験の一部に限定され自分でも忘れたことに気がついているが、認知症の場合は,体験そのものを忘れてしまうといった記憶障害が起こりやすい。
64 認知症は物忘れにとどまらずに,失見当や認知障害へと進行するが,そうした自分の障害を自覚しているものである。
65 認知症のある人が何らかの意思表示ができる場合には,一緒に介護計画を考える必要がある。
66 認知症のある高齢利用者が入所したばかりで,興奮して落ち着かないので,家族に,家を思い出させる物は持ち帰ってもらったほうがよい。
67 認知症の人に対しては重度であっても、本人の願いを理解し、潜在能力を最大限にいかすことを基本とするていくことを基本とする。
68 認知症の人に対しては不潔行為を避けるために、つなぎのパジャマを着せたほうがよい。
69 認知症の人が夜間、他の利用者の部屋に入ったので、介護職員の部屋で一緒にお茶を飲むなどして落ち着かせることは適切である。
70 認知症の人の訴えを根気よく聞くことにより、心身の状況を把握するとともに情緒の安定がはかられることがある。
71 アルツハイマーの利用者の暴力行為が続く場合は、ケア会議を開いて対応を検討したほうがよい。

解答
1:○

2:×虐待にあたる行為となるので不適当です。
3:×薬の処方に関しては介護職の判断ではできません。

4:○徘徊を助長しないようにするには、時間を決めて散歩にさそう・・・本人の希望するところへ連れて行くなどの対処方法が必要です。
5:×認知症の人にたいして理づめで「説得する」ことは、それを理解する神経系が病気のために働きが乏しくなっているのでうまくいきません。説得よりも穏やかな対応をとることが必要です。
6:×説得したり、引き留めたりせずに、気を反らせたり、優しく説明するなどの対応のほうが大切です。
7:×行動規制をするほうが認知症高齢者をより混乱したり不安がったりするので不適切です。
8:○可能な限り行動を制限しないこと・・・これが原則です。
9:×たしかに徘徊が激しいと他の利用者に迷惑になることもあるでしょう。でも、直ちに居室替えというのは行き過ぎです。認知症の利用者であっても了解をとるのが原則。

10:×このような状況で激励することは崖っぷちに立つ人の背中を押すようなものです。ますます症状を悪化させてしまいます。
11:×間違ったことをその場で訂正しては認知症のお年寄りが混乱してしまいますし、知能回復の効果もありません。
12:×話題を提供することで人間関係が築かれてコミュニケーションもスムーズになります。
13:○認知症のお年寄りとお話していて、話がすれ違うことはよくあることです。すれ違ったとしても受け止めてあげましょう。

14:○
15:○

16:×強く諭すのではなく、受容することが大切です。

17:○認知症のかたはいろんなかたちで感情表現をします。それらを受け止めながらコミュニケーションを円滑にしていく技法を身につけることは大事です。
18:×認知症では記憶障害、見当識障害、判断力の低下などがおきます。過去と現実を混同しても否定や訂正しないようにしましょう。また、「作話」は本人の不安からくるものですからこれも訂正などせず受け止めることが望ましいです。
19:×一方的に介護者が話しまくるのは問題ですが、話題を提供してコミュニケーションを円滑にすることは望ましいことです。

20:×認知症のかたで存在しないものが見えたり聞こえたりする、実際には虫などいないのに、「虫がいる」といって気味悪がったりする方がいます。普通の常識からすれば、誤りを訂正するのが正しい対応ですが、認知症の方にはこのような常識は通用しません。否定しないで受け止めてあげることが大事です。
21:○
22:×認知症のお年寄りにこの回想法(思い出話などをする)というのは有効です。
23:×強く指示しては混乱するばかりです。
24:×十分に理解できなくても中断をしないで受け止めることが大切です。

25:×否定するのではなく、むしろ同調してあげることにより症状が安定します
26:○認知症のお年寄りは、昔懐かしい思い出話などしたり、昔のものに触れたりすることでコミュニケーションが取りやすくなります。
27:×会話が成立しにくいことが多いですが、受容し誤りを訂正してはいけません
28:○

29:○認知症では記憶障害と認知機能障害(失語・失認・失行・実行機能障害)があるので複雑なゲームなどは混乱のもとになります。したがって簡単でわかりやすいルールのものがよいです。
30:×少々会話が困難でも、その場の空気にまかせるこが必要です。必要以上の介入はひかえなければいけません。
31:○思い出を喚起することを回想法といい認知症の人には効果的です。
32:○このように感情を共有することで症状が緩和されることが多いです。
33:○認知症のお年寄りが慣れ親しんだものをとりいれて活動することが大切です。

34:○
35:○意欲が低下することで認知症も進みます。ですから意欲たもてるケアメニューをたてることが大事になってきます。

36:×環境の変化は避けないといけません。認知症のかたは環境の変化で不安な気持ちも大きくなります。
37:×この問題が正しいとする人は多いのですが、感情の抑圧だけではストレスがたまるだけです。介護者と認知症のかたと(利用者さん一般でも同じ)より良い人間関係を築くためには、自分も相手も大切にした自己表現法を追求することが大事です。
38:○とにかく使える能力は使って機能を回復させようとするのが残存機能の回復というやりかたです.
39:×昔話をしたり、童話を聞くなどすることは回想法として、今や認知症ケアの有効な手段となっています。

40:×いくら家族から預かった薬であっても、医師の指示なしに飲ませてはいけません。

41:×利用者の要望をケア担当者がかってな判断で面接を拒否してはいけません。不安な気持ちでいるからこそ家族との面接が欠かせないと思います。
42:○
43:○
44:×異食行動があるからといって行動を制限してしまってはいけません。介護者は見守りをしながらのレクリエーション活動の援助をすることが大切です。

45:○認知症という病気を知っているからこそ、認知症のかたの理解が出来るというものです。
46:○大文字で張り紙・・・短期記憶が失われるので効果があります。
47:○今食べたのことを忘れる・・よくあります。「食事が終わりました」という表示で納得するお年寄りもたくさんいます。
48:×温度が自由に設定できタイプだと、認知能力の低下している人が使用すると危険です
49:○認知症のお年寄りだけでなく、お年寄りの部屋一般にいえることですね
50:○「鍵をかけてでられなくなった」ではこまりますから鍵はないほうが安全です。
51:○「お金を盗まれた・・」認知症のかたで妄想をいだくかたがいます。いわゆる「盗まれ妄想」ですね。「一緒に探しましょう」といって関わる・・「そんなはずはない」と否定してはいけません。
52:×何処に問題があるのかを調べもしないで、安易に家族へ連絡するというのはありえません。
53:○環境が変わると認知症の高齢者は落ち着きません。そのことが原因で症状が悪化したりしますから気持ちが安定するように工夫は大事です。
54:○認知症のお年寄りでなく、私たちもそうですが、周りの人間関係ができると気持ちが安定しますよね。
55:○認知症のかたはこのような回想法が有効となります。
56:×認知症ではあまり環境を変えないことが基本で、使い慣れたものをおくほうが気持が安定するものです。
57:×環境の変化は痴呆症状を助長させるので注意が必要です。
58:○見当識が障害されると、家族がわからなくなったり、日時や季節がわからない、あるいはいま自分がいる場所がわからないというような現象が起こります。
59:×一緒に帰りましょう・・といって気をそらすことも大事・・制止は逆効果です
60:○利用者ばかりではなく、その家族に対する援助も介護する側の役目です。
61:○命や健康にかかわるような状況でない限りは行動を制限しないほうがよい結果を得られます。
62:○感情が安定するには、優しく丁寧に接することが重要です。
63:○大事なポイントです。通常のど忘れとの区別をしっかり覚えておきましょう。
64:×認知症の場合はこれらの障害を自覚していることはありません。
65:○介護計画は原則利用する方と介護する側が一緒になってたてることが原則です。
66:×思いでの品を奪ってはいけません。ますます認知症が悪化してしまいます。
67:○「重度だから何も言っても理解できないはず」などと勝手な判断をしてはいけません。介護者は伝える努力をしなければいけません。
68:×ずっと以前、つなぎパジャマは不潔行為を防止するためによく使われてました。現在では虐待行為となりますから不適切です。
69:○落ち着いてもらう手段として適切な行為かと思います。
70:○
71:○

第24回試験問題

【認知症の理解】(10問)

問題77 グループホームにおける認知症ケアに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解1: 認知症を取り巻く状況4)認知症に関する行政の方針と施策→○ 認知症高齢者支援対策の概要(相談対策の整備、在宅対策、施設対策、権利擁護対策、地域密着型サービス、その他)

 

 

1 利用者同士がなじみの関係になれることを重視する

2 利用者が力を発揮できる場面をつくる

3 行動・心理症状(BPSD)の治療に焦点を当てる

4 家庭的な環境をつくる 

5 地域との交流を進める

 

解答

1:○

2:○

3:×グループホームは入居する高齢者が少人数単位で家族的な介護を行うことに特徴がああります。行動・心理症状(BPSD)の治療というよりも介護要員と共同生活を送ることにより、認知症の進行を遅らせることが大きな目的となります。

4:○

5:○

 

問題78 成年後見制度における法定後見に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解1: 認知症を取り巻く状況4)認知症に関する行政の方針と施策→○ 認知症高齢者支援対策の概要(相談対策の整備、在宅対策、施設対策、権利擁護対策、地域密着型サービス、その他)

1 判断能力が低下する前に契約することができる

2 申立て人は本人か四親等以内の親族でなければならない

3 申立て先は本人の住所地の都道府県である

4 後見人には法人が選ばれることもある

5 後見人はその職務として本人の死亡後の葬儀を行わなければならない

 

解答

1:×法定後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて、後見、保佐、補助の 三つの制度がありますがこの法定後見制度では判断能力が低下する前の契約はできません。法定後見制度以外の

任意後見(これは法定後見ではありません)については契約の利用の仕方については、本人と任意後見受任者が任意後見契約を締結する際には、本人に判断能力が備わっていることが必要となります。

2:×成年後見制度の申し立ては本人・配偶者・四親等内の親族・市町村長などに限られています。

3:×都道府県ではなく本人の住所地を管轄する家庭裁判所が申し立て先となります。

4:○成年後見人等には、個人だけでなく、法人もなることができます。裁判所で法人後見人に選任された例では司法書士で組織された社団法人や、社会福祉協議会、社会福祉士会等があります。

5:×後見人の職務に葬儀は含まれません。原則として葬儀は、相続人が執り行います。

 

 

問題79 Bさん(83歳、要介護2)は、妻(78歳)と二人暮らしである。3年前から物忘れが多くなり、半年くらい前から一日中、何もしないですごすようになっている。最近では入浴を嫌がるほか、日常生活全般に見守りや介助が必要になっており、失禁のためおむつを使用している。現在、訪問介護を週2回利用しているが、妻は、最近疲れるようになってきたと訴えている。Bさんが在宅での生活を続けるために当面必要とするものとして、最も適切なものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解1: 認知症を取り巻く状況4)認知症に関する行政の方針と施策→○ 認知症高齢者支援対策の概要(相談対策の整備、在宅対策、施設対策、権利擁護対策、地域密着型サービス、その他)

1 認知症対応型通所介護

2 認知症対応型共同生活介護

3 通所リハビリテーション

4 居宅療養管理指導

5 特定施設入居者生活介護

 

解答

1:○

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題80 認知症(dementia)の症状として、通常見られないものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解」2:医学的側面から見た認知症の基礎 1)認知症による障害→○ 記憶障害 ○見当識障害 ○失語、失行、失認、その他

1 記憶障害

2 運動失調

3 失語

4 見当識障害

5 判断力の低下

 

解答

1:○

2:×通常見られません。認知症の症状としては健忘 :物忘れがひどくなる。 見当識障害: 日時、場所、人がわからなくなる。 思考障害: 考える力、理解する力が低下する。計算ができなくなる 。認知障害: 物事を見分け判断する力が低下する。人違いをする。 失語: 言葉がなかなか出てこないなどの症状があります。

3:○

4:○

5:○

 

 

問題81 在宅療養中のCさん(72歳、男性)は、転倒し後頭部を打ったが、いつもと様子は変わらなかった。しかし4週間たった頃より、物忘れが急速に強くなり、ここ数日、ふらつくようになった。Cさんの疾患として、最も可能性の高いものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解」2:医学的側面から見た認知症の基礎 3)認知症の原因となる主な病気の症状の特徴→○ アルツハイマー病 ○血管性認知症 ○レビー小体病 ○ピック病 ○クロイツフェルト・ヤコブ病 ○その他(慢性硬膜下血腫等)

1 アルツハイマー

2 血管性認知症

3 慢性硬膜下血腫

4 クロイツフェルト・ヤコブ病

5 前頭側頭型認知症

 

解答

1:×

2:×

3:○慢性硬膜下血腫 (まんせいこうまくかけっしゅは、主に 高齢者 にみられる、 硬膜 と 脳 の間に血腫が緩徐に形成される疾患。多くは、数ヶ月前に頭をぶつけたなど比較的軽度な 頭部外傷 が原因のことが多いです。症状としては問題文にあるように物忘れやふらつきなどがあります。

4:×

5:×

 

問題82 レビー小体型認知症の症状の特徴として、適切でないものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解」2:医学的側面から見た認知症の基礎 3)認知症の原因となる主な病気の症状の特徴→○ アルツハイマー病 ○血管性認知症 ○レビー小体病 ○ピック病 ○クロイツフェルト・ヤコブ病 ○その他(慢性硬膜下血腫等)

1 パーキンソン症状

2 鮮明で具体的な内容の幻視

3 初期からの人格変化

4 症状の日内変動

5 転倒しやすい

 

解答

1:○

2:○

3:×レビー小体型認知症(れびーしょうたいがたにんちしょう)はアルツハイマー型認知症や脳血管性認知症と同じ認知症で、変性性認知症の一種です。日本では三大認知症の一つです。認知障害だけでなくパーキンソン病のような運動障害も併発するのが特徴です。「レビー小体型認知症ではその発症初期に幻覚、特に幻視や妄想が出てくるのが特徴です。患者自身にとっては”リアル”にそこにはないものが見えてきます。人格変化は初期の段階ではあらわれてきません。

4:○

5:○

 

問題83 長谷川式認知症スケールに関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解」2:医学的側面から見た認知症の基礎 5)病院で行なわれる検査、治療の実際→○ 検査 ○治療 ○予防

1 知能指数(IQ)で評価する

2 心理症状、行動障害に関する質問から成る

3 うつ状態の有無を知ることができる

4 記憶、見当識、計算などに関する質問から成る

5 点数(得点)が高いほど重症である

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○長谷川式スケールは比較的短時間で簡単に評価できるため、日本ではよく使われています。30点満点で、21点以上は非認知症、20 点以下を認知症の疑いとしていますが、軽度の認知症は平均19.1点、中等度認知症で15.4点、高度の認知症で10.7点、非常に高度で4.0点となっています。質問内容についてはhttp://www.ntv.co.jp/gyoten/0709gyoten/sp/hasegawa/index.html ←こちらを参考にしてください。

5:×点数が低いほど重症です。

 

問題84 Dさん(80歳、女性)は、数年前から物忘れが多くなっている。一人息子は遠方におり、長く夫と二人暮らしをしていた。半年前に夫が亡くなったことを嘆いていたかと思うと、別の日には夫が帰ってこないと心配して、近所を歩き回るといった状況である。今回、グループホームに入所することになった。入所後の生活支援として、最も適切なものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解」3:認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活2)認知症に伴う機能の変化と日常生活への影響→○ 認知症の人の特性を踏まえたアセスメント(保たれている能力と低下している能力の把握、家族との関係の把握、その他)

1 たびたび面会に来るよう息子に連絡する

2 夫の位牌や仏壇は息子に預かってもらう

3 一人にならないよう、常に見守る

4 家具の配置は掃除のしやすさを優先する

5 家事等に参加できる機会をつくり、役割をみつける

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○

 

問題85 アルツハイマー型認知症の初期の階段で起こることとして、最も可能性の高いものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解」3:認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活 1)認知症の人の特徴的な心理・行動→○ 認知症が及ぼす心理的影響 ○認知症の人の特徴的な行動障害

1 もの盗られ妄想

2 幻視

3 反社会的な行動

4 けいれん発作

5 めまい

 

解答

1:○

2:×アルツハイマー型認知症の初期症状には次のものがります。けっこうたくさんありますが整理しておいてください。・お金や財布やを盗まれたと言って騒ぐようになる。・人や物の名前が出てこない。 ・日にちや時間がわからなくなる。 ・以前持っていた関心や興味を失くしてしまう。 ・ちょっとしたことで怒りっぽくなる。 ・同じことを何度も聞いたり、言ったりする。 ・どこに物を置いたのか思い出せなくなる。 ・以前はしていた日課をしなくなる。 ・薬が管理できなくなる。 ・いつもの場所で道に迷ってしまう。 ・夜中に起き出して騒ぐことがある。 ・水道の蛇口など、しめ忘れが多くなる。 ・簡単な計算も間違えるようになる。 ・身だしなみを気にしなくなる。  ・以前よりもとても疑い深くなってきた。 ・テレビドラマなど、内容が理解できなくなる。

3:×

4:×

5:×

 

問題86 地域包括支援センターに関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

出題基準「認知症の理解」4:連携と協働 1)地域におけるサポート体制 →○地域包括支援センターの役割・機能 ○コミュニティ、地域連携、まちづくり ○ボランティアや認知症サポーターの役割・機能

1 地域の介護支援専門員が抱える支援困難な認知症事例について直接対応する

2 精神保健福祉士の配置が義務づけられている

3 通所している認知症の人に創作的活動や生産活動を提供して、社会との交流を促進する

4 成年後見制度の活動促進や消費者被害の防止に取り組む

5 近隣の住民からの要請で、近隣の住宅に無断侵入する認知症の人を施設に入所させる手続きをする

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○

5:×

 

参考 地域包括支援センター業務

@介護予防事業。

要支援1・2、特定高齢者(生活機能の低下に不安がある高齢者)の人が、介護を必要とする状態になることを未然に防ぎ、また、介護が必要な人でも、できるだけ体の機能を改善するために、一人一人の状態に合わせたさまざまなサービスの利用計画を作成する。

Aさまざまな相談。

高齢者やその家族、近所に住む一人暮らしの高齢者の介護や福祉・保健・医療に関する悩み、相談を受け、必要な介護予防サービスなどを紹介する。

B地域のつながりの強化。

地域の高齢者団体の活動支援や介護支援専門員(ケアマネジャー)のネットワークづくり、医療機関との連携などを進める。

C高齢者の権利を守る。

地域のつながりを強めて、高齢者虐待の防止や認知症により自分自身の財産などを管理できない人の支援を行う。



内容について変更することが多々ありますのでご注意ください。

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