カウンターホームページ素材 新着情報ウェブアーキテクトアクセスアップ


総合問題(過去の事例問題を集めました。過去3回までの事例問題を紹介します。)

 

事例問題1

介護老人福祉施設で暮らすFさん(88歳、男性)は、1年前に脳梗塞(cerebral nfarc

tion)を患い、軽度の右片麻痺があるが週に1回書道を楽しんでいる。

この書道サークルは、地域ボランティアの手伝いによって運営されており、Fさんとボランティアとの関係も良好である。Fさんは暇をみつけては同室のGさんに書道を勧めていたが、

Gさんは乗り気ではない。Fさんの性格は職人気質であり、書道に関しては自分流のやり方にこだわりがある。過去には書道教室の先生をしており、また個展を開いた経験もある。

最近、認知症(dementia)の症状が現れ、部屋に閉じこもるようになり、活動に参加しても時折、半紙の前で動きが止まり、いらいらするようになった。

 

問題1 Fさんへのレクリエーション活動援助に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 書道以外のレクリエーション財を勧めた。

2 利き手である右手のリハビリに専念するように勧めた。

3 Gさんと一緒に書道に参加するように勧めた。

4 ボランティアに対してFさんの生活全般の援助を依頼した。

5 Fさんの書道に対する想いを聴いた。

 

解答

1:

2:

3:

4:

5:○

 

問題2 認知症の症状が出てきたFさんに対するレクリエーション活動援助として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 書道に関する思い出話をしながら、書道の援助を行う。

2 手の動きが止まったら、墨が乾く前に書くように声をかける。

3 活動中に席を離れたら、すぐ活動に戻るように促す。

4 他の利用者と同じ墨や半紙を用意する。

5 書道よりも脳に刺激のあるゲームを勧める。

 

解答

1:○

2:

3:

4:

5:

 

問題3 書道サークルの運営に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 ボランティアが書道サークルの運営を主導する。

2 ボランティアが急に休んだ場合、その週の活動を中止する。

3 ボランティアの協力を得て、地域の書道展に出展する。

4 ボランティアが地域の書道教室への参加を決める。

5 ボランティアの人数が減ったので、別に活動に変える。

 

解答

1:

2:

3:○

4:

5:

 

事例問題2

軽度の知的障害があるEさん(50歳、男性)は、高齢の母親(84歳)と生活していた。

母親は肝がん(liver cancer)のため入院治療となったことで、相談支援事業所へ相談、障害者自立支援法での居宅介護(週4回)を受けることになり、

M居宅介護従業者(以下、M従業者という。)が担当する事になった。また、それ以外のEさんの日常生活は近くに住む叔母(76歳)が支えていた。

 

問題1  Eさんへの初回訪問におけるM従業者の対応として、適切なものを一つ選びなさい。

1 親しみを感じさせるために名前をチャン付けで呼ぶように心がける。

2 Eさんを知っている相談支援専門員と同行する。

3 Eさんへの援助内容は、入院中の母親の意思に従うこととする。

4 Eさんの生活歴については、M従業者が直接福祉事務所へ照会する。

5 Eさんを気遣って、Eさんから支援に必要な情報を聴かないようにする。

 

解答

1:

2:○

3:

4:

5:

 

問題2 支援当初、M従業員はEさんとのコミュニケーションもうまく取れず悩むことも多かったが、その後徐々に意思疎通もでき、Eさんの日常生活能力なども理解できるまでになった。

ところが先月母親が死亡、Eさんは精神的に落ち込み、生活リズムも乱れ、食欲も低下し、家に閉じこもることが多くなった。このようなEさんへのM従業者の対応として 、

最も適切なものを一つ選びなさい。

1 心配しなくても大丈夫と元気づける。

2 まずは食事をするように促す。

3 相談支援事業所へ施設利用を促す依頼の電話をする。

4 本人の表情や言動などは気にせず、家庭援助に専念する。

5 Eさんの心身と生活の状態について、本人や叔母から確認する。

 

解答

1:

2:

3:

4:

5:○

 

問題3 その後Eさんは落ち着きを取り戻してきたので、Eさんの今後について、Eさんを交えての相談支援事業所によるケアカンファレンスが開かれる事になり、

担当のM従業者も出席を要請された。しかし、Eさんは、ケアカンファレンスへの参加に迷っている様子である。ケアカンファレンスにおけるM従業者の対応として、適切なものを一つ選びなさい。

1 Eさんが参加を迷っているので、M従業者は出席しない。

2 発言はサービス提供責任者に任せる。

3 ケアカンファレンスに記録をすべて提出する。

4 EさんへM従業者も参加する事を伝え、出席をするよう誘う。

5 Eさんの参加については、叔母には相談しない。

 

解答

1:

2:

3:

4:○

5:

 

事例問題3

P市二住むFさん(85歳、産制、要介護1)は、下肢の筋力が低下し歩行に支障があり、室内の家具を使って伝い歩きをしている。調理と掃除の訪問介護サービスを週2回利用している。Fさんは知的障害のある娘(48歳)と二人暮らしであり、娘は日中、作業所に通っている。今回の訪問時にソファーで横になって動こうとしないFさんに声をかけたところ「最近、浴室で転んだ」と話した。きれい好きなFさんであったが、髪は汚れひげも伸びていた。Fさんは前回の訪問時と同じシャツを着ており、洗濯かごには娘の衣類が入っていた。また、ソファーの下に湿布や鎮痛剤の薬の袋が落ちていた。

 

問題1 現時点でのFさんの生活をアセスメントする際に、優先されるものを一つ選びなさい。

1 洗濯の状況

2 入浴の状況

3 転倒の状況

4 睡眠の状況

5 娘の状況

 

解答

1:

2:

3:○

4:

5:

 

問題2 Fさんの状況を把握した訪問介護員の行動として、適切なものを一つ選びなさい。

1 介護支援専門員の訪問を待つように伝えた。

2 訪問介護サービスの「調理」を「入浴」に変更した。

3 事業所のサービス提供責任者に報告した。

4 介護内容の変更をP市役所に依頼した。

5 娘に家事を手伝うように指導した。

 

解答

1:

2:

3:○

4:

5:

 

問題3 数日後、回復したFさんは「自宅で入浴したい」と伝えてきた。安全に入浴するための助言内容として、適切でないものを一つ選びなさい。

1 段差解消には、すのこ等を使用する。

2 シャワーチェアーを使用する。

3 滑らないバスマットを使用する。

4 石けんをケースに入れて床に置く。

5 浴室と洗面所の温度差を少なくする。

 

解答

1:

2:

3:

4:○

5:

 

事例問題4

Gさん(95歳、要介護5)は妻(88歳)と二人暮らしで、5年前より寝たきりである。ベッドとエアマットの貸与を受け、日常生活は全介助である。Gさんは意思表示はでき、Gさんと妻の希望で自宅で終末期を過ごし、延命処置はしないという方針である。1週間ほど前から徐々に意識レベルが低下し、主治医からは「いつ亡くなってもおかしくない状況です」と言われ、訪問介護と訪問看護を毎日受けることになった。

 

問題1 妻は時々、「夫に対して、今の生活で十分なことができているのかしら…」と言うことがある。妻に対する訪問介護員のかかわり方として、適切でないものを一つ選びなさい。

1 Gさんの清拭は妻と一緒に行う。

2 妻からGさんとの今までの生活について傾聴する。

3 妻の悲嘆へのケアはGさんの死後から行う。

4 妻の体調酢量がないか観察する。

5 妻が何でも相談できるような関係を構築する。

 

解答

1:

2:

3:○

4:

5:

 

問題2 妻が「呼吸が止まったらどうしようかと気になって、昨夜は眠れなかった」と言った。この場面での訪問介護員が行う妻のへの支援として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 訪問看護師に頼んで今の状況や対応について説明してもらう。

2 「後悔しないように、もっと頑張りましょう」と答える。

3 「入院してもらってはどうですか」と提案する。

4 「そんな心配はないですよ」と答える。

5 主治医に睡眠薬を処方してもらうことを提案する。

 

解答

1:○

2:

3:

4:

5:

 

問題3 Gさんは、意識レベルが低下してから、やせが目立ち、呼吸数が減り無呼吸も見られるようになってきた。訪問介護員は訪問介護師と連携体制をとっている。この時期の訪問介護員が行う介護として、適切なものを一つ選びなさい。

1 肩の皮膚に発赤が見られたので、一時間毎に体の向きを変えた。

2 呼吸が下顎(かがく)呼吸になったが、様子をみた。

3 足にむくみが見られたので、踵(かかと)の下に小さな円座をあてた。

4 口唇が乾燥していたため、ガーゼで湿らせた。

5 死期が迫っているので、妻にGさんから離れているよう伝えた。

 

解答

1:

2:

3:

4:○

5:

 

事例問題5

5年前に介護老人福祉施設に入所したHさん(87歳、女性)は、入所当初は移動には車いすの介助が必要であった。しかい、現在では車いすを自分で操作して移動し、何かにつかまれば2〜3歩は歩行可能で、移乗と排泄は自立している。Hさんは歌が好きで社交的である。最近は視力と下肢の筋力の衰えが目立ち始めた。また、1ヶ月前には同じ年で仲の良かった友人が亡くなった。Hさんは睡眠薬を服用するようになり、今日の明け方、入所後初めて失禁してしまった。Hさんは「こんなことになってしまって…」と泣きくずれた。

 

問題1 泣いているHさんへの共感的な声かけとして、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 「泣くほど大変なことではないですよ」

2 「泣きたいほどつらいのですね」

3 「みんなが頼りにしていますから頑張りましょう」

4 「泣かれると私もつらいです」

5 「みなさんも同じですよ」

 

解答

1:

2:○

3:

4:

5:

 

問題2 Hさんの失禁への支援として、最も大切なものを一つ選びなさい。

1 おむつの使用を勧める。

2 水分を控えるように勧める。

3 室内にポータブルトイレを置く。

4 ヒトリでトイレに行かないように伝える。

5 Hさんと一緒に今後の対応を考える。

 

解答

1:

2:

3:

4:

5:○

 

問題3 Hさんの生活支援として、適切でないものを一つ選びなさい。

1 散歩に誘う。

2 足欲を行う。

3 ゆっくり噺を聴く。

4 好きな歌を楽しむよう勧める。

5 行事の司会進行を依頼する。

 

解答

1:

2:

3:

4:

5:○

 

事例問題6

Jさん(72歳、女性)は活動的で友人と買い物や旅行などによく行っていた。娘(40歳)は働いているため、Jさんは家事全般を引き受けていた。しかし、4か月前に路上で転倒し、大腿(たい)骨頸(けい)部骨折(femoral neck fracture)をした。入院治療を行い退院し、多少は歩くことができるようになったが、要介護1と認定され、訪問介護が導入された。退院後のJさんは気力の低下が著しく、家から出ることが少なくなったが、友人が毎日Jさんを訪問していた。この頃からJさんはいらいらしやすい、気が焦る、よく眠れないと訴えるようになった。病院受診の結果うつ病(depression)と診断され内服治療が開始された。最近はちょっとしたことをあれこれ心配し、「お腹が痛むから、がん(cancer)ではないかしら…」と言い出した。

 

問題1 最近のJさんの症状として、正しいものを一つ選びなさい。

1 心気症状

2 誇大妄想

3 言語新作

4 感情失禁

5 陰性症状

 

解答

1:○

2:

3:

4:

5:

 

問題2 訪問介護員のJさんへの支援として、適切なものを一つ選びなさい。

1 病気は良くなる一方だと説明した。

2 気分転換のため散歩に誘った。

3 朝方には気分が良くなると説明した。

4 十分に休養をとるように話し合った。

5 一人になれるようにそっとしておいた。

 

解答

1:

2:

3:

4:○

5:

 

問題3 うつ病と診断され2か月が経過した。Jさんのいらいらや気が焦るなどの症状も軽減してきたが、ある日訪問すると「消えてしまいたいと思う時があるの」と言った。訪問介護員の対応として、適切なものを一つ選びなさい。

1 隣人を訪問するように助言した。

2 Jさんの状況について医療職に伝えた。

3 簡単な調理を一緒に行った。

4 気持ちを明るくもつよう指導した。

5 激励の言葉をかけるように娘にメモを残した。

 

解答

1:

2:○

3:

4:

5:

 

事例問題7

Kさん(70歳、女性、要介護2)は、夫(78歳)と息子(45歳 会社員)とで同居している。Kさんは、40年来関節リウマチ(rheumatoid arthritis)に罹患(りかん)し薬を服用し、頚椎(けいつい)カラーを装着している。現在、両手・肩・股(また)・足関節に関節可動域制限があり、手は足先までは届かない。ベッド上では自力で起き上がりはできるがベッドからの立ち上がりには介助が必要で、歩行器での歩行が可能である息子は仕事から帰ると積極的に介護や家事をしてくれる。日中の生活援助は週3回の訪問介護員が行い、身体介助は夫が行っていた。最近、夫の左肩に痛みが生じ、訪問介護員に「今までのようにうまく妻の介助ができない」と漏らすようになった。

 

問題1 Kさんの日常生活への助言として、適切なものを一つ選びなさい。

1 マグカップは柄を持つ。

2 枕(まくら)は高くする。

3 歩行は四脚つえを利用する。

4 床のものはしゃがんで拾う。

5 ソックスエイドを利用する。

 

解答

1:

2:

3:

4:

5:○

 

問題2 Kさんのベッドの立ち上がりを介助するため、ベッドの端に座ってもらった。訪問介護者が次に行うこととして、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 手を介護者の首に回して組んでもらう。

2 ベッド柵(さく)を強く握ってもらう。

3 両足底を床につけ、ベッドの高さを調節する。

4 頸部と体幹を十分に前屈してもらう。

5 介助用リフターをベッド脇(わき)に運ぶ。

 

解答

1:

2:

3:○

4:

5:

 

問題3 夫に対する訪問介護員の対応として、適切なものを一つ選びなさい。

1 「まだ、やればできるから頑張ってください」

2 「身体介助は私が代わりましょうか」

3 「息子さんに介助してもらうよう頼んでください」

4 「肩の痛みは、どんどん動かすことで治まりますよ」

5 「介助のどのあたりは難しくなったのかを教えてください」

 

解答

1:

2:

3:

4:

5:○

 

事例問題8

Lさん(78歳、男性)じゃ、脳卒中(stroke)後遺症で左片麻痺と麻痺性構音障害がある。自宅復帰を目的に、つい先日、病院から介護老人保健施設に入所したところである。妻によるとLさんは若いころから口数が少なく控えめな人だという。

 現在、Lさんの発語ははっきり聞き取れない状態である。リハビリ室では言語聴覚士と共に、ゆっくり単語を話す練習をしている。Lさんは普段は穏やかだが妻の面会時に、顔を真っ赤にして怒っている様子が見られた。その後、妻が介護従事者に「私が来るといつも夫が怒るんです。つらくて…」と相談に来た。

 

問題1 Lさんの状態として、正しいものを一つ選びなさい。

1 舌や声帯などをスムーズに動かすことができない。

2 言いたいことを言葉として思い浮かべることができない。

3 聞くことができない。

4 会話の内容を理解することができない。

5 文章を読んで理解することができない。

 

解答

1:○

2:

3:

4:

5:

 

問題2 Lさんの食事の支援方法として、適切なものを一つ選びなさい。

1 介助する場合、左側から介助する。

2 スプーンは大きめのものにする。

3 喉(のど)にゴロゴロという音(湿性嗄()声)がしたら、食事は一旦(たん)中止する。

4 嚥下(えんげ)のペースが遅くなれば、介助者が介助して食べてもらう。

5 好きなテレビ番組を見ながら食べる。

 

解答

1:

2:

3:○

4:

5:

 

問題3 妻への返答として、適切でないものを一つ選びなさい。

1 「気にしない方がいいですよ」

2 「つらいですね」

3 「こちらでしばらく様子を見てみましょう」

4 「何か思い当たることがありますか」

5 「ご主人を含めて、3人でゆっくり話しましょうか」

 

解答

1:○

2:

3:

4:

5:

 

事例問題9

Nさん(72歳、女性、要介護3)は29歳で結婚、30歳で息子を出産直後に、夫を交通事故で亡くした。その後、市営住宅に移り息子と二人暮らしをしながら、工場で部品製造のパートで生計を立てた。そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった。網膜色素変性症のため、50歳ごろから次第に視力低下が進み、60歳で全盲になり、仕事を辞めた。

3年前、食欲不振、脱水の症状で体調を崩し、その後ぼんやりする事が多くなり、火の後始末や身の回りのことが出来なくなってきた。息子の縁談もまとまったが、「迷惑はかけられない」と1年前、養護盲老人ホームに入所。その後次第に息子の名前も分からなくなってきた。息子の訪問も疎遠になり、Nさんは家に帰りたがっている。最近夜間、一人でぶつぶつ言いながら、つたい歩きをするようになった。

 

問題1 次のうち、Nさんの状況から考えられるものとして最も適切なものを一つ選びなさい。

1 感染症

2 認知症

3 糖尿病

4 パーキンソン病

5 胃潰瘍

 

解答

1:

2:○「火の後始末や身の回りのことが出来なくなってきた」、「次第に息子の名前も分からなくなってきた」との記述から判断すると認知症が疑われるということが最も適切と思われます。

3:

4:

5:

 

問題2 レクリエーション活動援助におけるNさんへの働きかけに関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 庭に出て季節の野菜に触れるように勧める。

2 ジグソーパズルを勧める。

3 部品の組み立てを勧める。

4 クラシック音楽の鑑賞を勧める。

5 息子の婚約者に会いに行くことを勧める。

 

解答

1:○「そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった…」とあるので、庭に出て季節の野菜に触れるように勧めることは適切ですね。

2:「そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった…」とあるのでジグソーパズルが最も適切とはいえません。

3:「そのころの楽しみは、ベランダでわずかな野菜を育てることと、歌謡曲を口ずさむことだった…」とあるので部品の組み立てが最も適切とはいえません。

4:歌謡曲を口ずさむことが楽しみだったのに、クラシック音楽を進めてもレクリエーション活動の援助としてはふさわしくありませんね。

5:現在、息子さんの名前もわからなくなっている状況で、婚約者とあっても援助の意味があるとは思えません。従って間違い。

 

問題3 生活意欲の向上へ向けたNさんへの声かけに関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 「買い物に行って見ませんか」

2 「息子さんを誕生会に招待してみませんか」

3 「カラオケで歌ってみませんか」

4 「散歩に出かけてみませんか」

5 「車いすに乗ってみませんか」

 

解答

1:

2:

3:

4:

5:○事例の設問に「Nさんは家に帰りたがっている。最近夜間、一人でぶつぶつ言いながら、つたい歩きをするようになった。」とあり歩くことに意欲があるにもかかわらず、車いすをすすめては生活意欲の向上にはつながりません。従って間違い。

 

事例問題10

介護老人福祉施設U苑のK介護福祉士は、手芸クラブに参加するいつものメンバー(女性6名)に声をかけ、去年知事賞を受賞した作品展への出展に向け活動を始めた。欠席するメンバーもなく取り組みは積極的であった。ところが活動半ばころから個々のメンバーに対する不平不満の声が聞こえてきた。

丁寧な作業ぶりだがペースの遅いLさんへの批判にK介護福祉士は戸惑い、対応できずにいた。不満は解消されなかったが何とか一緒に作業を続けてきた。

出展時期が迫ってきたところ、メンバーの不満の矛先が最も熱心に参加し強引なリーダーシップを取るMさんに向けられてきた。Mさんの威圧的口調は

気になったが作品の完成にかかせない存在なので、この場面でもメンバーの不満に対処できずにいた。出展作品の完成後、クラブ活動は休止したままになっている。

 

問題1  手芸クラブを準備し活動を開始する段階でK介護福祉士が配慮すべき事項に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 グループ活動の計画は、K介護福祉士が中心となって作成する。

2 「波長あわせ」では、利用者にどのような活動を提供できるかを、施設、機関、の責任者に伝えなければならない。

3 手芸クラブに参加しているいつものメンバー以外には、参加を呼びかけない。

4 去年も行なったグループ活動であり、今回は施設の承認は得なくてもよい。

5 活動の目的は、作品を作り上げることだけではなく、どのようなプロセスで作っていくかにある。

 

解答5

1:×計画はメンバーが中心になっておこなうもので、K介護福祉士の役割はサポートに徹することが必要です。(注意:計画についてはメンバーと援助者が共同で作成する・・でも間違いではない)

2:×「波長あわせ」とは、援助者(K介護福祉士がメンバーの生活状況、感情、ニーズ等について理解し活動できるかを把握するものであるが、このことについてまで施設、機関、の責任者に伝える必要はありません。

3:×K介護福祉士は手芸クラブのメンバー以外での参加希望者に対しても参加を呼びかけることが大事です。興味を抱いている人にとっては、それが自己存在感や生活意欲を高めていくことになりますからね。

4:×間違いです。去年おこなった計画だから承認が必要ないという認識でいると、協力関係が希薄になり、適切な組織の援助をうけることができないこともでてきます。グループワークによる効果的な援助が遂行されるよう活動の意義や具体的な効果を説明し施設側(管理者等)の承認をえておく必要があります。

5:○グループワークでは活動の結果、つまり作品を作り上げることよりも、活動がどう展開されていくかという過程の方が重要であるとさえrています。さらにこの理由を知りたいかたは参考書などで確認してください。

 

問題2  手芸クラブ活動中におけるK介護福祉士の介入のあり方に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 各メンバーの感情を共感的に受け止める。

2 Lさんを呼んで、他のメンバーの不満を伝え、態度を改めるよう求める。

3 出展時期が迫っている段階なので、Mさんの行動は見守る。

4 Mさん以外にリーダー役が作れない場合、手芸クラブを中止する。

5 活動が継続中なので、介入は行なわない。

 

解答

1:○グループワークの原則でよく試験にでてくる問題です。集団援助技術(グループワーク)ではメンバー一人ひとりを在るがままに受容するとともに,メンバー間で相互に受容しあえる状況をつくり出すことが大切です。

2:×メンバー個々に能力の差があって当然です。そのことを念頭にK介護福祉士はたのメンバーの不満を伝えペースの遅いLさんに早いペースでやるようにもとめることは個々人の能力の差を認めるという個別性の原則に反するものです。

3:×手芸クラブはメンバー同士が葛藤状態にあるが、集K介護福祉士はMさんに問いかけながら出展にむけた,援助をする。

4:×クラブを中止するかどうかの判断は援助であるK介護福祉士が単独で判断することではなくメンバーも含めて話し合われなければなりません。

5:×活動が継続中でも援助者として、解決策を待たず積極的に介入をおこなうことが必要です。

 

問題3  手芸クラブ活動の休止中に、K介護福祉士が配慮すべき事項に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 休止中なので、活動を評価する必要はない。

2 活動の再開に向け今後の方針について、Mさんの意見を尊重する。

3 今後の活動について、メンバーが話し合える場を用意する。

4 活動が終結したと判断し、グループを解散させる。

5 今後のグループ活動については、生活相談員(社会福祉士)に引き継ぐ。

 

解答

1:×休止中であっても、活動についての評価は継続して行うことが原則となります。

2:×Mさん一人の意見を尊重しても、グループとしての意見として集約されなければ意味がありません。

3:○その通りです。グループの今後のありかたの問題についてはグループが一同に集まって話し合える場が必要ですね。

4:×K介護福祉士が勝手にメンバー不在の中でグループ活動の終わりに関与してはいけません。

5:×

 

参考

集団援助技術(グループワーク)の展開過程は、準備期、開始期、作業期、終結期の4段階に分けられます。準備期から終結期までの4過程で一周期としますが、援助者は、継続する毎回の集団援助活動にもこの4段階があることを忘れてはなりません。集団援助活動のために充分な準備をし、円滑な開始をし、その回に出てきた問題や過大のための作業を行い、最後に次回の活動を考えてのまとめをして、終結にいたります。

 

事例問題11

Eさん(70歳、女性)は、5年前に脳梗塞となった。右片麻痺の後遺症があり、2年前から介護老人福祉施設に入所している。

移動は車いすを使用し日中はトイレ、夜間はポータブルトイレで介助を受けながら排泄し、失禁はなかった。娘が頻繁に面会に来ていたが、半年前からがんの治療のため、面会に来る事ができなくなった。そのころからEさんの活気がなくなってきた。食事はスプーンを使用し自立しているが、次第に食事量が少なくなってきている。もともと風呂好きであったが、最近入浴を拒みがちである。また、日中でもベッドで眠っている事が目立ち、行事への参加を促しても「いやです」と言う。

 

問題1 Eさんの日常生活支援の方針に関する次の記述のうち最も適切なものを一つ選びなさい。

1 食事は全介助で行なう。

2 日中の睡眠時には起さない。

3 入浴は勧めない。

4 排便後は陰部洗浄をする。

5 一人でいられる環境にする。

 

解答

1:×食事はスプーンを使用し自立しているし右片麻痺の後遺症があるが、左手は使える状態なので全介助せず、残存機能の活用を行う。

2:×夜間のよい睡眠を作るためには、日中起きていてもらうための工夫が必要です。

3:×最近入浴を拒みがちとあるが、清潔保持の観点から入浴を勧めることは大切です。

4:○最近入浴を拒みがちとあるので、清潔保持の観点から排便後の陰部洗浄が必要となる。

5:×一人だけの環境におくことは、ますます活気がなくなり孤独感を感じるようになるので望ましくありません。

 

問題2 Eさんは最近、昼夜を問わず紙おむつを使用することを望むようになった。Eさんへの支援の方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 紙おむつを使用する。

2 トイレへの誘導は意図的に行なわない。

3 就寝前の水分摂取を制限する。

4 留置カテーテルの使用について医療職と相談する。

5 排泄の間隔を観察する。

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○「日中はトイレ、夜間はポータブルトイレで介助を受けながら排泄…」とあるので、排泄の間隔を観察し必要と思われる時間帯に紙おむつを使用したほうがよい。

 

問題3  娘さんが来なくなり、Eさんは最近「生きていてもしょうがない」と言うことが多くなってきた。このようなEさんへの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びましょう。

1 「元気出しましょうね」

2 「娘さんの病気が心配ですね」

3 「お風呂に入って気分転換しませんか」

4 「まず体の状態をよくしましょう」

5 「そんなこと言わないでください」

 

解答

1:×

2:○

3:×

4:×

5:×

 

事例問題12

Fさん(75歳、男性、要支援2)は、70歳の時に脳梗塞で入院した。右片麻痺が残ったが、つえと補装具を利用して室内歩行が介助にて可能になり、3か月後に退院して自宅に戻った。

その後週1回の訪問介護を利用しながら、妻(70歳)と2人で生活をしている。Fさんは水分を摂取するとむせることが多い。また頻尿もある。自分で座位を保持でき、出された食事は自分でとることができるが、それ以外は介助が必要である。妻は腰痛の持病があるが、献身的にFさんの介護に努めている。最近、訪問介護員が訪問すると、Fさんのトイレまでの介助を妻はかろうじて行っており、Fさんはベッドに臥床している状態が多くみられるようになってきた。

 

問題1  Fさんの起居・歩行介助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 立ち上がるときは、右上肢を介助者の肩に乗せる。

2 立ち上がるときは、補装具を着用する。

3 立ち上がるときは、体幹を十分に前屈させる。

4 歩行の時は、つえ→右足→左足→の順に出す。

5 歩行の時は、Fさんの右側から介助する。

 

解答

1:×問題文に「右片麻痺が残ったが、…」とあるので、右を肩に乗せた場合は転倒してしまう危険性があります。立ち上がるときの介助は健康側の右上肢を肩に乗せること。

2:○

3:○

4:○

5:○

 

問題2 次のうち Fさんのおやつとして、適切なものを一つ選びなさい。

1 にんじんスティック

2 清涼飲料水

3 とうもろこし

4 プリン

5 ピーナッツ

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○問題文に「Fさんは水分を摂取するとむせることが多い。」とあるので嚥下しやすい(飲み込みやすい)プリンが最も適していますね。

5:×

 

問題3 最近になってFさんの妻が、「夜、何度もトイレに呼ばれて大変。持病の腰痛も悪化するし、疲れもたまって介護がつらい」と訪問介護員に訴えるようになった。

訪問介護員の妻への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1  「訪問介護の訪問日数を増やしましょうか」

2  「夜は、おむつをするようにしましょう」

3  「夜、大変なので昼の介護はしなくていいです」

4  「そのうち腰痛もよくなりますから頑張りましょう」

5  「他のサービスの利用などケアマネジャーと相談してみてはいかがですか」 

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:×

5:○訪問介護員としてサービスの提案できるのはケアマネージャーですからこれが正解です。

 

事例問題13

Gさん(85歳、女性)は、夫(88歳)との2人暮らしである。子供3人はいずれも独立して県外に住んでいる。3か月ほど前に玄関先の段差につまずき転倒した。左大腿骨頚部骨折と診断され

入院し、手術を受けた。その後の経過は順調で、車いすでの自走ができるまでに回復した。何かにつかまれば2m程度なら歩行できる。ベッド横でポータブルトイレを使用して、一部介助で

排泄している。食事や衣服の着脱、歯磨きも座った状態であれば一人でできる。「家に帰り夫の食事をつくりたい」というGさんの強い要望で、退院した。夫は「また転ぶのではないか」と思っている。

退院前に、週2回の訪問介護サービスが計画された。

 

問題1 退院後3日目に、訪問介護員が初めて訪問した。Gさんはパジャマ姿で寝たままの状態で、夫から食事介助を受けていた。ベッドの横には汚れたオムツがそのまま置いてあった。次のうち、訪問介護員が確認する事項として、優先度の高いものを一つ選びなさい。

1  Gさんと夫の表情や動作

2  入院中の状態

3  Gさんの好きな食べ物

4  家屋の構造

5  子どもや孫のこと

 

解答1

1:○

2:×

3:×

4:×

5:×

 

問題2 Gさんの生活動作の低下を防ぐための援助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1  夫とともに下肢の筋力トレーニングを行う。

2  天気の良い日に車いすで外に出る。

3  電動エアマットの使用を勧める。

4  一定時間ベッドの端に腰掛けることを勧める。

5  食事内容に小魚類を多くとるように勧める。

 

解答

1:

2:

3:○電動エアマットはマットレスの中に電動で空気を送り込み、マットレスの硬さを部分によって常時変動させることができるので、圧力のかかりやすい部分への圧力も分散し、褥創が出来にくくなるメリットがあります。しかしGさんは体位変換ができるほどの身体能力があるので、エアマット使用は生活動作の低下につながるものであり使用を勧めることは間違いとなります。

4:

5:

 

問題3  次のうち、Gさんの退院時の要望を実現するための援助として、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 一人での歩行練習

2 立ったままでの歯磨き

3 車いすでの訪問介護員との調理

4 普段着への着替え

5 ポータブルトイレでの排泄

 

解答

1:×

2:×

3:○問題文に「家に帰り夫の食事をつくりたい」というGさんの強い要望が表明されているので、これが正解!

4:×

5:×

 

事例問題14

Hさん(75歳、女性)は、結腸がんのため2年前に下行結腸ストマ造設手術を行った。その後一人で生活をし、ストマ自己管理や身の回りの事ができていたが、身寄りがないのでケアハウスで生活するようになった。前向きに生きていこうと考え、買い物や映画鑑賞にもよく出かけていた。Hさんは、元来几帳面(きちょうめん)な性格であるため、ストマの管理に関する注意事項を守ろうと努力しているが、現在少しお腹が張ると訴えている。2週間前に買い物に出かけた後から元気がなく、自室にこもり、入浴しなくなった。また、ストマの自己管理もおぼつかなくなってきており、ストマ周辺の皮膚にびらんが見られるようになった。

 

問題1  次のうち、Hさんの通常の便の性状として、適切なものを一つ選びなさい。

1 液状便

2 液状便〜粥状便

3 粥状便〜軟便

4 軟便〜固形弁

5 硬便

 

解答

1:×

2:×

3:×

4:○下行結腸ストマの場合便は軟便〜固形となります。ちなみに 横行結腸ストーマの便は泥状〜軟便。上行結腸ストーマの便は水様〜泥状になります。

5:×

 

問題2 Hさんの日常生活支援に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 ヨーグルトを勧めた

2 栄養不足に注意した。

3 皮膚保護剤を貼りかえた。

4 かかりつけ医に連絡をした。

5 入浴を勧めた。

 

解答

1:結腸ストマの造設により大腸が短くなったぶん腸内細菌が少なくなるります。消化吸収が少なくなり下痢等の原因にならないようにはヨーグルト類をたべて腸内細菌の調整をすることが有効となってきます。

2:栄養を吸収する腸の部分が少なくなるので栄養不足もならにように注意が必要です。

3:○皮膚保護材の副作用として副作用刺激感や発疹等が現われることがあるので、介護員が勝手に貼り替えるのではなく医師への連絡が必要となります。

4:皮膚保護材の副作用として副作用刺激感や発疹等が現われることがあるので、介護員が勝手に貼り替えるのではなく医師への連絡が必要となります。

5:ストーマにはストーマ用の装具があり、装具をつけたまま入浴することができるので入浴を勧めることに問題はありません。

 

問題3  次の会話を参考に、立案した介護計画に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

職員 「1週間ぐらい前にHさんと話したときに、外出することに不安があるとおっしゃってました」

主任 「不安の原因は分かりましたか」

職員 「他の人に嫌な思いをさせなくないと思っているようです。外出した時に情けない思いをしたことがあったようです」

主任 「Hさんは前向きな人ですから、少しずつ以前のような生活に戻ってほしいと思っています」

職員 「どうすればHさんが安心して外出できるか、Hさんと一緒に考えて見ます」

 

1 外出先のトイレの位置を確認する。

2 外出する前日の食事を減らす。

3 外出時に予備の装具を持参する。

4 外出時に消臭剤を持参する。

5 外出時に予備の下着を持参する。

 

解答

1:

2:○

3:

4:

5:

 

事例問題15

右利きの女性、Jさん(38歳)は、1年前に交通事故で脳の右半球に損傷を負い、重度の片麻痺と高次脳機能障害と診断を受けた。3か月前より、身体障害者更生施設に入所している。日中活動では立位安定の機能訓練が行われている。食事は自立しているが、排泄、入浴などの日常生活には介助が必要である。午後は、自分で車いすを操作し、花壇の見えるところまで室内を移動してる。休日には夫と娘が面会に来ており、一緒に野外の散歩を楽しんでいる。

 

問題1  次の記述のうち、Jさんの行為として出現しないものを一つ選びなさい。

1 車椅子のブレーキを掛け忘れる。

2 車椅子が左側の物にぶつかる。

3 施設内で迷子になる。

4 左手で本のページをめくる。

5 衣服を裏返しに着てしまう。

 

解答

1:右半球がダメージをうけると注意障害がおきて車いすのブレーキをかけ忘れるなどの単純ミスをおこすことが多くなります。

2:脳の右半球の障害では左の半側空間無視がおきるので、問題文にあるように左側のものにぶつかることがおきてしまいます。

3:高次脳脳障害ではよく知っている場所で道に迷ったり、家の近くの写真を見せてもわからないことがおきるので正解。

4:○脳の右半球損羞悪では、左側に麻痺の症状がでるので左手でページをめくることは難しい。

5:高次脳機能障害では衣服を裏返しに着たり服の前後ろ反対に着たりすることがあるので正解。

 

問題2  花壇を見ていたJさんが車いすから立とうとして転倒した。転倒防止に関する次の記述のうち、最も適切なものを一つ選びなさい。

1 立位動作の支援は訓練時に限定する。

2 車いすにY字帯をつける。

3 車いすに離床センサーをつける。

4 日々の散歩の付き添いは家族に任せる。

5 車いすの使用時間を限定する。

 

解答

1:×訓練時だけでなく日常においても立位動作の支援は必要です。

2:×車いすにY字型拘束帯で利.用者を固定したり.車椅子に腰ベ.ルトで固定することは虐待にあたり好ましくありません。

3:○車いすの離床センサーは車いすから立ち上がると、その場で音を鳴り続けるものですが、転倒予防の道具として効果がありますね。

4:×Jさんは重度の片麻痺と高次脳機能障害を持っているので、散歩の付き添いを家族に任せるのではなく、安全確保の観点から介護職等による見守りが必要です。

5:×

 

問題3  娘さんの卒業式が2週間後にあり、Jさんは出席を希望している。家族は、「出席させたいが心配である」と話している。家族への支援に関する次の記述のうち、

適切でないものを一つ選びなさい。

1 式の終了まで参列できるように励ます。

2 事故が発生した場合の対処を相談しておく。

3 車いす対応が可能な車で行くように勧める。

4 車いす移動や排泄の介助を練習してもらう。

5 会場の環境、設備を事前に確認するように勧める。

 

解答

1:○

2:

3:

4:

5:

 

事例問題16

Kさん(70歳、男性)は単身生活をしていた。10年前に慢性閉塞性肺疾患と診断され治療を続けてきた。3か月前呼吸困難となり入院したが、2週間前に退院し在宅酸素療法が開始された。

介護保険認定は、要介護2であった。退院後は共働きの長男夫婦がKさん宅に同居することになった。週2回程度の入浴を許可されているが、長男夫婦は鼻カニューレをしながらの入浴介助に不安があり、自分達では行っていない。Kさんは、同居期間が短い長男の妻に対して遠慮することも多く、昼食の準備は自分で行おうとしているが、食欲がないと食事を摂取しない時がある。

退院時、訪問看護と訪問介護が導入された。訪問介護では生潔保持、調理介助、月1回の通院介助が行われている。

 

問題1  次のうち、Kさんの食事に対する助言として、適切でないものを一つ選びなさい。

1 食事は、ゆっくり摂取する。

2 水分摂取は、痰の排出を助ける。

3 高カロリーのものを多く摂取する。

4 食事は、回数を増やして摂取する。

5 食欲がなく食事が進まない場合は間食をとる。

 

解答

1:酸素療法を実施しているKさんは食事中に息切れして苦しくなることも予想されるので、ゆっくり食事することが望ましいです。

2:その通りです。水分摂取が少ないと濃い痰となり痰が切りにくくなるので水分摂取は必要ですね。

3:○下記を参照してください。

4:息苦しさの強い方は、1回の食事量を少なくして、回数を増やすことが必要です。

5:そのとおり覚えましょう。

 

参考

食事で摂取した栄養分をエネルギーとして利用する時には、酸素が消費され、二酸化炭素が発生します。この時、酸素1に対して発生した二酸化炭素の量を「呼吸商」で表します。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんでは呼吸で二酸化炭素を排出する機能が低下しています。そのため呼吸商の低い栄養分をとり、肺の仕事の負担を軽減する必要があります。

 

問題2  Kさんの通院介助に関する次の記述のうち、適切でないものを一つ選びなさい。

1 余裕をもったスケジュールを立てる。

2 携帯用酸素ボンベの残量を確認しておく。

3 呼吸困難があるときには休息をとる。

4 肺機能訓練のために階段昇降を行う。

5 帰宅後はうがいと手洗いを励行する。

 

解答

1:

2:

3:

4:○慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者さんは呼吸をするために、健常人よりも多くのエネルギーを必要とし、いつもジョギングをしているような状態となっています。階段を上り下りするのは体力的に困難ですから、肺機能訓練としては「口すぼめ呼吸」と「腹式呼吸」などの呼吸訓練が必要となってきます。

5:慢性閉塞性肺疾患(COPD)のかたは健常者にくらべ風邪を契機に呼吸器の病気が重症化する場合がありますので手洗い・うがいなどの風邪対策やインフルエンザ予防などが大切です。

 

問題3 長男夫婦に入浴介助の方法を指導する際の留意点に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

1 時間をかけてゆっくり入浴する。

2 口唇が紫色の場合は入浴しない

3 身体を洗うときは、全介助で行う。

4 首まで湯につかる。

5 入浴後は冷房のきいた部屋で休む。

 

解答

1:×慢性閉塞性肺疾患では着替えや入浴などの日常的な行動においても息苦しさを感じてしまいますので時間をかけての入浴は適切ではありません。

2:○慢性閉塞性肺疾患で唇が紫(チアノーゼ)になっているときは呼吸が苦しくなっているので入浴はしないほうがいいですね。

3:×介護保険の要介護2の判定基準では「立ち上がりや歩行などが自力では困難。排泄・入浴などに一部または全介助が必要。」となっているが、Kさんが自分で洗えない部分を一部介助するように指導したほうがよい。

4:×首までつかることは、水圧で体に負担をかけ酸素消費量を増やすために息切れが増長しますから控えたほうがいいです。

5:×慢性閉塞性肺疾患では入浴後すぐに冷房のきいた部屋に入ると温度差が大きいために.体の温度調節. 機構がうまく働かなくなるので控えた方がいいです。

 

第21回事例は近日中にアップします。

誤字、脱字等のまちがいについては管理人まで連絡お願いいたします。  xxgxsd@yahoo.co.jp

 

 

web介護福祉士会ホームページトップへ戻る

Copyright © Web Care Workers All Rights Reserved.
当サイト掲載の情報については、特に明示がない限り、その著作権をweb介護福祉士会が保有します。

inserted by FC2 system