保健医療(消化器・腎機能等疾患)

 

@胃・十二指腸潰瘍

・胃・十二指腸潰瘍とは、胃液という強い酸の刺激によって、胃・十二指腸の組織が剥がれ落ち、内部からえぐられた状態をいいます。本来、胃は塩酸やペプシンなどの消化液を分泌して、食べ物の消化を行っています。この胃液が何らかの原因で、胃や十二指腸の組織をも溶かして(消化して)しまう疾患が胃・十二指腸潰瘍で、消化性潰瘍とも呼ばれています。

・症状→自覚症状で最も多いのが、みぞおちの痛みです。胃潰瘍の場合は、食事中から食後に起こることが多く、十二指腸潰瘍の場合は、空腹時、特に早期に痛むことが多いです。胸やけ、胃もたれ、吐き気、嘔吐、食欲不振を伴うこともありますが、自覚症状が全く無い人もいます。

・症状悪化時→出血や穿孔を伴うことがある。胃・十二指腸潰瘍の下血の場合、タール便と言って、コールタール様のどす黒い便が出ることが多い

 

A胆石症・胆嚢炎・胆管炎

・肝臓でつくられる短銃が固まり、胆のうや胆管に胆石ができることを胆石症。胆嚢内にできる胆石を胆管結石。

・胆嚢や胆管に炎症ができたのもは胆嚢炎、胆管炎という。

 

B肝炎・肝硬変

B型肝炎

成人になってB型肝炎に感染すると、肝臓の細胞が破壊されて肝臓の働きがわるくなることがあります。ただし、ほとんどの場合、一過性で自覚症状もでにくいため、気づかないうちに、終息します。

まれに、劇症肝炎など、症状が重くなることがあるため注意が必要です。

C型肝炎と

C型肝炎はC型肝炎ウイルスによって感染して起こる病気です。 C型肝炎は慢性化しやすくC型肝炎ウイルスに感染した人の約7割が慢性肝炎を発症し、放置しておくと肝硬変、肝がんへと進展することがあります。

 

C潰瘍性大腸炎

・潰瘍性大腸炎は、直腸から連続的に大腸に炎症がおこり、大腸全体にびらんや潰瘍ができる疾患である。原因については不明。

・症状→粘血便、血便、下痢、腹痛

 

D腎不全

・腎不全→腎炎などの病気で、血液を濾過する「糸球体」の網の目がつまってしまうと腎臓の機能がおち、老廃物を十分排泄できなくなります。このような状態を腎不全といいます。腎臓の働きが正常の30%以下に低下した状態を腎不全といいます。いったん慢性腎不全になると、腎機能は回復不可能となります。

・急性腎障害→数時間から数日という短期間で急激に腎機能が低下する病態です。 尿から老廃物を排泄できなくなったり、溢水になったりします。 透析が必要になる場合があります。

・慢性腎障害→何らかの腎障害が3ヶ月以上持続する場合と定義されています。

 

E前立腺肥大症

・前立腺肥大症は、前立腺の病気のなかでもっとも多くみられる病気です。 この良性前立腺腫大は内腺(尿道を取り囲む部分:移行領域)で発生するため、尿道が圧迫され狭くなる(尿道閉塞)ことで、尿がでにくい、トイレの回数が多くなる、尿をしたあとすっきりしない、などの自覚症状(下部尿路症状)があらわれます。

 

消化器・腎機能等疾患に関する過去問題をピックアップ

1 ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していると、胃潰瘍は治りにくかったり再発したりする。

〇胃潰瘍はピロリ菌に感染している場合や、胃がんによる潰瘍の場合は、治りにくかったり、再発したりするため、注意が必要である。

2 肝不全の症状として、食欲不振、全身倦怠感、黄疽がみられることが多い。

3 潰瘍性大腸炎は、発症時に重症であっても、経過観察で完治する。

×潰瘍性大腸炎は、発症時に重症である場合には、入院の上で貧血や栄養障害などに対する治療・管理が必要となる。経過観察で完治するものではない。

4 慢性腎不全では、全身倦怠感、動悸、頭痛、浮腫などの症状がみられることがある。

5 尿路感染症の主症状は、頻尿、排尿時痛、発熱、尿閉などである。

6 肝硬変の末期では、血小板数の減少などにより、出血傾向をきたしやすい。

〇肝硬変は高齢者に好発する肝疾患であり、末期では血小板数の減少などがみられる。

7 十二指腸潰瘍では、空腹時に腹痛がおこる。

8 消化管穿孔(せんこう)を起こした場合は、安静が必要である。

×緊急に手術する必要がある。

9 ワーファリンなどの抗凝固薬や鎮痛薬の服用により、潰瘍の進行を改善することができる。

×潰瘍ができやすくなる。

10 胆嚢炎や胆管炎が命にかかわることはない。

×高齢者では重症化して命にかかわることがある。

11 急性肝炎は、特にC型肝炎ウイルスによるものが多い。

×特にA型、E型の肝炎ウイルスによるものが「多い。

12 肝硬変では低血糖を起こしやすいため就寝前に軽食をとることも検討する。

13 肝硬変は、末期では血小板数が減少し出血しやすい。

14 肝がんの多くは、アルコール性肝炎から進行して発症する。

×B型肝炎、C型肝炎が慢性化し肝がんに移行するものが多い。

15 潰瘍性大腸炎の病変は局所的で、大腸全体に広がることはない。

×大腸全体にびらんや潰瘍ができる。

17 腎不全では、嘔吐、浮腫といった症状がでる。

18 慢性腎不全の原因のひとつに、糖尿病がある。

19 慢性腎不全では、水分やカリウムの摂取量に注意する必要がある。

20 加齢によるインスリンの増加が、糖尿病の原因である。

×糖尿病の原因はインスリンの増加ではなく、インスリンの減少である。膵臓でつくられるインスリンは、ブドウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして利用するために必要不可欠なホルモンである。このインスリン不足により、糖尿病では血液中に糖があふれ、高血糖状態になる。

21 前立腺肥大症がある場合、薬剤の副作用で尿閉が起きることがある。

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