介護支援(居宅介護支援事業)
居宅介護支援事業者
指定居宅介護支援事業は「居宅介護支援」の業務を行う事業者として市町村長の指定を得た法人、基準該当の事業者も認められる。事業の人員、運営に関する基準は市町村の条例で定められる。
居宅介護支援事業所の基本方針(よく出題される)
・可能なかぎり居宅で自立した日常生活を送れるよう配慮する
・利用者の選択により保健医療サービスと福祉サービスが多様な事業者から総合的・効率的に提供されるように配慮する
・利用者の意思・人格を尊重し、利用者の立場にたって公平中立に行う
・他機関との連携に努める
居宅介護支援事業の人員基準
上記表参照
居宅介護支援事業の運営基準
サービス提供に関する規定
・内容及び手続の説明と同意→居宅介護支援について主体的な参加が重要であること、複数のサービス事業所の紹介を求めることが可能であることの説明と了解を得る。
・提供拒否の禁止→正当な理由なく、サービス提供を阻んではならない。
しかし正当な理由がある時はサービス提供を阻むことができる。以下の3つ
@事業省の現員では利用申し込みに応じきれない時
A利用申し込みの居住地が事業所の通常の実施区域外である時
B利用者が他の居宅支援事業者にダブルで依頼をしていることがわかったとき
・サービス提供困難時の対応→サービスの提供が困難な時は、他の事業者の紹介などの措置をとる
・利用者の受給資格の確認→被保険者証
・要介護認定の申請にかかる援助→被保険者から要介護認定の申請の代行を依頼された場合は必要な協力を行わなければならない
・利用料の受領→実施区域外の居宅を訪問して居宅介護支援を行う場合は、その交通費を請求できる。
居宅サービス計画の作成に関する基準
・指定居宅介護支援の基本取り扱い方針→医療サービスとの連携
・利用者に対する居宅サービス計画の書類交付→直近の居宅サービス計画を利用者に交付
その他の規定
・従業者の健康管理→事業者は介護支援専門員の清潔の保持と健康の管理を行わなければならない
・居宅サービス事業者からの利益収受の禁止→事業所の管理者は介護支援専門員に特定の居宅サービス事業者によるサービス利用を指示してはならない
・苦情処理→苦情処理には迅速かつ適切に対応しなければならない
・記録→完結の日から2年間保存 個々の利用者ごとの居宅介護支援台帳作成
居宅介護支援の介護報酬
上記表を参照
・主な加算
初回加算→新規の居宅サービス計画・要支援者が要介護認定を受けた時・要介護状態が2区分以上変更された場合
居宅介護支援事業に関する過去問題をピックアップ
1 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第1条の2の基本方針に定められている事項に障害者総合支援法に規定する指定特定相談支援事業者との連携に努めることが規定されている。
〇
2 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第1条の2の基本方針に定められている事項には利用者の施設入所について配慮することが規定されている。
×「利用者が可能な限りその居宅において、(中略)自立した日常生活を営むことができるように配慮して行われるものでなければならない。
3 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第1条の2の基本方針に定められている事項には保健医療サービス及び福祉サービスの総合的かつ効率的な提供に配慮することが規定されている。
〇
4 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第1条の2の基本方針に定められている事項には利用者の最低限度の生活の維持に努めることが規定されている。
×「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう」とは定められているが、「最低限度の生活の維持に努めること」は定められていない。
5 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)第1条の2の基本方針に定められている事項には居宅介護支援の提供に当たって公正中立に行うことが規定されている。
〇
6 指定居宅介護支援事業等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)で定める基本方針に示されているものに居宅における自立した日常生活への配慮がある。
〇
7 指定居宅介護支援事業等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)で定める基本方針に示されているものに利用者自身によるサービスの選択がある。
〇
8 指定居宅介護支援事業等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)で定める基本方針に示されているものに保険給付の重点的な実施がある。
×規定なし
9 指定居宅介護支援事業等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)で定める基本方針に示されているものに公正中立がある。
〇
10 指定居宅介護支援事業等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)で定める基本方針に示されているものに高齢者虐待の通報がある。
×人権の尊重の記述はあるが、虐待の通報までの記述はない。
11 指定居宅介護支援事業では要介護認定を受けた生活保護受給者には、福祉事務所の現業員が居宅サービス計画を作成しなければならない。
×福祉事務所の現業員以外でも、福祉事務所は生活保護法の指定介護機関(指定居宅介護支援事業者)等にケアプランの作成を委託できる。
12 指定居宅介護支援事業所ごとに、主任介護支援専門員を置かなければならない。
×規定なし
13 指定居宅介護支援事業所ごとに、常勤の管理者を置かなければならない。
〇
14 指定居宅介護支援事業では管理者は、同一敷地内にない他の事業所の職務に従事することができる。
×同一敷地にない場合は、管理者は他の事業所の職務に従事することはできない。
15 指定居宅介護支援事業者は、介護支援専門員の清潔の保持及び健康状態について、必要な管理をしなければならない。
〇
16 居宅介護支援の開始の時期は、要介護認定後である。
×必ずしも開始の時期は要介護認定後とはいえない。なお、要介護認定申請前であっても、緊急等やむを得ない事情がある場合には、サービスを利用することができるため、居宅介護支援を開始する場合もある。
17 居宅介護支援の開始にあたり利用申込者の同意を得なければならない。
〇
18 居宅介護支援の開始にあたりあらかじめ、苦情処理の体制について説明しなければならない。
〇
189 居宅介護支援の開始にあたり障害者施策の相談支援専門員を介して依頼が来る場合がある。
〇
20 居宅介護支援の開始にあたり入院患者については、退院後でなければならない。
×介護保険施設等から退院又は退所しようとする要介護者から依頼があった場合には、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、あらかじめ、居宅サービス計画の作成等の援助を行うものとする」とあり、入院患者についても、円滑に居宅での生活に移行できるよう、事前に援助を行うとされている。
21 指定居宅介護支援事業者の管理者には資格要件がない。
〇
22 事業者の職員では利用申し込みに応じられないという理由で、サービス提供を拒むことはできない
×拒否できる
23 利用者が他の居宅介護事業者の利用を希望する場合は、直近の居宅介護サービスとその実施状況に関する書類を利用者へ交付しなければならない。
〇
24 居宅介護支援の介護報酬は、要介護度にかかわりなく設定されている。
×2段階の要介護度と取扱件数に応じて設定
25 居宅支援では、要介護認定を受けている利用者が要支援認定を受けたときは、指定介護予防支援事業者と当該利用者に係る必要な情報を提供する等の連携を図るものとする。
〇
26 居宅支援では被保険者証に認定調査会の意見書の記録があるときは、利用者の理解を得た上で、その内容に沿って居宅サービス計画を作成しなければならない。
〇
27 居宅支援において利用者が通所リハビリテーションの利用を希望しているときは、利用者の同意を得て主治の医師等の意見を求めなければならない。
28 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、複数の指定居宅サービス事業者を必ず介在しなければならない。
×そのような規定はありません。利用者が複数の居宅サービス事業者を紹介を求めることが可能ということを居宅介護支援事業者は説明する必要があります。
29 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、利用者に入院する必要が生じたときは、介護支援専門員の氏名と連絡先を入院先の病院又は診療所に伝えるよう、あらかじめ利用者や家族に求めなければならない。
〇
30 指定居宅介護支援の提供の開始に際し、要介護認定申請が行われていない場合は、利用申込者の意思にかかわらず、速やかに申請が行われるよう援助を行わなければならない。
×必ず利用者の意思を踏まえ必要な協力をすることになります。
31 通常の事業の実施地域等を勘案し、自ら適切な指定居宅介護支援を提供することが困難なときは、他の指定居宅介護支援事業者を紹介するなど必要な措置を講じなければならない。
〇
32 利用者の選定により通常の事業の実施地域以外の地域で指定居宅介護支援を行うときは、要した交通費の支払いを利用者から受けることができる。
〇
サービス担当者会議関係の問題をピックアップ
1 指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議は家庭内暴力がある場合は、必ずしも利用者や家族の参加を求めるものではない。
〇
2 指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議では、開催の日程調整を行ったが、サービス担当者の事由により参加が得られなかったときは、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
〇サービス担当者への照会等 つまり 「問い合わせ」で意見を求めることができるということです。
3 指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議では、末期の悪性腫瘍の利用者について、日常生活上の障害が1か月以内に出現すると主治の医師が判断した場合には、その助言を得た上で、サービス担当者への照会等により意見を求めることができる。
〇
4 指定居宅介護支援におけるサービス担当者会議では、サービス担当者会議の記録は、要介護認定の有効期間に合わせて最長3年間保存しなければならない。
×最長2年間保存しなければなりません。
5 要介護更新認定の結果、要介護状態区分に変更がなかった場合には、サービス担当者会議を開催する必要はない。
×更新認定なので サービス担当者会議は開催しなければなりません。その他 区分変更時にも開催は必要になります。
6 介護予防ケアマネジメントについては、サービス担当者会議を行う必要がない場合がある。
〇指定事業者以外の多様なサービスを実施する場合はサービス担当者会議やモニタリングを省略できます。
7 サービス担当者会議への参加が困難な場合には、原則として、文書により情報提供・助言を行わなければならない。
〇
8 サービス担当者会議に特記事項を書いた認定調査員は、出席しなければならない。
×
9 サービス担当者会議に地域包括支援センターの主任介護支援専門員は、出席しなければならない。
×
10 サービス担当者会議は利用者が要支援更新認定を受けた場合は、開催するのが原則である。
〇
11 サービス担当者会議では介護予防サービス計画の原案の内容について、担当者から意見を求める。
〇
12 サービス担当者会議は施設サービス計画の原案を作成するため、常に開催しなければならない。